JP2001110684A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法

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JP2001110684A
JP2001110684A JP2000235432A JP2000235432A JP2001110684A JP 2001110684 A JP2001110684 A JP 2001110684A JP 2000235432 A JP2000235432 A JP 2000235432A JP 2000235432 A JP2000235432 A JP 2000235432A JP 2001110684 A JP2001110684 A JP 2001110684A
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electrolytic capacitor
solution
capacitor element
conductive polymer
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Katsuyo Saito
佳津代 斉藤
Yukihiro Nitta
幸弘 新田
Yoshiyuki Mori
義幸 森
Yoshiaki Kuwata
義昭 桑田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解重合によって生じる煩雑な処理および工
程を経ることなく、インピーダンス特性に優れ、導電性
高分子層の形成が容易な大容量の固体電解コンデンサを
得ることを目的とする。 【解決手段】 表面に誘電体酸化皮膜層が形成された弁
作用金属からなる陽極箔1と陰極箔2とをセパレータ3
を介在させて巻回したコンデンサ素子4に酸化剤溶液を
含浸させて乾燥し、続いて複素環式化合物のモノマー溶
液を含浸させて加熱乾燥して導電性高分子層を形成した
後、このコンデンサ素子4を有底筒状の金属ケース7に
収納して金属ケース7の開口部を封口部材6で封口する
製造方法で、容易な工程で、インピーダンス特性に優れ
た大容量の固体電解コンデンサを安定して得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性高分子層の形
成が容易で、かつ大容量でインピーダンス特性等の周波
数特性に優れた固体電解コンデンサの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器のデジタル化、高周波化
に伴って、電子部品である電解コンデンサについても従
来品よりも大容量で高周波領域でのインピーダンス特性
が優れているものが求められており、導電性高分子層を
用いた固体電解コンデンサの開発が盛んに行われてい
る。
【0003】例えば、7,7,8,8,テトラシアノキ
ノジメタン錯体(以下、TCNQ錯体と略す)の有機半
導体を用いたアルミ固体電解コンデンサ(特開昭58−
191414号公報)や、導電性を有する金属酸化物層
あるいは導電性高分子層を誘電体酸化皮膜層上に形成し
た後に、電解重合によりポリピロール等の導電性高分子
層を設けたアルミ固体電解コンデンサが提案されている
(特開昭63−158829号公報参照)。また、化学
酸化重合によりポリピロール等の導電性高分子層を設け
た固体電解コンデンサも提案されている(特開平10−
149954号公報、特開平10−321475号公報
等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、TCN
Q錯体を導電性高分子として用いたアルミ固体電解コン
デンサは、TCNQ錯体が熱分解し易いため耐熱性に劣
っているという課題を有している。
【0005】また、導電性を有する金属酸化物層あるい
は導電性高分子層を誘電体酸化皮膜層上に形成した後
に、電解重合によりポリピロール等の導電性高分子層を
設けたアルミ固体電解コンデンサは、電解重合工程にお
いて特別な電解槽や給電用の治具が必要となり、煩雑な
装置や工程から生産の安定性に欠けるという課題を有し
ている。
【0006】さらに、化学酸化重合によりポリピロール
等の導電性高分子層を設けた固体電解コンデンサでは、
重合回数を増やさないと充分な導電性高分子層が形成さ
れないという課題を抱えており、この課題を解決するた
めに特開平10−149954号公報に開示された製造
方法は、粘度が100cp以上500cp以下の酸化剤
溶液と単量体とを交互に繰り返して付着させる処理を行
うことにより導電性高分子層を形成する方法が提案され
ているが、酸化剤溶液が表面にのみ形成されてしまい、
充分な導電性高分子層を得ることができないという課題
を有している。
【0007】また、特開平10−321475号公報に
開示された製造方法は、導電性高分子となるモノマーの
含浸量をコンデンサ素子の体積の1%以上50%以下と
なるように含浸した後、このコンデンサ素子を高濃度酸
化剤の水溶液に浸漬することによりモノマーを酸化重合
させて導電性高分子層を形成する方法が提案されている
が、モノマーを誘電体酸化皮膜層上に均一に付着させる
ことが困難であり、コンデンサ素子の内部に均一に導電
性高分子層が生成できないという課題を有している。
【0008】本発明は従来のこのような課題を解決し、
導電性高分子層の形成が容易で、かつ大容量でインピー
