JP6647685B2 - 水洗大便器 - Google Patents
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Description
まず、上述した特許文献1に記載されている従来の水洗大便器においては、ボウルの左右方向の一方側の側方領域のリムに設けられた第1リム吐水口と、ボウルの後方領域のリムに設けられた第2リム吐水口と、を備えており、これらの2つのリム吐水口から吐水された洗浄水(リム吐水)のみによって、ボウル面の洗浄と汚物の排出とが行われるようになっている。
また、上述した特許文献1に記載されている従来の水洗大便器では、第1リム吐水口及び第2リム吐水口のそれぞれからボウルの周方向前方に吐水された洗浄水が、リムの内周面に沿って旋回した後、ボウル面上をその下方の凹部に向かって流下するようになっている。
この際、特に、第1リム吐水口から前方に吐水された洗浄水は、ボウルの前端付近を通過した後、ボウルの前方領域からその後方のボウル面の下方の凹部に接続された排水路の入口に向かって勢いよく流れ込むことにより、汚物の排出性能を向上させている。
これにより、ボウルの前端部においてリムの内周面に沿って旋回する洗浄水において、その旋回方向の水勢が強い場合には、このボウルの外部への飛び出しや周囲への飛び散りが生ずるおそれがあるという問題がある。
また、上述した特許文献2に記載されている従来の水洗大便器においては、ボウルの前端部の近傍にリム吐水口が設けられており、このリム吐水口から吐出された直後の洗浄水は、ボウルの前端部を勢いよく通過するようになっている。
このため、上述した特許文献2に記載されている従来の水洗大便器では、ボウルの前端部のリムについて、その上方を大きくオーバーハングさせた形状にすることにより、ボウルの前端部を通過する洗浄水によるボウルの外部への飛び出しや周囲への飛び散りを抑制している。
したがって、このように水勢が抑制された状態で洗浄水がボウル面を流下し、排水路に流れ込んだとしても、ボウル面の汚物を十分に洗い流すことができず、ボウル面に不洗浄部分が残されてしまい、便器洗浄性能が低下するという問題がある。
また、排水路から汚物を十分に排出することができず、汚物排出性能が低下するという問題もある。
したがって、洗浄水によるボウルの外部への飛び出しや周囲への飛び散りを効果的に抑制しながら、いかに便器洗浄性能や汚物排出性能を向上させるかが、従来から要請された課題となっている。
このように構成された本発明においては、ボウルの前方領域において、第1リム吐水口から上流側通水路に向かって前方に吐水された洗浄水は、ボウル面の前端部を通過した後、下流側通水路に旋回する。
このとき、ボウルの前方領域における通水路においては、棚面とオーバーハング部との間に形成されてその上方がオーバーハング部により覆われる鉛直方向の流路断面の断面積が、通水路の上流側通水路及び下流側通水路よりも前端部の方が小さくなるように設定されている。
これにより、ボウルの前方領域の通水路の前端部のオーバーハング部のオーバーハング量(突出量)についても比較的小さく設定することができる。
一方、ボウルの前方領域の上流側通水路及び下流側通水路のそれぞれのオーバーハング部のオーバーハング量(突出量)については、通水路の前端部のオーバーハング量(突出量)よりも大きく設定することができる。
これらの結果、第1リム吐水口から上流側通水路に吐水された洗浄水が通水路の前端部を通過する際に、オーバーハング部との衝突によるエネルギーロスを抑制することができ、高いエネルギーを維持しながら、下流側通水路に洗浄水を旋回させることができる。
また、ボウルの前方領域の通水路の前端部を通過した洗浄水が下流側通水路を流れる際には、下流側通水路の平面視の曲率半径が上流側通水路の平面視の曲率半径よりも小さく、かつ、下流側通水路の流路断面のオーバーハング部のオーバーハング量(突出量)が通水路の前端部よりも大きいため、エネルギーロスが生じやすくなる。
したがって、下流側通水路の洗浄水について、確実に前方から汚物受け面に流下させることができると共に、下流側通水路のオーバーハング部により水撥ねを抑制することができる。
さらに、ボウルの前方領域の上流側通水路のオーバーハング部のオーバーハング量(突出量)についても、通水路の前端部のオーバーハング量(突出量)よりも大きく設定することができるため、第1リム吐水口の近傍で生じやすい水撥ねについて、上流側通水路のオーバーハング部によって抑制することができる。
これらの結果、ボウル外への洗浄水の飛び散りを抑制して便器洗浄性能を向上させることができると共に、ボウルから排水路への汚物排出性能を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、ボウルの前方領域において、第1リム吐水口から通水路に吐水された洗浄水は、リムの下側立壁面に沿っても流れることになるが、この洗浄水は、下側立壁面の下側領域を流れる傾向にある。
このとき、ボウルの前方領域の下側立壁面が、下方から上方に向って斜め外側に立ち上がるように形成されているため、ボウルの前方領域の下側立壁面に沿って流れる洗浄水について、下方から上方に向って外側に広がるような流れが形成される。
したがって、ボウルの前方領域の下側立壁面に沿って流れる洗浄水について、オーバーハング部との接触によって過度なエネルギーロスが生じることにより、汚物受け面に向かって流下することを抑制することができ、高いエネルギーを維持しながら、下流側に旋回させることができる。
