JP2014074145A - セルロースナノファイバーとその製造方法、複合樹脂組成物、成形体 - Google Patents

セルロースナノファイバーとその製造方法、複合樹脂組成物、成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】補強効果に優れたセルロースナノファイバーと、前記セルロースナノファイバーの製造する方法、前記セルロースナノファイバーを含有する複合樹脂組成物、前記複合樹脂組成物を成形してなる成形体を提供する。
【解決手段】直線部と曲線部を有し、前記直線部の長さの平均と前記直線部における最大直径の平均が下記一般式(a)の関係を有するセルロースナノファイバー。
直線部の長さの平均/直線部における最大直径の平均 ≧ 10 ・・・(a)
【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースナノファイバーとその製造方法、複合樹脂組成物、成形体に関する。
セルロースナノファイバーは、従来から高分子複合材料の補強材として使用されている。具体的には、例えば、医療機器、OA機器、音響機器カメラ等の補強材として用いられている。
前記セルロースナノファイバーは、パルプ等のセルロース繊維を機械的にせん断することにより得られるのが一般的である。例えば、特許文献1には、セルロースパルプの水懸濁液を高圧ホモジナイザー処理して得られる微小繊維状セルロースが開示されている。
また、特許文献2には、バクテリアに生産させたセルロース超微細繊維をアセチル化さ
せて得られるアセチルセルロース超微細繊維が開示されている。バクテリアに生産させた
セルロース超微細繊維は質量平均重合度が1700以上であり、そのためヤング率や引張
強度の点で優れている。
特開2000−17592号公報 特開平9−291102号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、繊維に機械的せん断力を加えるため重合度が200前後になってしまい、結果的に十分な機械的強度を得ることができない。
また、特許文献2に記載のバクテリアに生産させて得られるセルロースファイバーはIα型結晶成分が多いので補強効果の弱いという点では改良の余地を残している。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、補強効果に優れたセルロースナノファイバーと、前記セルロースナノファイバーを製造する方法、前記セルロースナノファイバーを含有する複合樹脂組成物、前記複合樹脂組成物を成形してなる成形体を提供することを目的とする。
(1)本発明のセルロースナノファイバーは、直線部と曲線部を有し、前記直線部の長さの平均と前記直線部における最大直径の平均が下記式(a)の関係を有するセルロースナノファイバーであることを特徴とする。
直線部の長さの平均/直線部における最大直径の平均 ≧ 10 ・・・(a)
(2)本発明のセルロースナノファイバーは、前記直線部の最大直径が1〜800nmであることが好ましい。
(3)本発明のセルロースナノファイバーは、2θの範囲を0°〜30°とするX線回折パターンが、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークと、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークとを有し、他にはピークを有さないことがこのましい。
(4)本発明のセルロースナノファイバーは、平均重合度が600以上30000以下であることが好ましい。
(5)本発明のセルロースナノファイバーは、水酸基の一部若しくは全部が化学修飾されていることが好ましい。
(6)本発明のセルロースナノファイバーは、綿を原料にすることが好ましい。
(7)本発明のセルロースナノファイバーは、SP値8〜13の有機溶媒における飽和吸収率が300〜30000質量%であることが好ましい。
(8)本発明のセルロースナノファイバーは、テトラアルキルアンモニウムアセテートおよび非プロトン性極性溶媒を含む溶液を用い、セルロース含有原料に含まれるセルロースを膨潤および/または部分溶解してセルロースを解繊する工程と、化学修飾を20℃〜65℃の条件で行う工程と、を有する製造方法により得られることを特徴とする。
(9)本発明のセルロースナノファイバーは、前記化学修飾を50℃〜65℃の条件で行うことが好ましい。
(10)本発明のセルロースナノファイバーは、前記化学修飾を15分〜2時間の条件で行うことが好ましい。
(11)本発明のセルロースナノファイバーは、前記化学修飾を30分〜60分の条件で行うことが好ましい。
(12)本発明の複合樹脂組成物は、前記セルロースナノファイバーを樹脂中に含有することを特徴とする。
(13)本発明の成形体は、前記複合樹脂組成物を成形してなることを特徴とする。
