JP5541558B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解コンデンサにかかり、特に導電性ポリマーを電解質に用いた固体電解コンデンサに関する。
電解コンデンサは、タンタル、アルミニウム等の弁作用金属からなるとともに微細孔やエッチングピットを備える陽極電極の表面に、誘電体となる酸化皮膜層を形成し、この酸化皮膜層から電極を引き出した構成からなる。そして、酸化皮膜層からの電極の引出しは、導電性を有する電解質層により行っている。したがって、電解コンデンサにおいては電解質層が真の陰極を担うことになる。例えば、アルミニウム電解コンデンサでは、液状の電解質を真の電極として用い、陰極電極はこの液状電解質と外部端子との電気的な接続を担っているにすぎない。真の陰極として機能する電解質層は、酸化皮膜層との密着性、緻密性、均一性などが求められる。特に、陽極電極の微細孔やエッチングピットの内部における密着性が電気的な特性に大きな影響を及ぼしており、従来数々の電解質層が提案されている。
この電解質層としては、導電性を有する固体の電解質として、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン等の導電性ポリマーが知られている。これらの導電性ポリマーでは、低比抵抗であり、電解コンデンサ自体のESRが良好なものを作成することが可能であるため、注目を集めている。
この導電性ポリマーについて検討を重ねたところ、反応速度が緩やかで、かつ陽極電極の酸化皮膜層との密着性に優れたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)に着目し(特開平2−15611号公報)、その結果、陽極電極箔と陰極電極箔とを、酸化剤と化学的に反応しない合成繊維を主体とする不織布からなるセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、重合性モノマーと酸化剤とを含浸し、その後緩やかに起きる重合性モノマーと酸化剤との化学重合反応で固体電解質であるポリエチレンジオキシチオフェンを生成させることを特徴とする発明が開示されている(特開平10−340829号)。
特開平02−15611号公報 特開平10−340829号公報
しかしながら、この固体電解コンデンサにおいては、漏れ電流特性が未だ充分に満足できていない。そこで、本発明は、固体電解コンデンサの漏れ電流特性を改善し、信頼性の高い固体電解コンデンサを提供することを目的としている。
固体電解コンデンサにおいて、コンデンサ素子を構成するセパレータとしては合成繊維が用いられる場合、この合成繊維を含有する不織布セパレータの製造工程において、硫酸が添加され、製造されたセパレータに所定量の硫酸イオンが含有されている。例えばアクリル繊維の場合は、紡糸法にて製造される際の溶液等に、硫酸を添加されている(特開2003-27329号公報)。この硫酸イオンを含むセパレータを用いたコンデンサ素子では、固体電解コンデンサの漏れ電流特性が悪化することが分かった。これは明らかではないが、固体電解質を形成する前に施される、セパレータのバインダーを溶解させるためのコンデンサ素子の温水浸漬や、電極箔の損傷部を修復する化成溶液への浸漬や、さらには固体電解質を形成するための溶液への浸漬において、セパレータより溶け出した硫酸イオンが電極箔の表面に付着し、電極箔の表面状態に何らかの悪影響を与えていると想定される。したがって、コンデンサ素子に含まれる硫酸イオン量を制御することで、電極箔への硫酸イオンの付着が抑制され、固体電解コンデンサの漏れ電流特性が改善することが判明した。
そこで、本発明の固体電解コンデンサは、陽極電極箔と陰極電極箔とを合成繊維を主体とする不織布からなるセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、重合性モノマーと酸化剤とを含浸して化学重合反応により生成した固体電解質を前記セパレータで保持した固体電解コンデンサにおいて、前記コンデンサ素子に含まれる硫酸イオンの濃度が150ppm以下であることを特徴としている
本発明によれば、コンデンサ素子に含まれる硫酸イオンの濃度を制御することで、固体電解コンデンサの漏れ電流等の電気的特性を改善し、信頼性の高い固体電解コンデンサを提供することができる。
以下、本発明の固体電解コンデンサの最良の実施形態を説明する。本発明の固体電解コンデンサは、アルミニウム等の弁作用金属からなり、表面に酸化皮膜層が形成された陽極電極箔と、陰極電極箔とを、合成繊維を含有する不織布からなるセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成する。そして、このコンデンサ素子にリン酸を含有する水溶液中に浸漬し電圧印加する修復化成や上記合成繊維のバインダーを溶解させる温水浸漬処理等が施された後、3,4−エチレンジオキシチオフェン等の重合性モノマーと酸化剤とを含浸し、コンデンサ素子中での化学重合反応により生成した固体電解質層としてセパレータ3で保持している。
陽極電極箔は、アルミニウム等の弁作用金属からなり、その表面を、塩化物水溶液中での電気化学的なエッチング処理により粗面化して多数のエッチングピットを形成している。更にこの陽極電極箔の表面には、ホウ酸アンモニウム等の水溶液中で電圧を印加して誘電体となる酸化皮膜層を形成している。
陰極電極箔は、陽極電極箔と同様にアルミニウム等からなり、表面にエッチング処理のみが施されているものを用いる。陽極電極箔及び陰極電極箔にはそれぞれの電極を外部に接続するためのリード線が、ステッチ、超音波溶接等の公知の手段により接続されている。このリード線は、アルミニウム等からなり、陽極電極箔、陰極電極箔との接続部と外部との電気的な接続を担う外部接続部からなり、巻回したコンデンサ素子の端面から導出される。
