JP2016188353A - セルロースナノファイバーの製造方法、並びにセルロースナノファイバー含有樹脂もしくは樹脂前駆体の製造方法 - Google Patents

セルロースナノファイバーの製造方法、並びにセルロースナノファイバー含有樹脂もしくは樹脂前駆体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、セルロースを迅速にかつ少ない動力で解砕しセルロースナノファイバーにまで微細化し、環境負荷が少なく、高強度の樹脂を得ることのできるセルロースナノファイバー分散樹脂もしくは樹脂前駆体の製造方法を提供することである。【解決手段】圧縮性流体(F)とセルロースファイバー及び/又はセルロースファイバー誘導体(A)とを含有する混合物(X)を体積膨張させて、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を得る工程を有する、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバーの製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバーの製造方法、並びにセルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバーを含有する樹脂もしくは樹脂前駆体の製造方法に関する。
近年、石油資源由来のプラスチックに代わるものとして、植物及び動物由来のプラスチックの開発が盛んに行われている。そのひとつの方法として、地球上に最も多く存在するバイオマス資源であるセルロースの利用が挙げられる。セルロースは植物やバクテリア(酢酸菌)、ホヤ等の植物以外の生物から産生でき、石油資源ではないことから、たとえ最終的に焼却処理されたとしても、環境への負荷は小さい。
セルロースを利用した樹脂はこれまでにも多く報告されている。なかでもセルロースナノファイバーはパルプなどの植物繊維を解繊して得られる、ナノサイズの径をもつセルロース繊維であり、このセルロースナノファイバーを成形して乾燥させ、樹脂を含浸させる等を行うことで強度の高い成形体が得られるという報告がなされている。(特許文献1)また、水に分散した状態のセルロースナノファイバーを樹脂粉末と配合後乾燥することでセルロースと樹脂の複合樹脂を作成し、成形することで強度等の物性が向上することが報告されている。(特許文献2)。このようにセルロースナノファイバーを含有する樹脂成形品は高強度を示し、環境負荷の少ない材料であることから、近年、盛んに研究が進められている。これらの樹脂成形品に用いられるセルロースナノファイバーを製造する方法としては、繊維状セルロースの水懸濁液を少なくとも3000psiの圧力差で小径オリフィスを高速度で通過させる高圧ホモジナイザー処理の方法により、微細繊維状セルロース化する方法(特許文献3)や、古紙(セルロース繊維)や、くず皮革(コラーゲン繊維)に水を含浸させてマスコロイダーに投入し、5〜20回繰り返し磨砕処理して脱水した後、サブミクロン単位に解繊し、微細繊維化する方法(特許文献4)や、メディア撹拌式粉砕機で微細繊維状セルロースを得る方法(特許文献5)等があげられる。
特開2003−201695号公報 特開2008−297364号公報 特開2000−17592号公報 特開平8−284090号公報 特開平6−212587号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、成形品の形状が成形品前駆体としてのセルロースシートの形状に依存するため、複雑な形状の成形品の作成が困難である。また特許文献2に開示されている方法は、射出押し出し成形用の熱可塑性樹脂粉末の作成方法であり、モデリング材、クッションシートなどの成形品用樹脂として一般的に使用されているウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂用原料には適用できない方法であった。また、上記セルロースナノファイバー含有樹脂に用いられるセルロースナノファイバーを製造する特許文献3,4,5に用いられる方法はそれぞれの方法についてセルロースをナノサイズに解砕・分散する方法が含まれ得ているが、これらの方法、装置では固体を微粒子化するために多くの手間がかかることで生産性が悪く、多くの動力を必要とした。本発明の課題は、セルロースを迅速にかつ少ない動力で解砕しセルロースナノファイバーにまで微細化し、環境負荷が少なく、高強度の樹脂を得ることのできるセルロースナノファイバー分散樹脂もしくは樹脂前駆体の製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果本発明に到達した。すなわち、本発明は、圧縮性流体(F)とセルロースファイバー及び/又はセルロースファイバー誘導体(A)とを含有する混合物(X)を体積膨張させて、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を得る工程を有する、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバーの製造方法;圧縮性流体(F)とセルロースファイバー及び/又はセルロースファイバー誘導体(A)とさらに樹脂又は樹脂前駆体(B)を含有する混合物(X1)を体積膨張させて、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有する樹脂又は樹脂前駆体(J)を得る工程を有する、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有する樹脂又は樹脂前駆体(J)の製造方法;セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するポリウレタン樹脂(U)の製造方法;セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するポリウレタン樹脂成形品の製造方法;セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するエポキシ基含有化合物(J22)と硬化剤とを反応させて得られる、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するエポキシ樹脂の製造方法である。
本発明によれば、セルロースを迅速にかつ少ない動力で解砕してセルロースナノファイバーにまで微細化でき、環境負荷が少なく、高強度の樹脂を得ることのできるセルロースナノファイバー分散樹脂を容易に得ることができる。
<セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)の製造方法>
本発明において、圧縮性流体(F)は、二酸化炭素、メタン、エチレン、代替フロン等でもよいが、安全性や取り扱いの容易さ等の点から、好ましくは二酸化炭素であり、更に好ましくは超臨界二酸化炭素、亜臨界二酸化炭素、又は液体二酸化炭素である。
本発明において、液体二酸化炭素とは、二酸化炭素の温度軸と圧力軸とで表す相図上において、二酸化炭素の三重点(温度=−57℃、圧力0.5MPa)と二酸化炭素の臨界点(温度=31℃、圧力=7.4MPa)を通る気液境界線、臨界温度の等温線、及び固液境界線に囲まれた部分の温度・圧力条件である二酸化炭素を表し、超臨界二酸化炭素とは、臨界温度以上の温度・圧力条件である二酸化炭素を表す(ただし、圧力は、2成分以上の混合ガスの場合、全圧を表す)。
圧縮性流体(F)の混合時の圧力は好ましくは2MPa以上であり、より好ましくは3MPa以上、更に好ましくは4MPa以上である。圧力が高いほど圧縮性流体(F)がセルロースファイバー及び又はセルロースファイバー誘導体(A)により浸透して、粉砕されやすくなる。
