JP2017036235A - ナノ薄膜転写シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた生体親和性を確保しつつ、ナノ薄膜層を容易に被着体へ転写できるナノ薄膜転写シートを提供する。【解決手段】浸透性基材2aと、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3と、浸透性基材2bとがこの順に積層されてなり、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3が、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有し、浸透性基材2a,2bが、溶媒を浸透又は透過させることが可能な基材である、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シート1。【選択図】図1

Description

本発明は、ナノ薄膜転写シート及びその製造方法に関する。
近年、ナノ薄膜層を臓器、皮膚等に貼付するためのナノ薄膜転写シートが注目されている。例えば、創傷被覆材として、皮膚表面や臓器創面に対して貼付する医療用のナノ薄膜転写シートが提案されている(例えば下記非特許文献1参照)。
T.Fujie et al.,Adv.Funct.Mater.,2009年,19巻,2560−2568頁
従来のナノ薄膜転写シートでは、臓器、皮膚等の被着体への貼付の際、ナノ薄膜層が収縮することでシワ、破損又は脱落が発生し、均一な貼り付けが困難である場合があった。そこで、ナノ薄膜層及び溶解性支持層を浸透性基材とカバーフィルムとにより挟んでおき、貼付時にカバーフィルムのみを剥離して、浸透性基材、溶解性支持層及びナノ薄膜層を含む積層体を被着体へ貼付するナノ薄膜転写シートが検討されている。しかしながら、溶解性支持層を備えたナノ薄膜転写シートでは、使用に際して最終的な溶解性支持層の除去が課題となっていた。
さらに、臓器、皮膚等への貼付を考慮すると、より高い生体親和性が求められる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、優れた生体親和性を確保しつつ、ナノ薄膜層を容易に被着体へ転写できるナノ薄膜転写シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るナノ薄膜転写シートは、第1の浸透性基材と、ナノ薄膜層と、第2の浸透性基材とがこの順に積層されてなり、ナノ薄膜層が、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有し、第1の浸透性基材及び第2の浸透性基材が、溶媒を浸透又は透過させることが可能な基材であることを特徴とする。
本発明に係るナノ薄膜転写シートによれば、カルボキシメチルセルロース及び/又はその誘導体を用いることにより、優れた生体親和性を確保することができる。本発明に係るナノ薄膜転写シートによれば、ナノ薄膜層を容易に被着体へ転写できる。また、本発明に係るナノ薄膜転写シートでは、ナノ薄膜層を簡便に作製できる。
また、溶媒は、ナノ薄膜層を第1の浸透性基材又は第2の浸透性基材に支持させる溶解性支持層を溶解させるものであることが好ましい。すなわち、このナノ薄膜転写シートでは、浸透性基材が、溶解性支持層を溶解させる溶媒を浸透又は透過させることが可能な基材であることが好ましい。浸透性基材に溶媒を浸透又は透過させることによって、ナノ薄膜層を浸透性基材に支持させる溶解性支持層を予め除去できる。したがって、使用に際して最終的な溶解性支持層の除去を要さずに更に容易にナノ薄膜層を被着体へ転写できる。
また、第1の浸透性基材及び第2の浸透性基材におけるナノ薄膜層との密着強度は、互いに異なることが好ましい。この場合、ナノ薄膜層を転写するにあたって一方の浸透性基材を、ナノ薄膜層に損傷を与えることなく容易に剥離することができる。
さらに、第1の浸透性基材及び第2の浸透性基材のいずれか一方とナノ薄膜層との密着強度は、ナノ薄膜層を被着体に貼合した際のナノ薄膜層と被着体との密着強度より弱いことが好ましい。この場合、ナノ薄膜層を更に容易に被着体に転写することができる。
第1の浸透性基材及び第2の浸透性基材は、メッシュシート、不織布シート、及び、多孔質構造を有するシートのいずれかであることが好ましい。この場合、溶解性支持層を溶解させる溶媒をより確実に浸透又は透過させることができる。
第1の浸透性基材及び第2の浸透性基材は、いずれもメッシュシートであることが好ましい。この場合、溶解性支持層を溶解させる溶媒をより確実に浸透又は透過させることができる。
第1の浸透性基材と第2の浸透性基材におけるナノ薄膜層との接触面積は、互いに異なることが好ましい。この場合、第1の浸透性基材と第2の浸透性基材とでナノ薄膜層への密着の程度が異なり易いため、ナノ薄膜層との接触面積が小さい方の浸透性基材のみを容易にナノ薄膜層から剥離できる。
本発明に係るナノ薄膜転写シートは、第1の浸透性基材及び第2の浸透性基材のいずれか一方に代えてカバーフィルムを備えることができる。この場合、カバーフィルムにより適切にナノ薄膜層を保護できる。
ナノ薄膜層の厚さは、1〜500nmであることが好ましい。
ナノ薄膜層は、皮膚貼付用及び/又は化粧用として好適である。
また、本発明に係るナノ薄膜転写シートの製造方法は、第1の浸透性基材と、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有するナノ薄膜層と、第2の浸透性基材とがこの順に積層されてなるナノ薄膜転写シートの製造方法であって、第1の浸透性基材と第2の浸透性基材との間に溶解性支持層及びナノ薄膜層を備える積層体を形成する積層体形成工程と、溶解性支持層を溶解させる溶媒を第1の浸透性基材及び第2の浸透性基材に浸透又は透過させることで、積層体における溶解性支持層を溶解させて除去する溶解除去工程と、を備えることを特徴とする。
このナノ薄膜転写シートの製造方法では、第1の浸透性基材と第2の浸透性基材との間に溶解性支持層及びナノ薄膜層を積層して積層体を形成した後、溶解性支持層を溶解させる溶媒を第1の浸透性基材及び第2の浸透性基材に浸透又は透過させることで、積層体における溶解性支持層を溶解させて除去する。この場合、得られるナノ薄膜転写シートは、溶解性支持層を備えていないため、使用に際して最終的な溶解性支持層の除去を要さずに容易にナノ薄膜層を被着体へ転写できる。
積層体形成工程において、第1の浸透性基材、第1の溶解性支持層、及び、第1のナノ薄膜層がこの順に積層されてなる第1の積層体と、第2の浸透性基材、第2の溶解性支持層、及び、第2のナノ薄膜層がこの順に積層されてなる第2の積層体とを、第1のナノ薄膜層と第2のナノ薄膜層とが対向するように貼り合わせて積層体を得ることが好ましい。この場合、第1のナノ薄膜層と、第2のナノ薄膜層との間に、化粧料、化粧料成分、薬物等を簡便に配置することができる。
本発明に係るナノ薄膜転写シートの製造方法は、溶解除去工程の後に、第1の浸透性基材及び第2の浸透性基材のいずれか一方の浸透性基材をナノ薄膜層から剥離し、ナノ薄膜層の浸透性基材が剥離された側にカバーフィルムを積層するカバーフィルム積層工程を更に備えることができる。この場合、カバーフィルムにより適切にナノ薄膜層を保護できる。
本発明によれば、優れた生体親和性を確保しつつ、ナノ薄膜層を容易に被着体へ転写できるナノ薄膜転写シート及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、ナノ薄膜層を簡便に作製できる。
本発明に係るナノ薄膜転写シートの一実施形態を示す模式断面図である。 図1に示したナノ薄膜転写シートの製造方法を示す模式断面図である。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート、及び、それに対応するメタクリレートの少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリル酸」等の他の類似の表現においても同様である。以下で例示する材料は、特に断らない限り、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「層」及び「膜」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面の寸法比率は、図示された比率に限られるものではない。
