JP2014084441A - 樹脂基板、金属張積層板、プリント配線基板、および半導体装置 - Google Patents

樹脂基板、金属張積層板、プリント配線基板、および半導体装置 Download PDF

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Abstract


【課題】リフロー工程などの加熱工程において発生する反りが抑制された、樹脂基板を提供すること。
【解決手段】本発明の樹脂基板100は、繊維基材101に樹脂材料を含浸してなり、繊維基材101は織布基材である。そして、樹脂基板100は、熱機械分析装置を用いて、樹脂基板100を30℃から260℃まで昇温させる一回目の測定(1stRun)をおこなった際の、50℃以上150℃以下の範囲における樹脂基板100の基板面内方向の線膨張係数をα1とし、50℃以上150℃以下の範囲における繊維基材101の線膨張係数をα2としたとき、α2>α1を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂基板、金属張積層板、プリント配線基板、および半導体装置に関する。
近年の電子機器の高機能化および軽薄短小化の要求にともなって、電子部品の高密度集積化、さらには高密度実装化が進んできており、これらの電子機器に使用される半導体装置の小型化が急速に進行している。
そのため、半導体素子を含めた電子部品を実装するプリント配線基板も薄型化される傾向にあり、プリント配線基板に使用される樹脂基板は、厚みが約0.8mmのものが主流となっている。
さらに最近では、0.4mm以下の樹脂基板を用いた半導体パッケージ同士を積層するパッケージ・オン・パッケージ(以下、POPという。)がモバイル機器(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型PCなど)に搭載されている。
特開2006−203142号公報
このように半導体装置の小型化が進むと、従来では半導体装置の剛性の大部分を担っていた半導体素子、封止材の厚みが極めて薄くなり、半導体装置の反りが発生しやすくなる。また、構成部材として樹脂基板の占める割合が大きくなるため、樹脂基板の物性・挙動が半導体装置の反りに大きな影響を及ぼすようになってきている。
一方、地球環境保護の観点から半田の鉛フリー化が進むにつれて、プリント配線基板へ半導体素子を搭載するときや、マザーボードへ半導体パッケージを実装するときにおこなうリフロー工程での最高温度が非常に高くなってきている。一般的に良く使われている鉛フリー半田の融点が約210度であることからリフロー工程中での最高温度は260度を超えるレベルとなっている。
一般的に、半導体素子と半導体素子が搭載されるプリント配線基板との熱膨張の差は非常に大きい。そのため、プリント配線基板へ半導体素子を実装するときにおこなうリフロー工程において、樹脂基板が大きく反ってしまう場合があった。
また、マザーボードへ半導体パッケージを実装するときにおこなうリフロー工程においても、同様に樹脂基板が大きく反ってしまう場合があった。
このような問題を解決する手段として、例えば、以下の文献に記載の手段がある。
特許文献1(特開2006−203142号公報)では、プリプレグの基材として、熱膨張率が負の値を有する有機繊維からなる織布を用いることで、半導体パッケージ用多層プリント配線基板の熱膨張率をシリコンチップの熱膨張率に近づけることができ、シリコンチップを実装した場合の接続信頼性を向上できると記載されている。
しかしながら、特許文献1のように、プリプレグに使用する繊維基材として負の熱膨張を示す有機繊維基材を使用すると、得られる樹脂基板のガラス転移温度が、使用した材料から予想される値よりも低くなり、その結果、樹脂基板の弾性率が低下してしまう場合があった。そのため、得られる樹脂基板は剛性が不十分となり、リフローなどの加熱後の反りの抑制効果は十分に満足いくものではなかった。
そこで、本発明では、リフロー工程などの加熱工程において発生する反りが抑制された、樹脂基板を提供することを課題とする。
本発明者らは、リフロー工程などの加熱工程において、樹脂基板に反りが発生するメカニズムを鋭意調べた。その結果、樹脂基板の線膨張係数と、その構成部材である繊維基材の線膨張係数とが特定の関係を満たす樹脂基板を用いることにより、リフロー工程などの加熱工程において発生する樹脂基板の反りを低減できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、
繊維基材に樹脂材料を含浸してなる樹脂基板であって、
上記繊維基材は織布基材であり、
熱機械分析装置を用いて、当該樹脂基板を30℃から260℃まで昇温させる一回目の測定(1stRun)をおこなった際の、50℃以上150℃以下の範囲における上記樹脂基板の基板面内方向の線膨張係数をα1とし、
50℃以上150℃以下の範囲における上記繊維基材の線膨張係数をα2としたとき、
α2>α1を満たす、樹脂基板が提供される。
さらに、本発明によれば、上記樹脂基板の少なくとも一方の面に金属箔が積層された、金属張積層板が提供される。
さらに、本発明によれば、上記樹脂基板を回路加工してなるプリント配線基板が提供される。
さらに、本発明によれば、上記プリント配線基板に半導体素子を搭載してなる、半導体装置が提供される。
本発明によれば、リフロー工程などの加熱工程において発生する反りが抑制された、樹脂基板を提供することができる。
本実施形態における樹脂基板の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態における半導体パッケージの構成の一例を示す断面図である。 本実施形態における半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは必ずしも一致していない。
(樹脂基板)
はじめに、本実施形態における樹脂基板の構成について説明する。図1は、本実施形態における樹脂基板100の構成を示す断面図である。
樹脂基板100は、繊維基材101に樹脂材料を含浸してなり、繊維基材101は織布基材である。そして、樹脂基板100は、熱機械分析装置を用いて、樹脂基板100を30℃から260℃まで昇温させる一回目の測定(1stRun)をおこなった際の、50℃以上150℃以下の範囲における樹脂基板100の基板面内方向の線膨張係数をα1とし、50℃以上150℃以下の範囲における繊維基材101の線膨張係数をα2としたとき、α2>α1の関係を満たす。
ここで、繊維基材101の線膨張係数α2は、繊維基材101を構成する材料の50℃以上150℃以下の範囲における線膨張係数を示す。
なお、本実施形態の線膨張係数は、50℃以上150℃以下の範囲における平均値である。
上記条件を満たす本実施形態の樹脂基板100は、リフロー工程などの加熱工程において発生する樹脂基板100の反りを低減することができる。さらに、その結果として、樹脂基板100を回路加工してなる半導体パッケージ200や半導体装置300の反りも低減することができる。
また、実装工程が複数ある場合、例えば、半導体素子を搭載した半導体パッケージ同士をリフロー工程で接続する場合に(パッケージ・オン・パッケージ)、特に反りを低減することできる。
反りを低減できる理由は必ずしも明らかではないが、金属張積層板作製時に、樹脂基板100と金属箔との熱応力の差を大きくすることで、樹脂基板100の熱膨張が収縮応力で打ち消されるため、樹脂基板100の線膨張係数α1を繊維基材101の線膨張係数α2よりも小さくすることができるからだと考えられる。
本実施形態における樹脂基板100の上記線膨張係数α1は、好ましくは−10ppm/℃以上であり、より好ましくは−5ppm/℃以上であり、とくに好ましくは−2.5ppm/℃以上である。
また、本実施形態における樹脂基板100の上記線膨張係数α1は、好ましくは5ppm/℃以下であり、より好ましくは3.5ppm/℃以下であり、とくに好ましくは2.5ppm/℃以下である。
樹脂基板100の線膨張係数α1が上記範囲内であると、配線パターンを形成したプリント配線基板、半導体素子を搭載した半導体パッケージ200の反り抑制や温度サイクル信頼性の向上がより一層効果的に得られる。さらに半導体パッケージ200を二次実装した半導体装置300のマザーボードとの温度サイクル信頼性の向上がより一層効果的に得られる。
また、樹脂基板100は、上記線膨張係数α1を測定後、当該樹脂基板を30℃から260℃まで昇温させる二回目の測定(2ndRun)をおこなった際の、50℃以上150℃以下の範囲における樹脂基板100の基板面内方向の線膨張係数をα3としたとき、 α2>α3>α1を満たすことが好ましい。
α2>α3>α1を満たすということは、リフロー工程などの加熱工程を2回おこなっても、樹脂基板100の基板面内方向の線膨張係数が、繊維基材101の線膨張係数よりも低い値を維持していることを意味する。
したがって、α2>α3>α1の条件を満たす樹脂基板100は、半導体素子をプリント配線基板に実装後、得られた半導体パッケージをマザーボードへ実装するときにおこなうリフロー工程において、樹脂基板の反りをより一層抑制することができる。そのため、半導体素子を搭載した半導体パッケージ200の反り抑制や温度サイクル信頼性の向上がより一層効果的に得られる。さらに半導体パッケージ200を二次実装した半導体装置300のマザーボードとの温度サイクル信頼性の向上がより一層効果的に得られる。
本実施形態における樹脂基板100の上記線膨張係数α3は、好ましくは−10ppm/℃以上であり、より好ましくは−5ppm/℃以上であり、とくに好ましくは−2.5ppm/℃以上である。
また、本実施形態における樹脂基板100の上記線膨張係数α3は、好ましくは5ppm/℃以下であり、より好ましくは3.5ppm/℃以下であり、とくに好ましくは2.5ppm/℃以下である。
また、樹脂基板100の反りの防止効果をより効果的に得るためには、とくに限定されないが、樹脂基板100の250℃での貯蔵弾性率E'が、好ましくは10GPa以上であり、さらに好ましくは15GPa以上である。上限値については、とくに限定されるものではないが、例えば、50GPa以下とすることができる。
樹脂基板100は、250℃での貯蔵弾性率E'が上記範囲を満たすと、樹脂基板100の剛性が高まり、実装時の樹脂基板100の反りをより一層低減できる。
