JP6604497B2 - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態に係る製造方法により得られる電解コンデンサの断面模式図であり、図2は、同電解コンデンサに係るコンデンサ素子の一部を展開した概略図である。
以下、本実施形態に係る電解コンデンサの製造方法の一例について、工程ごとに説明する。
まず、陽極体21の原料である金属箔を準備する。金属の種類は特に限定されないが、誘電体層の形成が容易である点から、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属または弁作用金属を含む合金を用いることが好ましい。
陰極体22にも、陽極体と同様、金属箔を用いることができる。金属の種類は特に限定されないが、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属または弁作用金属を含む合金を用いることが好ましい。必要に応じて、陰極体22の表面を粗面化してもよい。
次に、陽極体21および陰極体22を用いて巻回体を作製する。
まず、陽極体21と陰極体22とを、セパレータ23を介して巻回する。このとき、リードタブ15A、15Bを巻き込みながら巻回することにより、図2に示すように、リードタブ15A、15Bを巻回体から植立させることができる。
次に、第1溶媒に導電性高分子が溶解した導電性高分子溶液、または、第1溶媒と導電性高分子の粒子とを含む導電性高分子分散液である第1処理液を、巻回体に含浸し、第1処理液を巻回体に付与する。
次に、第1処理液が付与された巻回体を、温度15℃以上かつ相対湿度60%以上の雰囲気に曝露することにより、第1溶媒の一部を蒸発させ、除去する。第1溶媒の一部を蒸発させる温度は、25℃以上であることが好ましい。蒸発温度の上限は、85℃であることが好ましく、60℃であることがより好ましい。また、相対湿度の上限は、100%であることが好ましく、90%であることがより好ましい。
第1溶媒の一部を蒸発させた後、巻回体に第2溶媒を含む第2処理液を含浸させる。すなわち、第1溶媒の残部と導電性高分子とを有する誘電体層の表面に、第2溶媒が付与される。誘電体層の表面には第1溶媒が残存しているため、第1溶媒と混和する第2溶媒が付与されることにより、第2溶媒と、第1溶媒とともに誘電体層31の表面に存在する導電性高分子とが接触する。このとき、第2溶媒は、導電性高分子の配置を均一化する。
巻回体に第2処理液を含浸させた後、第2溶媒の少なくとも一部を除去してもよい。なかでも、固体電解質層の定着の観点からは、第2溶媒の少なくとも一部を除去することが好ましい。第2溶媒は、ほぼ全てを除去してもよい。加熱により、第2溶媒を除去する場合、加熱温度は、第2溶媒の沸点より高い温度であってもよく、例えば50〜300℃が好ましく、100〜200℃がより好ましい。第2溶媒を蒸発させる量は、特に限定されない。第1溶媒が水を含む場合には、このとき水も除去される。
第2溶媒を含浸させた後、コンデンサ素子に電解液を含浸させてもよい。これにより、誘電体層の修復機能が向上し、電解コンデンサの耐電圧特性を向上させることができる。
電解液は、非水溶媒であってもよく、非水溶媒とこれに溶解させたイオン性物質(溶質)との混合物であってもよい。溶質としては、有機塩が好ましい。
次に、コンデンサ素子10を封止する。具体的には、まず、リード線14A、14Bが有底ケース11の開口する上面に位置するように、コンデンサ素子10を有底ケース11に収納する。有底ケース11の材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、鉄、真鍮などの金属あるいはこれらの合金を用いることができる。
以下、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
本実施例では、定格電圧100V、定格静電容量15μFの巻回型の電解コンデンサ(Φ8mm×L(長さ)12mm)を作製した。以下に、電解コンデンサの具体的な製造方法について説明する。
厚さ100μmのアルミニウム箔にエッチング処理を行い、アルミニウム箔の表面を粗面化した。その後、アルミニウム箔の表面に、化成処理により、誘電体層を形成した。その後、アルミニウム箔を、縦×横が6mm×120mmとなるように裁断して、陽極体を準備した。
厚さ50μmのアルミニウム箔にエッチング処理を行い、アルミニウム箔の表面を粗面化した。その後、アルミニウム箔を、縦×横が6mm×120mmとなるように裁断して、陰極体を準備した。
