JP5535831B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
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まず、本実施形態において製造される固体電解コンデンサの構成について説明する。
図2において、巻回体20は、リードタブ15Aと接続した陽極体21と、リードタブ15Bと接続した陰極体22と、セパレータ23とを備える。陽極体21および陰極体22は、セパレータ23を介して一体的に巻回されており、巻回された巻回体の最外周は、巻き止めテープ24により止められている。また、陽極体21および陰極体22のうち少なくとも陽極体21上には誘電体被膜が形成されている。なお、陽極体21および陰極体22の隙間に導電性高分子層が形成されることによって、巻回体20は、コンデンサ素子10となる。
以下に、固体電解コンデンサ100の製造方法について説明する。
まず、図2に示す巻回体20を作製する。巻回体20の作製方法は特に制限されないが、たとえば以下の方法で作製することができる。
次に、作製された巻回体20を分散液に浸漬する。巻回体20を分散液に浸漬することによって、誘電体被膜が表面に形成された陽極体21を、分散液に浸漬することができる。巻回体20は、1個ずつ分散液に浸漬させてもよいが、製造効率、コストの観点から、複数の巻回体20を分散液に浸漬して、各巻回体20に導電性高分子層を形成することが好ましい。ここでは、複数の巻回体20を分散液に浸漬する方法について、図3および図4を用いて説明する。
次に、分散液32に浸漬した巻回体20を分散液32から引上げ、引上げられた巻回体20を乾燥させる。乾燥処理は特に制限されず、たとえば、巻回体20を室温に静置してもよく、巻回体20に送風してもよく、巻回体20を加熱してもよい。この乾燥処理により、巻回体20に浸透した分散液32から溶媒が除去されるとともに、誘電体被膜上に導電性高分子が凝集することにより、導電性高分子層が形成される。
上記工程によって作製されたコンデンサ素子10は、有底ケース11に収納され、コンデンサ素子10の上面に封止部材12が配置されることによって、有底ケース11内に封止される。そして、有底ケース11の開口端近傍が、横絞り・カール加工され、加工されたカール部分に座板13が配置されることにより、図1に示す固体電解コンデンサ100が作製される。
実施例1において、図1に示す巻回型の固体電解コンデンサ100を作製した。以下に、図1を用いて、実施例1における固体電解コンデンサの製造方法を具体的に説明する。
まず、アジピン酸アンモニウム溶液にアルミニウム箔を浸漬して電圧を印加し、アルミニウム箔の表面に誘電体被膜を形成した。次に、この誘電体被膜が形成されたアルミニウム箔を裁断して、陽極体21を作製した。次に、陽極体21にリードタブ15Aを接続し、アルミニウム箔からなる陰極体22にリードタブ15Bを接続し、これらを合成セルロース繊維からなるセパレータ23介して巻回して、最外周を巻き止めテープ24で止めた。そして、リードタブ15A,15Bにリード線14A,14Bを接続して、巻回体20を作製した。なお、リードタブ15A,15Bおよびリード線14A,14Bには銅被覆鋼線を用いた。次に、アジピン酸アンモニウム溶液に陽極体21の切断面である切り口を浸漬して電圧を印加することにより、陽極体21の切断面に誘電体被膜を形成した。
(1)分散液の調製
3,4−エチレンジオキシチオフェンと、ドーパントとしてのポリスチレンスルホン酸(分子量;約150000)をイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。得られた混合溶液を20℃に保ち、攪拌しながら、イオン交換水に溶かした過硫酸アンモニウムおよび硫酸第二鉄の酸化触媒溶液を添加し、3時間攪拌して反応させた。次に、得られた反応液を透析して、未反応モノマーおよび酸化触媒を除去して約1.5質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を含む溶液を得た。そして、この溶液にイミダゾールを均一に分散させて分散液32を調製した。
図6は、実施例1において、分散液に巻回体を含浸した状態を示す概略図であり、巻回体を浸漬した状態を上面からみた状態を示している。
また、上記調整方法で調製した分散液32を、処理槽41内に収容して6時間放置してから、同様の浸漬処理を行った。さらに、上記調整方法で調製した分散液32を処理槽41内に収容して12時間放置してから、同様の浸漬処理を行った。
次に、上記(2)および(3)の方法で浸漬処理された各巻回体20を分散液32から引上げ、該巻回体20を125℃の乾燥炉に入れ、30分保持することにより(乾燥処理)、水を蒸発させた。さらに、浸漬処理および乾燥処理を3回繰り返して、導電性高分子層を形成させた。以上の工程により、コンデンサ素子10が作製された。
