JP2001102259A - 固体電解コンデンサとその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサとその製造方法

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JP2001102259A
JP2001102259A JP27743899A JP27743899A JP2001102259A JP 2001102259 A JP2001102259 A JP 2001102259A JP 27743899 A JP27743899 A JP 27743899A JP 27743899 A JP27743899 A JP 27743899A JP 2001102259 A JP2001102259 A JP 2001102259A
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electrolytic capacitor
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Kazunori Naradani
一徳 奈良谷
Toshiyuki Murakami
敏行 村上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単位体積当たりの静電容量及びESRを向上
させた固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 陽極箔を陰極箔及びセパレータと共に巻
回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子を
0.005wt%〜1.5wt%のPVA水溶液に、常
温〜100℃前後の温度で5秒以上浸漬し、常温〜15
0℃で3分以上乾燥する。その後、このコンデンサ素子
をリン酸二水素アンモニウム水溶液に浸漬し、電圧印加
して5〜120分間修復化成を行う。続いて、このコン
デンサ素子にEDT又はEDT溶液を含浸し、30〜6
0%のパラトルエンスルホン酸第二鉄のブタノール溶液
を含浸して、20〜180℃、30分以上加熱する。そ
の後、コンデンサ素子の表面を樹脂で被覆し、エージン
グを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サ及びその製造方法に係り、特に、固体電解コンデンサ
の単位体積当たりの静電容量及びESR(等価直列抵
抗)を向上させるべく改良を施した固体電解コンデンサ
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タンタルあるいはアルミニウム等のよう
な弁作用を有する金属を利用した電解コンデンサは、陽
極側対向電極としての弁作用金属を焼結体あるいはエッ
チング箔等の形状にして誘電体を拡面化することによ
り、小型で大きな容量を得ることができることから、広
く一般に用いられている。特に、電解質に固体電解質を
用いた固体電解コンデンサは、小型、大容量、低等価直
列抵抗であることに加えて、チップ化しやすく、表面実
装に適している等の特質を備えていることから、電子機
器の小型化、高機能化、低コスト化に欠かせないものと
なっている。
【0003】この種の固体電解コンデンサにおいて、小
型、大容量用途としては、一般に、アルミニウム等の弁
作用金属からなる陽極箔と陰極箔をセパレータを介在さ
せて巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ
素子に駆動用電解液を含浸し、アルミニウム等の金属製
ケースや合成樹脂製のケースにコンデンサ素子を収納
し、密閉した構造を有している。なお、陽極材料として
は、アルミニウムを初めとしてタンタル、ニオブ、チタ
ン等が使用され、陰極材料には、陽極材料と同種の金属
が用いられる。
【0004】また、固体電解コンデンサに用いられる固
体電解質としては、二酸化マンガンや7、7、8、8−
テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体が知られて
いるが、近年、反応速度が緩やかで、かつ陽極電極の酸
化皮膜層との密着性に優れたポリエチレンジオキシチオ
フェン(以下、PEDTと記す)に着目した技術(特開
平2−15611号公報)が存在している。
【0005】例えば、巻回型のコンデンサ素子にPED
Tからなる固体電解質層を形成するタイプの固体電解コ
ンデンサは、図5に示すように、化成→コンデンサ素子
形成→修復化成→EDTと酸化剤の含浸→重合→外装ケ
ースへの挿入→樹脂封止→エージングという製造工程に
よって作製される。以下には、この製造工程について、
図6及び図7を参照して簡単に説明する。
【0006】まず、図7に示すように、アルミニウム等
の弁作用金属からなる陽極箔1の表面を塩化物水溶液中
での電気化学的なエッチング処理により粗面化して、多
