JP6956944B2 - 水洗大便器 - Google Patents

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Description

本発明は、水洗大便器に係わり、特に、洗浄水により洗浄され汚物を排出する水洗大便器に関する。
従来から、特許文献1に示すように、水洗大便器の便器本体の排水路と床下排水管を接続する排水ソケットが知られている。このような排水ソケットは、便器本体の排水路の出口部に接続される便器本体側接続管部材と、床下排水管の入口部と接続される床下側接続管部材と、便器本体側接続管部材と床下側接続管部材を接続するほぼ直線状に延びる中間管部材と、を有している。
このような排水ソケットを備えた水洗大便器において、便器洗浄が開始され、ボウル部内の汚物が便器本体から排出されるとき、まず、ボウル部に貯留された一部の洗浄水が、汚物に先行する先行洗浄水として、排水路から排水ソケットに流入し、建物配管に流れる。その後、主に汚物の後続側を流れて汚物を搬送する洗浄水の搬送流が、排水ソケットに流入し、汚物とともに建物配管に流れる。
特開2011−179187号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような水洗大便器において、節水化の要請により一回の便器洗浄に使用する洗浄水の水量を低減することが要請されている。このとき、汚物の後続側を流れて汚物を搬送する搬送流の水量も減少することとなる。このような搬送流の水量の減少により、汚物を横方向に延びる管路内において搬送できる距離が短くなる等、汚物を搬送する搬送性能が低下するという問題が生じる。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、節水化の要請により便器を洗浄する洗浄水量が低減された場合であっても、汚物を押し流す搬送流の水量を増加させることができ、汚物を搬送する搬送性能を向上させることができる水洗大便器を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、洗浄水により洗浄され汚物を排出する水洗大便器であって、汚物を受けるボウル部と、このボウル部の下部から延びる排水トラップ管路と、上記ボウル部及び上記排水トラップ管路を側方から覆うように設けられたスカート部とを備えた便器本体と、上記排水トラップ管路と連通し且つ上記汚物を下流側の建物配管に排出させる排水管路とを有し、上記排水管路が、上記排水トラップ管路の下流側に接続される上流側排水管路部と、上記上流側排水管路部の下流側に設けられる分流部と、上記分流部の下流側に設けられる下流側排水管路部と、上記分流部から分岐された遅延流路とを備え、上記スカート部の内側の領域は、平面視にて、上記排水トラップ管路の入口と出口とを結ぶ方向と直交する方向の上記排水トラップ管路の幅より中央側の領域として上記排水トラップ管路の入口と出口とを結ぶ方向に延びる中央領域と、上記中央領域の側方側の側方領域とを含み、上記遅延流路は、上記側方領域に流路を形成し、汚物より先行して上記分流部から流入された洗浄水を、流入されたときよりも後に上記分流部に到達する洗浄水の流れに合流させ、上記遅延流路は、上記分流部と接続する接続部と、上記接続部から上記側方領域側に延びる拡張流路と、を備え、上記接続部は、上記分流部から流入した洗浄水の流れ方向を側方側の上記側方領域側流路に向けて変更させる屈曲流路を形成していることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、洗浄時に、分流部が、汚物より先行する流速の低い洗浄水の少なくとも一部を遅延流路に流入させ、遅延流路が、遅延流路の洗浄水をこの洗浄水が流入されたときよりも後のタイミングで分流部に到達する汚物を押し流す搬送流に合流させる。このとき、遅延流路が、排水トラップ管路とスカート部との間の側方領域に流路を形成するため、遅延流路を側方領域側の比較的広い領域に拡げ、遅延流路の底面積を増加させることができ、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路へ流入させやすくすることができる。従って、本発明によれば、節水化により洗浄水量が低減された場合であっても、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路から汚物を押し流す搬送流に合流させることができ、汚物の搬送流の水量を増加させることができ、汚物を搬送する搬送性能を向上させることができる。
なお、仮に遅延流路が側方領域内に形成されず、中央領域内のみに形成され、底面積が側方側に増加できない場合には、遅延流路の上下方向の内部空間を大きくするように形成して内部を流れる洗浄水量を増加させることが考えられる。しかしながら、遅延流路に流入する洗浄水の流速が低い場合には、水位が上昇することができず、内部を流れる洗浄水量が増加できない。よって、本発明によれば、遅延流路を側方領域に形成し、側方領域において底面積を増加させることにより、流入する洗浄水の流速によらず、より確実に内部を流れる洗浄水量を増加させることができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路から汚物を押し流す搬送流に合流させることができる。
このように構成された本発明においては、接続部が分流部から流入した洗浄水の流れ方向を側方領域側に向けて変更させることにより、汚物より先行する洗浄水が拡張流路を流れる流速を低減させ、拡張流路を流れる時間を増加させることができる。これにより、汚物より先行して遅延流路に流入した洗浄水が、汚物の搬送流が分流部に到達する前に分流部に流出することを抑制することができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路から汚物を押し流す搬送流により確実に合流させることができる。
本発明において、好ましくは、上記拡張流路は、上記中央領域の側方のうち一方側及び他方側の上記側方領域に設けられる。
このように構成された本発明においては、中央領域の側方のうち一方側及び他方側の側方領域に設けられる拡張流路により、遅延流路を側方領域側のより広い領域に拡げ、遅延流路の底面積をより増加させることができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路へ流入させやすくすることができる。
本発明において、好ましくは、上記拡張流路は、上記排水トラップ管路の入口と出口とを結ぶ方向に沿った方向に延びる。
このように構成された本発明においては、拡張流路が排水トラップ管路の入口と出口とを結ぶ方向に沿った方向に延びているので、遅延流路を側方領域側のより広い領域に拡げ、遅延流路の底面積をより増加させることができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路へ流入させやすくすることができる。
本発明において、好ましくは、上記拡張流路は、側面視で、上記排水トラップ管路と一部が重なる位置まで延びる。
このように構成された本発明においては、拡張流路が側面視で、排水トラップ管路と一部が重なる位置まで延びているので、遅延流路を側方領域側のより広い領域に拡げ、遅延流路の底面積をより増加させることができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路へ流入させやすくすることができる。
本発明において、好ましくは、上記排水管路の上記分流部は、上下方向に延びる縦流路を形成し、上記遅延流路の上記接続部は、上記分流部の上記縦流路のうち上記排水トラップ管路の上昇管路側に接続される。
このように構成された本発明においては、洗浄時に、汚物を搬送する流速の高い搬送流が排水トラップ管路の上昇管路から分流部の縦流路に流入する際に、このような搬送流は、比較的強い水勢により、縦流路の側壁のうち排水トラップ管路の上昇管路側と反対側の側壁側を流下する。一方、洗浄時に、汚物より先行する流速の低い洗浄水は、比較的弱い水勢により、縦流路の側壁のうち排水トラップ管路の上昇管路側を流下する。よって、本発明によれば、汚物を搬送する流速の高い洗浄水を遅延流路に流入しにくくすることができるとともに、洗浄開始時に汚物に先行して流れる流速の低い洗浄水をより確実に選択して遅延流路に流入させることができる。
本発明において、好ましくは、上記遅延流路は上記接続部とは別となる出口部を備え、上記遅延流路は、上記接続部から流入された洗浄水を、流入されたときよりも後に上記分流部に到達する洗浄水の流れに上記出口部から合流させる。
このように構成された本発明においては、遅延流路の出口部が接続部と共通となる場合に比べて、洗浄水が接続部に戻って流出する必要がないので、拡張流路において洗浄水の流れが止まった状態が比較的長く続くことを抑制することができる。このように、拡張流路において洗浄水の流れが止まった状態が比較的長く続くことにより、汚物の搬送流に合流できないほど遅れる事態が生じることを抑制することができる。従って、本発明によれば、節水化により便器を洗浄する洗浄水量が低減された場合であっても、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路から汚物を押し流す搬送流に合流させることができ、汚物の搬送流の水量を増加させることができ、汚物を搬送する搬送性能を向上させることができる。また、本発明によれば、拡張流路において洗浄水の流れが止まることにより洗浄水中の浮遊汚物が沈み、拡張流路に残留することを抑制することができる。
本発明において、好ましくは、上記遅延流路は、上記接続部とは別となる出口部を備え、上記遅延流路は、上記接続部から流入された洗浄水を、流入されたときよりも後に上記分流部に到達する洗浄水の流れに上記出口部から合流させ、上記拡張流路は、上記一方側の側方領域に設けられる第1拡張流路と、上記他方側の側方領域に設けられる第2拡張流路とを備え、上記出口部は、上記第1拡張流路の出口を形成する第1出口部と、第2拡張流路の出口を形成する第2出口部とを備え、上記接続部から上記第1出口部に至る上記第1拡張流路と、上記接続部から上記第2出口部に至る上記第2拡張流路と、が独立して形成される。
このように構成された本発明においては、接続部から第1出口部に至る第1拡張流路と、接続部から第2出口部に至る第2拡張流路と、が独立して形成される。これにより、本発明によれば、第1拡張流路内の洗浄水の流れと第2拡張流路内の洗浄水の流れが合流することにより流れが乱れることを抑制することができ、洗浄水の流れが止まった状態が比較的長く続くことを抑制することができる。
本発明において、好ましくは、上記排水管路は、上記便器本体とは別体の樹脂部材である。
このように構成された本発明においては、排水管路は、便器本体とは別体の樹脂部材であるので、例えば排水管路が陶器製である場合と比べて、製造誤差を小さくすることができ、遅延流路を側方領域により確実に設けることができる。
本発明において、好ましくは、上記拡張流路は、上記側方領域にのみ設けられる。
このように構成された本発明においては、拡張流路は、側方領域にのみ設けられる。側方領域においては、拡張流路の配置について、排水トラップ管路の形状、及び排水管路に接続される建物配管の入口位置に応じた制約を受けにくくなる。従って、本発明によれば、拡張流路を、様々な排水トラップ管路の形状、及び建物配管の入口位置に対応する水洗大便器に適用することができる。
本発明において、好ましくは、上記下流側排水管路部は、上記建物配管の位置まで横方向に延びる横方向流路を備え、上記接続部及び上記遅延流路の出口部は、上記下流側排水管路部の上記横方向流路より上流側の上記分流部に向けて開口されている。
このように構成された本発明においては、接続部及び遅延流路の出口部は、下流側排水管路部の横方向流路より上流側の分流部に向けて開口されているので、遅延流路の長さを変更することなく建物配管の入口位置に応じて横方向流路の長さのみを変更することにより、様々な建物配管の入口位置に対応することができる。
本発明の水洗大便器によれば、節水化の要請により洗浄水量が低減された場合であっても、汚物を押し流す搬送流の水量を増加させることができ、汚物を搬送する搬送性能を向上させることができる。
本発明の第1実施形態による水洗大便器の鉛直方向断面図において、汚物より先行する先行洗浄水が汚物の先行側を流れる様子を示す図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器の鉛直方向断面図において、汚物を押し流すように作用する搬送流が汚物の後続側を流れる様子を示す図である。 図1AのII−II線に沿った断面図である。 図1Aに示す本発明の第1実施形態による水洗大便器において、排水ソケットの分流部近傍を部分的に切断して内部構造を示す拡大斜視図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器の排水ソケットの上面図である。 図4のV−V線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器の排水ソケットを図5のVI−VI線に沿って切った断面図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器において、第1変形例の遅延流路を備えた排水ソケットを示す上面図である。 図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器において、第1変形例の遅延流路を備えた排水ソケットを図8のIX−IX線に沿って切った断面図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器において、第2変形例の遅延流路を備えた排水ソケットの内部構造を水平断面により示す断面図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器が第3変形例の排水ソケットを一体に形成している構造を示す断面図である。 本発明の第2実施形態による水洗大便器において、排水ソケットの内部流路を示している側面図である。 図12のXIII−XIII線に沿った断面図である。 図12のXIV−XIV線に沿った断面図である。 本発明の第3実施形態による水洗大便器の断面図である。 本発明の第3実施形態による水洗大便器において、排水ソケットの内部構造を中央断面により示す断面斜視図である。 図15のXVII−XVII線に沿った断面図である。 本発明の各実施形態の水洗大便器の排水ソケットの分流部及び遅延流路を適用することができる水洗大便器として、床向きに開口する排水トラップ管路と、壁面から延びる建物配管とを接続する排水ソケットを備えた水洗大便器を示す断面図である。 本発明の各実施形態の水洗大便器の排水ソケットの分流部及び遅延流路を適用することができる水洗大便器として、壁向きに開口する排水トラップ管路と、壁面から延びる建物配管とを接続する排水ソケットを備えた水洗大便器を示す断面図である。 本発明の各実施形態の水洗大便器の排水ソケットの分流部及び遅延流路を適用することができる水洗大便器として、壁向きに開口する排水トラップ管路と、床面から延びる建物配管とを接続する排水ソケットを備えた水洗大便器を示す断面図である。