セパレータは、合成繊維を含む不織布からなり、合成繊維としては、ポリエステル系繊維、ビニロン系繊維、ポリアミド系繊維、レーヨン系繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、トリメチルペンテン繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、アクリル繊維、セルロイド[または硝酸化したセルロース]繊維があげられ、これらの繊維を単独又は複数の繊維を配合したものを用いている。中でも、融点を持たず、耐熱性を有し、その分解温度が300℃であるアクリル繊維や、その他、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン繊維が好適である。なお、合成繊維を含む不織布のバインダーとしては、ポリビニルアルコールを用いると好ましい。
このように巻回されたコンデンサ素子に含まれる硫酸イオンの濃度は、150ppm以下が好ましい。硫酸イオン濃度が150ppmを超えると、漏れ電流が急激に悪化してしまう。この硫酸イオンは、主に、電極箔やセパレータ等のコンデンサ素子の材料に含まれている場合が多い。このコンデンサ素子の材料に硫酸イオンを低減する処理を施し、コンデンサ素子に含まれる硫酸イオンの濃度を150ppm以下とすればよい。例えばアクリル繊維等の合成繊維を含有する不織布セパレータでは、硫酸イオンが製造工程で添加され(例えば、紡糸法にて製造される際の溶液等)、製造されたセパレータに所定量の硫酸イオンが含有されている。この製造工程中における硫酸の添加量を低減する、又は製造されたセパレータに所定の硫酸低減処理を施す等によって、セパレータ中に含有された硫酸イオンの濃度を低減することができる。
コンデンサ素子に形成される固体電解質としては、導電性ポリマーがあげられる。この導電性ポリマーは、導電性を有して電解コンデンサの電解質層として利用できる特性を有する高分子を指しており、このような特性を有する高分子で有れば使用可能である。具体的にはポリピロール,ポリチオフェン,ポリアニリン又はこれらの誘導体の少なくとも1種を使用することができる。なかでも反応性及び電気的特性の良好な3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDT)が最適である。
導電性ポリマーの重合用溶液は、チオフェンやポリピロールの重合性モノマー溶液と酸化剤の溶液を混合した混合溶液や重合性モノマー溶液と酸化剤溶液を混合せず個々に準備したものがあげられる。バイエル株式会社のバイトロンM(3,4−エチレンジオキシチオフェン)や、バイトロンC(パラトルエンスルホン酸鉄のブタノール溶液)がそれぞれ重合性モノマー溶液及び酸化剤溶液として広く使用されている。溶剤としては、イソプロピルアルコール,メタノール,エタノール,ブタノール,アセトンが使用可能である。
固体電解質の形成方法としては、上述の重合性モノマー溶液と酸化剤溶液の混合溶液にコンデンサ素子を含浸して固体電解質を形成する方法、また上述の重合性モノマー溶液、酸化剤溶液を個別にコンデンサ素子に含浸して固体電解質を形成する方法があげられる。なお、これらの重合用溶液をコンデンサ素子に含浸する方法としては、上記重合用溶液にコンデンサ素子を浸漬する方法、重合用溶液を吐出法等によってコンデンサ素子内に注入する方法がある。コンデンサ素子を重合用溶液内に浸漬する時間は最低でも5秒間が必要であり、これ以上長時間浸漬しても特性面での弊害は発生しない。
このように、巻回時のコンデンサ素子に含まれる硫酸イオンの濃度を150ppm以下とすることで、導電性ポリマーの重合用溶液をコンデンサ素子に含浸して固体電解質を形成する際に、電極箔の表面に付着するコンデンサ素子から溶け出した硫酸イオンの量が少ないため、電極箔の表面への影響が少なく、固体電解コンデンサの漏れ電流特性やESR特性が改善される。
次に本発明の固体電解コンデンサの実施例について説明する。
(実施例1)先ず陽極電極箔と陰極電極箔とをアクリル繊維を含有する不織布セパレータを介して巻回してコンデンサ素子を得た。このコンデンサ素子に含まれる硫酸イオンの濃度は50ppmであった。このコンデンサ素子を90度の温水に浸漬し、その後固体電解質層を形成するため、EDTと45%のパラトルエンスルホン酸第二鉄のエタノール溶液を重量比が1:2となるように混合液を調製した。コンデンサ素子を該混合液内に10秒間浸漬し、120℃で1時間加熱してコンデンサ素子内でポリエチレンジオキシチオフェンの重合反応を進行させ、固体電解質層を形成した。このコンデンサ素子を有底筒状のアルミニウムケースに挿入し、開口部を絞り加工によってゴム封口してからエージングを行い、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例2)実施例1のコンデンサ素子の硫酸イオンの濃度を100ppmとし、それ以外は、実施例1と同様の固体電解コンデンサを作成した。
(実施例3)実施例1のコンデンサ素子の硫酸イオンの濃度を150ppmとし、それ以外は、実施例1と同様の固体電解コンデンサを作成した。
(比較例1)実施例1のコンデンサ素子の硫酸イオンの濃度を175ppmとし、それ以外は、実施例1と同様の固体電解コンデンサを作成した。
以上の実施例1ないし実施例3及び比較例1のそれぞれの初期特性を測定した。その結果を以下に示す。
表1より明らかなように、実施例1ないし実施例3の固体電解コンデンサでは、比較例1の固体電解コンデンサに比べて、漏れ電流が大幅に改善され、ESR特性についても改善されている。

Claims (1)

  1. 陽極電極箔と陰極電極箔とを、合成繊維を主体とする不織布からなるセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、重合性モノマーと酸化剤とを含浸して化学重合反応により生成した固体電解質を前記セパレータで保持した固体電解コンデンサにおいて、
    前記コンデンサ素子に含まれる硫酸イオンの濃度が150ppm以下である固体電解コンデンサ。
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