JP4803750B2 - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解コンデンサおよびその製造方法に関するものである。
電解コンデンサの陽極電極は、アルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用金属からなるが、この陽極電極はエッチングピットや微細孔を持ち、陽極電極表面に誘電体となる酸化皮膜層を形成し、この酸化皮膜層上に電解質層を形成し電極を引き出して構成される。
この電解質層は、電解コンデンサにおいて真の陰極としての役割を担い、電解コンデンサの電気特性に大きな影響を及ぼす。
この中でも、固体電解コンデンサは、イオン伝導性であるために低温領域や高周波領域でインピーダンス特性が悪化する液状の電解質に替えて、電子伝導性である固体の電解質を用いるもので、インピーダンス特性の改善を図ることができ、特に最近では、ポリチオフェンの誘導体であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリチオフェン、ポリアニリン、またはポリピロールの導電性高分子を固体電解質として用いることが試みられている(例えば特許文献1、非特許文献1参照)。
このPEDOT、ポリチオフェン、ポリアニリン、またはポリピロールを固体電解質とした固体電解コンデンサの製造方法としては、予めモノマーと酸化剤との混合液を調合し、この混合液にコンデンサ素子を浸漬して含浸する方法が採られている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、予めモノマーと酸化剤の混合液を調合した後、この混合液にコンデンサ素子を浸漬して含浸する方法は、モノマーと酸化剤との重合反応が液を調合した瞬間から始まってしまうため、コンデンサ素子を混合液に含浸する際にはある程度重合が進行してしまった液を含浸させることになる。
この重合度合いの進行にバラツキが生じると、コンデンサの電気特性のバラツキが生ずることになり、さらに液の重合が進むと粘度が高くなり、コンデンサ素子を充分に含浸することができなくなるため、液交換を頻繁に行わなければならず、製造コストが高くなるという問題があった。
この問題を解決し、コンデンサの電気特性の安定化および低コスト化を図るため、モノマーと酸化剤を別々にコンデンサ素子に含浸させる方法が試みられている(特許文献3参照)。
しかしながら、モノマーと酸化剤とを別々にコンデンサ素子に含浸する方法は、酸化剤とモノマーとが均一に混ざり難いため、酸化剤成分の脱ドープや導電性高分子自体の劣化が発生し易く、高温領域で長時間使用した場合における耐久性が不十分であるという問題がなお残っていた。
市場では、デジタル関連機器の急速な進歩による精密な電子回路制御に伴い、産業機器用や自動車用として125℃を超える高温領域にも耐えうる固体コンデンサが切望されている。ここで、PEDOTの初期的な耐熱性は、熱分析による分解温度として約350℃となっているため、125℃を超える高温領域における短時間の使用に関しては特に特性劣化はないが、産業機器用や自動車用、および一部の過酷な使用環境に用いられるデジタル関連機器において望まれている高温領域での5000時間を超える長時間の寿命特性を達成することはできないという問題があった。
特開平2−15611号公報 特開平2001−196279号公報 特開平10−50559号公報 電子材料 2003年4月号 P57〜61
本発明は、上記問題点に鑑み、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、またはそれらの誘導体、特にPEDOTを固体電解質とするコンデンサにおいて、125℃を超える高温領域にも長時間耐えうる固体コンデンサおよびその製造方法を提供することを課題とする。
ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、またはそれらの誘導体を導電性高分子として用いる固体電解コンデンサを高温領域で長時間使用した場合、ESRが増大するが、これはドープされた酸化剤成分の導電性高分子からの脱ドープや、導電性高分子自体の酸化劣化による低分子化等に起因すると考えられる。
それらに鑑みて検討を繰り返した結果、酸化剤およびモノマーを別々に含浸してコンデンサ素子内に導電性高分子を形成した後、さらに老化防止剤を含浸することにより、高温領域で長時間使用しても特性の劣化が起こりにくいコンデンサを製造することに成功し、本発明を完成した。ここで、上記老化防止剤は、酸化防止剤として働き、PEDOT等の酸化劣化による低分子化を抑制するものである。
すなわち、本発明は、表面に陽極酸化皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、酸化剤溶液重合性モノマー溶液を順次含浸して、該重合性モノマーを化学重合させることにより、導電性高分子層を前記コンデンサ素子に形成する工程を有する、固体電解コンデンサの製造方法において、
前記導電性高分子がポリチオフェンまたはそれらの誘導体であり、前記導電性高分子層を形成した後、さらに前記コンデンサ素子を老化防止剤溶液に浸漬する工程を有し、
前記老化防止剤が、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、4,4’−ジ−ヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、および4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)からなる群から選択される、ことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
また、表面に陽極酸化皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、導電性高分子層を形成してなる固体電解コンデンサにおいて、
前記導電性高分子がポリチオフェンまたはそれらの誘導体であり、前記導電性高分子層に2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、4,4’−ジ−ヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、および4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)からなる群から選択される、老化防止剤が付着していることを特徴とする固体電解コンデンサである。
また、本発明は、表面に陽極酸化皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、酸化剤溶液、重合性モノマー溶液を順次含浸して、該重合性モノマーを化学重合させることにより、導電性高分子層を前記コンデンサ素子に形成する工程を有する、固体電解コンデンサの製造方法において、
