JP2007180404A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大容量で小型化が可能な固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】表面が拡大処理されて誘電体酸化皮膜層11を形成するアルミニウム等からなる陽極電極箔1をセパレータ2を介して巻回させると共に、陽極電極箔1から陽極リード線4を導出してコンデンサ陰極層未形成素子3を作製し、電解液に浸漬後、陰極層10を形成させる端面を当接させた状態で金属箔上に置いて化学重合により導電性高分子の固体電解質12を形成して陽極素子9とする。コンデンサ陰極層未形成素子3の陰極側端面の固体電解質12上にカーボン層5及び銀ペースト層6を積層して陰極層10とし、銀ペースト層6に導電性接着剤7で陰極フレーム8を取り付けてコンデンサ素子13を作製する。コンデンサ素子13は有底筒状の外装ケースに収納して開口部をゴム等により密封する。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体電解コンデンサ及びその製造方法に関し、特に、導電性高分子を電解質に用いた固体電解コンデンサ及びその製造方法に関するものである。
近年、電子機器の高周波デジタル化、高性能化、多機能化及び小型化が進み、これらの電子機器に使用される固体電解コンデンサには、高周波領域での優れた低インピーダンス特性、大容量化及び小型化が求められている。
そこで、固体電解コンデンサでは、イオン伝導であるために高周波領域でのインピーダンス特性が劣る液状の電解質の代わりに導電性を有する固体の電解質を用いて、高周波領域のインピーダンスの低減を実現している。
従来から、表面に誘電体酸化皮膜を形成した弁作用金属からなる陽極体と、ポリピロール系、ポリチオフェン系等の導電性高分子の固体電解質層からなる陰極体で構成される固体電解コンデンサが良く知られている。
また、更に大容量化を実現するために、表面に誘電体酸化皮膜が形成されている陽極箔とエッチングされたアルミニウム陰極箔とを、セパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、コンデンサ素子の陽極箔と陰極箔との間のセパレータに導電性高分子の固体電解質を保持させた巻回型のアルミ固体電解コンデンサが開発されている。
そして、巻回型の固体電解コンデンサには、固体電解質として導電性高分子を用い、一般的に導電性高分子として特許文献1に示すポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)を用いている。
特開2001−189242号公報
ところが、巻回型の固体電解コンデンサは、コンデンサ素子の誘電体に対するセパレータや陽極箔及び陰極箔からなる電極箔の占める体積の割合が大きい。
また、巻回型の固体電解コンデンサは、陽極箔側から引き出された静電容量と陰極箔側から引き出された静電容量の直列合成容量から成り立つため、陽極箔側の静電容量が陰極箔側静電容量との合成により低くなり、結果としてコンデンサ自体が引き出せる静電容量が低くなる。以上のことから、巻回型の固体電解コンデンサは、静電容量当たりの体積が大きくなり、大容量での小型化が困難であるという問題を有している。
そこで、本発明は、このような課題を解決し、導電性高分子を電解質に用いた固体電解コンデンサにおいて、大容量で小型化が可能な固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供するものである。
本発明に係る固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を表面に形成した弁作用金属からなる陽極箔を、セパレータを介して巻回した陽極素子と、前記陽極箔と前記セパレータとの間に設けられた導電性高分子を形成した固体電解質と、前記陽極箔に接続され前記陽極素子の巻回端面から引き出される陽極側端子と、前記巻回端面に対向する陰極側端面の前記固体電解質上に導電体層を形成した陰極層と、を備えることを特徴とする。
前記導電体層は、前記陽極素子の陰極側端面の前記固体電解質上に形成され、カーボン成分を含む第1の層と、該第1の層上に形成され、導電性を有する金属成分を含む第2の層とを含むことが好ましい。
ここに、第1の層としては、カーボン層からなる層を例示できる。他方、第2の層としては、銀ペースト層や銅ペースト層等からなる層を例示することができる。
前記陰極層は、前記第2の層に導電性接着剤を介して陰極側端子と接続されていても良い。
前記導電性高分子が、ポリアニリン、ポリピロール及びポリエチレンジオキシチオフェンからなるグループより選択されて良い。
