JP2014083978A - リクライニング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タウメル式のリクライニング装置に関し、ガタが発生しないリクライニング装置を提供することを課題とする。
【解決手段】
第1楔状部材71、第2楔状部材73の内側あるいは外側に駆動リング75を配置し、この駆動リング75の第1楔状部材71及び第2楔状部材73との当接面は、ロック時に、内歯車61の内歯61cと外歯車63の外歯63aとの噛み合いが浅くなる方向に第1楔状部材71、第2楔状部材73を移動させる力が発生しないように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、シートクッションに対してシートバックの傾動角度を変えるタウメル式のリクライニング装置に関する。
タウメル式のリクライニング装置は、シートクッション側、シートバック側のうちのいずれか一方の側に内歯車を設け、シートクッション側、シートバック側のうちの他方の側に、歯数が内歯車よりも少なく、内歯車に噛合する外歯車を設け、内歯車、外歯車のうちのいずれか一方を他方の歯車の回転軸を中心に偏心運動させながら内歯車、外歯車の噛合位置を変化させることにより、シートバックのシートクッションに対する傾動角を変えるものである。
そして、図11に示すように、円形穴1の内面と円筒3の外面との間の偏心環状空間には一対の楔状部材5、7が配置されている。この一対の楔状部材5、7は、偏心環状空間に楔を打ち込む方向(矢印A方向、矢印B方向)にスプリング9により付勢されている。
楔状部材5、7は、それぞれ円形穴1の内面と円筒3の外面とを押圧することにより、内歯車と外歯車とが両者の回転軸間の偏心量を増やす方向に付勢され、内歯車の内歯と外歯車の外歯とが深く噛み合い、シートバックは傾動しない(ロック状態:非作動状態)。
ロック解除カム11は、その当接面11aがスプリング9の付勢力に抗して楔状部材5、7の楔先端側の端面5aまたは端面7aを押して、楔状部材5または楔状部材7を楔状部材引き抜き方向(打ち込む方向と逆方向:矢印Aまたは矢印B方向と逆方向)に押すようになっている。楔状部材5または楔状部材7がロック解除カム11によって押されて移動すると、楔状部材5または楔状部材7の円形穴1の内面、円筒3の外面への押接力が減り、内歯と外歯との噛み合いが浅くなり、シートバックは傾動可能な状態となる。
楔状部材5または楔状部材7の移動始めは、他方の楔状部材7または楔状部材5は円形穴1の内面、円筒3の外面との摩擦により、静止している。しかし、一方の楔状部材が楔状部材の引き抜き方向に移動していくと、スプリング9の弾性反発力により他方の楔状部材が急に偏心環状空間に楔を打ち込む方向に移動する。この動作を繰り返しながら、内歯車と外歯車との偏心状態を保持し、噛み合い部位が変化しシートバックは傾動する(ロック解除状態:作動状態)。(例えば、特許文献1参照)。
特願2012-056530号公報
しかし、図11に示す構成のリクライニング装置のロック状態においては、シートバックの荷重、着座者の背部のシートバックへの荷重により、楔状部材5または楔状部材7が円形穴1の内面と、円筒3の外面とに強く挟まれ、楔状部材5または楔状部材7が引き抜き方向に移動し、内歯と外歯との噛み合いが浅くなり、シートバックにガタが発生する問題点がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、ガタが発生しないリクライニング装置を提供することにある。
上述した課題のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映したリクライニング装置は、
外面には外歯が形成され、シートクッション側、シートバック側のうちの一方の側の部材に設けられ、前記外歯の回転軸を中心とした円形穴、円筒のうちどちらか一方が形成された外歯車と、