前記導電性高分子がポリエチレンジオキシチオフェンであり、前記導電性高分子層を形成した後、さらに前記コンデンサ素子を老化防止剤溶液に浸漬する工程を有し、
前記老化防止剤が、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、4,4’−ジ−ヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、および4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)からなる群から選択される、ことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
また、表面に陽極酸化皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、導電性高分子層を形成してなる固体電解コンデンサにおいて、
前記導電性高分子がポリエチレンジオキシチオフェンであり、
前記導電性高分子層に2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、4,4’−ジ−ヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、および4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)からなる群から選択される、老化防止剤が付着していることを特徴とする固体電解コンデンサである。
本発明によれば、コンデンサ素子にポリチオフェンまたはそれらの誘導体(PEDOT等)からなる高分子層を形成し、さらに前記コンデンサ素子を、前記の老化防止剤溶液に浸漬することにより、高温領域で長時間使用しても特性劣化が起こりにくい固体電解コンデンサを製造することができる。
本発明における老化防止剤としては、一般にゴム製品に使用されるものがいずれも使用できるが、好ましくはフェノール系の老化防止剤であり、特に好ましくは、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン(構造式1)、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン(構造式2)、4,4’−ジ−ヒドキシジフェニルシクロヘキサン(構造式3)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(構造式4)、4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)(構造式5)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール(構造式6)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド(構造式7)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(構造式8)、4,4’-ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(構造式9)である。
Figure 0004803750
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本発明における老化防止剤溶液の溶媒として、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸メチル、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等を用いることができる。好ましくはメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン(THF)である。
本発明における酸化剤として、例えば、p−トルエンスルホン酸鉄、過硫酸アンモニウム等を用いることができる。また、溶媒として、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類を用いることができる。
導電性高分子がポリチオフェン、およびその誘導体(PEDOT等)の場合、好ましい酸化剤溶液は、p−トルエンスルホン酸第二鉄のブタノール溶液であり、導電性高分子がポリアニリン、ポリピロール、およびその誘導体の場合、好ましい酸化剤溶液は過硫酸塩を含む溶液である。
本発明にかかる導電性高分子は、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、またはそれらの誘導体である。特に好ましい導電性高分子はポリチオフェン、およびその誘導体であるPEDOTである。
本発明において、重合性モノマーとは、化学重合により上記導電性高分子を形成できるモノマーを指す。例えば、導電性高分子がポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、またはそれらの誘導体の場合、重合性モノマーはチオフェン、アニリン、ピロール、またはこれらの誘導体である。例えば、ポリチオフェンの誘導体であるPEDOTの場合、重合性モノマーは、3,4−エチレンジオキシチオフェンである。
化学重合によりPEDOTを形成する場合、特に好ましい本発明の方法では、コンデンサ素子を、酸化剤溶液に浸漬して含浸した後、取り出して、125〜200℃で5〜60分間乾燥し、続けて前記の重合性モノマーのアルコール溶液に2〜10秒間浸漬して含浸した後、100〜200℃で5〜120分間加熱してPEDOTを形成させる。
その後、老化防止剤を0.05〜30.0重量%含有するアルコール溶液中に、2〜60秒間浸漬して含浸させた後、50〜200℃で5〜60分間加熱乾燥を行う。
本発明の製造方法では、コンデンサ素子に、酸化剤溶液および重合性モノマー溶液を別々に含浸して導電性高分子層を形成するが、含浸させる順序は、形成しようとする導電性高分子によって異なり、導電性高分子がPEDOTまたはポリチオフェンの場合は、酸化剤溶液を含浸した後、重合性モノマー溶液を含浸し、導電性高分子がポリアニリンまたはポリピロールの場合は、重合性モノマー溶液を含浸した後、酸化剤溶液を含浸する。
この工程は複数回繰り返されてもよい。例えば、酸化剤溶液、重合性モノマー溶液の順に含浸してPEDOTを形成する場合、コンデンサ素子を酸化剤溶液に浸漬後、取り出して乾燥し、その後、重合性モノマー溶液に浸漬する一連の工程を複数回繰り返しても良く、または、酸化剤溶液に浸漬後、取り出して乾燥する工程を複数回繰り返し、その後、重合性モノマー溶液に浸漬してもよい。
本発明における陽極箔、陰極箔及びセパレータとしては、固体電解コンデンサに通常用いられているものを使用することができる。これらは市販品としても入手可能である。
すなわち、表面に酸化皮膜を生成させた市販のアルミニウム陽極箔、市販のアルミニウム陰極箔、市販の非木材繊維系セパレータ等を用いることができる。
以下に示す実施例により、本発明をより具体的に説明する。実施例中のパーセント表示は、特に表示しない限り重量%を示す。