ダンス特性に優れた固体電解コンデンサを提供すること
を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の請求項1に記載の発明は、表面に誘電体酸化
皮膜層が形成された弁作用金属からなる陽極箔と陰極箔
とをセパレータを介在させて巻回したコンデンサ素子
に、酸化剤溶液を含浸させて乾燥し、続いて複素環式化
合物のモノマーの溶液を含浸させて加熱乾燥して導電性
高分子層を形成した後、このコンデンサ素子を有底筒状
の金属ケースに収納して金属ケースの開口部を封口部材
で封口する製造方法で、この方法により、コンデンサ素
子の内部に多量の酸化剤が存在するため、一度の化学酸
化重合で多くの導電性高分子層を得ることができるの
で、重合回数は1回で済み、かつ大容量でインピーダン
ス特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができる
という作用を有する。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、コンデンサ素子に酸化剤溶液を含浸さ
せる前に、溶剤可溶型の高分子と溶剤を含む溶液を含浸
させた後、これを乾燥することにより溶剤を除去して下
地層を形成する製造方法で、溶剤可溶型の高分子がエッ
チングピット内を充分に被覆するために容量引出し率の
向上を図ることができるという作用を有する。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、溶剤可溶型の高分子にアニリン、チオ
フェン、ピロールまたはこれらの誘導体のいずれかを含
む化合物を用いる製造方法であり、高い導電性が得ら
れ、高周波領域でのインピーダンス特性の優れた固体電
解コンデンサが得られるという作用を有する。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、溶剤に水あるいは極性有機溶剤を用い
る製造方法であり、高分子の溶解度が高いため高い導電
性が得られ、高周波領域でのインピーダンス特性の優れ
た固体電解コンデンサを得られるという作用を有する。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、酸化剤溶液に遷移金属の塩あるいは過
硫酸の塩を用いる製造方法であり、酸化力が高く、反応
効率を高くすることができるので、コンデンサ素子内部
に高い導電性を有する導電性高分子層を形成することが
でき、インピーダンスが低い固体電解コンデンサを得る
ことができるという作用を有する。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、酸化剤溶液にフェノール誘導体を添加
する製造方法であり、規則性の高い共役鎖の長い導電性
高分子層を得ることができるため、低インピーダンスで
大容量の固体電解コンデンサを得ることができるという
作用を有する。
【0015】フェノール誘導体としては、ニトロフェノ
ール、シアノフェノール、ヒドロキシ安息香酸、アセト
フェノールなどが挙げられる。なお、本発明は、これら
のフェノール誘導体に限定されるものではない。
【0016】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、酸化剤溶液に有機酸あるいは無機酸を
添加する製造方法であり、重合反応を酸性領域で行うこ
とができるので、高い導電性を有する導電性高分子層を
形成できるため、インピーダンスが低い固体電解コンデ
ンサを得ることができるという作用を有する。
【0017】有機酸としては、シュウ酸、マロン酸、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼラ
イン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ギ酸、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、ステアリン酸などが挙げられる。また、
無機酸としては、塩酸、燐酸、硫酸、ホウ酸、硝酸、亜
燐酸、次亜燐酸、亜硝酸などが挙げられる。なお、本発
明は、これらの有機酸あるいは無機酸に限定されるもの
ではない。
【0018】請求項8に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、複素環式化合物のモノマーにピロー
ル、アニリン、チオフェンあるいはこれらの誘導体を含
む化合物を用いた製造方法であり、高い導電性が得ら
れ、高周波領域のインピーダンス特性の優れた固体電解
コンデンサを得られるという作用を有する。
【0019】請求項9に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、複素環式化合物のモノマーを含む溶液
の液温を−30℃以上10℃以下にする製造方法であ
り、コンデンサ素子の内部で化学酸化重合が均一に起る
ので、低インピーダンスで大容量の固体電解コンデンサ
を得ることができるという作用を有する。
【0020】上記モノマー溶液の液温を−30℃以下に
すると、モノマー溶液の粘度が著しく上昇し、コンデン
サ素子内に十分にモノマー溶液が含浸されず、、静電容
量が低下する。また、モノマー溶液の液温を10℃以上
にすると、モノマー自身が変性してしまい高い導電性高
分子層を得ることができない。好ましくは、モノマー溶
液の液温は−10℃から10℃の範囲である。
