JP2008010521A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンデンサ素子の表面に樹脂層が形成されているとともに、漏れ電流の少ない固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法を提供する。
【解決手段】表面に酸化皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とを、固体電解質を保持するセパレータを介して巻回したコンデンサ素子を形成する(エッチング〜含浸・化学重合)。コンデンサ素子に溶剤可溶性樹脂を溶剤で溶解した樹脂溶液を塗布する(塗布)。樹脂溶液に含まれる溶剤を揮発させてコンデンサ素子の表面に樹脂層を形成する(樹脂層形成)。
【選択図】図3
【解決手段】表面に酸化皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とを、固体電解質を保持するセパレータを介して巻回したコンデンサ素子を形成する(エッチング〜含浸・化学重合)。コンデンサ素子に溶剤可溶性樹脂を溶剤で溶解した樹脂溶液を塗布する(塗布)。樹脂溶液に含まれる溶剤を揮発させてコンデンサ素子の表面に樹脂層を形成する(樹脂層形成)。
【選択図】図3
Description
本発明は、固体電解コンデンサに関し、特に、導電性高分子からなる固体電解質を有する固体電解コンデンサに関する。
電解コンデンサは、アルミニウム、タンタル、または、ニオブ等の弁作用金属からなり、多数のエッチングピットや微細孔が形成された陽極体(陽極箔または焼結体)を有する。また、この陽極体の表面には誘電体となる酸化皮膜が形成され、酸化皮膜からは電極が引き出されている。
具体的には、酸化皮膜と電解質とが接触しており、この電解質が、酸化皮膜からの電極の引き出しを行う真の陰極として機能する。
ここで、この真の陰極としての電解質は、電解コンデンサの電気特性に大きな影響を及ぼすことから、従来から、様々な種類の電解質が採用された電解コンデンサが提案されている。
具体的には、酸化皮膜と電解質とが接触しており、この電解質が、酸化皮膜からの電極の引き出しを行う真の陰極として機能する。
ここで、この真の陰極としての電解質は、電解コンデンサの電気特性に大きな影響を及ぼすことから、従来から、様々な種類の電解質が採用された電解コンデンサが提案されている。
その中でも、固体電解コンデンサは、導電性を有する固体の電解質が用いられている電解コンデンサであり、電解質が液状であるものに比べて高周波領域におけるインピーダンス特性に優れている。
また、固体電解質としては、導電性高分子であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)が広く用いられている。
また、固体電解質としては、導電性高分子であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)が広く用いられている。
また、デジタル化が進むに伴い、コンデンサの静電容量増加および小形化に対する要求が高まってきているが、これらの相反する2つの要求を満たすことができるコンデンサとして、巻回型の固体電解コンデンサがある。
この巻回型の固体電解コンデンサは、表面に酸化皮膜が形成された陽極箔と陰極箔とがセパレータを介して巻回され、セパレータに導電性高分子からなる固体電解質が保持された構造を有することで、電極面積を広く確保することが可能となっている。
この巻回型の固体電解コンデンサは、表面に酸化皮膜が形成された陽極箔と陰極箔とがセパレータを介して巻回され、セパレータに導電性高分子からなる固体電解質が保持された構造を有することで、電極面積を広く確保することが可能となっている。
このような固体電解コンデンサとして、素子巻きズレの防止や水分による電解質の劣化を防ぐために、コンデンサ素子の表面を被覆するエポキシ樹脂からなる樹脂層を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
エポキシ樹脂は、硬化剤を混合した後に所定の温度で加熱することにより化学反応で硬化(熱硬化)させる化学反応系の樹脂である。
しかしながら、このようなエポキシ樹脂は、硬化するときに熱収縮するため、被覆しているコンデンサ素子に対してストレスを与えてしまい、漏れ電流が大きくなることがある。
しかしながら、このようなエポキシ樹脂は、硬化するときに熱収縮するため、被覆しているコンデンサ素子に対してストレスを与えてしまい、漏れ電流が大きくなることがある。
本発明の目的は、コンデンサ素子の表面に樹脂層が形成されているとともに、漏れ電流の少ない固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することにある。