本発明において混合物(X)は、セルロースファイバー及び/又はセルロースファイバー誘導体(A)と圧縮性流体(F)からなり、このとき、圧縮性流体(F)の割合は(A)と(F)の合計重量に基づいて1〜99重量%が好ましく、より好ましくは5〜90重量%、さらに好ましくは10〜80重量%、特に好ましくは15〜70重量%である。
セルロースファイバー及び/又はセルロースファイバー誘導体(A)のうち、セルロースファイバー(A1)、セルロースファイバー誘導体(A2)とする。(A1)は、セルロース繊維含有材料から公知の方法よって得ることが出来る。セルロース繊維含有材料は、植物(例えば木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農地残廃物、布、パルプ、再生パルプ、古紙)、動物(例えばホヤ類)、藻類、微生物(例えば酢酸菌(アセトバクター))、微生物産生物等を起源とするものが知られているが、本発明ではそのいずれも使用できる。本発明に用いられるセルロースファイバー(A1)は、通常、植物又は微生物由来のセルロース繊維であり、より好ましくは植物由来のセルロース繊維である。(A1)としては、上記セルロース繊維含有材料を、蒸解釜等で分解するなど公知の方法でセルロースファイバーとしたものを使用するのが好ましい。セルロースファイバー誘導体(A2)は、該セルロースファイバー(A1)の構成成分であるグルコースの水酸基と有機、無機物質を反応させた化合物を用いることができ、本発明で使用される具体例としては酢酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース等が挙げられる。
本発明の製造方法で得られるセルロースナノファイバー及び/又はセルロースナノファイバー誘導体(N)とはセルロースファイバー及び/又はセルロースファイバー誘導体(A)が解砕されて繊維状になったものであり、その繊維径は平均値が1nm〜100nmであることが好ましく、3nm〜80nmであることがより好ましく、5nm〜60nmであることがより一層好ましい。また、セルロースナノファイバー及び/又はセルロースナノファイバー誘導体(N)は、その繊維長を決定することは難しいが、あえて記載するならば、好ましくは平均値が0.004μm〜10000μm、より好ましくは0.1μm〜5000μm、さらに好ましくは0.5μm〜2000μm、最も好ましくは1μm〜1000μmである。
混合物(X)におけるセルロースファイバー及び/又はセルロースファイバー誘導体(A)と圧縮性流体(F)の体積比率は、混合物(X)が目的の温度、圧力であれば、いかなる比率であっても構わない。圧縮性流体(F)と混合物(X)との体積割合は、圧縮性流体(F)/混合物(X)が好ましくは0.2以上0.9以下、より好ましくは0.3以上0.8以下、特に好ましくは0.4以上0.7以下である。
ただし、取扱いの観点から混合物(X)は流動性を持つことが好ましく、そのためセルロースファイバー及び/又はセルロースナノファイバー(A)、圧縮性流体(F)が流動する比率に調製されることが好ましい。なお流動性は窓付き耐圧釜を用いて観測できる。
混合物(X)を得る工程及び、混合物(X)を体積膨張させ、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバーを得る工程を具体的に説明すれば以下のとおりである。
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、セルロースファイバー及び/又はセルロースファイバー誘導体(A)を反応容器に仕込み、密閉して攪拌しながら加熱して適当な温度(例えば30〜60℃)にまで昇温する。昇温後、圧縮性流体を供給して、反応容器内を適当な圧力(例えば3〜8MPa)にまで上昇させ、攪拌(例えば、回転数1000rpmで5〜30分)することで、混合物(X)を得る事ができる。耐圧反応容器下部に取り付けたノズルを全開して、混合物(X)を大気中(0.1MPa)に開放し圧縮性流体を気化させることで除去して、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を得る。
<セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有する樹脂又は樹脂前駆体(B)の製造方法>
樹脂又は樹脂前駆体(B)のうち、樹脂(B1)、樹脂前駆体(B2)とする。
本発明における樹脂又は樹脂前駆体(B)とは室温で液状又は熱可塑性の天然又は化学合成された高分子化合物である。樹脂(B1)の具体例を挙げれば、天然樹脂としてはロジン(松ヤニ)、天然ゴム、蝋、菜種油、椰子油、ゴマ油、ヒマシ油、パーム油、牛脂、などの天然油脂類、化学合成された高分子化合物としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂類、ビニル樹脂類、エポキシ樹脂類、ポリエステル樹脂類、ポリアミド樹脂類、ポリイミド樹脂類、ケイ素系樹脂類、フェノール樹脂類、メラミン樹脂類、ユリア樹脂類、アニリン樹脂類、アイオノマー樹脂類、ポリカーボネート樹脂類、アクリル樹脂類等が挙げられ、また上記樹脂の2種以上を併用しても差し支えない。
樹脂前駆体(B2)の例を挙げれば、天然の樹脂前駆体としてはヒマシ油、化学合成された樹脂前駆体としては、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂やエポキシ樹脂などの前駆体となる活性水素化合物及びエポキシ基含有化合物、フェノール樹脂類の前駆体担うフェノール、メラミン樹脂類の前駆体となるメラミン、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸などが挙げられる。このうちより好ましいのは、セルロースに存在する水酸基と相互作用してセルロースナノファイバーを分散安定化させやすいという観点から活性水素化合物及びエポキシ基含有化合物である。
樹脂前駆体(B2)のうち、ポリウレタン樹脂製造用活性水素化合物を(B21)、エポキシ樹脂製造用エポキシ基含有化合物を(B22)とする。
本発明におけるセルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有する樹脂又は樹脂前駆体(B)は、好ましくは樹脂又は樹脂前駆体(B)中に、(N)が分散されてなるものである。
本発明において、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有する(B)内に分散される(N)の合計重量%は、好ましくは0.1〜50重量%、更に好ましくは1〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%である。(B)中の(N)の合計重量%が50%以下であると(B)の粘度が少なく取り扱いが容易である。また、(B)中の(N)の(合計)重量%が0.1%以上では、(b)及び(b0)の樹脂強度を増加させるので好ましい。
圧縮性流体(F)とセルロースファイバー及び/又はセルロースファイバー誘導体(A)とさらに樹脂又は樹脂前駆体(B)を含有する混合物(X1)を得る工程及び、混合物(X1)を体積膨張させ、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバーを含有する樹脂又は樹脂前駆体(B)を得る工程を具体的に説明すれば以下のとおりである。