以下、添付図面により、本発明の第1実施形態による水洗大便器を説明する。
まず、図1及び図2により本発明の第1実施形態による水洗大便器を説明する。図1Aは本発明の第1実施形態による水洗大便器の鉛直方向断面図において、汚物より先行する先行洗浄水が汚物の先行側を流れる様子を示す図であり、図2は図1AのII−II線に沿った断面図である。
図1Aに示すように、水洗大便器1は、便器本体2を備え、この便器本体2の上部の前方側には、ボウル部4が形成され、後方側の上部には導水路6が形成され、導水路6及びボウル部4の下方には、ボウル部4の下部から延びる排水トラップ管路8が形成されている。ボウル部4は、ボウル形状に形成され、汚物を受けるようになっている。水洗大便器1は、例えば、3.8リットル乃至6リットルの洗浄水で洗浄する、節水型の洗い落とし式の水洗大便器である。
本実施形態の水洗大便器1は、本発明を床置き式の洗い落とし式水洗大便器に適用した例であるが、本発明はこれ以外の、例えば、壁掛け式の水洗大便器や、サイホン作用が発生するサイホン式の水洗大便器に適用することもできる。
以下、本発明の実施形態において、図1Aにおける上側を前方、下側を後方とし、便器本体2を前方から見て右側を右側とし、前方から見て左側を左側とする。
便器本体2のボウル部4の上縁部内側にはオーバーハング形状のリム10が形成され、さらに、このリム10の一部には、導水路6から供給される洗浄水を吐水するリム吐水口12が形成され、リム吐水口12から吐水された洗浄水は、旋回しながら下降してボウル部4を洗浄するようになっている。
ボウル部4の下方には、一点鎖線で溜水面W0が示された溜水部14が形成されている。排水トラップ管路8は、ボウル部4の下部と接続する入口管路8aと、入口管路8aから斜め後方上方に延びる上昇管路8bと、上昇管路8bから下降する下降管路8cとを備えている。ボウル部4及び排水トラップ管路8は陶器製であり、便器本体2と一体成形される。入口管路8aは排水トラップ管路8の入口8fを形成している。
さらに、便器本体2の導水路6の上方には、便器本体2に供給する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置18が設けられている。この洗浄水タンク装置18は、洗浄水を貯水する洗浄水タンク20を備え、この洗浄水タンク20の底部には、便器本体2の導水路6と連通して洗浄水タンク20内の洗浄水を排水する排水口20aが形成されている。
図2に示すように、便器本体2は、さらに、ボウル部4及び排水トラップ管路8を側方から覆うように設けられたスカート部9を備えている。スカート部9は、便器本体2の外周の全周にわたって形成される外壁面である。スカート部9は、便器本体2の上端から床面Fまで形成されている。よって、スカート部9は、ボウル部4、排水トラップ管路8及び排水ソケット16の外側を覆っている。
スカート部9の内側の領域は、平面視にて、排水トラップ管路8の左右方向(排水トラップ管路8の入口8fと出口8dとを結ぶ方向と直交する方向)の幅より中央側の領域として前後方向(排水トラップ管路8の入口8fと出口8dとを結ぶ方向)に延びる中央領域Dと、中央領域Dの便器本体側方側の側方領域Eとを含む。中央領域Dは、スカート部9の内側において、排水トラップ管路8程度の幅で下部から上部まで延びる直方体状の空間領域である。中央領域Dは、平面視にて、点線G1と点線G2と前部及び後部のスカート部9とで囲まれた領域である。側方領域Eは、スカート部9の内側において、中央領域Dの右側及び左側においてそれぞれ下部から上部まで延びる空間領域である。側方領域Eは、平面視にて、点線G1と点線G1の外側のスカート部9とで囲まれた領域及び点線G2と点線G2の外側のスカート部9とで囲まれた領域である。
つぎに、図3乃至図6により、本実施形態の水洗大便器1の排水ソケット16の構成について詳細に説明する。図3は図1Aに示す本発明の第1実施形態による水洗大便器において、排水ソケットの分流部近傍を部分的に切断して内部構造を示す拡大斜視図、図4は本発明の第1実施形態による水洗大便器の排水ソケットの上面図、図5は図4のV−V線に沿った断面図、図6は本発明の第1実施形態による水洗大便器の排水ソケットを図5のVI−VI線に沿って切った断面図である。
水洗大便器1は、さらに、排水トラップ管路8と連通し且つ汚物を下流側の建物配管22に排出させる排水管路である排水ソケット16を有している。
排水ソケット16は、概ね上流側から下流側の順に、上流側排水管路部24、分流部26、遅延流路28及び、下流側排水管路部30を備えている。排水ソケット16は、便器本体2とは別体の樹脂部材である。
上流側排水管路部24は、その上流側端部において排水トラップ管路8の下降管路8cの出口8dに接続され、この出口8dとほぼ平行且つ鉛直方向下方に延びる。上流側排水管路部24は、下降管路8cの出口8dの外側上方からこの出口8dの近傍の下方まで延びている。
下流側排水管路部30は、分流部26の下流側に設けられる。下流側排水管路部30は、建物配管22の位置まで横方向に直線状に延びる横方向流路を形成する。下流側排水管路部30の下流側端部は、便器本体2が配置されている床Fの下方に配置される建物配管22に接続されている。
分流部26は、上流側排水管路部24の下流側に設けられる。分流部26は、上流側排水管路部24と接続され、さらに下流側排水管路部30と接続される。分流部26は、上流側排水管路部24と下流側排水管路部30との間の鉛直方向に延びる直線状の流路である。図5において、分流部26を点線により示している。分流部26は、排水トラップ管路8から供給される流速の比較的低い洗浄水の少なくとも一部を自身に沿わせて遅延流路28内に導くガイド部32を備える。分流部26は、さらに、ガイド部32の内側において分流部26の上端から下端まで上下方向に延びる縦流路34を備える。図5において、縦流路34を一点鎖線により示している。
分流部26のガイド部32は、縦流路34を形成する側壁34aから排水トラップ管路8の上昇管路8b側に形成されると共に、分流部26の縦流路34と遅延流路28との間に形成されている。ガイド部32は、縦流路34の前側に配置される。ガイド部32は、その上端から斜め下方に延びるように垂れ下がり、その下端が遅延流路28内に向かうように広がって形成されている。ガイド部32は、鉛直線Zに対して鋭角の角度α1を形成する。角度α1は、5度〜60度の範囲、より好ましくは5度〜45度の範囲、より好ましくは30度に形成されている。ガイド部32の下端と遅延流路28の底面50との間には、流入開口が形成される。
図4に示すように、ガイド部32は、縦流路34を形成する側壁34aから排水トラップ管路8の上昇管路8b側に形成され、且つ縦流路34内においてその上昇管路8bと反対側の側壁側にガイド部32の一端と他端との間の切欠部として切欠部36を形成する。ガイド部32は、縦流路34の側壁34aの全周のうち概ね半周部分に形成されている。図4において、切欠部36は、概略的に仮想線により示されている。切欠部36の領域においては、ガイド部32は形成されていないので、汚物を搬送する流速の高い洗浄水がガイド部32に衝突することが抑制され、比較的強い水勢を維持したまま、縦流路34の側壁34aのうち切欠部36の領域を流下する。
図3及び図5に示すように、分流部26のガイド部32と側壁34aとの接続部分38は滑らかに湾曲した湾曲面を形成している。分流部26の側壁34aには、ガイド部32の上端までほぼ鉛直方向に延びる誘導面34bが形成されている。排水トラップ管路8の出口8dの側面8eが、排水ソケット16の分流部26の誘導面34bとほぼ面一に形成されている(図1A参照)。
図6に示すように、遅延流路28は、分流部26から分岐された流路を形成する。遅延流路28は、側方領域Eにおいて流路を形成している。遅延流路28は、汚物より先行して分流部26から流入された洗浄水を、流入されたときよりも後に分流部26に到達する洗浄水の流れに合流させるようになっている。遅延流路28は、ガイド部32の横方向に配置される。遅延流路28は、便器本体2の前後方向中心軸線に対して左右対称に形成されている。
遅延流路28は、分流部26と接続する接続部46と、接続部46から側方領域E側に延びる拡張流路48と、を備えている。
接続部46は、分流部26の上昇管路8b側に接続される。接続部46は、ガイド部32に沿って流入した洗浄水を受け入れる入口40を備え、この入口40は、接続部46内に流入した洗浄水を流出させる出口44としても機能する。さらに、接続部46は、入口40から流入した洗浄水を出口44から流出するまで内部で流し一時的に滞在させる貯留室としても機能する。接続部46の入口40は、ガイド部32の下方且つ外側に位置している。入口40は、分流部26の上昇管路8b側の半周程度を含むような開口を形成している。遅延流路28は、入口40と出口44とを共通とし洗浄水が遅延流路28内で流れながら一時的に滞在する貯留タイプの遅延流路である。さらに、接続部46は、分流部26から流入した洗浄水の流れ方向を側方側の側方領域E側に向けて変更させる屈曲流路を形成している。接続部46は、屈曲流路を形成しているので、内部を流れる洗浄水の流速を減速させる。接続部46は、洗浄水を内部に流すことにより、この洗浄水が排水ソケット16を流れるタイミングを当初よりも遅延させることができる。このような構造により、遅延流路28は、分流部26のガイド部32によって流入された洗浄水を、流入されたときよりも後に分流部26に到達する洗浄水の流れに遅延して合流させる。
拡張流路48は、中央領域Dの側方のうち一方側及び他方側の側方領域Eに設けられている。拡張流路48は、中央領域Dの側方のうち一方側又は他方側の側方領域Eにのみ設けられていてもよい。本実施形態において拡張流路48は側方領域E内にのみ設けられているが、拡張流路48は中央領域D及び側方領域E内に設けられていてもよい。拡張流路48は、排水トラップ管路8の入口8fと出口8dとを結ぶ方向に沿った方向、すなわち便器本体2の前後方向に延びる。拡張流路48は、側面視で、排水トラップ管路8の下降管路8cの下方の位置から排水トラップ管路8と一部が重なる位置まで延びている。拡張流路48は、遅延流路28を側方領域E内において拡張している。拡張流路48は、遅延流路28を側方領域E内のより広い領域に拡げ、遅延流路28の底面積をより増加させている。拡張流路48が遅延流路28の底面積を増加させることにより、流入する洗浄水の流速が低い場合でも、洗浄水が遅延流路28の広い領域にわたって流入しやすく、遅延流路28の底面積が狭い場合と比べて、より多くの洗浄水を遅延流路へ流入させやすくすることができる。よって、遅延流路28を側方領域Eに形成し、側方領域Eにおいて底面積を増加させることにより、流入する洗浄水の流速によらず、より確実にこの遅延流路内部を流れる洗浄水量を増加させることができる。拡張流路48は、洗浄水を一時的に滞在させることができる貯留室としても機能する。拡張流路48は、接続部46から流入した洗浄水が拡張流路48内を接続部46に向けて折り返すように流れるため、流入した洗浄水の流速を減速させるようになっている。
さらに、図5及び図6に示すように、遅延流路28の底面50は、分流部26のガイド部32の下方且つガイド部32と対向している位置まで、分流部26内に突出するように形成される。遅延流路28の底面50の端部50aが、上面視において、縦流路34の外縁より外側に位置している。遅延流路28の底面50は、接続部46及び拡張流路48において入口40に向かってわずかに傾斜して形成される。よって、流入する洗浄水の流速を減速させるとともに遅延流路28内の残水を入口40に向かって排水することができる。
つぎに、図1A、図1B及び図6を参照し、本発明の第1実施形態による水洗大便器の動作(作用)を説明する。
図1A、図1B及び図6を参照して、本発明の第1実施形態による水洗大便器において便器洗浄による排水が行われているときの状態を説明する。なお、図1A、図1B及び図6において、汚物Cより先行する流速の比較的低い先行洗浄水の流れを矢印A(A0〜A6)、主に汚物Cの後続側を流れて汚物を押し流す搬送流の流れを矢印B(B0〜B4)で示している。ここで「汚物Cの先行側」は汚物Cの流れる流路上で、汚物Cよりも先行している前側をいう。「汚物Cの後続側」は汚物Cの流れる流路上で、汚物Cに続く後側をいう。