このように構成された本発明においては、ボウルの前方領域において、第1リム吐水口から吐水された洗浄水は、平面視の曲率半径が比較的大きい上流側通水路に沿って水勢を維持しながら、通水路の前端部を経て下流側通水路に旋回する。
この際に、下流側通水路の平面視の曲率半径が上流側通水路に比べて小さく設定されているため、下流側通水路内においては、洗浄水の下流側への旋回が進むにつれて、下側立壁面からその上方の第2上側立壁面に差し掛かる上昇する流れが形成されることになる。
しかしながら、ボウルの前方領域の下流側通水路においては、第2上側立壁面の第2傾斜面の第2傾斜角度が、第1上側立壁面の第1傾斜面の第1傾斜角度よりも大きく設定されているため、第2上側立壁面に差し掛かる上昇する洗浄水の流れが、第2傾斜面に沿って内側の汚物受け面に差し向けられることになる。
したがって、汚物受け面の前方に位置するボウルの前方領域の下流側通水路から水勢のある状態の洗浄水を汚物受け面に向けて流下させることができる。
このように構成された本発明においては、ボウルの前方領域における通水路の棚面の外端と下側立壁面の下端とを曲面にて連結する連結面について、立面視の上下方向の曲率半径がボウルの前方領域の周方向の全区間に亘ってほぼ一定に設定されているため、連結面の曲面形状のばらつきによって水流が乱れることよる水撥ねを抑制することができる。
同時に、第1リム吐水口から吐水された洗浄水について、ボウルの前方領域の通水路の前端部から下流側通水路に高いエネルギー状態で旋回させることができる。
このように構成された本発明においては、ボウルの前方領域における通水路の外端と下側立壁面の下端とを曲面にて連結する連結面の下端が、ボウルの前方領域の周方向の全区間に亘ってほぼ同一の高さ位置に設けられているため、連結面の下端の高さ位置のばらつきによって水流が乱れることによる水撥ねを抑制することができる。
同時に、第1リム吐水口から吐水された洗浄水について、ボウルの前方領域の通水路の前端部から下流側通水路に高いエネルギー状態で旋回させることができる。
このように構成された本発明においては、第1リム吐水口の下流側近傍では、流路が解放されるために、水撥ねが生じやすい状態となっている。
しかしながら、ボウルの前方領域においてオーバーハング部により上方が覆われる通水路の鉛直方向の流路断面の断面積について第1リム吐水口の下流側近傍で最大となるように設定したことにより、オーバーハング部のオーバーハング量(突出量)についても大きく設定することができる。
したがって、第1リム吐水口の下流側近傍の通水路において、水撥ねを効果的に抑制することができる。
このように構成された本発明においては、第1リム吐水口の口縁の一部を形成する第1リム内周面の口縁部が、上流側から下流側に向って下方から斜め上方に傾斜しているため、ボウルの前方領域において、第1リム吐水口から下流側の通水路に安定して洗浄水を吐水することができると共に、水撥ねについても抑制することができる。
したがって、第1リム吐水口からの安定した吐水と水撥ねの抑制とを両立させることができる。
まず、図1は、本発明の一実施形態による水洗大便器の概略平面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態による水洗大便器1は、陶器製の便器本体2を備えている。この便器本体2は、上流側から下流側に向かって、導水路4と、ボウル形状のボウル6と、排水トラップ管路8とを備えている。
また、本実施形態の水洗大便器1は、便器本体2のボウル6内の水の落差による流水作用で汚物を排水トラップ管路8へ押し流す、いわゆる、「洗い落し式の水洗大便器」である。
なお、便器本体2については、陶器製以外の樹脂製等であってもよい。
また、便器本体2の上面においては、便座(図示せず)及び便蓋(図示せず)の後方側には、使用者の局部を洗浄する衛生洗浄部(図示せず)や便器本体2への給水機能に関与する給水系機能部等の機能部(図示せず)も設けられていてもよいが、これらについても、従来の水洗大便器の構造と同様であるため、具体的な説明については省略する。
また、洗浄水タンク装置10は、貯水した洗浄水について重力を利用して便器本体2の導水路4に供給可能にする重力給水式の貯水タンク10aを備えている。
ここで、貯水タンク10aの内部には、代表的には、貯水タンク10a内に洗浄水を給水する給水装置(図示せず)や、貯水タンク10aの排水口(図示せず)を開閉する排水弁装置(図示せず)等が設けられているが、これらの装置は、従来と同様であるため、具体的な説明については省略する。
なお、本実施形態では、便器本体2へ洗浄水を供給する洗浄水源としては、上述した重力給水式の貯水タンク10のようなタンク式の形態に限定されず、他の形態でも適用可能である。すなわち、便器本体2へ洗浄水を供給する洗浄水源として、水道水の給水圧を直接利用した水道直圧式の形態やフラッシュバルブ式の形態であってもよいし、或いは、ポンプの補圧を利用して洗浄水を供給する形態であってもよい。
なお、図2及び図3においては、本実施形態の水洗大便器1の洗浄水タンク装置10については省略している。
ここで、図1に示す本発明の一実施形態による水洗大便器1においては、便器本体2のボウル6の平面視において、ボウル6を前後方向に二等分するように水平左右方向に延びる中心軸線を「X」で示し、ボウル6を左右方向に二等分するように水平前後方向に延びる中心軸線を「Y」で示している。