<ナノ薄膜転写シート>
図1は、本実施形態に係るナノ薄膜転写シートを示す模式断面図である。同図に示すように、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シート1は、浸透性基材(第1の浸透性基材)2aと、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種のカルボキシメチルセルロース化合物を含有するカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3と、浸透性基材(第2の浸透性基材)2bとがこの順に積層されることによって構成されている。
[カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層]
カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3は、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種のカルボキシメチルセルロース化合物を含有する。カルボキシメチルセルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロースの塩が好ましい。例えば、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩が挙げられる。カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩は、カルボシキメチルカルボキシメチル基の末端がアンモニウム(NH)で置換されたカルボキシメチルセルロース誘導体であり、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩の水溶液の乾燥物を加熱すると、アンモニウムが外れ、水不溶性になるという特徴を有する。カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3におけるカルボキシメチルセルロース化合物の含有量は、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3の全質量を基準として、例えば、80〜100質量%であってもよく、90〜100質量%であってもよい。
カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3の厚さは、特に制限されない。カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3の厚さは、自己密着性、吸水性、乾燥状態での柔軟性等の特性がより優れたものとなることから、1〜500nmであることが好ましく、1〜300nmであることがより好ましく、40〜300nmであることが更に好ましく、40〜250nmであることが特に好ましく、40〜200nmであることが極めて好ましい。
カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3は、皮膚貼付用カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層、化粧用カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層、又は、化粧用皮膚貼付用カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層として好適に使用することができる。
カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3には、保湿クリーム等の化粧料、又は、ビタミンC等の化粧料成分を保持させることもできる。これにより、皮膚に貼付したとき(使用時)に、化粧料又は化粧料成分が徐々にナノ薄膜層から溶出し、皮膚に徐々に吸収させることができる。
化粧料としては、保湿クリーム、スキンクリーム、美白クリーム、乳液、化粧水、美容液、美容ジェル等の、スキンケアに用いられる化粧料全般を用いることができる。化粧料成分としては、化粧品学的に許容される皮膚に有効な成分であればよく、特に限定されない。具体的には、例えば、保湿剤、ホワイトニング成分、しみ取り成分、防皺成分、ビタミン類、抗炎症成分、血流促進成分、湿潤成分、油分、金属微粒子等の、化粧料成分全般を用いることができる。化粧料及び化粧料成分のそれぞれは、1種単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような化粧料成分としては、アーモンド油、アクリル酸アルキルコポリマー、麻セルロース、アシタバエキス、アスコルビン酸、アスコルビン酸Na、キサンチン、アスタキサンチン、アスパラガスエキス、アスパラギン酸、アズレン、アセロラエキス、アデノシン三リン酸2Na、アボカド油、アマチャエキス、アミノ酪酸、アラニン、アラントイン、アルギニン、アルギン酸Na、アルジルリン、アルテアエキス、アルニカエキス、アルブミン、アロエベラエキス−2−キダチアロエエキス、安息香酸塩Na、イチョウエキス、イノシトール、ウコンエキス、ウワウルシエキス、エイジツエキス、塩化ナトリウム、オイスターエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オタネニンジンエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オリーブ油、オリザノール、海塩、加水分解ケラチン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、加水分解コンキリオン、加水分解シルク、加水分解卵殻膜、加水分解卵白、褐藻エキス、カフェイン、カミツレエキス、カラミン、カリンエキス、カロチン、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カンフル、キイチゴエキス、キウイエキス、キシリトール、キトサン、キュウリエキス、クオタニウム−73、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、グリコール酸、グリシン、グリセリン、グリチルリチン酸2K、グリチルレチン酸ステアリル、グルコース、グルタチオン、グルタミン酸、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、ケープアロエエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、コエンザイムQ10、コーヒーエキス、コーンスターチ、ココイル加水分解コラーゲンK、ココイル加水分解コラーゲンNa、ココベタイン、ゴボウエキス、ゴマ油、コムギデンプン、コムギ胚芽エキス、コメヌカエキス、コレステロール、コンフリーエキス、酢酸トコフェロール、酢酸レチノール、サザンカオイル、サフラワー油、サリチル酸、サリチル酸Na、酸化亜鉛、酸化チタン、サンザシエキス、シアノコバラミン、シイタケエキス、ジオウエキス、ジグリセリン、シコンエキス、シソエキス、ジヒドロコレステロール、ジフェニルジメチルメコン、シモツケソウエキス、酒石酸、ショウキョウエキス、ショウブ根エキス、シルク、シルクエキス、水添レシチン、スクワラン、ステアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸スクロース、セイヨウキヅタエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、セタノール、セラミド3、セリン、セルロースガム、ソウハクヒエキス、ソルビトール、ダイズエキス、ダイズ発酵エキス、月見草油、ドクダミエキス、トコフェロール、トレハロース、ナイアシンアミド、ニコチン酸トコフェロール、乳酸、乳酸Na、尿素、バクガエキス、ハチミツ、パパイン、ハマメリスエキス、パルミチン酸レチノール、パンテノール、ヒアルロン酸Na、ビオチン、ヒキオコシエキス、ヒマシ油、ヒマワリ油、ピリドキシンHCl、ビワ葉エキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、ブドウ種子油、プラセンタエキス、プルラン、ベタイン、ヘチマエキス、ボタンエキス、ホップエキス、ホホバオイル、メドウフォーム油、メトキシケイヒサンオクチル、メリッサエキス、メリロートエキス、メントール、モモ葉エキス、ヤグルマギクエキス、ヤシ油、ユーカリエキス、ユーカリ油、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨウ化ニンニクエキス、葉酸、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラズベリーケトン、ラクトフェリン、ラノリン、ラベンダーエキス、リシン、リシンHCl、リノール酸、リボフラビン、硫酸Na、リンゴエキス、レイシエキス、レシチン、レゾルシン、レタスエキス、レモンエキス、レモン油、ロイシン、ローズ水、ローズヒップ油、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリー、ワレモコウエキス、AHA、BG、DNA、PCA−Na、PCA−Naアラントイン、PG、PPG−28ブテス−35、RNA−NA、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、α−アルブチン、ムコ多糖、クレアチン、ジアセチルボルジン、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、リン酸リボフラビンナトリウム、リボフラビン、ヒドロキノン、リポ核酸及びその塩、アミノ酸及びその誘導体、各種植物エキス、各種動物由来抽出物等が挙げられる。
カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3には、色素を保持させることもできる。これにより、皮膚等に貼付したとき(使用時)の貼付位置を目視等で簡単に確認できる。
色素としては、ナフトール染料(アゾ染料)、モーブ、パラレッド、フルオレセイン、フクシン、フェノールフタレイン、ニュートラルレッド、フェナジン誘導体色素、メチレンブルー、ジヒドロイントール、コンゴーレッド、エオシン、インダンスレン、アニリンブラック、アクリジン、アゾ染料、アゾイック染料、ネオシアニン、クリプトシアニン、インドシアニングリーン、ヘモグロビン、ヘムエリトリン、フェオポルフィリン、フェオホルビド、チトクロム、バクテリオクロロフィル、クロロフィリド、クロロフィル、メラニン、カテキン、アントシアン、アントクロール、フラバノン、フラボン類、フラボノイド、ルテイン、リコピン、フコキサンチン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、キサントフィル、カロチン、カロチノイド、ゲニステイン、クロロクルオリン、クロリン、クロセチン、クルクミン、キサントンマチン、カルタミン、エリトロクルオリン、ウロビリン、インジゴ、アントラキノン、アントシアン、アリザリン、ビリルビン、ビリベルジン、フィトクロム、フィコエリスリン、フィコビリン、フィコシアニン、ミオグロビン、ポルフィン、ポルフィリン、ヘモシアニン、ヘモバナジン、ロドマチン、ロドキサンチン、ロドプシン、リトマス、レグヘモグロビン、ラミナラン、モリンジン、ホルビリン、マンゴスチン、ベルベリン、ベタシアニン、プルプリン、ブラジリン、ピンナグロビン、ヒペリシン、ビキシン、ツラシン、タンニン、ステルコピリン、シコニン、コンメリニン、ゴッシポール、コチニール等が挙げられる。その中でも、イオン性の色素が、水及びアルコールに溶解するので好ましい。
カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3には、金属イオンを保持させることもできる。これにより、皮膚に貼付したとき(使用時)に、金属イオンが徐々にカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層から溶出し、皮膚に徐々に吸収させることができる。また、金属イオンを利用して、抗菌、殺菌、消臭、制汗といった効果を有するナノ薄膜層を得ることができる。
金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカル金属イオン;マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属イオン;金、銀、銅、白金、パラジウム等の遷移金属イオン;アルミニウムイオン;鉛イオン;スズイオンなどが挙げられる。その中でも、抗菌効果及び消臭効果を有する銀イオンがより好ましい。
カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3には、薬物を保持させることもできる。これにより、皮膚等に貼付したとき(使用時)に、薬物が徐々にカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層から溶出し、皮膚等に徐々に吸収させることができる。また、創傷治癒といった効果を有するカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層を得ることができる。
薬物としては、抗炎症剤、止血剤、血管拡張薬、血栓溶解剤、抗動脈硬化剤等が挙げられる。
また、架橋剤として、アルキルジイミデート類、アシルジアジド類、ジイソシアネート類、ビスマレイミド類、トリアジニル類、ジアゾ化合物、グルタルアルデヒド、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)アルキオネート、ブロモシアン等を用いて、上記の成分とカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3中の所定の官能基とを架橋させてもよい。
さらに、薬物・化粧料が疎水性の場合には、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層の疎水性領域に疎水性相互作用にて結合させる方法、薬物・化粧料が水素結合性の場合には、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層の水素結合性領域に水素結合にて結合させる方法、又は、薬物・化粧料が電荷を有する場合には、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層の反対電荷領域に静電的相互作用にて結合させる方法等を用いてもよい。
[浸透性基材]
浸透性基材2a,2bは、溶媒を浸透又は透過させることが可能な基材であり、好ましくは、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3を浸透性基材2a又は浸透性基材2bに支持させる溶解性支持層(詳細は後述する)を溶解させる溶媒を浸透又は透過させることが可能な基材である。また、浸透性基材2a,2bは、溶解性支持層を溶解させる溶媒には溶解しない基材である。
浸透性基材2a及び浸透性基材2bの少なくとも一方の膜厚は、追従性及び取扱性に優れる観点から、1〜500μmであることが好ましく、3〜300μmであることがより好ましく、5〜200μmであることが更に好ましい。
浸透性基材2a及び浸透性基材2bの少なくとも一方は、取扱性及び入手の容易性に優れる観点から、シート(フィルム)状であることが好ましい。また、浸透性基材2a及び浸透性基材2bの少なくとも一方は、上記溶媒を浸透又は透過させる孔を有することが好ましく、メッシュシート、不織布シート、及び、多孔質構造を有するシート(メッシュシート及び不織布シートを除く)のいずれかであることがより好ましい。メッシュシートとは、例えば直径100μm以下の糸状の材料が格子状に編みこまれたものを指す。
