JP6735456B2 - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

電解コンデンサの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6735456B2
JP6735456B2 JP2019033628A JP2019033628A JP6735456B2 JP 6735456 B2 JP6735456 B2 JP 6735456B2 JP 2019033628 A JP2019033628 A JP 2019033628A JP 2019033628 A JP2019033628 A JP 2019033628A JP 6735456 B2 JP6735456 B2 JP 6735456B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
capacitor element
solvent
conductive polymer
liquid
treatment liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019033628A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019110322A (ja
Inventor
青山 達治
達治 青山
由起也 下山
由起也 下山
潤哉 櫛崎
潤哉 櫛崎
拓也 丸田
拓也 丸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Publication of JP2019110322A publication Critical patent/JP2019110322A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6735456B2 publication Critical patent/JP6735456B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/0029Processes of manufacture
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/02Diaphragms; Separators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/022Electrolytes; Absorbents
    • H01G9/025Solid electrolytes
    • H01G9/028Organic semiconducting electrolytes, e.g. TCNQ
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/022Electrolytes; Absorbents
    • H01G9/035Liquid electrolytes, e.g. impregnating materials
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/07Dielectric layers

Description

本発明は、電解コンデンサの製造方法に関し、詳細には、低ESR特性を有する電解コンデンサの製造方法に関する。
電子機器のデジタル化に伴い、それに使用されるコンデンサにも、小型かつ大容量で、高周波領域における等価直列抵抗(ESR)の小さいものが求められるようになってきている。
小型かつ大容量で、低ESRのコンデンサとしては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン等の導電性高分子を陰極材として用いた電解コンデンサが有望である。例えば、誘電体層を形成した陽極箔(陽極体)に、陰極材料として導電性高分子層を設けた電解コンデンサが提案されている。
特許文献1には、セパレータを備えた素子に導電性高分子の分散体を含浸させて導電性固体層を形成し、ついで、電解液を含浸させて、導電性固体層と電解液とを備える電解コンデンサを製造する方法が提案されている。
特開2008−010657号公報
しかし、近年ではさらなるESRの低減が求められている。導電性高分子を含む導電性固体層を形成する際の条件によっては、ESRの低減が困難となる場合がある。
本発明の一局面は、 誘電体層を有する陽極体を備えるコンデンサ素子を準備する第1工程と、
前記コンデンサ素子に、導電性高分子と第1溶媒とを少なくとも含む第1処理液を含浸させる第2工程と、
前記第2工程の後、前記コンデンサ素子に前記第1溶媒の少なくとも一部が残存した状態で凝集化剤を含む第2処理液を含浸させて、前記導電性高分子を凝集させる第3工程と、を含み、
前記コンデンサ素子に含浸させた前記凝集化剤の質量は、前記コンデンサ素子に含浸させた前記導電性高分子の質量の2〜100倍である、電解コンデンサの製造方法に関する。
本発明によれば、ESRが低減された電解コンデンサが得られる。
本発明の一実施形態に係る製造方法より得られる電解コンデンサの断面模式図である。 図1の電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の構成を説明するための概略図である。
以下に、図面を適宜参照しながら、本発明の電解コンデンサの製造方法の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は本発明を限定するものではない。
≪電解コンデンサ≫
図1は、本発明の一実施形態に係る製造方法により得られる電解コンデンサの断面模式図である。図2は、同電解コンデンサに係るコンデンサ素子の一部を展開した概略図である。
図1において、電解コンデンサは、誘電体層が形成された陽極体21を備えるコンデンサ素子10と、誘電体層の少なくとも一部の表面を覆う(または少なくとも一部の表面に付着した)導電性高分子(図示せず)とを含む。そして、コンデンサ素子10は、誘電体層の少なくとも一部の表面が導電性高分子に覆われた状態で、外装ケースに収容されている。外装ケースは、内部にコンデンサ素子10を収容する有底ケース11と、有底ケース11の開口を塞ぐ絶縁性の封止部材12と、封止部材12を覆う座板13とを備える。有底ケース11の開口端近傍は、内側に絞り加工されており、開口端は封止部材12に加締めるようにカール加工されている。
