JP2015000977A - カルボキシメチルセルロースナノファイバーとその製造方法、およびカルボキシメチルセルロースナノファイバーを用いた生体適用材料 - Google Patents

カルボキシメチルセルロースナノファイバーとその製造方法、およびカルボキシメチルセルロースナノファイバーを用いた生体適用材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 バイオマス原料であるカルボキシメチルセルロースを、酸を使用せずに、媒体として水を用いて効率的にナノファイバー化したカルボキシメチルセルロースナノファイバーを提供する。
【解決手段】 カルボキシメチルセルロースの分散流体が、100〜245MPaの高圧噴射処理により解繊されてナノファイバーとされ、ペースト、ゲル、スラリー、分散液、懸濁液、フィルム、シートまたは多孔質体の形態となっているので、生体適用材料として好適である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カルボキシメチルセルロースナノファイバーとその製造方法、およびカルボキシメチルセルロースナノファイバーを用いた生体適用材料に関する。
セルロースは地球上のバイオマスの大部分をしめ、その有効利用が期待されている。しかし、これらの生体高分子は強固な結晶構造を形成しているために微細化が困難であり、その利用が滞っている。バイオマス由来の複合材料(グリーンコンポジット)や医療分野における生体適合材料の開発を目的として、ナノレベルで均一に微細化(ナノファイバー化)されたセルロースを得るための研究が活発に行われている。
従来、セルロース、キチン、キトサン又はこれらの誘導体等の多糖類を、ウォータージェットを用いて粉砕分散させる湿式粉砕方法が文献公知となっている(特許文献1)。また、バイオマスの分散流体を100〜245MPaで高圧噴射して衝突用硬質体に衝突させることで、バイオナノファイバーを製造する方法が開示されている(特許文献2)。そして、クラフトパルプまたはサルファイトパルプから選択されるセルロース系原料を酸化物イオン濃度が0.75〜3.75mol/Lの水中で処理して、得たセルロース系原料を、(a1)N−オキシル化合物、および(a2)臭化物、ヨウ化物もしくはこれらの混合物からなる群から選択される化合物の存在下で、(a3)酸化剤を用いて酸化し、ならびに、酸化されたセルロース系原料を含む分散液を調製し、当該酸化セルロース系原料を解繊して分散媒中に分散し、ナノファイバー化することで、セルロースナノファイバーを製造する方法が開示されている(特許文献3)。また、公知公用技術としては、溶媒法によりエーテル化が終了した反応生成物を、せん断力の掛かる装置で混練し、混練後の反応生成物中の残留溶媒量中に占める水の割合を80〜98重量%にした後、乾燥,粉砕,分級してカルボキシメチルセルロースを製造する方法が知られている(特許文献4)。
特開2005−270891号公報 特開2011−056456号公報 特開2012−207135号公報(特許第5179616号) 特開平6−206901号公報(特許第2617410号)
しかしながら、特許文献1記載のウォータージェットを用いる方法では、粉砕力が弱いことから微細化が不十分である。また、特許文献2記載のパルプやキチン・キトサン等を原料とした場合、生体適応性の観点から化粧品や食料品への適用がし難い。特許文献3記載の酸処理を行った場合においても同様に工業製品以外の分野で利用することが敬遠される。別の視点では、セルロースやキチン・キトサンなどのバイオマスを産業資源として利用するために、強酸・超臨界法・メカノケミカル法およびイオン液体等を用いた前処理が検討されているが、廃液等による環境高負荷・高コスト・生産効率などの問題で実用化が滞っている。
特許文献4記載のカルボキシメチルセルロースを製造する方法の場合、官能基が水分を保持することで弱く固まり、強度が上がる可能性はあるものの、凝集している状態に近いため、ナノファイバー化する等、繊維状にした場合と比較すると外部要因によって強度が変化してしまう。
バイオマス、特にセルロースは、その強固な結晶構造のための有効利用が滞っていた。これらの有効利用には、生体高分子であるセルロースの高効率かつ連続的な高圧噴射処理方法の開発が必須である。また、ナノファイバー化したとしても、透明性を保つには、条件検討などが必要である。