(14)本発明のセルロースナノファイバーの製造方法は、テトラアルキルアンモニウムアセテートおよび非プロトン性極性溶媒を含む溶液を用い、セルロース含有原料に含まれるセルロースを膨潤および/または部分溶解してセルロースを解繊する工程と、化学修飾を20℃〜65℃の条件で行う工程と、を有することを特徴とする。
(15)本発明のセルロースナノファイバーの製造方法は、前記化学修飾を50℃〜65℃の条件で行うことが好ましい。
(16)本発明のセルロースナノファイバーの製造方法は、前記化学修飾を15分〜2時間の条件で行うことが好ましい。
(17)本発明のセルロースナノファイバーの製造方法は、前記化学修飾を30分〜60分の条件で行うことが好ましい。
本発明によれば、補強効果に優れたセルロースナノファイバーを提供することができ、前記セルロースナノファイバーを製造する方法、前記セルロースナノファイバーを含有する複合樹脂組成物、前記複合樹脂組成物を成形してなる成形体を提供することができる。
直線部と曲線部を有するセルロースナノファイバーの概略図である。 実施例で得られたセルロースナノファイバーのSEM写真である。 実施例で得られたセルロースナノファイバーのX線分析結果である。
本発明の第一の態様であるセルロースナノファイバーは、直線部と曲線部を有し、前記直線部の長さの平均と前記直線部における最大直径の平均が下記式(a)の関係を有することで、十分な補強効果が得られる。
直線部の長さの平均/直線部における最大直径の平均 ≧ 10 ・・・(a)
本発明のセルロースナノファイバーは、図1に示す直線部Lと曲線部C、C’を有するセルロースナノファイバーAである。本発明において、前記一般式(a)で表されるセルロースナノファイバーにおける直線部の長さの平均と直線部における最大直径の平均の比(直線部の長さの平均/直線部における最大直径の平均(以下、「LAVG/DAVG」と略称する場合がある。))は、10以上である。このLAVG/DAVGの値は、大きいほど補強効果が高い。
本発明のセルロースナノファイバーは、前記直線部の最大直径が1〜800nmであることが好ましい。前記平均直径は、1〜300nmであることが好ましく、1〜100nmであることがより好ましい。平均直径が1nm以上の場合、製造コストがかからず、平均直径が800nm以下の場合、前記LAVG/DAVGが低下しにくい。その結果、安価で十分な補強効果が得られる。
セルロースI型はIα型結晶とIβ型結晶の複合結晶であり、木綿などの高等植物由来セルロースはIβ型結晶成分が多いが、バクテリアセルロースの場合はIα型結晶成分が多い。
本発明のセルロースナノファイバーは、X線回折パターンにおいて、Iβ型の結晶ピークを有するため、図2に示されるように2θの範囲を0°〜30°とするX線回折パターンが、Iβ型結晶特有のパターンを示す。該パターンは、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークと、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークとを有し、他にはピークを有さないことが好ましい。
また、本発明のセルロースナノファイバーはIβ型結晶を主成分としているので、Iα型結晶成分の多いバクテリアセルロースに比べて補強効果に優れる。
本発明のセルロースナノファイバーの平均重合度は、600以上30000以下であることが好ましい。より好ましくは、600以上5000以下であり、最も好ましくは、800以上5000以下である。平均重合度が600以上の場合、十分な補強効果が得られる。
本発明のセルロースナノファイバーは、機能性を高めるため水酸基の一部若しくは全部が化学修飾されてもよい。セルロースナノファイバーを複合材料に使用するためには、前記セルロースナノファイバー表面の水酸基を修飾基により化学修飾し、前記水酸基を減じることが好ましい。セルロースナノファイバー間の水素結合による強い密着を防ぐことで高分子材料に容易に分散し、良好な界面結合を形成させることができる。また、本発明のセルロースナノファイバーは、化学修飾されることにより、より高い耐熱性を有するため、耐熱性の高い複合樹脂組成物を提供することが出来る。
前記セルロースナノファイバー中の全体の水酸基のうち、修飾基により化学修飾される
割合は、後述の方法で修飾度が0.01〜50であることが好ましく、0.5〜10であることがより好ましい。
前記化学修飾は水酸基と反応するものであれば良いが、化学修飾によりエーテル化、エ
ステル化したセルロースナノファイバーが、簡便に効率よく修飾できるので好ましい。
エーテル化剤としては、メチルクロライド、エチルクロライド等のハロゲン化アルキル
;炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等の炭酸ジアルキル;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等の硫
酸ジアルキル;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド等
も好ましい。また、アルキルエーテル化に限定されるものではなく、ベンジルブロマイド