また、樹脂基板100の反りの防止効果をより効果的に得るためには、とくに限定されないが、樹脂基板100の動的粘弾性測定によるガラス転移温度が、好ましくは200℃以上であり、より好ましくは220℃以上であり、さらに好ましくは250℃以上である。上限については、例えば、350℃以下が好ましい。
樹脂基板100は、動的粘弾性測定によるガラス転移温度が上記範囲を満たすと、樹脂基板100の剛性が高まり、実装時の樹脂基板100の反りをより一層低減できる。
本実施形態における樹脂基板100の厚さは、好ましくは、0.025mm以上0.6mm以下である。より好ましくは0.04mm以上0.4mm以下、さらに好ましくは0.04mm以上0.3mm以下、とくに好ましくは0.05mm以上0.2mm以下である。樹脂基板100の厚さが上記範囲内であると、機械的強度および生産性のバランスがとくに優れ、薄型プリント配線基板に適した樹脂基板100を得ることができる。
(樹脂基板100の製造方法)
一般的に、樹脂材料の線膨張係数は繊維基材の線膨張係数に比べて大きい。そのため、繊維基材に樹脂材料を含浸して得られる樹脂基板の線膨張係数が、繊維基材の線膨張係数よりも小さくなることは無かった。よって、これまでは、α2>α1の関係を満たす樹脂基板は存在しなかった。
しかしながら、本発明者らは、従来にない製法上の工夫をすることにより、繊維基材よりも線膨張係数が小さい樹脂基板、つまりα2>α1の関係を満たす樹脂基板が得られることを見出した。
具体的には、本発明者らは、α2>α1の関係を満たす樹脂基板を得るために、以下の条件を適切に調整することが重要であることを見出した。
(1)樹脂基板を構成する各材料の組み合わせと、それらの割合
(2)プリプレグ作製時の繊維基材の張力
(3)金属張積層板作製の圧力および加圧条件
α2>α1の関係を満たす樹脂基板が得られる理由は必ずしも明らかではないが、より具体的には、以下のような条件が好ましい。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)樹脂基板を構成する繊維基材としては厚みが薄い繊維基材を選択することが好ましい。また、樹脂基板を構成する熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂および/またはシアネート樹脂を選択することが好ましい。エポキシ樹脂としては、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂を含むことがより好ましい。
また、樹脂材料には、シリカなどの充填材を含むことが好ましく、その含有量は60質量%以上90質量%以下と高含有量であることが好ましい。
(2)プリプレグ作製時において、繊維基材の張力を均一に高く掛けることが好ましい。
(3)樹脂基板作製時の圧力は高圧力に設定することが好ましい。また、加熱加圧成形時に、冷却終了時まで加圧を継続することが好ましい。
ただし、本実施形態の樹脂基板100の製造方法は、上記のような方法には限定されず、種々の条件を適切に調整することにより、本実施形態の樹脂基板100を得ることができる。例えば、上記のナフチレンエーテル型エポキシ樹脂を含まなくても、他の条件を適切に調整することにより、本実施形態の樹脂基板100を得ることができる。
以下、本実施形態における樹脂基板100の製造方法について具体的に説明する。樹脂基板100は、例えば、プリプレグを加熱硬化することによって得られる。ここで用いるプリプレグはシート状材料であり、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性などの各種特性に優れ、プリント配線基板用の樹脂基板100の製造に適しており好ましい。
本実施形態におけるプリプレグはとくに限定はされないが、例えば、繊維基材に一または二以上の熱硬化性樹脂および充填材を含む樹脂材料を含浸させ、その後、半硬化させて得られる。
本実施形態において、樹脂材料を繊維基材に含浸させる方法としては、とくに限定されないが、例えば、(1)支持基材付き樹脂層を繊維基材にラミネートする方法、(2)樹脂材料を溶剤に溶かして樹脂ワニスを調製し、樹脂ワニスを繊維基材に塗布する方法、などが挙げられる。
ここで、(1)支持基材付き樹脂層を繊維基材にラミネートするとき、または(2)樹脂ワニスを繊維基材に塗布するときに繊維基材にかける張力はとくに限定はされないが、90N/m以上500N/m以下の範囲内であることが好ましく、150N/m以上400N/m以下の範囲内であることがより好ましい。
樹脂ワニスに用いられる溶剤は、樹脂材料中の樹脂成分に対して良好な溶解性を示すことが好ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系などが挙げられる。
樹脂ワニスの固形分は、とくに限定されないが、40質量%以上80質量%以下が好ましく、とくに50質量%以上70質量%以下が好ましい。これにより、樹脂ワニスの繊維基材への含浸性をさらに向上させることができる。繊維基材に樹脂材料を含浸させ、所定温度、例えば80℃以上200℃以下などで乾燥させることによりプリプレグを得ることができる。
つづいて、上記で得られたプリプレグを用いた樹脂基板100の製造方法について説明する。プリプレグを用いた樹脂基板100の製造方法は、とくに限定されないが、例えば以下の通りである。
はじめに、上記で得られたプリプレグの少なくとも片面に金属箔が積層された金属張積層板を作製する。金属張積層板は、例えば、上記プリプレグまたは上記プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を張り付けることで製造できる。
プリプレグが1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。次いで、プリプレグと金属箔あるいはフィルムとを重ねた積層体を加熱加圧成形することで金属張積層板を得ることができる。
上記の加熱加圧成形するときの加熱温度は、とくに限定されないが、120℃以上250℃以下が好ましく、150℃以上240℃以下がより好ましい。
また、上記の加熱加圧成形するときの圧力は、とくに限定されないが、0.5MPa以上5MPa以下が好ましく、2.5MPa以上5MPa以下の高圧がより好ましい。
また、加熱加圧成形後に、必要に応じて、恒温槽などで後硬化をおこなってもよい。後硬化の温度は、好ましくは150℃以上300℃以下であり、より好ましくは250℃以上300℃以下である。
金属箔を構成する金属としては、例えば、銅および銅系合金、アルミおよびアルミ系合金、銀および銀系合金、金および金系合金、亜鉛および亜鉛系合金、ニッケルおよびニッケル系合金、錫および錫系合金、鉄および鉄系合金、コバール(商標名)、42アロイ、インバーまたはスーパーインバーなどのFe−Ni系の合金、WまたはMoなどが挙げられる。また、キャリア付電解銅箔なども使用することができる。
(樹脂基板の構成材料)
以下、樹脂基板100を製造する際に使用する各材料について詳細に説明する。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては、とくに限定されないが、低線膨張率および高弾性率を有し、熱衝撃性の信頼性に優れたものであることが好ましい。
また、熱硬化性樹脂のガラス転移温度は、好ましくは160℃以上350℃以下であり、さらに好ましくは180℃以上300℃以下である。このようなガラス転移温度を有する熱硬化性樹脂を用いることにより、鉛フリー半田リフロー耐熱性がさらに向上するという効果が得られる。
具体的な熱硬化性樹脂として、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂、未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油などで変性した油変性レゾールフェノール樹脂などのレゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂などのトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂などが挙げられる。
これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用してもよい。
これらの中でも、シアネート樹脂(シアネート樹脂のプレポリマーを含む)が好ましい。シアネート樹脂を用いることにより、樹脂基板100の熱膨張係数を小さくすることができる。さらに、シアネート樹脂は、電気特性(低誘電率、低誘電正接)、機械強度などにも優れる。
シアネート樹脂は、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類とを反応させたものや、必要に応じて加熱などの方法でプレポリマー化したものなどを用いることができる。具体的には、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂などのビスフェノール型シアネート樹脂、ナフトールアラルキル型の多価ナフトール類と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂、ビフェニルアルキル型シアネート樹脂などを挙げることができる。これらの中でもノボラック型シアネート樹脂が好ましい。ノボラック型シアネート樹脂を用いることにより、架橋密度が増加し、耐熱性が向上する。したがって、樹脂基板100などの難燃性を向上させることができる。
この理由としては、ノボラック型シアネート樹脂は、硬化反応後にトリアジン環を形成することが挙げられる。さらに、ノボラック型シアネート樹脂は、その構造上ベンゼン環の割合が高く、炭化しやすいためと考えられる。さらに、樹脂基板の厚さを0.6mm以下にした場合であっても、ノボラック型シアネート樹脂を硬化させて作製した樹脂基板100は優れた剛性を有する。とくに、このような樹脂基板100は加熱時における剛性に優れるので、半導体素子実装時の信頼性にも優れる。
ノボラック型シアネート樹脂としては、例えば、下記一般式(I)で示されるものを使用することができる。
Figure 2014084441