上述の課題に鑑みて、本発明の目的は、バイオマス原料であるカルボキシメチルセルロースを効率的にナノファイバー化したカルボキシメチルセルロースナノファイバーを提供することを目的とする。
本発明のカルボキシメチルセルロースナノファイバーは、カルボキシメチルセルロースの分散流体が、100〜245MPaの高圧噴射処理により解繊されたナノファイバーであって、ペースト、ゲル、スラリー、分散液、懸濁液またはエマルジョンのうち、いずれか1つの形態となっていることを特徴とする。
本発明によれば、酸を使用せずに、溶媒として水を用いて100〜245MPaの高圧噴射処理を行うことで、高い粉砕力によって十分に微細化されたカルボキシメチルセルロースナノファイバーを得ているので、生体適応性も優れたものとなる。
本発明のカルボキシメチルセルロースナノファイバーは、カルボキシメチルセルロースの分散流体が、100〜245MPaの高圧噴射処理により解繊されてナノファイバー化した後、フィルム、シートまたは多孔質体のうち、いずれか1つの形態となっていることを特徴とする。
本発明によれば、酸を使用せずに、溶媒として水を用いて100〜245MPaの高圧噴射処理を行うことで、カルボキシメチルセルロースナノファイバーを得ているので、高い粉砕力によって十分な微細化ができ、乾燥させることで、生体適応性に優れたフィルム、シートまたは多孔質体となる。
本発明のカルボキシメチルセルロースナノファイバーの製造方法は、カルボキシメチルセルロースの分散流体を、100〜245MPaで高圧噴射して衝突用硬質体に衝突させ解繊してナノファイバーとすることを特徴とする。
本発明によれば、酸を使用せずに、媒体を用いて100〜245MPaで高圧噴射して衝突用硬質体に衝突させることで、高い粉砕力によって十分な微細化ができ、生体適応性も優れたカルボキシメチルセルロースナノファイバーを得ることができる。
本発明は、カルボキシメチルセルロースの分散流体は、溶媒が水であり、前記溶媒に対するカルボキシメチルセルロースの割合を1〜20重量%として、噴射チャンバーと高圧噴射処理装置を組み合わせて高圧噴射することで、前記ナノファイバーの短径を10〜100nmに微細化することを特徴とする。本発明は、前記ナノファイバーの短径を10〜40nmに微細化することが好ましい。
本発明によれば、前記ナノファイバーを効果的かつ効率的に微細化することが容易となる。
これら本発明に係るカルボキシメチルセルロースナノファイバーは、生体適用材料として好適なものとなる。
本発明によれば、酸を使用せずに、溶媒として水を用いて100〜245MPaの高圧噴射処理を行うことで、高い粉砕力によって十分な微細化ができ、生体適応性も優れたカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと表記する)ナノファイバーを得ることができ、その結果、高強度かつ低熱膨張などの優れた特性を利用した各種樹脂の補強剤としてグリーンコンポジットの開発が可能になる。
また、本発明によれば、バイオマスを使った材料だけでなく、バイオマス原料を部分的に化学修飾したセルロース原料を使用することで、透明性を向上させることができる。そのため、補強材や光学特性を生かした機能性樹脂・繊維への強度補強などへの応用や化粧品・食品などの応用が期待できる。そして、透明性を持たせるために化学処理をしている2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシルラジカル(TEMPO)とは異なり、食品添加物としてすでに利用されているCMCを用いているので、工業製品以外の分野、例えば、化粧品や食料品等への適用に影響が少ない。
そして、本発明によれば、酸、触媒、有害な薬品等を一切使用せず、溶媒として水のみを用いているので、環境負荷がない状態でバイオマスの分解およびナノファイバーの生成を行うことができる。さらには、透明性の高いナノファイバーを製造することは、通常のナノファイバーの特長に加えて光学的な特性を付加することやその抗菌性・創傷治癒性・生分解性などの優れた特性を利用した医療分野における生体適合材料の開発も可能になる。
本発明により得られたCMCナノファイバーを示す電界放射型走査電子顕微鏡像である。 本発明に係るCMCナノファイバーからなる薄膜フィルムの外観を示す図である。 セルロースナノファイバーの透過率を比較して示すグラフ図であり、左側のグラフは本発明により得られたCMCナノファイバーの透過率データであり、右側のグラフは既知のセルロースナノファイバーの透過率データである。 セルロースナノファイバーの外観を比較して示す図であり、図4(a)は本発明により得られたCMCナノファイバーの外観を示す図であり、図4(b)は既知のセルロースナノファイバーの外観を示す図である。 本発明にて使用される高圧噴射処理装置のチャンバーの概略構成を示す模式図である。