本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、誘電体酸化皮膜を表面に形成した弁作用金属からなる陽極箔に陽極側端子を接続し、該陽極箔をセパレータを介して巻回することにより陽極素子を形成する工程と、前記陽極素子を導電性高分子形成性化合物と該導電性高分子形成性化合物を重合するための酸化剤溶液とを含有する混合溶液に含浸し、化学重合することにより導電性高分子からなる固体電解質を前記陽極箔と前記セパレータの間に形成するとともに、平らで厚い固体電解質を前記陽極側端子を引き出した巻回端面の対向面に形成する工程と、前記陽極側端子を引き出した巻回端面の対向面の前記固体電解質上に導電体層を積層して陰極層を形成する工程と、前記導電体層に導電性接着剤を介して陰極側端子を取り付ける工程と、を含むことを特徴とする。
ここで、前記導電性高分子形成性化合物が、エチレンジオキシチオフェン又は当該エチレンジオキシチオフェンの誘導体を含有する溶液であり、前記酸化剤溶液が、有機スルホン酸の第二鉄塩を含有する酸化剤であって良い。
本発明において、弁作用金属とは、アルミニウム、タンタル、ニオブ等を含むものである。
本発明に係る固体電解コンデンサによると、従来の巻回型の電解コンデンサから陰極箔と陰極箔側セパレータを取り除いて陽極素子とし、陽極素子の陰極側端面であってその固体電解質上に陰極層を形成した構造となり、コンデンサ素子の誘電体に対するセパレータや電極箔の占める体積の割合が小さくなる。
また、陽極箔の誘電体酸化皮膜から固体電解質を介して陰極層に至る構造になるため、陰極箔による合成容量低下が生じなくなる。
従って、導電性高分子を電解質に用いた固体電解コンデンサにおいて、大容量で小型化が可能な固体電解コンデンサを実現することができる。
尚、導電体層である陰極層を形成する陽極素子の陰極側端面(即ち、陽極側端子を引き出した巻回端面の対向面)には、平らで厚い固体電解質が形成されることが好ましい。
本発明に係る固体電解コンデンサにおいて、前記導電体層が、前記陽極素子の陰極側端面の前記固体電解質上に形成され、カーボン成分を含む第1の層と、前記第1の層上に形成され、導電性を有する金属成分を含む第2の層とを含むことによって、陽極箔が形成する誘電体酸化皮膜から電極を引き出して真の陰極を担う導電性高分子の第1及び第2の層を積層して陰極層を形成することができる。
本発明に係る固体電解コンデンサにおいて、前記陰極層が、前記第2の層に導電性接着剤を介して陰極側端子と接続されることによって、陽極側端子と陰極側端子とを簡易な構成にて形成することができ、小型化が可能となる。
本発明に係る固体電解コンデンサにおいて、前記導電性高分子が、ポリアニリン、ポリピロール及びポリエチレンジオキシチオフェンからなるグループより選択されることによって、電導度及び耐熱性に優れた低コストの導電性高分子を用いることができる。特に、ポリピロールは、電導度やコスト的にも優位であるためより好ましい。
本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法によると、従来の巻回型の電解コンデンサから陰極箔と陰極箔側セパレータを取り除いて陽極素子とし、陽極素子端面の固体電解質上に導電体層で形成される陰極層を形成した構造となり、コンデンサ素子の誘電体に対するセパレータや電極箔の占める体積の割合を小さくしている。
また、陽極箔の誘電体酸化皮膜から固体電解質を介して陰極層に至る構造になるため、陰極箔による合成容量低下が生じない。
更に、化学重合の過程において、陰極層を形成させる陽極素子の端面に平らで厚い導電性高分子の固体電解質を形成しており、陽極との電極間距離を保つことができる。
ここで、陰極層を形成させる陽極素子の端面(即ち、陽極側端子を引き出した巻回端面の対向面)に平らで厚い導電性高分子の固体電解質を形成するためには、例えば、平板の金属箔上から陰極層を形成させる陽極素子の端面をわずかに離して載置した状態で化学重合させる方法や、容器内で化学重合させた後に容器から取り出すような方法や、あらかじめセパレータを陽極箔よりも長くした陽極素子を平板の金属箔上に当接させた状態で化学重合させることで、はみ出たセパレータ部分にも導電性高分子を形成させる方法等が考えられる。
従って、導電性高分子を電解質に用いた固体電解コンデンサの製造方法において、大容量で小型化が可能な固体電解コンデンサの製造方法を提供することができる。