例えば、図2に示すようなコンデンサ素子10は、巻回体と呼ばれる。このコンデンサ素子10は、リードタブ15Aに接続された陽極体21と、リードタブ15Bに接続された陰極体22と、セパレータ23とを備える。陽極体21および陰極体22は、セパレータ23を介して巻回されている。コンデンサ素子10の最外周は、巻止めテープ24により固定される。なお、図2は、コンデンサ素子10の最外周を止める前の、一部が展開された状態を示している。
陽極体21は、表面が凹凸を有するように粗面化された金属箔を具備し、凹凸を有する金属箔上に誘電体層が形成されている。
電解コンデンサにおいて、導電性高分子は、陽極体21に形成された誘電体層の表面の少なくとも一部を覆うように付着しているが、この場合に限らず、陽極体21と陰極体22との間のどの位置に付着していてもよい。例えば、導電性高分子は、陽極体21上に形成された誘電体層の表面の少なくとも一部を被覆し、さらに、陰極体22の表面の少なくとも一部および/またはセパレータ23の表面の少なくとも一部を被覆していてもよい。なお、電解コンデンサにおいては、一般に、陽極体、陰極体およびセパレータなどの表面の少なくとも一部を覆う導電性高分子(具体的には、導電性高分子を含む被膜)を、導電性高分子層と称することがある。
電解コンデンサは、さらに電解液を含んでもよい。この場合、電解液は、誘電体層の表面の少なくとも一部が導電性高分子で覆われたコンデンサ素子10とともに、外装ケース(具体的には、有底ケース11)内に収容される。
≪電解コンデンサの製造方法≫
以下に、本発明の実施形態に係る電解コンデンサの製造方法の一例について、工程ごとに説明する。
(i)コンデンサ素子10を準備する工程(第1工程)
(i-1)誘電体層を有する陽極体21を準備する工程
まず、陽極体21の原料である金属箔を準備する。金属の種類は特に限定されないが、誘電体層の形成が容易である点から、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属、または弁作用金属を含む合金を用いることが好ましい。
次に、金属箔の表面を粗面化する。粗面化により、金属箔の表面に、複数の凹凸が形成される。粗面化は、金属箔をエッチング処理することにより行うことが好ましい。エッチング処理は、例えば、直流電解法または交流電解法などにより行ってもよい。
次に、粗面化された金属箔の表面に誘電体層を形成する。誘電体層の形成方法は特に限定されないが、金属箔を化成処理することにより形成することができる。化成処理は、例えば、金属箔をアジピン酸アンモニウム溶液などの化成液に浸漬することにより行ってもよい。化成処理では、必要に応じて、金属箔を化成液に浸漬した状態で、電圧を印加してもよい。
通常は、量産性の観点から、大判の弁作用金属などで形成された金属箔に対して、粗面化処理および化成処理が行われる。その場合、処理後の箔を所望の大きさに裁断することによって、陽極体21が準備される。
(i-2)陰極体22を準備する工程
陰極体22にも、陽極体と同様、金属箔を用いてもよい。金属の種類は特に限定されないが、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属または弁作用金属を含む合金を用いることが好ましい。必要に応じて、金属箔の表面を粗面化してもよい。
また、陰極体22の表面は、化成皮膜が設けられていてもよく、陰極体を構成する金属とは異なる金属(異種金属)や非金属の被膜が設けられていてもよい。異種金属や非金属としては、例えば、チタンのような金属やカーボンのような非金属などを挙げることができる。
(i-3)コンデンサ素子10(巻回体)を作製する工程
次に、陽極体21および陰極体22を用いてコンデンサ素子10を作製する。コンデンサ素子は、陽極体21と陰極体22とを、セパレータ23を介して重ね合わせることにより得られる。陽極体21と陰極体22とを、セパレータを介して巻回することにより、図2に示されるような巻回体を形成してもよい。このとき、リードタブ15A,15Bを巻き込みながら巻回することにより、図2に示すように、リードタブ15A,15Bを巻回体から植立させてもよい。
セパレータ23としては、例えば、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ビニロン、ポリアミド(例えば、脂肪族ポリアミド、アラミドなどの芳香族ポリアミド)の繊維を含む不織布などを用いてもよい。
リードタブ15A,15Bの材料も特に限定されず、導電性材料であればよい。リードタブ15A、15Bは、その表面が化成処理されていてもよい。また、リードタブ15A、15Bの封口体12と接触する部分や、リード線14A、14Bとの接続部分が、樹脂材料で覆われていてもよい。
リードタブ15A,15Bの各々に接続されるリード線14A,14Bの材料についても、特に限定されず、導電性材料などを用いてもよい。
次に、陽極体21、陰極体22およびセパレータ23のうち、巻回体の最外層に位置するもの(図2では、陰極体22)の外側表面の端部を、巻止めテープ24を配置し、巻止めテープ24で固定する。なお、陽極体21を大判の金属箔を裁断することによって準備した場合には、陽極体21の裁断面に誘電体層を設けるために、巻回体などの状態のコンデンサ素子に対し、さらに化成処理を行ってもよい。
(ii)コンデンサ素子(巻回体)10に第1処理液を含浸させる工程(第2工程)
次に、コンデンサ素子10に、第1処理液を含浸させる。
コンデンサ素子10への第1処理液の含浸は、少なくとも陽極体(特に、少なくとも誘電体層)に第1処理液を付与できる限り特に制限されず、例えば、第1処理液にコンデンサ素子を浸漬させてもよく、コンデンサ素子に第1処理液を注液してもよい。含浸は、大気圧下で行ってもよいが、減圧下、例えば、10〜100kPa、好ましくは40〜100kPaの雰囲気下で行うこともできる。含浸は、必要に応じて、超音波振動下で行ってもよい。含浸時間は、コンデンサ素子10のサイズにもよるが、例えば1秒〜5時間、好ましくは1分〜30分である。この工程により、コンデンサ素子10に第1処理液が付与される。