コンデンサ素子の作製
先ず所定の幅と長さに裁断された陽極箔と陰極箔に、それぞれ陽極リード線および陰極リード線を接続し、さらにセパレータを介して巻回し、図1のようなコンデンサ素子を作製した。
続いて、上記のコンデンサ素子に、室温で2重量%のアジピン酸二アンモニウム水溶液中において、電圧8Vを1時間通電して素子化成を行い、さらにこの素子化成済みのコンデンサ素子を240℃中で2時間炭化処理を行って重合前処理を終了させた。
[実施例1-1]導電性高分子としてPEDOT、老化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール使用
上記重合前処理済みコンデンサ素子を、40%のp−トルエンスルホン酸鉄/ブタノール溶液に30秒間浸漬して含浸後、125℃で60分間加熱し乾燥させた。
この後、エタノールとモノマー(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の比率を2:1に調製した液に当該コンデンサ素子を10秒間浸漬して含浸後、50℃で1時間加熱し、さらに150℃で2時間加熱して化学重合によるPEDOTを形成させた。
続いて当該コンデンサ素子を、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを0.5%溶解させた常温のメタノール中に30秒間浸漬して含浸させた後、100℃で30分間加熱し、乾燥を行った。
さらに、このコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに収納し、封口部をゴムパッキングにより密封した後、エージング処理を行い、定格4V−680μFの固体電解コンデンサを作製した。
[実施例1-2]導電性高分子としてPEDOT、老化防止剤として2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)使用
老化防止剤として、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)を用いた以外は、実施例1-1と同様の方法により、同仕様の固体電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
上記のコンデンサ素子にPEDOTを形成させただけで、老化防止剤を含浸する工程を行わない以外は、実施例1-1と同様の方法により、同仕様の固体電解コンデンサを作製した。
[実施例2-1]導電性高分子としてポリチオフェン、老化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール使用
上記重合前処理済みコンデンサ素子を、40%のp−トルエンスルホン酸鉄/ブタノール溶液に30秒間浸漬して含浸後、125℃で20分間加熱し乾燥させた。
この後、クロロホルムとモノマー(チオフェン)の比率を2:1に調製した室温の溶液に当該コンデンサ素子を10秒間浸漬して含浸後、50℃で1時間加熱し、さらに125℃で4時間加熱して化学重合によるポリチオフェンを形成させた。
続いて当該コンデンサ素子を、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを0.5%溶解させた常温のメタノール中に30秒間浸漬して含浸させた後、100℃で30分間加熱し、乾燥を行った。
さらに、このコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに収納し、封口部をゴムパッキングにより密封した後、エージング処理を行い、定格4V−680μFの固体電解コンデンサを作製した。
[実施例2-2]導電性高分子としてポリチオフェン、老化防止剤として2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)使用
老化防止剤として、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)を用いた以外は、実施例2-1と同様の方法により、同仕様の固体電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
上記のコンデンサ素子にポリチオフェンを形成させただけで、老化防止剤を含浸する工程を行わない以外は、実施例2-1と同様の方法により、同仕様の固体電解コンデンサを作製した。
参考例3-1]導電性高分子としてポリアニリン、老化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール使用
上記重合前処理済みコンデンサ素子を、モノマー(アニリン)を3重量%溶解させたキシレン溶液に、5℃で15分間浸漬して含浸後、40℃中の真空槽内にて4時間乾燥させた後、純水:エタノール:キシレンを重量比にて1:5:1に混合した溶媒中に、1mol/Lのドデシルベンゼンスルホン酸、および0.1mol/Lの過硫酸アンモニウムを溶解させた10℃の溶液に当該コンデンサ素子を3分間浸漬して含浸し、その後60℃中の真空槽内にて8時間乾燥して化学重合によるポリアニリンを形成させた。
続いて当該コンデンサ素子を、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを0.5%溶解させた常温のメタノール中に30秒間浸漬して含浸させた後、100℃で30分間加熱し、乾燥を行った。
さらに、このコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに収納し、封口部をゴムパッキングにより密封した後、エージング処理を行い、定格4V−680μFの固体電解コンデンサを作製した。
参考例3-2]導電性高分子としてポリアニリン、老化防止剤として2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)使用
老化防止剤として、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)を用いた以外は、参考例3-1と同様の方法により、同仕様の固体電解コンデンサを作製した。
(比較例3)
上記のコンデンサ素子にポリアニリンを形成させただけで、老化防止剤を含浸する工程を行わない以外は、参考例3-1と同様の方法により、同仕様の固体電解コンデンサを作製した。
参考例4-1]導電性高分子としてポリピロール、老化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール使用
上記重合前処理済みコンデンサ素子を、純水:エタノールを重量比にて1:1に混合した溶媒中に、モノマー(ピロール)6mol/Lを溶解させた15℃の溶液に5分間浸漬して含浸後、直ちに、純水に0.3mol/L過硫酸アンモニウム、および0.1mol/Lパラトルエンスルホン酸を溶解させた10℃の溶液に3分間浸漬して含浸後、アセトン:純水を重量比にて1:1に混合した10℃の溶媒中で揺動洗浄し、125℃の熱風に20分暴露させて乾燥させる。この一連の工程を1サイクルとして、計5回繰り返して化学重合によるポリピロールを形成させた。