本発明を実施するための形態を以下に説明する。
本発明において、バイオマス原料とは、生物由来の高分子で、水に可溶性の高分子を化学修飾している原料を意味し、具体的にはCMCである。本発明に係る高圧噴射装置でCMCを高圧噴射処理すると、セルロースは繊維の長さを保ったまま繊維同士の絡まりがほどけて細くなる。そして、前記高圧噴射装置の噴射圧力や処理回数などの処理条件を変えることで、繊維の切断もしくは分子量を低下させることが可能である。
本発明において、ナノファイバーとは、繊維径(幅)がナノサイズになったものを意味する。例えば、セルロースは、本発明の方法の実施により繊維同士がほどけて1本の最小単位の繊維になると、その繊維径(直径)は10〜50nm程度となる。前記CMCナノファイバーの繊維径(幅)は、電子顕微鏡像(写真)に基づいて測定することができる。
本発明のCMCナノファイバーの平均繊維径(短径)は、10〜100nm程度、好ましくは10〜50nm程度、より好ましくは10〜40nm程度、さらに好ましくは15〜25nm程度、最も好ましくは20nm程度である。本発明のCMCナノファイバーは、繊維長/繊維幅(アスペクト比)が大きいため、強度を保ちつつ、不織布のようにCMCナノファイバーが絡み合ったフィルム状やシート状に形成することが容易であり、生体適用材料として好適である。前記生体適用材料としては、例えば人工皮膚や義指が挙げられる。
本発明のCMCナノファイバーは、その繊維径が100nm以下、より好ましくは80nm以下、さらに好ましくは60nm以下、特に40nm以下である。本発明では繊維径が非常に細いため、水に分散させた場合に透明な溶液に近い外観を有し、水中にCMCナノファイバーが分散していることは肉眼的には認められず、透明な分散液を得ることもできる。前記高圧噴射装置の処理回数を適宜調節することで透明なゲル状態にすることもできる。前記高圧噴射装置を用いて100〜245MPaの高圧噴射処理を施すと、セルロースでも同じようなペースト(ゲル状)のものが得られる。こうして得られたCMCナノファイバーは透明もしくは半透明なフィルムを得ることができる。本発明の製造方法によって得られたCMCナノファイバーフィルムは、有機EL、液晶などのディスプレイの透明基板、濾過材、包装材などとして使用することができる。
セルロースは、水や有機溶媒に安定で、加工も難しい材料であったが、本発明によって、CMCを原料としたバイオマスナノファイバーを製造することができる。つまり、水難溶性のセルロースに化学修飾を施した原料を分散流体とし、高圧噴射処理によりCMCナノファイバーを生成することができる。分散流体中のCMCの濃度は、例えば1〜20重量%程度、好ましくは1〜10重量%程度、より好ましくは1〜5重量%程度である。
本発明において、分散流体とは、CMCを水に分散したものであり、濃度が薄い場合には、流動性の分散液になるが、CMCが微細化するにしたがって粘性は高くなり、濃度が高くなるとペーストに近い性状となる。バイオマスナノファイバーの分散流体の濃度は、高濃度ほど処理効率が高まるため、好ましいが、粘度が高くなりすぎてペースト状になると高圧噴射が困難になる。よって、水に対するCMCの割合を1〜20重量%として、噴射チャンバーと高圧噴射処理装置を組み合わせて高圧噴射することが好ましい。
本発明によれば、CMCナノファイバーの生成において、化学修飾の程度によって適用できるアプリケーションに応じた性状のCMCナノファイバーを提供することができる。具体的にはエーテル化度、置換度、置換モル数などで示されるものである。
本発明では、例えば、CMCナノファイバーの生成において、エーテル化度を調整することによって、適用できるアプリケーションに応じた性状のCMCナノファイバーを提供することができる。ここで、エーテル化とは、非晶性物質の一部もしくは全ての水酸基をエーテル結合させる、または、CMCナノファイバーの表面の一部もしくはすべての水酸基をエーテル結合によって封鎖し、エーテルに変換させるといった反応を意味する。エーテルは、適宜選択することができ、例えば、炭素数1から10までのエーテルを選択することができ、具体的には、メチルエーテル、エチルエーテル、ブチルエーテル、プロピルエーテルが挙げられる。なお、エーテルは1種のみであってもよく、2種以上含まれていてもよい。