一般式(I)で示されるノボラック型シアネート樹脂の平均繰り返し単位nは任意の整数である。nの下限は、とくに限定されないが、1以上が好ましく、とくに2以上が好ましい。nが上記下限値以上であると、ノボラック型シアネート樹脂の耐熱性が向上し、加熱時に低量体が脱離、揮発することを抑制できる。また、nの上限は、とくに限定されないが、10以下が好ましく、とくに7以下が好ましい。nが上記上限値以下であると、溶融粘度が高くなるのを抑制でき、絶縁樹脂層103の成形性が低下することを抑制することができる。
また、シアネート樹脂としては、下記一般式(II)で表わされるナフトール型シアネート樹脂も好適に用いられる。下記一般式(II)で表わされるナフトール型シアネート樹脂は、α−ナフトールあるいはβ−ナフトールなどのナフトール類とp−キシリレングリコール、α,α'−ジメトキシ−p−キシレン、1,4−ジ(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンなどとの反応により得られるナフトールアラルキル樹脂とシアン酸とを縮合させて得られるものである。一般式(II)のnは10以下であることがさらに好ましい。nが10以下の場合、樹脂粘度が高くならず、繊維基材への含浸性が良好で、樹脂基板100としての性能を低下させない傾向がある。また、合成時に分子内重合が起こりにくく、水洗時の分液性が向上し、収量の低下を防止できる傾向がある。
Figure 2014084441
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは1以上の整数を示す。)
また、シアネート樹脂としては、下記一般式(III)で表わされるジシクロペンタジエン型シアネート樹脂も好適に用いられる。下記一般式(III)で表わされジシクロペンタジエン型シアネート樹脂は、下記一般式(III)のnが0以上8以下であることがさらに好ましい。nが8以下の場合、樹脂粘度が高くならず、繊維基材への含浸性が良好で、樹脂基板100としての性能の低下を防止できる。また、ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂を用いることで、低吸湿性、および耐薬品を向上させることができる。
Figure 2014084441
(nは0以上8以下の整数を示す。)
シアネート樹脂の重量平均分子量(Mw)の下限は、とくに限定されないが、Mw500以上が好ましく、とくにMw600以上が好ましい。Mwが上記下限値以上であると、絶縁樹脂層103を作製した場合にタック性の発生を抑制でき、絶縁樹脂層103同士が接触したとき互いに付着したり、樹脂の転写が生じたりするのを抑制することができる。また、Mwの上限は、とくに限定されないが、Mw4,500以下が好ましく、とくにMw3,000以下が好ましい。また、Mwが上記上限値以下であると、反応が速くなるのを抑制でき、プリント配線基板とした場合に、成形不良が生じたり、層間ピール強度が低下したりするのを抑制できる。
シアネート樹脂などのMwは、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、標準物質:ポリスチレン換算)で測定することができる。
また、とくに限定されないが、シアネート樹脂は1種類を単独で用いてもよいし、異なるMwを有する2種類以上を併用して用いてもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用して用いてもよい。
樹脂材料中に含まれる熱硬化性樹脂の含有量は、その目的に応じて適宜調整されれば良くとくに限定されないが、樹脂材料全体に基づいて5質量%以上90質量%以下が好ましく、さらに10質量%以上80質量%以下が好ましく、とくに20質量%以上50質量%以下が好ましい。熱硬化性樹脂の含有量が上記下限値以上であると、ハンドリング性が向上し、絶縁樹脂層103を形成するのが容易となる。熱硬化性樹脂の含有量が上記上限値以下であると、絶縁樹脂層103の強度や難燃性が向上したり、絶縁樹脂層103の線膨張係数が低下し半導体装置の反りの低減効果が向上したりする場合がある。
熱硬化性樹脂としてシアネート樹脂(とくにノボラック型シアネート樹脂、ナフトール型シアネート樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂)を用いる以外に、エポキシ樹脂(実質的にハロゲン原子を含まない)を用いてもよいし、併用してもよい。エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂などのナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用して用いてもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用して用いてもよい。
これらエポキシ樹脂の中でもとくにナフタレン型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、吸湿半田耐熱性および難燃性をさらに向上させることができる。
ナフタレン型エポキシ樹脂としてはナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂などが挙げられる。これにより、耐熱性、低熱膨張性をさらに向上させることができる。また、ベンゼン環に比べナフタレン環のπ−πスタッキン効果が高いため、とくに、低熱膨張性、低熱収縮性に優れる。さらに、多環構造のため剛直効果が高く、ガラス転移温度がとくに高いため、リフロー前後の熱収縮変化が小さい。
ナフトール型エポキシ樹脂としては、例えば、下記一般式(VII−1)、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂としては下記式(VII−2)、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂としては下記式(VII−3)(VII−4)(VII−5)、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、下記一般式(VII−6)で示すことができる。これらの中でもナフチレンエーテル型エポキシ樹脂が、難燃性、耐熱性、高ガラス転移温度、および低熱膨張性の観点でとくに好ましい。
Figure 2014084441
(nは平均1以上6以下の数を示し、Rはグリシジル基または炭素数1以上10以下の炭化水素基を示す。)
Figure 2014084441
Figure 2014084441
Figure 2014084441
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、又はアラルキル基、又は、ナフタレン基、又はグリシジルエーテル基含有ナフタレン基を表し、o及びmはそれぞれ0〜2の整数であって、かつo又はmの何れか一方は1以上である。)
さらに上記以外のエポキシ樹脂としてはアリールアルキレン型エポキシ樹脂が好ましい。
アリールアルキレン型エポキシ樹脂とは、繰り返し単位中に一つ以上のアリールアルキレン基を有するエポキシ樹脂をいう。例えばキシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でもビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂が好ましい。ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂は、例えば下記一般式(IV)で示すことができる。
Figure 2014084441
上記一般式(IV)で示されるビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂の平均繰り返し単位nは任意の整数である。nの下限は、とくに限定されないが、1以上が好ましく、とくに2以上が好ましい。nが上記下限値以上であると、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂の結晶化を抑制でき、汎用溶媒に対する溶解性が向上するため、取り扱いが容易となる。nの上限は、とくに限定されないが、10以下が好ましく、とくに5以下が好ましい。nが上記上限値以下であると、樹脂の流動性が向上し、成形不良などの発生を抑制することができる。
上記以外のエポキシ樹脂としては縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、耐熱性、低熱膨張性をさらに向上させることができる。
縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂は、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン、ピレン、トリフェニレン、およびテトラフェン、その他の縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂である。縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂は、複数の芳香環が規則的に配列することができるため低熱膨張性に優れる。また、ガラス転移温度も高いため耐熱性に優れる。さらに、繰返し構造の分子量が大きいため従来のノボラック型エポキシ樹脂に比べ難燃性に優れ、シアネート樹脂と組合せることでシアネート樹脂の弱点の脆弱性を改善することができる。したがって、シアネート樹脂と併用して用いることで、さらにガラス転移温度が高くなるため鉛フリー対応の実装信頼性を向上させることができる。
縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂は、フェノール類化合物とホルムアルデヒド類化合物、および縮合環芳香族炭化水素化合物から合成された、ノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化したものである。