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、セルロースファイバー及び/又はセルロースファイバー誘導体(A)及び樹脂及び/又は樹脂前駆体(B)を反応容器に仕込み、密閉して攪拌しながら加熱して適当な温度(例えば30〜60℃)にまで昇温する。昇温後、圧縮性流体を供給して反応容器内を適当な圧力(例えば3〜8MPa)にまで上昇させ攪拌(例えば、回転数1000rpmで5〜30分)することで、混合物(X1)を得る事ができる。
耐圧反応容器下部に取り付けたノズルを全開して、混合物(X1)を大気中(0.1MPa)に開放し圧縮性流体を気化させることで除去して、本発明におけるセルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有する樹脂又は樹脂前駆体(B)を得る事ができる。
<セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するポリウレタン樹脂(U)の製造方法>
本発明におけるポリウレタン樹脂製造用活性水素化合物(B21)とは、ポリイソシアネート成分(C)と反応可能な活性水素を有する有機化合物であり、2〜8価又はそれ以上の活性水素化合物である。
活性水素としては水酸基、アミノ基、メルカプト基等の活性水素が挙げられる。
活性水素化合物(B21)の重量平均分子量は通常100〜20000、好ましくは150〜15000、より好ましくは200〜10000である。
活性水素化合物(B21)の具体例としては、
(1)活性水素含有化合物(例えば、多価アルコール、アミン、多価フェノール、ポリカルボン酸、及びこれらの混合物)に、アルキレンオキシド(以下AOと略記する。)が付加された化合物[以下、ポリオキシアルキレンポリオールと記載することがある。]
(2)ポリエステルポリオール
(3)ポリアミン
(4)ポリメルカプタン
等が挙げられる。
(1)ポリオキシアルキレンポリオール
上記多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール;及び脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレングリコール)、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオール);炭素数5〜20の4〜8価又はそれ以上の多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどのアルカンポリオール及びそれらもしくはアルカントリオールの分子内もしくは分子間脱水物;ならびにショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシドなどの糖類及びその誘導体)が挙げられる。
アミンとしては、アルカノールアミン、ポリアミン、及びモノアミンが挙げられる。
アルカノールアミンとしては、炭素数2〜20のモノ−、ジ−及びトリ−アルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びイソプロパノールアミン)などが挙げられる。
ポリアミン(1,2級アミノ基の数:2〜8個又はそれ以上)としては、脂肪族アミンとして、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜 ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン)などが挙げられる。
また、炭素数6〜20の芳香族ポリアミン(例えば、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリン及びジフェニルエーテルジアミン);
炭素数4〜20の脂環式ポリアミン(例えば、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン及びジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式ポリアミン(例えば、ピペラジン及びアミノエチルピペラジン)等が挙げられる。
モノアミンとしては、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、n−ブチルアミン及びオクチルアミン);炭素数6〜20の芳香族モノアミン(例えば、アニリン及びトルイジン);炭素数4〜20の脂環式モノアミン(例えば、シクロヘキシルアミン);炭素数4〜20の複素環式モノアミン(例えば、ピペリジン)等が挙げられる。
多価(2〜8価又はそれ以上)フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノン及びフロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、及びビスフェノールスルホン等のビスフェノール;フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック);たとえば米国特許第3265641号明細書に記載のポリフェノール等が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸など)、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸など)、及びこれらの2種以上の混合物があげられる。
これらの活性水素含有化合物は2種以上を併用してもよい。これらの中で好ましくは多価アルコールである。
これらの活性水素含有化合物に付加させるAOとしては、炭素数2〜8のものが好ましく、プロピレンオキサイド(以下、POと略記する。)、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する。)、1,2−、1,3−、1,4−、又は2,3−ブチレンオキシド、及びスチレンオキシド等が挙げられ、2種以上用いてもよい。AOとしては、PO及び/又はEOと、必要によりAO中10重量%以下(とくに5重量%以下)の範囲で他のAOが併用されたものが好ましい。付加物であってもよい。2種以上のAOを用いる場合の付加方法としては、ブロック付加でもランダム付加でもこれらの併用付加であってもよいが、ブロック付加が好ましい。
AO付加時に用いる触媒としては、通常用いられるアルカリ触媒(KOH、CsOH等)の他、特開2000−344881号公報に記載の触媒〔トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等〕、特開平11−120300号公報に記載の触媒(過塩素酸マグネシウム等)を用いてもよい。
(2)ポリエステルポリオール
ポリエステルポリオールとしては、前記の多価アルコール[とくに、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−又は1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;前記ポリエーテルポリオール(とくにジオール);又はこれらとグリセリン、トリメチロールプロパン等の3価又はそれ以上の多価アルコールとの混合物]と、前記ポリカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体〔酸無水物、低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル等〕(例えば、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テレフタル酸ジメチル)とのポリエステルポリオール、又は前記カルボン酸無水物及びAOとの縮合反応物;それらのAO(EO、PO等)付加物;ポリラクトンポリオール、例えば前記多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの;ポリカーボネートポリオール、例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物;等が挙げられる。
