JP2003197478A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法

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JP2003197478A JP2001399075A JP2001399075A JP2003197478A JP 2003197478 A JP2003197478 A JP 2003197478A JP 2001399075 A JP2001399075 A JP 2001399075A JP 2001399075 A JP2001399075 A JP 2001399075A JP 2003197478 A JP2003197478 A JP 2003197478A
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capacitor element
solid electrolytic
electrolytic capacitor
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anode foil
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Atsushi Yoshizawa
篤志 吉澤
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Nippon Chemi Con Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G11/00Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
    • H01G11/54Electrolytes
    • H01G11/56Solid electrolytes, e.g. gels; Additives therein

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  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 さらなる小型化、大容量化を図った固体電解
コンデンサの製造方法を提供する。 【解決手段】 陽極箔を修復化成した後、この陽極箔と
陰極箔を直接重ね合わせ、巻回してコンデンサ素子を形
成し、このコンデンサ素子に修復化成を施す。続いて、
このコンデンサ素子を、重合性モノマーと酸化剤とを所
定の溶媒と共に混合して調製した所定の粘度を有する混
合液に浸漬し、コンデンサ素子内で導電性ポリマーの重
合反応を発生させ、固体電解質層を形成する。そして、
このコンデンサ素子を外装ケースに挿入し、開口端部に
封口ゴムを装着して、加締め加工によって封止した後、
エージングを行い、固体電解コンデンサを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サ及びその製造方法に係り、特に、セパレータを用いる
ことなく、優れた特性を得ることができる固体電解コン
デンサ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タンタルあるいはアルミニウム等のよう
な弁作用を有する金属を利用した電解コンデンサは、陽
極側対向電極としての弁作用金属を焼結体あるいはエッ
チング箔等の形状にして誘電体を拡面化することによ
り、小型で大きな容量を得ることができることから、広
く一般に用いられている。特に、電解質に固体電解質を
用いた固体電解コンデンサは、小型、大容量、低等価直
列抵抗であることに加えて、チップ化しやすく、表面実
装に適している等の特質を備えていることから、電子機
器の小型化、高機能化、低コスト化に欠かせないものと
なっている。
【0003】この種の固体電解コンデンサにおいて、小
型、大容量用途としては、一般に、アルミニウム等の弁
作用金属からなる陽極箔と陰極箔をセパレータを介在さ
せて巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ
素子に駆動用電解液を含浸し、アルミニウム等の金属製
ケースや合成樹脂製のケースにコンデンサ素子を収納
し、密閉した構造を有している。なお、陽極材料として
は、アルミニウムを初めとしてタンタル、ニオブ、チタ
ン等が使用され、陰極材料には、陽極材料と同種の金属
が用いられる。
【0004】また、固体電解コンデンサに用いられる固
体電解質としては、二酸化マンガンや7、7、8、8−
テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体が知られて
いるが、近年、反応速度が緩やかで、かつ陽極電極の酸
化皮膜層との密着性に優れたポリエチレンジオキシチオ
フェン(以下、PEDTと記す)等の導電性ポリマーに
着目した技術(特開平2−15611号公報)が存在し
ている。
【0005】このような巻回型のコンデンサ素子にPE
DT等の導電性ポリマーからなる固体電解質層を形成す
るタイプの固体電解コンデンサは、アルミニウム等の弁
作用金属からなる陽極箔の表面を塩化物水溶液中での電
気化学的なエッチング処理により粗面化して、多数のエ
ッチングピットを形成した後、ホウ酸アンモニウム等の
水溶液中で電圧を印加して誘電体となる酸化皮膜層を形
成する(化成)。陽極箔と同様に、陰極箔もアルミニウ
ム等の弁作用金属からなるが、その表面にはエッチング
処理を施すのみである。
【0006】このようにして表面に酸化皮膜層が形成さ
れた陽極箔とエッチングピットのみが形成された陰極箔
とを、セパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形
成する。続いて、修復化成を施したコンデンサ素子に、
3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、EDTと
記す)等の重合性モノマーと酸化剤溶液をそれぞれ吐出
し、あるいは両者の混合液に浸漬して、コンデンサ素子
内で重合反応を促進し、PEDT等の導電性ポリマーか
