JP4442287B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解コンデンサの製造方法に係り、特に、固体電解コンデンサの静電容量及び耐圧の向上と、小型大容量化を図るべく改良を施した固体電解コンデンサの製造方法に関するものである。
タンタルあるいはアルミニウム等のような弁作用を有する金属を利用した電解コンデンサは、陽極側対向電極としての弁作用金属を焼結体あるいはエッチング箔等の形状にして誘電体を拡面化することにより、小型で大きな容量を得ることができることから、広く一般に用いられている。特に、電解質に固体電解質を用いた固体電解コンデンサは、小型、大容量、低等価直列抵抗であることに加えて、チップ化しやすく、表面実装に適している等の特質を備えていることから、電子機器の小型化、高機能化、低コスト化に欠かせないものとなっている。
この種の固体電解コンデンサにおいて、小型、大容量用途としては、一般に、アルミニウム等の弁作用金属からなる陽極箔と陰極箔をセパレータを介在させて巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸し、アルミニウム等の金属製ケースや合成樹脂製のケースにコンデンサ素子を収納し、密閉した構造を有している。なお、陽極材料としては、アルミニウムを初めとしてタンタル、ニオブ、チタン等が使用され、陰極材料には、陽極材料と同種の金属が用いられる。
また、固体電解コンデンサに用いられる固体電解質としては、二酸化マンガンや7、7、8、8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体が知られているが、近年、反応速度が緩やかで、かつ陽極電極の酸化皮膜層との密着性に優れたポリエチレンジオキシチオフェン(以下、PEDTと記す)等の導電性ポリマーに着目した技術(特許文献1参照)が存在している。
このような巻回型のコンデンサ素子にPEDT等の導電性ポリマーからなる固体電解質層を形成するタイプの固体電解コンデンサは、以下のようにして作成される。まず、アルミニウム等の弁作用金属からなる陽極箔の表面を塩化物水溶液中での電気化学的なエッチング処理により粗面化して、多数のエッチングピットを形成した後、ホウ酸アンモニウム等の水溶液中で電圧を印加して誘電体となる酸化皮膜層を形成する(化成)。陽極箔と同様に、陰極箔もアルミニウム等の弁作用金属からなるが、その表面にはエッチング処理を施すのみである。
このようにして表面に酸化皮膜層が形成された陽極箔とエッチングピットのみが形成された陰極箔とを、セパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成する。続いて、修復化成を施したコンデンサ素子に、3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、EDTと記す)等の重合性モノマーと酸化剤溶液をそれぞれ吐出し、あるいは両者の混合液に浸漬して、コンデンサ素子内で重合反応を促進し、PEDT等の導電性ポリマーからなる固体電解質層を生成する。その後、このコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに収納し、ケースの開口部を封ロゴムで封止して固体電解コンデンサを作成する。
特開平2−15611号公報
ところで、近年、電子機器のデジタル化に伴い小型で大容量のコンデンサが要求されており、その方法としては、アルミニウム箔のエッチング倍率を高めることが考えられるが、エッチングが過大になるとアルミニウム箔表面の溶解が同時に進行し、かえって拡面率の増大を妨げるなど、電極材料からの静電容量の増大は困難であった。
なお、このような問題点は、重合性モノマーとしてEDTを用いた場合に限らず、他のチオフェン誘導体、ピロール、アニリン等を用いた場合にも同様に生じていた。
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、固体電解コンデンサの静電容量及び耐圧の向上と、小型大容量化を可能とした固体電解コンデンサの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、静電容量及び耐圧の向上と、小型大容量化を可能とした固体電解コンデンサの製造方法について鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明者は、陽極箔の酸化皮膜層と導電性ポリマー層との間に金属の腐食物が存在することを見出し、この金属の腐食物の存在が、固体電解コンデンサの容量出現率を低下させている要因であることを見出した。特に、陽極箔の化成電圧が低いものほど、この容量出現率は低くなることがわかった。
そこで、この知見に基づき種々検討した結果、陰極箔と誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔とをセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子内にビニル基を有する化合物を存在させると共に、このコンデンサ素子に導電性ポリアニリン溶液を含浸して、陽極箔に電圧を印加した後、または電圧を印加しながら溶媒を除去し、導電性ポリアニリンフィルムを形成しつつ、この導電性ポリアニリンフィルムを誘電体酸化皮膜上に被着させ、その上に導電性ポリマー層を形成することにより、良好な結果が得られることが判明した。
すなわち、上記のようにして得られた固体電解コンデンサを分析したところ、陽極箔の酸化皮膜と導電性ポリマー層との間に金属の腐食物は生じず、この固体電解コンデンサの特性を調べたところ、静電容量が上昇し、耐電圧特性も向上することが分かった。
さらに、本発明によれば、重合性モノマー溶液と酸化剤溶液をコンデンサ素子に含浸する化学重合や、重合性モノマー溶液をコンデンサ素子に含浸して電圧を印加する電解重合とは異なり、導電化されたポリアニリンを含有する溶液をコンデンサ素子内に含浸し、その後その溶媒を除去するという簡単な製造工程を付加することにより、導電層となるポリアニリンフィルムを容易に形成することができるという利点もある。
(1)固体電解コンデンサの製造方法