活性水素化合物(a)として好ましいものは、ポリオキシアルキレンポリオールである。
本発明の製造方法に用いる活性水素化合物(B21)の平均官能基数は、好ましくは2.2〜5、さらに好ましくは2.5〜4である。活性水素化合物(B21)が水酸基を有する化合物の場合、その平均水酸基価は、好ましくは20〜1000、さらに好ましくは24〜800である。
本発明におけるエポキシ樹脂製造用エポキシ基含有化合物(B22)とは、活性水素化合物(B21)と反応可能なエポキシ基を有する有機化合物であり、2〜8価又はそれ以上のエポキシ基含有化合物である。
エポキシ基含有化合物(B22)の重量平均分子量は好ましくは100〜20000、更に好ましくは150〜15000、特に好ましくは200〜10000である。
エポキシ基含有化合物(B22)の具体例としては、ビスフェノールA、ハロゲン化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ハロゲン化ビスフェノールF、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカテコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル及び1,5−ヒドロキシナフタリン等の多価フェノールにエピクロロヒドリンを付加させて得られるエポキシ基含有化合物、ビスフェノールA、ハロゲン化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ハロゲン化ビスフェノールF、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカテコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル及び1,5−ヒドロキシナフタリン等の多価フェノールにエチレンオキサイドを付加させて得られるエポキシ基含有化合物、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等の多価アルコールにエピクロロヒドリンを付加させて得られるエポキシ樹脂、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等の多価アルコールにエチレンオキサイドを付加させて得られる多価アルコールにエピクロロヒドリンを付加させて得られるエポキシ基含有化合物、オキシ安息香酸及びフタル酸等の芳香族ジカルボン酸にエピクロロヒドリンを付加させて得られるエポキシ基含有化合物並びに3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド2021P)等が挙げられる。
セルロースとの親和性の観点からビスフェノールA、ハロゲン化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ハロゲン化ビスフェノールF、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカテコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,5−ヒドロキシナフタリン等の多価フェノールにエチレンオキサイドを付加させて得られるエポキシ基含有化合物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールにエチレンオキサイドを付加させて得られる多価アルコールにエピクロロヒドリンを付加させて得られるエポキシ基含有化合物が好ましく、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールにエチレンオキサイドを付加させて得られる多価アルコールにエピクロロヒドリンを付加させて得られるエポキシ基含有化合物がさらに好ましい。
本発明において、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するポリウレタン樹脂製造用活性水素化合物(J21)は、(J21)内に分散される(N)の合計重量%は好ましくは0.1〜50重量%、更に好ましくは1〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%である。(B)中の(N)の合計重量%が50%以下であると(B)の粘度が少なく取り扱いが容易である。また、(B)中の(N)の(合計)重量%が0.1%以上では、(b)及び(b0)の樹脂強度を増加させるので好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂、及びその成形品の製造法は下記の通りである。まず、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー含有ポリウレタン樹脂製造用活性水素化合物(J21)、必要により鎖伸長剤(D)、ウレタン化触媒(E)、整泡剤(F)、発泡剤(G)、他の補助成分(H)を所定量混合する。次いでポリウレタン発泡機又は攪拌機を使用して、この混合物(ポリオールプレミックス)とポリイソシアネート成分(C)とを急速混合する。得られた混合液を金型(例えば55〜75℃)に注入し、所定時間後脱型してポリウレタン樹脂成形品を得る。
本発明の製造方法に用いるポリイソシアネート成分(C)としては、イソシアネート基を分子内に2個以上有する化合物であればよく、従来からポリウレタンフォームの製造に使用されているものがすべて使用できる。このようなイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシヌアレート基、又はオキサゾリドン基含有変性物など)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物などが挙げられる。具体例としては、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、などが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDIなどが挙げられる。
ポリイソシアネート(C)として、好ましくは、芳香族ポリイソシアネート及びその変性物であり、さらに好ましくは、MDIを40〜60重量%、カルボジイミド変性MDIを1〜10重量%、及びウレタン変性MDIを39〜59重量%含有するMDI系イソシアネートプレポリマーである。
反応に用いるポリイソシアネート(C)全体のイソシアネート基含有量は、10〜30重量%が好ましい。
ポリウレタン樹脂製造用活性水素成分(J21)は、ポリイソシアネート成分(C)と反応させてポリウレタン樹脂(U)を製造することができる。反応条件は特に制限されず、公知の条件が適用される。本発明の製造方法において、ポリウレタン樹脂の製造に際してのイソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100](NCOインデックス)は、好ましくは70〜125、さらに好ましくは75〜120、特に好ましくは85〜115である。
ポリウレタン樹脂(U)はセルロースを含むことで環境負荷を低減出来ること及び、フィラー成分として含有するセルロースがナノファイバーであることで、高い機械強度を発現できるという特徴を有する。また、2液反応型の熱硬化性樹脂であるため、樹脂化反応前の状態は低粘度の液体であり、成形品製造用金型内での流動性に優れ、複雑な形状の樹脂成形品の製造が可能である。
