JP2014088754A - 配管ユニット、配管構造及び排水システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流路が上下方向に形成され、排水22を流下させる直管部36と、この直管部36の下流側に接続され、排水22の流路を前記上下方向から水平方向に変更させる曲管部35とを備えた配管ユニットAにおいて、直管部36を流下する排水を受ける曲管部35の内周面は、湾曲面23aをなす流路変更部とされ、この流路変更部の上方には、排水22の鉛直下方への流下を規制し流れを方向付けする整流面26pを有する突条26が直管部36の内周面に沿って螺旋状に設けられ、この螺旋状に延びる突条26の終端26b又は終端26bから更に螺旋状に延びる仮想延長線は、流路変更部の湾曲面23a上に延びるように形成されていることを特徴とする。
【選択図】図5
Description
また、節水型便器の場合は、排水の水勢により強い負圧が発生しやすく、そのために、封水が引き込まれて減少しやすい。この封水の減少は、封水を破るものでなければ便器の機能を低下させるものではないが、ユーザーに便器の品質又は機能上の不安を抱かせてしまうことがあるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、狭い床下空間に設置した場合にも、高い排水機能ないし流動物の搬送性能が得られ、封水の減少を防止し得る配管ユニット、配管構造及び排水システムを提供することを課題とする。
このように構成することにより、曲管部の曲がり方向側の内周面に沿って流下する排水を螺旋形状の突条の整流面で受け、流路変更部に方向転換することにより乱流及び滞留を発生させることなく排水を円滑に流下させることができる。
このように構成することにより、突条に沿って流下する排水を流路変更部に送る精度を高めることができる。また、配管ユニット全体をコンパクトに形成することができる。
また、本発明は、前記直管部に、前記突条の形成位置を示す周方向位置決定部が設けられていることを特徴とする。
このように構成することにより、直管部の内周面に突条が形成されている場合に、周方向位置決定部によって、突条が確実に曲管部の曲がり方向側の内周面の上方に位置するように直管部と曲管部とを接続することができる。
このように構成することにより、突条を有さない既存の直管部と曲管部とを、突条を有する接続継手を介して接続することにより、簡便に排水の乱流及び滞留を防止することのできる配管ユニットを形成することができる。
このように構成することにより、周方向位置決定部によって、突条が確実に曲管部の曲がり方向側の内周面の上方に位置するように、接続継手と曲管部とを接続することができる。
このように構成することにより、突条が予め曲管部の曲がり方向側の内周面に形成されているため、直管部と曲管部との位置決めを考慮することなく容易に接続することができる。
このように構成することにより、上記に示した作用機能を奏する配管構造とすることができる。
このように構成することにより、上記に示した作用機能を奏する排水システムとすることができる。
また、排水の乱流を防止することで、配管ユニット内を閉塞しないようにするため、配管ユニット内部に負圧が発生するのを防止することができることにより、封水の減少を防止することができるという効果を奏する。
特に、節水型便器又は狭い床下スペースに配管ユニットを設置した場合にも、高い排水機能ないし流動物の搬送性能が得られ、封水の減少を防止し得るという効果を奏する。
本発明の第一実施形態の配管ユニットA、配管ユニットAを用いた配管構造64及び排水システムSについて、これらが戸建住宅等のトイレの排水に適用された場合を例として、図面を用いて詳細に説明する。
流路変更部23は、軸線23cに直交するとともに軸線21cを含む仮想平面Mを境にエルボ35の曲がり方向側の反対側23aが上方から下方に向かう湾曲面とされ、仮想平面Mを境に曲がり方向側23bが略平坦に形成されている。
エルボ35の上流側端部は、内周側が周方向に所定の厚さ寸法で凹んだ嵌合段部37aとされ、外周側が嵌合凸部37bとされている。
閉塞防止機構24は、配管ユニットAを流れる排水22の流動を整えることによって配管ユニットAの部分的な閉塞を防止する整流部により構成されている。具体的には、整流部は、排水22の一部を受けてその鉛直下方への流下を規制するとともに所定の方向に導く整流面26pを有し、その軸線を軸線21cと共通にして直管部材36の内周面上に所定のピッチで螺旋状に設けられた螺旋羽根(突条)26で構成されている。