陽極体および陰極体に陽極リードタブおよび陰極リードタブを接続し、陽極体と陰極体とを、リードタブを巻き込みながら、セパレータを介して巻回した。巻回体から突出する各リードタブの端部には、陽極リード線および陰極リード線をそれぞれ接続した。そして、作製された巻回体に対して、再度、化成処理を行い、陽極体の切断された端部に誘電体層を形成した。次に、巻回体の外側表面の端部を巻止めテープで固定して巻回体を作製した。
3,4−エチレンジオキシチオフェンと、ドーパントとしてのポリスチレンスルホン酸とを、イオン交換水(第1溶媒)に溶かした混合溶液を調製した。得られた混合溶液を撹拌しながら、イオン交換水に溶かしたp−トルエンスルホン酸第二鉄塩溶液(酸化剤)を添加し、重合反応を行った。反応後、得られた反応液を透析して、未反応モノマーおよび過剰な酸化剤を除去し、約5質量%のポリスチレンスルホン酸がドープされたポリエチレンジオキシチオフェンを含む溶液を得た。得られた溶液にイミダゾールを均一に分散させ、第1処理液を得た。導電性高分子の粒子は、動的光散乱法による粒径測定装置((株)堀場製作所製、動的光散乱式粒径分布測定装置LB‐500)により測定される体積粒度分布におけるメディアン径が100nmであった。
減圧雰囲気(40kPa)中で、所定容器に収容された第1処理液に巻回体を5分間浸漬し、その後、第1処理液から巻回体を引き上げた。
次に、巻回体を45℃、相対湿度60%の環境下で30分間乾燥させ、第1溶媒の一部を除去した。このとき、第1溶媒の蒸発量は、40質量%であった。
次いで、ジメチルスルホキシド(第2溶媒)を含む第2処理液を巻回体に含浸させた。このとき、第2溶媒を、巻回体に付与された導電性高分子100質量部に対して、1,000質量部付与した。
第2処理液が含浸された巻回体を、150℃の乾燥炉内で20分間乾燥させて、第2溶媒の少なくとも一部を除去し、固体電解質層を具備するコンデンサ素子を作製した。
減圧雰囲気(40kPa)中で、γ−ブチロラクトンとスルホランとの混合溶媒(非水溶媒)を、上記コンデンサ素子を含浸させた。
非水溶媒を含浸させたコンデンサ素子を封止して、図1に示すような電解コンデンサを完成させた。その後、定格電圧を印加しながら、130℃で2時間エージング処理を行った。
表1に示す条件で、第1溶媒を蒸発させたこと以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製し、上記と同様に評価した。なお、実施例4は、第2溶媒としてエチレングリコールを用い、比較例3は、第1溶媒の蒸発を行わなかった。
Claims (6)
- 誘電体層を有する陽極体を準備する第1工程と、
前記陽極体に、導電性高分子が第1溶媒に溶解または分散した第1処理液を含浸する第2工程と、
前記第2工程の後、前記陽極体に含浸された前記第1溶媒の一部を除去する第3工程と、
前記第3工程の後、前記陽極体に、前記第1溶媒と混和する第2溶媒を含む第2処理液を含浸させてコンデンサ素子を得る第4工程と、を含み、
前記第4工程の直前において、前記誘電体層の表面には前記第1溶媒が残存しており、
前記第1溶媒は水であり、前記第2溶媒は前記第1溶媒と異なり、
前記第3工程では、前記陽極体を、温度15℃以上85℃以下かつ相対湿度60%以上の雰囲気に曝露する、電解コンデンサの製造方法。 - 前記第2処理液には、導電性高分子が分散または溶解していない、請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
- 前記第3工程において、前記含浸された前記第1処理液に含まれる前記第1溶媒の10〜50質量%を除去する、請求項1または2に記載の電解コンデンサの製造方法。
- 前記第2溶媒は、前記第1溶媒よりも沸点が高い、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電解コンデンサの製造方法。
- 前記第2溶媒は、ジメチルスルホキシドである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電解コンデンサの製造方法。
- 前記第4工程の後、前記第2溶媒の少なくとも一部を除去する第5工程と、
前記第5工程の後、前記コンデンサ素子に電解液を含浸させる第6工程と、をさらに含み、
前記第6工程の直前において、前記コンデンサ素子には前記第2溶媒が残存している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電解コンデンサの製造方法。
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