また、図1では、中心軸線X,Yの互いの交点を平面視のボウル6の中心Oとし、この中心Oを通る鉛直方向に延びる中心軸線を「Z」で示している。
これらにより、図2及び図3に示す本発明の一実施形態による水洗大便器1においては、便器本体2のボウル6の側面視において、ボウル6を前後方向に二等分するように鉛直方向に延びる中心軸線を「Z」で示している。
さらに、図1〜図3に示すように、水洗大便器1の前後左右の方向については、「前」、「後」、「左」、「右」でそれぞれ示している。
さらに、図1〜図3に示すように、水洗大便器1のボウル6において、前方領域Fと後方領域Bとの間の領域で且つ水平前後方向の中心軸線Yに対して右側の側方領域を「ボウル6の右側方領域R」と定義し、前方領域Fと後方領域Bとの間の領域で且つ水平前後方向の中心軸線Yに対して左側の側方領域を「ボウル6の左側方領域L」と定義する。
例えば、図1に示すように、ボウル6内の前端6aから後端6bまでの前後方向の全長距離をY0[mm]とすると、ボウル6の前方領域Fの水平前後方向の範囲に相当する所定距離Y1は、全長距離Y0に対して30%〜40%(Y1/Y0=0.30〜0.40)の大きさに設定されている。
また、図1に示すように、ボウル6の後方領域Bの水平前後方向の範囲に相当する所定距離Y2は、全長距離Y0に対して15%〜25%(Y2/Y0=0.15〜0.25)の大きさに設定されている。
また、図1〜図3に示すように、便器本体2の導水路4の下流側に位置するボウル6は、下方から上方に向かって、凹部12、汚物受け面14、棚16、及び、リム18を備えている。
つぎに、ボウル6の汚物受け面14は、凹部12の上縁からボウル状に形成されており、汚物を受ける面となっている。
ここで、図1〜図3に示すように、ボウル面Sについては、汚物受け面14から凹部12にかけて下方に屈曲しており、凹部12は、その屈曲を開始した地点を汚物受け面14との境界としている。
なお、図1〜図3では、汚物受け面14と凹部12との境界線を「M」とする。すなわち、この境界線Mは、凹部12の上縁に相当すると共に、汚物受け面14の内縁かつ下縁に相当している。
また、図1〜図3に示すように、ボウル6のリム18は、ボウル6の上縁を形成しており、リム18の内周面S1は、図1に示す平面視において、概ね卵形の形状に形成されている。
このとき、曲率半径r1は、曲率半径r2,r3,r4よりも小さく設定されている。また、曲率半径r3,r4は、ボウル6の左右対称の位置において互いにほぼ同一の曲率半径に設定されており、曲率半径r2よりも大きく設定されている(r1<r2<r3≒r4)。
さらに、図1〜図3に示すように、ボウル6の棚16は、汚物受け面14の外縁とリム18の下端との間に形成されている。導水路4内の洗浄水は、詳細は後述する2つのリム吐水口(第1リム吐水口20及び第2リム吐水口22)のそれぞれに導かれて吐水された後、棚16上に沿って周方向下流側に導かれるようになっている。
まず、図1〜図3に示すように、共通通水路24は、貯水タンク10に接続される後方の入口4aから前方のボウル6の背面側近傍まで延びるようにボウル6の後方側の便器本体2の内部に形成されている。
また、図1に示すように、第1リム通水路26は、ボウル6の背面側近傍で共通通水路24からボウル6の一方側(ボウル6の前方から見て左側)に分岐している。
そして、図1に示すように、第1リム通水路26は、ボウル6の外周面を迂回しながら前方に延びるようにボウル6の左側方領域Lのリム18の内部に形成された後、その前方の前方領域F内の第1吐水口(第1リム吐水口20)まで延びている。
また、図1に示すように、第2リム通水路28は、ボウル6の外周面を迂回しながら前方に延びるようにボウル6の後方領域Bのリム18の内部に形成される。
そして、図1に示すように、第2リム通水路28は、ボウル6の後方領域Bよりも前方で且つ水平左右方向の中心軸線Xよりも後方の右側方領域R内のリム18の内部で後方側にUターンするように形成された後、ボウル6の右側方領域R内の後方側の第2吐水口(第2リム吐水口22)まで延びている。
さらに、図1に示すように、第2リム通水路28については、より具体的には、上流側から下流側に向かって、入口28aと、外側通水路28bと、屈曲通水路28cと、内側通水路28dとを備えている。
これにより、第2リム通水路28は、外側通水路28bの前方部分(下流側部分)から屈曲通水路28c及び内側通水路28dを経て、その下流端の第2リム吐水口22までの部分が、平面視でU字形形状にターンする部分(Uターン部U)を形成している。
また、図1〜図3に示すように、排水トラップ管路8の入口8aは、ボウル6の凹部12の下方に接続されている。
さらに、図2及び図3に示すように、排水トラップ管路8は、その入口8aから下方且つ後方に下降する下降路8bと、この下降路8bの下流端から上方且つ後方に上昇する上昇路8cと、を備えている。
なお、本実施形態では、ボウル6の平面視のボウル面Sの形状について、概ね卵形形状に形成された形態について説明するが、卵形形状とは異なる概ね楕円形状に形成された形態等であってもよい。
例えば、図1及び図2に示すように、ボウル6内の前端6aからボウル6の前方領域F内の第1リム吐水口20の位置P3までの前後方向の距離Y3は、ボウル6内の全長距離Y0に対して15%〜35%(Y3/Y0=0.15〜0.35)の大きさに設定されている。