図1A、図1B及び図6に示すように、使用者が水洗大便器1を使用後、洗浄水タンク装置18の洗浄水タンク20の排水口20aが開放され、この排水口20aから洗浄水が便器本体2の導水路6に排水される。そして、この導水路6内の洗浄水が水洗大便器1のリム吐水口12から溜水部14内に吐水され、便器本体2の洗浄が行われる。溜水部14内の汚物Cを含む洗浄水は、導水路6から溜水部14への洗浄水の落差による流水作用により、排水トラップ管路8の入口管路8aから上昇管路8b及び下降管路8cに押し流され、排水トラップ管路8の出口8dへと送られる。
先ず、汚物の流れより先行して流速の比較的低い洗浄水が流れる様子を説明する。
図1Aに示すように、便器洗浄開始時において、矢印A0に示すように、汚物Cより先行して流速の比較的低い先行洗浄水Aが汚物Cの先行側を流れる。汚物Cの先行側を流れる先行洗浄水Aは、洗浄水量も比較的小さい。
図1Aに示すように、便器洗浄開始時において、先行洗浄水Aが上昇管路8bから下降管路8c側に徐々に流出する。流速の比較的低い先行洗浄水Aは、水勢が弱く、矢印A1に示すように、下降管路8cの上昇管路8b側の側面8eに沿って流下する。さらに、先行洗浄水Aは、側面8eから分流部26の誘導面34bに沿って滑らかに流下し、矢印A2に示すように、誘導面34bからガイド部32に沿って遅延流路28に向かって導かれる。先行洗浄水Aは、コアンダ効果によりガイド部32に引き寄せられ、流れの方向がガイド部32の延びる向きに偏向される。このように、先行洗浄水Aの少なくとも一部は、矢印A3に示すように、遅延流路28の接続部46の入口40に流入する。接続部46内に流入した先行洗浄水Aは、図9の矢印A4に示すように、接続部46から拡張流路48に向かって流れる。先行洗浄水Aは、接続部46において流れの向きが偏向されるので流速が流入時の流速よりも速度が低下する。先行洗浄水Aは、接続部46及び拡張流路48内を流れることにより、主流路である縦流路34を流れる洗浄水の流れに対して遅延される。先行洗浄水Aは、接続部46及び拡張流路48内で一時的に滞留されるように緩やかに流れ、主流に戻る。洗浄開始から時間が経過し接続部46の入口40に流入する洗浄水が少なくなる又はなくなると、接続部46及び拡張流路48内の先行洗浄水Aは、図1Bの矢印A5に示すように、出口44に向かって流れ、出口44から縦流路34に向かって流出する。
なお、ここでいう「コアンダ効果」とは、噴流が固体壁に沿って曲げられる現象であり、水道の蛇口に指を近づけると水流が指のほうに曲げられる現象もコアンダ効果によるものであるとする。
次に、汚物を押し流す搬送流について説明する。
図1Aに示すように、便器洗浄開始時において、導水路6から溜水部14への洗浄水の落差による流水作用により、汚物を強力に押し流す搬送流Bが形成される。
矢印B0に示すように、汚物Cを押し流すように作用する搬送流Bは汚物Cの周囲且つ主に汚物Cの後続側を流れる。搬送流Bは主に汚物Cの後続側を流れる背負い水を形成する。このような搬送流Bは、流速が比較的高く、且つ洗浄水量も比較的大きい。搬送流Bは、汚物Cを主に後続側から押し流すように作用する。本発明の発明者は、搬送流Bの汚物Cを押し流す力及び搬送流Bの運動エネルギーは、この搬送流Bの水量を増加させることにより、より向上させることができることを見出した。
図1Bに示すように、汚物C及び搬送流Bは比較的高い流速を有しているので、汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B1に示すように、下降管路8cのうち上昇管路8bと反対側の側壁側に沿って流下する。汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B2に示すように、縦流路34の側壁34aのうち上昇管路8bと反対側の側壁側の切欠部36を通過する。さらに、汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B3に示すように、主流路である縦流路34内を流下し、遅延流路28の底面に衝突されること及び遅延流路28に流入されることが抑制されている。
流速の比較的低い先行洗浄水Aは、流れてくる先行洗浄水Aの流量のうち比較的多くの割合の洗浄水がガイド部32に沿って遅延流路28に導かれる。これに対し、流速が比較的高い搬送流Bは、矢印B1’に示すように、流れてくる搬送流Bの流量のうち比較的少ない割合の洗浄水がガイド部32に沿って遅延流路28に導かれる。よって、先行洗浄水Aのうちガイド部32に沿って遅延流路28に導かれる先行洗浄水Aの割合は、搬送流Bのうちガイド部32に沿って遅延流路28に導かれる搬送流Bの割合よりも大きくなっている。なお、搬送流Bのうちガイド部32に沿って遅延流路28に導かれる搬送流Bの割合は、0%以上の割合となっている。
出口44から縦流路34に流出する先行洗浄水Aは、矢印A6に示すように、搬送流Bに合流される。上述のように遅延流路28内に流入した先行洗浄水Aが、出口44から縦流路34に向かって流出するまでには、遅延流路28内を流れている所定時間が経過している。よって、先行洗浄水Aは、先行洗浄水Aが遅延流路28に流入されたときよりも後の所定時間経過後のタイミングで分流部26の縦流路34に到達する搬送流Bに合流される。よって、遅延流路28に流入した先行洗浄水Aの一部は、搬送流Bに転換される。
これにより、汚物Cの搬送への寄与が少ない先行洗浄水Aを搬送流Bに追加し、矢印B4に示すように、汚物Cの搬送流Bの水量を増加させることができ、汚物Cを搬送する搬送性能を向上させることができる。矢印B4は、先行洗浄水Aが搬送流Bに合流し、洗浄水の流量及び体積がともに増加された搬送流Bを示している。
汚物C及び搬送流Bは、下流側排水管路部30内を下流側に向かって流れ、建物配管22内に排水される。
次に、図7〜図9を参照し、排水ソケット16の遅延流路28の第1変形例について説明する。
この変形例に関し、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し説明は省略する。上述した第1実施形態においては、排水ソケット16の遅延流路28は、入口40と出口44とを共通とし洗浄水を遅延流路28内に一時的に滞在させる貯留タイプの遅延流路である。
しかしながら、第1実施形態においては、変形例として、上述した遅延流路28に代えて、入口40と出口44とを別個に配置し洗浄水の迂回流路を形成する迂回流路タイプの遅延流路128を適用してもよい。
排水ソケット16は、概ね上流側から下流側の順に、上流側排水管路部24、分流部26、遅延流路128及び、下流側排水管路部130を備えている。
下流側排水管路部130は、分流部26の下流側に設けられる。下流側排水管路部130は、建物配管22の位置まで横方向に直線状に延びる横方向流路を形成する。下流側排水管路部130の下流側端部は、便器本体2が配置されている床Fの下方に配置される建物配管22に接続されている。下流側排水管路部130は、その下流側部分の上部において出口144から流下する洗浄水を受け入れる開口を形成している。
図7乃至図9に示すように、遅延流路128は、分流部26から分岐された流路を形成する。遅延流路128は、側方領域Eにおいて流路を形成している。遅延流路128は、汚物より先行して分流部26から流入された洗浄水を、流入されたときよりも後に分流部26に到達する洗浄水の流れに合流させるようになっている。遅延流路128は、ガイド部32の前側の横方向に配置される。遅延流路128は、便器本体2の前後方向の中心軸線に対して左右対称に形成されている。
遅延流路128は、分流部26と接続する接続部146と、接続部146から側方領域E側に延びる拡張流路148と、を備えている。
接続部146は、分流部26の排水トラップ管路8の上昇管路8b側に接続される。接続部146は、ガイド部32に沿って流入した洗浄水を受け入れる入口40を備えている。さらに、接続部146は、入口40から流入した洗浄水を出口144から流出するまで内部で流し一時的に滞在させる貯留室としても機能する。遅延流路128は、さらに、接続部146の入口40とは別となり且つ遅延流路128内に流入した洗浄水を流出させる出口144を備えている。出口144は、拡張流路148の出口を形成している。よって、遅延流路128の接続部146と拡張流路148とは入口40から出口144に至る迂回流路を形成している。
接続部146は、流入した洗浄水の流れ方向を側方側の側方領域E側に向けて変更させる屈曲流路を形成している。接続部146は、屈曲流路を形成しているので、内部を流れる洗浄水の流速を減速させる。接続部146は、洗浄水を内部に流すことにより、この洗浄水が排水ソケット16を流れるタイミングを当初よりも遅延させることができる。
拡張流路148は、中央領域Dの側方のうち一方側の側方領域Eに設けられる第1拡張流路148aと、他方側の側方領域Eに設けられる第2拡張流路148bとを備えている。このように、拡張流路148は、中央領域Dの側方のうち一方側及び他方側の側方領域Eに設けられている。拡張流路148は、中央領域Dの側方のうち一方側又は他方側の側方領域Eのみに設けられていてもよい。本実施形態において拡張流路148は側方領域E内にのみ設けられているが、拡張流路48は中央領域D及び側方領域E内に設けられていてもよい。拡張流路148は、排水トラップ管路8に沿った方向、すなわち便器本体2の前後方向に延びる。拡張流路148は、側面視で、排水トラップ管路8の下降管路8cの下方の位置から排水トラップ管路8と一部が重なる位置まで延びている。拡張流路148は、遅延流路28を側方領域E内において拡張している。拡張流路148は、遅延流路28を側方領域E内のより広い領域に拡げ、遅延流路128の底面積をより増加させている。拡張流路148が遅延流路128の底面積を増加させることにより、流入する洗浄水の流速が低い場合でも、洗浄水が遅延流路128の広い領域にわたって流入しやすく、遅延流路128の底面積が狭い場合と比べて、より多くの洗浄水を遅延流路へ流入させやすくすることができる。よって、遅延流路128を側方領域Eに形成し、側方領域Eにおいて底面積を増加させることにより、流入する洗浄水の流速によらず、より確実にこの遅延流路内部を流れる洗浄水量を増加させることができる。拡張流路148は、洗浄水を一時的に滞在させることができる貯留室としても機能する。拡張流路148は、接続部146から流入した洗浄水が拡張流路48内を鉛直方向に対して横向きに流れる中で、流入した洗浄水の流速を減速させるようになっている。
遅延流路28の底面50は、接続部46及び拡張流路48において出口144に向かってわずかに傾斜して形成される。よって、流入する洗浄水の流速を適度に減速させるとともに残水を出口144に向かって排水することができる。
出口144は、入口40とは別となる出口部として異なる位置に形成されている。出口144は、拡張流路148の下流端に形成されている。出口144は、第1拡張流路148aの出口を形成する第1出口144aと、第2拡張流路148bの出口を形成する第2出口144bとを備えている。出口144は、下流側排水管路部130の上方且つ建物配管22の上方に形成される。出口144は、下方向きに開口され、洗浄水を下方の下流側排水管路部130及び建物配管22内に流下させるようになっている。よって、遅延流路128は、入口40と出口144とを別個に形成し、洗浄水の迂回流路を形成する迂回流路タイプの遅延流路である。このような構造により、遅延流路128は、分流部26のガイド部32に沿って流入された洗浄水を、下流側排水管路部130から、流入されたときよりも後に分流部26に到達する洗浄水の流れに合流させる。なお、接続部46から第1出口144aに至る第1拡張流路148aと、接続部46から第2出口144bに至る第2拡張流路148bと、が独立して形成される。
つぎに、図1A、図1B、図7〜図9を参照し、本発明の第1実施形態による水洗大便器における遅延流路の第1変形例に関係する動作(作用)を説明する。
図1A、図1B、図8及び図9を参照して、本発明の第1実施形態の第1変形例による水洗大便器において便器洗浄による排水が行われているときの状態を説明する。なお、図1A、図1B、図8及び図9において、汚物Cより先行する流速の比較的低い先行洗浄水の流れを矢印A(A0〜A4、A7及びA8)、汚物Cを含み且つ主に汚物Cの後続側を流れて汚物を押し流す搬送流の流れを矢印B(B0〜B3、B5及びB6)で示している。この変形例の動作に関しても、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し説明は省略する。
先ず、汚物の流れより先行して流速の比較的低い洗浄水が流れる様子を説明する。
図1Aに示すように、便器洗浄開始時において、矢印A0に示すように、汚物Cより先行して流速の比較的低い先行洗浄水Aが汚物の先行側を流れる。
図1Aに示すように、便器洗浄開始時において、先行洗浄水Aが上昇管路8bから下降管路8c側に徐々に流出する。流速の比較的低い先行洗浄水Aは、水勢が弱く、矢印A1に示すように、下降管路8cの上昇管路8b側の側面8eに沿って流下する。さらに、先行洗浄水Aは、側面8eから分流部26の誘導面34bに沿って滑らかに流下し、矢印A2に示すように、誘導面34bからガイド部32に沿って遅延流路128に向かって導かれる。先行洗浄水Aは、コアンダ効果によりガイド部32に引き寄せられ、流れの方向がガイド部32の延びる向きに偏向される。図9に示すように、先行洗浄水Aの少なくとも一部は、矢印A3に示すように、遅延流路128の入口40に流入する。接続部146内に流入した先行洗浄水Aは、矢印A4に示すように、接続部146から拡張流路148に向かって流れる。先行洗浄水Aは、接続部46において流れの向きが偏向されるので流速が流入時の流速よりも低下される。
接続部146及び拡張流路148は迂回流路を形成しているので、先行洗浄水Aは、拡張流路148を流れ、矢印A7に示すように、拡張流路148の出口144に向かって流れる。先行洗浄水Aは、接続部146及び拡張流路148内を流れることにより、主流路である縦流路34を流れる洗浄水の流れに対して遅延される。先行洗浄水Aは、図8において矢印A8に示すように、出口144から下方向きに流下し、下流側排水管路部130及び建物配管22内に流下する。
