JP2014080093A - シートベルト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員に不快感を与えること無しに、処理負荷を適切に低減する。
【解決手段】制御装置43は、ドアスイッチ55によりドアの開状態から閉状態への変化が検出された場合に、モータ11の駆動により動力伝達機構14のクラッチ12を断状態にすることによってベルトリーチャのリターンスプリングによりベルトリーチャを車両前方に回動させる。制御装置43は、助手席のバックルスイッチ51からOFF信号が出力されていることによって助手席に着座する乗員が検出されていないと判断する状態において、イグニッションスイッチ56からON信号が出力されたことによって車両の始動が検出されたと判断するときに、所定時間経過後に、モータ11の駆動によりウェビング5を巻き取ることによってベルトリーチャを車両後方の格納位置に回動させる。
【選択図】図5
【解決手段】制御装置43は、ドアスイッチ55によりドアの開状態から閉状態への変化が検出された場合に、モータ11の駆動により動力伝達機構14のクラッチ12を断状態にすることによってベルトリーチャのリターンスプリングによりベルトリーチャを車両前方に回動させる。制御装置43は、助手席のバックルスイッチ51からOFF信号が出力されていることによって助手席に着座する乗員が検出されていないと判断する状態において、イグニッションスイッチ56からON信号が出力されたことによって車両の始動が検出されたと判断するときに、所定時間経過後に、モータ11の駆動によりウェビング5を巻き取ることによってベルトリーチャを車両後方の格納位置に回動させる。
【選択図】図5
Description
この発明は、シートベルト装置に関する。
従来、例えば、車両のシートに乗員が着座した際にリーチャを車両の前方に回動させ、車両のドアが閉じられた状態でバックルスイッチがオフかつ車速が所定車速以上である場合にリーチャを格納するシートベルト装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上記従来技術に係るシートベルト装置によれば、リーチャを格納位置に回動させる際に車速センサによる車速の検出結果を監視する必要があり、処理負荷を低減させることができず、装置の小型化および装置構成に要する費用の削減が困難であるという問題が生じる。
また、車速が所定車速以上に到達するまでリーチャは格納されないことから、車両走行時に車体に横加速度や振動などが作用した場合にリーチャがドアなどにぶつかって衝撃音が発生し、乗員に不快感を与えてしまうという問題が生じる。
また、車速が所定車速以上に到達するまでリーチャは格納されないことから、車両走行時に車体に横加速度や振動などが作用した場合にリーチャがドアなどにぶつかって衝撃音が発生し、乗員に不快感を与えてしまうという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、乗員に不快感を与えること無しに、処理負荷を適切に低減することが可能なシートベルト装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1の発明に係るシートベルト装置は、車両の乗員を拘束するためのウェビング(例えば、実施の形態におけるウェビング5)が巻回されるウェビングリール(例えば、実施の形態におけるウェビングリール10)と、前記ウェビングリールに伝達機構(例えば、実施の形態における動力伝達機構14)を介して連結されたモータ(例えば、実施の形態におけるモータ11)と、前記モータおよび前記ウェビングリールを接状態に保つ接位置と、前記モータおよび前記ウェビングリールを断状態に保つ断位置と、に移動可能なクラッチ部材(例えば、実施の形態におけるクラッチ12)と、シート(例えば、実施の形態におけるシート2)から車室外側の軸(例えば、実施の形態における支持部材7aの軸O)周りに車両の前後方向に回動可能に配置され、付勢部材(例えば、実施の形態におけるリターンスプリング7d)により車両前方に回動し、前記ウェビングの巻き取りにより車両後方の格納位置に回動するベルトリーチャ(例えば、実施の形態におけるベルトリーチャ7)と、助手席に乗員が着座しているか否かを検出する着座検出手段(例えば、実施の形態におけるバックルスイッチ51)と、前記車両の始動状態を検出する始動状態検出手段(例えば、実施の形態におけるイグニッションスイッチ56)と、前記車両のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段(例えば、実施の形態におけるドアスイッチ55)と、前記モータを制御する制御手段(例えば、実施の形態における制御装置43)と、を備え、前記制御手段は、前記ドア開閉検出手段により前記ドアの開状態から閉状態への変化が検出された場合に、前記モータの駆動により前記クラッチ部材を断状態にすることによって前記付勢部材により前記ベルトリーチャを車両前方に回動させ、前記制御手段は、前記着座検出手段により前記助手席に着座する乗員が検出されず、かつ、前記始動状態検出手段により前記車両の始動が検出された場合に、前記モータの駆動により前記ウェビングを巻き取ることによって前記ベルトリーチャを車両後方の前記格納位置に回動させる。