本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は以下の通りである。すなわち、表面に酸化皮膜層が形成された陽極箔を陰極箔及びセパレータと共に巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子を0.005wt%〜1.5wt%のPVA水溶液に、常温〜100℃前後の温度で5秒以上浸漬し、常温〜150℃で3分以上乾燥する。
そして、修復化成後、このコンデンサ素子に、濃度を5wt%以下に調製した導電性ポリアニリン溶液を含浸し、陽極箔に電圧印加した後(あるいは、電圧印加しながら)、溶媒を除去して、コンデンサ素子内で導電性ポリアニリンフィルムを形成する。
その後、重合性モノマーと酸化剤を含浸して、コンデンサ素子内で導電性ポリマーの重合反応を発生させ、固体電解質層を形成する。その後、このコンデンサ素子を外装ケースに挿入し、開口端部に封口ゴムを装着して、加締め加工によって封止した後、エージングを行い、固体電解コンデンサを形成する。
なお、コンデンサ素子に修復化成を施す前に行う温水浸漬処理は、60〜100℃に加温した修復化成液に浸漬する方法により代替できる。また、一連の導電性ポリアニリン溶液の含浸、電圧印加、溶媒除去工程を複数回行っても良い。一連の含浸、電圧印加、溶媒除去工程を複数回行うと、導電性ポリアニリンフィルム層がエッチングピット内まで形成され、密着性が向上するため、静電容量がより向上する。
また、重合性モノマー及び酸化剤をコンデンサ素子に含浸する方法としては、重合性モノマー溶液にコンデンサ素子を浸漬した後、酸化剤溶液に浸漬する方法、または、酸化剤溶液にコンデンサ素子を浸漬した後、重合性モノマー溶液に浸漬する方法、あるいはコンデンサ素子に重合性モノマーを注入した後、酸化剤溶液を注入する方法、または、コンデンサ素子に酸化剤溶液を注入した後、重合性モノマーを注入する方法、さらに、重合性モノマー及び酸化剤を混合した混合溶液にコンデンサ素子を浸漬する方法、または、該混合溶液をコンデンサ素子に注入する方法を用いることができる。
(2)適用形態
本発明は、コンデンサ素子として、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン等の弁作用金属からなる電極箔とセパレータを介して巻回した巻回素子を用いた固体電解コンデンサ、アルミニウム電極箔単板からなる素子を用いた固体電解コンデンサ、タンタル、ニオブの焼結体からなる素子を用いた固体電解コンデンサに適用することができる。
(3)コンデンサ素子内にビニル基を有する化合物を存在させる方法
(3−1)コンデンサ素子にビニル基を有する化合物
コンデンサ素子内に、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)等のビニル基を有する化合物を存在させ、その後にポリアニリンフィルムからなる皮膜を形成しても良い。なお、本明細書中において、「ビニル基を有する化合物」と記載するものには、「ビニル基を有する化合物の重合体」をも含むものとする。
ビニル基を有する化合物としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等を用いることができるが、なかでもPVAがより好ましい。
(PVA溶液)
ビニル基を有する化合物としてPVAを用いる場合、PVA溶液の溶媒は、PVAが溶解するものであれば良く、主として水が用いられる。また、PVA溶液の濃度は、0.005wt%〜1.5wt%が好ましく、より好ましくは0.01wt%〜0.5wt%である。
PVA溶液への浸漬温度は、PVAが溶媒に溶解し得る温度で良く、常温〜100℃前後が好ましい。また、浸漬時間は5秒以上が好ましい。また、乾燥温度は、PVA溶液の溶媒が蒸発すれば良いので、常温〜150℃が好ましく、乾燥時間は3分以上が好ましい。また、乾燥方法としては、通常、熱風、赤外線方式の乾燥炉等が用いられるが、PVA溶液の溶媒を蒸発させることができるものであれば良く、真空乾燥等を用いることもできる。
(PVAをコンデンサ素子内に存在させる時期)
上記PVAをコンデンサ素子内に存在させる時期は、導電性ポリマーを形成する工程の前の段階であれば、どの段階でも良い。すなわち、その時期は、修復化成前であっても良いし、コンデンサ素子を形成する前に電極箔に付着させても良く、例えば、以下の(1)〜(3)の方法が考えられる。
なお、下記の(1)〜(3)の方法の中で、PVAを電極箔上及びセパレータ中に良好な状態で存在させることができる(1)の方法が最も好適である。
(1)コンデンサ素子形成後〜修復化成前…図1参照
化成→コンデンサ素子形成→PVA溶液に浸漬→修復化成→導電性ポリアニリン溶液の含浸→重合性モノマーと酸化剤の含浸→重合→外装ケースへの挿入→樹脂封止→エージング
(2)コンデンサ素子形成前…図2参照
化成→両極電極箔の少なくともいずれか一方をPVA溶液に浸漬→コンデンサ素子形成→修復化成→導電性ポリアニリン溶液の含浸→重合性モノマーと酸化剤の含浸→重合→外装ケースへの挿入→樹脂封止→エージング
(3)修復化成後…図3参照
化成→コンデンサ素子形成→修復化成→PVA溶液に浸漬→導電性ポリアニリン溶液の含浸→重合性モノマーと酸化剤の含浸→重合→外装ケースへの挿入→樹脂封止→エージング
(作用・効果)
コンデンサ素子あるいは電極箔をPVA溶液に浸漬し、乾燥することにより、PVAが電極箔に付着する。ただし、PVAが電極箔に付着しただけでは、電極箔の静電容量は上昇しないが、その後、電極箔の表面に導電性ポリマーを形成すると、電極箔に付着したPVAが、導電性ポリマーの電極箔への付着、形成を促進し、また、セパレータ中に存在するPVAが、導電性ポリマーの酸化皮膜への形成性を含めた特性を向上させると考えられる。
なお、上記(1)〜(3)の方法は、導電性ポリアニリン溶液の含浸前に、コンデンサ素子をPVA溶液に浸漬する方法であり、酸化皮膜上にPVAを介してポリアニリンフィルムが形成されるが、これに限らず、以下に示す(4)の方法のように、導電性ポリアニリン溶液を含浸した後にPVA溶液に浸漬して、酸化皮膜上にポリアニリンフィルム、PVAの順に形成しても良い。
また、PVA溶液及び導電性ポリアニリン溶液の混合溶液を用いて、酸化皮膜上にこれらの混合層を形成しても良い。
(4)導電性ポリアニリンフィルム形成後…図4参照
化成→コンデンサ素子形成→修復化成→導電性ポリアニリン溶液の含浸→PVA溶液に浸漬→重合性モノマーと酸化剤の含浸→重合→外装ケースへの挿入→樹脂封止→エージング