数のエッチングピット8を形成した後、ホウ酸アンモニ
ウム等の水溶液中で電圧を印加して誘電体となる酸化皮
膜層4を形成する(化成)。陽極箔1と同様に、図6に
示すような陰極箔2も、アルミニウム等の弁作用金属か
らなるが、その表面にはエッチング処理を施すのみであ
る。また、図6に示すように、陽極箔1及び陰極箔2に
は、それぞれの電極を外部に接続するためのリード線
6、7を、ステッチ、超音波溶接等の公知の手段により
接続する。
【0007】次に、以上のようにして表面に酸化皮膜層
4が形成された陽極箔1とエッチングピット8のみが形
成された陰極箔2とを、図6に示すようにセパレータ3
を介して巻回して、コンデンサ素子10を形成し、その
後、修復化成を行う。この修復化成は、前記巻回工程に
おいて電極箔に機械的ストレスがかかり、これが原因と
なって酸化皮膜に亀裂が発生する等の損傷を受けた場合
に、再度化成液中で化成することによって、この亀裂の
発生した部分に酸化皮膜を形成して、損傷を修復するも
のである。
【0008】続いて、修復化成を施したコンデンサ素子
10を3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、E
DTと記す)と酸化剤の混合溶液(重合液)に浸漬する
ことにより、この重合液をコンデンサ素子10に含浸す
る。あるいはまた、コンデンサ素子10をEDTと酸化
剤溶液に交互に浸漬して含浸する。いずれの場合でも、
コンデンサ素子10にEDTと酸化剤を含浸した後、重
合反応させ、図7に示すようなPEDTからなる固体電
解質層5を生成する。
【0009】この後、コンデンサ素子10を図示してい
ない外装ケースに挿入する。続いて、外装ケース内にエ
ポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を付着して熱硬化させるこ
とによって、コンデンサ素子10の外周に外装樹脂を被
覆し(樹脂封止)、固体電解コンデンサを完成する。な
お、このように樹脂封止を行うと、酸化皮膜層4が損傷
して漏れ電流特性が低下するため、樹脂封止後に、コン
デンサ定格電圧に応じた電圧を印加して高温のエージン
グを行うことにより酸化皮膜層4を修復し、特性の向上
を計っている。
【0010】なお、上記の製造方法においては、コンデ
ンサ素子にEDTと酸化剤を含浸する方法として浸漬法
を用いたが、EDTと酸化剤を常温で、シリンジ等によ
り定量注入する方法(注入法)を用いることもできる。
【0011】このようにして得られたPEDTを用いた
固体電解コンデンサは、陽極箔の化成電圧に対してコン
デンサの耐電圧を高く設定することができるという特徴
を有しているため、小型・大容量の固体電解コンデンサ
を実現することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような方法によって作製されたPEDTを用いた固体電
解コンデンサにおいては、その単位体積当たりの静電容
量及びESRが未だ十分ではなく、さらなる改良が望ま
れていた。
【0013】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解決するために提案されたものであり、その目的
は、単位体積当たりの静電容量を上昇させ、ESRを低
減させることができる固体電解コンデンサ及びその製造
方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく、単位体積当たりの静電容量を上昇させ、
ESRを低減させることができる固体電解コンデンサ及
びその製造方法について鋭意検討を重ねた結果、本発明
を完成するに至ったものである。すなわち、本発明者等
は、ポリビニルアルコール(以下、PVAと記す)に着
目し、PVAを固体電解コンデンサの製造工程の種々の
時期に存在させることによって、単位体積当たりの静電
容量及びESRの向上を図ることができるか否かについ
て検討した。その結果、PEDTを形成する前の工程に
おいて、PVAを存在させることにより、良好な結果が
得られることが判明したものである。
【0015】(固体電解コンデンサの製造方法)続い
て、本発明に係る巻回型の固体電解コンデンサの製造方
法の一例について説明する。すなわち、陽極箔を陰極箔
及びセパレータと共に巻回してコンデンサ素子を形成
し、このコンデンサ素子を0.005wt%〜1.5w
t%のPVA水溶液に、常温〜100℃前後の温度で5
秒以上浸漬し、常温〜150℃で3分以上乾燥する。そ
の後、このコンデンサ素子をリン酸二水素アンモニウム
水溶液に浸漬し、電圧印加して5〜120分間修復化成
を行う。
【0016】続いて、このコンデンサ素子にEDT又は
EDT溶液を含浸し、さらに30〜60%のパラトルエ
ンスルホン酸第二鉄のブタノール溶液を含浸して、20
〜180℃、30分以上加熱する。その後、コンデンサ
素子の表面を樹脂で被覆し、エージングを行う。なお、
EDT及び酸化剤をコンデンサ素子に含浸する方法とし