前記エーテル化度を調整するためのエーテル化剤としては、任意の適切なエーテル化剤を用いることができ、例えば、炭素数1〜10のクロライドまたはブロマイドを用いることができ、具体的にはメチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、エチルブロマイド、プロピルクロライド、プロピルブロマイドが挙げられる。
前記エーテル化度が高い場合には、CMCナノファイバーが可溶であるため、ファイバー形状または構造の複雑性を薄くすることができる。また、前記エーテル化度が低い場合には、CMCナノファイバーが可溶ではないため、ファイバー形状、または構造の複雑性を残したままに維持することができる。
図5は、本発明にて使用される高圧噴射処理装置のチャンバー10の概略構成を示す模式図である。図5に基づいて、本発明におけるCMCナノファイバーの製造方法の詳細を以下に説明する。本発明では、出願人である株式会社スギノマシンが開発したウォータージェットを用いた高圧噴射処理装置を用いて、CMCを含む分散流体をノズルより高圧噴射することによって、CMCナノファイバーを生成する。高圧噴射の圧力は、100〜245MPa程度である。噴射速度は、440〜700m/s程度である。
図5に示す構成例では、高圧噴射処理は、CMC分散液加圧部11と、CMC分散液加圧部11の下流側に設けられたオリフィスノズル12と、オリフィスノズル12の下流側に設けられた衝撃増強領域14と、衝突増強領域14の下流側に設けられた衝突用硬質体15と、回収用流路16と、が備わった高圧噴射装置を用いて行われる。
例えば、CMC分散液加圧部11にて100〜245MPaに加圧されたセルロース分散液が貫通孔13を通って衝撃増強領域14側に噴射される(図5)。貫通孔13の直径としては、0.1〜0.8mmが好ましい。貫通孔13、衝撃増強領域14および衝突用硬質体15は、略同一直線状に配置されており、貫通孔13から噴射されたCMC分散液が、衝突増強領域14を通って衝突用硬質体15に衝突する構成である(図5)。そして、オリフィスノズル12から噴射された後に吐出流は440〜700m/sの高速噴流となり、高いせん断力が発生する。ここで使用するオリフィスノズル12の厚みは例えば0.4mmと極端に薄いため、圧力エネルギーのほぼ100%を噴射の速度エネルギーに変換できる。すなわち、オリフィス内部では、0.1〜0.8mmという隙間と、440〜700m/sの超高速の状態となり、高いせん断力を得るための条件が整う。また、440〜700m/sの高速噴流ではキャビテーション気泡が発生し、このキャビテーション気泡が破裂することで強い衝撃力が発生する。さらに、オリフィスノズル12の下流に衝突増強領域14を設けることで、キャビテーション気泡を効果的に発生させることができる(図5)。衝突力増強領域14の長さLは、0.01〜200mmの範囲内であり、より好ましくは2〜60mmの範囲内である。衝突用硬質体15の材質としては、CMC分散液衝突時の衝撃に耐え得るものであれば特に限定されず、例えば、セラミック等が挙げられる。
上記のような高圧噴射処理装置の好適な実用機としては、例えば、株式会社スギノマシン製の「スターバースト(登録商標)」が挙げられる。
上述の高圧噴射装置(株式会社スギノマシン製スターバースト)を用いたCMCナノファイバーの製造方法としては、具体的には、CMC分散液を100〜245MPaに加圧し、オリフィスノズル12から噴射して衝突用硬質体15に衝突させる高圧噴射処理を少なくとも1回実施し、好ましくは複数回実施することにより製造する。1回目の高圧噴射処理で衝突用硬質体15に衝突させたCMC分散液は、回収用流路16から回収する。高圧噴射処理を2回以上行う場合、回収したCMC分散液を再度加圧し、オリフィスノズル12より衝突用硬質体15に向けて高圧噴射する操作を、繊維径の微細化に必要な回数繰り返す(図5)。
本実施形態によれば、CMCは、衝突用硬質体15に衝突することで、繊維の絡まりが解け、繊維径が縮小し、ナノサイズに微細化していく。衝突用硬質体15としては、ボール状、平板状などの形状が挙げられる。
本実施形態によれば、CMCは、繊維径(幅)を細くすることで、繊維同士が高密度に絡まり、強度を増加する効果が期待できる。また、繊維の空隙を増加させることで、断熱材やろ過剤としての機能を高めることができる。本発明のCMCナノファイバーを、化粧品素材として用いると、非常になめらかな感触であって、保湿作用、スキンケア作用、抗菌作用、新陳代謝の促進作用などが期待できる。