次に、コンデンサ素子10を、アルミニウムからなる有底ケース11に収納し、コンデンサ素子10の上面に封止部材12を配置して、有底ケース11内に封止した。そして、有底ケース11の開口端近傍を横絞り・カール加工し、加工されたカール部分に座板13を配置して、図1に示すような、巻回型の固体電解コンデンサを作製した。
フッ素樹脂加工部材からなる処理槽41を用いた以外は、実施例1と同様に、各放置時間の分散液32を用いて固体電解コンデンサを作製した。また、フッ素樹脂加工部材に分散液32を滴下して接触角度(θ)を測定したところ、θ=72度であった。
アルミニウム部材からなる処理槽41の内壁41aに、フロロサーフ(フロロテクノロジー社製)を用いてフッ素コーティングを施した処理槽41を用いた以外は、実施例1と同様に、各放置時間の分散液32を用いて固体電解コンデンサを作製した。また、フッ素コーティングしたアルミニウム部材に分散液32を滴下して接触角度(θ)を測定したところ、θ=64度であった。
ステンレス金属部材からなる処理槽41を用いた以外は、実施例1と同様に、各放置時間の分散液32を用いて固体電解コンデンサを作製した。また、ステンレス金属部材に分散液32を滴下して接触角度(θ)を測定したところ、θ=55度であった。
アルミ金属部材からなる処理槽41を用いた以外は、実施例1と同様に、各放置時間の分散液32を用いて固体電解コンデンサを作製した。また、アルミ金属部材に分散液32を滴下して接触角度(θ)を測定したところ、θ=20度であった。
実施例1〜3および比較例1、2の固体電解コンデンサについて、完成寸法(アルミニウム製ケースに収納した状態での電解コンデンサの外形寸法)がφ10.0mm×H8.0mmであった。また、各固体電解コンデンサの定格電圧は35Vであり、公称容量は18μFであった。
実施例1〜3および比較例1、2の固体電解コンデンサのうち、図6のキャリアバー40Aに保持されていた20個の固体電解コンデンサと、キャリアバー40Bの保持されていた20個の固体電解コンデンサの静電容量を測定した。具体的には、4端子測定用のLCRメータを用いて、それぞれの固体電解コンデンサの周波数120Hzにおける静電容量(μF)を測定した。キャリアバー40Aに保持されていた固体電解コンデンサをA群として、静電容量の平均値を算出し、キャリアバー40Bに保持されていた固体電解コンデンサB群として、静電容量の平均値を算出した。結果を表1に示す。
静電容量と同様に、実施例1〜3および比較例1、2の固体電解コンデンサのうち、図6のキャリアバー40Aに保持されていた20個の固体電解コンデンサと、キャリアバー40Bの保持されていた20個の固体電解コンデンサのESR値を測定した。具体的には、4端子測定用のLCRメータを用いて、それぞれの固体電解コンデンサの周波数100kHzにおけるESR(mΩ)を測定した。キャリアバー40Aに保持されていた固体電解コンデンサをA群として、ESRの平均値を算出し、キャリアバー40Bに保持されていた固体電解コンデンサB群として、ESRの平均値を算出した。結果を表1に示す。
Claims (6)
- 陽極体と、該陽極体上に形成された誘電体被膜と、該誘電体被膜上に形成された導電性高分子層と、を備える固体電解コンデンサの製造方法であって、
前記誘電体被膜が形成された前記陽極体を、導電性高分子を含有する分散液に浸漬する工程を有し、
前記分散液は処理槽内に収容されており、前記処理槽の内壁と前記分散液との接触角度が60度以上である、固体電解コンデンサの製造方法。 - 前記接触角度が64度以上である、請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記処理槽の内壁の表面が、フッ素樹脂、シラン樹脂またはシリコーン樹脂である、請求項1または2に固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記分散液は、水およびアルコールの少なくともいずれか1つを溶媒とする、請求項1から3のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 複数の前記陽極体を前記分散液に一度に浸漬する、請求項1から4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記処理槽の前記分散液を収容する領域の面積が2.5m2以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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