つぎに、図1及び図3に示すように、水洗大便器1の第2リム吐水口22は、ボウル面Sの前後方向に延びる中心軸線Yに対して他方側の右側方領域Rから後方領域Bに変化する領域付近に配置されている。より具体的には、第2リム吐水口22は、ボウル6の後方領域Bの前方側の境界位置P2よりも前方の右側方領域R内の後方側に配置されている。
例えば、図1及び図3に示すように、ボウル6内の後端6bからボウル6の右側方領域R内の第2リム吐水口22の位置P4までの前後方向の距離Y4は、ボウル6内の全長距離Y0に対して15%〜35%(Y4/Y0=0.15〜0.35)の大きさに設定されている。
特に、図1に示すように、この凹部12の後端位置P5は、汚物受け面14と凹部12との境界線M上の最後端に位置している。
また、図1〜図3及び図5に示すように、ボウル6の凹部12内に収容される溜水W0の水位(溜水面WL)については、便器洗浄が開始する前及び便器洗浄が完了した後の待機状態の静水位置を示している。
そして、図1に示すように、第2リム吐水口22の位置P4は、平面視において、ボウル6の凹部12内に収容される溜水W0の溜水面WLの後端位置P6よりも前方に設定されている。
さらに、図1及び図3に示すように、第2リム吐水口22の開口断面は、便器本体2の前後方向の後方に向かって差し向けられた状態で開口している。
まず、図1及び図4に示すように、ボウル6の前方領域F内には、汚物受け面14,S3、棚16の表面(棚面S4)、及び、リム18の内周面S1のそれぞれによって通水路Cが形成されている。
また、図4に示すように、このボウル6の前方領域Fの通水路Cは、上流側通水路C1及び下流側通水路C2を備えている。
さらに、図4に示すように、上流側通水路C1は、第1リム吐水口20よりも前方下流側に形成されており、さらに、ボウル面Sの前端6aの位置P7に対して左側且つ上流側後方に形成されている。
一方、図1及び図6に示すように、下流側通水路C2は、ボウル面Sの前端6aの位置P7に対して右側且つ下流側後方に形成されている。
また、図6は、図4のVI−VI線に沿った断面図であり、本発明の一実施形態による水洗大便器1のボウル6の前方領域F内の通水路Cの前端6aおける流路断面図である。
さらに、図7は、図4のVII−VII線に沿った断面図であり、本発明の一実施形態による水洗大便器1のボウル6の前方領域F内の下流側通水路C2の途中の所定位置P9における流路断面図である。
まず、図4〜図7に示すように、ボウル面Sの前方領域Fにおけるリム18においては、その内周面S1の上方部分がボウル6の内側に向って突出するように形成されたオーバーハング部30を備えている。
また、図4及び図6に示すように、ボウル6の前方領域Fの通水路Cの前端6aの位置P8における鉛直方向の流路断面T2において、リム18のオーバーハング部30の最内部30aの位置P11から棚面S4まで鉛直面V2と、それよりも外周側の棚面S4と、リム18の内周面S1とにより囲まれる流路断面積を「A2」とする。
さらに、図4及び図7に示すように、ボウル6の前方領域Fの下流側通水路C2内の途中の所定位置P9における鉛直方向の流路断面T3において、リム18のオーバーハング部30の最内部30aの位置P12から棚面S4まで鉛直面V3と、それよりも外周側の棚面S4と、リム18の内周面S1とにより囲まれる流路断面積を「A3」とする。
これらにより、図4〜図7に示すように、ボウル6の前方領域F内の通水路Cの各流路断面T1〜T3の各断面積A1〜A3のうち、通水路Cの前端6aの鉛直方向の流路断面T2の断面積A2が、通水路Cの周方向の全区間の中で最小となるように設定されている。
すなわち、図6に示す通水路Cの前端6aの鉛直方向の流路断面T2の断面積A2は、図5に示す上流側通水路C1の流路断面積A1や図7に示す下流側通水路C2の流路断面積A2よりも小さくなるように設定されている(A2<A1,A3)。
そして、図5〜図7に示すように、ボウル面Sの前方領域Fの通水路Cの鉛直方向の各流路断面T1〜T3の各流路断面積A1〜A3においては、図5に示す第1リム吐水口20の下流側近傍の流路断面積A1が通水路Cの周方向の全区間の中で最大となるように設定されている(A1>A2,A3)。
ちなみに、図5〜図7に示すように、ボウル6の前方領域Fの通水路Cの各流路断面T1〜T3におけるリム18の内周面S1のオーバーハング部30において、通水路Cの前端6aから各最内部30aまでの水平方向の各距離d1〜d3は、実質的には、オーバーハング部30のオーバーハング量(突出量)に相当している。
そして、図6に示すボウル面Sの前方領域Fの通水路Cの前端6aの流路断面T2のオーバーハング部30のオーバーハング量(突出量)d2については、比較的小さく設定されている。
一方、図5に示す上流側通水路C1の流路断面T1のオーバーハング部30のオーバーハング量(突出量)d1や図7に示す下流側通水路C2の流路断面T3のオーバーハング部30のオーバーハング量(突出量)d3については、図6に示すボウル面Sの前方領域Fの通水路Cの前端6aの流路断面T2のオーバーハング部30のオーバーハング量(突出量)d2に比べて大きく設定されている(d1>d2、d3>d2)。
また、図5〜図7に示すように、立壁面S1は、リム18の内周面S1の下側領域及び上側領域をそれぞれ形成する下側立壁面S5及び上側立壁面S6を備えている。
さらに、図5〜図7に示すように、下側立壁面S5は、下方から上方に向って斜め外側に立ち上がるように形成されている。