導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリチオフェンビニレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、2種以上のモノマーの共重合体でもよい。
なお、本明細書では、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどは、それぞれ、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどを基本骨格とする高分子を意味する。したがって、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどには、それぞれの誘導体も含まれ得る。例えば、ポリチオフェンには、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)などが含まれる。
導電性高分子は、ドーパントを含んでいてもよい。ドーパントとしては、ポリアニオンを用いることができる。ポリアニオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸などのアニオンが挙げられる。なかでも、ポリスチレンスルホン酸由来のポリアニオンが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらは単独モノマーの重合体であってもよく、2種以上のモノマーの共重合体であってもよい。
ポリアニオンの重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば1,000〜1,000,000である。このようなポリアニオンを含む導電性高分子は、第1溶媒を含む液体溶媒中に均質に分散し易く、誘電体層の表面に均一に付着しやすい。
第1処理液は、導電性高分子および第1溶媒を含む液体溶媒を少なくとも含んでいればよい。また、第1処理液は、導電性高分子が液体溶媒に溶解した溶液および導電性高分子が液体溶媒に分散した分散液のいずれであってもよい。分散液では、導電性高分子は、粒子の状態で液体溶媒中に分散している。分散液としては、液体溶媒中で、ドーパントの存在下、導電性高分子の原料(例えば、導電性高分子のモノマーおよび/またはオリゴマーなどの前駆体)を重合させ、ドーパントを含む導電性高分子の粒子を生成させることにより得られるものを用いてもよい。また、分散液として、液体溶媒中で、導電性高分子の原料を重合させ、導電性高分子の粒子を生成させることにより得られるもの、または、液体溶媒中に、予め合成した導電性高分子の粒子を分散させることで得られるものを用いてもよい。
第1処理液の液体溶媒は、少なくとも第1溶媒を含んでいればよく、第1溶媒以外の溶媒を含んでいてもよい。第1処理液に含まれる液体溶媒は、種類の異なる複数の第1溶媒を含んでいてもよい。第1溶媒は、例えば、第1処理液の液体溶媒の30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上を占めていてもよい。
第1溶媒は、特に限定されず、水でもよく、非水溶媒でもよい。なお、非水溶媒とは、水および水を含む液体を除く液体の総称であり、有機溶媒やイオン性液体が含まれる。なかでも、第1溶媒は、極性溶媒であることが好ましい。極性溶媒は、プロトン性溶媒であっても、非プロトン性溶媒であってもよい。
プロトン性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール(EG)、プロピレングリコール(PG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン、1−プロパノール、ブタノール、ポリグリセリンなどのアルコール類、ホルムアルデヒドおよび水などが挙げられる。非プロトン性溶媒としては、例えば、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類や、酢酸メチルなどのエステル類、メチルエチルケトン、γ−ブチロラクトン(γBL)などのケトン類、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン(SL)などの硫黄含有化合物、炭酸プロピレンなどのカーボネート化合物などが挙げられる。
なかでも、第1溶媒は、プロトン性溶媒であることが好ましい。特に、第1溶媒が、水であることが好ましい。この場合、第1処理液の取扱い性、導電性高分子の分散性が向上する。また、水は低粘度であることから、後工程である第3工程において、導電性高分子と凝集化剤との接触性が向上することが期待できる。第1溶媒が水である場合、水は、第1処理液の液体溶媒の50質量%以上を占めることが好ましく、さらには70質量%以上、特には90質量%以上を占めることが好ましい。
分散液中に分散している導電性高分子の粒子は、動的光散乱法による粒径測定装置により測定される体積粒度分布におけるメディアン径(以下、単に、動的光散乱法によるメディアン径と称す)が、0.01〜0.5μmであることが好ましい。導電性高分子の粒子径は、重合条件や分散条件などにより調整することができる。
第1処理液における導電性高分子(ドーパントもしくはポリアニオンを含む)濃度は、0.5〜10質量%であることが好ましい。このような濃度の第1処理液は、適度な量の導電性高分子を付着させるのに適するとともに、コンデンサ素子10に対して含浸されやすいため、生産性を向上させる上でも有利である。
第2工程の後、必要に応じて、第1溶媒などの液体溶媒を除去することもできるが、コンデンサ素子(特に陽極体)に液体溶媒の少なくとも一部が残存した状態で第3工程に供することが重要である。第2工程後に液体溶媒を除去する場合、液体溶媒は、加熱下で蒸発させることにより除去してもよく、必要に応じて、減圧下で除去してもよい。第2工程後に液体溶媒を除去する場合、除去後の液体溶媒の残存量が後述の範囲になるように除去量を調節することが望ましい。
(iii)導電性高分子を凝集させる工程(第3工程)
第3工程では、第1処理液が付与されたコンデンサ素子に、凝集化剤を含む第2処理液を含浸させて、導電性高分子を凝集させる。
