JP6827644B2 - オストメイト用汚物流し - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載されたオストメイト用汚物流しにおいては、ボウル部の周壁面を旋回するように吐水して、ボウル部内に廃棄された汚物を排出するように構成されており、ボウル部の形状がシンプルであるため、排出後にボウル部に汚物が残っていたとしても目視で簡単に把握でき、また、その除去も容易に行うことができ、衛生面で優れたものとなっている。
そのため、多目的トイレルームに設置されるオストメイト用汚物流しには、狭い面積でも設置できる小型化の要望が高まってきている。
しかしながら、特許文献1のように壁面から前方に向けて洗浄水を吐水した場合、ボウル部の前方側に洗浄水が到達したとき、前方側に旋回してきた洗浄水には運動エネルギーが十分にあり、遠心力が大きいため、ボウル部の前方側から落下する洗浄水が少なくなる。そのため、ボウル部の前方側に着いた汚物が残ってしまうという問題があった。
特に、オストメイトの人々は、汚物を廃棄する際に、パウチをボウル部の前方側から垂らし、汚物を廃棄するため、ボウル部の前方側に多くの汚物がつく。そのため、汚物残りが顕著になる。
また、ボウル部の前方側から溜水部に流下する洗浄水の量が少ないため、溜水部に溜まった汚物をトラップ管路に向けて押し込む作用が弱く、外部へ汚物を排出する排出性能も低下するという問題もあった。
本請求項1に係るオストメイト用汚物流しによれば、ボウル部の周壁面が横長の略楕円形状に形成されているため、汚物を投入するための開口面積を確保しながら壁面からの突出量を抑えることができる。また、吐水口が、ボウル部の後方側の周壁面であって左右何れか一方側の周壁面に近接して形成されており、吐水口から周壁面に吐水された洗浄水は後方側の周壁面を左右何れかの一方側から他方側へと流れるため、この後方側の周壁面を流れる間に吐水口から吐水された直後に持つ洗浄水の流速が低下し、その後、ボウル部側方の周壁面を旋回して前方側に至った時点では更に流速が低下しており、洗浄水にかかる遠心力が弱くなっているので、前方側から溜水部へ流れる落ちる洗浄水の量を増やすことができる。そのため、ボウル部の前方側に廃棄された汚物を少ない洗浄水量でも効率良く洗い落とすことができる。また、ボウル部の前方側から溜水部へ流下した洗浄水が溜水部に溜まった汚物をトラップ管路に向けて押し込む作用を果たすため、少ない洗浄水量でも効率良く、溜水部に溜まった汚物を外部へ排出することができる。
この本請求項2に係るオストメイト用汚物流しによれば、ボウル部の周壁面が横長の略楕円形状に形成されているため、汚物を投入するための開口面積を確保しながら壁面からの突出量を抑えることができる。初め、導水路に入った洗浄水は導水路の屈曲により方向を変えられ、流速が低下する。また、吐水口が、ボウル部の後方側の周壁面であって左右何れか一方側の周壁面に近接して形成されており、吐水口から周壁面に吐水された洗浄水は初め、後方側の周壁面を左右何れかの一方側から他方側へと流れるため、この後方側の周壁面を流れる間に吐水口から吐水された直後に持つ洗浄水の流速が低下し、その後、ボウル部側方の周壁面を旋回して前方側に至った時点では更に流速が低下しており、洗浄水にかかる遠心力が弱くなっているので、前方側から溜水部へ流れる落ちる洗浄水の量を増やすことができる。そのため、ボウル部の前方側に廃棄された汚物を少ない洗浄水量でも効率良く洗い落とすことができる。また、ボウル部の前方側から溜水部へ流下した洗浄水が溜水部に溜まった汚物をトラップ管路に向けて押し込む作用を果たすため、少ない洗浄水量でも効率良く、溜水部に溜まった汚物を外部へ排出することができる。
また、トラップ管路へ向けて汚物を押し込む作用を果たすボウル部の前方側から溜水部に流下する洗浄水を増やせるため、少ない洗浄水量でも効率良く溜水部に溜まった汚物を外部へ排出することができる。
なお、以降の説明においては、壁面Kに向かってオストメイト用汚物流し1の正面に立った使用者から見て、壁面Kに向かう側を「後方側」、壁面Kから離れる側を「前方側」と呼び、鉛直方向上側を「上方側」、鉛直方向下側を「下方側」と呼び、左右夫々の側を「左方側」、「右方側」と呼んで説明を行う。
図2に示すように、ボウル部3は、上方側が開口された椀状であり、略鉛直方向に伸び、周囲を囲むように形成された周壁面310と、この周壁面310の下端から略水平方向に延びた底面320とから構成されている。周壁面310の上端には、内側に向かって形成されたリム部7が形成されている。また、底面320の略中央位置には、溜水部5が窪むように形成されている。また、吐水口11から吐水された洗浄水を載せて旋回させるために、ボウル部3の周壁面310を周回するように周壁面310から水平方向に突出した棚部330が形成されている。
