JP6204678B2 - 配管ユニット、配管構造及び排水システム - Google Patents

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この発明は、配管ユニット、配管構造及び排水システムに関するものである。
戸建住宅やマンション等の建物には、各階にトイレや浴室等の排水用の配管構造が配備されている。例えば、図15に示すようなトイレ用の配管構造1は、便器3の排水口4から鉛直下方へ延びる直管部8と、この直管部8の下端部に接続された曲管部(屈曲管部)9と、この曲管部9の下流側端部に接続され、所定の排水勾配で略水平方向へ延びる横引管10とを備えている。この配管構造1の直管部8の上端には、曲管部9の曲がり方向側に偏芯して、前記曲がり方向側の壁部に沿って排水を流下させる接続ソケット5が接続されている。
図16に示すように、上記配管構造1において、直管部8内を流下し、曲管路の曲がり方向側の内周面に沿って流下する排水12は、曲管部9の底面に衝突して跳ね返り、上方から順次流下する排水とぶつかって乱流を起こし、滞留したり一部逆流したりすることがある。また、曲管部9内において滞留又は逆流した排水12は、曲管部9内の一部の空間を閉塞して密封領域13を作り、この密封領域13が排水12に引っ張られて負圧状態になり、トラップ内の封水14を下流に引き込むため、封水14を破ってしまう原因となることがある。
特に近年、水資源の効率的な利用の観点から、節水型の便器が広く普及しているが、節水型便器は、排水を少量で勢い良く一気に流下させるようになっているため、上記配管構造を節水型の便器に適用した場合には、排水の乱流が激しくなりやすい。また、節水型便器は、1回の排水量が少量とされているため、排水の流動が乱流等により澱むと、排水ないし流動物の搬送効率が低下しやすいという問題があった。
また、節水型便器の場合は、排水の水勢により強い負圧が発生しやすく、そのために、封水が引き込まれて減少しやすい。この封水の減少は、封水を破るものでなければ便器の機能を低下させるものではないが、ユーザーに便器の品質又は機能上の不安を抱かせてしまうことがあるという問題があった。
また更に、近年の住宅は、天井を高くして居住空間を少しでも大きく確保する要望の高まりから、図1に示す床下空間7が狭小化されて行く傾向にあり、配管構造1において、直管部8を短くするとともに曲管部9の折曲角度を急にする必要が生じている。したがって、このような配管構造を採用した場合にも、曲管部の曲がり方向側の内周面に沿って流下する排水が、曲管部の底面部により衝突しやすく、上記問題が起こりやすかった。
そこで、従来より、これらの問題に対応するために諸種の配管構造が開発されており、例えば特許文献1においては、曲管部周辺の排水の流れを整えたり水膜を破壊したりする整流手段を設置する技術が開示されている(例えば下記特許文献1)。
特開2003−342984号公報
しかし、上記特許文献1の整流手段等の従来の配管構造は、水平方向の水流を鉛直下方に方向転換する場合において、水流を整える整流部材を設けたものであるため、鉛直方向の水流を水平方向に変更する場合の乱流の発生を十分に低減できる構造ではなかった。特に、節水型の便器に適用した場合、特許文献1の配管構造等では、勢いよく流下する少量の排水が曲管部の内壁に衝突して乱流及び滞留が生じるのを十分に回避できるものではなかった。なお、このような問題は、節水型の便器の配管構造以外の他の排水用の設備機器に配備される配管構造についても同様に生じ得るものであった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、狭い床下空間に設置した場合にも、高い排水機能ないし流動物の搬送性能が得られ、封水の減少を防止し得る配管ユニット、配管構造及び排水システムを提供することを課題とする。
本発明は、流路が上下方向に形成され、排水を流下させる直管部と、この直管部の下流側に接続され、前記排水の流路を前記上下方向から水平方向に変更させる曲管部とを備えた配管ユニットにおいて、前記直管部を流下する排水を受ける前記曲管部の内周面は、湾曲面をなす流路変更部とされ、この流路変更部の上方には、前記排水の鉛直下方への流下を規制し流れを方向付けする整流面を有する突条が螺旋状に設けられ、この螺旋状に延びる突条の終端又はこの終端から更に螺旋状に延びる仮想延長線は、前記流路変更部の湾曲面上に延びるように形成されており、前記直管部と前記曲管部とが接着剤により接続可能に構成されており、床下空間に配された横引管と、排水機能を備えた設備機器のトラップとの間に設けられていることを特徴とする。
このように構成することにより、流下する排水を突条の整流面に沿って流下させ、排水の流動方向を、湾曲面をなす流路変更部に方向転換することができる。したがって、排水を直管部又は曲管部の内周面及び流路変更部に沿って水勢を低下させずに円滑に流下させることができ、排水による乱流の発生を防止することができる。
また、本発明は、前記突条の少なくとも一部が、前記曲管部の曲がり方向側の内周面にかかるように形成されていることを特徴とする。
このように構成することにより、曲管部の曲がり方向側の内周面に沿って流下する排水を螺旋形状の突条の整流面で受け、流路変更部に方向転換することにより乱流及び滞留を発生させることなく排水を円滑に流下させることができる。
また、本発明は、前記突条又はその仮想延長線が、前記突条の始端から1ピッチ以内で前記湾曲面の上端縁を通る位置に形成されていることを特徴とする。
このように構成することにより、突条に沿って流下する排水を流路変更部に送る精度を高めることができる。また、配管ユニット全体をコンパクトに形成することができる。