該外歯車の外歯に噛み合い、前記外歯と歯数が異なる内歯が刻設され、前記外歯車に円形穴が形成された場合は、前記内歯を回転軸を中心とし、前記円形穴に挿入される円筒、前記外歯車に円筒が形成された場合には、前記内歯を回転軸を中心とし、前記円筒が挿入される円形穴が形成され、シートクッション側、シートバック側のうちの他方の側の部材に設けられる内歯車と、
前記円形穴の内面と前記円筒の外面との間で、周方向に沿って移動可能に設けられた第1楔状部材及び第2楔状部材と、
前記円形穴の内面と前記円筒の外面との間に移動可能に設けられ、前記第1楔状部材、前記第2楔状部材と当接する当接部を有し、前記円形穴の内面、前記円筒の外面のうちのどちらか一方の面と協働して前記第1楔状部材、前記第2楔状部材を肉厚方向に挟む駆動リングと、
前記第1楔状部材、前記第2楔状部材に係止し、前記内歯車の内歯と前記外歯車の外歯とが噛み合う方向に前記第1楔状部材、前記第2楔状部材を付勢する付勢部材と、
を有し、
前記駆動リングの当接部は、ロック時に、前記駆動リングと前記円形穴の内面、前記円筒の外面のうちのどちらか一方の面とが協働して前記第1楔状部材、前記第2楔状部材を肉厚方向に挟んでも、前記内歯車の内歯と前記外歯車の外歯との噛み合いが浅くなる方向に前記第1楔状部材、前記第2楔状部材を移動させる力が発生しないように形成されていることを特徴とする。
本発明の他の特徴は、以下に述べる発明を実施するための形態並びに添付の図面から一層明らかになるであろう。
本願発明によれば、前記円形穴の内面と前記円筒の外面との間に移動可能に設けられ、前記第1楔状部材、前記第2楔状部材と当接する当接面を有し、前記円形穴の内面、前記円筒の外面のうちのどちらか一方の面と協働して前記第1楔状部材、前記第2楔状部材を肉厚方向に挟む駆動リングを有し、前記駆動リングの当接面は、ロック時に、前記駆動リングと前記円形穴の内面、前記円筒の外面のうちのどちらか一方の面とが協働して前記第1楔状部材、前記第2楔状部材を肉厚方向に挟んでも、前記内歯車の内歯と前記外歯車の外歯との噛み合いが浅くなる方向に前記第1楔状部材、前記第2楔状部材を移動させる力が発生しないように形成されていることにより、リクライニング装置のロック状態において、シートバックの荷重、着座者の背部のシートバックへの荷重により、第1楔状部材、第2楔状部材が駆動リングの当接面と、前記円形穴の内面、前記円筒の外面のうちのどちらか一方の面とに強く挟まれても、楔状部材は引き抜き方向に移動せず、内歯と外歯との噛み合いが浅くならず、シートバックにガタが発生しない。
本発明の他の効果は、以下に述べる発明を実施するための形態並びに添付の図面から一層明らかになるであろう。
実施形態のリクライニング装置の分解斜視図である。 図1のリクライニング装置を逆方向から見た分解斜視図である。 組み立てられた図1のリクライニング装置を矢印III方向からみた正面図である。 図3の切断線IV-IVでの端面図である。 図1に示すロック装置のロック状態を説明する図である。 図5のロック状態からロック解除部材が作動し、駆動リングを回転させた状態を示す図である。 図6の駆動リング、第1楔状部材、第2楔状部材部分の拡大図である。 図7の状態からの作動を説明する図である。 実施形態のリクライニング装置が組み付けられたシートの要部側面図である。 従来のリクライニング装置を説明する図である。
最初に、図9を用いて、実施形態のリクライニング装置が設けられたシートの説明を行う。図9は実施形態のリクライニング装置が組み付けられたシートの要部側面図である。
図に示すように、リクライニング装置51は、シートクッション53と、シートバック55との間に設けられる。
次に、図1−図4を用いてリクライニング装置51の説明を行う。図1は実施形態のリクライニング装置の分解斜視図、 図2は図1のリクライニング装置を逆方向から見た分解斜視図、図3は組み立てられた図1のリクライニング装置を矢印III方向からみた正面図、図4は図3の切断線IV-IVでの端面図、図5は図1に示すロック装置のロック状態を説明する図である。