第3工程に供されるコンデンサ素子において、液体溶媒の残存量は、5質量%以上(例えば、5〜100質量%)であることが好ましく、20質量%以上(例えば、20〜100質量%)または50質量%以上(例えば、50〜100質量%)であることがより好ましい。液体溶媒の残存量がこのような範囲である場合、第3工程において凝集化剤が導電性高分子間(具体的には、導電性高分子の粒子間)に浸透し易いため、誘電体層の表面に導電性高分子をより均一に付着させ易くなる。よって、ESR値の低減効果をさらに高めることができる。
なお、液体溶媒の残存量とは、第2工程でコンデンサ素子に含浸させた第1処理液に含まれる液体溶媒の質量に対する、第3工程に供されるコンデンサ素子に含まれる液体溶媒の質量の割合(質量%)である。
第3工程では、コンデンサ素子(特に、陽極体)に第1溶媒の少なくとも一部が残存した状態で、第2処理液を含浸させて導電性高分子を凝集させることが重要である。凝集化剤は、第1溶媒に比べると、導電性高分子に対する親和性が低いため、導電性高分子の粒子が凝集し易い状態となる。導電性高分子の粒子が凝集することで、導電性が高くなるため、ESRを低減することができる。このような効果は、特に少なくとも水が残存した状態で行う場合に得られ易い。そのため、第1処理液には、少なくとも第1溶媒として水を含む液体溶媒を用いることが好ましい。第1溶媒として水を含む液体溶媒を用いる場合、第1処理液の安定性も高くなるため、このような観点からも有利である。
なお、本明細書では、導電性高分子を含む溶液や分散液に、導電性高分子100質量部に対して1000質量部を添加し、室温で添加初期の粘度η1と18時間後の粘度η2とをそれぞれ測定し、η2がη1の1.5倍以上となるものを凝集化剤とする。なお、粘度は、振動式粘度計(例えば、(株)セコニック製、VISCOMATE VM-100A)を用いて測定できる。
凝集化剤の沸点は、第1溶媒の沸点よりも高いことが好ましい。凝集化剤の沸点と第1溶媒の沸点の差は、例えば、20〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
凝集化剤としては、例えば、第1処理液に含まれる液体溶媒と混和し、導電性高分子に対する親和性が液体溶媒よりも低い液体を使用することが好ましい。ここで、液体溶媒と混和する液体とは、液体溶媒と混ざり合って、均質な状態になることができる液体をいう。凝集化剤は、非プロトン性であることが好ましい。非プロトン性の凝集化剤としては、例えば、一般に非プロトン性溶媒と称される各種化合物が使用できる。中でも、極性化合物、つまり、非プロトン性極性溶媒が好ましい。
このような凝集化剤としては、例えば、オキソ基(=O)を置換基として有する環状化合物、例えば、カルボニル基(>C=O)を環の構成ユニットとして有する環状化合物(例えば、ラクトン、環状ケトン、環状カーボネート、およびラクタムなど)、スルホニル基(>S(=O)2)を環の構成ユニットとして有する環状化合物(つまり、環状スルホン)などが挙げられる。環状化合物を構成する環は、例えば、4〜8員環であることが好ましく、4〜6員環であることがさらに好ましい。環状化合物は、環上に置換基[メチル基などのアルキル基(C1-4アルキル基など)など]を有していてもよい。凝集化剤は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
ラクトンとしては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなどが挙げられる。環状ケトンとしては、例えば、シクロヘキサノンなどの飽和環状ケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどの不飽和環状ケトンなどが挙げられる。環状カーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの飽和環状カーボネート、ビニレンカーボネートなどの不飽和環状カーボネートなどが挙げられる。ラクタムとしては、例えば、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタムなどが挙げられる。環状スルホンとしては、例えば、スルトン、アルキレンスルホンなどが挙げられる。スルトンとしては、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,5−ペンタンスルトン、2,5−ペンタンスルトンなどが挙げられる。アルキレンスルホンとしては、例えば、スルホラン、3−メチルスルホランなどが挙げられる。
コンデンサ素子に含浸させた導電性高分子の質量に対して、コンデンサ素子に含浸させた凝集化剤の質量は、2〜100倍であることが好ましく、3〜80倍であることがさらに好ましい。質量比がこのような範囲である場合、導電性高分子を凝集化する効果が得られ易いため、誘電体層の表面などに付着した導電性高分子を緻密にする効果がさらに高くなる。よって、ESRを低減する効果が得られ易い。
第2処理液は、必要に応じて、さらに、溶媒および/または添加剤などを含んでもよい。第2処理液中の凝集化剤の量が少なすぎると、凝集化剤による凝集効果が得られにくくなる場合がある。第2処理液が全体として、凝集化作用を有していることが好ましい。そのため、第2処理液中の凝集化剤の割合は、例えば、50〜100質量%であり、好ましくは70〜100質量%または85〜100質量%であることが好ましい。
凝集化剤以外の第2処理液に含ませる溶媒としては、第1処理液の第1溶媒として例示した非水溶媒や、グリセリン、ポリグリセリンなどの3個以上のヒドロキシル基を有するポリオール(脂肪族ポリオールなど)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのアルキレングリコール(またはポリアルキレングリコール)のモノアルキルエーテル、ジメチルスルホキシドなどの鎖状スルホンなどが挙げられる。これらは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて、第2処理液に含ませる溶媒として使用できる。第2処理液に含ませる溶媒として、アルコール類、ポリオール類などのプロトン性有機溶媒が好ましく、中でも、ポリエチレングリコールが好ましい。
(iv)溶媒成分を除去する工程(第4工程)
第3工程の後、コンデンサ素子に残存している溶媒成分を第4工程で除去することができる。第4工程では、溶媒成分の少なくとも一部を除去すればよく、溶媒成分の全てを除去してもよい。第4工程で溶媒成分を除去することにより、導電性高分子がさらに凝集して、膜質をより緻密にすることができる。