本発明のポリウレタン樹脂製造用活性水素成分(J21)は分散安定性に優れ、分散物(セルロースナノファイバー)の沈降物が少ないという特徴がある。また、分散物(セルロースナノファイバー)が有機物で有るため、装置の摩滅等、製造装置に与える影響が少ない。
ポリウレタン樹脂(U)製造時には必要に応じて、(J21)、(C)以外に必要に応じて鎖伸長剤(D)、ウレタン化触媒(E)、整泡剤(F)、発泡剤(G)を併用しても良い。
鎖伸長剤(D)としては、通常ウレタン樹脂の製造に用いられる物質はすべて使用でき、例として、ポリウレタン樹脂製造用活性水素化合物(B21)で挙げたものと同様の化合物が挙げられる。
本発明におけるウレタン化触媒(E)としては、ウレタン化反応を促進する通常のウレタン化触媒はすべて使用でき、例として、ポリウレタン樹脂製造用活性水素化合物で挙げたトリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン及びN,N−ジメチルアミノプロピルアミンのPO付加物などの3級アミン並びにトリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン及びN,N−ジメチルアミノプロピルアミンのPO付加物などの3級アミンのカルボン酸塩、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、スタナスオクトエート等のカルボン酸金属塩、ジブチルチンジラウレート等の有機金属化合物が挙げられる。
本発明における整泡剤(F)としては、通常のポリウレタン樹脂の製造に用いられるものはすべて使用でき、例として、ジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、トーレダウコーニングシリコーン(株)製の「SRX−253」等]、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、モメンティブ(株)製の「L−5309」、東レ・ダウコーニング(株)製の「SF−2969」、「SRX−274C」、「SZ−1671」、ゴールドシュミットAG(株)製の「B−8462」、「B−8474」などが挙げられる。(F)の使用量は、(A)に対して、好ましくは7重量%以下、さらに好ましくは0.1〜6重量%、とくに好ましくは0.2〜5重量%である。
また、ポリウレタン樹脂(U)には各種の添加剤を含有させることができる。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)は、本発明の効果を阻害しない範囲で必要によりさらに添加剤(H)を含有することができる。(H)としては、脱水剤(H1)、滑剤(H2)、可塑剤(H3)、チクソ性付与剤(H4)、充填剤(H6)、紫外線吸収剤(H7)、老化防止剤(H8)、抗酸化剤(H9)、着色剤(H10)、難燃剤(H11)、防黴剤(H12)、抗菌剤(H13)、中空微小球(H14)、無機フィラー(H15)、分散材(沈降防止材)(H16)からなる群から選ばれる1種又は2種以上の添加剤が挙げられる。
脱水剤(H1)としては、酸化カルシウム、硫酸カルシウム(半水石膏)、塩化カルシウム、モレキュラーシーブ等;
滑剤(H2)としては、脂肪酸アルカノールアミド(オレイン酸モノエタノールアミド等)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸カルシウム等)、エチレンジアミンジステアリルアミド等;
可塑剤(H3)としては、フタル酸エステル(ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等)、アジピン酸エステル(ジオクチルアジペート等)、リン酸トリエステル(トリイソプロピルフェニルホスフェート等);
チクソ性付与剤(H4)としては、微粒子状シリカ(体積平均粒径100nm以下)、水添ヒマシ油、有機ベントナイト等;
充填剤(H6)としては、無機充填剤(炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、雲母、ミルドファイバー等)及び有機充填剤(熱硬化性樹脂の粉砕物等)等;
紫外線吸収剤(H7)としては、サリチレート(フェニルサリチレート等)、ベンゾフェノン(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等)、ベンゾトリアゾール[2−(2−ヒドロキシー5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]等;
老化防止剤(H8)としては、アミン(N−フェニル−α及びβ−ナフチルアミン等)、フェノール[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等]等;
抗酸化剤(H9)としては、フェノール(ハイドロキノン等)、含硫化合物(ジラウリルチオジプロピオネート等)、アミン(オクチル化ジフェニルアミン等)等;
着色剤(H10)としては、顔料[無機顔料(酸化チタン、酸化鉄等)、有機顔料(アゾレーキ系、モノアゾ系等)等]、染料(アゾ系、アントラキノン系等)等;
難燃剤(H11)としては、ハロゲン含有難燃剤(ヘキサクロロペンタジエン、ヘキサブロモジフェニル等)、窒素含有難燃剤(尿素化合物、グアニジン化合物等)、硫黄含有難燃剤(硫酸エステル、スルファミン酸等)、リン含有難燃剤(リン酸、ホスフェート等)等;
防黴剤(H12)としては、4−クロルフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール、3−ヨード−2−プロペニルブチルカーバメート等;
抗菌剤(H13)としては、抗菌性ゼオライト化合物、4級アンモニウム塩(ジデシルジメチルアンモニウムクロライド等)、有機ヨード系抗菌剤(4−クロルフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール、3−ヨード−2−プロペニルブチルカーバメート等)、有機窒素硫黄系抗菌剤(ベンゾチアゾール、2,4−チアゾリルベンズイミダゾール等)等;
中空微小球(H14)としては、熱可塑性樹脂(ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル等)、熱硬化性樹脂(フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂等)及び無機物(ガラス、アルミナ、シラス、カーボン等)からなる各中空微小球等;
無機フィラー(H15)としては、金属(アルミ等)粉、無機塩(炭酸カルシウム等)、タルク、グラスファイバー等が挙げられる。
分散材(沈降防止材)(H16)としては、イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、ポリカルボン酸のアンモニウム塩等が挙げられる。
本発明における発泡剤(G)としては、ポリイソシアネートと反応して二酸化炭素を発生する水、反応熱によって気化・体積膨張する低沸点炭化水素及び水素原子含有ハロゲン化炭化水素系発泡剤が挙げられる。低沸点炭化水素は、通常沸点が−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタン及びこれらの混合物が挙げられる。低沸点炭化水素を用いる場合の使用量は、(A)100部当たり、好ましくは30部以下、さらに好ましくは25部以下である。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素系発泡剤の具体例としてHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22及びHCFC−142b);HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、及びHFC−365mfc)等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、及びHFC−365mfc及びこれらの2種以上の混合物である。