また、図5〜図7に示すように、各流路断面T1〜T3の立面視において、各上側立壁面S6の各傾斜面S7〜S9が、それぞれに対応する鉛直面V4〜V6に対して傾斜する傾斜角度について、それぞれ「α1」、「α2」、「α3」とする。
これらにより、図7に示す下流側通水路C2の流路断面T3の上側立壁面S6における傾斜面S9の傾斜角度α3は、図5に示す上流側通水路C1の流路断面T1の上側立壁面S6における傾斜面S7の傾斜角度α1よりも大きく設定されており(α3>α1)、かつ、図6に示す通水路C1の前端6aの流路断面T2の上側立壁面S6における傾斜面S8の傾斜角度α2よりも大きく設定されている(α3>α2)。
また、図5〜図7に示すように、各流路断面T1〜T3の立面視において、各連結面S10の立面視の上下方向の曲率半径ρ3は、ボウル面Sの前方領域Fの通水路Cの周方向の全区間に亘ってほぼ一定に設定されている。
ここで、各連結面S10の曲率半径ρ3については、3mm〜20mmに設定されることが好ましく、5mm〜15mmに設定されることがより好ましい。
ここで、「ほぼ同一の高さ位置」という記載の「ほぼ同一」とは、高さ位置が完全に同一である場合を含むことは当然として、完全に同一の高さ位置ではない場合であっても、陶器製の便器本体2の製造誤差等を考慮するとほぼ同一の高さ位置とみなすことができる誤差の範囲をも含む。
図2、図4及び図8に示すように、リム18は、第1リム吐水口20の内縁20aを形成する内側壁32を備えており、また、第1リム吐水口20の外縁20bを形成する外側壁34を備えている。
また、図2、図4及び図8に示すように、リム18の内周面S1は、リム18の内側壁32の内周面(汚物受け面14側の壁面)を形成する第1リム内周面(内側リム内周面S11)を備えている。
さらに、図2、図4及び図8に示すように、リム18の内周面S1は、リム18の外側壁34の内周面(第1リム通水路26側の壁面)を形成する第2リム内周面(外側リム内周面S12)を備えており、この外側リム内周面S12は、内側リム内周面S11よりも外側に位置している。
また、図2及び図8に示すように、リム18の内側壁32及び第1リム内周面(内側リム内周面S11)は、その前側端部において第1リム吐水口20の口縁20aの一部を形成する口縁部36を備えている。
さらに、図2及び図8に示すように、リム18の内側壁32及び内側リム内周面S11の口縁部36は、立ち上がり部36a及び傾斜部36bを備えている。
図2に示すように、リム18の内側壁32の口縁部36における立ち上がり部36aは、その下端の棚面S4からほぼ鉛直方向に立ち上がるように形成されている。
また、図2及び図8に示すように、リム18の内側壁32の口縁部36における傾斜部36bは、その下端が立ち上がり部36aの上端に接続されており、ボウル6の上流側から下流側(ボウル6の後方側から前方側)に向って下方から斜め上方に傾斜するように形成されている。
図9は、本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル内の洗浄水の流れを概略的に説明した概略平面図である。
まず、図9に示すように、便器洗浄が開始され、貯水タンク10内の洗浄水が便器本体2の導水路4の入口4aから共通通水路24に供給される。
そして、共通通水路24内の洗浄水(図9の流れf0)は、第1リム通水路26及び第2リム通水路28のそれぞれに分岐し、下流側の第1リム吐水口20及び第2リム吐水口22のそれぞれに供給された後、周方向下流側に吐水される。
そして、図4、図7及び図9に示すように、下流側通水路C2内の洗浄水f1は、概ね大半が、下流側通水路C2の棚16の棚面S4、連結面S5、及び、リム18の内周面S1上に沿って下流側のボウル面Sの右側方領域Rに旋回した後、ボウル面Sの後方領域Bに流れる。これにより、ボウル面S(汚物受け面14の全面S3)上を周方向下流側に旋回する旋回流f1a(いわゆる、「横旋回流」)が形成される。
これにより、洗浄水f1a(図9参照)は、ボウル面S(汚物受け面14の全面S3等)を全周に亘って旋回し、ボウル面Sの全域を洗浄した後、ボウル6の凹部12内に流れ込む。これにより、ボウル6内の水の落差による流水作用により、汚物が排水トラップ管路8内に押し流される。
また、同時に、図4、図7及び図9に示すように、ボウル6の前方領域Fの下流側通水路C2の洗浄水f1は、下流側通水路C2を通過することにより、ボウル面Sの前方領域Fから汚物受け面14,S3に流下する流れf1bについても形成する。
そして、図9に示すように、ボウル面Sの後方領域B内の洗浄水f2は、ボウル面Sの後方領域Bにおける左右方向の中央領域よりも左側の汚物受け面14からボウル面Sの下方の溜水部(凹部12)内の溜水W0に向けて落とし込む流れf3が形成される。
また、図9に示すように、第2リム吐水口22から吐水された洗浄水の一部は、ボウル面Sの後方領域Bの左右方向の中央領域よりも右側付近の棚面S4及び汚物受け面14から、ボウル6の凹部12内の溜水W0に向けて後方側から落とし込む流れf4が形成される。
そして、図9に示すように、ボウル6の凹部12内においては、これらの洗浄水の流れf3,f4により、縦方向に旋回する旋回流(いわゆる、「縦旋回流」)が形成される。これにより、ボウル6の凹部12内の溜水W0が強力に攪拌された後、ボウル6の凹部12内の水の落差による流水作用で汚物が排水トラップ管路8内に押し流される。