なお、ここでいう溶媒成分とは、第1処理液に含まれる液体溶媒や第2処理液に含まれる凝集化剤及びそれ以外の溶媒をいう。
第4工程において、溶媒成分は、加熱下で蒸発させることにより除去することができ、大気圧下で除去してもよく、必要に応じて、減圧下で除去してもよい。溶媒成分を除去する際の温度は、例えば、40〜250℃であってもよい。溶媒成分を除去する際の温度は、第1溶媒の沸点以上であってもよく、凝集化剤の沸点未満であってもよい。溶媒成分の除去は、例えば、温度が異なる複数の段階(例えば、2段階または3段階以上)で行ってもよく、昇温しながら行ってもよい。
このようにして、陽極体21と陰極体22との間(特に、誘電体層の表面)に導電性高分子が付着し、導電性高分子が付着したコンデンサ素子10が作製される。なお、誘電体層の表面に付着した導電性高分子は、事実上の陰極材料として機能する。
導電性高分子は、誘電体層の表面の少なくとも一部を覆うように付着することが好ましい。このとき、誘電体層の表面だけでなく、陰極体22および/またはセパレータ23の表面にも導電性高分子が付着してもよい。また、誘電体層を有する陽極体21を備えるコンデンサ素子10に第1処理液を含浸させる第2工程(ii)、第2工程後の液体溶媒の除去工程(任意工程)、導電性高分子を凝集させる第3工程(iii)、および溶媒成分を除去する第4工程(iv)(任意工程)からなる群より選択される少なくとも1つの工程を、必要に応じて、2回以上繰り返してもよい。これらの工程から選択される工程を一連の工程として、2回以上繰り返してもよい。例えば、第2工程を複数回繰り返した後、他の工程を行ってもよく、第2工程と、必要により液体溶媒の除去工程と、第3工程とを一連の工程として複数回繰り返してもよい。誘電体層に対する導電性高分子の被覆率を高め易い観点から、少なくとも第1工程を複数回繰り返すことが有利である。
第3工程または第4工程で得られるコンデンサ素子10からは溶媒成分を全て除去してもよい。また、第3工程または第4工程で得られるコンデンサ素子10は、溶媒成分が残存した状態であってもよい。溶媒成分が残存した状態である場合、誘電体層の修復機能が向上し、ESRの低減効果をさらに高めることができる。また、残存した溶媒成分は、導電性高分子の粒子間に存在するため、第5工程でコンデンサ素子に電解液を含浸させる場合、導電性高分子の粒子間に、電解液が浸透し易い。よって、電解液による誘電体層の修復機能も得られ易くなる。
(v)コンデンサ素子10(巻回体)に電解液を含浸させる工程(第5工程)
第5工程では第3工程の後に、さらにコンデンサ素子10に電解液を含浸させることができる。第5工程は、第3工程の後であれば特に制限されず、第3工程に引き続いて行ってもよく、第3工程の後に他の工程(例えば、第4工程)を行い、その後に第5工程を行ってもよい。第5工程は、必ずしも必要ではないが、電解液を含浸させることで、誘電体層の修復機能が向上し、ESRの低減効果をさらに高めることができる。
電解液としては、非水溶媒を用いてもよく、非水溶媒と非水溶媒に溶解したイオン性物質(溶質)とを含む溶液を用いてもよい。非水溶媒としては、有機溶媒を用いてもよく、イオン性液体を用いてもよい。非水溶媒としては、高沸点のものが望ましく、高沸点の非水溶媒としては、イオン性液体、および/または高沸点の有機溶媒が使用できる。非水溶媒の沸点は、例えば、100℃よりも高く、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。有機溶媒としては、例えば、第1処理液の第1溶媒について例示した有機溶媒、凝集化剤として例示したオキソ基を置換基として有する環状化合物、および第2処理液について例示した溶媒などが挙げられる。非水溶媒は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
非水溶媒のうち、EG、PGなどのアルキレングリコール、PEG、グリセリン類(グリセリン、ポリグリセリンなど)、ラクトン、環状スルホン、ホルムアルデヒド、エーテル類、アミド類、エステル類、およびケトン類などが好ましい。中でも、ポリエチレングリコール、および/またはグリセリン類などが好ましい。
溶質としては、アニオンおよびカチオンの塩が使用され、アニオンおよびカチオンの少なくとも一方が有機物である有機塩が好ましい。有機塩としては、マレイン酸トリメチルアミン、ボロジサリチル酸トリエチルアミン、フタル酸エチルジメチルアミン、フタル酸モノ1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、フタル酸モノ1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウムなどが例示できる。溶質は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用してもよい。
コンデンサ素子10への電解液の含浸は、特に制限されず公知の方法で行うことができる。例えば、電解液にコンデンサ素子を浸漬させてもよく、コンデンサ素子10を収容した容器内に電解液を注液してもよい。コンデンサ素子10への電解液の含浸は、必要に応じて、減圧下(例えば、10〜100kPa)で行ってもよい。
(vi)コンデンサ素子10(巻回体)を封止する工程
次に、コンデンサ素子10を封止する。具体的には、まず、リード線14A,14Bが有底ケース11の開口する上面に位置するように、コンデンサ素子10を有底ケース11に収納する。有底ケース11の材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、鉄、真鍮などの金属あるいはこれらの合金を用いることができる。
次に、リード線14A,14Bが貫通するように形成された封止部材12を、コンデンサ素子10の上方に配置し、コンデンサ素子10を有底ケース11内に封止する。封止部材12は、絶縁性物質であればよい。絶縁性物質としては弾性体が好ましく、中でも耐熱性の高いシリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、ハイパロンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴムなどが好ましい。