フェノール類化合物は、とくに限定されないが、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールなどのクレゾール類、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールなどのキシレノール類、2,3,5トリメチルフェノールなどのトリメチルフェノール類、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノールなどのエチルフェノール類、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、t−ブチルフェノールなどのアルキルフェノール類、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、カテコール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレンなどのナフタレンジオール類、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、ピロガロール、フルオログルシンなどの多価フェノール類、アルキルレゾルシン、アルキルカテコール、アルキルハイドロキノンなどのアルキル多価フェノール類などが挙げられる。これらのうち、コスト面および分解反応に与える効果から、フェノールが好ましい。
アルデヒド類化合物は、とくに限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n-ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o-トルアルデヒド、サリチルアルデヒド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、トリヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ−3−メトキシアルデヒドパラホルムアルデヒドなどが挙げられる。
縮合環芳香族炭化水素化合物は、とくに限定されないが、例えば、メトキシナフタレン、ブトキシナフタレンなどのナフタレン誘導体、メトキシアントラセンなどのアントラセン誘導体、メトキシフェナントレンなどのフェナントレン誘導体、その他テトラセン誘導体、クリセン誘導体、ピレン誘導体、トリフェニレン誘導体、およびテトラフェン誘導体などが挙げられる。
縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂は、とくに限定されないが、例えば、メトキシナフタレン変性オルトクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ブトキシナフタレン変性メタ(パラ)クレゾールノボラックエポキシ樹脂、およびメトキシナフタレン変性ノボラックエポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、下記式(V)で表される縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
Figure 2014084441
(式中、Arは縮合環芳香族炭化水素基であり、Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1以上10以下の炭化水素基、ハロゲン元素、フェニル基、ベンジル基などのアリール基、およびグリシジルエーテルを含む有機基から選ばれる基である。n、p、およびqは1以上の整数であり、またp、qの値は、繰り返し単位毎に同一でも、異なっていてもよい。)
Figure 2014084441
(式(V)中のArは、式(VI)中の(Ar1)〜(Ar4)で表される構造であり、式(VI)中のRは、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1以上10以下の炭化水素基、ハロゲン元素、フェニル基、ベンジル基などのアリール基、およびグリシジルエーテルを含む有機基から選ばれる基である。)
エポキシ樹脂の含有量の下限は、とくに限定されないが、樹脂材料全体において1質量%以上が好ましく、とくに2質量%以上が好ましい。含有量が上記下限値以上であると、シアネート樹脂との反応性が向上し、得られる製品の耐湿性を向上させることができる。エポキシ樹脂の含有量の上限は、とくに限定されないが、55質量%以下が好ましく、とくに40質量%以下が好ましい。含有量が上記上限値以下であると、耐熱性をより向上させることができる。
エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)の下限は、とくに限定されないが、Mw500以上が好ましく、とくにMw800以上が好ましい。Mwが上記下限値以上であると、樹脂層にタック性が生じるのを抑制することができる。Mwの上限は、とくに限定されないが、Mw20,000以下が好ましく、とくにMw15,000以下が好ましい。Mwが上記上限値以下であると、絶縁樹脂層103作製時、繊維基材への含浸性が向上し、より均一な製品を得ることができる。エポキシ樹脂のMwは、例えば、GPCで測定することができる。
熱硬化性樹脂としてシアネート樹脂(とくにノボラック型シアネート樹脂、ナフトール型シアネート樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂)やエポキシ樹脂(ナフタレン型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂、とくにナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)を用いる場合、さらにフェノール樹脂を用いてもよい。フェノール樹脂としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂などが挙げられる。フェノール樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用して用いてもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用して用いてもよい。これらの中でも、とくにアリールアルキレン型フェノール樹脂が好ましい。これにより、さらに吸湿半田耐熱性を向上させることができる。
アリールアルキレン型フェノール樹脂としては、例えば、キシリレン型フェノール樹脂、ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂などが挙げられる。ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂は、例えば、下記一般式(VIII)で示すことができる。
Figure 2014084441
上記一般式(VIII)で示されるビフェニルジメチレン型フェノール樹脂の繰り返し単位nは任意の整数である。nの下限は、とくに限定されないが、1以上が好ましく、とくに2以上が好ましい。nが上記下限値以上であると、耐熱性をより向上させることができる。また、繰り返し単位nの上限は、とくに限定されないが、12以下が好ましく、とくに8以下が好ましい。また、nが上記上限値以下であると、他の樹脂との相溶性が向上し、作業性を向上させることができる。
前述のシアネート樹脂(とくにノボラック型シアネート樹脂、ナフトール型シアネート樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂)やエポキシ樹脂(ナフタレン型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂、とくにナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)とアリールアルキレン型フェノール樹脂との組合せにより、架橋密度をコントロールし、反応性を容易に制御できる。
フェノール樹脂の含有量の下限は、とくに限定されないが、樹脂材料全体において1質量%以上が好ましく、とくに5質量%以上が好ましい。フェノール樹脂の含有量が上記下限値以上であると、耐熱性を向上させることができる。また、フェノール樹脂の含有量の上限は、とくに限定されないが、樹脂材料全体において55質量%以下が好ましく、とくに40質量%以下が好ましい。フェノール樹脂の含有量が上記上限値以下であると、低熱膨張の特性を向上させることができる。
フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)の下限は、とくに限定されないが、Mw400以上が好ましく、とくにMw500以上が好ましい。Mwが上記下限値以上であると、樹脂層にタック性が生じるのを抑制することができる。また、フェノール樹脂のMwの上限は、とくに限定されないが、Mw18,000以下が好ましく、とくにMw15,000以下が好ましい。Mwが上記上限値以下であると樹脂層の作製時、繊維基材への含浸性が向上し、より均一な製品を得ることができる。フェノール樹脂のMwは、例えばGPCで測定することができる。
さらに、シアネート樹脂(とくにノボラック型シアネート樹脂、ナフトール型シアネート樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂)とフェノール樹脂(アリールアルキレン型フェノール樹脂、とくにビフェニルジメチレン型フェノール樹脂)とエポキシ樹脂(ナフタレン型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂、とくにナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)との組合せを用いて基板(とくにプリント配線基板)を作製した場合、とくに優れた寸法安定性を得ることができる。
(充填材)
本実施形態の樹脂材料は充填材をさらに含んでもよい。これにより、樹脂基板100を薄型化しても、より一層優れた機械的強度を付与することができる。また、樹脂基板100の低熱膨張化をより一層向上させることができる。
充填材としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスなどのケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカなどの酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素などの窒化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩などを挙げることができる。
充填材として、これらの中の1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、とくにシリカが好ましく、溶融シリカ(とくに球状溶融シリカ)が低熱膨張性に優れる点で好ましい。溶融シリカの形状には破砕状および球状がある。繊維基材への含浸性を確保するためには、樹脂材料の溶融粘度を下げるため球状シリカを使うなど、その目的にあわせた使用方法を採用することができる。
充填材の平均粒子径の下限は、とくに限定されないが、0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましい。充填材の粒径が上記下限値以上であると、ワニスの粘度が高くなるのを抑制でき、プリプレグ作製時の作業性を向上させることができる。また、平均粒子径の上限は、とくに限定されないが、5.0μm以下が好ましく、とくに2.0μm以下が好ましい。充填材の粒径が上記上限値以下であると、ワニス中で充填剤の沈降などの現象を抑制でき、より均一な樹脂層を得ることができる。また、内層基板の導体回路がL/Sが20/20μmを下回る際には、配線間の絶縁性に影響を与えるのを抑制することができる。
充填材の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA製、LA−500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とする。
また、充填材はとくに限定されないが、平均粒子径が単分散の充填材を用いてもよいし、平均粒子径が多分散の充填材を用いてもよい。さらに平均粒子径が単分散および/または多分散の充填材を1種類または2種類以上併用してもよい。
また、本実施形態の樹脂材料は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準粒度分布におけるメディアン径d50が100nm以下のナノシリカ(とくに球状ナノシリカ)を含むのが好ましい。上記ナノシリカは、粒径の大きい充填材の隙間や繊維基材のストランド中に存在できるため、ナノシリカを含むことにより、充填材の充填性をさらに向上させることができる。
充填材の含有量は、とくに限定されないが、樹脂材料100質量%に対して、60質量%以上90質量%以下が好ましく、65質量%以上75質量%以下がより好ましい。充填材の含有量が上記範囲内であると、とくに低熱膨張、低吸水とすることができる。
また、本実施の形態に用いる樹脂材料は、ゴム成分も配合することができ、例えば、ゴム粒子を用いることができる。ゴム粒子の好ましい例としては、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子、シリコーン粒子などが挙げられる。
コアシェル型ゴム粒子は、コア層とシェル層とを有するゴム粒子であり、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造のもの、または外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、中間層がゴム状ポリマーで構成され、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のものなどが挙げられる。ガラス状ポリマー層は、例えば、メタクリル酸メチルの重合物などで構成され、ゴム状ポリマー層は、例えば、ブチルアクリレート重合物(ブチルゴム)などで構成される。コアシェル型ゴム粒子の具体例としては、スタフィロイドAC3832、AC3816N(商品名、ガンツ化成社製)、メタブレンKW−4426(商品名、三菱レイヨン社製)が挙げられる。架橋アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)粒子の具体例としては、XER−91(平均粒子径0.5μm、JSR社製)などが挙げられる。
架橋スチレンブタジエンゴム(SBR)粒子の具体例としては、XSK−500(平均粒子径0.5μm、JSR社製)などが挙げられる。アクリルゴム粒子の具体例としては、メタブレンW300A(平均粒子径0.1μm)、W450A(平均粒子径0.2μm)(三菱レイヨン社製)などが挙げられる。
シリコーン粒子は、オルガノポリシロキサンで形成されたゴム弾性微粒子であればとくに限定されず、例えば、シリコーンゴム(オルガノポリシロキサン架橋エラストマー)そのものからなる微粒子、および二次元架橋主体のシリコーンからなるコア部を三次元架橋型主体のシリコーンで被覆したコアシェル構造粒子などが挙げられる。シリコーンゴム微粒子としては、KMP−605、KMP−600、KMP−597、KMP−594(信越化学社製)、トレフィルE−500、トレフィルE−600(東レ・ダウコーニング社製)などの市販品を用いることができる。
ゴム粒子の含有量は、とくに限定されないが、上記の充填材を合わせて、樹脂材料全体に基づいて20質量%以上80質量%以下が好ましく、30質量%以上75質量%以下がより好ましい。含有量が範囲内であると、とくに低吸水とすることができる。
(その他の添加剤)
このほか、必要に応じて、樹脂材料にはカップリング剤、硬化促進剤、硬化剤、熱可塑性樹脂、有機充填材などの添加剤を適宜配合することができる。本実施形態で用いられる樹脂材料は、上記成分を有機溶剤などにより溶解および/または分散させた液状形態で好適に用いることができる。
カップリング剤の使用により、熱硬化性樹脂と充填材との界面の濡れ性が向上し、繊維基材に対して樹脂材料を均一に定着させることができる。したがって、カップリング剤を使用することは好ましく、耐熱性、とくに吸湿後の半田耐熱性を改良することができる。
カップリング剤としては、カップリング剤として通常用いられるものであれば使用できるが、具体的にはエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用することが好ましい。これにより、充填材の界面との濡れ性を高くすることができ、それによって耐熱性をより向上させることができる。
カップリング剤の添加量の下限は、充填材の比表面積に依存するのでとくに限定されないが、充填材100質量部に対して0.05質量部以上、とくに0.1質量部以上が好ましい。カップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、充填材を十分に被覆することができ、耐熱性を向上させることができる。また、添加量の上限は、とくに限定されないが、3質量部以下が好ましく、2質量部以下がより好ましい。含有量が上記上限値以下であると、反応に影響を与えるのを抑制でき、曲げ強度などの低下を抑制することができる。
硬化促進剤としては公知のものを用いることができる。例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)などの有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾールなどのイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノールなどのフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、オニウム塩化合物など、またはこの混合物が挙げられる。硬化促進剤として、これらの中の誘導体も含めて1種類を単独で用いてもよいし、これらの誘導体も含めて2種類以上を併用してもよい。
オニウム塩化合物は、とくに限定されないが、例えば、下記一般式(IX)で表されるオニウム塩化合物を用いることができる。
Figure 2014084441
(式中、Pはリン原子、R1、R、RおよびRは、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。Aは分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体のアニオン、またはその錯アニオンを示す。)
硬化促進剤の含有量の下限は、とくに限定されないが、樹脂材料全体の0.005質量%以上が好ましく、とくに0.008質量%以上が好ましい。含有量が上記下限値以上であると、硬化を促進する効果を十分に発揮することができる。硬化促進剤の含有量の上限は、とくに限定されないが、樹脂材料全体の5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。含有量が上記上限値以下であるとプリプレグの保存性をより向上させることができる。
樹脂材料では、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂などの熱可塑性樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体などのポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの熱可塑性エラストマ−、ポリブタジエン、エポキシ変性ポリブタジエン、アクリル変性ポリブタジエン、メタクリル変性ポリブタジエンなどのジエン系エラストマーを併用してもよい。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、アントラセン骨格を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂などが挙げられる。また、これらの骨格を複数種有した構造のフェノキシ樹脂を用いることもできる。
これらの中でも、ビフェニル骨格およびビスフェノールS骨格を有するフェノキシ樹脂を用いるのが好ましい。ビフェニル骨格が有する剛直性により、フェノキシ樹脂のガラス転移温度を高くすることができるとともに、ビスフェノールS骨格の存在により、フェノキシ樹脂と金属との密着性を向上させることができる。その結果、樹脂基板の耐熱性の向上を図ることができるとともに、プリント配線基板を製造する際に、樹脂基板に対する配線層の密着性を向上させることができる。また、フェノキシ樹脂には、ビスフェノールA骨格およびビスフェノールF骨格を有するフェノキシ樹脂を用いるのも好ましい。これにより、プリント配線基板の製造時に、配線層の樹脂基板への密着性をさらに向上させることができる。
また、下記一般式(X)で表されるビスフェノールアセトフェノン構造を有するフェノキシ樹脂を用いるのも好ましい。
Figure 2014084441