図1、図2において、内歯車61は、円形の底部61aと底部61aの周部に沿って形成された円筒状の立壁部61bとからなり、一方の面が開放面となった略有底円筒状となっている。立壁部61bの内周面には、周方向全域にわたって内歯61cが形成されている。また、内歯車61の底部61aの中央には、貫通した穴61dが形成されている。穴61dの内周面に沿って、前記開放面方向に突出する円筒状の立壁部61eが形成されている。この円筒状の立壁部61eの内部には円形穴が形成されている。内歯車61の底部61aの外面には、4つの円弧状の凸部61fが形成されている。そして、シートクッション53のフレームには、4つの円弧状の穴が形成されている。そして、これらの穴に内歯車61の凸部61fが嵌合し、嵌合部分が溶接やかしめ等の手法により固着され、内歯車61はシートクッション53に取り付けられている。
有底円筒状の内歯車61の内部には、外歯車63が配置される。外歯車63の外面には、周方向全域にわたって外歯63aが形成されている。そして、外歯車63の外歯63aは内歯車61の内歯61cに噛合可能となっている。更に、外歯車63の外歯63aの歯数は、内歯車61の内歯61cの歯数より小さく設定されている。また、外歯車63の中央部には、貫通した穴63bが形成されている。外歯車63の内歯車61と対向する面側には、穴63bの開口の縁部に沿って、内歯車61方向に突出する円筒状の立壁部63cが形成されている。この円筒状の立壁部63cの外径は、内歯車61の円筒状の立壁部61eの内径より小さく設定され、外歯車63の円筒状の立壁部63cは、円形穴である内歯車61の円筒状の立壁部61e内に挿入される円筒として機能する。外歯車63の外面には、4つの凸部63fが形成されている。そして、シートバック55のフレームには、4つの穴が形成されている。そして、これらの穴に外歯車63の凸部63fが嵌合し、嵌合部分が溶接やかしめ等の手法により固着され、外歯車63はシートバック55に取り付けられている。
そして、図5に示すように、内歯車61の内歯61cに外歯車63の外歯63aが噛合している状態では、内歯車61の回転軸(円筒状の立壁部61e(円形穴)の中心)O1と、外歯車63の回転軸(立壁部63cの中心)O2とは異なり、偏心している。よって、内歯車61の円筒状の立壁部61e(円形穴)の内面と、外歯車63の円筒状の立壁部63c(円筒)の外面との間には、偏心環状空間Kが形成されている。
図3、図5に示すように、この偏心環状空間Kには、第1楔状部材71と第2楔状部材73とが設けられている。更に、偏心空間Kには、外歯車63の円筒状の立壁部63c(円筒)の外面と協働して第1楔状部材71、第2楔状部材73を挟む駆動リング75が設けらている。そして、第1楔状部材71、第2楔状部材73と、駆動リング75とは、周方向に沿って移動可能となっている。
第1楔状部材71と、第2楔状部材73とは、面対称の形状を有している。第1楔状部材71、第2楔状部材73の内面71a、内面73aは、外歯車63の立壁部63cの外径と略同一の内径を有している。また、第1楔状部材71、第2楔状部材73の外面71b、外面73bは、内面71a、内面73aの径より大きく、中心も異なる径を有しており、第1楔状部材71と、第2楔状部材73とは肉厚が楔状に変化している。
駆動リング75は、第1楔状部材71、第2楔状部材73の外側に配置され、その内面75aには、第1楔状部材71、第2楔状部材73の外面71b、外面73bと当接する当接面を有している(詳細は後述する)。また、駆動リング75の外面75bは、内歯車61の円筒状の立壁部61e(円形穴)の内面の径と略同一の外径を有している。
そして、図5に示すように、駆動リング75の周方向の長さは、第1楔状部材71と第2楔状部材73の円周方向の長さより若干長く設定されている。
そして、第1楔状部材71、第2楔状部材73が互いに離反する方向、換言すれば、第1楔状部材71、第2楔状部材73が楔を打ち込む方向に移動すると、内歯車61と外歯車63とは、内歯61cと外歯63aとが噛合する方向に相対移動するようになっている。