らなる固体電解質層を生成する。その後、このコンデン
サ素子を有底筒状の外装ケースに収納して固体電解コン
デンサを作成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな従来の固体電解コンデンサでは、ビニロン繊維、ま
たはビニロン繊維とガラス繊維、ポリエステル繊維、ナ
イロン繊維、レーヨン繊維、紙繊維とを混抄した不織布
からなるセパレータが用いられていた。そして、陽極箔
と陰極箔とを、上記合成繊維を主体とする不織布を用い
たセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、重合
性モノマーと酸化剤とを含浸することで、コンデンサ素
子の内部にまでモノマーと酸化剤が浸透し、その浸透す
る過程及び浸透後に起きるモノマーと酸化剤との穏やか
な化学重合反応で導電性ポリマー、すなわち固体電解質
層をコンデンサ素子の内部においても生成させ、また固
体電解質層を、その生成過程からセパレータで保持した
状態で固体電解質層を形成していた。
【0008】しかしながら、近年、固体電解コンデンサ
のさらなる小型化、大容量化が切望されており、上記の
ような合成繊維を主体としたセパレータは、酸化剤とも
反応せず、かつ溶媒に対して親和性を有することから、
巻回型のコンデンサ素子の内部にまでモノマーと酸化剤
が浸透し易くなり、綿密で均一な固体電解質層を得るこ
とができるという利点を有するものの、一定の厚みを有
するセパレータを両電極と共に巻回するため、コンデン
サ素子の大きさはある程度大きくならざるを得なかっ
た。なお、このような問題点は、重合性モノマーとして
EDTを用いた場合に限らず、他のチオフェン誘導体、
ピロール、アニリン等を用いた場合にも同様に生じてい
た。
【0009】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解決するために提案されたものであり、その目的
は、さらなる小型化、大容量化を図った固体電解コンデ
ンサ及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく、さらなる小型化、大容量化を図るべく、
陽極箔と陰極箔とを直接重ね合わせ、これらを巻回して
コンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に重合性
モノマーや酸化剤を含浸させて導電性ポリマーを形成
し、その電気的特性について種々検討を重ねた結果、以
下の結論に達したものである。
【0011】すなわち、セパレータを用いずに、陽極箔
と陰極箔とを直接重ね合わせて巻回してコンデンサ素子
を形成した場合であっても、両極間に重合液やモノマー
を保持することができるように、ある程度の粘性を有す
る重合液もしくは重合性モノマーを用いることにより、
従来と同等かそれ以上の電気的特性を得ることができる
ことが判明したものである。
【0012】(固体電解コンデンサの製造方法)本発明
に係る固体電解コンデンサの製造方法は以下の通りであ
る。すなわち、陽極箔を修復化成した後、この陽極箔と
陰極箔を直接重ね合わせ、巻回してコンデンサ素子を形
成する。続いて、このコンデンサ素子を、重合性モノマ
ーと酸化剤とを所定の溶媒と共に混合して、両極間に重
合液を保持できるよう調製した所定の粘度を有する混合
液に浸漬し、引き上げた後、加熱して、コンデンサ素子
内で導電性ポリマーの重合反応を発生させ、固体電解質
層を形成する。また、混合後に浸漬し、常温又は加熱し
て重合反応を進めて粘度を上げた後、引き上げて、加熱
重合させても良い。そして、このコンデンサ素子を外装
ケースに挿入し、開口端部に封口ゴムを装着して、加締
め加工によって封止した後、エージングを行い、固体電
解コンデンサを形成する。
【0013】なお、重合性モノマーと酸化剤とを所定の
溶媒と共に混合して混合液(重合液)を作成する場合、
重合液中で重合性モノマーの重合が進行して重合液の粘
度が上昇している方が望ましい。重合性モノマーがED
Tの場合は、混合直後に粘度が上がるので、混合直後に
浸漬することが好ましい。また、混合後に放置しすぎる
と粘性が上がりすぎて混合液が素子内に含浸しなくなる
ので、1分以内に浸漬することが好ましく、30秒以内
がより好ましい。
【0014】また、コンデンサ素子への重合性モノマー
と酸化剤の含浸方法は、両者の混合液にコンデンサ素子
を浸漬する方法、両者の混合液を吐出する方法、あるい
は、コンデンサ素子に酸化剤溶液を含浸した後、加熱等
によって溶媒を蒸発させ、その後に重合性モノマーを含
浸する方法等、いずれでも良い。これらの方法はいずれ
も、巻回素子の両極間に重合性モノマーと酸化剤を保持
して、重合反応を進行させることができるからである。
【0015】(EDT及び酸化剤)重合性モノマーとし
てEDTを用いた場合、コンデンサ素子に含浸するED
Tとしては、EDTモノマーを用いることができるが、
EDTと揮発性溶媒とを1:0〜1:3の体積比で混合
したモノマー溶液を用いることもできる。前記揮発性溶
媒としては、ペンタン等の炭化水素類、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、ギ酸エチル等のエステル類、アセ
トン等のケトン類、メタノール等のアルコール類、アセ
トニトリル等の窒素化合物等を用いることができるが、
なかでも、メタノール、エタノール、アセトン等が好ま
しい。
【0016】また、酸化剤としては、ブタノール等の低
沸点溶媒に溶解したパラトルエンスルホン酸第二鉄、過
ヨウ素酸もしくはヨウ素酸の水溶液を用いることがで
き、酸化剤の溶媒に対する濃度は40〜57wt%が好
ましく、45〜57wt%がより好ましい。酸化剤の溶
媒に対する濃度が高い程、ESRは低減する。また、濃
度が高い程、酸化剤溶液の粘性が上がるので好適であ
る。なお、酸化剤の溶媒としては、上記モノマー溶液に
用いた揮発性溶媒を用いることができ、なかでもエタノ
ールが好適である。酸化剤の溶媒としてエタノールが好
適であるのは、蒸気圧が低いため蒸発しやすく、残存す
る量が少ないためであると考えられる。
【0017】(減圧)重合工程で減圧すると、さらに好
適である。その理由は、加熱重合時に減圧すると、重合