【0021】請求項10に記載の発明は、請求項1に記
載の発明において、複素環式化合物のモノマーを含む溶
液の溶剤に水あるいは炭素数が3以下の飽和1価アルコ
ールを用いた製造方法であり、高濃度の酸化剤溶液を得
ることができるため、導電性高分子の収率の向上を図る
ことができるという作用を有する。
【0022】請求項11に記載の発明は、請求項1に記
載の発明において、セパレータに多孔質樹脂フィルムを
用いた製造方法であり、多孔質樹脂フィルム上に導電性
高分子層を形成させることにより、セパレータの抵抗を
下げることができるという作用を有する。
【0023】請求項12に記載の発明は、請求項1に記
載の発明において、セパレータに不織布を用いた製造方
法であり、不織布上に導電性高分子層を形成させること
により、セパレータの抵抗を下げることができるという
作用を有する。
【0024】上記多孔質樹脂フィルムあるいは不織布と
しては、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレ
ン樹脂、塩化ビニル樹脂、ビニルカルバゾール樹脂、塩
化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、メタクリル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、セルロー
ス樹脂等の熱可塑性樹脂およびフェノール樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、アニリン樹脂、エ
ポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、キ
シレン樹脂、シリコン樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹
脂、ガラス繊維からなる不織布が挙げられる。なお、本
発明はこれらの樹脂に限定されるものではない。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて説明する。
【0026】図1は本発明の実施の形態による固体電解
コンデンサ素子の構成を示した正面図、図2(a),
(b)はこのコンデンサ素子を用いた固体電解コンデン
サの分解斜視図と完成品の斜視図である。同図1におい
て、1はアルミニウム箔をエッチング処理することによ
り表面を粗面化した後、陽極酸化処理して誘電体酸化皮
膜層を形成した陽極箔、2はアルミニウム箔をエッチン
グ処理することにより表面を粗面化した陰極箔である。
【0027】また、同図2(a),(b)において、4
は外部接続用リード線5a,5bを接続した陽極箔1と
陰極箔2とをセパレータ3を介して巻回したコンデンサ
素子、7は上記コンデンサ素子4を収納する有底筒状の
金属ケース、6は上記コンデンサ素子4から引き出され
た外部接続用リード線5a,5bが挿通するリード線貫
通孔6a,6bを備えて上記金属ケース7の開口部を封
止する封口板である。
【0028】次に、具体的な実施例を用いて上記実施の
形態における製造方法について説明をする。
【0029】(実施例1)まず、アルミニウム箔をエッ
チング処理することにより表面を粗面化した後、陽極酸
化することにより誘電体酸化皮膜層を形成した陽極箔1
とアルミニウム箔をエッチング処理することにより表面
を粗面化した陰極箔2の間にポリプロピレン樹脂からな
るセパレータ3を介在させて巻回してコンデンサ素子4
を得る。
【0030】次に、このコンデンサ素子4に導電性高分
子層を形成するために、40wt%のナフタレンスルホ
ン酸第2鉄粉末をメタノールに溶解した酸化剤溶液を含
浸し、85℃で10分間乾燥して80%以上のメタノー
ルを除去した後、コンデンサ素子4を5℃に冷却する。
また、予め30wt%のピロールモノマーを水に溶解し
たモノマー溶液を5℃に冷却しておく。このモノマー溶
液をコンデンサ素子4に含浸させ、85℃で10分間乾
燥して、その後水洗いを行い、化学酸化重合にて導電性
高分子層を形成した。このようにして得られたコンデン
サ素子4を金属ケース7内に収納すると共に、金属ケー
ス7の開口部を陽極箔1と陰極箔2のそれぞれから導出
したリード線5a,5bを封口板6から貫通するように
して封止して固体電解コンデンサを作製した(サイズ:
φ10mm×L10.2mm)。
【0031】(実施例2)上記実施例1において、導電
性高分子層を形成する前にコンデンサ素子に1wt%の
ポリアニリン水溶液を含浸させ、140℃で10分乾燥
して下地層を形成した以外は実施例1と同様にして固体
電解コンデンサを作製した。
【0032】(実施例3)上記実施例1において、導電
性高分子層を形成する前に1wt%のポリチオフェンを
エタノールに溶解した溶液を含浸させ、140℃で10
分乾燥して下地層を形成した以外は実施例1と同様にし
て固体電解コンデンサを作製した。
【0033】(実施例4)上記実施例1において、酸化
剤溶液を40wt%のナフタレンスルホン酸第2鉄粉末
と3wt%のp−ニトロフェノールをメタノールに溶解
した酸化剤溶液を用いた以外は実施例1と同様にして固
体電解コンデンサを作製した。
【0034】(実施例5)上記実施例1において、酸化
剤溶液を40wt%のナフタレンスルホン酸第2鉄粉末
と3wt%の燐酸をメタノールに溶解した酸化剤溶液を
用いた以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサ
を作製した。
【0035】(実施例6)上記実施例1において、酸化
剤溶液を40wt%のナフタレンスルホン酸第2鉄粉末
と5wt%のマレイン酸をメタノールに溶解した酸化剤
溶液を用いた以外は実施例1と同様にして固体電解コン
デンサを作製した。
【0036】(実施例7)上記実施例1において、導電
性高分子層の形成を30wt%エチレンジオキシチオフ
ェンをエタノールに溶解した5℃のモノマー溶液を用い
た以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作
製した。
【0037】(実施例8)上記実施例7において、モノ
マー溶液の温度を10℃にした以外は実施例1と同様に
して固体電解コンデンサを作製した。
【0038】(実施例9)上記実施例7において、モノ
マー溶液の温度を−30℃にした以外は実施例1と同様
にして固体電解コンデンサを作製した。
【0039】(実施例10)上記実施例1において、セ
パレータをポリエチレンテレフタレート樹脂(厚み:5
0μm、秤量:25g/m2のスパンボンド)の不織布
を用いた以外は実施例1と同様にして固体電解コンデン
サを作製した。
【0040】(実施例11)上記実施例1において、セ
パレータをポリエチレンテレフタレート樹脂からなる多
孔質樹脂フィルム(厚み:50μm)を用いた以外は実
施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0041】(比較例1)アルミニウム箔をエッチング
処理により表面を粗面化した後、陽極酸化することによ
り誘電体酸化皮膜層を形成した陽極箔1とアルミニウム
箔をエッチング処理することにより表面を粗面化した陰
極箔2との間にマニラ紙からなるセパレータ3を介在さ
せて巻回してコンデンサ素子4を得る。次に、このコン
デンサ素子4を高温炭化処理することにより、セパレー
タ3を炭化させる。
【0042】続いて、このコンデンサ素子4に導電性高
分子層を形成するために、ナフタレンスルホン酸第2鉄
粉末を40wt%メタノールに溶解した酸化剤溶液を含
浸し、85℃で10分間乾燥して80%以上のメタノー
ルを除去した後、ピロールモノマーを30wt%メタノ
ールに溶解したモノマー溶液を室温で含浸し、85℃で
10分間乾燥して、その後水洗いを行い化学酸化重合に
て導電性高分子層を形成した。このようにして得られた
コンデンサ素子4を金属ケース7内に収納すると共に、
金属ケース7の開口部を陽極箔1と陰極箔2のそれぞれ
から導出したリード線5a,5bを封口板6から貫通す
るようにして封止して固体電解コンデンサを作製した
(サイズ:φ10mm×L10.2mm)。
【0043】(比較例2)上記比較例1において、導電
性高分子層の形成をナフタレンスルホン酸第2鉄粉末を
40wt%メタノールに溶解した酸化剤溶液を含浸し、
85℃で1分間乾燥して、20%程度のメタノールを除
去した後、ピロールモノマー30wt%メタノールに溶
解したモノマー溶液を室温で含浸し、85℃で10分間
乾燥して導電性高分子層を形成した以外は比較例1と同
様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0044】(比較例3)上記比較例1において、導電
性高分子層の形成を予めピロールモノマー30wt%メ
タノールに溶解したモノマー溶液、40wt%のナフタ
レンスルホン酸第2鉄粉末をメタノールに溶解した酸化
剤溶液およびコンデンサ素子4を5℃に冷却する。その
後、モノマー溶液と酸化剤溶液を重量比1:1で混合し
た後、すばやくコンデンサ素子4を含浸し、85℃で1
0分間乾燥して、その後水洗いを行い、化学酸化重合に
て導電性高分子層を形成した以外は比較例1と同様にし
て固体電解コンデンサを作製した。
【0045】以上の実施例1〜11と比較例1〜3の固
体電解コンデンサについて、コンデンサ素子1個当りの
導電性高分子塗着量と120Hzでの静電容量および1
00kHzでのインピーダンスを比較した結果を(表
1)に示す。なお、試験数は20個であり、特性はその
平均値で示した。
【0046】
【表1】
【0047】(表1)から明らかなように、実施例1〜
11は比較例1に比べて、導電性高分子の塗着量が多
く、静電容量が高く、インピーダンス特性が優れている
ことが分かる。
【0048】特に実施例2および3では、ポリアニリン
を下地層として形成させることにより、エッチングピッ
ト内に導電性高分子層が均一に形成されるため比較例1
と比較して、より静電容量の高い固体電解コンデンサを
得ることができる。
【0049】また、実施例4では、酸化剤溶液にp−ニ
トロフェノールを添加することにより規則性の高い共役
鎖の長い導電性高分子層を得ることができるので、比較
例1と比較してインピーダンス特性に優れたコンデンサ
を得ることができ、実施例5では、酸化剤溶液に燐酸を
添加することにより、導電性高分子塗着量が増加するた
め比較例1と比較して120Hzでの静電容量の高い固
体電解コンデンサを得ることができる。
【0050】さらに、実施例7〜9では導電性高分子層
を形成する重合溶液の温度を変化させたものであるが、
そのいずれも比較例1に比べて静電容量、インピーダン
ス特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができ
る。
【0051】また、実施例10および11では、セパレ
ータにポリエチレンテレフタレート樹脂の不織布あるい