(式中、Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1以上10以下の炭化水素基またはハロゲン元素から選ばれる基である。Rは、水素原子、炭素数1以上10以下の炭化水素基またはハロゲン元素から選ばれる基である。Rは、水素原子または炭素数1以上10以下の炭化水素基であり、mは0以上5以下の整数である。)
ビスフェノールアセトフェノン構造を含むフェノキシ樹脂は、嵩高い構造を持っているため、溶剤溶解性や、配合する熱硬化性樹脂成分との相溶性に優れる。また、低粗度で均一な粗面を形成することができるため微細配線形成性に優れる。
ビスフェノールアセトフェノン構造を有するフェノキシ樹脂は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂を触媒で高分子量化させる方法などの公知の方法で合成することができる。
ビスフェノールアセトフェノン構造を有するフェノキシ樹脂は、一般式(X)のビスフェノールアセトフェノン構造以外の構造が含まれていても良く、その構造はとくに限定されないが、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、ビフェニル型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型の構造などが挙げられる。中でも、ビフェニル型の構造を含むものが、ガラス転移温度が高く好ましい。
ビスフェノールアセトフェノン構造を含むフェノキシ樹脂中の一般式(X)のビスフェノールアセトフェノン構造の含有量はとくに限定されないが、好ましくは5モル%以上95モル%以下であり、より好ましくは10モル%以上85モル%以下であり、さらに好ましくは15モル%以上75モル%以下である。含有量が上記下限値以上であると、耐熱性、耐湿信頼性を向上させる効果を十分に発揮させることができる。また、含有量が上記上限値以下であると、溶剤溶解性を向上させることができる。
フェノキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、とくに限定されないが、Mw5,000以上100,000以下が好ましく、Mw10,000以上70,000以下がさらに好ましくMw20,000以上50,000以下が最も好ましい。Mwが上記上限値以下であると、他の樹脂との相溶性や溶剤への溶解性を向上させることができる。上記下限値以上であると、製膜性が向上し、プリント配線基板の製造に用いる場合に不具合が発生するのを抑制することができる。
フェノキシ樹脂の含有量は、とくに限定されないが、充填材を除く樹脂材料の0.5質量%以上40質量%以下が好ましく、とくに1質量%以上20質量%以下が好ましい。含有量が上記下限値以上であると絶縁樹脂層103の機械強度の低下や、導体回路とのメッキ密着性の低下を抑制することができる。上記上限値以下であると、樹脂基板100の熱膨張率の増加を抑制でき、耐熱性を低下させることができる。
さらに、樹脂材料には、必要に応じて、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤などの上記成分以外の添加物を添加してもよい。
顔料としては、カオリン、合成酸化鉄赤、カドミウム黄、ニッケルチタン黄、ストロンチウム黄、含水酸化クロム、酸化クロム、アルミ酸コバルト、合成ウルトラマリン青などの無機顔料、フタロシアニンなどの多環顔料、アゾ顔料などが挙げられる。
染料としては、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、キサンテン 、ジケトピロロピロール、ペリレン、ペリノン 、アントラキノン、インジゴイド 、オキサジン、キナクリドン、ベンツイミダゾロン、ビオランスロン 、フタロシアニン、アゾメチンなどが挙げられる。
(繊維基材)
繊維基材としては、とくに限定されないが、ガラスクロスなどのガラス繊維基材、ポリベンゾオキサゾール樹脂繊維、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維などのポリアミド系樹脂繊維基材、ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維などのポリエステル系樹脂繊維基材、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維などを主成分として構成される合成繊維基材、クラフト紙、コットンリンター紙、リンターとクラフトパルプの混抄紙などを主成分とする紙基材などの有機繊維基材などが挙げられる。これらの中でも、強度、吸水率の点からガラス繊維基材が好ましい。また、ガラス繊維基材を用いることにより、樹脂基板100の熱膨張係数をさらに小さくすることができる。
本実施形態で用いるガラス繊維基材としては、坪量(1mあたりの繊維基材の重量)が4g/m以上150g/m以下であることが好ましく、8g/m以上110g/m以下であることがより好ましく、12g/m以上60g/m以下であることがさらに好ましく、12g/m以上30g/m以下であることがとくに好ましく、12g/m以上24g/m以下であることが最も好ましい。
坪量が上記上限値以下であると、ガラス繊維基材中の樹脂材料の含浸性が向上し、ストランドボイドや絶縁信頼性の低下の発生を抑制することができる。また炭酸ガス、UV、エキシマなどのレーザーによるスルーホールの形成を容易にすることができる。また、坪量が上記下限値以上であると、ガラス繊維基材やプリプレグの強度を向上させることができる。その結果、ハンドリング性が向上したり、プリプレグの作製が容易となったり、基板の反りの低減効果の低下を抑制したりすることができる。
上記繊維基材の中でも、とくに、50℃以上150℃以下の範囲における線膨張係数α2が10ppm/℃以下の繊維基材であることが好ましく、6ppm/℃以下の繊維基材であることがより好ましく、3.5ppm/℃以下の繊維基材であることがとくに好ましい。このような線膨張係数を有する繊維基材を用いることにより、本実施形態の樹脂基板100の反りをさらに抑制することができる。ここで、繊維基材の線膨張係数α2は、例えば、熱機械分析装置TMAを用いて、10℃/分の引っ張り条件で30℃から260℃まで昇温させることにより測定することができる。例えば、JIS R3102に準拠して測定される経糸方向の熱膨張係数である。
さらに、本実施形態で用いるガラス繊維基材を構成する材料の引張弾性率が60GPa以上100GPa以下であることが好ましく、65GPa以上95GPa以下であることがより好ましく、85GPa以上95GPa以下であることがとくに好ましい。このような引張弾性率を有するガラス繊維基材を用いることにより、例えば、半導体実装時のリフロー熱による配線板の変形を効果的に抑制することができるので、電子部品の接続信頼性をさらに向上させることができる。
また、本実施形態で用いるガラス繊維基材は、1GHzでの誘電率が3.8以上7.0以下であることが好ましく、3.8以上6.8以下であることがより好ましく、3.8以上5.5以下であることがとくに好ましい。このような誘電率を有するガラス繊維基材を用いることにより、樹脂基板100の誘電率をさらに低減させることができる。そのため、高速信号を用いた半導体装置に好適に用いることができる。
上記のような線膨張係数、引張弾性率および誘電率を有するガラス繊維基材として、例えば、Tガラス、Sガラス、Eガラス、NEガラス、および石英ガラスからなる群から選ばれる少なくとも一種を含むガラス繊維基材が好適に用いられる。
繊維基材の厚みは、とくに限定されないが、好ましくは5μm以上150μm以下であり、より好ましくは10μm以上100μm以下であり、さらに好ましくは12μm以上60μm以下である。このような厚みを有する繊維基材を用いることにより、プリプレグ製造時のハンドリング性がさらに向上し、とくに反り低減効果を向上させることができる。
繊維基材の厚みが上記上限値以下であると、繊維基材中の樹脂材料の含浸性が向上し、ストランドボイドや絶縁信頼性の低下の発生を抑制することができる。また炭酸ガス、UV、エキシマなどのレーザーによるスルーホールの形成を容易にすることができる。また、繊維基材の厚みが上記下限値以上であると、繊維基材やプリプレグの強度が向上させることができる。その結果、ハンドリング性が向上したり、プリプレグの作製が容易となったり、基板の反りの低減効果の低下を抑制したりすることができる。
また、繊維基材の使用枚数は、一枚に限らず、薄い繊維基材を複数枚重ねて使用することも可能である。なお、繊維基材を複数枚重ねて使用する場合は、その合計の厚みが上記の範囲を満たせばよい。
また、本実施形態における樹脂基板100に含まれる繊維基材と充填材との合計が、55質量%以上90質量%以下であることが好ましく、70質量%以上85質量%以下であることがより好ましい。繊維基材と充填材との合計が上記範囲を満たすことにより、繊維基材への樹脂材料の含浸性、成形性のバランスをとりながら、樹脂基板100の剛性を高めることができ、その結果、実装時の半導体装置の反りをより一層低減することができる。
本実施形態の樹脂基板100を得るためには、上述した各材料を適切に選択し、各材料の配合量を適切に調整することが重要である。
ただし、本実施形態の樹脂基板は、上述した各材料に限定されず、種々の条件を適切に調整することにより、本実施形態の樹脂基板を得ることができる。
(半導体パッケージ)
つづいて、本実施形態における半導体パッケージ200について説明する。
樹脂基板100は、図2に示すような半導体パッケージ200に用いることができる。半導体パッケージ200の製造方法としては、とくに限定されないが、例えば以下のような方法がある。
金属箔付き樹脂基板213(金属張積層板)に層間接続用のスルーホール215を形成し、サブトラクティブ工法、セミアディティブ工法などにより配線層を作製する。その後、必要に応じてビルドアップ層(図2では図示しない)を積層して、アディティブ工法により層間接続および回路形成する工程を繰り返す。そして、必要に応じてソルダーレジスト層201を積層して、上記に準じた方法で回路形成し、プリント配線基板が得られる。ここで、一部あるいは全てのビルドアップ層およびソルダーレジスト層は繊維基材を含んでも構わないし、含まなくても構わない。