と共に残存物を蒸散させることができるからである。な
お、減圧の程度は、10〜360mmHg程度の減圧状
態とすることが望ましい。
【0018】(浸漬工程)コンデンサ素子を混合液に浸
漬する時間は、コンデンサ素子の大きさによって決まる
が、φ5×3L程度のコンデンサ素子では5秒以上、φ
9×5L程度のコンデンサ素子では10秒以上が望まし
く、最低でも5秒間は浸漬することが必要である。な
お、長時間浸漬しても特性上の弊害はない。また、この
ように浸漬した後、減圧状態で保持すると好適である。
その理由は、揮発性溶媒の残留量が少なくなるためであ
ると考えられる。減圧の条件は上述した重合工程での減
圧条件と同様である。
【0019】(修復化成の化成液)修復化成の化成液と
しては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アン
モニウム等のリン酸系の化成液、ホウ酸アンモニウム等
のホウ酸系の化成液、アジピン酸アンモニウム等のアジ
ピン酸系の化成液を用いることができるが、なかでも、
リン酸二水素アンモニウムを用いることが望ましい。ま
た、浸漬時間は、5〜120分が望ましい。
【0020】(他の重合性モノマー)本発明に用いられ
る重合性モノマーとしては、上記EDTの他に、EDT
以外のチオフェン誘導体、アニリン、ピロール、フラ
ン、アセチレンまたはそれらの誘導体であって、所定の
酸化剤により酸化重合され、導電性ポリマーを形成する
ものであれば適用することができるが、なかでもある程
度の粘性を有し、ポリマー形成能力の高いEDTが最も
適している。なお、上記チオフェン誘導体としては、下
記の構造式のものを用いることができる。
【化1】
【0021】(作用・効果)上記のように、セパレータ
を用いずに、陽極箔と陰極箔とを直接重ね合わせて巻回
してコンデンサ素子を形成した場合であっても、従来と
同等かそれ以上の電気的特性を得ることができた。その
理由は、ある程度の粘性を有する重合性モノマーを用い
ることにより、両極間に重合液やモノマーを保持するこ
とができ、その後に両極間で重合反応を進行させること
ができたためと考えられる。
【0022】また、セパレータを用いず、陽極箔と陰極
箔だけを巻回しているため、従来と同径のコンデンサ素
子を作成した場合、用いられる陽極箔と陰極箔の長さは
従来より大きくなる。そのため、従来と同等かそれ以上
の特性が得られたと考えられる。さらに、セパレータが
不要となるため、コストの削減が図れ、巻回工程も簡略
化される。
【0023】
【実施例】続いて、以下のようにして製造した実施例及
び従来例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例)陽極箔をリン酸二水素アンモニウム水溶液に
40分間浸漬して修復化成を行った後、この陽極箔と陰
極箔を直接重ね合わせ、巻回して、素子形状が8φ×7
Lのコンデンサ素子を形成した。一方、所定の容器に、
EDTと50%のパラトルエンスルホン酸第二鉄のブタ
ノール溶液を1:3の割合で混合し、この重合液を撹拌
した後、この重合液に上記のコンデンサ素子を常温で1
0秒間浸漬して、コンデンサ素子に重合液を含浸する。
このコンデンサ素子を120℃の恒温槽内に1時間放置
して重合反応を起こさせ、固体電解質層を形成した。そ
して、このコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに挿
入し、開口端部に封口ゴムを装着して、加締め加工によ
って封止した。その後に、150℃、120分、5Vの
電圧印加によってエージングを行い、固体電解コンデン
サを形成した。なお、この固体電解コンデンサの定格電
圧は4WV、定格容量は330μFである。
【0024】(従来例)実施例と同様にして修復化成を
行った陽極箔と陰極箔を、セパレータを介して巻回して
コンデンサ素子を形成した。その後の工程は上記実施例
と同様である。
【0025】[比較結果]上記の方法により得られた実
施例及び従来例の固体電解コンデンサについて、静電容
量及びESRを調べたところ、表1に示したような結果
が得られた。
【表1】
【0026】表1から明らかなように、セパレータを用
いず、陽極箔と陰極箔を直接重ね合わせ、巻回してコン
デンサ素子を形成した実施例においては、セパレータを
用いた従来例と比べて、静電容量及びESR共、同等以
上の特性が得られた。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、さ
らなる小型化、大容量化を図った固体電解コンデンサ及
びその製造方法を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 9/05 G

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極箔と陰極箔とを直接重ね合わせて巻
    回してコンデンサ素子を形成し、前記陽極箔と陰極箔と
    の間に導電性ポリマーを保持させたことを特徴とする固
    体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記導電性ポリマーが、チオフェン誘導
    体の重合体であることを特徴とする請求項1に記載の固
    体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記チオフェン誘導体が、3,4−エチ
    レンジオキシチオフェンであることを特徴とする請求項
    2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 陽極箔と陰極箔とを直接重ね合わせて巻
    回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に
    所定の粘性を有する重合性モノマー及び酸化剤を含浸さ
    せて導電性ポリマーからなる固体電解質層を形成するこ
    とを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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