等によるエーテル化やシリルエーテル化等も好ましい。例えばシリルエーテル化としては
、アルコキシシランが挙げられ、より具体的にはn−ブトキシトリメチルシラン、ter
t−ブトキシトリメチルシラン、sec−ブトキシトリメチルシラン、イソブトキシトリ
メチルシラン、エトキシトリエチルシラン、オクチルジメチルエトキシシラン又はシクロ
ヘキシルオキシトリメチルシランのようなアルコキシシラン、ブトキシポリジメチルシロ
キサンのようなアルコキシシロキサン、ヘキサメチルジシラザンやテトラメチルジシラザ
ン、ジフェニルテトラメチルジシラザンのようなシラザンが挙げられる。また、トリメチ
ルシリルクロライドや、ジフェニルブチルクロライド等のシリルハライドや、t−ブチル
ジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート等のシリルトリフルオロメタンスルホネ
ートも使用できる。
エステル化剤は酸塩化物又は酸無水物又は酸ビニルであるものが好ましい。酸塩化剤としては、例えば、塩化プロピオニル、塩化ブチリル、塩化オクタノイル、塩化ステアロイル、塩化ベンゾイル、パラトルエンスルホン酸クロライド等が挙げられる。なお、酸塩化物の反応においては、触媒として働くと同時に、副生物である酸性物質を中和する目的でアルカリ性化合物を添加してもよい。具体的には、トリエチルアミン、トリメチルアミン等の3級アミン化合物やピリジン、ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられるが、この限りではない。
また、酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等の脂肪族の酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸等の二塩基酸無水物が挙げられる。なお、酸無水物の反応においては触媒として、硫酸、塩酸、燐酸などの酸性触媒であるもの或いはトリエチルアミン、ピリジン等のアルカリ性化合物を添加してもよい。
酸ビニルの中でもカルボン酸ビニルが望ましい。カルボン酸ビニルでは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、オクチル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルがより好ましく、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、オクチル酸ビニルがさらに好ましく、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルが最も好ましい。
エーテル化、エステル化の中でも、アルキルエーテル化、アルキルシリル化、アルキル
エステル化が、樹脂への分散性を向上させるために好ましい。
前記セルロースナノファイバーの原料としては、特に限定されないが、綿、麻、ホヤなどの天然セルロース原料、クラフトパルプ、サルファイトパルプなどの木材化学処理パルプ、セミケミカルパルプ、古紙またはその再生パルプ等が挙げられ、補強効果が高いという観点から、ろ紙、綿が好ましい。この中でも綿を原料とすると得られたセルロースナノファイバーの分子量が高くなり、補強効果が高くなるので特に良い。また他の製造方法で作った微結晶セルロースやセルロースナノファイバーを原料も好ましい。これは、本製造方法をさらに行うと、得られたセルロースナノファイバーの補強効果が高くなるためである。
前記セルロースナノファイバー原料の形状としては、特に限定されないが、処理の容易さ及び溶媒の浸透促進の観点から、適宜粉砕してから用いることが好ましい。
上記の様に化学修飾された本発明のセルロースナノファイバーは、溶解性パラメータ(
以下、SP値)8〜13の有機溶媒における飽和吸収率が300〜30000質量%が好ましく、5000〜30000質量%であることがさらに好ましい。前記SP値の有機溶媒に分散させたセルロースナノファイバーは、親油性樹脂との親和性が高く、補強効果が高い。
SP値が8〜13の有機溶媒としては、酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチ
ル、酢酸イソプロピル、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、キシレン、
トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、ジブチルフタレート、アセトン、イソプロパノー
ル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、エタノール、テトラヒドロフラン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、二硫化炭素
、ピリジン、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、n−ブタノール、ニトロメタン等