なお、電極箔へのPVAの付着については、両極電極箔の少なくともいずれか一方にPVAを付着させれば良い。その理由は以下の通りである。すなわち、静電容量を上昇させるためには、静電容量への寄与が大きい陽極箔にPVAを付着させる方がより効果的であるが、ESRを低減させるためには、陽極箔と陰極箔の両電極箔へのPVAの付着の効果はそれぞれ同等である。したがって、陽極箔と陰極箔の少なくともいずれか一方にPVAを付着させれば良く、両方にPVAを付着させた場合にはより効果的であると考えられる。
また、PVAからなる層を電極箔の表面に形成すれば良いので、PVAを浸漬する方法以外にも、PVA溶液を電極箔の表面に塗布する方法や、PVA溶液を電極箔の表面に吹き付ける方法等を用いることができる。
(3−2)セパレータ
本発明においては、セパレータとして、ビニル基を有する化合物をバインダーとしたセパレータを用いることにより、コンデンサ素子内にビニル基を有する化合物を存在させても良い。その態様としては、以下のようなものが挙げられる。
(3−2−1)セパレータの基本的な構成
(バインダーの含有量)
セパレータとして、ビニル基を有する化合物をバインダーとして20wt%〜40wt%含むセパレータを用いることが好ましい。
通常、合成繊維を主体とする固体電解コンデンサ用セパレータは、合成繊維とこれらを接合するバインダーから構成されている。このバインダーとしては、合成樹脂そのものを用いたり、合成樹脂を繊維状にして、セパレータの作成工程で溶融させて主体繊維を接合させている。本発明においては、バインダーとしてビニル基を有する化合物を用いたセパレータを用いる。また、セパレータに対するビニル基を有する化合物からなるバインダーの含有量は、20wt%を越え、40wt%以下、好ましくは25〜30wt%とすることが望ましい。この範囲とすることで良好な耐電圧特性が得られる。
上記のセパレータを用いた場合、60〜95℃の温水中で電圧印加する通常の修復化成工程で、ビニル基を有する化合物が溶解して、誘電体酸化皮膜上に吸着層が形成されることにより、良好な結果が得られる。
なお、含有量がこの範囲を越えると、修復化成中に溶解したビニル基を有する化合物が誘電体酸化皮膜上に吸着して形成される吸着層が厚すぎるために、静電容量が低下し、ESRが上昇するため好ましくない。また、含有量がこの範囲未満では、形成される吸着層が十分ではないために、耐電圧が低下するため好ましくない。
ここで、ビニル基を有する化合物としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等を用いることができるが、なかでもPVAがより好ましい。なお、セパレータの主体繊維としては、耐熱性に優れたポリエステル繊維又はナイロン繊維等の合成繊維を用いると、耐熱性が向上するので好適である。
(3−2−2)修復化成前におけるセパレータ中のバインダーの含有量
バインダーとしてビニル基を有する化合物を用い、修復化成前におけるセパレータ中の上記バインダーの含有量を、セパレータの全重量に対して10〜20%、より好ましくは13〜17%としたセパレータを用いても良い。この範囲とすることで、静電容量の増大、ESRの低減という良好な電気的特性が得られる。
ここで、ビニル基を有する化合物としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等を用いることができるが、なかでもPVAがより好ましい。また、セパレータの主体繊維としては、耐熱性に優れたポリエステル繊維又はナイロン繊維が好ましい。一方、ビニロン繊維からなるセパレータは、鉛フリーリフロー特性を満足することができないため不適当である。
続いて、修復化成前におけるセパレータ中のバインダーの含有量を上記の範囲に調製する方法について説明する。第1の方法としては、ビニル基を有する化合物からなるバインダーを、セパレータに対して10〜20wt%の含有量となるようにセパレータの主体繊維と共に混合して形成することができる。
また、第2の方法としては、ビニル基を有する化合物からなるバインダーを10%以上含むセパレータを、温水浸漬処理によって、セパレータ中のバインダーを溶解させて、上記の範囲に調製して得ることもできる。
温水浸漬処理の場合、温水温度はPVA等が溶解する60〜100℃が好ましく、温水浸漬時間は5〜180分、より好ましくは20〜60分である。また、温水浸漬処理を流水で行うとPVA等の溶解速度が上がり、また均一に溶解するため好ましい。
また、この温水浸漬処理は、コンデンサ素子形成後に行うことが好ましい。コンデンサ素子形成前に温水浸漬処理を行うと、セパレータの強度が低下するため、巻回する際の巻き込みの強さが低下し、コンデンサ素子内における導電性ポリマーの形成状態が悪くなり、特性が低下してしまうからである。
(3−2−3)修復化成後の熱処理について
上記のようにバインダーとしてビニル基を有する化合物を用いたセパレータを用い、コンデンサ素子の修復化成後に所定の熱処理を行うとより好適である。
(熱処理条件)
コンデンサ素子を修復化成した後に行う熱処理温度は、150℃以上250℃未満が好ましい。この温度以上ではESRが著しく上昇するため好ましくない。また、ESRの低減効果と通常の半田メッキ等を施したリード線の耐熱性を考慮すると、150℃以上175℃未満がより好ましく、さらに好ましくは160℃以上170℃未満である。また、熱処理時間は5〜300分が好ましく、より好ましくは30〜150分である。
(作用・効果)
上記のように、セパレータのバインダーとしてビニル基を有する化合物を用い、修復化成後に熱処理した場合に良好な結果が得られた理由は、以下の通りであると考えられる。すなわち、コンデンサ素子を修復化成する際に、バインダーとして用いられているビニル基を有する化合物が溶解して陽極箔の酸化皮膜に付着するため、その後に所定の熱処理を行うことによって、陽極箔の酸化皮膜に付着したビニル基を有する化合物の分解又は熱収縮が起こる。また、セパレータに含有されるビニル基を有する化合物自体も分解又は熱収縮する。
このような状態において、重合性モノマーと酸化剤が含浸され、加熱重合によって導電性ポリマーが形成されると、形成された導電性ポリマーのセパレータ中における保持状態及び酸化皮膜への付着状態が良好となるため、電気的特性が向上すると考えられる。
(3−2−4)添加剤…カップリング剤
セパレータとして、ビニル基を有する化合物をバインダーとして10wt%以上含むセパレータを用い、重合性モノマーと酸化剤を含浸する前に、所定のカップリング剤をコンデンサ素子内に含有させると好適である。なお、カップリング剤を含有させる前にホウ酸化合物を含有させるとより好適である。