本発明におけるセルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するポリウレタン樹脂(U)は、成形加工することができ、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するポリウレタン樹脂成形品となる。
本発明の製造法で得られたポリウレタン樹脂(U)はポリウレタン樹脂の用いられるあらゆる用途分野、例えば靴底、時計バンド、キャスター、ベルト、電線被覆材等の樹脂成形品、シートクッション、防音材、フィルター、マットレス、ソファー、断熱材、モデリング用合成木材などのウレタンフォーム、シーリング剤、塗料、接着剤等の用途分野に使用することができる。
ポリウレタン樹脂製造用活性水素化合物(J21)から得られるポリウレタン樹脂成形品としては、上記分野で使用される、フォーム、シート、フィルム、塗膜、樹脂成形品、繊維又は金属等との複合材料等が挙げられる。これらの中で、フォーム及び樹脂成形品が好ましい。
<セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するエポキシ樹脂の製造方法>
本発明において、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するエポキシ基含有化合物(J22)は、(J22)内に分散される(N)の合計重量%は好ましくは0.1〜50重量%、更に好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%である。(B)中の(N)の合計重量%が50%以下であると(B)の粘度が少なく取り扱いが容易である。また、(B)中の(N)の(合計)重量%が0.1%以上では、得られるエポキシ樹脂の線膨張係数を下げるので好ましい。
本発明の製造方法に用いる硬化剤としては、活性水素化合物(B21)として例示した同様のものおよび酸無水物が挙げられる。
酸無水物としては、ジカルボン酸無水物、トリカルボン酸無水物、テトラカルボン酸無水物が挙げられ、これらの混合物でもよい。
ジカルボン酸無水物としては、例えば、ドデセニル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸の水添物、オクテニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物の水添物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、1−イゾプロピル−4−メチルビシクロ(2,2,2)オクタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、1−イゾプロピル−4−メチルビシクロ(2,2,2)オクタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物の水添物等が挙げられる。
トリカルボン酸無水物としては、トリメリット酸無水物、トリメリット酸無水物の水添物等が挙げられる。
テトラカルボン酸無水物としては、ピロメリット酸、ピロメリット酸無水物の水添物、無水ナフタレンテトラカルボン酸無水物、テトラリン−ジ酸無水物、無水ナフタレン酸テトラカルボン酸の全水添物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物の水添物等が挙げられる。
これらのうち、好ましいのは、硬化収縮が少ないという観点から、ジカルボン酸無水物であり、さらに好ましいのは、ドデセニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、1−イゾプロピル−4−メチルビシクロ(2,2,2)オクタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、3又は4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3又は4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3又は4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸及び無水フタル酸の水添物からなる群から選ばれる1種以上のジカルボン酸無水物である。
硬化速度をさらに速めるために、触媒を添加してもよい。触媒としては好ましくは、アミン類、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。その内では3級アミン類がさらに好ましく、具体的にはN,N−ジメチルプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族3級アミン類、N−メチルピリジン 、N,N’−ジメチルピベラジン等の脂環族3級アミン類ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の芳香族3級アミン類等が挙げられる。
また、エポキシ樹脂には各種の添加剤を含有させることができる。
添加剤としては、本発明の効果を阻害しない範囲で必要によりポリウレタン樹脂(U)に用いたものと同様のものを使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂の製造法は通常の方法を用いることができる。
エポキシ樹脂は、エポキシ基含有化合物(J22)と硬化剤とを反応させて製造することができる。活性水素化合物(B21)のうち、樹脂物性の線膨張係数及びセルロースとの親和性の観点からビスフェノールA、ハロゲン化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ハロゲン化ビスフェノールF、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカテコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,5−ヒドロキシナフタリン等の多価フェノール、オキシ安息香酸の酸無水物、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸の酸無水物、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物が好ましい。
反応条件は特に制限されず、公知の条件が適用される。本発明の製造方法において、エポキシ樹脂の製造に際しての指数[(エポキシ基/活性水素原子含有基)の当量比×100]は、好ましくは70〜125、さらに好ましくは75〜120、特に好ましくは85〜115である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。部は重量部を示す。
実施例及び比較例における原料は次の通りである。
(1)セルロースファイバー(A1−1):平均繊維径約10μm(10000nm)、平均繊維長 約20μm(20000nm)のセルロース粉末[日本製紙ケミカル製W300G]
(2)樹脂前駆体(B2−1):平均官能基数3.0、数平均分子量5000、水酸基価34であるグリセリンのPO・EO付加物。ポリウレタン製造用活性水素化合物である。