第1の発明である固体電解コンデンサの製造方法は、表面に酸化皮膜が形成された陽極体上に、導電性高分子からなる固体電解質が形成されたコンデンサ素子を有する固体電解コンデンサの製造方法であって、
前記コンデンサ素子を形成するコンデンサ素子形成工程と、前記コンデンサ素子に溶剤可溶性樹脂を溶剤で溶解した樹脂溶液を塗布または含浸する工程と、前記コンデンサ素子に塗布または含浸された前記樹脂溶液に含まれる前記溶剤を揮発させることによって、前記コンデンサ素子に前記溶剤可溶性樹脂からなる樹脂層を形成する樹脂層形成工程とを備えたことを特徴とするものである。
前記コンデンサ素子を形成するコンデンサ素子形成工程と、前記コンデンサ素子に溶剤可溶性樹脂を溶剤で溶解した樹脂溶液を塗布または含浸する工程と、前記コンデンサ素子に塗布または含浸された前記樹脂溶液に含まれる前記溶剤を揮発させることによって、前記コンデンサ素子に前記溶剤可溶性樹脂からなる樹脂層を形成する樹脂層形成工程とを備えたことを特徴とするものである。
ここで、前記固体電解質は、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびポリエチレンジオキシチオフェンの何れか1種であってもよい(第2の発明)。
また、前記溶剤可溶性樹脂は、二重結合を含む高分子物質、アクリル酸またはアクリル酸の誘導体を包含する高分子物質、メタクリル酸またはメタクリル酸の誘導体を包含する高分子物質、主鎖にウレタン結合をもつ高分子物質、および、主鎖にエステル結合をもつ高分子物質の何れか1種であることが好ましい(第3の発明)。
さらに、前記溶剤可溶性樹脂は、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリエステル樹脂の何れか1種であることがより好ましい(第4の発明)。
加えて、前記溶剤は、メチルエチルケトン、トルエン、塩化メチレンおよび酢酸ブチルの何れか1種であることが好ましい(第5の発明)。
また、前記溶剤可溶性樹脂は、二重結合を含む高分子物質、アクリル酸またはアクリル酸の誘導体を包含する高分子物質、メタクリル酸またはメタクリル酸の誘導体を包含する高分子物質、主鎖にウレタン結合をもつ高分子物質、および、主鎖にエステル結合をもつ高分子物質の何れか1種であることが好ましい(第3の発明)。
さらに、前記溶剤可溶性樹脂は、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリエステル樹脂の何れか1種であることがより好ましい(第4の発明)。
加えて、前記溶剤は、メチルエチルケトン、トルエン、塩化メチレンおよび酢酸ブチルの何れか1種であることが好ましい(第5の発明)。
第6の発明である固体電解コンデンサは、表面に酸化皮膜が形成された陽極体上に導電性高分子からなる固体電解質が形成されたコンデンサ素子を有する固体電解コンデンサであって、
前記コンデンサ素子に、二重結合を含む高分子物質、アクリル酸またはアクリル酸の誘導体を包含する高分子物質、メタクリル酸またはメタクリル酸の誘導体を包含する高分子物質、主鎖にウレタン結合をもつ高分子物質、および、主鎖にエステル結合をもつ高分子物質の何れか1種からなる樹脂層が形成されていることを特徴とするものである。
前記コンデンサ素子に、二重結合を含む高分子物質、アクリル酸またはアクリル酸の誘導体を包含する高分子物質、メタクリル酸またはメタクリル酸の誘導体を包含する高分子物質、主鎖にウレタン結合をもつ高分子物質、および、主鎖にエステル結合をもつ高分子物質の何れか1種からなる樹脂層が形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、樹脂溶液に含まれる溶剤を揮発させることによって樹脂層が形成される。このため、溶剤可溶性樹脂が固化する過程において化学反応による溶剤可溶性樹脂の熱収縮が発生することがなく、コンデンサ素子に対してストレスを与えることがない。このため、コンデンサ素子の表面に樹脂層が形成されているとともに、漏れ電流の少ない固体電解コンデンサを製造することができる。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1に示すように、本実施形態の固体電解コンデンサ1のコンデンサ素子10は、陽極箔2と陰極箔3を備えており、これら陽極箔2と陰極箔3がセパレータ4を介して巻回された構造を有する。
まず、図1に示すように、本実施形態の固体電解コンデンサ1のコンデンサ素子10は、陽極箔2と陰極箔3を備えており、これら陽極箔2と陰極箔3がセパレータ4を介して巻回された構造を有する。