したがって、螺旋羽根26の突出寸法26wは、直管部材36の内径から通路27の直径を引いた長さ以下に設定され、螺旋羽根26の端部が、通路27内へ突出しないように形成されている。
この構成の下に、直管部材36とエルボ35とは、直管部材36の嵌合凸部37dをエルボ35の嵌合段部37aに内嵌させ、エルボ35の嵌合凸部37bを直管部材36の嵌合段部37cに外嵌させることにより接続できるようになっている。
上記の構成を有する直管部材36とエルボ部材35とを備えた配管ユニットAを床下空間52に設置するには、まず、図1に示す床材53に開けられた孔Hからエルボ35をその下流側端部から挿入し、横引管10に接続させるとともに、上流側端部を上方に向けた状態で接着固定しておく。
そして、図5に示すように、エルボ35の曲がり方向を確認し、直管部材36の周方向を螺旋羽根26が曲がり方向側に向くように直管部材36をエルボ35に嵌合させて固定する。この際、直管部材36の嵌合凸部37dの外周面に接着剤を塗布しておき、エルボ35と直管部材36とが堅固に固定されるようにする。
その上で、図15に示すような接続ソケット5を直管部材36に接続し、図2に示すように便器54の排口部が接続ソケット5に嵌合するように便器54を設置して配管構造64及びトイレの排水システムSの施工が完了する。
したがって、エルボ35内で排水22の乱流又は滞留が発生することを回避して、排水22を円滑かつ高速で流下させ、排水22及び流動物の搬送機能を高めることができるという効果を奏する。
また螺旋羽根26は、板状に形成されているが、排水22を受けて湾曲面23aに向けて流下させる整流面26pを有するものであれば、下方に肉を有した突条に形成されたものであってもよく、又は、図12(a),(b)に示すように、直管部材36の周壁部又はエルボ35の曲がり方向の周壁部を内孔に向けて窪ませて形成されたものであってもよい。
なお、直管部材36は、ほぼ水平方向へ延びるものであってもよく、エルボ35は、排水22の流れをほぼ水平面内で方向転換するものであっても上記と略同様の作用機能及び効果が得られる。
図13に示す接続継手100は、螺旋羽根26を有しない既存の直管部材等の他の配管を内嵌接続させる受け口101を一方に備えた片受け継手であり、下端部102がエルボ35(図4等参照)等の受け口に内嵌接続されるようになっている。接続継手100は、床材若しくは床下構造又はエルボ35の端部の構造によっては、図示しないが両端が受け口101とされていてもよい。
また、接続継手100は、図14に示すように、両端100p,100pが直管部材及びエルボ35(図4等参照)に内嵌される継手であってもよい。
このような接続継手100を備えることにより、螺旋羽根26を有さない既存の直管部材36とエルボ35とを、螺旋羽根26を有する接続継手100を介して接続することにより、簡便に排水の乱流及び滞留を防止することのできる配管ユニットAを形成することができる。
また、戸建住宅における排水システムSのみならず図3に示すマンション等の集合住宅の排水システムSにも有効に適用することができる。なお、図3において図1に示す戸建住宅と同様の構成について同一の符号を付している。
本変形例の配管ユニットA2は、図9(a)〜(c)に示すように、直管部材36iに螺旋羽根26が形成される羽根形成部32と、羽根形成部32の上方に長さ調整部41とが設けられ、施工現場で長さ調整部41を適宜切断して直管部材36を長さ調整をすることができるようになっている。
周方向位置決め凸条42aと周方向位置決め凹条42bとは、エルボ35に直管部材36iを接続させた際に螺旋羽根26がエルボ35の曲がり方向側の内周面21bに位置するように形成されている。
なお、上述した図13,図14に示す接続継手100に螺旋羽根26が形成された例においても、上記したものと同様に、エルボ35との周方向の位置を決める周方向位置決定部42が形成されているとよい。
以下、本発明の第二実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態において他の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、その構成、作用機能及び効果についての説明は省略する。