また、本発明は、前記突条は、前記直管部の内周面に形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記直管部には、前記曲管部との接続の際に前記突条の位が所望の位置になるようにするための周方向位置決定部が外周面に設けられていることを特徴とする。
このように構成することにより、直管部の内周面に突条が形成されている場合に、周方向位置決定部によって、突条が確実に曲管部の曲がり方向側の内周面の上方に位置するように直管部と曲管部とを接続することができる。
また、本発明は、前記直管部と前記曲管部とが、接続継手を介して接続され、前記突条は、前記接続継手の内周面に形成されていることを特徴とする。
このように構成することにより、突条を有さない既存の直管部と曲管部とを、突条を有する接続継手を介して接続することにより、簡便に排水の乱流及び滞留を防止することのできる配管ユニットを形成することができる。
また、本発明は、前記接続継手には、前記曲管部との接続の際に前記突条の位が所望の位置になるようにするための周方向位置決定部が外周面に設けられていることを特徴とする。
このように構成することにより、周方向位置決定部によって、突条が確実に曲管部の曲がり方向側の内周面の上方に位置するように、接続継手と曲管部とを接続することができる。
また、本発明は、前記突条が、前記曲管部の内周面に形成されていることを特徴とする。
このように構成することにより、突条が予め曲管部の曲がり方向側の内周面に形成されているため、直管部と曲管部との位置決めを考慮することなく容易に接続することができる。
また、本発明は、配管構造において、上述したいずれかの配管ユニットと、前記曲管部の下流側に接続され排水を水平方向に導く横引管とを備えていることを特徴とする。
このように構成することにより、上記に示した作用機能を奏する配管構造とすることができる。
また、本発明は、排水システムにおいて、排水用の設備機器に設けられ排水流路を封水するトラップと、このトラップの排水口に接続された上述の配管構造とを備えていることを特徴とする。
このように構成することにより、上記に示した作用機能を奏する排水システムとすることができる。
本発明によれば、突条によって、排水の滞留を防止し、水勢を衰えさせることなく円滑に排水を流下させ、排水性能ないし流動物の搬送性能の低下を防止することができるという効果を奏する。
また、排水の乱流を防止することで、配管ユニット内を閉塞しないようにするため、配管ユニット内部に負圧が発生するのを防止することができることにより、封水の減少を防止することができるという効果を奏する。
特に、節水型便器又は狭い床下スペースに配管ユニットを設置した場合にも、高い排水機能ないし流動物の搬送性能が得られ、封水の減少を防止し得るという効果を奏する。
戸建住宅の排水システムを示す概略側面図である。 図1のような戸建住宅の排水システムを示す概略斜視図である。 集合住宅の排水システムを示す概略側面図である。 本発明の第一実施形態に係る配管ユニットの分解斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る配管ユニットの縦断面図である。 本発明の第一実施形態に係る配管ユニットの平面図である。 本発明の第一実施形態に係る配管ユニットの変形例示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は平面図である。 本発明の第一実施形態に係る配管ユニットの変形例示す図であり、(a)は分解斜視図、(b)は縦断面図である。 本発明の第一実施形態に係る配管ユニットの変形例示す図であり、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図、(c)は縦断面図である。 本発明の第二実施形態に係る配管ユニットを示すものであり、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。 本発明の第二実施形態に係る配管ユニットの変形例を示したものであり(a)は平面図、(b)は曲管部の縦断面図である。 本発明の第一実施形態に係る配管ユニットの直管部を示す図であり、(a)は直管部を示す斜視図、(b)は直管部の縦断面図である。 本発明の配管ユニットの一部の変形例を示した斜視図である。 本発明の配管ユニットの一部の変形例を示した斜視図である。 従来の配管構造を示した側面図である。 15を部分拡大して側方から見た縦断面図である。
以下、本発明の実施形態の配管ユニット、配管構造及び排水システムについて、図面を用いて詳細に説明する。図1〜図11は、本実施形態およびその変形例を示すものである。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態の配管ユニットA、配管ユニットAを用いた配管構造64及び排水システムSについて、これらが戸建住宅等のトイレの排水に適用された場合を例として、図面を用いて詳細に説明する。
図1、図2に示すように、トイレの排水システムSは、床材53上に設置された便器54(設備機器)と、床材53と基礎51との間の床下空間52に設置されたトイレ用の配管構造64とを備えて構成されている。
配管構造64は、便器54に取り付けられた不図示の接続ソケットに接続され、排水を流下させる配管ユニットAと、配管ユニットAに接続され、所定の排水勾配で水平方向へ延びる横引管10とを備えている。横引管10の下流側には排水ヘッダー70(図2参照)が接続され、更に基礎51の外部に設置された排水桝69(図1参照)に接続されている。