また、棚部330において、ボウル部3の前方側の中央位置には、棚部330を旋回する洗浄水の一部を溜水部5へ向かうように誘導する流れ誘導部340が形成されている。
具体的には、流れ誘導部340は、棚面330aの一部が切か欠かれた切り欠き340aと、切り欠き340aから溜水部5に向かって形成された誘導溝340bで構成される。
なお、これらの後方側周壁面310B、前方側周壁面310F、左方側周壁面310Lおよび右方側周壁面310Rは、図4に、二点鎖線で囲まれた領域として示されている。
図4に示すように、吐水口11へ洗浄水を導くために、ボウル部3の後方側に向かって開口している給水接続口111と、この給水接続口111と吐水口11とを連通している導水路113とがボウル部3と一体に形成されている。給水接続口111にはフラッシュバルブ(図示せず)等の給水手段から伸びる給水配管(図示せず)が接続され、図1に示す操作ボタン13を操作することで給水手段を作動することで、吐水口から一定量の洗浄水を吐水することが可能となっている。
そして、吐水口11が後方側周壁面310Bの曲面の接線に沿って形成されているので、吐水口11から吐水される洗浄水が後方側周壁面310Bと衝突せず、スムーズに棚部330に載って旋回を開始することができ、後方側の周壁面で洗浄水の流速が急激に落ちることがなく、左方側周壁面310Lから前方側周壁面310Fにかけて徐々に洗浄水の流速が落ちる。そのため、ボウル部3の前方側から溜水部5へ流れ落ちる洗浄水の量を増やすことができ、少ない洗浄水量で効率良く、ボウル部3の前方側に廃棄された汚物を洗い落とすことができ、且つ、溜水部5に溜まった汚物を外部へ排出することができる。
3 ボウル部
310 周壁面
310B 後方側周壁面
310F 前方側周壁面
310R 右方側周壁面
310L 左方側周壁面
320 底面
330 棚部
330a 棚面
340 流れ誘導部
340a 切り欠き
340b 誘導溝
5 溜水部
7 リム部
9 水栓装置
11 吐水口
111 給水接続口
113 導水路
113a 絞り部
13 操作ボタン
15 トラップ管路
151 排水流入口
153 排水流出口
K 壁面
Claims (5)
- 建物の壁面に沿って配置されるオストメイト用汚物流しであって、
汚物が投入可能となるように上方が開口され、周壁面が略楕円形状に形成されるボウル部と、
前記ボウル部の底面から窪むように形成され、封水が溜まる溜水部と、
前記溜水部の下部から前記壁面に向かって上昇するように形成され、前記溜水部に前記封水を形成するトラップ管路と、
前記ボウル部の前記周壁面に開口し、この周壁面に沿って水平方向に旋回するように洗浄水を吐水する吐水口と、
を備え、
前記吐水口は、前記ボウル部の後方側の前記周壁面であって、左右何れか一方側の前記周壁面に近接して形成されており、
左右側方向に延びる後方側の前記周壁面は曲率を有しており、
前記吐水口から後方側の前記周壁面に吐水された洗浄水は、後方側の前記周壁面を左右何れかの一方側から他方側へと流れることを特徴とするオストメイト用汚物流し。 - 建物の壁面に沿って配置されるオストメイト用汚物流しであって、
汚物が投入可能となるように上方が開口され、周壁面が略楕円形状に形成されたボウル部と、
前記ボウル部の底面から窪むように形成され、封水が溜まる溜水部と、
前記溜水部の下部から前記壁面に向かって上昇するように形成され、前記溜水部に前記封水を形成するトラップ管路と、
前記ボウル部の後方側の前記周壁面に開口し、この周壁面に沿って水平方向に旋回するように洗浄水を吐水する吐水口と、
前記吐水口に洗浄水を供給するための導水路と、
を備え、
前記吐水口は、前記ボウル部の後方側の前記周壁面であって、左右何れか一方側の前記周壁面に近接して形成されており、
前記吐水口から後方側の前記周壁面に吐水された洗浄水は、後方側の前記周壁面を左右何れかの一方側から他方側へと流れ、
前記導水路は後方からくる洗浄水を前記吐水口のある左右何れかに屈曲させることを特徴とするオストメイト用汚物流し。 - 前記ボウル部の前記周壁面には、前記吐水口から吐水された洗浄水を載せて旋回させるために、前記周壁面から水平に突出した棚部が周回して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のオストメイト用汚物流し。
- 前記棚部において、前記ボウル部の前方側の中央位置には、前記棚部を旋回する洗浄水の一部を前記溜水部へ向かうように誘導する流れ誘導部が形成されていることを特徴とする請求項3記載のオストメイト用汚物流し。
- 前記吐水口は、その吐水方向が前記周壁面の曲面の接線に沿って形成されており、この吐水口が形成されている後方側の前記周壁面の曲率は、左右両側の前記周壁面および前方側の前記周壁面の曲率よりも小さいことを特徴とする請求項4記載のオストメイト用汚物流し。
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