ここで、ビニル基を有する化合物としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等を用いることができるが、なかでもPVAがより好ましい。
なお、セパレータの主体繊維としては、耐熱性に優れたポリエステル繊維又はナイロン繊維等の合成繊維を用いると、耐熱性が向上するので好適である。また、セパレータに対するビニル基を有する化合物からなるバインダーの含有量は、10wt%以上であることが好ましい。10wt%未満であると十分な効果が得られない。
(カップリング剤)
カップリング剤としては、以下のシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤を用いることができ、これらの中から選択された1又は2以上のカップリング剤を用いることができる。
また、これらのカップリング剤をコンデンサ素子内に含有させる方法としては、修復化成後、0.1〜5%、好ましくは0.5〜3%のカップリング剤の水溶液にコンデンサ素子を数分間浸漬し、引き上げた後、50〜100℃でその後乾燥する方法が適している。
上記シランカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニル(βメトキシシラン)ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
また、チタンカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロフォスファイト)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネートが挙げられる。
さらに、アルミニウムカップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートが挙げられる。
(ホウ酸化合物)
カップリング剤を含有させる前に添加するホウ酸化合物としては、ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸のアンモニウム塩、金属塩等のホウ酸塩、ホウ酸トリエチル等のホウ酸エステル等を用いることができるが、なかでも、ホウ酸を用いることが望ましい。
また、これらホウ酸化合物の溶媒としては、これらの化合物が溶解するものであれば良く、主として水、グリセリン等を用いることができる。また、ホウ酸化合物溶液の濃度は、0.1wt%〜10wt%が好ましく、より好ましくは3wt%〜7wt%である。ホウ酸化合物溶液の濃度がこの範囲外の場合、効果が低下した。その理由は、ホウ酸化合物溶液の濃度が0.1wt%未満では、溶液中のホウ酸化合物が少ないため、形成される結合体の量が十分ではなく、一方、10wt%を越えると、理由は定かではないが、結合体を形成した後の余剰のホウ酸が悪影響を及ぼして、ESRが上昇するからである。
また、上記ホウ酸化合物をコンデンサ素子内に含有させる方法としては、コンデンサ素子をホウ酸化合物の溶液に浸漬する方法、または、ホウ酸化合物の溶液をコンデンサ素子に吐出する方法を用いることができる。
また、ホウ酸化合物をコンデンサ素子内に含有させた後、加熱処理すると初期特性が向上することが分かった。その理由は、セパレータに含まれるビニル基を有する化合物がコンデンサ素子内に溶出し、その末端基の疎水性が増すことにより、酸化皮膜と固体電解質の密着性が向上するためと考えられる。また、この加熱温度は120〜250℃が好ましく、より好ましくは150〜200℃である。加熱温度がこの範囲外の場合、効果が低下した。その理由は、加熱温度が120℃未満では、ビニル基を有する化合物の末端基の疎水化等の反応が十分に進行せず、一方、250℃を越えると、ビニル基を有する化合物の熱劣化が起こって効果が低減するためであると考えられる。
(3−2−5)添加剤…アセチレンジオール等の添加
セパレータとして、ビニル基を有する化合物をバインダーとして10wt%以上含むセパレータを用い、重合性モノマーと酸化剤を含浸する前に、アセチレンジオール、ジメチルラウリルアミンオキサイドから選ばれる1種または2種をコンデンサ素子内に含有させると好適である。
ここで、ビニル基を有する化合物としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等を用いることができるが、なかでもPVAがより好ましい。
なお、セパレータの主体繊維としては、耐熱性に優れたポリエステル繊維又はナイロン繊維等の合成繊維を用いると、耐熱性が向上するので好適である。また、セパレータに対するビニル基を有する化合物からなるバインダーの含有量は、10wt%以上であることが好ましい。10wt%未満であると十分な効果が得られない。
(添加剤)
添加剤として、界面活性剤であるアセチレンジオール、ジメチルラウリルアミンオキサイドから選ばれる1種または2種を用い、コンデンサ素子内に含有させると、静電容量が上昇し、ESRが低減することが判明した。その理由は、PVAとPEDTとの接着性が増すためと考えられる。
また、これらの添加剤をコンデンサ素子内に含有させる方法としては、修復化成後、0.1〜10%、好ましくは0.5〜2%の水溶液にコンデンサ素子を常温で浸漬し、50〜90℃で乾燥した後、150〜200℃で加熱処理する方法が好ましい。この加熱によって、PVA、PEDT、界面活性剤の架橋状態が向上して、密着性が増すものと考えられる。
(3−2−6)添加剤…ホウ酸等の添加
ビニル基を有する化合物を含有するセパレータを用いてコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子内にホウ酸化合物を含有させることによって、固体電解コンデンサの耐電圧を向上させることができる。
(ホウ酸化合物)
ホウ酸化合物としては、ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸のアンモニウム塩、金属塩等のホウ酸塩、ホウ酸トリエチル等のホウ酸エステル等を用いることができるが、なかでも、ホウ酸を用いることが望ましい。