が挙げられる。
前記有機溶媒としては、非水溶性溶媒(25℃の水と任意の割合で混合しない溶媒)であるものがさらに好ましく、キシレン、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、ジクロロメタン、シクロヘキサン、四塩化炭素、塩化メチレン、酢酸エチル、二硫化炭素、シクロヘキサノール、ニトロメタン等が挙げられる。よって、上記の様に化学修飾された本発明のセルロースナノファイバーは、非水溶性溶媒中においても分散し、従来セルロースナノファイバーで困難であった親油性樹脂に容易に分散し得る。
本発明の第一の態様に係るセルロースナノファイバーは、後述する本発明の第五の態様における製造方法により得られる。
本発明の第二の態様であるセルロースナノファイバーは、テトラアルキルアンモニウムアセテートおよび非プロトン性極性溶媒を含む溶液を用い、セルロース含有原料に含まれるセルロースを膨潤および/または部分溶解してセルロースを解繊する工程(以下、「工程1」という。)と、化学修飾を20℃〜65℃の条件で行う工程(以下、「工程2」という。)と、から製造してなる。
<工程1>
工程1は、テトラアルキルアンモニウムアセテートおよび非プロトン性極性溶媒を含む溶液を用い、セルロース含有原料に含まれるセルロースを膨潤および/または部分溶解する工程(以下、「工程1−1」という。)と、セルロースを解繊する工程(以下、「工程1−2」という。)とからなる。
(工程1−1)
天然由来のセルロースでは、繊維間に存在する非晶性部分が結合剤として機能するため、セルロース繊維がより繊維径の大きい状態で存在している。
本明細書において、セルロースを膨潤させるとは、セルロースに含まれる非晶性部分を膨潤させることをいう。この非晶性部分が膨潤することにより、セルロースナノファイバーが弛緩し、外力により開裂し易くなる。
また、本明細書において、部分溶解とは、セルロースナノファイバーの結合剤として機能している非晶性部分を溶解することをいう。セルロースを膨潤および/または部分溶解することにより、セルロースナノファイバー間の結合が弱くなり、セルロースナノファイバーの解繊をより簡単に行うことができる。
工程1−1は、テトラアルキルアンモニウムアセテートおよび非プロトン性極性溶媒を含む溶液を用いる点以外は、従来公知の方法により行うことができる。例えば、溶液にセルロース含有原料を分散させ、静置または撹拌することにより、セルロースを膨潤および/または部分溶解することができる。また、工程1−1と工程1−2とを同時に行ってもよい。
テトラアルキルアンモニウムアセテートにおけるアルキル基としては、炭素数3〜6のアルキル基が好ましい。テトラアルキルアンモニウムアセテートにおけるアルキル基の炭素数が3〜6である場合、セルロースを十分に膨潤および/または部分溶解することができる。
テトラアルキルアンモニウムアセテートの具体例としては、テトラプロピルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムアセテート、テトラペンチルアンモニウムアセテート、テトラヘキキルアンモニウムアセテート等が挙げられる。中でも、テトラブチルアンモニウムアセテートがより好ましい。テトラアルキルアンモニウムアセテートとしては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非プロトン性極性溶媒としては、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒およびピリジン系溶媒から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、N,N’−ジメチルエチレン尿素、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、N,N,N’N’−テトラメチル尿素、ピリジン、4−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、およびこれらの誘導体等が挙げられる。中でも、N,N−ジエチルアセトアミドが好ましい。非プロトン性極性溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非プロトン性極性溶媒を用いることにより、セルロースナノファイバー間への溶液の浸透が促進され、工程1−1を効率よく行うことができる。また、セルロースナノファイバーの結晶構造の破壊も防止できる。
上記溶液の溶解させるセルロースとしては、前記第一の態様において説明したセルロース原料と同様のものが挙げられる。
また、上記溶液に添加するセルロース含有原料の割合は、0.5〜30質量%が好ましく、1.0〜20質量%がより好ましい。セルロース含有原料の割合を上記範囲内とすることにより、効率よく、均一に解繊されたセルロースナノファイバーのスラリーが得られる。