本発明のCMCナノファイバーは、ペースト、ゲル、スラリー、フィルム、シート、多孔質体、分散液、懸濁液またはエマルジョンとして、各種素材に活用することができる。ペースト、ゲル、スラリー、分散液、懸濁液またはエマルジョン等の場合には、水等で希釈等を行うことによって生成することができ、フィルム、シート等の場合には、乾燥工程を追加することで生成することができ、多孔質体の場合には、プレス等の工程を追加することで生成することができる。
本発明のCMCナノファイバーの応用例としては、UVケア化粧品、透明フィルム、紙、医薬品、樹脂等のアプリケーションなどがある。以下において、応用例の詳細を説明する。
本発明のCMCナノファイバーは、可視光は通すが紫外線を通さない性質を有しているため、UVケア化粧品として有用である。本発明のCMCナノファイバーは、保湿作用も有しているため、化粧品に配合することやフィルム、シートとして肌に適用することができる。本発明のCMCナノファイバーは、様々な材料に対し高機能化を達成することができる。また、本発明のCMCナノファイバーは、透明性を有しているとともに、ナノファイバー形状を保持している。可視光においては、その波長400〜800nmの1/10以下の大きさの物体は、材料に混合しても散乱を生じない。よって、本発明のCMCナノファイバーを透明樹脂中に均一分散することで、樹脂の透明性を保ったまま耐熱性や強度特性を改善することが可能である。例えば、本発明のCMCナノファイバーをプラスチック、透明樹脂などに混ぜることで、バンパー、フロントガラスなどの補強と軽量化の両方の効果が得られる。
本発明のCMCナノファイバーを用いてできる透明フィルムは、透明な紙としても利用することができる。フィルムや紙の透明化には多大な労力が必要とされるが、本発明のCMCナノファイバーは、アスペクト比が大きく、かつ、繊維同士の絡まりを大きくできるので、従来のナノファイバーよりも透明な紙を容易に作ることができる。
従来、封筒の窓材には透明樹脂フィルムが使用されてきたが、樹脂フィルムは禁忌品としてリサイクルを妨げるため、最近ではグラシン紙や水性ワックスを含浸した塗工紙など、リサイクル可能な紙素材に移行しつつある。このような動きは封筒窓材だけでなく、各種包装材料分野においても同様であり、従来の透明フィルムをリサイクル可能な紙素材に置き換えるべく、透明紙に注目が集まっている。本発明のCMCナノファイバーフィルムは、バイオマス由来であるので、リサイクル可能な封筒窓材、塗工紙、上質紙、各種包装材料として使用することができる。
化学修飾したセルロースは、医薬品製造や食品添加物として既に使用されており、生体適用材料にも配合される。本発明のCMCナノファイバーの応用例は、医薬品としては、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、硬膏剤、エアゾール剤、液剤、エキス剤、眼軟膏剤、点眼剤、経皮吸収型製剤、創傷被覆剤、懸濁剤などが挙げられ、化粧品としては、ファンデーション、口紅、化粧水、乳液、クリームなどが挙げられ、スキンケア、保湿などの用途に好適に使用できる。
本発明のCMCナノファイバーは、キャスト法によってフィルム又はシートを作成することができる。本発明で高圧噴射する分散流体は、CMCを水のみに分散させてもよいが、リン酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸などの酸を少量加えてもよく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリを少量加えてもよい。特にバイオマスの分解に関しては、少量の酸又はアルカリの添加によりその効率を高めることができる。
本発明のCMCナノファイバーの光学特性を活かして、化粧品(サンスクリーン剤)や液晶基板、さらにセルロース繊維間に生じたナノオーダーの空隙を生かしたフィルターを製造することができる。特にセルロースの水酸基を様々な官能基に置換することで、異なる特性と機能をもった分離・濾過材を製造することができる。本発明のCMCナノファイバーの繊維径(幅)を制御することで、空隙の大きさを変えることもできる。