続いて当該コンデンサ素子を、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを0.5%溶解させた常温のメタノール中に30秒間浸漬して含浸させた後、100℃で30分間加熱し、乾燥を行った。
さらに、このコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに収納し、封口部をゴムパッキングにより密封した後、エージング処理を行い、定格4V−680μFの固体電解コンデンサを作製した。
参考例4-2]導電性高分子としてポリピロール、老化防止剤として2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)使用
老化防止剤として、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)を用いた以外は、参考例4-1と同様の方法により、同仕様の固体電解コンデンサを作製した。
(比較例4)
上記のコンデンサ素子にポリピロールを形成させただけで、老化防止剤を含浸する工程を行わない以外は、参考例4-1と同様の方法により、同仕様の固体電解コンデンサを作製した。
実施例1-1、1-2、2-1、2-2、参考例3-1、3-2、4-1、4-2および比較例1〜4で製造したコンデンサそれぞれについて、初期および125℃−7000時間後に、静電容量(Cap)、定格電圧印加2分後の漏れ電流(LC)、100kHzでの等価直列抵抗(ESR)を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0004803750
表1から明らかなように、本発明の方法を用いて製造した固体電解コンデンサ(実施例1-1、1-2、2-1、2-2、参考例3-1、3-2、4-1、4-2)は、従来法で製造した固体電解コンデンサ(比較例1〜4)に比べて、7000時間経過後の特性劣化が著しく小さく、非常に良好な電気特性を示した。
特に、導電性高分子がPEDOTの場合、非常に優れた電気特性を有するコンデンサを得ることができた。
本発明の実施例では、老化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールおよび2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)を使用したが、他のフェノール類およびその誘導体を用いても同様の効果が得られる。
また、PEDOT以外のポリチオフェンの誘導体でも、同様の効果を得ることができた。
本発明によるコンデンサ素子の分解斜視図である。
符号の説明
1 陽極箔
2 セパレータ
3 陰極箔
4 コンデンサ素子
5 陽極リード線
6 陰極リード線

Claims (4)

  1. 表面に陽極酸化皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、酸化剤溶液重合性モノマー溶液を順次含浸して、該重合性モノマーを化学重合させることにより、導電性高分子層を前記コンデンサ素子に形成する工程を有する、固体電解コンデンサの製造方法において、
    前記導電性高分子がポリチオフェンまたはその誘導体であり、前記導電性高分子層を形成した後、さらに前記コンデンサ素子を老化防止剤溶液に浸漬する工程を有し、
    前記老化防止剤が、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、4,4’−ジ−ヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、および4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)からなる群から選択される、ことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 表面に陽極酸化皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介して巻回したコ
    ンデンサ素子に、酸化剤溶液、重合性モノマー溶液を順次含浸して、該重合性モノマーを化学重合させることにより、導電性高分子層を前記コンデンサ素子に形成する工程を有する、固体電解コンデンサの製造方法において、
    前記導電性高分子がポリエチレンジオキシチオフェンであり、前記導電性高分子層を形成した後、さらに前記コンデンサ素子を老化防止剤溶液に浸漬する工程を有し、
    前記老化防止剤が、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、4,4’−ジ−ヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、および4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)からなる群から選択される、ことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 表面に陽極酸化皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、導電性高分子層を形成してなる固体電解コンデンサにおいて、
    前記導電性高分子がポリチオフェンまたはその誘導体であり、
    前記導電性高分子層に2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、4,4’−ジ−ヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、および4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)からなる群から選択される、老化防止剤が付着していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  4. 表面に陽極酸化皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、導電性高分子層を形成してなる固体電解コンデンサにおいて、
    前記導電性高分子がポリエチレンジオキシチオフェンであり、
    前記導電性高分子層に2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、4,4’−ジ−ヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、および4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)からなる群から選択される、老化防止剤が付着していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
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