メッシュシートとしては、ポリエステルメッシュシート、ナイロンメッシュシート、カーボンメッシュシート、フッ素樹脂メッシュシート、ポリプロピレンメッシュシート、シルクメッシュシート等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステルメッシュシート、ナイロンメッシュシート、ポリプロピレンメッシュシートが好ましく、ポリエステルメッシュシートがより好ましい。ポリエステルメッシュシートとしては、例えばポリエチレンテレフタレートメッシュシートが好ましい例として挙げられる。なお、これらのメッシュシートと不織布とを複合させて用いてもよい。
メッシュシートの空隙は、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3の転写性に更に優れる観点から、JIS L 1096に記載されるフラジール形法による通気性で、10〜100000cc/cm・secであることが好ましく、100〜50000cc/cm・secであることがより好ましく、1000〜10000cc/cm・secであることが更に好ましい。また、浸透性基材2aと浸透性基材2bとの空隙の差は、100cc/cm・sec以上であることが好ましく、500cc/cm・sec以上であることがより好ましく、1000cc/cm・sec以上であることが更に好ましい。
浸透性基材2aと浸透性基材2bとは、互いに同じ基材からなっていてもよく、互いに異なる基材からなっていてもよい。浸透性基材2a及び浸透性基材2bにおけるカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3との密着強度は、互いに異なるものであることが好ましい。例えば、浸透性基材2a及び浸透性基材2bのいずれか一方とカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3との密着強度は、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3を被着体に貼合した際のカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3と前記被着体との密着強度より弱いものである。浸透性基材を剥離する際、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3が一方の浸透性基材上に残存し、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3自体に破けや欠け等の損傷がないことにより、密着強度の違いを確認できる。密着強度を変える手段としては、例えば、浸透性基材に用いるメッシュシートの材質、織りの状態、用いられる繊維の太さ、メッシュの目開き、目開き率等を調整することが挙げられる。
浸透性基材2a及び浸透性基材2bは、例えば、いずれもメッシュシート(ポリエチレンテレフタレートメッシュシート等)である。ただし、浸透性基材2aを構成するポリエチレンテレフタレートメッシュシートの目開きは、例えば、浸透性基材2bを構成するポリエチレンテレフタレートメッシュシートの目開きよりも小さくなっている。換言すれば、例えば、浸透性基材2aを構成するポリエチレンテレフタレートメッシュシートの空隙は、浸透性基材2bを構成するポリエチレンテレフタレートメッシュシートの空隙よりも小さくなっている。
以上のように、浸透性基材2a,2bに用いるメッシュシートの目開き及び目開き率を調整することにより、浸透性基材2a,2bとカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3との接触面積を調整できる。浸透性基材2aと浸透性基材2bにおけるカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3との接触面積は、互いに異なっていてもよい。
<ナノ薄膜転写シートの用途>
カルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シートを皮膚に対して用いる際、保湿クリーム等の化粧料、又は、ビタミンC等の化粧料成分を皮膚に塗布し、その上にカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層を転写することもできる。この場合、化粧料及び化粧料成分が保持され、剥がれ落ちにくいという効果が得られる。また、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層を皮膚に転写した後に、その上に化粧料又は化粧料成分を塗布することもできる。この場合、皺、たるみ、しみ、あざ、そばかす、毛穴、傷跡、にきび跡、熱傷跡、又は、皮膚疾患による変色等のある肌を目立たなくすることができる。
カルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シートは、化粧料又は化粧料成分を保持させてなる化粧用シート、保湿シート、化粧補助貼付シート及び化粧保護シートとしても好適に使用できる。
<ナノ薄膜転写シートの製造方法>
本実施形態に係るナノ薄膜転写シートの製造方法は、少なくとも、第1の浸透性基材と第2の浸透性基材との間に溶解性支持層及びカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層を備える積層体を形成する積層体形成工程と、溶解性支持層を溶解させる溶媒を第1の浸透性基材及び第2の浸透性基材に浸透又は透過させることで、前記積層体における溶解性支持層を溶解させて除去する溶解除去工程と、を備える。積層体形成工程では、例えば、第1の浸透性基材と第2の浸透性基材との間に溶解性支持層及びカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層を積層することにより積層体を形成することができる。図2は、図1に示したカルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シートの製造方法を示す模式断面図である。以下、図2を用いて各工程について説明する。
(積層体形成工程)
[カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層形成工程]
カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層は、カルボキシメチルセルロース化合物を含む溶液を用いて形成することができる。カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層は、カルボキシメチルセルロース化合物及び水(純水等)を用いて形成されることが好ましい。例えば、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層は、カルボキシメチルセルロース化合物を水に溶解して得られたカルボキシメチルセルロース水溶液を用いて得ることができる。カルボキシメチルセルロース化合物を含む溶液は、無機塩類を含んでいてもよい。
カルボキシメチルセルロース化合物を含む溶液中のカルボキシメチルセルロース化合物の濃度は、0.01〜10.0質量%であることが好ましく、0.05〜5.0質量%であることがより好ましく、0.1〜1.0質量%であることが更に好ましい。
図2(a)に示すように、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層(第1のナノ薄膜層)3aは、例えば、カルボキシメチルセルロース化合物を含む溶液を支持基材4上に塗布することにより形成することができる。カルボキシメチルセルロース化合物を含む溶液の支持基材4上への塗布方法としては、キャスト法、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