樹脂前駆体(B2−2):エポキシ当量130、エポライト40E、協栄社化学(株)製。
(3)鎖伸長剤:ジエチレングリコール
(4)ウレタン化触媒:トリエチレンジアミンの33重量%ジプロピレングリコ−ル溶液〔三共エアプロ(株)製TEDA−L33〕
(5)整泡剤:ゴールドシュミットAG(株)製「B−8462]
(6)ポリイソシアネ−ト:イソシアネート基含有量17.1重量%のMDI系イソシアネートプレポリマー。〔三洋化成工業(株)製サンフォームNC−703〕
平均繊維径の測定は、セルロース繊維を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、画面のスケールから繊維の太さを測定することで行った。
<実施例1>
[セルロースナノファイバー(N−1)の調製]
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、セルロースファイバー(A1−1)15部を、反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度40℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして回転数1000rpmで10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、セルロースナノファイバー(N−1)を得た。セルロースナノファイバー(N−1)の平均繊維径は100nmであった。粗大粒子量は0%であった。
<実施例2>
[セルロースナノファイバーを含有したポリウレタン製造用活性水素化合物である樹脂前駆体(J2−1)の調製]
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、セルロースファイバー(A1−1)3部と樹脂前駆体(B2−1)97部を、反応容器に仕込み、攪拌しながら加熱し、系内温度40℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして回転数1000rpmで10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、セルロースナノファイバー(N−2)を含有したポリウレタン製造用活性水素化合物である樹脂前駆体(J21−1)を得た。得られた樹脂前駆体中(J21−1)に含まれるセルロースナノファイバーの平均繊維径は30nmであった。
<実施例3>
[セルロースナノファイバーを含有したポリウレタン製造用活性水素化合物である樹脂前駆体(J2−2)の調製]
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、セルロースファイバー(A1−1)5部と樹脂前駆体(B2−1)95部を、反応容器に仕込み、攪拌しながら加熱し、系内温度40℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして回転数1000rpmで10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、セルロースナノファイバー(N−3)を含有したポリウレタン製造用活性水素化合物(J21−2)を得た。(J21−2)に含まれるセルロースナノファイバーの平均繊維径は50nmであった。
<実施例4>
[セルロースナノファイバーを含有したポリウレタン製造用活性水素化合物である樹脂前駆体(J2−3の調製]
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、セルロースファイバー(A1−1)10部と樹脂前駆体(B2−1)90部を、反応容器に仕込み、攪拌しながら加熱し、系内温度40℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し5MPaにして回転数1000rpmで10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、セルロースナノファイバー(N−4)を含有したポリウレタン製造用活性水素化合物(J21−3)を得た。(J21−3)に含まれるセルロースナノファイバーの平均繊維径は60nmであった。
<実施例5>
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、セルロースファイバー(A1−1)3部と樹脂前駆体(B2−2)97部を、反応容器に仕込み、攪拌しながら加熱し、系内温度60℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し10MPaにして回転数1000rpmで10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、セルロースナノファイバー(N−5)を含有したエポキシ基含有化合物である樹脂前駆体(J2−1)を得た。得られた樹脂前駆体中(J22−1)に含まれるセルロースナノファイバーの平均繊維径は30nmであった。セロキサイド2021P(B22−1)(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、エポキシ当量134、(株)ダイセル社製)60部、樹脂前駆体(J2−2)40部、硬化剤としてHN―5500(3又は4−メチル−シクロヘキシルジカルボン酸無水物、分子量168、日立化成(株)社製)127部、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(東京化成工業(株)社製)10部をガラス製の容器にとり、室温で10分混合した。得られた混合液を100℃2時間、150℃2時間加熱することによりエポキシ樹脂を得た。得られた硬化物のセルロースナノファイバー濃度は0.4%、線膨張係数を測定したところ、90ppmであった。
<実施例6>
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、セルロースファイバー(A1−1)15部と樹脂前駆体(B2−2)85部を、反応容器に仕込み、攪拌しながら加熱し、系内温度60℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し10MPaにして回転数1000rpmで10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、セルロースナノファイバー(N−5)を含有したエポキシ基含有化合物である樹脂前駆体(J22−2)を得た。得られた樹脂前駆体中(J22−2)に含まれるセルロースナノファイバーの平均繊維径は30nmであった。セロキサイド2021P(エポキシ当量134、(株)ダイセル社製)60部、樹脂前駆体(J2−2)40部、HN―5500(分子量168、日立化成(株)社製)127部、2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール(東京化成工業(株)社製)10部をガラス製の容器にとり、室温で10分混合した。得られた混合液を100℃2時間、150℃2時間加熱することによりエポキシ樹脂硬化物を得た。得られた硬化物のセルロースナノファイバー濃度は、2%、線膨張係数を測定したところ、60ppmであった。
<比較例1〜3>
攪拌棒及び温度計を備えた容器に、セルロースファイバー(A1−1)と樹脂前駆体(B2−1)を、表1に記載した部数を仕込み、均一になるまで攪拌してポリウレタン樹脂製造用活性水素化合物である比較の樹脂前駆体(J’2−1)、(J’2−2)、(J’2−3)を得た。
<比較例4>
[セルロースファイバーを含有したエポキシ樹脂の調整]