図4に示すように、配管ユニットAは、軸線21cを上下方向に向けて配置される直管部材(直管部)36と、直管部材36の下流側端部に接続されるエルボ(曲管部)35とを備えているとともに、直管部材36の内部に、該配管ユニットAの流路が排水22で塞がれることによって、塞がれた部分よりも上流側の空間に負圧がかかるのを防止するための閉塞防止機構24を備えている。
図5に示すように、エルボ35は、略90度の角度をなして配置される直管部材36と横引管10とを接続する管継手である。エルボ35の上流側端部(入口部)には直管部材36が内嵌接続され、下流側端部(出口部)34bには、所定の排水勾配を有して略水平方向へ延びる横引管(排水横管)10が内嵌接続されている。
エルボ35において、直管部材36から流下する排水22の流動方向に略対向して排水22を受ける内周面は、湾曲面とされ排水22の流路を変更させる流路変更部23とされている。
流路変更部23は、軸線23cに直交するとともに軸線21cを含む仮想平面Mを境にエルボ35の曲がり方向側の反対側23aが上方から下方に向かう湾曲面とされ、仮想平面Mを境に曲がり方向側23bが略平坦に形成されている。
エルボ35の上流側端部は、内周側が周方向に所定の厚さ寸法で凹んだ嵌合段部37aとされ、外周側が嵌合凸部37bとされている。
直管部材36は、射出成形法により成形された円筒形状の配管であり、その内周面が下方に向かって僅かに縮径するテーパ形状とされている。直管部材36の内周面には、閉塞防止機構24が形成されている。
閉塞防止機構24は、配管ユニットAを流れる排水22の流動を整えることによって配管ユニットAの部分的な閉塞を防止する整流部により構成されている。具体的には、整流部は、排水22の一部を受けてその鉛直下方への流下を規制するとともに所定の方向に導く整流面26pを有し、その軸線を軸線21cと共通にして直管部材36の内周面上に所定のピッチで螺旋状に設けられた螺旋羽根(突条)26で構成されている。
螺旋羽根26は、直管部材36と連結している基端縁26sが直管部材36の内周面に沿って、軸線21cを中心とする螺旋状に延びている。そして、螺旋羽根26は、図6(a)に示すように、内周面から所定の寸法で突出しており、始端26a及び終端26bの双方において両端に向かって突出寸法が漸次小とされた湾曲形状とされている。
螺旋羽根26の形成範囲は、図4,図6(a)に示すように、3分の1ピッチ〜2分の1ピッチとされている。直管部材36を軸線21c方向に視て、直管部材36の内孔の螺旋羽根26が形成された以外の部分は、排水を鉛直下方に流下させ得る通路27となっている。
通路27は、所定量の排水その他固形の流動物を確実かつ円滑に流下させることができるように流路が直線的に確保された領域であり、その領域の断面積が適宜定められている。なお、通路27の最小径寸法ないし最小断面積は、配管ユニットAの接続対象となる設備機器によって定められている。
例えば、トイレ用の配管ユニットAの通路27は、図1に示す便器54で1回に流せる排水の最大流量や、排水中に含まれる固形その他の流動物を円滑に排出し得る大きさなどを考慮して定められている。具体的には、内径が概ね70Φ〜80Φのトイレ用の配管ユニットAについては、通路27の最小径寸法は約55Φと規定されている。
したがって、螺旋羽根26の突出寸法26wは、直管部材36の内径から通路27の直径を引いた長さ以下に設定され、螺旋羽根26の端部が、通路27内へ突出しないように形成されている。
螺旋羽根26は、図4,図5に示すように、下流側へ向かって緩やかな傾斜で旋回するように配置されている。具体的には、螺旋羽根26の基端縁26sの延在方向の角度(以下「傾斜角度」という)が、水平方向に対して45度以下で下降するよう形成されているのが望ましく、10度〜30度で形成されているのがより好ましい。
3分の1から2分の1ピッチの螺旋羽根26を水平方向に対して45度よりも大きい傾斜角度で形成すると、螺旋羽根26を設けるための軸線21c方向の長さ寸法が大きくなって直管部材36の長さ寸法が大きくなり、配管ユニットA全体が図1,図3に示す狭小な床下空間52内に収まらなくなる。また、傾斜角度を水平方向に対して小さくしすぎると排水の流動方向を変更することが難しくなり、効率的に所望の方向、具体的には流路変更部23の湾曲面23a側へ案内し難くなる。
螺旋羽根26の傾斜角度を45度以下、より好ましくは10度〜30度の範囲で設定すると、直管部材36の長さ寸法を短くし、かつ、1ピッチ以内で螺旋羽根26が形成された内周面と対向する内周面側に排水を旋回させることがより確実に可能となる。
直管部材36における螺旋羽根26の軸線21c方向の形成位置は、直管部材36がエルボ35に接続された際に、螺旋羽根26の終端26b又は螺旋羽根26の仮想延長線が始端26aから流路変更部23の湾曲面23a上に1ピッチ以内で達する範囲とされ、排水22が湾曲面23aの上端縁25(すなわち、湾曲面23aが湾曲を開始する位置)近傍へ向かうように構成されている。
また、螺旋羽根26の整流面26pは、直管部材36の内周面に接している基端縁26sから突出方向先端縁26tに向かって下方に傾斜し、直管部材36の内周面に対して所定の突出角度31を形成して設けられている。この突出角度31は、およそ50度〜70度の範囲とするのが好ましい。より好ましい突出角度31は、55度〜65度である。
螺旋羽根26の突出角度31を50度よりも小さくした場合、排水22を螺旋羽根26の上面に沿わせて流動させることが難しくなり、突出角度31を70度よりも大きくすると、流下してくる排水22に与える抵抗が大きくなり過ぎるとともに、螺旋羽根26において排水が撥ねてしまい、また、粘性の高い固形物などが螺旋羽根26上に溜まる可能性が高くなる。