また、これらホウ酸化合物の溶媒としては、これらの化合物が溶解するものであれば良く、主として水、グリセリン等を用いることができる。また、ホウ酸化合物溶液の濃度は、0.1wt%〜10wt%が好ましく、より好ましくは3wt%〜7wt%である。ホウ酸化合物溶液の濃度がこの範囲外の場合、効果が低下した。その理由は、ホウ酸化合物溶液の濃度が0.1wt%未満では、溶液中のホウ酸化合物が少ないため、形成される結合体の量が十分ではなく、一方、10wt%を越えると、理由は定かではないが、結合体を形成した後の余剰のホウ酸が悪影響を及ぼして、ESRが上昇するからである。
(ホウ酸化合物をコンデンサ素子内に含有させる方法)
上記ホウ酸化合物をコンデンサ素子内に含有させる方法としては、コンデンサ素子をホウ酸化合物の溶液に浸漬する方法、または、ホウ酸化合物の溶液をコンデンサ素子に吐出する方法を用いることができる。
また、ホウ酸化合物をコンデンサ素子内に含有させた後、加熱処理すると初期特性が向上することが分かった。その理由は、セパレータに含まれるビニル基を有する化合物がコンデンサ素子内に溶出し、その末端基の疎水性が増すことにより、酸化皮膜と固体電解質の密着性が向上するためと考えられる。また、この加熱温度は120〜250℃が好ましく、より好ましくは150〜200℃である。加熱温度がこの範囲外の場合、効果が低下した。その理由は、加熱温度が120℃未満では、ビニル基を有する化合物の末端基の疎水化等の反応が十分に進行せず、一方、250℃を越えると、ビニル基を有する化合物の熱劣化が起こって効果が低減するためであると考えられる。
(ホウ酸化合物をコンデンサ素子内に含有させる時期)
上記ホウ酸化合物をコンデンサ素子内に含有させる時期について種々検討した結果、導電性ポリマーを形成する工程の前の段階であれば、どの段階でも良いことが判明した。すなわち、その時期は、修復化成前であっても良いし、コンデンサ素子を形成する前に電極箔に付着させても良く、例えば、以下の(a)〜(c)の方法が考えられる。
なお、下記の(a)〜(c)の方法の中で、陽極箔と陰極箔を、ビニル基を有する化合物を含有するセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に修復化成を施した後、このコンデンサ素子にホウ酸化合物の溶液を含浸して、ビニル基を有する化合物とホウ酸化合物とからなる結合体を生成し、その後に、このコンデンサ素子内で導電性ポリマーの重合反応を発生させ、固体電解質層を形成することができる(a)の方法が最も好適である。
(a)修復化成後…図5参照
化成→ビニル基を有する化合物を含有するセパレータを用いてコンデンサ素子形成→修復化成→ホウ酸化合物溶液に浸漬→導電性ポリアニリン溶液の含浸→重合性モノマーと酸化剤の含浸→重合→外装ケースへの挿入→樹脂封止→エージング
(b)コンデンサ素子形成後〜修復化成前…図6参照
化成→ビニル基を有する化合物を含有するセパレータを用いてコンデンサ素子形成→ホウ酸化合物溶液に浸漬→修復化成→導電性ポリアニリン溶液の含浸→重合性モノマーと酸化剤の含浸→重合→外装ケースへの挿入→樹脂封止→エージング
(c)コンデンサ素子形成前…図7参照
化成→両極電極箔の少なくともいずれか一方をホウ酸化合物溶液に浸漬(又は塗布後、乾燥処理)→ビニル基を有する化合物を含有するセパレータを用いてコンデンサ素子形成→修復化成→導電性ポリアニリン溶液の含浸→重合性モノマーと酸化剤の含浸→重合→外装ケースへの挿入→樹脂封止→エージング
なお、これらの方法におけるホウ酸化合物溶液の濃度、温度、含浸時間、乾燥温度、乾燥時間等は、上述した条件と同様である。
(作用・効果)
上記のように、ビニル基を有する化合物を含有するセパレータを用いてコンデンサ素子を形成すると共に、所定の時期に、コンデンサ素子にホウ酸化合物を含有させることにより、鉛フリーリフローによる耐電圧特性の劣化を防止することができると共に、エージング工程でショートが発生する割合を大幅に低減することができる。
このような効果が得られる理由は、セパレータに含まれるビニル基を有する化合物が製造工程中に溶出して、コンデンサ素子内でホウ酸化合物と水素結合等により結合体を形成し、この結合体が電極箔の酸化皮膜上に付着して層を形成することにより、固体電解質と酸化皮膜の密着性が向上し、さらにこの層の耐電圧が高いので、コンデンサの耐電圧が向上するものと考えられる。
また、コンデンサ素子形成後にビニル基を有する化合物を素子内に含有させるよりも、本発明のようにセパレータに含有させたビニル基を有する化合物が溶出する方が、ホウ酸化合物との結合体が酸化皮膜に均一に付着するという利点もある。
特に、PVAとホウ酸を用いた場合には、エステル化合物からなる結合体を形成し、このエステル化合物は誘電体皮膜中に浸透せずに、皮膜表面に付着して良好な層を形成するため、良好な特性が得られるものと考えられる。
そして、上述したように、ホウ酸化合物を含有させた後、加熱処理を行うと、セパレータから溶出したビニル基を有する化合物の末端基と誘電体酸化皮膜乃至導電性ポリマーとの接合性が向上して、初期特性、特に静電容量とESR特性が向上すると考えられる。
なお、上記(a)〜(c)の方法は、導電性ポリアニリン溶液の含浸前に、コンデンサ素子をホウ酸化合物溶液に浸漬する方法であり、酸化皮膜上にPVAとホウ酸のエステル化合物からなる結合体を介してポリアニリンフィルムが形成されるが、これに限らず、以下に示す(d)の方法のように、導電性ポリアニリン溶液を含浸した後に、コンデンサ素子をホウ酸化合物溶液に浸漬して、酸化皮膜上にポリアニリンフィルム、PVAとホウ酸のエステル化合物からなる結合体の順に形成しても良い。
また、ホウ酸化合物溶液及び導電性ポリアニリン溶液の混合溶液を用いて、酸化皮膜上にこれらの混合層を形成しても良い。
(d)導電性ポリアニリンフィルム形成後…図8参照
化成→ビニル基を有する化合物を含有するセパレータを用いてコンデンサ素子形成→修復化成→導電性ポリアニリン溶液の含浸→ホウ酸化合物溶液に浸漬→重合性モノマーと酸化剤の含浸→重合→外装ケースへの挿入→樹脂封止→エージング
(3−2−7)添加剤…ドデシルベンゼンスルホン酸の添加
ビニル基を有する化合物を含有するセパレータを用いてコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子内にドデシルベンゼンスルホン酸(DBS)を添加しても良い。この場合も、上記(3−2−6)と同様の作用・効果が得られる。
(ドデシルベンゼンスルホン酸)