工程1−1の処理温度は特に限定されないが、10〜120℃が好ましい。処理温度が10℃未満の場合、処理液の粘度が高くなり、解繊効果が低くなる。一方、処理温度が120℃を超える場合、ナノファイバーまで溶解してしまい、ナノファイバーにダメージを与え補強効果が低くなると共にナノファイバーの収率は低くなる傾向がある。
(工程1−2)
工程1−2は、工程1−1で処理されたセルロースに外力を加えることにより行うことができる。具体的には、機械せん断、粉砕、研磨、ホモジナイズ、超音波処理等の従来公知の手段が挙げられる。これらの手段は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
工程1−2は、工程1−1と同時に行ってもよく、後述する工程2と同時に行ってもよい。また、工程2の後に行っても良い。
<工程2>
工程2における化学修飾は、前述の化学修飾を20〜65℃の温度条件で行う必要がある。これにより、前記LAVG/DAVGが10以上のセルロースナノファイバーを得ることができる。
工程2における化学修飾は、55〜65℃の温度条件で行うことが好ましい。前記条件下で行うことにより、直線部の長さの平均/直線部における最大直径の平均が長くなりやすく、好ましい。
また、工程2における化学修飾は、15分〜2時間の条件で行うことが好ましく、30分〜60分の条件で行うことがより好ましい。化学修飾の時間条件を上記範囲内とすることにより、より確実にLAVG/DAVGが10以上のセルロースナノファイバーを得ることができる。
本発明の第三の態様である複合樹脂組成物は、前記セルロースナノファイバーを樹脂中に含有する。
本発明のセルロースナノファイバーが分散しうる上記親油性樹脂の例としては、水に難溶であればよく、耐水性が必要とされる工業用材料として広く使われているものが好ましい。親油性樹脂としては、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良い。植物性由来樹脂、二酸化炭素を原料とした樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のアルキレン樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、アセタール樹脂、カーボネート樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂、スチロール樹脂、エンジニアリングプラスチックなどを例示できる。また、エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリアリルエーテルニトリルなどが好適に用いられる。また、これらの樹脂を2種類以上混合しても良い。これらの中でもポリカーボネートは衝撃強度が強いため、特に良い。
ポリカーボネートとしては、通常用いられるものを使用できる。例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネートを好ましく用いることができる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(「ビスフェノールA」)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンが挙げられる。
カーボネート前駆体としては、例えば、カルボニルハライド、カルボニルエステル、ハロホルメートが挙げられる。具体的には、ホスゲン、2価フェノールのジハロホルメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。
また、本発明に用いられるポリカーボネートとしては、芳香族基を含まないポリカーボネートであってもよい。芳香族基を含まないポリカーボネートとしては、脂環式ポリカーボネートや脂肪族ポリカーボネートなどが例示できる。ポリカーボネート樹脂は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。また、前記芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体を重合して得られる重合体と他の重合体との共重合体であってもよい。
前記ポリカーボネート樹脂は、従来公知の方法で製造できる。例えば、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法などの種々の方法が挙げられる。
本発明の複合樹脂組成物における樹脂の種類としては、前記に上げた親油性の樹脂の他、親水性の樹脂も挙げられる。親水性の樹脂に対しては、未修飾セルロースナノファイバーや、スルホン酸基、カルボン酸基、またはこれらの塩などの親水性の官能基で化学修飾されたセルロースナノファイバーが、親水性の樹脂への分散性が良く好適に使用できる。親水性の樹脂としては、ポリビニルアルコールや、親水化処理した樹脂が例示できる。この中でもポリビニルアルコールは安価である上、セルロースナノファイバーの分散性が良く特に好ましい。
また、本発明の複合樹脂組成物は、その他、フィラー、難燃助剤、難燃剤、酸化防止剤、離形剤、着色剤、分散剤等の添加剤を含有しても良い。