さらに、本発明の第2の発明に係るシートベルト装置では、前記着座検出手段は、前記助手席において前記ウェビングのタング(例えば、実施の形態におけるタングプレート8)がバックル(例えば、実施の形態におけるバックル9)に装着されたか否かを検出するバックルスイッチ(例えば、実施の形態におけるバックルスイッチ51)である。
さらに、本発明の第3の発明に係るシートベルト装置では、前記制御手段は、前記着座検出手段により前記助手席に着座する乗員が検出されず、かつ、前記始動状態検出手段により前記車両の始動が検出されたときに、所定時間経過後に、前記モータの駆動により前記ウェビングを巻き取ることによって前記ベルトリーチャを車両後方の前記格納位置に回動させる。
本発明の第1の発明に係るシートベルト装置によれば、イグニッションスイッチのオンなどによって車両の始動が検出された場合に、ベルトリーチャを車両後方の格納位置に回動させることから、例えば車速などを常時監視する場合に比べて、処理負荷を低減させることができ、装置の小型化および装置構成に要する費用の削減が可能となる。
さらに、車両走行時には既にベルトリーチャが格納位置に配置されていることから、ベルトリーチャやウェビングのタングなどがドアなどにぶつかることを防止し、乗員に不快感を与えてしまうことを防ぐことができる。
さらに、車両走行時には既にベルトリーチャが格納位置に配置されていることから、ベルトリーチャやウェビングのタングなどがドアなどにぶつかることを防止し、乗員に不快感を与えてしまうことを防ぐことができる。
本発明の第2の発明に係るシートベルト装置によれば、特別なセンサを備える必要無しに、乗員が着座しているか否かを精度良く検出することができる。
本発明の第3の発明に係るシートベルト装置によれば、乗員によるシートベルトの装着が遅れている場合などに対応して、車両の始動が検出されてから所定時間が経過するまではリーチャを車両前方に回動させておくことによって、利便性を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態に係るシートベルト装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態によるシートベルト装置1は、例えば図1に示すように、車両のシート2に着座する乗員3を拘束可能な所謂三点式のシートベルト装置である。
センタピラー(図示略)に取付けられたリトラクタ4から略鉛直方向上方に引き出されたウェビング5は、センタピラーの上部側に支持されたスルーアンカ6に挿通されるとともに、ウェビング5の先端はシート2の車室外側寄りのベルトリーチャ7を介して車体フロアに固定されている。
ウェビング5のスルーアンカ6とベルトリーチャ7との間に挿通されたタングプレート8は、シート2の車室内側寄りの車体フロアに固定されたバックル9に対して脱着可能となっている。
センタピラー(図示略)に取付けられたリトラクタ4から略鉛直方向上方に引き出されたウェビング5は、センタピラーの上部側に支持されたスルーアンカ6に挿通されるとともに、ウェビング5の先端はシート2の車室外側寄りのベルトリーチャ7を介して車体フロアに固定されている。
ウェビング5のスルーアンカ6とベルトリーチャ7との間に挿通されたタングプレート8は、シート2の車室内側寄りの車体フロアに固定されたバックル9に対して脱着可能となっている。
ウェビング5は、初期状態(例えば、未装着状態)ではリトラクタ4に巻き取られている。ウェビング5は、乗員3によってウェビングリール10から引き出されて、タングプレート8がバックル9に装着固定されることにより、乗員3の身体(例えば、胸部および腰部など)をシート2に対して拘束する。
このシートベルト装置1では、例えば緊急時や車両挙動の変化時やウェビング5をリトラクタ4に巻き取り収納するときなどにおいて、ウェビングリール10に回転力を付与するモータ11の駆動力などによってウェビング5の巻き取りが行なわれる。
このシートベルト装置1では、例えば緊急時や車両挙動の変化時やウェビング5をリトラクタ4に巻き取り収納するときなどにおいて、ウェビングリール10に回転力を付与するモータ11の駆動力などによってウェビング5の巻き取りが行なわれる。
ベルトリーチャ7は、例えば図2および図3に示すように、車体フロアに固定された支持部材7aと、支持部材7aの軸Oの周りに回動可能に支持された回動部材7bと、基端部が回動部材7bに固定されるとともに先端部がウェビング5の先端に接続されたアーム部材7cと、リターンスプリング7dと、を備えている。