ては、常温で、シリンジ等により定量注入する注入法、
あるいは浸漬法を用いることができる。
【0017】このように、酸化皮膜の修復化成を行う前
に、コンデンサ素子をPVA溶液に浸漬して乾燥した固
体電解コンデンサについて、静電容量及びESRを調べ
たところ、良好な結果が得られたものである。
【0018】(PVA溶液)本発明に用いられるPVA
溶液の溶媒は、PVAが溶解するものであれば良く、主
として水が用いられる。また、PVA溶液の濃度は、
0.005wt%〜1.5wt%が好ましく、より好ま
しくは0.01wt%〜0.5wt%である。PVA溶
液の濃度がこの範囲外の場合、効果が低下した。その理
由は、PVA溶液の濃度が1.5wt%以上であると、
電極箔表面に形成されたエッチングピット内でPVAの
厚い層又はPVAの固まりが形成され、その後のPED
Tの重合工程でPEDTの形成状態が悪化するためであ
ると考えられる。
【0019】次に、PVA溶液への浸漬温度は、PVA
が溶媒に溶解し得る温度で良く、常温〜100℃前後が
好ましい。また、浸漬時間は5秒以上が好ましい。コン
デンサ素子あるいは電極箔をPVA溶液に浸漬すると、
表面張力によってPVA溶液が電極箔のエッチングピッ
トに直ちに浸透していくからである。
【0020】また、乾燥温度は、PVA溶液の溶媒が蒸
発すれば良いので、常温〜150℃が好ましく、乾燥時
間は3分以上が好ましい。また、乾燥方法としては、通
常、熱風、赤外線方式の乾燥炉等が用いられるが、PV
A溶液の溶媒を蒸発させることができるものであれば良
く、真空乾燥等を用いることもできる。
【0021】(修復化成の化成液)修復化成の化成液と
しては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アン
モニウム等のリン酸系の化成液、ホウ酸アンモニウム等
のホウ酸系の化成液、アジピン酸アンモニウム等のアジ
ピン酸系の化成液を用いることができるが、なかでも、
リン酸二水素アンモニウムを用いることが望ましい。ま
た、コンデンサ素子を化成液に浸漬し、電圧印加して修
復化成する時間は、5〜120分が望ましい。
【0022】(EDT、酸化剤)また、コンデンサ素子
に含浸するEDTとしては、EDTモノマーを用いるこ
とができるが、EDTと揮発性溶媒とを1:1〜1:3
の体積比で混合したモノマー溶液を用いることもでき
る。前記揮発性溶媒としては、ペンタン等の炭化水素
類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ギ酸エチル等
のエステル類、アセトン等のケトン類、メタノール等の
アルコール類、アセトニトリル等の窒素化合物等を用い
ることができるが、なかでも、メタノール、エタノー
ル、アセトン等が好ましい。また、酸化剤としては、ブ
タノールに溶解したパラトルエンスルホン酸第二鉄を用
いる。この場合、ブタノールとパラトルエンスルホン酸
第二鉄の比率は任意で良いが、本発明においては30〜
60%溶液を用いている。なお、EDTと酸化剤の配合
比は1:1〜1:6の範囲が好適である。
【0023】(PVAをコンデンサ素子内に存在させる
時期)さらに、本発明者等は、上記PVAをコンデンサ
素子内に存在させる時期について種々検討した。その結
果、PEDTを形成する工程の前の段階であれば、どの
段階でも良いことが判明した。すなわち、その時期は、
上述したように、修復化成前であっても良いし、コンデ
ンサ素子を形成する前に電極箔に付着させても良く、例
えば、以下の(1)〜(3)の方法が考えられる。
【0024】なお、(1)の方法は上述した製造方法に
相当する。また、下記の(1)〜(3)の方法の中で、
PVAを電極箔上及びセパレータ中に良好な状態で存在
させることができる(1)の方法が最も好適である。
【0025】(1)コンデンサ素子形成後〜修復化成前
…図1参照 化成→コンデンサ素子形成→PVA溶液に浸漬→修復化
成→EDTと酸化剤の含浸→重合→外装ケースへの挿入
→樹脂封止→エージング (2)コンデンサ素子形成前…図2参照 化成→両極電極箔の少なくともいずれか一方をPVA溶
液に浸漬→コンデンサ素子形成→修復化成→EDTと酸
化剤の含浸→重合→外装ケースへの挿入→樹脂封止→エ
ージング (3)修復化成後…図3参照 化成→コンデンサ素子形成→修復化成→PVA溶液に浸
漬→EDTと酸化剤の含浸→重合→外装ケースへの挿入
→樹脂封止→エージングなお、これらの方法におけるP
VA溶液の濃度、温度、含浸時間、乾燥温度、乾燥時間
は、上記(PVA溶液)の項に記載した条件と同様であ
る。
【0026】(作用・効果)このように、PVAを固体
電解コンデンサの製造工程中の所定の時期に存在させる
ことによって、静電容量を上昇させることができた理由
について検討したところ、以下の結論に到達した。すな
わち、コンデンサの静電容量に対する寄与は、一般に陽
極箔の静電容量が大きいことに起因することから、図4