フィラーとしては、例えばカーボン繊維、ガラスファイバー、クレー、酸化チタン、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、マイカ、モンモリロナイト、硫酸バリウム、バルーンフィラー、ビーズフィラー、カーボンナノチューブなどを使用できる。
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、窒素系難燃剤、金属水酸化物、リン系難燃剤、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩、シリコーン系難燃剤、膨張性黒鉛などを使用できる。
難燃助剤としては、ポリフルオロオレフィン、酸化アンチモンなどを使用できる。
酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤やフェノール系酸化防止剤などを使用できる。
離型剤としては、高級アルコール、カルボン酸エステル、ポリオレフィンワックス及びポリアルキレングリコールなどを使用できる。
着色剤としては、カーボンブラックやフタロシアニンブルーなど、任意の着色剤を使用できる。
分散剤としては、セルロースナノファイバーが樹脂に分散できるものであればよく、アニオン性、カチオン性、ノニオン性又は両性の界面活性剤、高分子型分散剤を使用でき、これらを併用してもよい。
本発明のセルロースナノファイバーは、上記の様に補強効果を有するものであるため、該セルロースナノファイバーを含有する本発明の複合樹脂組成物は、強度の面で優れている。従って、本発明の複合樹脂組成物は、強度が要求される用途に好適に使用される。
また、本発明のセルロースナノファイバーは、樹脂中での分散性に優れているため、該セルロースナノファイバーを含有する本発明の複合樹脂組成物は透明性に優れている。従って、本発明の複合樹脂組成物は、透明性が保たれ、透明性が要求される用途に好適に使用される。
また、本発明のセルロースナノファイバーは、従来のセルロースナノファイバーと比較して耐熱性に優れているため、該セルロースナノファイバーを含有する本発明の複合樹脂組成物は耐熱性に優れている。従って、本発明の複合樹脂組成物は、透明性を維持したまま、耐熱性が要求される用途に好適に使用される。
本発明の第四の態様である成形体は前記複合樹脂組成物を成形してなる。本発明の成形体もセルロースナノファイバーを含有するため、強度や耐熱性において優れている。前記成形体としては特に限定されないが、医療機器、OA機器、音響機器、カメラ等に用いられる。特に強度が求められるカメラ用成形体、鏡枠に好適に用いられる。
本発明の第五の態様であるセルロースナノファイバーの製造方法は、前記第一の態様のセルロースナノファイバーの製造方法であり、前記第二の態様のセルロースナノファイバーで記述した工程1と工程2とからなる製造方法と同様である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
フラスコに脱脂綿2.2g、N,N−ジメチルアセトアミド92.5gおよびテトラブチルアンモニウムアセテート7.5gを加え、65℃で60分間撹拌し、脱脂綿に含まれるセルロースを膨潤させた。
次いで、膨潤させた溶液に無水酢酸16gを加え、65℃でさらに90分間撹拌した。撹拌後、得られた固形分をテトラブチルアンモニウムアセテートが検出されなくなるまで、洗浄した。
得られた固形分にN,N−ジメチルアセトアミドを加え、ホモジナイザーで処理することにより、セルロースナノファイバーのスラリーを得た。
得られたセルロースナノファイバーのスラリーを乾燥させ、FE−SEM(日本電子製、製品名:JSM−6700f、測定条件:20mA、60秒)で形態観察した。観察前にセルロースナノファイバーをPtでコートして用いた。得られたセルロースナノファイバーの直線部の直径の平均は約30nmであった。得られたセルロースナノファイバーをIR分析することにより、セルロースナノファイバー表面の水酸基が修飾されていることを確認した。この結果を表1に併記する。
セルロースナノファイバースラリーと、溶媒に溶解させたポリカーボネート(帝人化成株式会社製:パンライト L−1225L)とを混合し、乾燥させることで、複合樹脂組成物を作成した。
(実施例2)
フラスコに、ハサミで3mm角に切断したろ紙(東洋濾紙(株)製、ADVANTEC(登録商標)のFILTER PAPER)7.5g、N,N−ジメチルアセトアミド90gおよびテトラブチルアンモニウムアセテート10gを加え、65℃で60分間撹拌し、ろ紙に含まれるセルロースを膨潤させた(膨潤工程)。
次いで、膨潤させた溶液に無水酢酸40gを加え、65℃でさらに60分間撹拌した。撹拌後、得られた固形分をテトラブチルアンモニウムアセテートが検出されなくなるまで、洗浄した(化学修飾の工程)。
得られた固形分にN,N−ジメチルアセトアミドを加え、ホモジナイザーで処理することにより、セルロースナノファイバーのスラリーを得た。