リターンスプリング7dは、ベルトリーチャ7を車両後方から車両前方に向かう回動方向に付勢しており、リターンスプリング7dの一端部は支持部材7aに掛止され、他端部は回動部材7bに掛止されている。
支持部材7aは、例えば、回動部材7bの回動(つまり、車両の前後方向におけるベルトリーチャ7の回動)を所定範囲内に規制する前方側規制部材7eおよび後方側規制部材7fを備えている。
回動部材7bは、例えば、支持部材7aの前方側規制部材7eおよび後方側規制部材7fに接触することによって回動部材7bの車両前方への回動および車両後方への回動を規制する規制部材7gを備えている。
支持部材7aは、例えば、回動部材7bの回動(つまり、車両の前後方向におけるベルトリーチャ7の回動)を所定範囲内に規制する前方側規制部材7eおよび後方側規制部材7fを備えている。
回動部材7bは、例えば、支持部材7aの前方側規制部材7eおよび後方側規制部材7fに接触することによって回動部材7bの車両前方への回動および車両後方への回動を規制する規制部材7gを備えている。
例えば図4(A)に示すように、後述するモータ11などによってウェビング5の巻き取り方向に所定値以上の張力が作用していない状態において、回動部材7bは、リターンスプリング7dによって車両後方から車両前方へと回動する。そして、回動部材7bの規制部材7gが支持部材7aの前方側規制部材7eに接触した状態で、回動部材7bの車両前方への回動は規制され、ベルトリーチャ7が車両前方の装着位置に配置される。このベルトリーチャ7の装着位置では、例えば、アーム部材7cがシート2のシートバックの前方に向かって傾動している。
また、例えば図4(B)に示すように、後述するモータ11などによってウェビング5の巻き取り方向に所定値以上の張力が作用している状態において、回動部材7bは、ウェビング5の張力によって車両前方から車両後方へと回動する。そして、回動部材7bの規制部材7gが支持部材7aの後方側規制部材7fに接触した状態で、回動部材7bの車両後方への回動は規制され、ベルトリーチャ7が車両後方の格納位置に配置される。このベルトリーチャ7の格納位置では、例えば、アーム部材7cがシート2のシートバックの側面に沿って配置されている。
リトラクタ4では、例えば図5および図6に示すように、ウェビング5が巻回されたウェビングリール10はリトラクタフレーム(図示略)に回転可能に支持され、ウェビングリール10の軸10aはリトラクタフレームの一端側から外部に向かい突出している。
ウェビングリール10の軸10aは、動力断接用のクラッチ12およびギヤ機構13を具備する動力伝達機構14を介してモータ11の回転軸11aに連動可能に接続されている。
ウェビングリール10の軸10aは、動力断接用のクラッチ12およびギヤ機構13を具備する動力伝達機構14を介してモータ11の回転軸11aに連動可能に接続されている。
動力伝達機構14内のクラッチ12は、モータ11の回転状態に応じて、モータ11とウェビングリール10との接続を遮断可能である。
リトラクタ4には、ウェビングリール10をウェビング5の巻き取り方向に付勢する巻き取りばね15が設けられ、ウェビングリール10とモータ11がクラッチ12によって切り離された状態において、巻き取りばね15による張力がウェビング5に作用する。
リトラクタ4には、ウェビングリール10をウェビング5の巻き取り方向に付勢する巻き取りばね15が設けられ、ウェビングリール10とモータ11がクラッチ12によって切り離された状態において、巻き取りばね15による張力がウェビング5に作用する。
クラッチ12は、モータ11の正転方向(ウェビング5の巻き取り方向)の回転トルクの入力を契機として動力伝達機構14を接続状態にし、モータ11の逆転方向(ウェビング5の引き出し方向)の回転トルクの入力を契機として動力伝達機構14を遮断状態にする。
リトラクタ4は、例えば車両に所定値を超える減速度が作用した場合などに、ウェビング5の送り出しを機械的にロックする緊急ロック機構16を備えている。
リトラクタ4は、例えば車両に所定値を超える減速度が作用した場合などに、ウェビング5の送り出しを機械的にロックする緊急ロック機構16を備えている。
動力伝達機構14のギヤ機構13では、例えば図5〜図7に示すように、サンギヤ21は駆動入力用の外歯22に一体に結合されるとともに、複数のプラネタリギヤ23を支持するキャリア24はウェビングリール10の軸に結合されている。
プラネタリギヤ23に噛合したリングギヤ25の外周側に形成された複数のラチェット歯26はクラッチ12の一部を構成している。
クラッチ12は、後述する制御装置43によるモータ11の駆動力の制御によってモータ11とウェビングリール10の間の動力伝達系を適宜断切する。
プラネタリギヤ23に噛合したリングギヤ25の外周側に形成された複数のラチェット歯26はクラッチ12の一部を構成している。