直管部材36の下流側端部は、外周側が周方向に所定の厚さ寸法連続して切り欠かれ、外周側を嵌合段部37cとし、内周側が嵌合凸部37dとされている。
この構成の下に、直管部材36とエルボ35とは、直管部材36の嵌合凸部37dをエルボ35の嵌合段部37aに内嵌させ、エルボ35の嵌合凸部37bを直管部材36の嵌合段部37cに外嵌させることにより接続できるようになっている。
次に、配管ユニットAの床下空間52への設置方法と配管ユニットAを用いて排水した際の作用機能について説明する。
上記の構成を有する直管部材36とエルボ部材35とを備えた配管ユニットAを床下空間52に設置するには、まず、図1に示す床材53に開けられた孔Hからエルボ35をその下流側端部から挿入し、横引管10に接続させるとともに、上流側端部を上方に向けた状態で接着固定しておく。
そして、図5に示すように、エルボ35の曲がり方向を確認し、直管部材36の周方向を螺旋羽根26が曲がり方向側に向くように直管部材36をエルボ35に嵌合させて固定する。この際、直管部材36の嵌合凸部37dの外周面に接着剤を塗布しておき、エルボ35と直管部材36とが堅固に固定されるようにする。
その上で、図15に示すような接続ソケット5を直管部材36に接続し、図2に示すように便器54の排口部が接続ソケット5に嵌合するように便器54を設置して配管構造64及びトイレの排水システムSの施工が完了する。
上記の排水システムSによって、便器54の排水をすると排水口から排水及びその他の流動物が接続ソケット5を介して直管部材36内に排出される。この際、接続ソケット5は、便器54の前方(便器54に向かって手前側)に偏芯されているため、排水は偏芯方向、すなわち、図5に示すように、エルボ35を、仮想平面Mを境として曲がり方向側の内周面21bに偏って流下する。したがって、仮に排水22がそのまま鉛直下方に流下した場合には、エルボ35の水平方向の流路を塞いでしまうとともに、略平坦になったエルボ35の底面23bで排水が跳ねたり逆流したりして、エルボ35内において乱流又は滞留を発生させてしまう。
しかし、配管ユニットAは、直管部材36の曲がり方向側の内周面21bに螺旋羽根26を備えている。したがって、曲がり方向側の内周面21b側に沿って流下した排水22を、螺旋羽根26の整流面26pで受け、この整流面26pの形状に沿った流れとなるように流路を変更させる。そのため、排水22は、螺旋羽根26の整流面26pの形状に従って直管部材36の内周面に沿って流路を変更し旋回を開始する。
そして、螺旋羽根26は、その終端26b又は仮想延長線が、図4に示す始端26aから略1ピッチ以内で湾曲面23aに到達する傾斜角度及び軸線21c方向の高さ位置に配置されている。したがって、この整流面26pの形状に従って流下する排水22も、軸線21cを中心に1回転するまでにエルボ35の湾曲面23aに達し、この湾曲面23aに沿って円滑に横引管10に導かれる。すなわち、排水22は、螺旋羽根26によって軸線21cを中心に旋回する水流となって、軸線21cを中心とする空気芯を形成する。そして、排水22は、流下する方向に対向し、排水を衝突させ跳ねや逆流を生じさせ得る平坦な底面23bに直接流下することを回避して、湾曲面23a上に流れ、その後円滑に横引管10の略底面側を流れ、乱流や滞留を生じさせることなく排水される。
以上のように、配管ユニットAによれば、直管部材36がエルボ35の曲がり方向側の内周面21bに、終端26b又は仮想延長線が流路変更部23の湾曲面23a上に延びる螺旋羽根26を有しているため、曲がり方向側の内周面21b側を流下する排水22を螺旋羽根26の整流面26pの形状に従った流路に変更させ湾曲面23aに円滑に導くとともに、排水22を軸線21cを中心に旋回させて空気芯を形成させることができる。
したがって、エルボ35内で排水22の乱流又は滞留が発生することを回避して、排水22を円滑かつ高速で流下させ、排水22及び流動物の搬送機能を高めることができるという効果を奏する。
また、配管ユニットAによれば、排水22を旋回させて流下させた後、水平方向に流動させる際には、エルボ35及び横引管10の底面側に排水22を流動させることができるため、旋回の中心に空気芯を形成するとともに、この空気芯が横引管10内上方の空洞に連通する。したがって、配管ユニットAの上流側の不図示のトラップ内又は配管ユニットA内が密閉されて負圧状態を発生させることを防止することができる。そして、負圧が発生することによってトラップ内の封水量を減少させて、封水22を追加する必要が生ずる事態を回避することができるという効果が得られる。
また、直管部材36に排水22の流れを整える螺旋羽根26を備えることにより、直管部材36の曲がり方向側の内周面21bに沿って流れてきた排水22を、無理なく湾曲面23aへ導くことができるため、曲率半径が可及的に小さいエルボ35を用いることができ、床下空間52深さ寸法を可及的に圧縮することができるという効果が得られる。
また、螺旋羽根26が、排水22の流れを螺旋羽根26の始端26aからエルボ35の湾曲面23aの上端縁25に1ピッチ以内で達するように設置されているため、排水22の流れを湾曲面23aの上部へ向け高精度に案内させることができる。
また、閉塞防止機構24の整流部としての螺旋羽根26が、直管部材36の内周面21bに対し、突出角度31が形成されるよう傾斜させて設けられている。したがって、曲がり方向側の内周面21bに沿って流れてきた排水22を湾曲面23aへ向けて方向転換させる際に、螺旋羽根26が排水22に与える抵抗を少なくして騒音の発生を抑制することができるとともに、螺旋羽根26と直管部材36との接続部に排水22や排水22に含まれる固形物が滞留するのを防止することができるという効果が得られる。