次に、汚物を押し流す搬送流について説明する。
図1A及び図1Bにおいて、矢印B0に示すように、汚物Cを押し流すように作用する搬送流Bは汚物Cの周囲及び主に汚物Cの後続側を流れる。汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B1に示すように、下降管路8cの上昇管路8bと反対側の側壁側に沿って流下する。汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B2に示すように、縦流路34の側壁34aの切欠部36を通過する。さらに、汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B3に示すように、縦流路34内を流下し、遅延流路128の底面50に衝突されること及び遅延流路128に流入されることが抑制される。
図8に示すように、汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B5に示すように、下流側排水管路部130内を流れる。下流側排水管路部130の下流側部分において、出口144から流下する先行洗浄水Aが、矢印A8に示すように、汚物C及び搬送流Bの主流に合流される。上述のように遅延流路128内に流入した先行洗浄水Aは、出口144から下流側排水管路部130に向かって流出するまでに、接続部146及び拡張流路148の所定距離の迂回流路を通過し、所定時間が経過する。さらに、迂回流路を通過する先行洗浄水Aは流速が比較的低く、後から流れてくる搬送流Bは流速が比較的高い。よって、遅延流路128に流入された先行洗浄水Aは、先行洗浄水Aが流入されたときよりも後の所定時間経過後の遅延されたタイミングで分流部26の縦流路34に到達している搬送流Bに、下流側排水管路部130の下流側部分の位置において合流される。よって、遅延流路128に流入した先行洗浄水Aの一部は、搬送流Bに転換される。これにより、汚物Cの搬送への寄与が少ない先行洗浄水Aを搬送流Bに追加し、矢印B6に示すように、汚物Cの搬送流Bの水量を増加させることができ、汚物Cを搬送する搬送性能を向上させることができる。矢印B6は、先行洗浄水Aが搬送流Bに合流し、洗浄水の流量及び体積がともに増加された搬送流Bを示している。
汚物C及び搬送流Bは、下流側排水管路部30内をさらに下流側に向かって流れ、建物配管22内に排水される。
次に、図10を参照して、排水ソケット16の遅延流路28の第2変形例について説明する。この変形例に関し、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し説明は省略する。上述した第1実施形態においては、排水ソケット16の遅延流路28は、入口40と出口44とを共通とし洗浄水を遅延流路28内に一時的に滞在させる貯留タイプの遅延流路である。
しかしながら、第1実施形態においては、変形例として、上述した遅延流路28に代えて、入口40と出口44とを別個に配置し洗浄水の迂回流路を形成する迂回流路タイプの遅延流路228を適用してもよい。
排水ソケット16は、概ね上流側から下流側の順に、上流側排水管路部24、分流部26、遅延流路228及び、下流側排水管路部30を備えている。
図10に示すように、遅延流路228は、分流部26から分岐された流路を形成する。遅延流路228は、側方領域Eにおいて流路を形成している。遅延流路228は、汚物より先行して分流部26から流入された洗浄水を、流入されたときよりも後に分流部26に到達する洗浄水の流れに合流させるようになっている。遅延流路228は、ガイド部32の前側の横方向に配置される。遅延流路228は、便器本体2の前後方向の中心軸線に対して左右対称に形成されている。
遅延流路228は、分流部26と接続する接続部246と、接続部246から側方領域E側に延びる拡張流路248と、を備えている。
接続部246は、分流部26の上昇管路8b側に接続される。接続部246は、ガイド部32に沿って流入した洗浄水を受け入れる入口40を備えている。さらに、接続部246は、入口40から流入した洗浄水を出口244から流出するまで内部で流し一時的に滞在させる貯留室としても機能する。遅延流路228は、さらに、接続部246とは別となり且つ遅延流路228内に流入した洗浄水を流出させる出口244を備えている。出口244は、拡張流路248の出口を形成している。よって、遅延流路128の接続部146と拡張流路148とは入口40から出口144に至る迂回流路を形成している。
接続部246は、分流部26から流入した洗浄水の流れ方向を側方側の側方領域E側に向けて変更させる屈曲流路を形成している。接続部246は、屈曲流路を形成しているので、内部を流れる洗浄水の流速を減速させる。接続部246は、洗浄水を接続部246内を流すことにより、この洗浄水が排水ソケット16を流れるタイミングを当初よりも遅延させることができる。
拡張流路248は、中央領域Dの側方のうち一方側の側方領域Eに設けられる第1拡張流路248aと、他方側の側方領域Eに設けられる第2拡張流路248bとを備えている。このように、拡張流路248は、中央領域Dの側方のうち一方側及び他方側の側方領域Eのみに設けられている。拡張流路248は、中央領域Dの側方のうち一方側又は他方側の側方領域Eに設けられていてもよい。本実施形態において拡張流路248は側方領域E内にのみ設けられているが、拡張流路248は中央領域D及び側方領域E内に設けられていてもよい。拡張流路248は、排水トラップ管路8に沿った方向、すなわち便器本体2の前後方向に延びる。拡張流路248は、接続部246から便器本体2の前方に向かって一旦延びた後、外側にUターンして後方に向かって延び、分流部26の側方まで延びる。拡張流路248は、側面視で、排水トラップ管路8の下降管路8cの下方の位置から排水トラップ管路8と一部が重なる位置まで延びている。拡張流路248は、遅延流路228を側方領域E内において拡張している。拡張流路248は、遅延流路228を側方領域E内のより広い領域に拡げ、遅延流路228の底面積をより増加させている。拡張流路248が遅延流路228の底面積を増加させることにより、流入する洗浄水の流速が低い場合でも、洗浄水が遅延流路228の広い領域にわたって流入しやすく、遅延流路228の底面積が狭い場合と比べて、より多くの洗浄水を遅延流路へ流入させやすくすることができる。よって、遅延流路228を側方領域Eに形成し、側方領域Eにおいて底面積を増加させることにより、流入する洗浄水の流速によらず、より確実にこの遅延流路内部を流れる洗浄水量を増加させることができる。拡張流路248は、洗浄水を一時的に滞在させることができる貯留室としても機能する。拡張流路248は、接続部246から流入した洗浄水が拡張流路248内を比較的長い距離にわたって横向きに流れる中で、流入した洗浄水の流速を減速させるようになっている。
遅延流路228の底面50は、接続部246及び拡張流路248において出口244に向かってわずかに傾斜して形成される。よって、流入する洗浄水の流速を減速させるとともに残水を出口244に向かって排水することができる。
出口244は、入口40とは別となる出口部として入口40とは異なる位置に形成されている。出口244は、拡張流路248の下流端に形成されている。出口244は、第1拡張流路248aの出口を形成する第1出口244aと、第2拡張流路248bの出口を形成する第2出口244bとを備えている。出口244は、分流部26の縦流路34の側壁に開口するように形成されている。よって、出口244は、下流側排水管路部30の横方向流路より上流側の分流部26に向けて開口される。出口244は、洗浄水を分流部26の縦流路34内に流出させるようになっている。出口244は、縦流路34の側方側且つ入口40よりも後方側に形成される。さらに、出口244は、上面視において、縦流路34の上昇管路8bと反対側の端部と、ガイド部32の上昇管路8bと反対側の両端部と、の間に位置する。このように、出口244は、縦流路34の外周上において入口40と並び且つ区別して配置される。遅延流路228は、入口40と出口244とを別個に形成し、貯留室242内に洗浄水の迂回流路を形成する迂回流路タイプの遅延流路である。このような構造により、遅延流路228は、分流部26のガイド部32に沿って流入された洗浄水を、流入されたときよりも後に分流部26に到達する洗浄水の流れに合流させる。なお、接続部246から第1出口244aに至る第1拡張流路248aと、接続部246から第2出口244bに至る第2拡張流路248bと、が独立して形成される。
つぎに、図1A、図1B及び図10を参照し、本発明の第1実施形態による水洗大便器における遅延流路の第2変形例に関係する動作(作用)を説明する。
図1A、図1B及び図10を参照して、本発明の第1実施形態による水洗大便器において便器洗浄による排水が行われているときの状態を説明する。なお、図1A、図1B及び図10において、汚物Cより先行する流速の比較的低い先行洗浄水の流れを矢印A(A0〜A4、A9及びA10)、汚物Cを含み且つ主に汚物Cの後続側を流れて汚物を押し流す搬送流の流れを矢印B(B0〜B4)で示している。この変形例の動作に関しても、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し説明は省略する。
先ず、汚物の流れより先行して流速の比較的低い洗浄水が流れる様子を説明する。
図1Aに示すように、流速の比較的低い先行洗浄水Aは、水勢が弱く、矢印A1に示すように、下降管路8cの上昇管路8b側の側面8eに沿って流下する。さらに、先行洗浄水Aは、側面8eから分流部26の誘導面34bに沿って滑らかに流下し、矢印A2に示すように、誘導面34bからガイド部32に沿って遅延流路228に向かって導かれる。図10に示すように、先行洗浄水Aの少なくとも一部は、矢印A3に示すように、遅延流路228の入口40に流入する。このとき、先行洗浄水Aは縦流路34の上昇管路8b側を流下するので、出口244に流入することが抑制される。遅延流路228に流入した先行洗浄水Aは、矢印A4に示すように、接続部246から拡張流路248に向かって流れる。先行洗浄水Aは、接続部246において流れの向きが偏向されるので流速が流入時の流速よりも低下される。
接続部246及び拡張流路248は迂回流路を形成しているので、先行洗浄水Aは、拡張流路248内を前方に向かって流れた後、後方に向きを変え、矢印A9に示すように、拡張流路248の出口244に向かって流れる。拡張流路248は、縦流路34に戻るような流路を形成する。先行洗浄水Aは、矢印A10に示すように、出口244に向かって流れ、出口244から縦流路34に向かって流出する。
次に、汚物を押し流す搬送流について説明する。
図1Bに示すように、汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B1に示すように、下降管路8cの上昇管路8bと反対側の側壁側に沿って流下する。矢印B1に示すような汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印A1に示すような先行洗浄水Aより遅いタイミングで流れる。汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B2に示すように、縦流路34の側壁34aの切欠部36を通過する。さらに、汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B3に示すように、縦流路34内を流下し、遅延流路228の底面50に衝突されること及び遅延流路228に流入されることが抑制される。
図10に示すように、出口244から縦流路34に流出する先行洗浄水Aは、矢印A10に示すように、汚物C及び搬送流Bの主流に合流される。遅延流路228に流入した先行洗浄水Aは、出口244から縦流路34に向かって流出するまでに、接続部246及び拡張流路248の所定距離の迂回流路を通過し、所定時間が経過する。さらに、迂回流路を通過する先行洗浄水Aは流速が比較的低く、後から流れてくる搬送流Bは流速が比較的高い。よって、遅延流路228に流入された先行洗浄水Aは、先行洗浄水Aが流入されたときよりも後の所定時間経過後の遅延されたタイミングで分流部26の縦流路34に到達し且つ縦流路34を通過している搬送流Bに、分流部26において合流される。よって、遅延流路228に流入した先行洗浄水Aの一部は、搬送流Bに転換される。これにより、汚物Cの搬送への寄与が少ない先行洗浄水Aを搬送流Bに追加し、矢印B4に示すように、汚物Cの搬送流Bの水量を増加させることができ、汚物Cを搬送する搬送性能を向上させることができる。矢印B4は、先行洗浄水Aが搬送流Bに合流し、洗浄水の流量及び体積がともに増加された搬送流Bを示している。
次に、図11を参照して、排水ソケット16の第3変形例について説明する。
この変形例に関し、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し説明は省略する。
上述した第1実施形態においては、排水トラップ管路8と連通し且つ汚物を下流側の建物配管22に排出させる排水管路である排水ソケット16は、便器本体2とは別体の樹脂部材である。しかしながら、第1実施形態においては、変形例として、排水管路316は、便器本体2と一体に形成された一部材とされていてもよい。一体に形成される便器本体2及び排水管路316は、陶器製であるが、樹脂製であってもよい。
図11に示すように、水洗大便器301は、さらに、排水トラップ管路8と連通し且つ汚物を下流側の建物配管22に排出させる排水ソケット316を有している。排水ソケット316は、陶器製の部材であり、便器本体2と一体の一部材として形成されている。