に示すように、固体電解コンデンサの固体電解質(PE
DT)の部分に金線を挿入して、陽極箔の静電容量を測
定したところ、陽極箔の静電容量が上昇していることが
分かった。
【0027】次に、陽極箔の静電容量の上昇が、コンデ
ンサ素子をPVA溶液に浸漬したことのみによる効果で
あるか否かを調べるために、コンデンサ素子をPVA溶
液に浸漬した後、このコンデンサ素子及び陽極箔の静電
容量を測定したところ、PVA溶液に浸漬したものと、
浸漬しないものとの間で差は認められなかった。
【0028】これらのことから、PVAを固体電解コン
デンサの製造工程中の所定の時期に存在させることによ
って良好な効果が得られたのは、以下の理由によるもの
と考えられる。すなわち、コンデンサ素子あるいは電極
箔をPVA溶液に浸漬し、乾燥することにより、PVA
が電極箔に付着する。ただし、PVAが電極箔に付着し
ただけでは、電極箔の静電容量は上昇しないが、その
後、電極箔の表面にPEDTを形成すると、電極箔に付
着したPVAが、PEDTの電極箔への付着、形成を促
進し、また、セパレータ中に存在するPVAが、PED
Tの酸化皮膜への形成性を含めた特性を向上させると考
えられる。
【0029】なお、電極箔へのPVAの付着について
は、両極電極箔の少なくともいずれか一方にPVAを付
着させれば良い。その理由は以下の通りである。すなわ
ち、静電容量を上昇させるためには、静電容量への寄与
が大きい陽極箔にPVAを付着させる方がより効果的で
あるが、ESRを低減させるためには、陽極箔と陰極箔
の両電極箔へのPVAの付着の効果はそれぞれ同等であ
る。したがって、陽極箔と陰極箔の少なくともいずれか
一方にPVAを付着させれば良く、両方にPVAを付着
させた場合にはより効果的であると考えられる。
【0030】また、PVAからなる層を電極箔の表面に
形成すれば良いので、PVAを浸漬する方法以外にも、
PVA溶液を電極箔の表面に塗布する方法や、PVA溶
液を電極箔の表面に吹き付ける方法等を用いることがで
きる。
【0031】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細
に説明する。なお、本発明に係る固体電解コンデンサ
は、以下の実施例1及び実施例2のように作成した。ま
た、従来例として、従来の方法により作製した固体電解
コンデンサを用いた。
【0032】(実施例1)表面に酸化皮膜層が形成され
た陽極箔と陰極箔とを、セパレータを介して巻回してコ
ンデンサ素子を形成した。そして、このコンデンサ素子
を0.025wt%のPVA水溶液に25℃で1分間浸
漬し、その後、100℃で10分間乾燥した。続いて、
リン酸二水素アンモニウム水溶液に浸漬し、電圧印加し
て40分間修復化成を行った。続いて、このコンデンサ
素子に、注入法によりEDTモノマーを含浸し、さらに
酸化剤溶液として40%のパラトルエンスルホン酸第二
鉄のブタノール溶液を含浸して、100℃、1時間加熱
して、PEDTからなる固体電解質層を形成した。その
後、固体電解コンデンサの表面を樹脂で被覆し、エージ
ングを行って、固体電解コンデンサを形成した。なお、
この固体電解コンデンサの定格電圧は6.3WV、定格
容量は33μFである。
【0033】(実施例2)実施例2においては、実施例
1と同様にして形成したコンデンサ素子を、0.025
wt%のPVA水溶液に25℃で1分間浸漬し、その
後、100℃で10分間乾燥し、この処理を2回繰り返
した。その後の工程は実施例1と同様とした。
【0034】(従来例)上述した従来技術の製造方法に
従って、PVA溶液に浸漬することなく、固体電解コン
デンサを形成した。
【0035】[比較結果]上記の方法により得られた実
施例1及び実施例2と、従来例の固体電解コンデンサの
電気的特性を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1から明らかなように、PVA溶液に浸
漬することなく、固体電解コンデンサを形成した従来例
においては、コンデンサの静電容量は“30.2”であ
ったのに対し、PVA溶液に浸漬した実施例1及び実施
例2においては、コンデンサの静電容量はそれぞれ“3
1.6”“31.5”と、従来例の約1.05倍となっ
た。また、図4に示す方法で、陽極箔の静電容量を調べ
た結果、従来例においては、 “39.7”であったの
に対し、実施例1及び実施例2においては、それぞれ
“42.1”“42.0”と、共に従来例の約1.06
倍となった。さらに、ESRについてみると、従来例に
おいては“39”であったのに対し、実施例1及び実施
例2においては、それぞれ“35”“34”と、従来例
の約89.7%、87.2%に低減した。
【0038】なお、PVA溶液に浸漬する工程を1サイ
クルとした実施例1と、2サイクルとした実施例2との
間では大きな差はみられず、コンデンサ素子を所定濃度
のPVA溶液に所定時間浸漬して乾燥すれば、本発明の
