JP3851128B2 - 電解コンデンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解酸化皮膜が形成された陽極箔と対向陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、固体又は液体の陰極電解質を含浸した電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
電解酸化皮膜が形成された陽極箔と対向陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、固体又は液体の陰極電解質を含浸した電解コンデンサとして、図2に示すような構成のものが知られている。
【0003】
この電解コンデンサは、電解酸化皮膜が形成された陽極箔と対向陰極箔とをセパレータを介して円筒状に巻き取ったコンデンサ素子7内に、二酸化マンガン、TCNQ錯塩、導電性ポリマー等からなる固体電解質、或いはγブチロラクトン、エチレングリコール、水等を主溶媒とする電解液を含浸し、該コンデンサ素子を有底筒状の外装ケース8に収納し、封口ゴム9を装着して密封したものである。符号51、52は、陽極箔及び陰極箔から引き出されたリード線を示している。
【0004】
陽極箔の材料としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ等の所謂弁作用金属が用いられる。陽極箔の表面は、エッチング処理を施すことにより粗面化され、次いで電解酸化処理を施すことにより電解酸化皮膜が形成されている。
【0005】
陰極箔の材料としても、陽極箔の場合と同様に弁作用金属が用いられる。陰極箔の表面には、通常、エッチング処理や電解酸化処理を施さないが、自然酸化皮膜が形成される。
【0006】
陽極箔の典型的な厚さは70〜100μm、陰極箔の典型的な厚さは40〜60μmである。陽極箔は、前述の如くエッチング処理等を施す必要があるので、強度上、あまり薄いものを用いることができない。陽極箔に比べて陰極箔を薄くするのは、所定のコンデンサ素子径に対して、できるだけ長い電極箔を巻き取ることにより静電容量を大きくするためである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような電解コンデンサにおいては、ESR(等価直列抵抗)の低減が求められている。
【0008】
電解コンデンサのESRは、陰極電解質の電気伝導度に依存するところが大きいが、最近では、TCNQ錯塩や導電性ポリマー等、電気伝導度の高い有機固体電解質を用いることにより、ESRの絶対値がかなり低減してきたため、他の構成部材(例えば、電極箔やリード線)の寄与も見逃せなくなってきた。
【0009】
本発明は、電解コンデンサにおける陰極箔の構成に注目して、ESRを更に低減するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による電解コンデンサは、電解酸化皮膜が形成された陽極箔と対向陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、固体の陰極電解質を含浸した電解コンデンサにおいて、
陰極箔の厚さを、陽極箔の厚さとほぼ同等又はそれ以上とし、
陰極箔の表面を、陽極箔の表面とほぼ同等又はそれ以上に粗面化したことを特徴とするものである。
【0011】
上記本発明の構成によれば、陰極箔を従来に比べて厚くしたことにより、陰極箔の電気抵抗が小さくなってコンデンサ全体としてのESRが低減すると共に、陰極箔にもエッチング処理を施すことができるようになる。
【0012】
一方、陰極箔を従来に比べて厚くすると、所定のコンデンサ素子径に対して巻き取られる電極箔が短くなり、静電容量が小さくなりそうであるが、実際には、エッチング処理により粗面化した陰極箔は、従来の平坦箔に比べて大きな静電容量を担うことができるので、コンデンサ全体としての静電容量はあまり変わらない。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態に相当する電解コンデンサは、前記図2を参照して、巻回型のコンデンサ素子7内に陰極電解質としての導電性ポリマー層を形成し、該コンデンサ素子をアルミニウム製の外装ケース8内に収納し、封口ゴム9を装着して密封したものである。
【0014】
巻回型のコンデンサ素子は、図1に示すように、電解酸化被膜を形成した陽極箔1と対向陰極箔2との間にセパレータ3を挟んで円筒状に巻き取ったものであり、陽極箔及び陰極箔からは、リード線51、52が引き出されている。符号4は、巻き止めテープを示している。
【0015】
本発明実施例においては、陽極箔及び陰極箔として、いずれも厚さ約100μmのアルミニウム箔を用い、両者の表面を同じ条件でエッチングすることにより粗面化した後、陽極箔のみに、電解酸化処理を施して電解酸化皮膜を形成する。陰極箔には、電解酸化処理を施さないが、自然酸化皮膜が形成される。
【0016】
巻回型のコンデンサ素子内に導電性ポリマー層を形成するには、まず、重合性モノマーとしての3,4−エチレンジオキシチオフェンと、酸化剤としてのパラトルエンスルホン酸鉄(III)と、希釈剤としてのn−ブチルアルコールとを含有する化学重合液を準備する。そして、該化学重合液に前記コンデンサ素子を浸漬した後、引き上げて熱処理を施すことにより、重合反応を進行させる。
【0017】
導電性ポリマー層を形成したコンデンサ素子7は、前記リード線の根元部分61、62に封口ゴム9を装着した状態で、有底筒状のアルミニウム製外装ケース8に収納され、その封口部に横絞り加工及びカール加工が施される。
【0018】
ここで、表1に示すような厚さを有する陽極箔及び陰極箔を用い、他の条件は上記実施例に準じて、定格電圧4V、定格静電容量150μF、コンデンサ素子径6.3mmの電解コンデンサを作製し、電気特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
表2において、Cは120Hzで測定した静電容量、tanδは120Hzで測定した損失角の正接、ESRは100kHzで測定した等価直列抵抗、LCは定格電圧を印加して2分後の漏れ電流を示しており、各特性値は試料数20個の平均である。
【0022】
表1と表2とを対照すればわかるように、陰極箔の厚さを陽極箔と同等又はそれ以上とした実施例1、2においては、薄い陰極箔を用いた従来例に比べて、静電容量が若干小さくなっているものの、ESRが著しく低減している。
【0023】
尚、上記実施例においては陰極箔に電解酸化皮膜を形成しなかったが、コンデンサとしての静電容量を設計する上で、必要に応じて適当な厚さの電解酸化皮膜を形成してもよい。
【0024】
又、上記実施例においては、陰極電解質の材料として3,4−エチレンジオキシチオフェンのポリマーを用いたが、他の導電性ポリマー(例えば、ピロール、チオフェン、アニリン、或いはそれらの誘導体を酸化重合させたポリマー)を用いてもよいし、TCNQ錯塩、二酸化マンガン等の固体電解質を用いてもよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、電解コンデンサの陰極箔を従来に比べて厚くしたことにより、陰極箔の電気抵抗が小さくなってコンデンサ全体としてのESRが低減すると共に、陰極箔にもエッチング処理を施すことができるので、コンデンサ全体としての静電容量も確保される。
【0026】
特に、陰極電解質として導電性ポリマーやTCNQ錯体等の導電性有機固体を用いる場合には、コンデンサ全体としてのESRがかなり小さくなるので、本発明の効果が顕著に現れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンデンサ素子の分解斜視図である。
【図2】電解コンデンサの断面図である。
【符号の説明】
1 陽極箔
2 陰極箔
3 セパレータ
4 巻き止めテープ
51 陽極リード線
52 陰極リード線
7 コンデンサ素子
8 外装ケース
9 封口ゴム
Claims (2)
- 電解酸化皮膜が形成された陽極箔と対向陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、固体の陰極電解質を含浸した電解コンデンサにおいて、
前記陰極箔は、前記陽極箔とほぼ同等又はそれ以上の厚さを有し、
前記陰極箔の表面は、前記陽極箔の表面とほぼ同等又はそれ以上に粗面化されていることを特徴とする電解コンデンサ。 - 前記陰極電解質は、導電性有機固体からなることを特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ。
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