本発明のCMCナノファイバーを、酸素非存在下(窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下)で高温処理することで炭化させることができる。すなわち、バイオマス由来のナノ炭素繊維を製造することができる。ナノレベルの小さな孔を大量に含む多孔質炭素は、脱臭剤や脱色剤、あるいは水浄化用のフィルターとして利用されており、本発明のCMCナノファイバーを炭化させてできるバイオナノ炭素繊維もそのような分野へ利用することができる。また、多孔質炭素はその小さな孔(細孔)に臭いや汚れの分子を捕らえるだけでなく、電気の力を借りればイオン(電荷を帯びた原子や分子)も捕捉することができる。捕捉した電荷は取り出すこともできるので、これを利用して大容量のキャパシタ(コンデンサ)とすることが可能である。キャパシタは、燃料電池自動車の補助電源や夜間の余った電力を蓄える電力貯蔵庫としても使えるので、近年、非常に注目されている。電気二重層キャパシタの静電容量は電気二重層に蓄えられる電荷量により決定されることから、電極の表面積が大きいほど大きな静電容量を得ることができる。このため、高い導電性と比表面積を有する活性炭が電極材料として用いられている。本発明のCMCナノファイバーを炭化させてできるバイオナノ炭素繊維は高比表面積を有し、細孔がナノレベルで制御されたメソポーラス活性炭であることから、電気二重層キャパシタなどの静電容量を飛躍的に高める電極材料として使用することができる。
本発明の実施例を以下に説明する。
(実施例1)
図5は、本発明で使用する高圧噴射装置の一例を示し、微細化用シングル噴射チャンバーを用いた微細化方法に関する図である。
まず、水にCMCを混合したスラリー状の流体を100〜245MPaの超高圧に加圧し、小径のオリフィスノズル(φ0.1〜0.8mm)から高圧で噴射し、ナノファイバーを得る。
オリフィスノズルからの吐出流は440〜700m/sの高速噴流となるが、その速度までに加速されるオリフィス内では、高い剪断力が発生する。ここで使用するオリフィスノズルの厚みは0.4mmと極端に薄いため、圧力エネルギーのほぼ100%を噴射の速度エネルギーに変換できる。すなわち、オリフィス内部では、0.1〜0.8mmという狭い隙間と、440〜700m/sの超高速の状態となり、高い剪断力を得るための条件が満たされている。
[剪断力]=[スラリーの粘度]×[速度]/[隙間]
スラリーの粘度については、本処理回路(高圧噴射装置)の各部を改善したことで、より高濃度すなわち高粘度のスラリーを処理することができるようになり、スラリー自身の剪断力(ずり応力)を高める要因にもなっている。
440〜700m/sの高速噴流(高圧噴射状態)ではキャビテーション気泡が発生し、この気泡が消滅することによって強い衝撃力が発生する。オリフィスノズルの下流に「衝撃増強領域」を設けることで、キャビテーションを効率的に発生させることができる。
また、構造上の高速噴流受けとして、ボール状または平板状のセラミック硬質体を具える。結晶化度をより低下させるためには、噴射圧力を高くし噴流の速度の速い領域を用い、この硬質体への衝突力も粉砕に利用する(図5を参照)。
(実施例2)
実施例1にてナノファイバー処理したCMC分散液をt-ブタノールで置換し、凍結乾燥させた。乾燥させた試料に白金とパラジウムの混合物の蒸着を約3nmの膜厚で行った。JEOL社のJSM-6700を用いて加速電圧2.0kVの条件で電子顕微鏡観察を行った。本発明のウォータージェット処理によりナノファイバー化されたCMCナノファイバーのFE−SEM像を図2に示す。本発明によれば、酸を使用せずに、媒体として水を用いて100〜245MPaの高圧噴射処理を行うことで、CMCナノファイバーを得ているので、繊維本来の形状が細部まで維持された状態で微細化されていることが判る。
(実施例3)
実施例1にてナノファイバー処理したCMC分散液を、CMCナノファイバーのフィルム化を行った。シングル噴射チャンバーを用いて微細化されたナノファイバーをシャーレに流し入れ(キャスト)、乾燥させるとCMCナノファイバーのフィルムが得られる。フィルム化の方法に特に制限はなく、フィルム作製に一般的に用いられているフィルムアプリケーターや吸引濾過などの操作後に乾燥させることでフィルムを作製することができる。乾燥は、加熱あるいは常温乾燥により行うことができる。