また、エルボ35と直管部材36とを別部材として構成したため、エルボ35および直管部材36のそれぞれの形状を単純化することができる。したがって、生産性を向上することができるとともに、製造コストを下げることができる。なお、既設配管に対して、エルボ35および直管部材36を取り付けることで、既設配管の性能向上を容易に図ることができるという効果が得られる。
なお、上記実施形態において、エルボ35の上流側端部と直管部材36の下流側端部との接続部37は、互いに嵌合可能な構成とされているが、直管部材36とエルボ35との接続部37は、図7(a)に示すように、接続部37の一方の内周部に、他方の内周面に対して嵌合可能な差込用の嵌合凸部37cを設けるとともに、同一方の外周部を嵌合段部37eとして構成されたものであってもよい。
この場合、直管部材36の嵌合凸部37cは、内部を流下する排水22の抵抗損失が生じるのを抑えるように、内方に湾曲するように僅かに膨出部した形状とし、膨出厚さが配管用部材34の肉厚の2倍程度以下とするとよい。
また、螺旋羽根26の形状は、図7(b)に示すように、その先端縁が一定の曲率で湾曲する突出形状とされていてもよい。
また螺旋羽根26は、板状に形成されているが、排水22を受けて湾曲面23aに向けて流下させる整流面26pを有するものであれば、下方に肉を有した突条に形成されたものであってもよく、又は、図12(a),(b)に示すように、直管部材36の周壁部又はエルボ35の曲がり方向の周壁部を内孔に向けて窪ませて形成されたものであってもよい。
また、配管ユニットAは、図8(a),(b)に示すように、エルボ35の上流側端部に、接続部37として直管部材36の下流側端部を収容可能な受口部38が形成され、エルボ35と直管部材36との外径寸法が異なるように構成されていてもよい。
なお、直管部材36は、ほぼ水平方向へ延びるものであってもよく、エルボ35は、排水22の流れをほぼ水平面内で方向転換するものであっても上記と略同様の作用機能及び効果が得られる。
また、螺旋羽根26は、直管部材36に代えて、エルボ35の曲がり方向の内周面に上記実施形態の螺旋羽根26と同様に設けられたものであってもよい。
更には、図13に示すように、図4等に示す配管ユニットAは、図4に示す直管部材36とエルボ35との間にこれらを連結させる円筒状の接続継手100が介装されたものであって、螺旋羽根26が直管部材36に設けられる代わりに、この接続継手100の内周面100aに螺旋羽根26が設けられたものであってもよい。
図13に示す接続継手100は、螺旋羽根26を有しない既存の直管部材等の他の配管を内嵌接続させる受け口101を一方に備えた片受け継手であり、下端部102がエルボ35(図4等参照)等の受け口に内嵌接続されるようになっている。接続継手100は、床材若しくは床下構造又はエルボ35の端部の構造によっては、図示しないが両端が受け口101とされていてもよい。
また、接続継手100は、図14に示すように、両端100p,100pが直管部材及びエルボ35(図4等参照)に内嵌される継手であってもよい。
このような接続継手100を備えることにより、螺旋羽根26を有さない既存の直管部材36とエルボ35とを、螺旋羽根26を有する接続継手100を介して接続することにより、簡便に排水の乱流及び滞留を防止することのできる配管ユニットAを形成することができる。
なお、上記実施形態においては、エルボ35の曲がり方向(ないしは横引管10の配置方向)が、便器3に接続された接続ソケット5の偏芯方向と同方向(いわゆる前振り)に設置された場合を例として示したが、配管ユニットAが上記した作用機能及び効果を奏するのは上記の設置の場合に限られるものではない。すなわち、配管ユニットAは、エルボ35の曲がり方向がどのような方向に配置された場合であっても、エルボ35の曲がり方向側を流下する排水の流れを、エルボ35の内周面に沿って湾曲面23aに変更することができるように螺旋羽根26が設置されている限り、上記した作用機能及び効果を奏し得る。
また、螺旋羽根26は、図6(a)に示すように、エルボ35の曲がり方向側に位置するように直管部材36がエルボ35と接続されているが、この形成位置に限られるものではない。すなわち、螺旋羽根26は、図6(b)において例えば26X又は26Yのいずれか示すように、直管部材36を平面視して仮想平面Mを境にエルボ35の曲がり方向側の内周面21bにかかるよう形成されたものであれば、上記実施形態の場合と同様の作用機能及び効果を奏し得る。
また、直管部材36の上流側に設けられる設備機器が、図1に示すように洗面台55、浴槽56、キッチン流台57、および洗濯機58のいずれかであり、直管部材36およびエルボ35が、洗面用配管65、風呂用配管66、台所用配管67、および洗濯機用配管68に採用されている場合であっても、上記と同様の作用効果を得ることができる。
また、戸建住宅における排水システムSのみならず図3に示すマンション等の集合住宅の排水システムSにも有効に適用することができる。なお、図3において図1に示す戸建住宅と同様の構成について同一の符号を付している。
次に、上記第一実施形態の変形例について説明する。本実施形態において他の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、その構成、作用機能及び効果についての説明は省略する。
本変形例の配管ユニットA2は、図9(a)〜(c)に示すように、直管部材36iに螺旋羽根26が形成される羽根形成部32と、羽根形成部32の上方に長さ調整部41とが設けられ、施工現場で長さ調整部41を適宜切断して直管部材36を長さ調整をすることができるようになっている。