は多孔質樹脂フィルムを用いることにより、炭化処理を
することなくインピーダンス特性に優れた大容量の固体
電解コンデンサを得ることができる。
【0052】一方、比較例2は、酸化剤溶液の溶剤であ
るメタノールがコンデンサ素子内に残存した状態で化学
酸化重合を行っているため、誘電体酸化皮膜上に均一に
導電性高分子層が形成されず、実施例1と比較して静電
容量が低く、インピーダンスが高い。また、比較例3で
は、予めモノマー溶液と酸化剤溶液を混合してコンデン
サ素子に含浸を行ったが、モノマー溶液を混合した直後
から導電性高分子の生成が始まり、コンデンサ素子の外
周部にのみ導電性高分子層が生成してしまい、静電容量
がかなり低い値となった。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明による固体電解コン
デンサは、表面に誘電体酸化皮膜層が形成された弁作用
金属からなる陽極箔と陰極箔とをセパレータを介在させ
て巻回したコンデンサ素子に、酸化剤溶液を含浸させて
乾燥し、続いて複素環式化合物のモノマーの溶液を含浸
させて加熱乾燥して導電性高分子層を形成した後、この
コンデンサ素子を有底筒状の金属ケースに収納して金属
ケースの開口部を封口部材で封口するようにした製造方
法としたもので、この方法により、導電性高分子層の形
成が容易で、インピーダンス特性に優れた大容量の固体
電解コンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による固体電解コンデンサ
素子の構成を示す正面図
【図2】(a)同固体電解コンデンサの構成を示す分解
斜視図 (b)同完成品の斜視図
【符号の説明】
1 陽極箔 2 陰極箔 3 セパレータ 4 コンデンサ素子 5a,5b 外部接続用リード線 6 封口板 7 金属ケース
フロントページの続き (72)発明者 森 義幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 桑田 義昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に誘電体酸化皮膜層が形成された弁
    作用金属からなる陽極箔と陰極箔とをセパレータを介在
    させて巻回したコンデンサ素子に酸化剤溶液を含浸させ
    て乾燥し、続いて複素環式化合物のモノマーの溶液を含
    浸させて加熱乾燥して導電性高分子層を形成した後、こ
    のコンデンサ素子を有底筒状の金属ケースに収納して金
    属ケースの開口部を封口部材で封口するようにした固体
    電解コンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 コンデンサ素子に酸化剤溶液を含浸させ
    る前に、溶剤可溶型の高分子と溶剤を含む溶液を含浸さ
    せた後、これを乾燥することにより溶剤を除去して下地
    層を形成するようにした請求項1に記載の固体電解コン
    デンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 溶剤可溶型の高分子にアニリン、チオフ
    ェン、ピロールまたはこれらの誘導体のいずれかを含む
    化合物を用いた請求項2に記載の固体電解コンデンサの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 溶剤に水あるいは極性有機溶剤を用いた
    請求項2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 酸化剤溶液に遷移金属の塩あるいは過硫
    酸の塩を用いた請求項1に記載の固体電解コンデンサの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 酸化剤溶液にフェノール誘導体を添加し
    た請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 酸化剤溶液に有機酸あるいは無機酸を添
    加した請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 複素環式化合物のモノマーにピロール、
    アニリン、チオフェンあるいはこれらの誘導体を含む化
    合物を用いた請求項1に記載の固体電解コンデンサの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 複素環式化合物のモノマーを含む溶液の
    液温を−30℃以上10℃以下とした請求項1に記載の
    固体電解コンデンサの製造方法。
  10. 【請求項10】 複素環式化合物のモノマーを含む溶液
    の溶剤に水あるいは炭素数が3以下の飽和1価アルコー
    ルを用いた請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造
    方法。
  11. 【請求項11】 セパレータに多孔質樹脂フィルムを用
    いた請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  12. 【請求項12】 セパレータに不織布を用いた請求項1
    に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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