排水ソケット316は、概ね上流側から下流側の順に、上流側排水管路部24、分流部26、遅延流路28及び、下流側排水管路部30を備えている。排水トラップ管路8の下降管路8cと排水ソケット316の上流側排水管路部24とは一体の部材として接続されているので、排水トラップ管路8の出口8dの側面8eが、排水ソケット316の分流部26の誘導面34bとほぼ面一に形成されている。
上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1、301によれば、洗浄時に、分流部26が、汚物より先行する流速の低い洗浄水の少なくとも一部を遅延流路28、128、228に流入させ、遅延流路28、128、228が、遅延流路の洗浄水をこの洗浄水が流入されたときよりも後のタイミングで分流部26に到達する汚物を押し流す搬送流に合流させる。このとき、遅延流路28、128、228が、排水トラップ管路8とスカート部9との間の側方領域Eに流路を形成するため、遅延流路28、128、228を側方領域E側の比較的広い領域に拡げ、遅延流路28、128、228の底面積を増加させることができ、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路28、128、228へ流入させやすくすることができる。従って、本発明によれば、節水化により洗浄水量が低減された場合であっても、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路28、128、228から汚物を押し流す搬送流Bに合流させることができ、汚物の搬送流Bの水量を増加させることができ、汚物を搬送する搬送性能を向上させることができる。
なお、仮に遅延流路28、128、228が側方領域E内に形成されず、中央領域D内のみに形成され、底面積が側方側に増加できない場合には、遅延流路28、128、228の上下方向の内部空間を大きくするように形成してこの遅延流路内部を流れる洗浄水量を増加させることが考えられる。しかしながら、遅延流路28、128、228に流入する洗浄水の流速が低い場合には、水位が上昇することができず、内部を流れる洗浄水量が増加できない。よって、本発明によれば、遅延流路28、128、228を側方領域Eに形成し、側方領域Eにおいて底面積を増加させることにより、流入する洗浄水の流速によらず、より確実にこの遅延流路内部を流れる洗浄水量を増加させることができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路28、128、228から汚物を押し流す搬送流Bに合流させることができる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、接続部46、146、246が分流部26から流入した洗浄水の流れ方向を側方領域E側に向けて変更させることにより、汚物より先行する洗浄水が拡張流路48、148、248を流れる流速を低減させ、拡張流路48、148、248を流れる時間を増加させることができる。これにより、汚物より先行して遅延流路28、128、228に流入した洗浄水が、汚物の搬送流が分流部に到達する前に分流部26に流出することを抑制することができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路28、128、228から汚物を押し流す搬送流Bにより確実に合流させることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、中央領域Dの側方のうち一方側及び他方側の側方領域Eに設けられる拡張流路48、148、248により、遅延流路28、128、228を側方領域E側のより広い領域に拡げ、遅延流路28、128、228の底面積をより増加させることができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路28、128、228へ流入させやすくすることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、拡張流路48、148、248が排水トラップ管路8の入口8fと出口8dとを結ぶ方向に沿った方向に延びているので、遅延流路28、128、228を側方領域E側のより広い領域に拡げ、遅延流路28、128、228の底面積をより増加させることができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路28、128、228へ流入させやすくすることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、拡張流路48、148、248が側面視で、排水トラップ管路8と一部が重なる位置まで延びているので、遅延流路28、128、228を側方領域E側のより広い領域に拡げ、遅延流路28、128、228の底面積をより増加させることができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路28、128、228へ流入させやすくすることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、洗浄時に、汚物を搬送する流速の高い搬送流Bが排水トラップ管路8の上昇管路8bから分流部26の縦流路34に流入する際に、このような搬送流Bは、比較的強い水勢により、縦流路34の側壁のうち排水トラップ管路8の上昇管路8b側と反対側の側壁側を流下する。一方、洗浄時に、汚物より先行する流速の低い洗浄水は、比較的弱い水勢により、縦流路34の側壁のうち排水トラップ管路8の上昇管路8b側を流下する。よって、本発明によれば、汚物を搬送する流速の高い洗浄水を遅延流路28、128、228に流入しにくくすることができるとともに、洗浄開始時に汚物に先行して流れる流速の低い洗浄水をより確実に選択して遅延流路28、128、228に流入させることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、遅延流路28、128、228の出口44、144、244が接続部46、146、246と共通となる場合に比べて、拡張流路48、148、248において洗浄水の流れが止まった状態が比較的長く続くことを抑制することができる。このように、拡張流路48、148、248において洗浄水の流れが止まった状態が比較的長く続くことにより、汚物の搬送流に合流できない事態が生じることを抑制することができる。従って、本発明によれば、節水化により便器を洗浄する洗浄水量が低減された場合であっても、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路28、128、228から汚物を押し流す搬送流に合流させることができ、汚物の搬送流の水量を増加させることができ、汚物を搬送する搬送性能を向上させることができる。また、本発明によれば、拡張流路48、148、248において洗浄水の流れが止まることにより洗浄水中の浮遊汚物が沈み、拡張流路48、148、248に残留することを抑制することができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、接続部46、146、246から第1出口244aに至る第1拡張流路248aと、接続部46、146、246から第2出口244bに至る第2拡張流路248bと、が独立して形成される。これにより、本発明によれば、第1拡張流路248a内の洗浄水の流れと第2拡張流路248b内の洗浄水の流れが合流することにより流れが乱れることを抑制することができ、洗浄水の流れが止まった状態が比較的長く続くことを抑制することができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、排水ソケット16、316は、便器本体2とは別体の樹脂部材であるので、例えば排水ソケットが陶器製である場合と比べて、製造誤差を小さくすることができ、遅延流路28、128、228を側方領域Eにより確実に設けることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、拡張流路48、148、248は、側方領域Eにのみ設けられる。側方領域Eにおいては、拡張流路48、148、248の配置について、排水トラップ管路8の形状、及び排水ソケットに接続される建物配管の入口位置に応じたが制約を受けにくくなる。従って、本発明によれば、拡張流路48、148、248を、様々な排水トラップ管路8の形状、及び建物配管22の入口位置に対応する水洗大便器に適用することができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、接続部1及び遅延流路28の出口部は、下流側排水管路部30の横方向流路より上流側の分流部26に向けて開口されているので、遅延流路28の長さを変更することなく建物配管22の入口位置に応じて横方向流路の長さのみを変更することにより、様々な建物配管22の入口位置に対応することができる。横方向流路の長さの変更にあたっては、例えば、下流側排水管路部30を上流側の分流部26と接続する部材、直線状の部材、下流側の建物配管22と接続する部材にて構成し、直線状の部材の一端側を切断することで横方向流路の長さを変更する。
つぎに、図12乃至図14を参照して、本発明の第2実施形態による水洗大便器401を説明する。
本実施形態に関し、上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
本発明の第2実施形態による水洗大便器401においては、本発明の第1実施形態による水洗大便器1における鉛直方向に延びる分流部26の前側にガイド部32及び遅延流路28が配置されている構造とは異なり、横方向に延びる分流部426の左右方向側方側にガイド部432及び遅延流路428が配置されている形態となっている。
水洗大便器401は、さらに、排水トラップ管路8と連通し且つ汚物を下流側の建物配管22に排出させる排水ソケット416を有している。
排水ソケット416は、概ね上流側から下流側の順に、上流側排水管路部424、分流部426、遅延流路428及び、下流側排水管路部430を備えている。排水ソケット416は、便器本体2とは別体の樹脂部材である。
上流側排水管路部424は、その上流側端部において排水トラップ管路8の下降管路8cの出口8dに接続され、この出口8dとほぼ平行且つ鉛直方向下方に延びる。上流側排水管路部424は、下降管路8cの出口8dの外側上方から下方の屈曲部424aまで延びている。
下流側排水管路部430は、横方向に延びる分流部426の下流側に設けられる。下流側排水管路部430は、流路の屈曲部430aから鉛直方向下方に延びる。下流側排水管路部430の下流側端部は、便器本体2が配置されている床Fの下方に配置される建物配管22(図1A参照)に接続されている。
分流部426は、上流側排水管路部424の下流側に設けられる。分流部426は、上流側排水管路部424と下流側排水管路部430との間の横方向に延びる直線状の流路である。分流部426は、排水トラップ管路8から供給される流速の比較的低い洗浄水の少なくとも一部を自身に沿わせて遅延流路428内に導くガイド部432を備える。分流部426は、さらに、ガイド部432の内側において分流部426の上端から下端までほぼ横方向に延びる横方向流路434を備える。
分流部426のガイド部432は、横方向流路434の左右両側の側壁434aに形成されると共に、横方向流路434と遅延流路428との間に形成されている。ガイド部432は、横方向流路434の側方に配置される。ガイド部432は、その上流側端から下流側に流路を拡げるように延びている。ガイド部432の下流側端が遅延流路428内に向かうように形成されている。ガイド部432は、横方向流路434に沿う仮想線Z2(又は横方向流路434の中心軸線)に対して鋭角の角度α2を形成する。角度α2は、5度〜60度の範囲、より好ましくは5度〜45度の範囲、より好ましくは30度に形成されている。ガイド部432の下流側端と遅延流路428の入口440の下流側面450との間には、流入開口が形成される。
図14に示すように、ガイド部432は、横方向流路434の側壁のうち左右両側の部分に形成されている。ガイド部432は、横方向流路434の側壁の全周のうち概ね半周以上の部分に形成されている。
図13に示すように、分流部426のガイド部432と横方向流路434の側壁434aとの接続部分438は滑らかに湾曲した湾曲面を形成している。分流部426の横方向流路434の側壁434aには、ガイド部432の上流側端までほぼ横方向に直線的に延びる誘導面434bが形成されている。
図12乃至図14に示すように、遅延流路428は、分流部426から左右両側に分岐された流路を形成する。遅延流路428は、側方領域Eにおいて流路を形成している。遅延流路428は、ガイド部432の側方に配置される。遅延流路428は、便器本体2の左右方向の中心軸線に対して左右対称に形成されている。遅延流路428は、分流部426に対して左右両側に配置されているが、分流部426に対して左右一方に配置されていてもよい。
遅延流路428は、分流部426と接続する接続部446と、接続部446から側方領域E側に延びる拡張流路448と、を備えている。
接続部446は、ガイド部432に沿って流入した洗浄水を受け入れる入口440を備え、この入口440は、接続部446内に流入した洗浄水を流出させる出口444としても機能する。接続部446は、入口440から流入した洗浄水を内部で流し、一時的に滞在させられる貯留室として機能する。さらに、入口440は、ガイド部432の下流側且つ外側に位置している。入口440は、分流部426の横方向流路434の側方側に位置し、横方向流路434の左右両側の下半分程度を含むような開口を形成している。遅延流路428は、入口440と出口444とを共通とし洗浄水が遅延流路428内で流れながら一時的に滞在させる貯留タイプの遅延流路である。さらに、接続部446は、分流部426から流入した洗浄水の流れ方向を側方側の側方領域E側に向けて変更させる屈曲流路を形成している。接続部446は、屈曲流路を形成しているので、内部を流れる洗浄水の流速を減速させる。接続部446は、洗浄水を内部に流すことにより、この洗浄水が排水ソケット416を流れるタイミングを当初よりも遅延させることができる。このような構造により、遅延流路428は、分流部426のガイド部432によって流入された洗浄水を、流入されたときよりも後に分流部26に到達する洗浄水の流れに遅延して合流させる。接続部446及び拡張流路448の流路の底面は平面状に形成され、わずかに入口440に向かって下り勾配を形成している。