本発明に用いるドデシルベンゼンスルホン酸の溶媒としては、水、アルコール等を用いることが好ましい。また、ドデシルベンゼンスルホン酸溶液の濃度は、0.1wt%〜5wt%が好ましく、より好ましくは0.2wt%〜2wt%である。ドデシルベンゼンスルホン酸溶液の濃度がこの範囲より小さいと、DBSとPVAの結合体の層が薄いため、静電容量、ESR特性向上、耐圧向上、LC抑制効果が少なくなる。一方、この範囲を超えると、DBSとPVAの結合体の層が厚くなり過ぎて、この層の導電性が低下するため、静電容量、ESR特性が低下する。
(DBSをコンデンサ素子内に含有させる方法)
上記ドデシルベンゼンスルホン酸をコンデンサ素子内に含有させる方法としては、上記(3−2−6)と同様に、コンデンサ素子を上記のドデシルベンゼンスルホン酸溶液に浸漬する方法、または、ドデシルベンゼンスルホン酸溶液をコンデンサ素子に吐出する方法を用いることができる。
また、ドデシルベンゼンスルホン酸をコンデンサ素子内に含有させた後、加熱処理すると初期特性が向上することが分かった。その理由は、セパレータに含まれるビニル基を有する化合物がコンデンサ素子内に溶出し、その末端基の疎水性が増すことにより、酸化皮膜と固体電解質の密着性が向上するためと考えられる。また、この加熱温度は120〜250℃が好ましく、より好ましくは150〜200℃である。加熱温度がこの範囲外の場合、効果が低下した。その理由は、加熱温度が120℃未満では、ビニル基を有する化合物の末端基の疎水化等の反応が十分に進行せず、一方、250℃を越えると、ビニル基を有する化合物の熱劣化が起こって効果が低減するためであると考えられる。
(DBSをコンデンサ素子内に含有させる時期)
DBSをコンデンサ素子内に含有させる時期は、上記(3−2−6)と同様に、導電性ポリマーを形成する工程の前の段階であれば、どの段階でも良いことが分かった。すなわち、その時期は、上記(3−2−6)で示した図5〜図8のホウ酸化合物溶液を、ドデシルベンゼンスルホン酸溶液に置き換えて適用することができる。
(作用・効果)
上記のように、ビニル基を有する化合物を含有するセパレータを用いてコンデンサ素子を形成すると共に、所定の時期に、コンデンサ素子にドデシルベンゼンスルホン酸を含有させることにより、鉛フリーリフローによる耐電圧特性の劣化を防止することができると共に、エージング工程でショートが発生する割合を大幅に低減することができる。
このような効果が得られる理由は、セパレータに含まれるビニル基を有する化合物が製造工程中に溶出して、コンデンサ素子内でドデシルベンゼンスルホン酸と水素結合等により結合体を形成し、この結合体が電極箔の酸化皮膜上に付着して層を形成することにより、固体電解質と酸化皮膜の密着性が向上し、さらにこの層の耐電圧が高いので、コンデンサの耐電圧が向上するものと考えられる。
また、コンデンサ素子形成後にビニル基を有する化合物を素子内に含有させるよりも、本発明のようにセパレータに含有させたビニル基を有する化合物が溶出する方が、ドデシルベンゼンスルホン酸との結合体が酸化皮膜に均一に付着するという利点もある。
特に、PVAとドデシルベンゼンスルホン酸を用いた場合には、エステル化合物からなる結合体を形成し、このエステル化合物は誘電体皮膜中に浸透せずに皮膜表面に付着して、電子をブロックする皮膜を形成するため、良好な特性が得られるものと考えられる。
そして、上述したように、ドデシルベンゼンスルホン酸を含有させた後、加熱処理を行うと、セパレータから溶出したビニル基を有する化合物の末端基と誘電体酸化皮膜乃至導電性ポリマーとの接合性が向上して、初期特性、特に静電容量とESR特性が向上し、耐圧向上、LC低減効果が得られる。
(3−2−8)添加剤…ナフタレンスルホン酸ナトリウムの添加
ビニル基を有する化合物を含有するセパレータを用いてコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子内にナフタレンスルホン酸ナトリウム(NPS)を添加しても良い。この場合も、上記(3−2−6)と同様の作用・効果が得られる。
(ナフタレンスルホン酸ナトリウム)
ナフタレンスルホン酸ナトリウムの溶媒としては、水、アルコール等を用いることが好ましい。また、ナフタレンスルホン酸ナトリウム溶液の濃度は、0.1wt%〜5wt%が好ましく、より好ましくは0.2wt%〜2wt%である。ナフタレンスルホン酸ナトリウム溶液の濃度がこの範囲より小さいと、NPSとPVAの結合体の層が薄いため、静電容量、ESR特性向上、耐圧向上、LC抑制効果が少なく、この範囲を超えると、NPSとPVAの結合体の層が厚くなり過ぎて、この層の導電性が低下するため、耐圧特性、静電容量、ESR特性が低下する。
(NPSをコンデンサ素子内に含有させる方法)
上記ナフタレンスルホン酸ナトリウムをコンデンサ素子内に含有させる方法としては、上記第4実施形態及び第5実施形態に示したと同様に、コンデンサ素子をナフタレンスルホン酸ナトリウム溶液に浸漬する方法、または、ナフタレンスルホン酸ナトリウム溶液をコンデンサ素子に吐出する方法を用いることができる。
また、ナフタレンスルホン酸ナトリウムをコンデンサ素子内に含有させた後、加熱処理すると初期特性が向上することが分かった。その理由は、セパレータに含まれるビニル基を有する化合物がコンデンサ素子内に溶出し、その末端基の疎水性が増すことにより、酸化皮膜と固体電解質の密着性が向上するためと考えられる。また、この加熱温度は120〜250℃が好ましく、より好ましくは150〜200℃である。加熱温度がこの範囲外の場合、効果が低下した。その理由は、加熱温度が120℃未満では、ビニル基を有する化合物の末端基の疎水化等の反応が十分に進行せず、一方、250℃を越えると、ビニル基を有する化合物の熱劣化が起こって効果が低減するためであると考えられる。
(NPSをコンデンサ素子内に含有させる時期)
ナフタレンスルホン酸ナトリウムをコンデンサ素子内に含有させる時期は、上記(3−2−6)と同様に、導電性ポリマーを形成する工程の前の段階であれば、どの段階でも良いことが分かった。すなわち、その時期は、上記(3−2−6)で示した図5〜図8のホウ酸化合物溶液を、ナフタレンスルホン酸ナトリウム溶液に置き換えて適用することができる。
(作用・効果)
上記のように、ビニル基を有する化合物を含有するセパレータを用いてコンデンサ素子を形成すると共に、所定の時期に、コンデンサ素子にナフタレンスルホン酸ナトリウムを含有させることにより、鉛フリーリフローによる耐電圧特性の劣化を防止することができると共に、エージング工程でショートが発生する割合を大幅に低減することができる。