クラッチ12は、後述する制御装置43によるモータ11の駆動力の制御によってモータ11とウェビングリール10の間の動力伝達系を適宜断切する。
動力伝達機構14のモータ側動力伝達系27は、サンギヤ21と一体の外歯22に常時噛合される小径の第1コネクトギヤ28と、この第1コネクトギヤ28と同軸にかつ一体に回転し得るように設けられた大径の第2コネクトギヤ29と、この第2コネクトギヤ29とモータギヤ30(モータ11の回転軸11aと一体)の間にあって動力伝達可能に常時噛合される第1,第2アイドラギヤ31,32と、から構成されている。
モータ11の正転方向の駆動力は、例えば図6中の実線矢印Mで示すように、各ギヤ30,32,31を通して第2,第1コネクトギヤ29,28へと伝達され、さらに外歯22を介してサンギヤ21に伝達された後にプラネタリギヤ23とキャリア24を介してウェビングリール10に伝達される。
このモータ11の正転方向の駆動力は、ウェビング5を引き込む方向にウェビングリール10を回転させる。ただし、サンギヤ21からプラネタリギヤ23に伝達された駆動力は、リングギヤ25が固定されているときに前記のようにすべてキャリア24側に伝達されるが、リングギヤ25の回転が自由な状態においては、プラネタリギヤ23の自転によってリングギヤ25を空転させる。
クラッチ12は、リングギヤ25の回転のロックとロック解除を制御することによって、ウェビングリール10(つまり、キャリア24)に対するモータ駆動力の伝達をオン・オフ操作する。
このモータ11の正転方向の駆動力は、ウェビング5を引き込む方向にウェビングリール10を回転させる。ただし、サンギヤ21からプラネタリギヤ23に伝達された駆動力は、リングギヤ25が固定されているときに前記のようにすべてキャリア24側に伝達されるが、リングギヤ25の回転が自由な状態においては、プラネタリギヤ23の自転によってリングギヤ25を空転させる。
クラッチ12は、リングギヤ25の回転のロックとロック解除を制御することによって、ウェビングリール10(つまり、キャリア24)に対するモータ駆動力の伝達をオン・オフ操作する。
クラッチ12は、図示しないケーシングに回動可能に支持され、先端部に係止爪33を有するパウル34と、このパウル34を操作するクラッチスプリング35と、パウル34の係止爪33に係合可能な前記リングギヤ25のラチェット歯26と、を備えている。
係止爪33は、パウル34がラチェット歯26方向に操作されたときに、ラチェット歯26の傾斜面とほぼ直交する面に突き当たり、リングギヤ25の一方向の回転をロックする。
係止爪33は、パウル34がラチェット歯26方向に操作されたときに、ラチェット歯26の傾斜面とほぼ直交する面に突き当たり、リングギヤ25の一方向の回転をロックする。
また、クラッチスプリング35は付根部側が円弧状に湾曲し、その湾曲部36が第1コネクトギヤ28の軸部の外周に巻付いた状態で係止されている。そして、クラッチスプリング35の先端部はパウル34方向に延出し、パウル34の操作窓37に係合する。
なお、クラッチスプリング35の湾曲部36は摩擦によって第1コネクトギヤ28の軸部に係合しており、第1コネクトギヤ28との間に設定値以上のトルクが作用すると、そのトルクによって第1コネクトギヤ28との間で滑りを生じる。
なお、クラッチスプリング35の湾曲部36は摩擦によって第1コネクトギヤ28の軸部に係合しており、第1コネクトギヤ28との間に設定値以上のトルクが作用すると、そのトルクによって第1コネクトギヤ28との間で滑りを生じる。
クラッチ12では、モータ11が正転方向(例えば、図6中の実線矢印Mの方向)に回転すると、クラッチスプリング35は、例えば図7の実線で示す姿勢から鎖線で示す姿勢に変化する。これによってパウル34の係止爪33は図6に示すようにラチェット歯26に噛合してリングギヤ25の回転をロックする。
なお、ラチェット歯26はリングギヤ25の一方向の回転を確実にロックすることができるが、リングギヤ25が逆方向に回転しようとしたときにも、ラチェット歯26が係止爪33を押し上げるためにある程度以上の力が必要となる。
リングギヤ25の回転がロックされると、前述のようにサンギヤ21に伝達された回転力はすべてキャリア24の回転となってウェビングリール10に伝達される。この状態は、クラッチオン状態である。
なお、ラチェット歯26はリングギヤ25の一方向の回転を確実にロックすることができるが、リングギヤ25が逆方向に回転しようとしたときにも、ラチェット歯26が係止爪33を押し上げるためにある程度以上の力が必要となる。
リングギヤ25の回転がロックされると、前述のようにサンギヤ21に伝達された回転力はすべてキャリア24の回転となってウェビングリール10に伝達される。この状態は、クラッチオン状態である。
一方、このクラッチオン状態からモータ11が逆転すると、第1コネクトギヤ28は、例えば、図6中の点線矢印Hで示すように回転して、クラッチスプリング35を、例えば図7中の実線で示すように回動させる。これにより、パウル34の係止爪33はラチェット歯26から引き離され、リングギヤ25のロックは解除される。