つぎにソルダーレジスト層201全面にフォトレジストを塗布した後に、フォトレジストの一部を除去してソルダーレジスト層201の一部を露出する。なお、ソルダーレジスト層201には、フォトレジストの機能を持ったレジストを使用することもできる。この場合は、フォトレジストの塗布の工程を省略できる。つぎに、露出したソルダーレジスト層の除去をおこなって、開口部209を形成する。
つづいて、リフロー処理を行なうことによって、半導体素子203を配線パターンの一部である接続端子205上に半田バンプ207を介して固着させる。その後、半導体素子203、半田バンプ207等を封止材211で封止することによって、図2に示す様な半導体パッケージ200が得られる。
(半導体装置)
つづいて、本実施形態における半導体装置300について説明する。
半導体パッケージ200は、図3に示すような半導体装置300に用いることができる。半導体装置300の製造方法としては、とくに限定されないが、例えば以下のような方法がある。
はじめに、得られた半導体パッケージ200のソルダーレジスト層201の開口部209に半田ペーストを供給し、リフロー処理を行なうことによって半田バンプ301を形成する。また、半田バンプ301は、あらかじめ作製した半田ボールを開口部209に取り付けることによっても形成できる。
つぎに、実装基板303の接続端子305と半田バンプ301とを接合することによって半導体パッケージ200を実装基板303に実装し、図3に示した半導体装置300が得られる。
以上に説明したように、本実施形態によれば、実装時の反りが低減された半導体装置を得ることができる樹脂基板100が提供される。とくに、厚みが薄い樹脂基板100とした場合でも、反りの発生を効果的に抑制することができる。そして、本実施形態における樹脂基板100を用いたプリント配線基板は、反り、寸法安定性などの機械的特性、成形性に優れたものである。したがって、本実施形態における樹脂基板100は、高密度化、高多層化が要求されるプリント配線基板など、信頼性が要求される用途に好適に用いることができる。
本実施形態における樹脂基板100は、上述の回路加工およびそれ以後の各プロセスにおいても反りの発生が低減される。また、本実施形態における半導体パッケージ200は、反りおよびクラックが発生しにくく、薄型化が可能である。したがって半導体パッケージ200を含む半導体装置300は、接続信頼性が優れている。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。例えば、本実施形態では、プリプレグが1層の場合を示したが、プリプレグを2層以上積層したものを用いて樹脂基板100を作製してもよい。
本実施形態における樹脂基板100にビルドアップ層をさらに積層した構成を取ることもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例では、部はとくに特定しない限り質量部を表す。また、それぞれの厚みは平均膜厚で表わされている。
実施例および比較例では、以下の原料を用いた。
エポキシ樹脂A:ビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)
エポキシ樹脂B:ナフタレンジオールジグリシジルエーテル(DIC社製、エピクロンHP−4032D)
エポキシ樹脂C:ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、エピクロンHP−6000)
エポキシ樹脂D:リン変性エポキシ樹脂(東都化成社製、FX−305EK70、固形分70質量%)
シアネート樹脂A:ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセットPT−30)
シアネート樹脂B:一般式(II)で表わされるp−キシレン変性ナフトールアラルキル型シアネート樹脂(ナフトールアラルキル型フェノール樹脂(東都化成社製、「SN−485誘導体」)と塩化シアンの反応物)
フェノール樹脂A:ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(日本化薬社製、GPH−65)
アミン化合物:4,4`−ジアミノジフェニルメタン
ビスマレイミド化合物(ケイアイ化成工業社製、BMI−70)
フェノキシ樹脂A:ビスフェノールアセトフェノン構造を含むフェノキシ樹脂(三菱化学社製、YX−6954BH30)
充填材A:球状シリカ(アドマテックス社製、SO−25R、平均粒径0.5μm)
充填材B:球状シリカ(アドマテックス社製、SO−31R、平均粒径1.0μm)
充填材C:ナノシリカ(アドマテックス社製、アドマナノ、KBM403E表面処理品、平均粒径55nm)
充填材D:ベーマイト(ナバルテック社製、AOH−30)
充填材E:シリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製、トスパール120、平均粒径2μm)
カップリング剤A:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス社製、A−187)
カップリング剤B:N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−573)
硬化促進剤A:上記一般式(IX)に該当するオニウム塩化合物のリン系触媒(住友ベークライト社製、C05−MB)
硬化促進剤B:オクチル酸亜鉛
(実施例1)
1.樹脂材料のワニス1の調製
エポキシ樹脂Cとしてナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、エピクロンHP−6000)9.0質量部、アミン化合物として4,4`−ジアミノジフェニルメタン3.0質量部、ビスマレイミド化合物としてビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(ケイアイ化成工業社製、BMI−70)17.5質量部、をメチルエチルケトンに溶解、分散させた。さらに、充填材Bとして球状シリカ(アドマテックス社製、SO−31R、平均粒径1.0μm)63.0質量部、充填材Cとしてナノシリカ(アドマテックス社製、アドマナノ、KBM403E表面処理品、平均粒径55nm)2.0質量部、充填材Dとしてベーマイト(ナバルテック社製、AOH−30)5.0質量部とカップリング剤Aとしてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス社製、A−187)0.5質量部を添加して、高速撹拌装置を用いて30分間撹拌して、不揮発分65質量%となるように調整し、樹脂材料のワニス1(樹脂ワニス1)を調製した。
2.プリプレグの製造
はじめに、塗布装置を用いて、ガラス繊維基材(厚さ:46μm、日東紡社製Tガラス織布、WTX−1280、IPC規格1280、線膨張係数:2.8ppm/℃)に上記樹脂ワニス1を含浸させた。ここで、ガラス繊維基材に樹脂ワニス1を塗布含浸するときのガラス繊維基材にかかる張力を350N/mに設定した。
次いで、180℃の加熱炉で2分間乾燥して、厚さ50μmのプリプレグ1を得た。
3.金属張積層板の製造
得られたプリプレグ1を2枚重ね、その両面に2μmの銅箔(日本電解社製、NSAP−2B)をそれぞれ重ね合わせた。次いで、その積層体を平滑な金属板に挟み、温度220℃、圧力4MPaの条件で2時間加熱加圧成形した。次いで、圧力4MPaを維持したまま、5℃/分の降温速度で30℃まで冷却し、金属張積層板を得た。得られた金属張積層板のコア層(樹脂基板に相当)の厚みは、0.10mmであった。
4.プリント配線基板の製造
上記で得られた金属張積層板の両面をセミアディティブ法により回路パターン形成(残銅率70%、L/S=25/25μm)した。次いで、回路表面にソルダーレジスト(太陽インキ社製、PSR800/AUS410)を形成し、半導体素子との接続端子部を露光・現像で開口露出させた。その後、開口部の接続端子上へ、無電解ニッケルめっき、さらに、無電解金めっきおよび半田めっきを形成した。得られた基板を14mm×14mmサイズに切断し、半導体パッケージ用のプリント配線基板を得た。
5.半導体パッケージの製造
得られた上記プリント配線基板上に、半田バンプを有する半導体素子(TEGチップ、サイズ8mm×8mm、厚み100μm)を、フリップチップボンダー装置により、加熱圧着により搭載した。
つぎに、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP−X4120B3)を充填し、当該液状封止樹脂を硬化させることで半導体パッケージ(以下、半導体PKG)を得た。なお、液状封止樹脂は、温度150℃、120分の条件で硬化させた。また、半導体素子の半田バンプは、Sn/Ag/Cu組成の鉛フリー半田で形成されたものを用いた。
(実施例2〜5、比較例1〜3)
樹脂ワニスの種類を表2のものに変えた以外は実施例1と同様に、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板および半導体パッケージを製造した。
(実施例6)
ガラス繊維基材をガラス繊維基材(厚さ:47μm、日東紡社製Eガラス織布、WEA−1280、IPC規格1280、線膨張係数:5.8ppm/℃)に変えた以外は実施例4と同様に、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板および半導体パッケージを製造した。
(比較例4)
ガラス繊維基材に樹脂ワニスを塗布含浸するときのガラス繊維基材にかかる張力を70N/mに設定した以外は、実施例4と同様に、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板および半導体パッケージを製造した。
(比較例5)
金属張積層板の製造時に、温度220℃で2時間加熱後すぐに、荷重を0.5MPaに下げた以外は実施例4と同様に、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板および半導体パッケージを製造した。
各実施例および比較例により得られた樹脂基板および半導体パッケージについて、つぎの各評価を行った。各評価を、評価方法と共に以下に示す。得られた結果を表2に示す。
(1)ガラス転移温度の測定
ガラス転移温度の測定は、動的粘弾性測定(DMA)を用いておこなった。