本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法において、前記導電性高分子形成性化合物が、エチレンジオキシチオフェン又は当該エチレンジオキシチオフェンの誘導体を含有する溶液であり、前記酸化剤溶液が、有機スルホン酸の第二鉄塩を含有する酸化剤であることによって、陽極箔に形成された誘電体酸化皮膜と重合溶液との濡れ性を良くすることができ、陽極箔の近傍に形成する導電性高分子の固体電解質の被覆性が高くなり、高い静電容量を引き出せるため、更に、大容量で小型化が可能な固体電解コンデンサを製造することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る固体電解コンデンサ及びその製造方法を実施するための最良の形態について具体的な一例に即して説明する。
本実施形態に係る固体電解コンデンサ及びその製造方法について、図1〜3に基づいて以下に説明する。図1は、本実施形態に係る固体電解コンデンサの陽極素子を示す分解斜視図である。図2は、本実施形態に係る固体電解コンデンサを示す側面図である。図3は、本実施形態に係る固体電解コンデンサの構成を示す概念図である。
図1及び図3に示すように、エッチング処理によるエッチングピットや微細孔を持つようにして表面を粗面化した後に、陽極酸化法により誘電体酸化皮膜11を形成したアルミニウムやタンタルやニオブ等の弁作用金属からなる陽極電極箔(陽極箔)1を、アクリル繊維を主体とする不織布からなるセパレータ2を介して巻回して、コンデンサ陰極層未形成素子3が構成される。
ここで、陽極電極箔1の幅は、セパレータ2の幅よりも小さいことが望ましい。
また、陽極電極箔1からは、陽極リードタブ(図示せず)を介して陽極リード線(陽極側端子)4が、巻回したコンデンサ陰極層未形成素子3の端面から引き出されて構成される。
そして、上述の構成のコンデンサ陰極層未形成素子3に対して、導電性高分子形成性化合物とその導電性高分子形成性化合物を重合するための酸化剤溶液とを含有する混合溶液に含浸し、化学重合により陽極電極箔1とセパレータ2との間に導電性高分子の固体電解質12を形成して、陽極素子9を構成する。
その際、陰極層(導電体層)10を形成させるコンデンサ陰極層未形成素子3(即ち、陽極素子9)の端面(陽極リード線4が引き出されていない陰極側端面)に平らで厚い導電性高分子の固体電解質12を形成するため、平板の金属箔上に陰極層10を形成させるコンデンサ陰極層未形成素子3(即ち、陽極素子9)の端面を当接させて載置した状態で重合させる。
ここで、導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェンからなるグループから選択されたものを使用することができる。これらは、電導度及び耐熱性に優れており、低コストであるからである。尚、導電性高分子としてポリエチレンジオキシチオフェンを使用する場合、導電性高分子形成性化合物としてエチレンジオキシチオフェン又は当該エチレンジオキシチオフェンの誘導体を含有する溶液を用い、酸化剤溶液としてp−トルエンスルフォン酸第二鉄等の有機スルホン酸の第二鉄塩を含有する酸化剤を用いる。
このようにすれば、陽極電極箔1に形成された誘電体酸化皮膜11と重合溶液との濡れ性を良くすることができ、陽極電極箔1の近傍に形成する導電性高分子の固体電解質12の被覆性が高くなり、高い静電容量を引き出せるため、更に、大容量で小型化が可能な固体電解コンデンサの製造を実現することができる。
次に、図2及び図3に示すように、コンデンサ陰極層未形成素子3(即ち、陽極素子9)の陰極側端面全面に、カーボン層(第1の層)5をペースト塗布・硬化により形成した後、カーボン層5の全面に、銀ペースト層(第2の層)6をペースト塗布・硬化により形成して、陰極層10とする。
また、陰極層10の銀ペースト層6に、導電性接着剤7により陰極フレーム(陰極側端子)8を取り付ける。
尚、図2に示すように、陰極フレーム8は、陽極電極箔1との電極間距離が短くなり、ショートする可能性があるため、コンデンサ陰極未形成素子3の側面に直接接触しないように隙間を空けて形成している。
但し、コンデンサ陰極層未形成素子3(即ち、陽極素子9)の側面に、絶縁性の素子止めテープが巻かれており、陽極箔幅よりその素子止めテープが広い場合、または、コンデンサ陰極層未形成素子3の巻回側面を絶縁性樹脂で被覆した場合には、陰極フレーム8は、ショートする可能性がないため、コンデンサ陰極層未形成素子3(即ち、陽極素子9)に直接触れるように形成しても問題ない。また、銀ペースト層6には、銀ペーストの代わりに他の金属(例えば、銅等)ペーストを用いても良い。
以上のように構成した陽極素子9と陰極層10とからなるコンデンサ素子13をアルミニウム等で形成される有底円筒状の外装ケースに収納し、陽極リード線4及び陰極フレーム8を貫通させた状態で、外装ケースの開口部を樹脂やゴム等の封口材により密封することにより、本実施形態に係る固体電解コンデンサが得られる。これにより、陽極リード線4と陰極フレーム8とを簡易な構成にて形成することができ、小型化が可能となる。
次に、本実施形態に係る固体電解コンデンサ及びその製造方法の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