支持基材4としては、平滑な面を有するものであれば特に限定されず、シート状又はロール状であってもよい。支持基材4の構成材料としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれでもよく、例えば、ポリエチレン(高密度、中密度又は低密度)、ポロプロピレン(アイソタクチック型又はシンジオタクチック型)、ポリブテン、エチレン−プレピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエチレンナフタレート、プリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エボキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ナイロン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂など、又は、これらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイなどが挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
これらの樹脂フィルムの中でも、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PC)等のプラスチックフィルムが好適に用いられる。積層膜の接着性により優れることから、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムがより好ましい。
また、支持基材4の表面に、コロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、オゾン処理、アルカリや酸等による化学的エッチング処理などを施してもよい。
支持基材4上に樹脂膜、無機膜、又は、有機材料と無機材料とを含む膜(有機−無機膜)が積層されていてもよい。それら樹脂膜、無機膜又は有機−無機膜からなる積層構造は基材表面の一部を覆っていればよい。また、積層構造中、最表面層に位置しない膜は、極性基を有する必要はない。
支持基材4の膜厚は、1〜500μmであることが好ましく、3〜300μmであることがより好ましく、5〜200μmであることが更に好ましい。
[溶解性支持層形成工程]
次に、図2(b)に示すように、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3aの支持基材4とは反対の面上に溶解性支持層(第1の溶解性支持層)5aを形成する。
溶解性支持層5aは、溶媒に溶解するものであれば限定されないが、肌への刺激性を考慮すると、水又はアルコールに可溶な高分子から形成された膜からなる層であることが好ましい。溶解性支持層5aは、弱アルカリ性又は弱酸性水溶液に可溶な層であってもよい。
水又はアルコールに可溶な高分子としては、ポリ(メタ)アクリル酸等の高分子電解質;ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの誘導体、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテート等の非イオン性の水溶性高分子;ノボラック又はポリ(N−アルキルシアノアクリレート)等の樹脂などを例示することができる。
上記高分子の粘度平均分子量は、100〜100万であることが好ましく、5000〜50万であることがより好ましい。
水又はアルコールに可溶な高分子として、ポリビニルアルコール又はその誘導体を用いることがより好ましい。ポリビニルアルコールを用いる場合、膜形成性及び溶媒への溶解性に優れる観点から、平均重合度は、100〜2000であることが好ましく、200〜1000であることがより好ましい。ここで、平均重合度は、JIS K 6726で規定の方法に基づいて測定することができる。
溶解性支持層5aの膜厚は、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3aとの剥離性及び貼り合わせ性に優れる観点から、1〜100μmであることが好ましく、2〜50μmであることがより好ましく、5〜20μmであることが更に好ましい。
溶解性支持層5aは、支持基材4の一面側に形成されたカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3a上に、例えば、水又はアルコールに溶解した高分子の溶液を塗布して、通常10分〜24時間、好ましくは1時間〜12時間乾燥させて水又はアルコールを除去することで形成される。
カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3a上への上記高分子の溶液の塗布の方法としては、キャスト法、スピンコート法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。溶解性支持層5aは、バーコーター又はロールコーターを用いて形成することもできる。
上記水又はアルコールに溶解した高分子の濃度は、特に制限はないが、塗工性に優れる観点から、1〜40質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが更に好ましく、5〜10質量%であることが特に好ましい。
溶解性支持層5aは、ピンセット等を用いて支持基材4からカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3aとともに剥離できる。このとき、溶解性支持層5aとカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3aとの間に生じる静電的相互作用、水素結合、ファンデルワールス力等の2次結合力によって、剥離と同時にカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3aを溶解性支持層5aに移し取ることができる。
[浸透性基材形成工程]
続いて、図2(c)に示すように、溶解性支持層5aを溶解させる溶媒を浸透又は透過させる浸透性基材2aを溶解性支持層5a上に積層することにより第1の積層体6aを得る。浸透性基材2aの積層方法としては、特に限定されないが、ラミネート等の方法を用いることができる。なお、支持基材4をカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3aから剥離した後に、浸透性基材2aを溶解性支持層5a上に積層してもよい。
[積層工程]
続いて、図2(d)に示すように、例えば、上記の工程で得られた第1の積層体6a、及び、第1の積層体6aと同様に浸透性基材、溶解性支持層及びカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層を有する第2の積層体6bを準備する。第1の積層体6aは、浸透性基材2aと、溶解性支持層5aと、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層(第1のナノ薄膜層)3aとがこの順に積層されることによって構成されている。第2の積層体6bは、浸透性基材2bと、溶解性支持層(第2の溶解性支持層)5bと、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層(第2のナノ薄膜層)3bとがこの順に積層されることによって構成されている。
次に、図2(e)に示すように、第1の積層体6aと第2の積層体6bとを、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3aとカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3bとが対向するように互いに貼り合わせることにより、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3aとカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3bとが一体化して得られるカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3を備える積層体7を得る。貼り合わせる方法としては、例えばラミネート等の方法を用いることができる。なお、ラミネートする際、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3は乾燥した状態でなく、水分を含んだ状態であることが好ましい。