第1楔状部材71、第2楔状部材73は、拡径方向に弾性復帰しようとするスプリング77から互いに離反する方向に付勢力を受けている。このスプリング77は、1ターンの環状部分77aと、この環状部分77aから立ち上がった端部77b,端部77cからなっている。環状部分77aは、内歯車61の円筒状の立壁部61e(円形穴)の開口に沿って形成された溝61gに収納されている。又、端部77bは、第1楔状部材71の厚肉側の側端面に形成された溝部71cに係止され、端部77cは、第2楔状部材73の厚肉側の側端面に形成された溝部73cに係止されている。
図1、図2、図3、図5に示すように、ロック解除部材79は、本体部79dと、本体部79dと連接され、外歯車63の立壁部63cの内部に嵌合する円筒部79eと、円筒部79eの外面と隙間を介して設けられ、偏心環状空間Kに配置されるカム部79aとからなっている。
ロック解除部材79には、回転軸O2と同軸の穴79fを有している。尚、本実施形態では、穴79fの内面には、セレーションが施され、図示しない駆動軸が嵌合し、駆動軸とロック解除部材79とは一体となって回転するようになっている。
カム部79aは、駆動リング75の周方向の一方の端面である第1端面75cと対向する第1押圧部79bを有している。また、カム部79aは、駆動リング75の周方向の他方の端面である第2端面75dと対向する第2押圧部79cを有している。
図1、図2、図3に示すように、内歯車61、外歯車63とは、連結リング81で軸方向に相対移動できないように挟まれている。
ここで、図1、図2、図5を用いて、駆動リング75を説明する。
駆動リング75の内面75aには、第1楔状部材71の外面71bに当接する面が2箇所形成されている。第1の箇所は、第1楔状部材71の溝部71cの近傍の外面71bに当接する平面状の第1当接面75eである。第2の箇所は、第1楔状部材71の先端側に当接する曲面状の第2当接面75fである。
第1当接面75eは、ロック時に、駆動リング75と外歯車63の円筒状の立壁部63c(円筒)の外面とが協働して、第1楔状部材71を肉厚方向に挟んでも、内歯車61の内歯61cと外歯車63の外歯63aとの噛み合いが浅くなる方向に第1楔状部材71を移動させる力が発生しないように形成されている。
本実施形態では、第1当接面75eは、ロック時に、駆動リング75と外歯車63の円筒状の立壁部63c(円筒)の外面とが協働して、第1楔状部材71を肉厚方向に挟んで、内歯車61の内歯61cと外歯車63の外歯63aとが噛み合う方向に第1楔状部材71を移動させる力が発生するように形成されている。
更に、駆動リング75の第1当接面75eと、第1楔状部材71を介して対向する外歯車63の立壁部63cの外面との間隔は、内歯車61の内歯61cと外歯車63の外歯63aとの噛み合いが解除される方向(スプリング77の付勢方向と逆方向)に第1楔状部材71が移動する方向に向かって徐々に広くなるように形成されている。
同様に、駆動リング75の内面75aには、第1楔状部材71と面対称の形状である第2楔状部材73の外面73bに当接する面が2箇所形成されている。第1の箇所は、第2楔状部材73の溝部73cの近傍の外面73bに当接する平面状の第1当接面75gである。第2の箇所は、第2楔状部材73の先端側に形成された曲面状の第2当接面75hである。
第1当接面75gは、ロック時に、駆動リング75と外歯車63の円筒状の立壁部63c(円筒)の外面とが協働して、第2楔状部材73を肉厚方向に挟んでも、内歯車61の内歯61cと外歯車63の外歯63aとの噛み合いが浅くなる方向に第2楔状部材73を移動させる力が発生しないように形成されている。本実施形態では、第1当接面75gは、ロック時に、駆動リング75と外歯車63の円筒状の立壁部63c(円筒)の外面とが協働して、第2楔状部材73を肉厚方向に挟んで、内歯車61の内歯61cと外歯車63の外歯63aとが噛み合う方向に第2楔状部材73を移動させる力が発生するように形成されている。
更に、駆動リング75の第1当接面75gと、第2楔状部材73を介して対向する外歯車63の立壁部63cの外面との間隔は、内歯車61の内歯61cと外歯車63の外歯63aとの噛み合いが解除される方向(スプリング77の付勢方向と逆方向)に第2楔状部材73が移動する方向に向かって徐々に広くなるように形成されている。