また、配管ユニットA2は、直管部材36iの嵌合凸部37dの外周面に軸線21cに平行に延びる周方向位置決め凸条42aを有し、エルボ35の嵌合凸部37bの内周面に周方向位置決め凸条42aを嵌入させる周方向位置決め凹条42bが形成されている。これらの周方向位置決め凸条42aと周方向位置決め凹条42bとは、周方向位置決め部42を構成している。
周方向位置決め凸条42aと周方向位置決め凹条42bとは、エルボ35に直管部材36iを接続させた際に螺旋羽根26がエルボ35の曲がり方向側の内周面21bに位置するように形成されている。
上記のように、直管部材36iとエルボ35とに周方向位置決め凸条42aと周方向位置決め凹条42bとをそれぞれ形成することにより、現場での配管ユニットA2の施工作業において螺旋羽根26の向きを誤ることなく、施工に慣れていない者であっても簡単かつ適切に施工させることができるという効果が得られる。また、その結果、配管ユニットA2によって整流効果を確実に発揮させることができるという効果が得られる。
また、直管部材36iのように長さ調整部41が設けられている場合には、施工時に螺旋羽根26の位置が確認し難かったり、直管部材36iが若干長尺に形成されていることから位置合わせを行い難かったりすることがある。しかし、配管ユニットA2によれば、周方向位置決め凸条42aと周方向位置決め凹条42bにより容易に位置合わせができるとともに、これらが直管部材36iの挿入方向をガイドする機能も果たし得るため、配管ユニットA2の施工において特に有利な効果が得られる。
なお、周方向位置決め凸条42aはエルボ35に設けられ、周方向位置決め凹条42bは直管部材36iに設けられていてもよく、更には、周方向位置決め凸条42a及び周方向位置決め凹条42bの双方が直管部材36iとエルボ35とにそれぞれ設けられ、互いに嵌合関係を形成して適切に位置決めが図られたものであってもよい。また、周方向位置決定部42は、周方向に1箇所形成されているが、2箇所以上に形成されていてもよい。
また更には、周方向位置決定部42は、周方向位置決凹凸条42a、42bに代えて、直管部材36iの外周面とエルボ35との双方又は直管部材36iのみにインク等で記された表示であってもよい。
なお、上述した図13,図14に示す接続継手100に螺旋羽根26が形成された例においても、上記したものと同様に、エルボ35との周方向の位置を決める周方向位置決定部42が形成されているとよい。
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態において他の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、その構成、作用機能及び効果についての説明は省略する。
図10(a),(b)に示すように、本実施形態の配管ユニットBは、第一実施形態で示された直管部材36と、偏芯二重管88と、エルボ35とを備え、直管部材36に設けられた螺旋羽根26と、偏芯二重管88に形成された空気取込部88aとを閉塞防止機構24としている。
偏芯二重管88は、直管部材36を内嵌自在な円筒形状の排水用内管部87と、排水用内管部87の外周壁の一部に内周壁を当接させて偏芯配置され、排水用内管部87よりも大径に形成された通気用外管部86とを備え、排水用内管部87と通気用外管部86との間に空気取込部88aを形成している。
エルボ35は、その上流側端部の内径が通気用外管部86の外径と略同径の大径口部85を備え、大径口部85に通気用外管部86の出口部(下流側端部)に嵌合させて接続可能となっている。
通気用外管部86は、直管部材36よりも5%〜20%程度直径が大きく形成されている。ここで、5%以上としたのは、これよりも小さくなると、充分な(負圧発生防止)効果が得られなくなることによる。また、20%以下としたのは、これよりも大きくなると、エルボ35を構成するエルボ35自体が大きくなり過ぎて設置上の問題を生じる可能性があることによる。本実施形態では、通気用外管部86の直径を、直管部材36の直径よりも10%程度大きなものとしている。
また、エルボ35の上流側端部を大径口部85とすることにより、口径を拡大した分だけ湾曲面23aは、より大きく滑らかな湾曲面の湾曲面23aを有する構成にすることができる。
以上の構成の下に、直管部材36は、偏芯二重管88の排水用内管部87に内嵌されて接着固定され、偏芯二重管88は、エルボ35の大径口部85に内嵌されて接着固定され、直管部材36、偏芯二重管88及びエルボ35が接続されて配管ユニットBとなっている。そして、配管ユニットBに、閉塞防止機構24として螺旋羽根26と空気取込部88aとが設けられた構成とされている。
なお、空気取込部88aは、上下端部をそのまま開放状態にしておいてもよいが、空気取込部88aから外部へ排水22の漏れや飛散りを防止するために、例えば、上下端部の少なくとも不図示の蓋部材で閉塞するとともに、この蓋部材に適宜、通気孔などを単数または多数設けるように構成してもよい。なお、蓋部材は、偏芯二重管88と一体に成形してもよく、偏芯二重管88とは別体に構成してもよい。
以上の構成を備えた配管ユニットBは、直管部材36の螺旋羽根26によって、第一実施形態で示した効果を奏させることができるとともに、空気取込部88aによってエルボ35の内部と配管ユニットBの外部とを連通させることにより、配管ユニットB内を排水が流下した際に配管ユニットB内において乱流、滞留及び負圧が生じることをより効果的に防止することが可能となる。
その結果、配管ユニットBの排水性能を維持することが可能となるとともに、負圧により生じる封水の減少を防止して、ユーザーがトイレの機能に徒に不安を抱かせないようにすることができるという効果が得られる。