本発明のCMCナノファイバーからなるフィルムの透明度は微細(ナノファイバー)化の度合いに応じて調節することができる。可視光波長(400〜800nm)に対して1/10以下の大きさの物体は光の散乱を生じないという物理的原理に従って、20nmの均一幅で微細化されたCMCナノファイバーフィルムは非常に高い透明性を示す。図2は、上記本発明の方法により作製したCMCナノファイバーフィルムである。CMCナノファイバーフィルムは、背景と同色で見えるので透明であり、本発明の特長である透明性を損なうことなく、フィルム化ができる。加えて本発明のCMCナノファイバーからなるフィルムの透明度合いを確認した。透明度は、分光光度計(商品名「UV-2450」、株式会社島津製作所製)を用いて、測定することができる。図3は、本発明のCMCナノファイバーフィルムと既存のセルロースナノファイバーフィルムの透過率を600nmで測定した透過率比較グラフ図である。図3に示すとおり、既存のセルロースナノファイバーの透過率が22.2%であるのに対し、本発明のCMCナノファイバーは、72.7%と良好な透明性を示している。
図4は、セルロースナノファイバーの外観を比較して示す図であり、図4(a)は、本発明により得られたCMCナノファイバーの外観を示す図であり、図4(b)は、既知のセルロースナノファイバーの外観を示す図である。図4(a)から明らかなように、本発明のCMCナノファイバーは、良好な透明性を有している。
本発明のCMCナノファイバーは、繊維径が非常に細いことと化学修飾により水に分散させた場合に透明な溶液に近い外観を有し、水の中にナノファイバーが分散していることは肉眼的には認められない。(図4(a))。これに対して、既知のセルロースナノファイバーは、水に分散させた場合に白濁している(図4(b))。
本発明によって得られたCMCナノファイバーは、水を加えて希釈してもダマのような凝集が生じないためにより簡単に使用濃度の管理が可能である。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。本発明のCMCナノファイバーは、適宜、水性媒体(水溶液)で希釈され塗工されて、電子部品の包装材料、透明フィルム、タッチパネルや、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、液晶ディスプレイ等の画像パネル、太陽電池パネルなど、高い透明性が求められる透明膜を形成することができる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
1 本発明のCMCナノファイバー
10 本発明にて使用される高圧噴射処理装置のチャンバー
11 加圧部、
12 ノズル(オリフィスノズル)、
13 貫通孔、
14 衝撃増強領域、
15 衝突用硬質体

Claims (7)

  1. カルボキシメチルセルロースの分散流体が、100〜245MPaの高圧噴射処理により解繊されたナノファイバーであって、ペースト、ゲル、スラリー、分散液、懸濁液またはエマルジョンのうち、いずれか1つの形態となっていることを特徴とするカルボキシメチルセルロースナノファイバー。
  2. カルボキシメチルセルロースの分散流体が、100〜245MPaの高圧噴射処理により解繊されてナノファイバー化した後、フィルム、シートまたは多孔質体のうち、いずれか1つの形態となっていることを特徴とするカルボキシメチルセルロースナノファイバー。
  3. カルボキシメチルセルロースの分散流体を、100〜245MPaで高圧噴射して衝突用硬質体に衝突させ解繊してナノファイバーとすることを特徴とするカルボキシメチルセルロースナノファイバーの製造方法。
  4. カルボキシメチルセルロースの分散流体は、溶媒が水であり、前記溶媒に対するカルボキシメチルセルロースの割合を1〜20重量%として、噴射チャンバーと高圧噴射処理装置を組み合わせて高圧噴射することで、前記ナノファイバーの短径を10〜100nmに微細化することを特徴とする請求項3記載のカルボキシメチルセルロースナノファイバーの製造方法。
  5. 前記カルボキシメチルセルロースナノファイバーの短径を10〜40nmに微細化することを特徴とする請求項4記載のカルボキシメチルセルロースナノファイバーの製造方法。
  6. 請求項3から5のいずれか一項記載のカルボキシメチルセルロースナノファイバーの製造方法によって製造されたカルボキシメチルセルロースナノファイバー。
  7. 請求項1、2または6記載のカルボキシメチルセルロースナノファイバーを用いた生体適用材料。
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