次に、有底ケース11の開口端近傍に、横絞り加工を施し、開口端を封止部材12に加締めてカール加工する。そして、カール部分に座板13を配置することによって、図1に示すような電解コンデンサが完成する。その後、定格電圧を印加しながら、エージング処理を行ってもよい。
上記の実施形態では、巻回型の電解コンデンサについて説明したが、本発明の適用範囲は上記に限定されず、他の電解コンデンサ、例えば、陽極体として金属の焼結体を用いるチップ型の電解コンデンサや、金属板を陽極体として用いる積層型の電解コンデンサにも適用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
下記の手順で、図1に示すような、定格電圧35V、定格静電容量47μFの巻回型の電解コンデンサ(直径6.3mm、長さ5.8mm)を作製し、評価を行った。
(1)電解コンデンサの製造
(誘電体層を有する陽極体の準備)
厚さ100μmのアルミニウム箔にエッチング処理を行い、アルミニウム箔の表面を粗面化した。その後、アルミニウム箔の表面に、アジピン酸アンモニウム水溶液を用いる化成処理により、誘電体層を形成し、誘電体層を有する陽極体を準備した。
(陰極体の準備)
厚さ50μmのアルミニウム箔にエッチング処理を行い、アルミニウム箔の表面を粗面化し、陰極体を準備した。
(コンデンサ素子(巻回体)の作製)
陽極体および陰極体に陽極リードタブおよび陰極リードタブを接続し、陽極体と陰極体とを、リードタブを巻き込みながら、セパレータを介して巻回し、コンデンサ素子を得た。コンデンサ素子から突出する各リードタブの端部には、陽極リード線および陰極リード線をそれぞれ接続した。そして、作製されたコンデンサ素子に対して、再度化成処理を行い、陽極体の切断された端部に誘電体層を形成した。次に、コンデンサ素子の外側表面の端部を巻止めテープで固定した。
(第1処理液の含浸)
3,4−エチレンジオキシチオフェンと、ドーパントとしてのポリスチレンスルホン酸とを、イオン交換水(第1溶媒)に溶かした混合溶液を調製した。得られた混合溶液を撹拌しながら、イオン交換水に溶かした酸化剤(硫酸第二鉄および過硫酸ナトリウム)を添加し、重合反応を行った。反応後、得られた反応液を透析して、未反応モノマーおよび過剰な酸化剤を除去し、約5質量%のポリスチレンスルホン酸がドープされたポリエチレンジオキシチオフェンを含む分散液を含む第1処理液を得た。
次いで、得られた第1処理液を、前記コンデンサ素子に5分間含浸させた。
(第2処理液の含浸)
次いで、コンデンサ素子に、第2処理液を含浸させた。第2処理液に含まれる凝集化剤として、γ−ブチロラクトンを用いた。なお、第2処理液に含浸させる前の段階で、コンデンサ素子における溶媒成分(第1溶媒(水))の残存量は、約100質量%である。コンデンサ素子に含浸させた凝集化剤の質量は、コンデンサ素子に含浸させた導電性高分子の質量の5倍であった。
次いで、コンデンサ素子を、150℃で20分間加熱することにより、溶媒成分を除去した。
このようにして、導電性高分子が付着したコンデンサ素子を作製した。
(電解液の含浸)
次いで、コンデンサ素子に、減圧下で電解液を含浸させた。電解液としては、PEG:γBL:SL:フタル酸モノ(エチルジメチルアミン)(溶質)=25:25:25:25(質量比)で混合した溶液を用いた。
(コンデンサ素子の封止)
電解液を含浸させたコンデンサ素子を、図1に示すような外装ケースに収容し、封止して、電解コンデンサを作製した。同様にして、合計300個の電解コンデンサを作製した。
(2)性能評価
電解コンデンサの初期特性として、静電容量(μF)を測定した。具体的には、電解コンデンサについて4端子測定用のLCRメータを用いて、周波数120Hzにおける初期静電容量(μF)を測定した。
また、電解コンデンサの初期特性として、ESR値(mΩ)を測定した。具体的には、電解コンデンサについて、4端子測定用のLCRメータを用いて、周波数100kHzにおけるESR値(mΩ)を測定した。
初期静電容量およびESR値は、それぞれ、ランダムに選択した120個の電解コンデンサについて測定し、平均値を算出した。
《比較例1》
コンデンサ素子に第1処理液を含浸させた後、第2処理液の含浸を行わず、150℃で30分間加熱することにより溶媒成分を除去したこと以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作製し、性能評価を行った。
《比較例2》
コンデンサ素子に第1処理液を含浸させた後、150℃で30分間加熱することにより溶媒成分を完全に除去した(コンデンサ素子の溶媒成分の残存量:0質量%)こと以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作製し、性能評価を行った。
《比較例3》
第2処理液であるγ−ブチロラクトンに代えて、ポリエチレングリコールを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作製し、性能評価を行った。
《実施例2》
第2処理液であるγ−ブチロラクトンに代えて、スルホランを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作製し、性能評価を行った。
《実施例3》
第2処理液であるγ−ブチロラクトンに代えて、1−メチル−2−ピロリドンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作製し、性能評価を行った。
《実施例4》
第2処理液であるγ−ブチロラクトンに代えて、ジエチレングリコールジメチルエーテルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作製し、性能評価を行った。
《実施例5》
第2処理液であるγ−ブチロラクトンに代えて、1−ブタノールを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作製し、性能評価を行った。
《実施例6》
第2処理液であるγ−ブチロラクトンに代えて、γ−ブチロラクトン(凝集化剤)とポリエチレングリコールとを75:25の質量比で含む混合液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作製し、性能評価を行った。コンデンサ素子に含浸させた凝集化剤の質量は、コンデンサ素子に含浸させた導電性高分子の質量の3.75倍であった。