リングギヤ25のロックが解除されると、前述のようにサンギヤ21に伝達された回転力はプラネタリギヤ23を自転させ、このときリングギヤ25を空転してキャリア24(ウェビングリール10)側に動力を伝達させない。この状態は、クラッチオフ状態である。
リングギヤ25のロックが解除されると、前述のようにサンギヤ21に伝達された回転力はプラネタリギヤ23を自転させ、このときリングギヤ25を空転してキャリア24(ウェビングリール10)側に動力を伝達させない。この状態は、クラッチオフ状態である。
また、クラッチ12では、前記のクラッチオン状態(接続状態)のときには、動力伝達の経路においてプラネタリギヤ23を挟んでモータ11側に位置されるサンギヤ21と、プラネタリギヤ23を挟んでウェビングリール10側に位置されるキャリア24との相対的な回転状況に応じて、リングギヤ25の挙動は異なる。
すなわち、サンギヤ21(モータ11側)の正転方向の回転速度がキャリア24(ウェビングリール10側)の回転速度以上に速い場合には、サンギヤ21の回転トルクは、リングギヤ25をパウル34の係止爪33によってロックされる方向に作用する。このとき、リングギヤ25は、キャリア24の回転方向と逆向きに回転しようとする力を受け、ラチェット歯26に係止爪33が噛合して、回転停止状態となる。
一方、キャリア24(ウェビングリール10側)の正転方向の回転速度がサンギヤ21(モータ11側)の回転速度よりも速い場合には、キャリア24の回転トルクは、リングギヤ25をパウル34の係止爪33に対して滑らせる方向に作用する。なお、このときパウル34の係止爪33はリングギヤ25のラチェット歯26の斜面を滑って歯溝に断続的に接触する。
この実施形態においては、パウル34とリングギヤ25とは、クラッチ12が接続状態にあるときに、相互の滑りによってウェビングリール10側の自由な回転を許容する構成部品を構成している。
この実施形態においては、パウル34とリングギヤ25とは、クラッチ12が接続状態にあるときに、相互の滑りによってウェビングリール10側の自由な回転を許容する構成部品を構成している。
シートベルト装置1は、図5に示すように、モータ駆動部41と、電源42と、制御装置43と、バックルスイッチ51と、回転角センサ52と、電流センサ53と、電圧センサ54と、ドアスイッチ55と、イグニッションスイッチ56と、を備えている。
バックルスイッチ51は、タングプレート8がバックル9に装着固定されている場合にON信号を出力し、タングプレート8がバックル9から離脱している場合にOFF信号を出力する。
回転角センサ52は、ウェビングリール10の回転位置(つまり、回転角度)の検出信号を出力する。
電流センサ53は、モータ11に通電される電流の検出信号を出力する。
電圧センサ54は、電源42から出力される電源電圧の検出信号を出力する。
ドアスイッチ55は、車両のドア(図示略)の開状態および閉状態に応じた信号を出力する。
回転角センサ52は、ウェビングリール10の回転位置(つまり、回転角度)の検出信号を出力する。
電流センサ53は、モータ11に通電される電流の検出信号を出力する。
電圧センサ54は、電源42から出力される電源電圧の検出信号を出力する。
ドアスイッチ55は、車両のドア(図示略)の開状態および閉状態に応じた信号を出力する。
モータ駆動部41は、ブリッジ接続されたスイッチング素子などを備え、制御装置43から出力される制御信号に応じて、電源42からモータ11に通電される電流の通電量および通電方向を制御する。
CPU(Central Processing Unit)などの電子回路により構成される制御装置43は、モータ11に通電される電流を制御する制御信号を出力する。
制御装置43は、例えば、ドアスイッチ55により車両のドアの開状態から閉状態への変化が検出された場合に、モータ11の駆動によりクラッチ12を断状態にすることによって、リターンスプリング7dによりベルトリーチャ7を車両前方の装着位置に回動させる。
また、制御装置43は、例えば、助手席のバックルスイッチ51からOFF信号が出力されていることによって助手席に着座する乗員が検出されていないと判断する。この状態において、イグニッションスイッチ56からON信号が出力されたことによって車両の始動が検出されたと判断する。このときに、所定時間経過後に、モータ11の駆動によりウェビング5を巻き取ることによってベルトリーチャ7を車両後方の格納位置に回動させる。
また、制御装置43は、例えば、助手席のバックルスイッチ51からOFF信号が出力されていることによって助手席に着座する乗員が検出されていないと判断する。この状態において、イグニッションスイッチ56からON信号が出力されたことによって車両の始動が検出されたと判断する。このときに、所定時間経過後に、モータ11の駆動によりウェビング5を巻き取ることによってベルトリーチャ7を車両後方の格納位置に回動させる。