なお、最終的に得られるカルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シート1のカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3に、上述した化粧料、色素等を保持させる場合、積層工程の前にカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3a及びカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3bのいずれか一方又は両方に予め化粧料、色素等を保持させておくことができる。あるいは、積層工程において、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3aとカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3bとの間に化粧料、色素等を配置した上で、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3aとカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3bとを貼り合わせることもできる。
(溶解除去工程)
続いて、図2(f)に示すように、例えば、溶解性支持層5a,5bを溶解させる溶媒(例えば水)8に積層体7を浸漬する。この場合、図2(f)に矢印で模式的に示したように、浸透性基材2a,2bが溶媒8を浸透又は透過させるので、溶解性支持層5a,5bが溶媒8に溶解する。これにより、溶解性支持層5a,5bが除去されたカルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シート1が得られる。
<作用効果>
上述したように、本実施形態では、浸透性基材2a,2bが、溶解性支持層5a,5bを溶解させる溶媒を浸透又は透過させる基材(メッシュシート等)からなる。そのため、溶解除去工程によって溶解性支持層5a,5bを溶解させることができ、溶解性支持層5a,5bが除去されたカルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シート1が得られる。したがって、このカルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シート1によれば、最終的な溶解性支持層の除去を要さずに容易にカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3を被着体へ転写できる。
また、本実施形態では、浸透性基材2aを構成する基材(メッシュシート等)の目開きを、浸透性基材2bを構成する基材(メッシュシート等)の目開きよりも小さくすることができる。これにより、浸透性基材2bは、浸透性基材2aよりも小さな接触面積でカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3と接触し易い。そのため、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シート1を被着体に貼付する際、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3との接触面積が小さい浸透性基材2bをカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3から容易に剥離できる。
<変形例>
上記実施形態では、積層工程において、浸透性基材2a、溶解性支持層5a及びカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3aが積層されてなる第1の積層体6aと、浸透性基材2b、溶解性支持層5b及びカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3bが積層されてなる第2の積層体6bとを貼り合わせるが、第1の積層体6aと浸透性基材2bのみとを貼り合わせてもよく、あるいは、第2の積層体6bと浸透性基材2aのみとを貼り合わせてもよい。
また、上記実施形態のカルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シート1では、浸透性基材2aと、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3と、浸透性基材2bとが積層されているが、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シートは、浸透性基材2a及び浸透性基材2bのいずれか一方に代えてカバーフィルムを備える態様であってもよい。
この場合、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シートの製造方法は、上記実施形態における溶解除去工程の後に、浸透性基材2a及び浸透性基材2bのいずれか一方の浸透性基材をカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3から剥離し、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層3の前記浸透性基材が剥離された側にカバーフィルムを積層するカバーフィルム積層工程を更に備える。
カバーフィルムとしては、平滑な面を有するものであれば特に限定されず、シート状又はロール状であってもよい。カバーフィルムの構成材料としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれでもよく、例えば、ポリエチレン(高密度、中密度又は低密度)、ポロプロピレン(アイソタクチック型又はシンジオタクチック型)、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体等のアクリル系樹脂、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエチレンナフタレート、プリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エボキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ナイロン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂など、又は、これらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイなどが挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
これらの樹脂フィルムの中でも、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PC)等のプラスチックフィルムが好適に用いられる。積層膜の接着性により優れることから、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムがより好ましい。
また、カバーフィルムの表面に、コロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、オゾン処理、アルカリや酸等による化学的エッチング処理などを施してもよい。