陽極箔2は、アルミニウム等の弁作用金属で形成されている。図2に示すように、この陽極箔2の表面はエッチング処理により粗面化されるとともに陽極酸化(化成)により酸化皮膜2aが形成されている。
また、陰極箔3も陽極箔2と同様にアルミニウム等で形成されており、その表面は粗面化されるとともに、自然酸化皮膜3aが形成されている。
また、陰極箔3も陽極箔2と同様にアルミニウム等で形成されており、その表面は粗面化されるとともに、自然酸化皮膜3aが形成されている。
また、セパレータ4の両面には導電性高分子からなる固体電解質5が保持されている。つまり、陽極箔2および陰極箔3とセパレータ4の間に固体電解質5が狭持されている。固体電解質5を構成する導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、またはポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等を使用でき、これらはモノマーの化学重合により生成される。
図1、図2に示すように、陽極箔2および陰極箔3からはそれぞれリードタブが接続され、リードタブを介して陽極箔2および陰極箔3からリード線6がそれぞれ引き出されている。
図1、図2に示すように、陽極箔2および陰極箔3からはそれぞれリードタブが接続され、リードタブを介して陽極箔2および陰極箔3からリード線6がそれぞれ引き出されている。
そして、コンデンサ素子10の表面にはコンデンサ素子10を被覆するように樹脂層12が形成されている。コンデンサ素子10は、有底筒状の外装ケース11内に収納されている。そして、外装ケース11の開口部に封口ゴム13が接着されている。
次に、固体電解コンデンサ1の製造方法について、図3を参照してさらに説明する。
まず、電極の実効表面積を大きくするために、陽極箔2および陰極箔3の表面にエッチング処理を施して粗面化する。さらに、粗面化された陽極箔2の表面に化成処理を施して酸化皮膜2aを形成し、陰極箔3は、耐水性処理および/または熱処理にて自然酸化皮膜3aを形成する。なお、陰極箔3にも化成処理を施して酸化被膜を形成してもよいし、陽極箔2、陰極箔3の粗面化は、蒸着法によって行ってもよい。
そして、酸化皮膜2a、自然酸化皮膜3aが形成された陽極箔2と陰極箔3を所定の寸法に裁断後、それぞれにリードタブを介してリード線6を接続するとともに、これら陽極箔2と陰極箔3とをセパレータ4を介して巻回させ、さらに、アジピン酸アンモニウム水溶液中で、電圧を印加して素子化成(切り口化成)を行う。その後、セパレータの炭化処理を行い、円筒型のコンデンサ素子10を作製する。
まず、電極の実効表面積を大きくするために、陽極箔2および陰極箔3の表面にエッチング処理を施して粗面化する。さらに、粗面化された陽極箔2の表面に化成処理を施して酸化皮膜2aを形成し、陰極箔3は、耐水性処理および/または熱処理にて自然酸化皮膜3aを形成する。なお、陰極箔3にも化成処理を施して酸化被膜を形成してもよいし、陽極箔2、陰極箔3の粗面化は、蒸着法によって行ってもよい。
そして、酸化皮膜2a、自然酸化皮膜3aが形成された陽極箔2と陰極箔3を所定の寸法に裁断後、それぞれにリードタブを介してリード線6を接続するとともに、これら陽極箔2と陰極箔3とをセパレータ4を介して巻回させ、さらに、アジピン酸アンモニウム水溶液中で、電圧を印加して素子化成(切り口化成)を行う。その後、セパレータの炭化処理を行い、円筒型のコンデンサ素子10を作製する。
次に、この円筒型のコンデンサ素子10に、モノマーおよび酸化剤を溶解させた溶液を含浸させた後、重合槽内で所定の温度で一定時間保持することでモノマーを化学重合させて、電極箔2、3とセパレータ4との間に、導電性高分子からなる固体電解質5を形成する(コンデンサ素子形成工程)。
具体的には、3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸鉄とをi−プロパノールに溶解した溶液に含浸させた後、100℃で60分間保持して化学重合によるPEDOTを形成した。
具体的には、3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸鉄とをi−プロパノールに溶解した溶液に含浸させた後、100℃で60分間保持して化学重合によるPEDOTを形成した。
続いて、コンデンサ素子10の表面に、溶剤可溶性樹脂(溶質)を溶剤(溶媒)で溶解した樹脂溶液を厚さが均一になるように塗布する(塗布工程)。そして、樹脂溶液が塗布されたコンデンサ素子10を所定の温度で一定時間加熱し、コンデンサ素子10の表面に塗布された樹脂溶液に含まれる溶剤を十分に揮発させて溶剤可溶性樹脂を固化させる。