拡張流路448は、中央領域Dの側方のうち一方側及び他方側の側方領域Eに設けられている。拡張流路448は、中央領域Dの側方のうち一方側又は他方側の側方領域Eにのみ設けられていてもよい。本実施形態において拡張流路448は側方領域E内にのみ設けられているが、拡張流路448は中央領域D及び側方領域E内に設けられていてもよい。拡張流路448は、排水トラップ管路8に沿った方向、すなわち便器本体2の前後方向に延びる。拡張流路448は、側面視で、排水トラップ管路8の下降管路8cの下方の位置から排水トラップ管路8の前方側の位置まで延びている。拡張流路448は、遅延流路428を側方領域E内において拡張している。拡張流路448は、遅延流路428を側方領域E内のより広い領域に拡げ、遅延流路428の底面積をより増加させている。拡張流路448が遅延流路428の底面積を増加させることにより、流入する洗浄水の流速が低い場合でも、洗浄水が遅延流路428の広い領域にわたって流入しやすく、遅延流路428の底面積が狭い場合と比べて、より多くの洗浄水を遅延流路428へ流入させやすくすることができる。よって、遅延流路428を側方領域Eに形成し、側方領域Eにおいて底面積を増加させることにより、流入する洗浄水の流速によらず、より確実にこの遅延流路内部を流れる洗浄水量を増加させることができる。拡張流路448は、洗浄水を一時的に滞在させることができる貯留室としても機能する。拡張流路448は、接続部446から流入した洗浄水が拡張流路448内を接続部446に向けて折り返すように流れる中で、流入した洗浄水の流速を減速させるようになっている。
図13に示すように、遅延流路428の入口440の下流側面450は、分流部426のガイド部432の下流側且つガイド部432と対向している位置まで、分流部426内に突出するように形成される。遅延流路428の下流側面450の端部450aは、横方向流路434の上流側から見た側面視において、横方向流路434の外縁より外側に位置している。
なお、上述した第2実施形態においては、排水トラップ管路8と連通し且つ汚物を下流側の建物配管22に排出させる排水管路である排水ソケット416は、便器本体2とは別体の樹脂部材である。しかしながら、第2実施形態においては、変形例として、排水管路は、便器本体2と一体に形成された一部材とされていてもよい。一体に形成される便器本体2及び排水管路は、陶器製であるが、樹脂製であってもよい。
つぎに、図1A、図1B、図12〜図14を参照し、本発明の第2実施形態による水洗大便器の動作(作用)を説明する。
図1A、図1B、図12〜図14を参照して、本発明の第2実施形態による水洗大便器において便器洗浄による排水が行われているときの状態を説明する。なお、図1A、図1B、図12及び図13において、汚物Cより先行する流速の比較的低い先行洗浄水の流れを矢印A(A0、A1、A11〜A17)、主に汚物Cの後続側を流れて汚物を押し流す搬送流の流れを矢印B(B0、B1、B7〜B11)で示している。第2実施形態による水洗大便器401の便器本体2と、第1実施形態による水洗大便器1の便器本体2とはほぼ同じであるので、水洗大便器401の便器本体2内の洗浄水の流れについては、図1A、図1Bを参照して主に説明され、上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
先ず、汚物の流れより先行して流速の比較的低い洗浄水が流れる様子を説明する。
図1Aに示すように、このような便器洗浄開始時において、矢印A0に示すように、汚物Cより先行して流速の比較的低い先行洗浄水Aが汚物Cの先行側を流れる。流速の比較的低い先行洗浄水Aは、水勢が弱く、矢印A1に示すように、下降管路8cの上昇管路8b側の側面8eに沿って流下する。
上流側排水管路部424内に流下した先行洗浄水Aは、図12において矢印A11に示すように、下方に向かって流れ、分流部426に流入する。分流部426に流入した先行洗浄水Aは、図13において矢印A12に示すように、横方向流路434内を横方向に流れる。先行洗浄水Aは、流速が比較的低いので横方向流路434内の左右方向に拡散しやすくなっている。先行洗浄水Aは、横方向流路434の側壁434aから誘導面434bに沿って流れ、矢印A13に示すように、誘導面434bからガイド部432に沿って遅延流路428に向かって導かれる。先行洗浄水Aは、コアンダ効果によりガイド部432に引き寄せられ、流れの方向がガイド部432の延びる向きに偏向される。このように、先行洗浄水Aの少なくとも一部は、矢印A14に示すように、遅延流路428の入口440から流入する。接続部446内に流入した先行洗浄水Aは、矢印A15に示すように、接続部446から拡張流路448に向かって流れる。先行洗浄水Aは、接続部46において流れの向きが偏向されるので流速が流入時の流速よりも低下される。先行洗浄水Aは、接続部446及び拡張流路448内を流れることにより、主流路である横方向流路434を流れる洗浄水の流れに対して遅延される。先行洗浄水Aは、接続部446及び拡張流路448内で一時的に滞留されるように緩やかに流れ、主流に戻る。洗浄開始から時間が経過し遅延流路428の入口440に流入する洗浄水が少なくなる又はなくなると、接続部446及び拡張流路448内に流入した先行洗浄水Aは、矢印A16に示すように、出口444に向かって流れ、出口444から横方向流路434に向かって流出する。
次に、汚物を押し流す搬送流について説明する。
図1A及び図1Bに示すように、便器洗浄開始時において、導水路6から溜水部14への洗浄水の落差による流水作用により、汚物を強力に押し流す搬送流Bが形成される。
矢印B0に示すように、汚物Cを押し流すように作用する搬送流Bは汚物Cの周囲及び主に汚物Cの後続側を流れる。汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B1に示すように、下降管路8cのうち上昇管路8bと反対側の側壁側に沿って流下する。矢印B1に示すような汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印A1に示すような先行洗浄水Aより遅いタイミングで流れる。上流側排水管路部424内に流下した汚物C及び搬送流Bの主流は、図12において矢印B7に示すように、下方に向かって流れ、分流部426に流入する。分流部426に流入した汚物C及び搬送流Bの主流は、図13において矢印B8に示すように、横方向流路434内を横方向に流れる。汚物C及び搬送流Bの主流は、流速が比較的高いので横方向流路434内の左右方向に広がりにくく、横方向流路434をほぼ直進するように流れる。よって、汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B9に示すように、ガイド部432に沿って遅延流路428に向かって導かれにくく直進する。また、汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B9に示すような流れにおいて、横方向流路434の下部の切欠部436を通過する。さらに、汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B10に示すように、横方向流路434内を流下し、遅延流路428の入口440の下流側面450に衝突されること及び遅延流路428に流入されることが抑制される。
流速の比較的低い先行洗浄水Aは、流れてくる先行洗浄水Aの流量のうち比較的多くの割合の洗浄水がガイド部432に沿って遅延流路428に導かれる。これに対し、流速が比較的高い搬送流Bは、流れてくる搬送流Bの流量のうち比較的少ない割合の洗浄水がガイド部432に沿って遅延流路428に導かれる。よって、先行洗浄水Aのうちガイド部432に沿って遅延流路428に導かれる先行洗浄水Aの割合は、搬送流Bのうちガイド部432に沿って遅延流路428に導かれる搬送流Bの割合よりも大きくなっている。なお、搬送流Bのうちガイド部432に沿って遅延流路428に導かれる搬送流Bの割合は、0%以上の割合となっている。
出口444から横方向流路434に流出する先行洗浄水Aは、矢印A17に示すように、搬送流Bに合流される。上述のように接続部446内に流入した先行洗浄水Aが、出口444から横方向流路434に向かって流出するまでには、遅延流路428内を流れている所定時間が経過している。よって、遅延流路428の先行洗浄水Aは、先行洗浄水Aが遅延流路428に流入されたときよりも後の所定時間経過後のタイミングで分流部426の横方向流路434に到達する搬送流Bに合流される。よって、遅延流路428に流入した先行洗浄水Aの一部は、搬送流Bに転換される。
これにより、汚物Cの搬送への寄与が少ない先行洗浄水Aを搬送流Bに追加し、矢印B11に示すように、汚物Cの搬送流Bの水量を増加させることができ、汚物Cを搬送する搬送性能を向上させることができる。矢印B11は、先行洗浄水Aが搬送流Bに合流し、洗浄水の流量及び体積がともに増加された搬送流Bを示している。
汚物C及び搬送流Bは、下流側の下流側排水管路部430に向かって流れ、建物配管22内に排水される。
上述した本発明の第2実施形態による水洗大便器401によれば、洗浄時に、分流部426が、汚物より先行する流速の低い洗浄水の少なくとも一部を遅延流路428に流入させ、遅延流路428が、遅延流路の洗浄水をこの洗浄水が流入されたときよりも後のタイミングで分流部426に到達する汚物を押し流す搬送流に合流させる。このとき、遅延流路428が、排水トラップ管路8とスカート部9との間の側方領域Eに流路を形成するため、遅延流路428を側方領域E側の比較的広い領域に拡げ、遅延流路428の底面積を増加させることができ、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路428へ流入させやすくすることができる。従って、本発明によれば、節水化により洗浄水量が低減された場合であっても、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路428から汚物を押し流す搬送流Bに合流させることができ、汚物の搬送流Bの水量を増加させることができ、汚物を搬送する搬送性能を向上させることができる。
なお、仮に遅延流路428が側方領域E内に形成されず、中央領域D内のみに形成され、底面積が側方側に増加できない場合には、遅延流路428の上下方向の内部空間を大きくするように形成してこの遅延流路内部を流れる洗浄水量を増加させることが考えられる。しかしながら、遅延流路428に流入する洗浄水の流速が低い場合には、水位が上昇することができず、内部を流れる洗浄水量が増加できない。よって、本発明によれば、遅延流路428を側方領域Eに形成し、側方領域Eにおいて底面積を増加させることにより、流入する洗浄水の流速によらず、より確実にこの遅延流路内部を流れる洗浄水量を増加させることができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路428から汚物を押し流す搬送流Bに合流させることができる。
また、本実施形態による水洗大便器401によれば、接続部446が分流部426から流入した洗浄水の流れ方向を側方領域E側に向けて変更させることにより、汚物より先行する洗浄水が拡張流路448を流れる流速を低減させ、拡張流路448を流れる時間を増加させることができる。これにより、汚物より先行して遅延流路428に流入した洗浄水が、汚物の搬送流が分流部に到達する前に分流部426に流出することを抑制することができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路428から汚物を押し流す搬送流Bにより確実に合流させることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器401によれば、中央領域Dの側方のうち一方側及び他方側の側方領域Eに設けられる拡張流路448により、遅延流路428を側方領域E側のより広い領域に拡げ、遅延流路428の底面積をより増加させることができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路428へ流入させやすくすることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器401によれば、拡張流路448が排水トラップ管路8の入口8fと出口8dとを結ぶ方向に沿った方向に延びているので、遅延流路428を側方領域E側のより広い領域に拡げ、遅延流路428の底面積をより増加させることができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路428へ流入させやすくすることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器401によれば、排水ソケット416は、便器本体2とは別体の樹脂部材であるので、例えば排水ソケットが陶器製である場合と比べて、製造誤差を小さくすることができ、遅延流路428を側方領域Eにより確実に設けることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器401によれば、拡張流路448は、側方領域Eにのみ設けられる。側方領域Eにおいては、拡張流路448の配置について、排水トラップ管路8の形状、及び排水ソケットに接続される建物配管22の入口位置に応じた制約を受けにくくなる。従って、本発明によれば、拡張流路448を、様々な排水トラップ管路8の形状、及び建物配管22の入口位置に対応する水洗大便器に適用することができる。