このような効果が得られる理由は、セパレータに含まれるビニル基を有する化合物が製造工程中に溶出して、コンデンサ素子内でナフタレンスルホン酸ナトリウムと水素結合等により結合体を形成し、この結合体が電極箔の酸化皮膜上に付着して層を形成することにより、固体電解質と酸化皮膜の密着性が向上し、さらにこの層の耐電圧が高いので、コンデンサの耐電圧が向上するものと考えられる。
また、コンデンサ素子形成後にビニル基を有する化合物を素子内に含有させるよりも、本発明のようにセパレータに含有させたビニル基を有する化合物が溶出する方が、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとの結合体が酸化皮膜に均一に付着するという利点もある。
特に、PVAとナフタレンスルホン酸ナトリウムを用いた場合には、エステル化合物からなる結合体を形成し、このエステル化合物は誘電体皮膜中に浸透せずに皮膜表面に付着して、電子をブロックする皮膜を形成するため、良好な特性が得られるものと考えられる。
そして、上述したように、ナフタレンスルホン酸ナトリウムを含有させた後、加熱処理を行うと、セパレータから溶出したビニル基を有する化合物の末端基と誘電体酸化皮膜乃至導電性ポリマーとの接合性が向上して、初期特性、特に静電容量とESR特性が向上し、耐圧向上、LC低減効果が得られる。
(4)導電性ポリアニリン溶液について
導電性ポリアニリン溶液の溶媒は、パラキシレンまたは水が好ましい。また、濃度は5wt%以下とすることが好ましい。濃度が10%を超えると均一なポリアニリンフィルムが形成できないからである。
(5)導電性ポリアニリン溶液の含浸方法
上記のようにして形成したコンデンサ素子に導電性ポリアニリン溶液を含浸する方法としては、以下の2つの方法がある。
第1の方法は、所定の濃度に調製した導電性ポリアニリン溶液を所定の容器に入れ、この溶液中にコンデンサ素子を浸漬し、浸漬した状態で、陽極リードを介して陽極箔に電圧を印加する方法である。なお、この場合、陰極は陰極リード、または容器内に新たに設けた陰極端子板に接続する。電極箔単板からなる素子や焼結体からなる素子等、素子の状態で陰極リードを有しない場合は、前記陰極端子板を用いる。
また、第2の方法は、所定の濃度に調製した導電性ポリアニリン溶液を、ノズル等を用いて直接コンデンサ素子に注入して含浸し、その後、陽極リードを介して陽極箔に電圧を印加する方法である。なお、この場合、陰極は陰極リードに接続する。
なお、陽極箔への電圧印加としては、パルス電圧を印加しても良い。また、陽極箔に印加する電圧は、陽極箔の化成電圧以下が好ましい。陽極箔の化成電圧以上で行うと、導電性ポリアニリン溶液中で陽極箔が化成され、酸化皮膜が厚く形成されてしまい、所望の静電容量が得られないからである。ただし、導電性ポリアニリン溶液として陽極箔が化成されない溶液を用いた場合には、陽極箔の化成電圧より高い電圧を印加しても良い。
また、予め低めの電圧で化成された陽極箔を用い、導電性ポリアニリン溶液中にて陽極箔の化成電圧より高い電圧を印加して、所望の酸化皮膜の厚みになるように陽極箔の化成を実施することもできる。
(6)溶媒の除去方法
コンデンサ素子に導電性ポリアニリン溶液を含浸した後、導電性ポリアニリン溶液の溶媒を除去する方法としては、陽極箔に電圧を印加した後、または電圧を印加しながら、コンデンサ素子を容器内に浸漬した状態で、恒温槽中などにおいて加熱処理して溶媒を除去する方法を用いることができる。
あるいは、上記のようにして電圧を印加した後、コンデンサ素子を容器から引き上げ、さらに電圧を印加しながら加熱処理、または電圧を印加せずに加熱処理して溶媒を除去する方法を用いることができる。
なお、上記「(5)導電性ポリアニリン溶液の含浸方法」の項で示した第2の方法は、加熱処理を行いやすいため、より好ましい。
なお、この場合も、陽極箔に印加する電圧は、陽極箔の化成電圧以下が好ましい。陽極箔の化成電圧以上で行うと、導電性ポリアニリン溶液中で陽極箔が化成され、酸化皮膜が厚く形成されてしまい、所望の静電容量が得られないからである。ただし、導電性ポリアニリン溶液として陽極箔が化成されない溶液を用いた場合には、陽極箔の化成電圧より高い電圧を印加しても良い。
(7)EDT
重合性モノマーとしてEDTを用いた場合、コンデンサ素子に含浸するEDT溶液としては、その濃度が25〜32wt%となるようにEDTを揮発性溶媒に溶解させたものを用いることが好ましい。
前記揮発性溶媒としては、ペンタン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ギ酸エチル等のエステル類、アセトン等のケトン類、メタノール等のアルコール類、アセトニトリル等の窒素化合物等を用いることができるが、なかでも、メタノール、エタノール、アセトン等が好ましい。
(8)酸化剤
酸化剤としては、エタノールに溶解したパラトルエンスルホン酸第二鉄、過ヨウ素酸もしくはヨウ素酸の水溶液を用いることができ、酸化剤の溶媒に対する濃度は45〜55wt%が好ましく、50〜55wt%がより好ましい。酸化剤の溶媒に対する濃度が高い程、ESRは低減する。なお、酸化剤の溶媒としては、上記モノマー溶液に用いた揮発性溶媒を用いることができ、なかでもエタノールが好適である。酸化剤の溶媒としてエタノールが好適であるのは、蒸気圧が低いため蒸発しやすく、残存する量が少ないためであると考えられる。
(9)修復化成の化成液
修復化成の化成液としては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等のリン酸系の化成液、ホウ酸アンモニウム等のホウ酸系の化成液、アジピン酸アンモニウム等のアジピン酸系の化成液を用いることができるが、なかでも、リン酸二水素アンモニウムを用いることが望ましい。また、浸漬時間は、5〜120分が望ましい。
(10)他の重合性モノマー
本発明に用いられる重合性モノマーとしては、上記EDTの他に、EDT以外のチオフェン誘導体、アニリン、ピロール、フラン、アセチレンまたはそれらの誘導体であって、所定の酸化剤により酸化重合され、導電性ポリマーを形成するものであれば適用することができる。なお、チオフェン誘導体としては、下記の構造式のものを用いることができる。
Figure 0004442287
本発明によれば、固体電解コンデンサの静電容量及び耐圧の向上と、小型大容量化を可能とした固体電解コンデンサの製造方法を提供することができる。