本実施の形態によるによるシートベルト装置1は上記構成を備えており、次に、このシートベルト装置1の動作について説明する。
先ず、例えば、図8に示すステップS01においては、ドアスイッチ55により車両のドアの開状態から閉状態への変化が検出されたか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、エンドに進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進む。
この判定結果が「NO」の場合には、エンドに進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進む。
次に、ステップS02においては、モータ11を逆転させてクラッチ12による動力伝達機構14の接続状態を遮断状態に切り替え、モータ11の駆動を停止する。
次に、ステップS03においては、リターンスプリング7dによりベルトリーチャ7を車両前方の装着位置に回動させる。
次に、ステップS04においては、イグニッションスイッチ56か出力される信号が、OFF信号からON信号へと切り替えられたか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、エンドに進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS05に進む。
次に、ステップS03においては、リターンスプリング7dによりベルトリーチャ7を車両前方の装着位置に回動させる。
次に、ステップS04においては、イグニッションスイッチ56か出力される信号が、OFF信号からON信号へと切り替えられたか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、エンドに進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS05に進む。
次に、ステップS05においては、助手席のバックルスイッチ51からOFF信号が出力されているか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS08に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、助手席に乗員が着座していると判断して、ステップS06に進む。
そして、ステップS06においては、モータ11によりウェビング5の弛みを除去する。
そして、ステップS07においては、モータ11の駆動によりウェビング5に弛み除去の張力が作用することによってベルトリーチャ7は車両後方の格納位置に回動し、エンドに進む。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS08に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、助手席に乗員が着座していると判断して、ステップS06に進む。
そして、ステップS06においては、モータ11によりウェビング5の弛みを除去する。
そして、ステップS07においては、モータ11の駆動によりウェビング5に弛み除去の張力が作用することによってベルトリーチャ7は車両後方の格納位置に回動し、エンドに進む。
また、ステップS08においては、ベルトリーチャ7が車両前方の装着位置に回動してから所定時間が経過したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS05に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS09に進む。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS05に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS09に進む。
そして、ステップS09においては、モータ11の駆動によりウェビング5を巻き取る。
そして、ステップS10においては、モータ11の駆動によりウェビング5に巻き取りの張力が作用することによってベルトリーチャ7は車両後方の格納位置に回動し、エンドに進む。
そして、ステップS10においては、モータ11の駆動によりウェビング5に巻き取りの張力が作用することによってベルトリーチャ7は車両後方の格納位置に回動し、エンドに進む。
上述したように、本実施の形態によるシートベルト装置1によれば、イグニッションスイッチ56のオンなどによって車両の始動が検出された場合に、ベルトリーチャ7を車両後方の格納位置に回動させることから、例えば車速などを常時監視する場合に比べて、制御装置43の処理負荷を低減させることができ、装置の小型化および装置構成に要する費用の削減が可能となる。