図10(a),(b)に示すように、本実施形態の配管ユニットBは、第一実施形態で示された直管部材36と、偏芯二重管88と、エルボ35とを備え、直管部材36に設けられた螺旋羽根26と、偏芯二重管88に形成された空気取込部88aとを閉塞防止機構24としている。
以上の構成の下に、直管部材36は、偏芯二重管88の排水用内管部87に内嵌されて接着固定され、偏芯二重管88は、エルボ35の大径口部85に内嵌されて接着固定され、直管部材36、偏芯二重管88及びエルボ35が接続されて配管ユニットBとなっている。そして、配管ユニットBに、閉塞防止機構24として螺旋羽根26と空気取込部88aとが設けられた構成とされている。
本変形例の配管ユニットCは、空気取込部88aの一部に上方に突出する接続口88bを配備するとともに、接続口88bの先端に更に外部空気取込管89を接続させ、空気取込部88aを上方に延設させたものである。
その結果、配管ユニットCの排水性能を維持することが可能となるとともに、負圧により生じる封水の減少を防止して、ユーザーがトイレの機能に徒に不安を抱かせないようにすることができるという効果が得られる。
また、例えば、上述した各実施形態及び変形例に示した各構成は、適宜組み合わせて適用した場合にも上記した作用機能及び効果を奏することができる。
設備機器として、節水便器を用い、前記節水便器の排水口に偏芯量43mmのGG用接続ソケットを流路が便器の前方側に偏芯するように接続させた。
<配管構造>
配管ユニットとして、傾斜角度30度で直管部材の内周面の略半周に亘って形成された螺旋羽根を具備した、呼び径75mmの直管部材と、曲率半径が65mmの球面状の流路変更部を備えた第1エルボとを接続させた。この際、直管部材とエルボとを接続させた際に、螺旋羽根がエルボの曲がり方向側の内周面の上方に位置するようにした。また、直管部材として、エルボと接続した際に、螺旋羽根の終端又はその仮想延長線がエルボの湾曲面の上端に1ピッチ以内で達する位置関係になるよう螺旋羽根が設けられたものを使用した。
配管ユニットの上流側端部は、便器の接続ソケットに接続し、下流側端部は、呼び径が75mmで長さが約1mの直管を水平方向に配設し、更にこの直管の下流側に第2エルボを接続させて流路を水平方向に折曲させた上で、呼び径75mm,長さ寸法17mの横引管に接続させた。なお、横引管の配管勾配は、100分の1とした。
<擬似流動物>
1回の排水で流下させる擬似流動物として便器に20φ,長さ85mmのPVAスポンジと、JISP4501 長さ760mmを丸めたものを用いた。
本実施例においては、まず、本発明の配管ユニットによる擬似流動物の搬送距離を測定し、従来の配管ユニットによる擬似流動物の搬送距離と比較した。
エルボの曲がり方向を便器の前方側(Front)、すなわち便器に接続された接続ソケット偏芯方向と同方向とし、擬似流動物を便器に挿入し、排水をした。
[実施例2]
エルボの曲がり方向を便器の右側(Right)、すなわち接続ソケット偏芯方向に対し約90度回転させた方向とし、擬似流動物を便器に挿入し、排水をした。
[実施例3]
エルボの曲がり方向を便器の後方側(Back)、すなわち乱流又は滞留が最も起こり難い接続ソケット偏芯方向の反対方向とし、擬似流動物を便器に挿入し、排水をした。
[実施例4]
エルボの曲がり方向を便器の左(Left)すなわち接続ソケット偏芯方向に対し約270度回転させた方向とし、擬似流動物を便器に挿入し、排水をした。
螺旋羽根を有さない直管部材を用いたこと以外は、実施例1と同様の構成とした。
[比較例2]
螺旋羽根を有さない直管部材を用いたこと以外は、実施例2と同様の構成とした。
[比較例3]
螺旋羽根を有さない直管部材を用いたこと以外は、実施例3と同様の構成とした。
[比較例4]
螺旋羽根を有さない直管部材を用いたこと以外は、実施例4と同様の構成とした。
各実施例1〜4及び比較例1〜4の構成で、1回の排水で擬似流動物が搬送された距離を5回ずつ測定し、最大値と最小値を除く3回の搬送距離を測定するとともに、3回の平均値を算出した。なお、「擬似流動物が搬送された距離」は、エルボの下流側端部から最上流に位置する擬似流動物までの距離とした。また、表中、「L」は第2エルボが右方向に折曲した場合を示しており、「R」は第2エルボが左方向に折曲した場合を示している。
実施例1〜4及び比較例1〜4の搬送距離は、表1,2のとおりである。すなわち、実施例1〜4の場合、比較例1〜4の場合に比べていずれの平均値も大きくなり、擬似流動物が遠くまで確実に搬送されることを確認できた。