つぎに、図15乃至図17を参照して、本発明の第3実施形態による水洗大便器501を説明する。
本実施形態に関し、上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
本発明の第3実施形態による水洗大便器501においては、本発明の第1実施形態による水洗大便器1の鉛直方向に延びる分流部26の前側にガイド部32及び遅延流路28が配置されている構造とは異なり、横方向に延びる分流部526の左右方向側方側にガイド部532及び遅延流路528が配置され、入口540と出口544とを別個に配置し洗浄水の迂回流路を形成している形態となっている。
水洗大便器501は、さらに、排水トラップ管路8と連通し且つ汚物を下流側の建物配管22に排出させる排水ソケット516を有している。
排水ソケット516は、概ね上流側から下流側の順に、上流側排水管路部524、分流部526、遅延流路528及び、下流側排水管路部530を備えている。排水ソケット516は、便器本体2とは別体の樹脂部材である。
上流側排水管路部524は、その上流側端部において排水トラップ管路8の下降管路8cの出口8dに接続され、この出口8dとほぼ平行且つ鉛直方向下方に延びる。上流側排水管路部524は、下降管路8cの出口8dの外側上方から下方の屈曲部524aまで延びている。
下流側排水管路部530は、横方向に延びる分流部526の下流側に設けられる。下流側排水管路部530は、分流部526の下流端から鉛直方向下方に延びる。下流側排水管路部530の下流側端部は、便器本体2が配置されている床Fの下方に配置される建物配管22に接続されている。
分流部526は、上流側排水管路部524の下流側に設けられる。分流部526は、上流側排水管路部524と下流側排水管路部530との間の横方向に延びる直線状の横方向流路である。分流部526は、排水トラップ管路8から供給される流速の比較的低い洗浄水の少なくとも一部を自身に沿わせて遅延流路528内に導くガイド部532を備える。分流部526は、さらに、ガイド部532の内側において分流部526の上流端から下流端までほぼ横方向に延びる横方向流路434を備える。
分流部526のガイド部532は、横方向流路534の延びる方向に対しての左右両側の側壁534aに形成されると共に、分流部526の横方向流路534と遅延流路528との間に形成されている。ガイド部532は、横方向流路534の側方に配置される。ガイド部532は、その上流側端から下流側端に向けて流路をわずかに拡げるように延び、その下流側端が遅延流路528内に向かうように形成されている。ガイド部532の下端と遅延流路528の入口540の下流側面550との間には、流入開口が形成される。
図17に示すように、ガイド部532は、横方向流路534の側壁534aのうち左右両側の部分に形成されている。ガイド部532の間の底面には、下流側排水管路部530が接続されている。分流部526のガイド部532は、横方向流路534の側壁534aの概ね延長線上に平面を形成している。よって、横方向流路534の側壁534aには、ガイド部532の上流側端に向けてほぼ横方向に直線的に延びる誘導面534bが形成されている。
図16及び図17に示すように、遅延流路528は、分流部526の横方向流路の前端近傍から左右両側に分岐された流路を形成する。遅延流路528は、側方領域Eにおいて流路を形成している。遅延流路528は、ガイド部532の側方に配置される。遅延流路528は、便器本体2の前後方向の中心軸線に対して左右対称に形成されている。遅延流路528は、分流部526に対して左右両側に配置されているが、分流部526に対して左右一方の片側のみに配置されていてもよい。
遅延流路528は、分流部526と接続する接続部546と、接続部546から側方領域E側に延びる拡張流路548と、を備えている。
遅延流路528は、ガイド部532に沿って流入した洗浄水を受け入れる入口540を備えている。接続部546は、入口540から流入した洗浄水を内部で流し、一時的に滞在させられる貯留室としても機能する。入口540は、ガイド部532の下流側の左右方向中央側且つ横方向流路534の下流側の延長線上に位置している。遅延流路528は、さらに、接続部546とは別となり且つ遅延流路528内に流入した洗浄水を流出させる出口544を備えている。よって、遅延流路528の接続部546と拡張流路548とは入口540から出口544に至る迂回流路を形成している。
接続部546は、分流部526から流入した洗浄水の流れ方向を側方側の側方領域E側に向けて変更させる屈曲流路を形成している。接続部546は、屈曲流路を形成しているので、内部を流れる洗浄水の流速を減速させる。接続部546は、洗浄水を接続部546内に流すことにより、この洗浄水が排水ソケット516を流れるタイミングを当初よりも遅延させることができる。このような構造により、遅延流路528は、分流部526のガイド部532に沿って流入された洗浄水を、流入されたときよりも後に分流部526に到達する洗浄水の流れに遅延して合流させる。接続部546及び拡張流路548の流路の底面は平面状に形成され、わずかに出口544に向かって下り勾配を形成している。
拡張流路548は、中央領域Dの側方のうち一方側の側方領域Eに設けられる第1拡張流路548aと、他方側の側方領域Eに設けられる第2拡張流路548bとを備えている。このように、拡張流路548は、中央領域Dの側方のうち一方側及び他方側の側方領域Eに設けられている。拡張流路548は、中央領域Dの側方のうち一方側又は他方側の側方領域Eのみに設けられていてもよい。本実施形態において拡張流路548は側方領域E内にのみ設けられているが、拡張流路548は中央領域D及び側方領域E内に設けられていてもよい。拡張流路548は、排水トラップ管路8に沿った方向、すなわち便器本体2の前後方向に延びる。拡張流路548は、側面視で、排水トラップ管路8の前方側の位置から排水トラップ管路8の下降管路8cの下方の近傍の位置まで延びている。拡張流路548は、遅延流路528を側方領域E内において拡張している。拡張流路548は、遅延流路528を側方領域E内のより広い領域に拡げ、遅延流路528の底面積をより増加させている。拡張流路548が遅延流路528の底面積を増加させることにより、流入する洗浄水の流速が低い場合でも、洗浄水が遅延流路528の広い領域にわたって流入しやすく、遅延流路528の底面積が狭い場合と比べて、より多くの洗浄水を遅延流路へ流入させやすくすることができる。よって、遅延流路528を側方領域Eに形成し、側方領域Eにおいて底面積を増加させることにより、流入する洗浄水の流速によらず、より確実にこの遅延流路内部を流れる洗浄水量を増加させることができる。拡張流路548は、洗浄水を一時的に滞在させることができる貯留室としても機能する。拡張流路548は、接続部546から流入した洗浄水が拡張流路548内を下降管路8cの下方に向けて折り返すように流れるため、流入した洗浄水の流速を減速させるようになっている。
出口544は、入口540とは別となる出口部として異なる位置に形成されている。出口544は、拡張流路548の下流端に形成されている。出口544は、第1拡張流路548aの出口を形成する第1出口544aと、第2拡張流路548bの出口を形成する第2出口544bとを備えている。出口544は、分流部26の横方向流路534の側壁534aに開口するように形成されている。さらに、出口544は、ガイド部532よりも上流側に位置している。出口544は、洗浄水を横方向流路534内に流出させるようになっている。よって、遅延流路528は、入口540と出口544とを別個に形成し、洗浄水の迂回流路を形成する迂回流路タイプの遅延流路である。このような構造により、遅延流路528は、分流部526のガイド部532によって流入された洗浄水を、流入されたときよりも後に分流部526に到達する洗浄水の流れに合流させる。なお、接続部546から第1出口544aに至る第1拡張流路548aと、接続部546から第2出口544bに至る第2拡張流路548bと、が独立して形成される。
なお、上述した第3実施形態においては、排水トラップ管路8と連通し且つ汚物を下流側の建物配管22に排出させる排水管路である排水ソケット516は、便器本体2とは別体の樹脂部材である。しかしながら、第3実施形態においては、変形例として、排水管路は、便器本体2と一体に形成された一部材とされていてもよい。一体に形成される便器本体2及び排水管路は、陶器製であるが、樹脂製であってもよい。
つぎに、図1A、図1B、図17を参照し、本発明の第3実施形態による水洗大便器の動作(作用)を説明する。
図1A、図1B、図17を参照して、本発明の第3実施形態による水洗大便器において便器洗浄による排水が行われているときの状態を説明する。なお、図1A、図1B及び図17において、汚物Cより先行する流速の比較的低い先行洗浄水の流れを矢印A(A0、A1、A25〜A30)、主に汚物Cの後続側を流れて汚物を押し流す搬送流の流れを矢印B(B0、B1、B15〜B20)で示している。第3実施形態による水洗大便器501の便器本体2と、第1実施形態による水洗大便器1の便器本体2とはほぼ同じであるので、水洗大便器501の便器本体2内の洗浄水の流れについては、図1A、図1Bを参照して主に説明され、上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
先ず、汚物の流れより先行して流速の比較的低い洗浄水が流れる様子を説明する。
図1Aに示すように、便器洗浄開始時において、矢印A0に示すように、汚物Cより先行して流速の比較的低い先行洗浄水Aが汚物Cの先行側を流れる。流速の比較的低い先行洗浄水Aは、水勢が弱く、矢印A1に示すように、下降管路8cの上昇管路8b側の側面8eに沿って流下する。
上流側排水管路部524内に流下した先行洗浄水Aは、下方に向かって流れ、分流部526に流入する。分流部526に流入した先行洗浄水Aは、矢印A25に示すように、横方向流路534内を横方向に流れる。先行洗浄水Aは、流速が比較的低いので横方向流路534内の左右方向に拡散しやすくなっている。先行洗浄水Aは、横方向流路534の側壁534aから誘導面534bに沿って流れ、矢印A26に示すように、誘導面534bからガイド部532に沿って遅延流路528に向かって導かれる。先行洗浄水Aは、コアンダ効果によりガイド部532に引き寄せられ、流れの方向がガイド部532の延びる向きに偏向される。このように、先行洗浄水Aの少なくとも一部は、矢印A27に示すように、遅延流路528に入口540から流入する。接続部546内に流入した先行洗浄水Aは、矢印A28に示すように、接続部546から後方側に180度向きを変えるようにして拡張流路548に向かって流れる。先行洗浄水Aは、接続部546において流れの向きが後方向きに偏向されるので流速が流入時の流速よりも低下される。
先行洗浄水Aは、接続部546及び拡張流路548内を流れるので、主流路である横方向流路534を流れる洗浄水の流れに対して遅延される。接続部546及び拡張流路548は迂回流路を形成しているので、先行洗浄水Aは、拡張流路548を流れ、矢印A29に示すように、拡張流路548の出口544に向かって流れる。先行洗浄水Aは、接続部546及び拡張流路548内を流れる分だけ流路の距離が長くなり、主流路である横方向流路534を流れる洗浄水の流れに対して遅延される。先行洗浄水Aは、矢印A30に示すように、出口544から横方向流路534に合流する。
次に、汚物を押し流す搬送流について説明する。
図1A及び図1Bにおいて、矢印B0に示すように、汚物Cを押し流すように作用する搬送流Bは汚物Cの周囲及び主に汚物Cの後続側を流れる。汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B1に示すように、下降管路8cのうち上昇管路8bと反対側の側壁側に沿って流下する。図17に示すように、上流側排水管路部524内に流下した汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B15に示すように、下方に向かって流れ、分流部526に流入する。分流部526に流入した汚物C及び搬送流Bの主流は、矢印B16に示すように、横方向流路534内を横方向に流れる。汚物C及び搬送流Bの主流は、汚物Cの重量により、下流側排水管路部530に流下する。汚物C及び搬送流Bの一部の流れは、矢印B17に示すように、ガイド部532に沿って遅延流路528に導かれる。この搬送流Bの一部の流れは、矢印B18に示すように、接続部546から拡張流路548に向かって流れ、さらに、矢印B19に示すように、出口544から横方向流路534に流れる。
このように、出口544から横方向流路534に流出する先行洗浄水A及び搬送流Bの一部が、搬送流Bの主流に合流される。よって、先行洗浄水Aは、先行洗浄水A及び搬送流Bが遅延流路528に流入されたときよりも後の所定時間経過後のタイミングで分流部526の横方向流路534に到達する搬送流Bに合流される。よって、遅延流路528に流入した先行洗浄水A及び搬送流Bの一部は、後続の搬送流Bに転換される。
これにより、汚物Cの搬送への寄与が少ない先行洗浄水Aを搬送流Bに追加し、矢印B20に示すように、汚物Cの搬送流Bの水量を増加させることができ、汚物Cを搬送する搬送性能を向上させることができる。矢印B20は、先行洗浄水Aが搬送流Bに合流し、洗浄水の流量及び体積がともに増加された搬送流Bを示している。
汚物C及び搬送流Bは、下流側の下流側排水管路部530に向かって流れ、建物配管22内に排水される。