表面拡大処理され、表面に誘電体酸化皮膜層を形成した幅5mm、長さ125mmのアルミニウム製の陽極電極箔を、幅7mmのセパレータを介して巻回させ、陽極電極箔からは、陽極リードタブを介して陽極リード線が巻回したコンデンサ素子の端面から引き出されているコンデンサ陰極層未形成素子を作製した。次に、このコンデンサ陰極層未形成素子を3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸鉄(III)とをi−プロパノールに溶解した溶液(モノマーと酸化剤のモル比1:1.5)に浸漬後、陰極層を形成させる側のコンデンサ陰極層未形成素子の端面を当接させた状態でアルミ箔上に置き、100℃に60分間保持して化学重合によりPEDTを形成させた。
そして、カーボン層を形成した後、銀ペースト層を形成させて陰極層とした。この陰極層に導電性接着剤により陰極フレームを取り付けて、コンデンサ素子を作製した。
このようにして得られたコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに収納し、開口部を樹脂やゴム等の封口材により密封して固体電解コンデンサを作成した。
(実施例2)
陽極電極箔を幅5mm、長さ100mmとした以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例)
表面に誘電体酸化皮膜層を形成した幅5mm、長さ125mmのアルミニウム製の陽極電極箔と幅5mm、長さ140mmのアルミニウム製の陰極電極箔とをセパレータを介して巻回させ、陽極電極箔及び陰極電極箔からは、それぞれ陽極リードタブ及び陰極リードタブを介して陽極リード線及び陰極リード線が巻回したコンデンサ素子の端面から引き出されているコンデンサ素子を作製した。次に、このコンデンサ素子を3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸鉄(III)とをi−プロパノールに溶解した溶液(モノマーと酸化剤のモル比1:1.5)に浸漬後、100℃に60分間保持して化学重合によりPEDTを形成させた。
このようにして得られたコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに収納し、開口部を樹脂やゴム等の封口材により密封して固体電解コンデンサを作成した。
以上の実施例1及び実施例2のように製造した本実施形態に係る固体電解コンデンサと、比較例のように製造した従来技術に係る巻回型の固体電解コンデンサについて、その素子径と測定した電気特性の結果を次の表1に示す。尚、電気特性は、静電容量(測定周波数120Hz)、tanδ(測定周波数120Hz)、等価直列抵抗(ESR)(測定周波数100kHz)、漏れ電流(定格電圧印加後1分値)の値を計測した。
Figure 2007180404
表1に示すように、実施例1のように製造した本実施形態に係る固体電解コンデンサは、比較例のように製造した従来技術に係る巻回型の固体電解コンデンサと比べて、素子径が小さく、大きな静電容量であることが分かる。
また、実施例2のように製造した本実施形態に係る固体電解コンデンサは、比較例のように製造した従来技術に係る巻回型の固体電解コンデンサと比べて、同等の静電容量であるが、素子径が小さいことが分かる。
以上から、本実施形態に係る固体電解コンデンサは、大容量で小型化が可能であることがわかる。
尚、測定結果の記載を省略するが、実施例1,2及び比較例において、固体電解質として用いたPEDT以外の公知の導電性高分子(例えば、ポリアニリンやポリピロール)を固体電解質として用いて電気特性を計測した場合も同様であり、同様の効果が得られることが確認されている。
このように、本実施形態に係る固体電解コンデンサ及びその製造方法によると、従来の巻回型の電解コンデンサから陰極箔と陰極箔側セパレータを取り除いて陽極素子とし、陽極素子の陰極層側端面(換言すると、上記の陽極リード線(即ち、陽極側端子)4が引き出されていない側の端面)側であってその固体電解質上に陰極層を形成した構造となり、コンデンサ素子の誘電体に対するセパレータや電極箔の占める体積の割合を小さくしている。
また、陽極箔の誘電体酸化皮膜から固体電解質を介して陰極層に至る構造になるため、陰極箔による合成容量低下が生じないようにしている。更に、平板の金属箔上に前記陽極素子の他方の端面を載置した状態で化学重合することにより、陰極層を形成させる陽極素子の端面に平らで厚い導電性高分子の固体電解質を形成している。従って、導電性高分子を電解質に用いた固体電解コンデンサ及びその製造方法において、大容量で小型化が可能な固体電解コンデンサ及びその製造を実現することができる。