次に、図5−図8を用いて、上記構成の作動を説明する。図6は図5のロック状態からロック解除部材が作動し、駆動リングを回転させた状態を示す図、図7は図6の駆動リング、第1楔状部材、第2楔状部材部分の拡大図、図8は図7の状態からの作動を説明する図である。
(ロック状態:非作動状態)
図5に示すように、第1楔状部材71、第2楔状部材73は、スプリング77から互いに離反する方向に付勢力を受け、外歯車63の立壁部63cの外面と、駆動リング75を介して、内歯車61の円筒状の立壁部61e(円形穴)の内面とを押圧している。
第1楔状部材71、第2楔状部材73は、それぞれ外歯車63の立壁部63cの外面と、内歯車61の円筒状の立壁部61e(円形穴)の内面とを押圧することにより、内歯車61と外歯車63とが両者の回転軸間の偏心量を増やす方向に付勢され、内歯車61の内歯61cと外歯車63の外歯63aとが深く噛み合い、シートバック55は傾動しない。
また、このロック状態において、シートバック55の荷重、着座者の背部のシートバック55への荷重により、第1楔状部材71、第2楔状部材73が、外歯車63の立壁部63cの外面と、駆動リング75の内面75aとに強く挟まれても、駆動リング75の第1当接面75e、第1当接面75gにより、第1楔状部材71、第2楔状部材73を肉厚方向に挟んでも、内歯車61の内歯61cと外歯車63の外歯63aとの噛み合いが浅くなる方向に第1楔状部材71、第2楔状部材73を移動させる力が発生しない。よって、シートバック55にガタが発生しない。
(ロック解除状態:作動状態)
図6、図7に示すように、ロック状態において、操作ボタン、または操作ハンドルを操作して、図示しない駆動軸を右方向または左方向に回転駆動すると、ロック解除部材79が右方向または左方向に回転する。一例として、図1において矢印C方向から見たとき、ロック解除部材79が反時計方向にθ°回転したとき、カム部79aの第2押圧部79cが駆動リング75の他方の端面である第2端面75dを押し、駆動リング75は二点鎖線の位置まで回転する。
このとき、駆動リング75の第1当接面75gと第2楔状部材73との間には、隙間δが発生する。よって、図8に示すように、第1当接面75gによる分力発生がなくなり、第2楔状部材73は二点鎖線で示すように、引き抜き方向へ移動する。第2楔状部材73が引き抜き方向へ移動することにより、第2楔状部材73の外歯車63の立壁部63cの外面、駆動リング75を介して内歯車61の円筒状の立壁部61e(円形穴)の内面への押接力が減り、内歯車61の内歯61cと外歯車63の外歯63aとの噛み合いが浅くなり、シートバック55は傾動可能な状態となる。
この時、第2楔状部材73の移動始めは、第1楔状部材71は外歯車63の立壁部63cの外面と、駆動リング75の第1当接面75e、第2当接面75fとの摩擦により、静止している。しかし、第2楔状部材73が図8に示すように、引き抜き方向に移動していくと、スプリング77の弾性反発力により第1楔状部材71が急に偏心環状空間Kに楔を打ち込む方向に移動する。
この動作を繰り返しながら、内歯車61と外歯車63との偏心状態を保持し、噛み合い部位が変化しシートバック55は傾動する
尚、図1において矢印C方向から見たとき、ロック解除部材79が時計方向に回転した場合も、同様である。
このような構成によれば、以下のような効果がある。
(1) 駆動リング75に、ロック時に、駆動リング75と外歯車63の円筒状の立壁部63c(円筒)の外面とが協働して、第1楔状部材71、第2楔状部材73を肉厚方向に挟んでも、内歯車61の内歯61cと外歯車63の外歯63aとの噛み合いが浅くなる方向に第1楔状部材71、第2楔状部材73を移動させる力が発生しないように形成された第1当接面75e、第1当接面75gを形成したことにより、リクライニング装置のロック状態において、シートバック55の荷重、着座者の背部のシートバックへの荷重により、第1楔状部材、第2楔状部材が駆動リングの当接面と、前記円筒の外面とに強く挟まれても、楔状部材は引き抜き方向に移動せず、内歯と外歯との噛み合いが浅くならず、シートバック55にガタが発生しない