次に、第二実施形態の変形例について図11(a)、(b)を用いて説明する。本変形例において上述した第二実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、その構成、作用機能及び効果についての説明は省略する。
本変形例の配管ユニットCは、空気取込部88aの一部に上方に突出する接続口88bを配備するとともに、接続口88bの先端に更に外部空気取込管89を接続させ、空気取込部88aを上方に延設させたものである。
以上の構成を備えた配管ユニットBの変形例である配管ユニットCについても、上述した配管ユニットBと同様の作用機能を奏することができ、配管ユニットC内を排水が流下した際に配管ユニットC内において乱流、滞留及び負圧が生じることをより効果的に防止することが可能となる。
その結果、配管ユニットCの排水性能を維持することが可能となるとともに、負圧により生じる封水の減少を防止して、ユーザーがトイレの機能に徒に不安を抱かせないようにすることができるという効果が得られる。
なお、第二実施形態及びその変形例で示した偏芯二重管88は、直管部材36の下流側端部(出口部)又はエルボ35の大径口部85のいずれかに一体成形されたものであってもよい。
また、建物などにおいては、上記した設備機器は、通常、複数設けられるとともに、各設備機器に対してそれぞれ配管ユニットA又は配管ユニットBが接続されるが、そのうちの少なくとも1つ以上の配管ユニットA又は配管ユニットBに対して、少なくとも1つ以上の閉塞防止機構24が設置されている。
そして、閉塞防止機構24が設置された配管ユニットAにおいては、各配管ユニットAによって設置される閉塞防止機構24を異ならせるように構成してもよい。つまり、設備機器の種類や配管ユニットAの設置場所および設置状況などに応じて最適な閉塞防止機構24を選択して使い分けることができ、建物の排水システムSを、全体として、より最適なものにすることができる。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、上述した実施形態及びその変形例は本発明の例示に過ぎないものであるため、本発明は上述した実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、例えば、上述した各実施形態及び変形例に示した各構成は、適宜組み合わせて適用した場合にも上記した作用機能及び効果を奏することができる。
以下、本発明の実施例を示す。
<設備機器>
設備機器として、節水便器を用い、前記節水便器の排水口に偏芯量43mmのGG用接続ソケットを流路が便器の前方側に偏芯するように接続させた。
<配管構造>
配管ユニットとして、傾斜角度30度で直管部材の内周面の略半周に亘って形成された螺旋羽根を具備した、呼び径75mmの直管部材と、曲率半径が65mmの球面状の流路変更部を備えた第1エルボとを接続させた。この際、直管部材とエルボとを接続させた際に、螺旋羽根がエルボの曲がり方向側の内周面の上方に位置するようにした。また、直管部材として、エルボと接続した際に、螺旋羽根の終端又はその仮想延長線がエルボの湾曲面の上端に1ピッチ以内で達する位置関係になるよう螺旋羽根が設けられたものを使用した。
配管ユニットの上流側端部は、便器の接続ソケットに接続し、下流側端部は、呼び径が75mmで長さが約1mの直管を水平方向に配設し、更にこの直管の下流側に第2エルボを接続させて流路を水平方向に折曲させた上で、呼び径75mm,長さ寸法17mの横引管に接続させた。なお、横引管の配管勾配は、100分の1とした。
<擬似流動物>
1回の排水で流下させる擬似流動物として便器に20φ,長さ85mmのPVAスポンジと、JISP4501 長さ760mmを丸めたものを用いた。
[1]擬似流動物の搬送距離
本実施例においては、まず、本発明の配管ユニットによる擬似流動物の搬送距離を測定し、従来の配管ユニットによる擬似流動物の搬送距離と比較した。
[実施例1]
エルボの曲がり方向を便器の前方側(Front)、すなわち便器に接続された接続ソケット偏芯方向と同方向とし、擬似流動物を便器に挿入し、排水をした。
[実施例2]
エルボの曲がり方向を便器の右側(Right)、すなわち接続ソケット偏芯方向に対し約90度回転させた方向とし、擬似流動物を便器に挿入し、排水をした。
[実施例3]
エルボの曲がり方向を便器の後方側(Back)、すなわち乱流又は滞留が最も起こり難い接続ソケット偏芯方向の反対方向とし、擬似流動物を便器に挿入し、排水をした。
[実施例4]
エルボの曲がり方向を便器の左(Left)すなわち接続ソケット偏芯方向に対し約270度回転させた方向とし、擬似流動物を便器に挿入し、排水をした。
[比較例1]
螺旋羽根を有さない直管部材を用いたこと以外は、実施例1と同様の構成とした。
[比較例2]
螺旋羽根を有さない直管部材を用いたこと以外は、実施例2と同様の構成とした。
[比較例3]
螺旋羽根を有さない直管部材を用いたこと以外は、実施例3と同様の構成とした。
[比較例4]
螺旋羽根を有さない直管部材を用いたこと以外は、実施例4と同様の構成とした。
(測定方法)
各実施例1〜4及び比較例1〜4の構成で、1回の排水で擬似流動物が搬送された距離を5回ずつ測定し、最大値と最小値を除く3回の搬送距離を測定するとともに、3回の平均値を算出した。なお、「擬似流動物が搬送された距離」は、エルボの下流側端部から最上流に位置する擬似流動物までの距離とした。また、表中、「L」は第2エルボが右方向に折曲した場合を示しており、「R」は第2エルボが左方向に折曲した場合を示している。