このとき、図5〜図7及び図9に示すように、ボウルSの前方領域Fにおける通水路Cにおいては、棚面S4とオーバーハング部30との間に形成されて、その上方がリム18の内周面S1のオーバーハング部30により覆われる鉛直方向の各流路断面T1〜T3のうちで、通水路Cの前端6aにおける流路断面T2の断面積A2が最小となるように設定されている。
これにより、図6に示すように、ボウル6の前方領域Fの通水路Cの前端6aの流路断面T2のオーバーハング部30のオーバーハング量(突出量)d2についても、比較的小さく設定することができる。
一方、図5及び図7に示すように、ボウル6の前方領域Fの上流側通水路C1及び下流側通水路C2のそれぞれのオーバーハング部30のオーバーハング量(突出量)d1,d3については、通水路Cの前端6aの流路断面T2のオーバーハング量(突出量)d2よりも大きく設定することができる。
これらの結果、図6及び図9に示すように、第1リム吐水口20から上流側通水路C1に吐水された洗浄水f1が通水路Cの前端6a付近を通過する際に、オーバーハング部30との衝突によるエネルギーロスを抑制することができ、高いエネルギーを維持しながら、下流側通水路C2に洗浄水f1を旋回させることができる。
また、図4、図6、図7及び図9に示すように、ボウル6の前方領域Fの通水路Cの前端6a付近を通過した洗浄水f1が下流側通水路C2を流れる際には、下流側通水路C2の平面視の曲率半径ρ2が上流側通水路C1の平面視の曲率半径ρ1よりも小さく(ρ2<ρ1)、かつ、下流側通水路C2の流路断面T3のオーバーハング部30のオーバーハング量(突出量)d3が通水路Cの前端6aの流路断面T2のオーバーハング量(突出量)d2よりも大きいため(d3>d2)、エネルギーロスが生じやすくなる。
したがって、図4、図7及び図9に示すように、ボウル6の前方領域Fの下流側通水路C2の洗浄水f1について、確実にボウル面Sの前方領域Fから汚物受け面14,S3に流下させることができると共に、ボウル面Sの前方領域Fの下流側通水路C2のオーバーハング部30により水撥ねを抑制することができる。
さらに、図5及び図6に示すように、ボウル6の前方領域Fの上流側通水路C1のオーバーハング部30のオーバーハング量(突出量)d1についても、通水路Cの前端6aのオーバーハング量(突出量)d2よりも大きく設定することができるため(d1>d2)、第1リム吐水口20の近傍で生じやすい水撥ねについて、上流側通水路C1のオーバーハング部30によって抑制することができる。
これらの結果、ボウル6の外部への洗浄水の飛び散りを抑制して便器洗浄性能を向上させることができると共に、ボウル6から排水トラップ管路8への汚物排出性能を向上させることができる。
このとき、図5〜図7に示すように、ボウル6の前方領域Fの通水路Cにおけるリム18の下側立壁面S5が、下方から上方に向って斜め外側に立ち上がるように形成されているため、この通水路Cの下側立壁面S5に沿って流れる洗浄水f1については、下方から上方に向って外側に広がるような流れが形成される。
したがって、ボウル6の前方領域Fの通水路Cにおけるリム18の下側立壁面S5に沿って流れる洗浄水f1について、オーバーハング部30との接触によって過度なエネルギーロスが生じることにより、汚物受け面14に向かって流下することを抑制することができ、高いエネルギーを維持しながら、下流側に旋回させることができる。
この際に、図4に示すように、下流側通水路C2の平面視の曲率半径ρ2が上流側通水路C1の平面視の曲率半径ρ1に比べて小さく設定されているため(ρ2<ρ1)、図7及び図9に示す下流側通水路C2内においては、洗浄水f1の下流側への旋回が進むにつれて、リム18の下側立壁面S5からその上方の上側立壁面S6に差し掛かる上昇する流れが形成されることになる。
しかしながら、図7に示すボウル6の前方領域Fの下流側通水路C2の流路断面T3の上側立壁面S6の傾斜面S9の傾斜角度α3が、図5に示す上流側通水路C1の流路断面T1の上側立壁面S6における傾斜面S7の傾斜角度α1よりも大きく設定されており(α3>α1)、かつ、図6に示す通水路C1の前端6aの流路断面T2の上側立壁面S6における傾斜面S8の傾斜角度α2よりも大きく設定されている(α3>α2)。
これらにより、図7に示す下流側通水路C2の流路断面T3の上側立壁面S6に差し掛かる上昇する洗浄水の流れは、上側立壁面S6の傾斜面S9に沿って内側の汚物受け面14に差し向けられることになる。
したがって、図4及び図9に示すように、汚物受け面14の前方に位置するボウル6の前方領域Fの下流側通水路C2から水勢のある状態の洗浄水f1を汚物受け面14に向けて流下させることができる。
これにより、連結面S10の曲面形状のばらつきによって水流が乱れることよる水撥ねを抑制することができる。
同時に、図9に示すように、第1リム吐水口20からボウル面Sの前方領域Fの通水路Cに吐水された洗浄水f1について、ボウル6の前方領域Fの通水路Cの前端6aから下流側通水路C2に高いエネルギー状態で旋回させることができる。
同時に、第1リム吐水口から吐水された洗浄水について、ボウルの前方領域の通水路の前端部から下流側通水路に高いエネルギー状態で旋回させることができる。