得られたセルロースナノファイバーのスラリーを乾燥させ、FE−SEM(日本電子製、製品名:JSM−6700f、測定条件:20mA、60秒)で形態観察した。観察前にセルロースナノファイバーをPtでコートして用いた。得られたセルロースナノファイバーの直線部の直径の平均は約30nmであった。得られたセルロースナノファイバーをIR分析することにより、セルロースナノファイバー表面の水酸基が修飾されていることを確認した。この結果を表1に併記する。
セルロースナノファイバースラリーと、溶媒に溶解させたポリカーボネート(帝人化成株式会社製:パンライト L−1225L)とを混合し、乾燥させることで、複合樹脂組成物を作成した。
(実施例3)
膨潤工程で50℃3時間及び、化学修飾の工程で溶液の温度を50℃で30分間撹拌した以外は、実施例2と同様にして、セルロースナノファイバーを得た。
得られたセルロースナノファイバーの直線部の直径の平均は約30nmであった。得られたセルロースナノファイバーをIR分析することにより、セルロースナノファイバー表面の水酸基が修飾されていることを確認した。この結果を表1に併記する。
(実施例4)
化学修飾の工程で、溶液の温度を20℃で120分間撹拌した以外は、実施例2と同様にして、セルロースナノファイバーを得た。
得られたセルロースナノファイバーの直線部の直径の平均は約30nmであった。得られたセルロースナノファイバーをIR分析することにより、セルロースナノファイバー表面の水酸基が修飾されていることを確認した。この結果を表1に併記する。
(実施例5)
膨潤工程で室温20分及び、化学修飾の工程で溶液の温度を65℃で15分間撹拌した以外は、実施例2と同様にして、セルロースナノファイバーを得た。
得られたセルロースナノファイバーの直線部の直径の平均は約30nmであった。得られたセルロースナノファイバーをIR分析することにより、セルロースナノファイバー表面の水酸基が修飾されていることを確認した。この結果を表1に併記する。
(比較例1)
ナタデココ(株式会社フジッコ製、平均重合度:3000以上、平均アスペクト比:1000以上、平均直径:70nm)を乾燥して得られたバクテリアセルロースを用意した。 溶媒に溶解させたポリカーボネート(帝人化成株式会社製:パンライト L−1225L)と、バクテリアセルロースとを混合し、乾燥させることで、複合樹脂組成物を作成した。
(比較例2)
微結晶セルロース(メルク株式会社製、平均重合度:250、平均アスペクト比:10、直径:1〜10μmが混在)を用意した。これを比較例1と同様に複合樹脂組成物を調製した。
各実施例及び各比較例で得られたセルロースナノファイバー及び複合樹脂組成物を、以下の試験方法で測定し、結果を表1に示した。
各実施例及び各比較例の成形体を、以下の試験方法で測定し、結果を表1に示した。
(1)平均重合度の測定
セルロースナノファイバーの分子量を粘度法(参考文献:Macromolecules,18,2394−2401,1985)により評価した。
(2)直線部の長さと最大直径の比
セルロースナノファイバーの直線部の長さの数平均と直線部における最大直径の数平均についてはSEM解析により評価した。
詳細には、セルロースナノファイバーのスラリーをウェーハ上にキャストしてSEM観察し、得られた1枚の画像当たり20本以上の直線部を有する繊維について、前記直線部の長さlと最大直径dの値を読み取り、直線部の長さl/直線部における最大直径dの値が大きい順から10本選び、最大直径と長さの情報を得た。
以上により得られた直線部の長さlと最大直径dのデータから、直線部の長さの数平均LAVGと直線部における最大直径の数平均DAVGを算出することができ、直線部の長さの数平均と直線部における最大直径の数平均との比を下記式(a)より算出した。前記比が10以上の場合には○、そうでない場合には×と判定した。
直線部の長さの平均/直線部における最大直径の平均 ≧ 10・・・(a)
(3)結晶構造解析(XRD)
セルロースナノファイバーの結晶構造を粉末X線回折装置Rigaku Ultima IVを用いて分析した。X線回折パターンが、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークと、21°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークとを有する場合にはIβ型の結晶型であると判断し○とした。そうでない場合には×と判定した。
(4)熱分解温度(TG−DTA)
セルロースナノファイバーを熱分析装置THERMO plus TG8120を用いて測定した。縦軸に重量減少率、横軸に温度をプロットしたグラフを描き、大きく重量減少する時の接線と重量減少前の接線との交点の温度を熱分解温度とした。
(5)水酸基の修飾度A1の評価法
水酸基の修飾度はFT−IRにより対応する特徴バンドの強度/セルロース環内にあるCHの特徴バンド(1367cm−1前後)から算出した。すなわち、例えば修飾によりC=O基(1736cm−1前後)が得られた場合は、この強度をCHの強度で割ることにより求められる。