以上、本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の趣旨から逸脱することのない様々な実施形態が他になされる。
さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明をこれに限定するものではない。また、具体例は、本発明の構成を例示したものであり、本発明をこれに限定するものではない。
例えば、上述の実施形態においては、陰極層10を形成させるコンデンサ陰極層未形成素子3(即ち、陽極素子)9の端面に平らで厚い導電性高分子の固体電解質12を形成するために、平板の金属箔上に陰極層10を形成させるコンデンサ陰極層未形成素子3(即ち、陽極素子)9の端面を当接させて載置した状態で化学重合させているが、それに限らない。
例えば、コンデンサ陰極層未形成素子3(即ち、陽極素子)9を容器に入れて、容器内で化学重合させた後に容器から取り出すような方法や、陽極素子を平板の金属箔(板)上からわずかに離した状態で化学重合を行い、導電性高分子を形成させる方法等が考えられる。
また、セパレータは、実施例でアクリル繊維を主体とした不織布を使用したが、マニラ紙、ヘンプ紙、エスパルト紙、クラフト紙等の天然繊維、ビニロン繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維等からなる織布または不織布を用いることができる。
本実施形態に係る固体電解コンデンサの陽極素子を示す分解斜視図である。 本実施形態に係る固体電解コンデンサを示す側面図である。 本実施形態に係る固体電解コンデンサの構成を示す概念図である。
符号の説明
1 陽極電極箔(陽極箔)
2 セパレータ
3 コンデンサ陰極層未形成素子
4 陽極リード線(陽極側端子)
5 カーボン層(第1の層)
6 銀ペースト層(第2の層)
7 導電性接着剤
8 陰極フレーム(陰極側端子)
9 陽極素子
10 陰極層(導電体層)
11 誘電体酸化皮膜
12 固体電解質
13 コンデンサ素子

Claims (6)

  1. 誘電体酸化皮膜を表面に形成した弁作用金属からなる陽極箔を、セパレータを介して巻回した陽極素子と、
    前記陽極箔と前記セパレータとの間に設けられた導電性高分子を形成した固体電解質と、
    前記陽極箔に接続され前記陽極素子の巻回端面から引き出される陽極側端子と、前記巻回端面に対向する陰極側端面の前記固体電解質上に導電体層を形成した陰極層と、
    を備えることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記導電体層は、
    該陽極素子の陰極側端面の前記固体電解質上に形成され、カーボン成分を含む第1の層と、
    前記第1の層上に形成され、導電性を有する金属成分を含む第2の層とを含むことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記陰極層は、前記第2の層に導電性接着剤を介して陰極側端子と接続されていることを特徴とする請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記導電性高分子が、ポリアニリン、ポリピロール及びポリエチレンジオキシチオフェンからなるグループより選択されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 誘電体酸化皮膜を表面に形成した弁作用金属からなる陽極箔に陽極側端子を接続し、該陽極箔をセパレータを介して巻回することにより陽極素子を形成する工程と、
    前記陽極素子を導電性高分子形成性化合物と該導電性高分子形成性化合物を重合するための酸化剤溶液とを含有する混合溶液に含浸し、化学重合することにより導電性高分子からなる固体電解質を前記陽極箔と前記セパレータの間に形成するとともに、平らで厚い固体電解質を前記陽極側端子を引き出した巻回端面の対向面に形成する工程と、
    前記陽極側端子を引き出した巻回端面の対向面の前記固体電解質上に導電体層を積層して陰極層を形成する工程と、
    前記導電体層に導電性接着剤を介して陰極側端子を取り付ける工程と、
    を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記導電性高分子形成性化合物が、エチレンジオキシチオフェン又は該エチレンジオキシチオフェンの誘導体を含有する溶液であり、
    前記酸化剤溶液が、有機スルホン酸の第二鉄塩を含有する酸化剤であることを特徴とする請求項5に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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