しかしながら、図5〜図7に示すように、ボウル面Sの前方領域Fの通水路Cの鉛直方向の各流路断面T1〜T3の各流路断面積A1〜A3においては、図5に示す第1リム吐水口20の下流側近傍の流路断面T1の断面積A1について、通水路Cの周方向の全区間の中で最大に設定することができる(A1>A2,A3)。これにより、流路断面T1のオーバーハング部30のオーバーハング量(突出量)d1についても、通水路Cの周方向の全区間の中で最大に設定することができる。
したがって、第1リム吐水口20の下流側近傍の上流側通水路C1において、水撥ねを効果的に抑制することができる。
これにより、ボウル6の前方領域Fにおいて、第1リム吐水口20から下流側の通水路Cの上流側通水路C1に安定して洗浄水を吐水することができると共に、水撥ねについても抑制することができる。
したがって、第1リム吐水口20からの安定した吐水と水撥ねの抑制とを両立させることができる。
すなわち、洗い落し式の水洗大便器以外の形態の水洗大便器として、サイホン作用を利用してボウル内の汚物を吸い込んで排水トラップ管路から一気に外部に排出する、いわゆる、「サイホン式の水洗大便器」等に対しても適用可能である。
2 便器本体
4 導水路
4a 導水路の入口
6 ボウル
6a ボウル内の前端、ボウル面の前端(ボウル面の前端部)
6b ボウル内の後端、ボウル面の後端
6c ボウル内の左端、ボウル面の左端
6d ボウル内の左端、ボウル面の左端
8 排水トラップ管路(排水路)
8a 排水トラップ管路の入口
8b 排水トラップ管路の下降路
8c 排水トラップ管路の上昇路
10 洗浄水タンク装置(洗浄水源)
10a 貯水タンク
12 凹部(溜水部)
12a 凹部の底壁面
12b 凹部の側壁面
12c 凹部の後壁面
14 汚物受け面
16 棚
16a 棚面の外端
18 リム
18a リムの下縁、リムの下端、下側立壁面の下端
18b リムの上面
18c リムの下側立壁面の上端、リムの上側立壁面の下端
20 第1リム吐水口(吐水部、第1吐水口)
20a 第1リム吐水口の内縁
22 第2リム吐水口(吐水部、第2吐水口)
24 共通通水路
26 第1リム通水路
28 第2リム通水路
28a 第2リム通水路の入口
28b 第2リム通水路の外側通水路
28c 第2リム通水路の屈曲通水路
28d 第2リム通水路の内側通水路
30 リムのオーバーハング部
30a 最内部
32 リムの内側壁
32a 第1リム吐水口の口縁部
34 リムの外側壁
36 口縁部
36a 口縁部の立ち上がり部
36b 口縁部の傾斜部
A1 ボウルの前方領域内の上流側通水路の流路断面積
A2 ボウルの前方領域内の通水路の前端部の流路断面積
A3 ボウルの前方領域内の下流側通水路の流路断面積
B ボウルの後方領域
C ボウルの前方領域内の通水路
C1 ボウルの前方領域内の上流側通水路
C2 ボウルの前方領域内の下流側通水路
L ボウルの左側方領域
M 汚物受け面と凹部との境界線
F ボウルの前方領域
f0 共通通水路の洗浄水の流れ
f1 第1リム吐水口から吐水された洗浄水の流れ(旋回流)
f2 第2リム吐水口から吐水された洗浄水の流れ
f3 第2リム吐水口から吐水された洗浄水の大半の流れ
f4 第2リム吐水口から吐水された洗浄水の一部の流れ
f5 縦旋回流
O ボウルの中心
P1 ボウルの前端から水平前後方向の中心軸線に沿って所定距離後方のボウルの前方領域と左右側方領域との境界位置
P2 ボウルの後端から水平前後方向の中心軸線に沿って所定距離前方のボウルの後方領域と左右側方領域との境界位置
P3 第1リム吐水口の位置
P4 第2リム吐水口の位置
P5 凹部の後端位置
P6 溜水面の後端位置
P7 ボウル面の前端の位置
P8 ボウルの前方領域の上流側通水路内の第1リム吐水口の下流側近傍の所定位置
P9 ボウルの前方領域の下流側通水路の途中の所定位置
P10 オーバーハング部の最内部の位置
P11 オーバーハング部の最内部の位置
P12 オーバーハング部の最内部の位置
P13 連結面の下端位置
R ボウルの右側方領域
r1 ボウルの前方領域のリムの内周面の平面視における前端付近の代表的な曲率半径
r2 ボウルの後方領域のリムの内周面の平面視における後端付近の代表的な曲率半径
r3 ボウルの左側方領域のリムの内周面の平面視における左端付近の代表的な曲率半径
r4 ボウルの右側方領域のリムの内周面の平面視における右端付近の代表的な曲率半径
S ボウル面
S1 リムの内周面(立壁面)
S2 凹部内の壁面
S3 汚物受け面の全面
S4 棚の表面(棚面)
S5 下側立壁面
S6 上側立壁面
S7 上側立壁面の傾斜面(第1上側立壁面の第1傾斜面)
S8 上側立壁面の傾斜面(第1上側立壁面の第1傾斜面)
S9 上側立壁面の傾斜面(第2上側立壁面の第2傾斜面)
S10 ボウル面の前方領域における棚面の外端とリムの下側立壁面との間の連結面
S11 内側リム内周面
S12 外側リム内周面
T1 ボウルの前方領域の上流側通水路の流路断面
T2 ボウルの前方領域の通水路の前端の流路断面
T3 ボウルの前方領域の下流側通水路の流路断面
U 第2リム通水路のUターン部
V1 鉛直面
V2 鉛直面
V3 鉛直面
V4 鉛直面
V5 鉛直面
V6 鉛直面
W0 溜水
WL 溜水の水位(溜水面)
X ボウルの水平左右方向の中心軸線
Y ボウルの水平前後方向の中心軸線
Y0 ボウル内の前端から後端までの前後方向の全長距離
Y1 ボウル内の前端から前方領域と左右側方領域との境界位置までの前後方向の距離
Y2 ボウル内の後端から後方領域と左右側方領域との境界位置までの前後方向の距離
Y3 ボウル内の前端から第1リム吐水口までの前後方向の距離