(結果)
実施例1〜4及び比較例1〜4の搬送距離は、表1,2のとおりである。すなわち、実施例1〜4の場合、比較例1〜4の場合に比べていずれの平均値も大きくなり、擬似流動物が遠くまで確実に搬送されることを確認できた。
(結果)
実施例1〜4及び比較例1〜4の搬送距離は、表1,2のとおりである。すなわち、実施例1〜4の場合、比較例1〜4の場合に比べていずれの平均値も大きくなり、擬似流動物が遠くまで確実に搬送されることを確認できた。
Figure 0006204678
(単位はメートル)
Figure 0006204678
(単位はメートル)
[2]負圧発生及び封水の減少量
次に、上記と同様の設備機器及び配管構造を用い、実施例1及び比較例1のそれぞれの条件で、設備機器内の排水を流下させた際の負圧の発生状況及び封水の減少量を測定し、比較した。
実施例1及び比較例1の各状態で、測定された負圧値及び封水の減少量、すなわち減少した封水の高さ寸法は、以下の表3のとおりである。
また更に、上述の配管構造のエルボの曲率半径のみを87mmに変更し、それ以外は実施例1及び比較例1と同条件で、設備機器内の排水を流下させた際の負圧の発生状況及び封水の減少量を測定し、比較した。
実施例1及び比較例1の各状態で、測定された負圧値及び封水の減少量、すなわち減少した封水の高さ寸法は、以下の表4のとおりである。
Figure 0006204678
Figure 0006204678
(結果)
上記表3及び表4に示すように、比較例1に示す従来の配管ユニットによれば、配管ユニットのエルボの曲率半径が65mm及び87mmのいずれの場合であっても平均−457.9Pa又は−485.4Paという大きな負圧を生じ、封水の高さが平均32.7mm又は33mmに減少した。
これに対し、本発明の羽根が設けられた実施例1の配管ユニットによれば、配管ユニットのエルボの曲率半径が65mm及び87mmのいずれの場合であっても負圧値が大幅に抑制され、負圧の低減により封水の減少が生じないことが確認された。
22 排水
23 流路変更部
23a 湾曲面
24 閉塞防止機構
26 螺旋羽根(突条)
35 エルボ(曲管部)
36 直管部材(直管部)
64 トイレ用配管(配管ユニット)
65 洗面用配管(配管ユニット)
66 風呂用配管(配管ユニット)
67 台所用配管(配管ユニット)
68 洗濯機用配管(配管ユニット)
86 通気用外管部
87 排水用内管部
88 偏芯二重管
88a 空気取込部
A,B,C 配管ユニット

Claims (10)

  1. 流路が上下方向に形成され、排水を流下させる直管部と、この直管部の下流側に接続され、前記排水の流路を前記上下方向から水平方向に変更させる曲管部とを備えた配管ユニットにおいて、
    前記直管部を流下する排水を受ける前記曲管部の内周面は、湾曲面をなす流路変更部とされ、
    この流路変更部の上方には、前記排水の鉛直下方への流下を規制し流れを方向付けする整流面を有する突条が螺旋状に設けられ、
    この螺旋状に延びる突条の終端又はこの終端から更に螺旋状に延びる仮想延長線は、前記流路変更部の湾曲面上に延びるように形成されており、
    前記直管部と前記曲管部とが接着剤により接続可能に構成されており、
    床下空間に配された横引管と、排水機能を備えた設備機器のトラップとの間に設けられていることを特徴とする配管ユニット。
  2. 前記突条の少なくとも一部は、前記曲管部の曲がり方向側の内周面にかかるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の配管ユニット。
  3. 前記突条又はその仮想延長線が、前記突条の始端から1ピッチ以内で前記湾曲面の上端縁を通る位置に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の配管ユニット。
  4. 前記突条は、前記直管部の内周面に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の配管ユニット。
  5. 前記直管部には、前記曲管部との接続の際に前記突条の位置が所望の位置になるようにするための周方向位置決定部が外周面に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の配管ユニット。
  6. 前記直管部と前記曲管部とは、接続継手を介して接続され、
    前記突条は、前記接続継手の内周面に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の配管ユニット。
  7. 前記接続継手には、前記曲管部との接続の際に前記突条の位置が所望の位置になるようにするための周方向位置決定部が外周面に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の配管ユニット。
  8. 前記突条は、前記曲管部の内周面に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の配管ユニット。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の配管ユニットと、前記曲管部の下流側に接続され排水を水平方向に導く横引管とを備えていることを特徴とする配管構造。
  10. 排水用の設備機器に設けられ排水流路を封水するトラップと、
    このトラップの排水口に接続された請求項9に記載の配管構造とを備えていることを特徴とする排水システム。
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