これにより、コンデンサ素子10の表面に樹脂層12が形成される(樹脂層形成工程)。そして、コンデンサ素子10を外装ケース11内に収納する。収納後、外装ケース11の開口部に封口ゴム13を接着するとともに、外装ケース11の開口端部をかしめて外装ケース11を封止する。最後にエージングを行って製造工程を完了する。
これにより、コンデンサ素子10の表面に樹脂層12が形成される(樹脂層形成工程)。そして、コンデンサ素子10を外装ケース11内に収納する。収納後、外装ケース11の開口部に封口ゴム13を接着するとともに、外装ケース11の開口端部をかしめて外装ケース11を封止する。最後にエージングを行って製造工程を完了する。
このように、樹脂溶液に含まれる溶剤を揮発させることによって樹脂層12を形成するため、溶剤可溶性樹脂が固化する過程において化学反応による熱収縮が発生することがない。したがって、コンデンサ素子10に対してストレスを与えることがない。
次に、本発明のより具体的な実施例1、2を比較例と合わせて説明する。なお、以下に説明する実施例1、2および比較例では、コンデンサ素子10の表面に樹脂層を形成するための工程(塗布工程および樹脂層形成工程)が異なっているものの、その他の工程は全て同じである。
そこで、以下、実施例1、2および比較例における樹脂層を形成するための工程についてのみ説明する。なお、各電解コンデンサの定格は、4.0V−100μFである。
そこで、以下、実施例1、2および比較例における樹脂層を形成するための工程についてのみ説明する。なお、各電解コンデンサの定格は、4.0V−100μFである。
[実施例1]ポリオレフィン樹脂をトルエンで溶解した樹脂溶液を塗布
実施例1においては、ポリオレフィン樹脂(溶剤可溶性樹脂)をトルエン(溶剤)で溶解した樹脂溶液をコンデンサ素子10の表面に塗布(塗布工程)し、85℃で60分間加熱することによって、樹脂溶液からトルエンを十分に揮発させて樹脂層12を形成した(樹脂層形成工程)。
実施例1においては、ポリオレフィン樹脂(溶剤可溶性樹脂)をトルエン(溶剤)で溶解した樹脂溶液をコンデンサ素子10の表面に塗布(塗布工程)し、85℃で60分間加熱することによって、樹脂溶液からトルエンを十分に揮発させて樹脂層12を形成した(樹脂層形成工程)。
[実施例2]アクリル樹脂を酢酸ブチルで溶解した樹脂溶液を塗布
実施例2においては、アクリル樹脂(溶剤可溶性樹脂)を酢酸ブチル(溶剤)で溶解した樹脂溶液をコンデンサ素子10の表面に塗布(塗布工程)し、85℃で60分間加熱することによって、樹脂溶液からトルエンを十分に揮発させて樹脂層12を形成した(樹脂層形成工程)。
実施例2においては、アクリル樹脂(溶剤可溶性樹脂)を酢酸ブチル(溶剤)で溶解した樹脂溶液をコンデンサ素子10の表面に塗布(塗布工程)し、85℃で60分間加熱することによって、樹脂溶液からトルエンを十分に揮発させて樹脂層12を形成した(樹脂層形成工程)。
(比較例)エポキシ樹脂と硬化剤との混合剤塗布
比較例は、従来の固体電解コンデンサを採用した。コンデンサ素子10の表面にエポキシ樹脂(主剤)および硬化剤の混合剤を塗布し、エポキシ樹脂に適した温度で加熱し、化学反応により硬化させて樹脂層を形成した。
比較例は、従来の固体電解コンデンサを採用した。コンデンサ素子10の表面にエポキシ樹脂(主剤)および硬化剤の混合剤を塗布し、エポキシ樹脂に適した温度で加熱し、化学反応により硬化させて樹脂層を形成した。
以上の実施例1、2および比較例の製造方法によって、それぞれ得られた固体電解コンデンサの電気特性(静電容量、等価直列抵抗および漏れ電流)を測定した。その結果を表1に示す。
表1より、実施例1、2は、静電容量および等価直列抵抗は同様の値であった。また、実施例1、2の製造方法で製造された固体電解コンデンサの方が、比較例の製造方法で製造された固体電解コンデンサに比べて漏れ電流が少ないことが確認された。
尚、以上説明した実施例においてはPEDOTを固体電解質として用いたが、PEDOT以外の公知の導電性高分子(例えばポリアニリンやポリピロール)を固体電解質として用いた場合にも同様の効果が得られることが確認された。
そして、実施例では溶剤可溶性樹脂を塗布して樹脂層を形成したが、溶剤可溶性樹脂溶液にコンデンサ素子を浸漬する方法や、溶剤可溶性樹脂溶液を浸み込ませたスポンジにコンデンサ素子を押し付ける方法を用いてもよい。
また、実施例では、トルエンおよび酢酸ブチルを溶剤として用いたが、トルエンおよび酢酸ブチル以外の公知の溶液(メチルエチルケトンや塩化メチレン)を溶剤として用いてもよい。
さらに、実施例1ではポリオレフィン樹脂を、実施例2ではアクリル樹脂を溶剤可溶性樹脂として用いたが、ポリオレフィン樹脂およびアクリル樹脂以外の公知の樹脂(ポリウレタン樹脂やポリエステル樹脂)を溶剤可溶性樹脂として用いてもよい。