《実施例7》
第2処理液であるγ−ブチロラクトンに代えて、γ−ブチロラクトン(凝集化剤)とポリエチレングリコールとを50:50の質量比で含む混合液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作製し、性能評価を行った。コンデンサ素子に含浸させた凝集化剤の質量は、コンデンサ素子に含浸させた導電性高分子の質量の2.5倍であった。
《実施例8》
第2処理液であるγ−ブチロラクトンに代えて、γ−ブチロラクトン(凝集化剤)とポリエチレングリコールとを25:75の質量比で含む混合液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作製し、性能評価を行った。コンデンサ素子に含浸させた凝集化剤の質量は、コンデンサ素子に含浸させた導電性高分子の質量の1.25倍であった。
実施例および比較例の結果を表1に示す。表1には、第2処理液の構成成分を合わせて示した。
なお、本実施例にて用いるポリスチレンスルホン酸がドープされたポリエチレンジオキシチオフェンを含む分散液において、導電性高分子100質量部に対してγ−ブチロラクトン1000質量部を添加し、室温で添加初期の粘度η1と18時間後の粘度η2とをそれぞれ測定したところ、η2がη1の1.5倍以上となった。また、スルホラン、1−メチル−2−ピロリドン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびブタノールのそれぞれについてもη2がη1の1.5倍以上となった。一方、同様に測定したところ、ポリエチレングリコールは、η2がη1の1.5倍よりも小さかった。
表1に示されるように、実施例1では、ESR値が低く、大きな静電容量が得られた。それに対し、コンデンサ素子に第2処理液を含浸させない場合、ESRが非常に高くなり、静電容量も小さくなった(比較例1)。また、第2処理液をコンデンサ素子に含浸させる際に、第1溶媒が残存していない場合には、第2処理液を含浸させても、ESRの低減効果はほとんど得られず、静電容量も比較例1とほとんど変わらなかった(比較例2)。凝集化剤に代えて、ポリエチレングリコールを用いた比較例3では、静電容量は向上したものの、ESRは比較例1よりも大きくなった。
γ−ブチロラクトンに代えて、他の凝集化剤を用いた実施例2〜5でも、実施例1と同様に、ESR値が低く、静電容量は大きくなった。
また、γ−ブチロラクトンに加え、ポリエチレングリコールを含む第2処理液を用いる場合にも、ESRが低減され、大きな静電容量が得られた。
本発明は、陰極材料として導電性高分子を用いる電解コンデンサに利用することができる。
10:コンデンサ素子、11:有底ケース、12:封止部材、13:座板、14A,14B:リード線、15A,15B:リードタブ、21:陽極体、22:陰極体、23:セパレータ、24:巻止めテープ

Claims (6)

  1. 誘電体層を有する陽極体を備えるコンデンサ素子を準備する第1工程と、
    前記コンデンサ素子に、導電性高分子と、液体溶媒とを少なくとも含む第1処理液を含浸させる第2工程と、
    前記第2工程の後、前記コンデンサ素子に前記液体溶媒の50質量%以上が残存した状態で凝集化剤を含む第2処理液を含浸させて、前記導電性高分子を凝集させる第3工程と、を含む、電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記第1工程では、誘電体層を有する箔状の陽極体と、箔状の陰極体とを、セパレータを介して巻回したコンデンサ素子を準備する、請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記凝集化剤は、ラクトン、環状ケトン、環状カーボネート、ラクタム、および環状スルホンよりなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載の電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記第3工程の後、さらに、前記液体溶媒の少なくとも一部を除去する第4工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記液体溶媒は水を含み、
    前記第3工程において、前記コンデンサ素子に、少なくとも水が残存した状態で、前記第2処理液を含浸させて前記導電性高分子を凝集させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記第3工程の後に、電解液を前記コンデンサ素子に含浸させる第5工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
JP2019033628A 2014-07-03 2019-02-27 電解コンデンサの製造方法 Active JP6735456B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014137556 2014-07-03
JP2014137556 2014-07-03

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016531095A Division JP6496909B2 (ja) 2014-07-03 2015-06-26 電解コンデンサの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019110322A JP2019110322A (ja) 2019-07-04
JP6735456B2 true JP6735456B2 (ja) 2020-08-05

Family

ID=55018754

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016531095A Active JP6496909B2 (ja) 2014-07-03 2015-06-26 電解コンデンサの製造方法
JP2019033628A Active JP6735456B2 (ja) 2014-07-03 2019-02-27 電解コンデンサの製造方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016531095A Active JP6496909B2 (ja) 2014-07-03 2015-06-26 電解コンデンサの製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10340089B2 (ja)