(6)飽和吸収率Rの評価
重さ(W1)のセルロースナノファイバーをN,N−ジメチルアセトアミド(SP値11.1)に分散させ、2wt%の分散液を調製し、遠心分離瓶に入れてから10000Gで30分、遠心分離機(HITACHI CR22GIII)で処理した後、上部透明な溶剤層を除いてから下部ゲル層の重さ(W2)を量り、飽和吸収率を下記式により算出した。
R=W2/W1×100%
飽和吸収率が5000質量%以上30000質量%の場合には◎、300質量%以上5000質量%未満のものを○、300質量%未満の場合には×と判定した。
各実施例及び各比較例の成形体を、以下の試験方法で測定し、結果を表2に示した。
(1)耐熱性
複合樹脂組成物を260℃30秒で0.3mmの厚さにプレスしたシート状成形体の外観を目視にて観察した。DICカラーガイドDIC-647よりも全体的に色が薄い場合を「○」、濃い場合を「×」と判定した。
(2)強度の評価
ISO178に準拠し、オートグラフAG−X PLUS(株式会社島津製作所製)を用いて、複合樹脂組成物の曲げ強さを測定した。
曲げ強さが100MPa以上の場合には「○」、100MPa未満の場合には「×」と判定した。
表2に示すとおり、実施例で得られた本発明の成形体はいずれも優れた耐熱性及び曲げ強度を示した。
A 直線部及び曲線部を有するセルロースナノファイバー
L 直線部
C 曲線部
C´ 曲線部
l 直線部の長さ
d 直線部における最大直径

Claims (17)

  1. 直線部と曲線部を有し、前記直線部の長さの平均と前記直線部における最大直径の平均が下記式(a)の関係を有するセルロースナノファイバー。
    直線部の長さの平均/直線部における最大直径の平均 ≧ 10 ・・・(a)
  2. 前記直線部の最大直径が1〜800nmである請求項1に記載のセルロースナノファイバー。
  3. 2θの範囲を0°〜30°とするX線回折パターンが、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークと、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークとを有し、他にはピークを有さない請求項1または2に記載のセルロースナノファイバー。
  4. 平均重合度が600以上30000以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセルロースナノファイバー。
  5. 水酸基の一部若しくは全部が化学修飾されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルロースナノファイバー。
  6. 綿を原料にする請求項1〜5のいずれか一項に記載のセルロースナノファイバー。
  7. SP値8〜13の有機溶媒における飽和吸収率が300〜30000質量%である請求項に1〜6のいずれか一項に記載のセルロースナノファイバー。
  8. テトラアルキルアンモニウムアセテートおよび非プロトン性極性溶媒を含む溶液を用い、セルロース含有原料に含まれるセルロースを膨潤および/または部分溶解してセルロースを解繊する工程と、
    化学修飾を20℃〜65℃の条件で行う工程と、
    を有する製造方法により得られるセルロースナノファイバー。
  9. 前記化学修飾を50℃〜65℃の条件で行う請求項8に記載のセルロースナノファイバー。
  10. 前記化学修飾を15分〜2時間の条件で行う請求項8または9にセルロースナノファイバー。
  11. 前記化学修飾を30分〜60分の条件で行う請求項10に記載のセルロースナノファイバー。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のセルロースファイバーを樹脂中に含有することを特徴とする複合樹脂組成物。
  13. 請求項12に記載の複合樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
  14. テトラアルキルアンモニウムアセテートおよび非プロトン性極性溶媒を含む溶液を用い、セルロース含有原料に含まれるセルロースを膨潤および/または部分溶解してセルロースを解繊する工程と、
    化学修飾を20℃〜65℃の条件で行う工程と、
    を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のセルロースナノファイバーの製造方法。
  15. 前記化学修飾を50℃〜65℃の条件で行う請求項14に記載のセルロースナノファイバーの製造方法。
  16. 前記化学修飾を15分〜2時間の条件で行う請求項14または15に記載のセルロースナノファイバーの製造方法。
  17. 前記化学修飾を30分〜60分の条件で行う請求項16に記載のセルロースナノファイバーの製造方法。
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