実施例1〜4及び比較例1〜4の搬送距離は、表1,2のとおりである。すなわち、実施例1〜4の場合、比較例1〜4の場合に比べていずれの平均値も大きくなり、擬似流動物が遠くまで確実に搬送されることを確認できた。
次に、上記と同様の設備機器及び配管構造を用い、実施例1及び比較例1のそれぞれの条件で、設備機器内の排水を流下させた際の負圧の発生状況及び封水の減少量を測定し、比較した。
実施例1及び比較例1の各状態で、測定された負圧値及び封水の減少量、すなわち減少した封水の高さ寸法は、以下の表3のとおりである。
実施例1及び比較例1の各状態で、測定された負圧値及び封水の減少量、すなわち減少した封水の高さ寸法は、以下の表4のとおりである。
上記表3及び表4に示すように、比較例1に示す従来の配管ユニットによれば、配管ユニットのエルボの曲率半径が65mm及び87mmのいずれの場合であっても平均−457.9Pa又は−485.4Paという大きな負圧を生じ、封水の高さが平均32.7mm又は33mmに減少した。
これに対し、本発明の羽根が設けられた実施例1の配管ユニットによれば、配管ユニットのエルボの曲率半径が65mm及び87mmのいずれの場合であっても負圧値が大幅に抑制され、負圧の低減により封水の減少が生じないことが確認された。
23 流路変更部
23a 湾曲面
24 閉塞防止機構
26 螺旋羽根(突条)
35 エルボ(曲管部)
36 直管部材(直管部)
64 トイレ用配管(配管ユニット)
65 洗面用配管(配管ユニット)
66 風呂用配管(配管ユニット)
67 台所用配管(配管ユニット)
68 洗濯機用配管(配管ユニット)
86 通気用外管部
87 排水用内管部
88 偏芯二重管
88a 空気取込部
A,B,C 配管ユニット
Claims (10)
- 流路が上下方向に形成され、排水を流下させる直管部と、この直管部の下流側に接続され、前記排水の流路を前記上下方向から水平方向に変更させる曲管部とを備えた配管ユニットにおいて、
前記直管部を流下する排水を受ける前記曲管部の内周面は、湾曲面をなす流路変更部とされ、
この流路変更部の上方には、前記排水の鉛直下方への流下を規制し流れを方向付けする整流面を有する突条が前記直管部の内周面に沿って螺旋状に設けられ、
この螺旋状に延びる突条の終端又はこの終端から更に螺旋状に延びる仮想延長線は、前記流路変更部の湾曲面上に延びるように形成されていることを特徴とする配管ユニット。 - 前記突条の少なくとも一部は、前記曲管部の曲がり方向側の内周面にかかるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の配管ユニット。
- 前記突条又はその仮想延長線が、前記突条の始端から1ピッチ以内で前記湾曲面の上端縁を通る位置に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の配管ユニット。
- 前記突条は、前記直管部の内周面に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の配管ユニット。
- 前記直管部には、前記突条の形成位置を示す周方向位置決定部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の配管ユニット。
- 前記直管部と前記曲管部とは、接続継手を介して接続され、
前記突条は、前記接続継手の内周面に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の配管ユニット。 - 前記接続継手には、前記突条の形成位置を示す周方向位置決定部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の配管ユニット。
- 前記突条は、前記曲管部の内周面に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の配管ユニット。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の配管ユニットと、前記曲管部の下流側に接続され排水を水平方向に導く横引管とを備えていることを特徴とする配管構造。
- 排水用の設備機器に設けられ排水流路を封水するトラップと、
このトラップの排水口に接続された請求項9に記載の配管構造とを備えていることを特徴とする排水システム。
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