カバーフィルム上に樹脂膜、無機膜、又は、有機材料と無機材料とを含む膜(有機−無機膜)が積層されていてもよい。それら樹脂膜、無機膜又は有機−無機膜からなる積層構造は基材表面の一部を覆っていればよい。また、積層構造中、最表面層に位置しない膜は、極性基を有する必要はない。
カバーフィルムの膜厚は、1〜500μmであることが好ましく、3〜300μmであることがより好ましく、5〜200μmであることが更に好ましい。
薄膜化したカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層は、高温で処理して不溶化されていることが好ましい。この場合、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シートの製造方法は、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層を熱処理する工程を備えていてもよい。処理温度としては100℃以上が好ましい。100℃未満の処理ではカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層が充分に不溶化せず、水に溶解してしまう場合がある。
<ナノ薄膜転写シートの保存>
カルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シートは、水蒸気が少ない環境にて保管することが好ましいため、水蒸気バリア性を有する梱包材を用いて保管することが好ましく、水蒸気バリア性を有する梱包材、及び、乾燥剤を用いて保管することがより好ましい。水蒸気バリア性を有する梱包材といえども、全く水蒸気を透過しないわけではなく、若干の水分透過は避けられないため、乾燥剤を入れることで梱包材内部の湿度を一定に保つことが、より有効である。
(梱包材)
水蒸気バリア性を有する梱包材の性能は、水蒸気透過率で表される。この値が小さいほど水蒸気バリア性が良くなり、ナノ薄膜転写シートの梱包に適する。しかしその一方で、水蒸気透過率の小さい梱包材は高価である。これらを勘案し、例えば、水蒸気透過率が1.5g/m・day(温度40℃、湿度90%RH)以下である水蒸気バリア性を有する梱包材で梱包する。水蒸気透過率がこれより大きいと、梱包材内への水分浸透が増加し、乾燥剤の負担が大きくなり、経済性が悪化する。
このような水蒸気透過率を満足するものとしては、アルミニウム蒸着フィルム(水蒸気透過率0.7〜1.0g/m・day(温度40℃、湿度90%RH)程度)、SiO蒸着フィルム(水蒸気透過率0.1〜0.7g/m・day(温度40℃、湿度90%RH)程度)、アルミナ蒸着フィルム(水蒸気透過率1.5g/m・day(温度40℃、湿度90%RH)程度)等が挙げられる。
水蒸気バリア性を有する梱包材として、基材フィルム(例えばポリエチレンフィルム(水蒸気透過率10〜20g/m・day(温度40℃、湿度90%RH)))、バリア層及びヒートシール層を積層して構成したラミネートフィルムを用いることができる。上記バリア層の構成材料としては、アルミニウム、ニッケル、チタン、マグネシウム等を用いることができる。
カルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シートを、複数枚の梱包材で複数層に梱包し、最内層以外の少なくとも1層に、水蒸気バリア性を有する梱包材を使用することが好ましい。
(乾燥剤)
カルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シートは、水蒸気バリア性を有する梱包材より内側に乾燥剤を入れて保存することが好ましい。また、梱包材内の湿度を70%RH以下の雰囲気に保持することが好ましい。
梱包材内部に入れる乾燥剤としては、塩化カルシウム、生石灰、シリカゲル、アルミノシリケート等が挙げられるが、製品の品質を保証する観点から、潮解(吸湿による液化)を生じないシリカゲルやアルミノシリケートが好ましい。
乾燥剤の使用量は、組み合わせる梱包材料の水素バリア性及び保管日数から予測される水分浸透量を吸収できるように、乾燥剤の能力に応じて決定される。
カルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シートを梱包材内に袋詰めする作業は低温低湿の雰囲気中で行い、梱包材内の初期雰囲気を低温低湿にしておくのがよい。好ましい雰囲気は、具体的には温度18〜22℃、湿度30〜50%RHである。乾燥剤を使用しない場合は、この作業は特に重要である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<カルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シートの作製>
[実施例1]
(カルボキシメチルセルロース水溶液の調製)
カルボキシメチルセルロース水溶液は、下記の手順により調製した。まず、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩DN−800(ダイセルファインケム株式会社製)1gを、超純水製造装置(PRO−0500及びFPC−0500(型番)、オルガノ株式会社製)から採水した超純水1000mLに添加した後、50℃で6時間攪拌して溶解した。次いで、遠心分離(回転速度:12,000rpm、30分間)して、デカンテーションで未溶解の沈殿物を除去した後、さらに、フィルターで濾過し、カルボキシメチルセルロース水溶液を得た。
(カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層の作製)
濃度を測定したカルボキシメチルセルロース水溶液を、アプリケータを用いて、支持基材であるポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名「A4100」、150mm×100mm×100μm厚)上に塗工した。その後、120℃で1時間乾燥を行った。形成したカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層の膜厚をフィルメトリスク株式会社製の型番:F20によって測定した結果、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層の膜厚は120nmであった。
続いて、ポリビニルアルコール500(関東化学株式会社製、平均重合度=500)を超純水に溶解した10質量%水溶液を、乾燥後の膜厚が5μmとなるようにカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層上にバーコーターによって塗布し、溶解性支持層を形成した。
その後、浸透性基材としてポリエチレンテレフタレートメッシュシート(PETメッシュシート、大紀商事株式会社製、商品名「OKILON HYBRID」、JIS L 1096に記載されるフラジール形法による通気性3600cc/cm・sec、厚さ90μm)を溶解性支持層上に積層し、室温(25℃)にて水分を蒸発させた。その結果、支持基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層、溶解性支持層(ポリビニルアルコール)及び浸透性基材(ポリエチレンテレフタレートメッシュシート)が順次積層された積層体Aを得た。
次に、浸透性基材をポリエチレンテレフタレートメッシュシート(PETメッシュシート、大紀商事株式会社製、商品名「OKILON−SHA 2516」、JIS L 1096に記載されるフラジール形法による通気性5850cc/cm・sec、厚さ80μm)に変更した以外は、積層体Aと同様にして積層体Bを得た。
積層体Aと積層体Bとから支持基材を剥離し、積層体A,Bのカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層同士を貼り合わせ、端部を固定した状態で水に24時間浸漬した。その後、室温(25℃)にて水分を蒸発させた。