さらには、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリエステル樹脂に限らず、二重結合を含む高分子物質、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの誘導体を包含する高分子物質、主鎖にウレタン結合をもつ高分子物質、および、主鎖にエステル結合をもつ高分子物質のいずれかを溶剤可溶性樹脂として用いてもよい。
さらには、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリエステル樹脂に限らず、二重結合を含む高分子物質、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの誘導体を包含する高分子物質、主鎖にウレタン結合をもつ高分子物質、および、主鎖にエステル結合をもつ高分子物質のいずれかを溶剤可溶性樹脂として用いてもよい。
また、実施例1、2では、巻回型のコンデンサ素子を有する固体電解コンデンサについて説明したが、本発明は、タンタルやニオブの焼結体を有する固体電解コンデンサについても適用可能である。
1 固体電解コンデンサ
2 陽極箔
2a 酸化皮膜
3 陰極箔
3a 自然酸化皮膜
4 セパレータ
5 固体電解質
6 リード線
10 コンデンサ素子
11 外装ケース
12 樹脂層
13 封口ゴム
2 陽極箔
2a 酸化皮膜
3 陰極箔
3a 自然酸化皮膜
4 セパレータ
5 固体電解質
6 リード線
10 コンデンサ素子
11 外装ケース
12 樹脂層
13 封口ゴム
Claims (6)
- 表面に酸化皮膜が形成された陽極体上に、導電性高分子からなる固体電解質が形成されたコンデンサ素子を有する固体電解コンデンサの製造方法であって、
前記コンデンサ素子を形成するコンデンサ素子形成工程と、
前記コンデンサ素子に溶剤可溶性樹脂を溶剤で溶解した樹脂溶液を塗布または含浸する工程と、
前記コンデンサ素子に塗布または含浸された前記樹脂溶液に含まれる前記溶剤を揮発させることによって、前記コンデンサ素子に前記溶剤可溶性樹脂からなる樹脂層を形成する樹脂層形成工程とを備えたことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。 - 前記固体電解質は、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびポリエチレンジオキシチオフェンの何れか1種であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記溶剤可溶性樹脂は、二重結合を含む高分子物質、アクリル酸またはアクリル酸の誘導体を包含する高分子物質、メタクリル酸またはメタクリル酸の誘導体を包含する高分子物質、主鎖にウレタン結合をもつ高分子物質、および、主鎖にエステル結合をもつ高分子物質の何れか1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記溶剤可溶性樹脂は、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリエステル樹脂の何れか1種であることを特徴とする請求項1または3に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記溶剤は、メチルエチルケトン、トルエン、塩化メチレンおよび酢酸ブチルの何れか1種であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 表面に酸化皮膜が形成された陽極体上に導電性高分子からなる固体電解質が形成されたコンデンサ素子を有する固体電解コンデンサであって、
前記コンデンサ素子に、二重結合を含む高分子物質、アクリル酸またはアクリル酸の誘導体を包含する高分子物質、メタクリル酸またはメタクリル酸の誘導体を包含する高分子物質、主鎖にウレタン結合をもつ高分子物質、および、主鎖にエステル結合をもつ高分子物質の何れか1種からなる樹脂層が形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010258128A (ja) * | 2009-04-23 | 2010-11-11 | Nichicon Corp | 電解コンデンサの製造方法 |
KR20160061970A (ko) | 2013-09-30 | 2016-06-01 | 히타치가세이가부시끼가이샤 | 감광성 수지 조성물, 감광성 엘리먼트, 반도체 장치 및 레지스터 패턴의 형성 방법 |
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2006
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