Y4 ボウル内の後端から第2リム吐水口までの前後方向の距離
Z ボウルの中心を通る鉛直方向の中心軸線
α1 上側立壁面の傾斜面(第1上側立壁面の第1傾斜面の第1傾斜角度)
α2 上側立壁面の傾斜面(第1上側立壁面の第1傾斜面の第1傾斜角度)
α3 上側立壁面の傾斜面(第2上側立壁面の第2傾斜面の第2傾斜角度)
ρ1 ボウルの前方領域及び左右側方領域における第1連結面の立面視における曲面の上下方向の曲率半径
ρ2 ボウルの後方領域における第2連結面の立面視における曲面の上下方向の曲率半径
ρ3 ボウル面の前方領域における棚面の外端とリムの下側立壁面との間の連結面の立面視の上下方向の曲率半径
Claims (7)
- 洗浄水源から供給される洗浄水によって洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、
上縁に形成されるリムと、汚物を受ける汚物受け面と、この汚物受け面と上記リムの内周面との間に形成される通水路と、を備え、ボウル形状のボウル面を形成するボウルと、 このボウルの下方に接続されて汚物を排出する排水路と、
上記リムに設けられて上記通水路に洗浄水を吐水して上記ボウル面に旋回流を形成する第1リム吐水部及び第2リム吐水部と、を有し、
上記第1リム吐水部は、上記ボウル面の前後方向に延びる中心軸線に対して一方側の上記リムの側方領域の前方に設けられた第1リム吐水口を備え、この第1リム吐水口は、その前方の上記通水路に吐水して上記ボウル面の前端部に向かう水流を形成するように前方に向かって開口するように構成され、
上記第2リム吐水部は、上記ボウル面の前後方向に延びる中心軸線に対して他方側の上記リムに設けられた第2リム吐水口を備え、
上記ボウルは、上記第1リム吐水口と、この第1リム吐水口よりも前方に形成された上記ボウル面と、を含む前方領域を備え、
上記ボウルの前方領域における上記通水路は、上記ボウル面の前端部に対して上流側及び下流側にそれぞれ形成される上流側通水路及び下流側通水路を備え、上記下流側通水路の平面視における曲率半径は、上記上流側通水路の平面視における曲率半径よりも小さくなるように設定されており、
上記ボウルの前方領域における上記リムは、その内周面の上方部分が上記ボウルの内側に向って突出するように形成されたオーバーハング部を備えており、
上記ボウルの前方領域における上記通水路は、上記第1リム吐水口から洗浄水が吐水される棚面と、この棚面と上記オーバーハング部との間に形成されて上方が上記オーバーハング部により覆われる鉛直方向の流路断面と、を備え、この鉛直方向の流路断面の断面積は、上記通水路の上記上流側通水路及び上記下流側通水路よりも上記前端部の方が小さくなるように設定されていることを特徴とする水洗大便器。 - 上記リムは、その内周面が下方から上記リムの上面まで立ち上がるように形成された立壁面を備え、この立壁面は、上記リムの内周面の上側領域及び下側領域をそれぞれ形成する上側立壁面及び下側立壁面を備えており、
上記ボウルの前方領域において、上記下側立壁面は、下方から上方に向って斜め外側に立ち上がるように形成されている請求項1記載の水洗大便器。 - 上記ボウルの前方領域において、上記上側立壁面は、上記ボウルの前方領域の上記通水路の前端部又はその上流側を形成する上記リムの内周面の上側領域に設けられた第1上側立壁面と、上記ボウルの前方領域の上記下流側通水路を形成する上記リムの内周面の上側領域に設けられた第2上側立壁面と、を備え、
上記第1上側立壁面及び上記第2上側立壁面のそれぞれは、その下端から斜め上方内側に向かって立ち上がるように形成された第1傾斜面及び第2傾斜面をそれぞれ備え、
上記第1傾斜面及び上記第2傾斜面のそれぞれは、立面視において、鉛直面に対して傾斜する第1傾斜角度及び第2傾斜角度をそれぞれ備え、
上記第2上側立壁面の第2傾斜面の第2傾斜角度は、上記第1上側立壁面の第1傾斜面の第1傾斜角度よりも大きく設定されている請求項2記載の水洗大便器。 - 上記ボウル面は、さらに、上記通水路の棚面の外端と上記下側立壁面の下端とを曲面にて連結する連結面を備え、上記ボウルの前方領域における上記連結面の立面視の上下方向の曲率半径は、上記ボウルの前方領域の周方向の全区間に亘ってほぼ一定に設定されている請求項3記載の水洗大便器。
- 上記ボウルの前方領域において、上記連結面の下端は、上記ボウルの前方領域の周方向の全区間に亘ってほぼ同一の高さ位置に設けられている請求項4記載の水洗大便器。
- 上記ボウルの前方領域において上記オーバーハング部により上方が覆われる上記通水路の鉛直方向の流路断面の断面積は、上記第1リム吐水口の下流側近傍で最大となるように設定されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の水洗大便器。
- 上記リムは、上記第1リム吐水口の内縁を形成する内側壁と、上記第1リム吐水口の外縁を形成する外側壁と、を備え、
上記リムの内周面は、上記リムの内側壁の内周面を形成する第1リム内周面と、上記リムの外側壁の内周面を形成し且つ上記第1リム内周面よりも外側に位置する第2リム内周面と、を備え、
上記第1リム内周面は、上記第1リム吐水口の口縁の一部を形成する口縁部を備え、この口縁部は、上流側から下流側に向って下方から斜め上方に傾斜している請求項6記載の水洗大便器。
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