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、セルロースファイバー(A1−1)3部と樹脂前駆体(B2−2)97部、セロキサイド2021P(エポキシ当量134、(株)ダイセル社製)60部、樹脂前駆体(J2−2)40部、HN―5500(分子量168、日立化成(株)社製)127部、2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール(東京化成工業(株)社製)10部をガラス製の容器にとり、室温で10分混合した。得られた混合液を100℃2時間、150℃2時間加熱することによりエポキシ樹脂硬化物を得た。得られた硬化物のセルロースファイバー濃度は、0.4%、線膨張係数を測定したところ、140ppmであった。
[ウレタン樹脂の作製]
ポリウレタン樹脂製造用活性水素化合物である樹脂前駆体(J2−1)、(J2−2)、(J2−3)及び比較の樹脂前駆体(J’2−1)、(J’2−2)、(J’2−3)を用いてウレタンフォームを作成し、フォーム物性を比較した。高速攪拌機を用いて、表1に示す重量部のポリオールプレミックスとイソシアネートを回転数3000rpmで30秒間混合し、70℃に温度調節した300mm×300mm×10mmの大きさの金属製密閉金型内に投入し、15分間硬化させた後に脱型し、ポリウレタンフォームを得た。得られたポリウレタンフォームについて、下記に示す測定方法でフォーム物性を測定した。測定結果を表1に示す。表1中の部は重量部を示す。
フォーム物性測定方法
C硬度:自動硬度計(高分子計器社製PX−100、加重1kgf)を用い、加重5分後の硬度を測定した。
弾性率:作成したウレタンフォームをスライサー(独FOTUNA社製AN400D)にて2mmの厚のシートにスライスした後、3号ダンベルにて厚さ2mm、中央部幅5mmのダンベル形状試験片を作成し、オートグラフ(株式会社島津製AGIS、解析ソフトTRAPESIUM2、延伸速度100mm/分)にて行った。
密度:弾性率測定サンプルを作成した2mm厚みのシートから、2cm×2cmの正方形シートを切り出し、水中置換法にて行った。
<線膨張係数の測定>
硬化物を25℃において(長さ)15mm×(巾)2mm×(厚さ)0. 04mmの大きさになる様に切り取った。切り取ったサンプルの長さと幅はノギスにて測定し、厚さは膜厚計にて測定し、それぞれ0.001mmの桁まで測定した。
セイコーインスツルメンツ社製のTMA/SS6100を使用して、測定サンプルに49mNの荷重をかけ、測定セル内を30℃で30分間保持した後、測定セル温度を30℃から230℃まで10℃/分で昇温した。ガラス転移温度Tg℃を読み取り、Tg℃における長さを(L1)[mm]、Tg+50℃における長さを(L2)[mm]とし、下式より線膨張係数を求めた。測定結果を表2に示す。表2中の部は重量部を示す。
線膨張係数(X)=((L2)−(L1))×106/[(L1)×50][ppm]
表1において、樹脂前駆体とセルロース濃度を合わせた場合の、ウレタンフォームの物性比較を行った。実施例2と比較例1、実施例3と比較例2、実施例4と比較例3の比較、である。
比較の結果、セルロースナノファイバーを含有した実施例2〜4のウレタン樹脂は、同程度の密度、同程度のセルロースを含有する比較例のウレタン樹脂と比較して、C硬度、弾性率が高くなっており、高強度である樹脂になることが判った。
また、表2において、実施例5、6のエポキシ樹脂硬化物の線膨張係数は、比較例4のエポキシ樹脂硬化物と比較して低くなっており、高強度の樹脂になることが判った。
本発明によれば、環境負荷が少なく、樹脂に添加することで高強度の物性を実現することのできる、産業上有用なセルロースナノファイバーを、短時間に、少ない動力で製造することができる。得られたセルロースナノファイバーは、樹脂を始め様々な媒体に分散させて物性の向上等に用いることができる。本発明のセルロースナノファイバー分散樹脂は、ウレタン樹脂が使用される、靴底、時計バンド、キャスター、ベルト、電線被覆材等の樹脂成形品、シートクッション、防音材、フィルター、マットレス、ソファー、断熱材、モデリング用合成木材、研磨剤などのウレタンフォーム、シーリング剤、塗料、接着剤等やエポキシ樹脂が使用される、粉体塗料、電子材料用絶縁材、半導体封止材等の用途に幅広く好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 圧縮性流体(F)とセルロースファイバー及び/又はセルロースファイバー誘導体(A)とを含有する混合物(X)を体積膨張させて、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を得る工程を有する、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバーの製造方法。
  2. 圧縮性流体(F)が、超臨界二酸化炭素、亜臨界二酸化炭素、又は液体二酸化炭素である請求項1に記載の製造方法。
  3. セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)の平均繊維径が1〜100nmである、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 圧縮性流体(F)とセルロースファイバー及び/又はセルロースファイバー誘導体(A)とさらに樹脂又は樹脂前駆体(B)を含有する混合物(X1)を体積膨張させて、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有する樹脂又は樹脂前駆体(J)を得る工程を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有する樹脂又は樹脂前駆体(J)が、樹脂又は樹脂前駆体(B)中にセルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)が分散してなるものである請求項4に記載の製造方法。
  6. 樹脂又は樹脂前駆体(B)がポリウレタン樹脂製造用活性水素化合物(B21)である請求項4又は5に記載の製造方法。
  7. 請求項6に記載の製造方法により得られた、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するポリウレタン樹脂製造用活性水素化合物(J21)とポリイソシアネート成分(C)とを反応させてポリウレタン樹脂を得る、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するポリウレタン樹脂(U)の製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法により得られた、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するポリウレタン樹脂(U)を成形加工する、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するポリウレタン樹脂成形品の製造方法。
  9. 樹脂又は樹脂前駆体(B)がエポキシ基含有化合物(B22)である請求項4又は5に記載の製造方法。
  10. 請求項9に記載の製造方法により得られた、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するエポキシ基含有化合物(J22)と硬化剤とを反応させて得られる、セルロースナノファイバー及び/又はセルロース誘導体ナノファイバー(N)を含有するエポキシ樹脂の製造方法。
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