上述した本発明の第3実施形態による水洗大便器501によれば、洗浄時に、分流部526が、汚物より先行する流速の低い洗浄水の少なくとも一部を遅延流路528に流入させ、遅延流路528が、遅延流路の洗浄水をこの洗浄水が流入されたときよりも後のタイミングで分流部526に到達する汚物を押し流す搬送流に合流させる。このとき、遅延流路528が、排水トラップ管路8とスカート部9との間の側方領域Eに流路を形成するため、遅延流路528を側方領域E側の比較的広い領域に拡げ、遅延流路528の底面積を増加させることができ、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路528へ流入させやすくすることができる。従って、本発明によれば、節水化により洗浄水量が低減された場合であっても、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路528から汚物を押し流す搬送流Bに合流させることができ、汚物の搬送流Bの水量を増加させることができ、汚物を搬送する搬送性能を向上させることができる。
なお、仮に遅延流路528が側方領域E内に形成されず、中央領域D内のみに形成され、底面積が側方側に増加できない場合には、遅延流路528の上下方向の内部空間を大きくするように形成してこの遅延流路内部を流れる洗浄水量を増加させることが考えられる。しかしながら、遅延流路528に流入する洗浄水の流速が低い場合には、水位が上昇することができず、内部を流れる洗浄水量が増加できない。よって、本発明によれば、遅延流路528を側方領域Eに形成し、側方領域Eにおいて底面積を増加させることにより、流入する洗浄水の流速によらず、より確実にこの遅延流路内部を流れる洗浄水量を増加させることができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路528から汚物を押し流す搬送流Bに合流させることができる。
また、本実施形態による水洗大便器501によれば、接続部546が分流部526から流入した洗浄水の流れ方向を側方領域E側に向けて変更させることにより、汚物より先行する洗浄水が拡張流路548を流れる流速を低減させ、拡張流路548を流れる時間を増加させることができる。これにより、汚物より先行して遅延流路528に流入した洗浄水が、汚物の搬送流が分流部に到達する前に分流部526に流出することを抑制することができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路528から汚物を押し流す搬送流Bにより確実に合流させることができる。
また、本実施形態による水洗大便器501によれば、中央領域Dの側方のうち一方側及び他方側の側方領域Eに設けられる拡張流路548により、遅延流路528を側方領域E側のより広い領域に拡げ、遅延流路528の底面積をより増加させることができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路28、128、228、428、528へ流入させやすくすることができる。
また、本実施形態による水洗大便器501によれば、拡張流路548が排水トラップ管路8の入口8fと出口8dとを結ぶ方向に沿った方向に延びているので、遅延流路528を側方領域E側のより広い領域に拡げ、遅延流路528の底面積をより増加させることができる。従って、本発明によれば、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路528へ流入させやすくすることができる。
また、本実施形態による水洗大便器501によれば、遅延流路528の出口544が接続部546と共通となる場合に比べて、拡張流路548において洗浄水の流れが止まった状態が比較的長く続くことを抑制することができる。このように、拡張流路548において洗浄水の流れが止まった状態が比較的長く続くことにより、汚物の搬送流に合流できない事態が生じることを抑制することができる。従って、本発明によれば、節水化により便器を洗浄する洗浄水量が低減された場合であっても、より多くの水量の汚物より先行する洗浄水を遅延流路528から汚物を押し流す搬送流に合流させることができ、汚物の搬送流の水量を増加させることができ、汚物を搬送する搬送性能を向上させることができる。また、本発明によれば、拡張流路548において洗浄水の流れが止まることにより洗浄水中の浮遊汚物が沈み、拡張流路548に残留することを抑制することができる。
また、本実施形態による水洗大便器501によれば、接続部546から第1出口544aに至る第1拡張流路548aと、接続部546から第2出口544bに至る第2拡張流路548bと、が独立して形成される。これにより、本発明によれば、第1拡張流路548a内の洗浄水の流れと第2拡張流路548b内の洗浄水の流れが合流することにより流れが乱れることを抑制することができ、洗浄水の流れが止まった状態が比較的長く続くことを抑制することができる。
また、本実施形態による水洗大便器501によれば、排水ソケット516は、便器本体2とは別体の樹脂部材であるので、例えば排水ソケットが陶器製である場合と比べて、製造誤差を小さくすることができ、遅延流路528を側方領域Eにより確実に設けることができる。
また、本実施形態による水洗大便器501によれば、拡張流路548は、側方領域Eにのみ設けられる。側方領域Eにおいては、拡張流路548の配置について、排水トラップ管路8の形状、及び排水ソケットに接続される建物配管22の入口位置に応じた制約を受けにくくなる。従って、本発明によれば、拡張流路548を、様々な排水トラップ管路8の形状、及び建物配管22の入口位置に対応する水洗大便器に適用することができる。
本発明を実施するための形態は上記に限定されるものではなく、さらなる他の変形例を適用することができる。便器本体の排水トラップ管路の形状や建物配管の位置が異なる場合にも、本発明の各実施形態の水洗大便器の排水ソケットの分流部及び遅延流路を適用することができる。
図18Aは本発明の各実施形態の水洗大便器の排水ソケットの分流部及び遅延流路を適用することができる水洗大便器として、床向きに開口する排水トラップ管路と、壁面から延びる建物配管とを接続する排水ソケットを備えた水洗大便器を示す断面図であり、図18Bは本発明の各実施形態の水洗大便器の排水ソケットの分流部及び遅延流路を適用することができる水洗大便器として、壁向きに開口する排水トラップ管路と、壁面から延びる建物配管とを接続する排水ソケットを備えた水洗大便器を示す断面図であり、図18Cは本発明の各実施形態の水洗大便器の排水ソケットの分流部及び遅延流路を適用することができる水洗大便器として、壁向きに開口する排水トラップ管路と、床面から延びる建物配管とを接続する排水ソケットを備えた水洗大便器を示す断面図である。
図18Aに示すように、便器本体Tと建物配管Pとを接続する排水ソケット616Aが側面視で略L字状となる場合がある。
この場合、排水ソケット616Aは、建物配管Pと連通し、横方向に延びる横方向領域a1と、横方向領域a1および鉛直下方に延びる便器本体Tの排水トラップ管路出口Toを連通する略L字状の屈曲領域a2とに分割できる。
一変形例として、このような形状の排水ソケット616Aにおいては、横方向領域a1において第2実施形態で説明した分流部426及び遅延流路428を適用できる。また、別の一変形例として、排水ソケット616Aにおいては、屈曲領域a2において、第1実施形態の分流部26及び遅延流路28,228を適用できる。
図18Bに示すように便器本体Tと建物配管Pとを接続する排水ソケット616Bは、建物配管Pと横方向に延びる便器本体Tの排水トラップ管路出口Toを連通する横管となる場合がある。
一変形例として、このような形状の排水ソケット616Bにおいては、横管において第2実施形態で説明した分流部426及び遅延流路428を適用できる。
図18Cに示すように便器本体Tと建物配管Pとを接続する排水ソケット616Cが側面視で略S字状となる場合がある。
この場合、排水ソケット616Cは、水平方向に開口している便器本体Tの排水トラップ管路出口Toと連通した略L字状の第1屈曲領域c1と、この第1屈曲領域c1と鉛直方向で一端が連通し、他端が水平方向に延びる略L字状の第2屈曲領域c2と、この第2屈曲領域と連通し、横方向に延びる横方向領域c3と、この横方向領域c3と連通し、鉛直方向に延びる建物配管Pと連通した第3屈曲領域c4とに分割できる。
一変形例として、排水ソケット616Cにおいては、第1屈曲領域c1及び第2屈曲領域c2において、第1実施形態の分流部26及び遅延流路28,228を適用できる。また、別の一変形例として、排水ソケット616Cにおいては、横方向領域c3において第2実施形態で説明した分流部426及び遅延流路428を適用できる。また、さらに別の一変形例として、排水ソケット616Cにおいては、屈曲領域c4において、第3実施形態の分流部526及び遅延流路528を適用できる。
1、301、401、501 水洗大便器
2 便器本体
4 ボウル部
6 導水路
8 排水トラップ管路
8a 入口管路
8b 上昇管路
8c 下降管路
8d 出口
8e 側面
9 スカート部
10 リム
12 リム吐水口
14 溜水部
16、316、416、516 排水ソケット
18 洗浄水タンク装置
18a 入口部
20 洗浄水タンク
20a 排水口
22 建物配管
24、424、524 上流側排水管路部
26、426、526 分流部
28、128、228、428、528 遅延流路
30、130、430、530 下流側排水管路部
32、432、532 ガイド部
34 縦流路
34a、434a、534a 側壁
34b、434b、534b 誘導面
36、436 切欠部
40、440、540 入口
44、144、244、444、544 出口
46、146、246、446、546 接続部
48、148、248、448、548 拡張流路
50 底面
550 下流側面
50a、450a、550a 端部
424a 屈曲部
430a 屈曲部
434 横方向流路
438 接続部分
450 下流側面
534 横方向流路
538 接続部分
616A 排水ソケット
616B 排水ソケット
616C 排水ソケット
A 先行洗浄水
B 搬送流
C 汚物
F 床
P 建物配管
Z 鉛直線
Z2 仮想線

Claims (10)

  1. 洗浄水により洗浄され汚物を排出する水洗大便器であって、
    汚物を受けるボウル部と、このボウル部の下部から延びる排水トラップ管路と、上記ボウル部及び上記排水トラップ管路を側方から覆うように設けられたスカート部とを備えた便器本体と、
    上記排水トラップ管路と連通し且つ上記汚物を下流側の建物配管に排出させる排水管路とを有し、
    上記排水管路が、
    上記排水トラップ管路の下流側に接続される上流側排水管路部と、
    上記上流側排水管路部の下流側に設けられる分流部と、
    上記分流部の下流側に設けられる下流側排水管路部と、
    上記分流部から分岐された遅延流路とを備え、
    上記スカート部の内側の領域は、平面視にて、上記排水トラップ管路の入口と出口とを結ぶ方向と直交する方向の上記排水トラップ管路の幅より中央側の領域として上記排水トラップ管路の入口と出口とを結ぶ方向に延びる中央領域と、上記中央領域の側方側の側方領域とを含み、
    上記遅延流路は、上記側方領域に流路を形成し、上記分流部から流入された洗浄水を、流入されたときよりも後に上記分流部に到達する洗浄水の流れに合流させ
    上記遅延流路は、
    上記分流部と接続する接続部と、
    上記接続部から上記側方領域側に延びる拡張流路と、を備え、
    上記接続部は、上記分流部から流入した洗浄水の流れ方向を側方側の上記側方領域側流路に向けて変更させる屈曲流路を形成している、水洗大便器。
  2. 上記拡張流路は、上記中央領域の側方のうち一方側及び他方側の上記側方領域に設けられる、請求項に記載の水洗大便器。
  3. 上記拡張流路は、上記排水トラップ管路の入口と出口とを結ぶ方向に沿った方向に延びる、請求項又はに記載の水洗大便器。
  4. 上記拡張流路は、側面視で、上記排水トラップ管路と一部が重なる位置まで延びる、請求項又はに記載の水洗大便器。
  5. 上記排水管路の上記分流部は、上下方向に延びる縦流路を形成し、
    上記遅延流路の上記接続部は、上記分流部の上記縦流路のうち上記排水トラップ管路の上昇管路側に接続される、請求項乃至の何れか1項に記載の水洗大便器。
  6. 上記遅延流路は上記接続部とは別となる出口部を備え、
    上記遅延流路は、上記接続部から流入された洗浄水を、流入されたときよりも後に上記分流部に到達する洗浄水の流れに上記出口部から合流させる、請求項乃至の何れか1項に記載の水洗大便器。
  7. 上記遅延流路は、上記接続部とは別となる出口部を備え、上記遅延流路は、上記接続部から流入された洗浄水を、流入されたときよりも後に上記分流部に到達する洗浄水の流れに上記出口部から合流させ、
    上記拡張流路は、上記一方側の側方領域に設けられる第1拡張流路と、上記他方側の側方領域に設けられる第2拡張流路とを備え、
    上記出口部は、上記第1拡張流路の出口を形成する第1出口部と、第2拡張流路の出口を形成する第2出口部とを備え、
    上記接続部から上記第1出口部に至る上記第1拡張流路と、上記接続部から上記第2出口部に至る上記第2拡張流路と、が独立して形成される、請求項に記載の水洗大便器。
  8. 上記排水管路は、上記便器本体とは別体の樹脂部材である、請求項乃至の何れか1項に記載の水洗大便器。
  9. 上記拡張流路は、上記側方領域にのみ設けられる、請求項に記載の水洗大便器。
  10. 上記下流側排水管路部は、上記建物配管の位置まで横方向に延びる横方向流路を備え、上記接続部及び上記遅延流路の出口部は、上記下流側排水管路部の上記横方向流路より上流側の上記分流部に向けて開口されている、請求項に記載の水洗大便器。
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