実施例および比較例で得られた樹脂基板から8mm×40mmのテストピースを切り出し、TAインスツルメント製DMA2980を用いて昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件で測定をおこなった。なお、ガラス転移温度は、周波数1Hzにおいてtanδが最大値を示す温度とした。
(2)樹脂基板の線膨張係数
実施例および比較例で得られた金属張積層板から4mm×15mmのテストピースを切り出し、エッチング液(第二塩化鉄溶液、35℃)で銅箔を除去した。次いで、熱機械分析装置TMA(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、10℃/分の引っ張り条件で30℃から260℃まで昇温させ、50℃以上150℃以下の範囲における線膨張係数α1を算出した。
また、上記α1を測定した樹脂基板について、熱機械分析装置TMA(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、10℃/分の引っ張り条件で、再度30℃から260℃まで昇温させ、50℃以上150℃以下の範囲における線膨張係数α3を算出した。
(3)半導体パッケージ(以下、PKGとも呼ぶ。)の室温での反り量および室温から260℃までの反り量の変化
半導体パッケージの室温での反り量は、チップ面を加熱冷却可能なチャンバー上に置いて、25℃と260℃の雰囲気下で、BGA面から基板(サイズ:14mm×14mm)上の13mm×13mm部分での室温(25℃)における反り量、および25℃から260℃までの反り量を測定した。なお、サンプルは上記実施例および比較例で作製した半導体パッケージを用いた。各符号は、以下の通りである。
(4)繊維基材の線膨張係数
実施例および比較例で使用したガラス繊維基材について、熱機械分析装置TMA(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、10℃/分の引っ張り条件で30℃から260℃まで昇温させ、50℃以上150℃以下の範囲における線膨張係数α2を算出した。
<室温反り>
◎:反り量が150μm未満(良好)
○:反り量が150μm以上200μm未満(実質上問題なし)
×反り量が200μm以上(問題あり)
<室温から260℃までの反り量の変化>
◎:反り量の変化が250μm未満(良好)
○:反り量の変化が250μm以上300μm未満(実質上問題なし)
×反り量の変化が300μm以上(問題あり)
(5)個片反り量
実施例および比較例で作製した樹脂基板の中心付近を270mm×350mmサイズで切断し、エッチング液で金属箔を剥離した。次いで、そのサンプルを30mm間隔で50mm×50mmサイズに切断し、合計12ピースの基板反り用サンプルを得た。得られたサンプルの基板反りの測定は、温度可変レーザー三次元測定機(LS200−MT100MT50:ティーテック社製)を用いて、常温(25℃)でおこなった。
測定範囲は、48mm×48mmの範囲で、基板の一方の面にレーザーを当てて測定を行い、レーザーヘッドからの距離が、最遠点と最近点の差を各ピースの反り量とし、各ピースの反り量の平均を基板反り量とした。
(6)導通試験
実施例および比較例で得られた半導体パッケージをフライングチェッカー(1116X−YC ハイテスタ:日置電機社製)を用いて、半田バンプを介して半導体素子とプリント配線基板間を通る回路端子の導通の測定をおこない、その抵抗値を初期値とした。
つぎに、60℃、60%の吸湿条件下で40時間処理後、IRリフロー炉(ピーク温度:260℃)で3回処理し、同様に導通を測定して初期値より抵抗値が5%以上上昇したものを実装時の断線と判定した。
ここで、初期値で断線が生じていた場合は、回路作製上の不具合と判断しカウントしていない。なお、測定は各半導体パッケージについて合計3個ずつおこない、半導体パッケージ1個につき測定箇所は61箇所、計183箇所測定した。
各符号は、以下の通りである。
◎:断線箇所が無い
○:断線箇所が1%以上11%未満
△:断線箇所が11%以上51%未満
×:断線箇所が51%以上
(7)温度サイクル(TC)試験
実施例および比較例で得られた半導体パッケージを60℃、60%の条件下で40時間処理した。その後、IRリフロー炉(ピーク温度:260℃)で3回処理し、大気中で、−55℃(15分)、150℃(15分)で500サイクル処理した。つぎに、超音波映像装置(日立建機ファインテック社製、FS300)を用いて、半導体素子、半田バンプに異常がないか観察した。なお、測定は、各半導体パッケージについて合計5個ずつおこなった。
◎:半導体素子、半田バンプともに異常なし。
○:半導体素子および/または半田バンプの一部にクラックが見られるが実用上問題なし。
△:半導体素子および/または半田バンプの一部にクラックが見られ実用上問題あり。
×:半導体素子、半田バンプともにクラックが見られ使用できない。
Figure 2014084441
Figure 2014084441
表1からも分かるように、α2>α1の関係を満たす実施例1〜6の樹脂基板は、比較例1〜5の樹脂基板に比べて、半導体パッケージの室温での反り量、室温から260℃までの反り量の変化および個片反り量の点が優れていた。また、実施例1〜6の半導体パッケージは比較例1〜5の半導体パッケージに比べて、導通性および温度サイクル信頼性にも優れていた。
実施例1〜6では、従来にない製法上の工夫をして最適化をおこなっている。
具体的には、実施例1〜4、6では、(1)繊維基材の張力を高テンションに保持した状態で、繊維基材へ樹脂ワニスを塗布含浸している点、(2)樹脂基板を高圧で加熱加圧成形している点、(3)樹脂基板を高圧で加熱加圧成形後、冷却終了時まで加圧を継続している点、(4)厚みの薄い繊維基材を使用している点、(5)ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂を使用している点、等の技術的な工夫をおこなっている。
また、実施例5では、(1)繊維基材の張力を高テンションに保持した状態で、繊維基材へ樹脂ワニスを塗布含浸している点、(2)樹脂基板を高圧で加熱加圧成形している点、(3)樹脂基板を高圧で加熱加圧成形後、冷却終了時まで加圧を継続している点、(4)厚みの薄い繊維基材を使用している点、等の技術的な工夫をおこなっている。
100 樹脂基板
101 繊維基材
103 絶縁樹脂層
200 半導体パッケージ
201 ソルダーレジスト層
203 半導体素子
205 接続端子
207 半田バンプ
209 開口部
211 封止材
213 樹脂基板
215 スルーホール
300 半導体装置
301 半田バンプ
303 実装基板
305 接続端子

Claims (16)

  1. 繊維基材に樹脂材料を含浸してなる樹脂基板であって、
    前記繊維基材は織布基材であり、
    熱機械分析装置を用いて、当該樹脂基板を30℃から260℃まで昇温させる一回目の測定(1stRun)をおこなった際の、50℃以上150℃以下の範囲における前記樹脂基板の基板面内方向の線膨張係数をα1とし、
    50℃以上150℃以下の範囲における前記繊維基材の線膨張係数をα2としたとき、
    α2>α1を満たす、樹脂基板。
  2. 請求項1に記載の樹脂基板において、
    前記線膨張係数α1を測定後、当該樹脂基板を30℃から260℃まで昇温させる二回目の測定(2ndRun)をおこなった際の、50℃以上150℃以下の範囲における前記樹脂基板の基板面内方向の線膨張係数をα3としたとき、
    α2>α3>α1を満たす、樹脂基板。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂基板において、
    前記繊維基材がガラス繊維基材である、樹脂基板。
  4. 請求項3に記載の樹脂基板において、
    前記ガラス繊維基材が、Tガラス、Sガラス、Eガラス、NEガラス、および石英ガラスからなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、樹脂基板。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載の樹脂基板において、
    前記樹脂材料は充填材を含み、
    前記充填材の含有量が、前記樹脂材料100質量%に対して、60質量%以上90質量%以下である、樹脂基板。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載の樹脂基板において、
    前記繊維基材の前記線膨張係数α2が、10ppm/℃以下である、樹脂基板。
  7. 請求項1乃至6いずれか一項に記載の樹脂基板において、
    前記樹脂材料は、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂を含む、樹脂基板。
  8. 請求項1乃至7いずれか一項に記載の樹脂基板において、
    前記樹脂材料は、シアネート樹脂を含む、樹脂基板。
  9. 請求項1乃至8いずれか一項に記載の樹脂基板において、
    前記樹脂材料は、ナノシリカを含み、
    前記ナノシリカのレーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準粒度分布におけるメディアン径d50が100nm以下である、樹脂基板。
  10. 請求項9に記載の樹脂基板において、
    前記繊維基材のストランド中に前記ナノシリカが存在する、樹脂基板。
  11. 請求項1乃至10いずれか一項に記載の樹脂基板において、
    当該樹脂基板の前記線膨張係数α1が、5ppm/℃以下である、樹脂基板。
  12. 請求項1乃至11いずれか一項に記載の樹脂基板において、
    当該樹脂基板の動的粘弾性測定によるガラス転移温度が、200℃以上350℃以下である、樹脂基板。
  13. 請求項1乃至12いずれか一項に記載の樹脂基板において、
    当該樹脂基板の厚みが、0.6mm以下である、樹脂基板。
  14. 請求項1乃至13いずれか一項に記載の樹脂基板の少なくとも一方の面に金属箔が積層された、金属張積層板。
  15. 請求項1乃至13いずれか一項に記載の樹脂基板を回路加工してなる、プリント配線基板。
  16. 請求項15に記載のプリント配線基板に半導体素子を搭載してなる、半導体装置。
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