JP (2) JP6496909B2 (ja)
CN (2) CN110111999B (ja)
WO (1) WO2016002175A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6655781B2 (ja) * 2014-06-23 2020-02-26 パナソニックIpマネジメント株式会社 電解コンデンサの製造方法
CN106575578B (zh) * 2014-08-26 2020-01-07 松下知识产权经营株式会社 电解电容器的制造方法
JPWO2021149750A1 (ja) * 2020-01-24 2021-07-29

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6552896B1 (en) * 1999-10-28 2003-04-22 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Solid electrolytic capacitor and method for manufacturing the same
JP5305569B2 (ja) * 2006-06-29 2013-10-02 三洋電機株式会社 電解コンデンサの製造方法および電解コンデンサ
CA2620970A1 (fr) * 2008-01-31 2009-07-31 Andre Lessard Manipulateur portable pour effectuer des travaux sur des lignes electriques aeriennes sous tension
JP5371710B2 (ja) 2009-11-20 2013-12-18 三洋電機株式会社 固体電解コンデンサの製造方法
EP2506275B1 (en) * 2010-02-15 2017-10-18 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Electrolytic capacitor
JP5575505B2 (ja) * 2010-02-26 2014-08-20 三洋電機株式会社 固体電解コンデンサの製造方法および固体電解コンデンサ
JP5491246B2 (ja) * 2010-03-25 2014-05-14 Necトーキン株式会社 導電性高分子およびその製造方法、導電性高分子分散液、ならびに固体電解コンデンサおよびその製造方法
DE102010047087A1 (de) * 2010-10-01 2012-04-05 Heraeus Clevios Gmbh Verfahren zur Verbesserung der elektrischen Kenngrößen in Kondensatoren enthaltend PEDOT/PSS als Feststoffelektrolyt durch ein Polyalkylenglykol
CN102731970B (zh) * 2011-04-12 2016-05-11 Nec东金株式会社 导电性高分子悬浮液及其制备方法、导电性有机材料以及电解电容器及其制备方法
JP2013214674A (ja) * 2012-04-04 2013-10-17 Tayca Corp 巻回型固体電解コンデンサの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US10340089B2 (en) 2019-07-02
CN106471593A (zh) 2017-03-01
WO2016002175A1 (ja) 2016-01-07
CN110111999A (zh) 2019-08-09
JP6496909B2 (ja) 2019-04-10
JP2019110322A (ja) 2019-07-04
US20170092427A1 (en) 2017-03-30
CN110111999B (zh) 2022-05-31
CN106471593B (zh) 2019-07-19
JPWO2016002175A1 (ja) 2017-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6709903B2 (ja) 電解コンデンサの製造方法
JP6735448B2 (ja) 電解コンデンサの製造方法
JP6589142B2 (ja) 電解コンデンサの製造方法
US10121599B2 (en) Method for producing electrolytic capacitor
JP6928788B2 (ja) 電解コンデンサおよびその製造方法
JP6735456B2 (ja) 電解コンデンサの製造方法
JP6803519B2 (ja) 電解コンデンサの製造方法
US10121598B2 (en) Method for producing electrolytic capacitor
JP6497563B2 (ja) 電解コンデンサの製造方法
JP2016082053A (ja) 電解コンデンサ
JP6868848B2 (ja) 電解コンデンサ
WO2016157693A1 (ja) 電解コンデンサ
JP6604497B2 (ja) 電解コンデンサの製造方法
JP7407371B2 (ja) 電解コンデンサ
JP2023029570A (ja) 電解コンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200107

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200526

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200608

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6735456

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151