(2) 第1当接面75e、第1当接面75gは平面であり、これら第1当接面71e,第1当接面75gと、第1楔状部材71、第2楔状部材73を介して対向する外歯車63の立壁部63cの外面との間隔は、内歯車61の内歯61cと外歯車63の外歯63aとの噛み合いが解除される方向(スプリング77の付勢方向と逆方向)に第1楔状部材71、第2楔状部材73が移動する方向に向かって徐々に広くなるように形成されている。
よって、第1楔状部材71、第2楔状部材73、内歯車61、外歯車63、駆動リング75の部品精度、組み付け精度のばらつきを第1楔状部材71、第2楔状部材73の周方向の移動を許容することで吸収できる。
(3) 駆動リング75は、第1楔状部材71、第2楔状部材73の外側に配置されることにより、ロック解除操作力が作用するロック解除部材79の回転軸より離れた位置にあり、小さな操作力で、駆動リング75を移動させることができる。
本発明は、上記実施例に限定するものではない。例えば、駆動リングを第1楔状部材、第2楔状部材の内側に配置してもよい。
また、外歯車をシートクッション側に、内歯車をシートバック側に設けてもよい。
更に、内歯車に円筒を形成し、外歯車に円形穴を形成してもよい。
61 内歯車
61c 内歯
63 外歯車
63a 外歯
71 第1楔状部材
73 第2楔状部材
75 駆動リング

Claims (4)

  1. 外面には外歯が形成され、シートクッション側、シートバック側のうちの一方の側の部材に設けられ、前記外歯の回転軸を中心とした円形穴、円筒のうちどちらか一方が形成された外歯車と、
    該外歯車の外歯に噛み合い、前記外歯よりも歯数が多い内歯が刻設され、前記外歯車に円形穴が形成された場合は、前記内歯を回転軸を中心とし、前記円形穴に挿入される円筒、前記外歯車に円筒が形成された場合には、前記内歯を回転軸を中心とし、前記円筒が挿入される円形穴が形成され、シートクッション側、シートバック側のうちの他方の側の部材に設けられる内歯車と、
    前記円形穴の内面と前記円筒の外面との間で、周方向に沿って移動可能に設けられた第1楔状部材及び第2楔状部材と、
    前記円形穴の内面と前記円筒の外面との間に移動可能に設けられ、前記第1楔状部材、前記第2楔状部材と当接する当接部を有し、前記円形穴の内面、前記円筒の外面のうちのどちらか一方の面と協働して前記第1楔状部材、前記第2楔状部材を肉厚方向に挟む駆動リングと、
    前記第1楔状部材、前記第2楔状部材に係止し、前記内歯車の内歯と前記外歯車の外歯とが噛み合う方向に前記第1楔状部材、前記第2楔状部材を付勢する付勢部材と、
    を有し、
    前記駆動リングの当接部は、ロック時に、前記駆動リングと前記円形穴の内面、前記円筒の外面のうちのどちらか一方の面とが協働して前記第1楔状部材、前記第2楔状部材を肉厚方向に挟んでも、前記内歯車の内歯と前記外歯車の外歯との噛み合いが浅くなる方向に前記第1楔状部材、前記第2楔状部材を移動させる力が発生しないように形成されていることを特徴とするリクライニング装置。
  2. 前記駆動リングの当接部は、当接面であり、
    前記駆動リングの当接面と、前記第1楔状部材、前記第2楔状部材を介して対向する前記円形穴の内面、前記円筒の外面のうちのどちらか一方の面との間隔は、前記内歯車の内歯と前記外歯車の外歯との噛み合いを解除する時に、前記第1楔状部材、前記第2楔状部材が移動する方向に向かって徐々に広くなることを特徴とする請求項1記載のリクライニング装置。
  3. 前記駆動リングは、前記第1楔状部材、前記第2楔状部材の外側に配置されることを特徴とする請求項1記載のリクライニング装置。
  4. 前記駆動リングの当接部は、ロック時に、前記駆動リングと前記円形穴の内面、前記円筒の外面のうちのどちらか一方の面とが協働して前記第1楔状部材、前記第2楔状部材を肉厚方向に挟んだ際に、
    前記第1楔状部材、前記第2楔状部材を内歯と外歯とが噛み合う方向に移動させる力を発生するように形成されていることを特徴とする請求項1記載のリクライニング装置。
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