さらに、車両走行時には既にベルトリーチャ7が格納位置に配置されていることから、ウェビング5の弛みは解消されており、ベルトリーチャ7やウェビング5のタングプレート8などがドアなどにぶつかることを防止し、乗員に不快感を与えてしまうことを防ぐことができる。
さらに、車両走行時には既にベルトリーチャ7が格納位置に配置されていることから、ウェビング5の弛みは解消されており、ベルトリーチャ7やウェビング5のタングプレート8などがドアなどにぶつかることを防止し、乗員に不快感を与えてしまうことを防ぐことができる。
また、バックルスイッチ51から出力される信号を用いることによって、特別なセンサなどを備える必要無しに、乗員がシート2に着座しているか否かを精度良く検出することができる。
さらに、乗員によるウェビング5の装着が遅れている場合などに対応して、車両の始動が検出されてから所定時間が経過するまではベルトリーチャ7を車両前方の装着位置に回動させておくことによって、利便性を向上させることができる。
なお、上述した実施の形態においては、バックルスイッチ51から出力される信号に基づいて乗員がシート2に着座しているか否かを検出するとしたが、これに限定されず、他のセンサなど、例えばシート2に作用する荷重を検出するウェイトセンサやシート2に着座した乗員を撮像するカメラなど、から出力される信号を用いてもよい。
なお、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、上述した実施形態はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
1 シートベルト装置
2 シート
5 ウェビング
7 ベルトリーチャ
7a 支持部材
7d リターンスプリング(付勢部材)
8 タングプレート(タング)
9 バックル
10 ウェビングリール
11 モータ
12 クラッチ(クラッチ部材)
43 制御装置(制御手段)
51 バックルスイッチ(着座検出手段)
55 ドアスイッチ(ドア開閉検出手段)
56 イグニッションスイッチ(始動状態検出手段)
2 シート
5 ウェビング
7 ベルトリーチャ
7a 支持部材
7d リターンスプリング(付勢部材)
8 タングプレート(タング)
9 バックル
10 ウェビングリール
11 モータ
12 クラッチ(クラッチ部材)
43 制御装置(制御手段)
51 バックルスイッチ(着座検出手段)
55 ドアスイッチ(ドア開閉検出手段)
56 イグニッションスイッチ(始動状態検出手段)
Claims (3)
- 車両の乗員を拘束するためのウェビングが巻回されるウェビングリールと、
前記ウェビングリールに伝達機構を介して連結されたモータと、
前記モータおよび前記ウェビングリールを接状態に保つ接位置と、前記モータおよび前記ウェビングリールを断状態に保つ断位置と、に移動可能なクラッチ部材と、
シートから車室外側の軸周りに車両の前後方向に回動可能に配置され、付勢部材により車両前方に回動し、前記ウェビングの巻き取りにより車両後方の格納位置に回動するベルトリーチャと、
助手席に乗員が着座しているか否かを検出する着座検出手段と、
前記車両の始動状態を検出する始動状態検出手段と、
前記車両のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段と、
前記モータを制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記ドア開閉検出手段により前記ドアの開状態から閉状態への変化が検出された場合に、前記モータの駆動により前記クラッチ部材を断状態にすることによって前記付勢部材により前記ベルトリーチャを車両前方に回動させ、
前記制御手段は、
前記着座検出手段により前記助手席に着座する乗員が検出されず、かつ、前記始動状態検出手段により前記車両の始動が検出された場合に、前記モータの駆動により前記ウェビングを巻き取ることによって前記ベルトリーチャを車両後方の前記格納位置に回動させる
ことを特徴とするシートベルト装置。 - 前記着座検出手段は、前記助手席において前記ウェビングのタングがバックルに装着されたか否かを検出するバックルスイッチであることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
- 前記制御手段は、
前記着座検出手段により前記助手席に着座する乗員が検出されず、かつ、前記始動状態検出手段により前記車両の始動が検出されたときに、所定時間経過後に、前記モータの駆動により前記ウェビングを巻き取ることによって前記ベルトリーチャを車両後方の前記格納位置に回動させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシートベルト装置。
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