その結果、浸透性基材(「OKILON HYBRID」)上に、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層、浸透性基材(「OKILON−SHA 2516」)が順次積層されたカルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シートを得た。これらの浸透性基材は、共にポリエチレンテレフタレートメッシュシートであり、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層との密着強度が相違するものである。また、メッシュの状態(目開き)が異なり、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層との接触面積が互いに異なる。
[比較例1]
実施例1の(カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層の作製)と同様にして、支持基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上にカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層を形成した。続いて、ポリビニルアルコール500(関東化学株式会社製、平均重合度=500)を超純水に溶解した10質量%水溶液を、乾燥後の膜厚が5μmとなるようにカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層上にバーコーターによって塗布し、溶解性支持層を形成した。これによって、支持基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層、溶解性支持層(ポリビニルアルコール)が順次積層されたカルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シートを作製した。
<転写性の評価>
支持基材を剥離することにより実施例及び比較例のカルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シートのカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層を露出させ、水及び化粧水を用いて湿らせた皮膚表面にカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層を貼付した。その後、浸透性基材を剥離してカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層を皮膚に転写した。
実施例1では、浸透性基材を剥離してカルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シートのカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層を露出させる際に、浸透性基材にカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層が付着しなかった。また、溶解性支持層を予め除去することで、使用に際して最終的な溶解性支持層の除去を要さず、容易にカルボキシメチルセルロースナノ薄膜層を皮膚の表面に貼り付けることが可能であり、シワ、破損、脱落等なしに皮膚への均一な貼り付け状態となった。
一方、比較例1では、カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層を皮膚へ貼り付ける際に、溶解性支持層の除去が必要であり、かつ、カルボキシメチルセルロース薄膜層の脱落が発生して転写が困難であった。
1…カルボキシメチルセルロースナノ薄膜転写シート、2a,2b…浸透性基材、3,3a,3b…カルボキシメチルセルロースナノ薄膜層、4…支持基材、5a,5b…溶解性支持層、6a…第1の積層体、6b…第2の積層体、7…積層体、8…溶媒。

Claims (14)

  1. 第1の浸透性基材と、ナノ薄膜層と、第2の浸透性基材とがこの順に積層されてなり、
    前記ナノ薄膜層が、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有し、
    前記第1の浸透性基材及び前記第2の浸透性基材が、溶媒を浸透又は透過させることが可能な基材である、ナノ薄膜転写シート。
  2. 前記溶媒が、前記ナノ薄膜層を前記第1の浸透性基材又は前記第2の浸透性基材に支持させる溶解性支持層を溶解させるものである、請求項1に記載のナノ薄膜転写シート。
  3. 前記第1の浸透性基材及び前記第2の浸透性基材における前記ナノ薄膜層との密着強度が互いに異なる、請求項1又は2に記載のナノ薄膜転写シート。
  4. 前記第1の浸透性基材及び前記第2の浸透性基材のいずれか一方と前記ナノ薄膜層との密着強度が、前記ナノ薄膜層を被着体に貼合した際の前記ナノ薄膜層と前記被着体との密着強度より弱い、請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  5. 前記第1の浸透性基材及び前記第2の浸透性基材が、メッシュシート、不織布シート、及び、多孔質構造を有するシートのいずれかである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  6. 前記第1の浸透性基材及び前記第2の浸透性基材がいずれもメッシュシートである、請求項5に記載のナノ薄膜転写シート。
  7. 前記第1の浸透性基材及び前記第2の浸透性基材における前記ナノ薄膜層との接触面積が互いに異なる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  8. 前記第1の浸透性基材及び前記第2の浸透性基材のいずれか一方に代えてカバーフィルムを備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  9. 前記ナノ薄膜層の厚さが1〜500nmである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  10. 前記ナノ薄膜層が皮膚貼付用である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  11. 前記ナノ薄膜層が化粧用である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のナノ薄膜転写シート。
  12. 第1の浸透性基材と、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有するナノ薄膜層と、第2の浸透性基材とがこの順に積層されてなるナノ薄膜転写シートの製造方法であって、
    前記第1の浸透性基材と前記第2の浸透性基材との間に溶解性支持層及び前記ナノ薄膜層を備える積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記溶解性支持層を溶解させる溶媒を前記第1の浸透性基材及び前記第2の浸透性基材に浸透又は透過させることで、前記積層体における前記溶解性支持層を溶解させて除去する溶解除去工程と、を備える、ナノ薄膜転写シートの製造方法。
  13. 前記積層体形成工程において、前記第1の浸透性基材、第1の前記溶解性支持層、及び、第1の前記ナノ薄膜層がこの順に積層されてなる第1の積層体と、前記第2の浸透性基材、第2の前記溶解性支持層、及び、第2の前記ナノ薄膜層がこの順に積層されてなる第2の積層体とを、前記第1のナノ薄膜層と前記第2のナノ薄膜層とが対向するように貼り合わせて前記積層体を得る、請求項12に記載のナノ薄膜転写シートの製造方法。
  14. 前記溶解除去工程の後に、前記第1の浸透性基材及び前記第2の浸透性基材のいずれか一方の浸透性基材を前記ナノ薄膜層から剥離し、前記ナノ薄膜層の前記浸透性基材が剥離された側にカバーフィルムを積層するカバーフィルム積層工程を更に備える、請求項12又は13に記載のナノ薄膜転写シートの製造方法。
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