続いて、以下のようにして製造した実施例及び従来例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
アルミニウム箔の表面にエッチング層および酸化皮膜層(化成電圧4V)が形成された陽極箔と、アルミニウム箔の表面にエッチング層が形成された陰極箔とを、PET繊維を主成分として、PVAバインダーを15%含有してなるセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、修復化成を行った。
このコンデンサ素子を、導電化された導電性ポリアニリンを含有する溶液を入れた容器内に浸漬し、陽極箔に電圧を印加した(3V)。その後、コンデンサ素子を溶液から引き出し、50℃で90分間熱処理して溶媒を除去した。この導電性ポリアニリンフィルムの形成工程を3回行った。なお、導電性ポリアニリン溶液としては、パラキシレンを溶媒とした2wt%の導電性ポリアニリン溶液を用いた。
続いて、酸化剤(P−トルエンスルホン酸第二鉄)とEDTモノマーの混合溶液(ブタノール溶液)に浸漬し、60℃で30分、150℃で60分の加熱重合を行い、導電性ポリマー層を形成した。
そして、このコンデンサ素子を有底筒状の外装ケース(アルミニウムケース)に挿入し、開口端部に封口ゴム(ブチルゴム)を装着して、加締め加工によって封止した。その後に、150℃、120分、3.5Vの電圧印加によってエージングを行い、固体電解コンデンサを形成した。
(実施例2)
実施例1における導電性ポリアニリンフィルムの形成方法を変えたものであって、導電化されたポリアニリンを含有する溶液を、ノズルを用いてコンデンサ素子に含浸した後、コンデンサ素子を恒温槽内に入れ、電圧(3V)印加しながら加熱処理して溶媒を除去した。その他の条件及び工程は、実施例1と同様とした。
(従来例)
セパレータとしてマニラ紙を用い、導電性ポリアニリンフィルムを形成せずに、コンデンサ素子形成後、重合工程を行った。その他の条件及び工程は、実施例1と同様とした。
[比較結果]
上記の方法により得られた実施例及び従来例について、電気的特性を調べたところ表1に示すような結果が得られた。
なお、耐電圧の比較は、上記各実施例及び従来例のそれぞれにおいて、陽極箔の化成電圧を42Vにし、導電性ポリアニリンフィルム形成時における陽極箔への電圧印加を35Vとしたものを用いた。
Figure 0004442287
表1から明らかなように、PET繊維を主成分として、PVAバインダーを15%含有してなるセパレータを用いると共に、コンデンサ素子に導電性ポリアニリン溶液を含浸した実施例1及び実施例2は、従来例に比べて静電容量はそれぞれ約1.15倍、約1.17倍に増加した。また、耐圧は、従来例に比べてそれぞれ約1.13倍、約1.17倍に増加した。
また、導電性ポリアニリン溶液の含浸方法が異なる実施例1と実施例2とを比較すると、電圧印加しながら溶媒を除去した実施例2の方が、より良好な結果が得られた。
本発明に係る固体電解コンデンサの製造工程の一例を示すフローチャート 本発明に係る固体電解コンデンサの製造工程の一例を示すフローチャート 本発明に係る固体電解コンデンサの製造工程の一例を示すフローチャート 本発明に係る固体電解コンデンサの製造工程の一例を示すフローチャート 本発明に係る固体電解コンデンサの製造工程の一例を示すフローチャート 本発明に係る固体電解コンデンサの製造工程の一例を示すフローチャート 本発明に係る固体電解コンデンサの製造工程の一例を示すフローチャート 本発明に係る固体電解コンデンサの製造工程の一例を示すフローチャート

Claims (8)

  1. 誘電体酸化皮膜を形成した陽極電極体を有するコンデンサ素子の該陽極電極体上に、導電性ポリマーからなる電解質層を形成する固体電解コンデンサの製造方法において、
    前記コンデンサ素子内にビニル基を有する化合物を存在させる工程と、
    前記誘電体酸化皮膜を形成した陽極電極体に導電性ポリアニリン溶液を含浸し、この陽極電極体に電圧印加した後、溶媒除去して、導電性ポリアニリンフィルムを形成しつつ、この導電性ポリアニリンフィルムを前記誘電体酸化皮膜上に被着させる工程と、
    を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 誘電体酸化皮膜を形成した陽極電極体を有するコンデンサ素子の該陽極電極体上に、導電性ポリマーからなる電解質層を形成する固体電解コンデンサの製造方法において、
    前記コンデンサ素子内にビニル基を有する化合物を存在させる工程と、
    前記誘電体酸化皮膜を形成した陽極電極体に導電性ポリアニリン溶液を含浸し、この陽極電極体に電圧印加しながら、溶媒除去して、導電性ポリアニリンフィルムを形成しつつ、この導電性ポリアニリンフィルムを前記誘電体酸化皮膜上に被着させる工程と、
    を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記ビニル基を有する化合物をセパレータのバインダーとして含有させることにより、コンデンサ素子内に存在させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記ビニル基を有する化合物からなるバインダーの含有量が、セパレータの全重量に対して10〜40wt%であることを特徴とする請求項3に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記コンデンサ素子を60〜100℃の溶液に浸漬することにより、修復化成前におけるセパレータ中のバインダーの量を、セパレータの全重量に対して10〜20wt%に調整することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記導電性ポリアニリンフィルム上に、前記導電性ポリマーからなる電解質層を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記導電性ポリマーが、チオフェン誘導体の重合体であることを特徴とする請求項6に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 前記チオフェン誘導体が、3,4−エチレンジオキシチオフェンであることを特徴とする請求項7に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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