目的は達成できることが判明した。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、P
VAを固体電解コンデンサの製造工程中の所定の時期に
存在させることにより、固体電解コンデンサの静電容量
及びESRを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体電解コンデンサの製造工程の
一例を示すフローチャート
【図2】本発明に係る固体電解コンデンサの製造工程の
一例を示すフローチャート
【図3】本発明に係る固体電解コンデンサの製造工程の
一例を示すフローチャート
【図4】陽極箔の静電容量を調べるための接続方法を示
す図
【図5】従来技術による固体電解コンデンサの製造工程
の一例を示すフローチャート
【図6】本発明が対象とするコンデンサ素子の一例を示
す分解斜視図
【図7】図6のコンデンサ素子の陽極箔を示す拡大断面
【符号の説明】 1…陽極箔 2…陰極箔 3…セパレータ 4…酸化皮膜層 5…固体電解質層 6,7…リード線 8…エッチングピット 10…コンデンサ素子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極引き出し手段が接続された両極電極
    箔をセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成
    し、前記両極電極箔間にポリエチレンジオキシチオフェ
    ンからなる固体電解質層を形成してなる固体電解コンデ
    ンサにおいて、 前記コンデンサ素子内に、ポリビニルアルコールを存在
    させたことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記コンデンサ素子内にポリビニルアル
    コールを存在させる手段が、所定濃度のポリビニルアル
    コール溶液にコンデンサ素子を浸漬するものであること
    を特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記コンデンサ素子内にポリビニルアル
    コールを存在させる手段が、所定濃度のポリビニルアル
    コール溶液に、前記両極電極箔の少なくともいずれか一
    方を浸漬するものであることを特徴とする請求項1に記
    載の固体電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 前記ポリビニルアルコール溶液の濃度
    が、0.005wt%〜1.5wt%であることを特徴
    とする請求項2又は請求項3に記載の固体電解コンデン
    サ。
  5. 【請求項5】 陽極箔を陰極箔及びセパレータと共に巻
    回してコンデンサ素子を形成する工程と、前記コンデン
    サ素子に修復化成を行う工程と、前記コンデンサ素子に
    エチレンジオキシチオフェンと酸化剤を含浸させる工程
    と、ポリエチレンジオキシチオフェンからなる固体電解
    質層を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造
    方法において、 前記ポリエチレンジオキシチオフェンからなる固体電解
    質層を形成する工程の前に、前記コンデンサ素子を所定
    濃度のポリビニルアルコール溶液に浸漬する工程を備え
    たことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 陽極箔を陰極箔及びセパレータと共に巻
    回してコンデンサ素子を形成する工程と、前記コンデン
    サ素子に修復化成を行う工程と、前記コンデンサ素子に
    エチレンジオキシチオフェンと酸化剤を含浸させる工程
    と、ポリエチレンジオキシチオフェンからなる固体電解
    質層を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造
    方法において、 前記コンデンサ素子を形成する工程の前に、前記陽極箔
    及び陰極箔の少なくともいずれか一方を所定濃度のポリ
    ビニルアルコール溶液に浸漬する工程を備えたことを特
    徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ポリビニルアルコール溶液の濃度
    が、0.005wt%〜1.5wt%であることを特徴
    とする請求項5又は請求項6に記載の固体電解コンデン
    サの製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003100557A (ja) * 2001-09-27 2003-04-04 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサ及びその製造方法
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