JP2014153996A - シート、シートの製造方法、並びに接触緩和シート、rfidのインレイ及び薄膜層の被着体への転写方法。 - Google Patents

シート、シートの製造方法、並びに接触緩和シート、rfidのインレイ及び薄膜層の被着体への転写方法。 Download PDF

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和幸 加茂
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Abstract

【課題】 粘着剤を用いることなく皮膚に貼り合せ可能で、また、人体に対して安全であるシートを提供する。また、皮膚への貼り合わせが非常に容易であり、かつ、貼付時に目立ちにくく、違和感がないシートの製造方法を提供すると共に、このシートの薄膜層を被着体へ転写する方法を提供する。
【解決手段】 RFIDのインレイ、薄膜層、溶解性支持層、浸透性基材を備えるシートであって、前記薄膜層の平面大きさは、前記RFIDのインレイの平面大きさよりも大きいシート。また、薄膜層を形成する工程と、前記薄膜層の上に、溶解性支持層を形成する工程と、前記溶解性支持層上に浸透性基材を形成する工程と、を含む、シートの製造方法。さらに、薄膜層を被着体へ面するように接触させる工程、浸透性基材側から、溶解性支持層を溶解する溶液を浸透、通過させる工程、浸透性基材を剥がす工程と含む、薄膜層の被着体への転写方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シート、シートの製造方法、並びに接触緩和シート、RFIDのインレイ及び薄膜層の被着体への転写方法に関する。
RFID(Radio Frequency IDentification「電波による個体識別」の略)は、ICタグ、RFタグ、無線タグ、電子タグ等とも呼ばれるもので、これを貼り付けされた物品等と、その物品等に関する情報を一体化させる等の目的で使用されている。インレイとは、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の基材フィルム上にアンテナとアンテナに連結されたICチップが固定されたRFIDの回路単位のことをいう。
RFIDは、これを貼り付けされた物品等の固体特定情報を記録することができ、この固体特定情報を物品等の信憑性を保証する情報(以下「セキュリティ情報」と呼ぶことがある。)として用いることが可能である。RFIDをセキュリティ情報記録手段として用いる場合には、被着体とRFID内の記録情報が一致していることが不可欠であり、一度使用したRFIDは他の物品に使用できないようにすることが好ましい。また、ブランド商品の信憑性を保証したり、内容物の真正さを保証するためには、流通過程でRFIDが貼り替えられることのないようにする必要がある。
また、RFIDは、病院の患者等個人の識別情報手段として使用されており、人とRFIDを一体とするために、例えばRFID付リストバンドが使用されている(例えば、特許文献1等参照)。
そのほかに、RFIDと粘着フィルムを用いて人体に直接貼り合せる手段が使用されている(例えば、特許文献2等参照)。
特開2001−519918号公報 実用新案登録第3110437号公報
特許文献1に記載されるRFID付リストバンドは、装着者の行動を制限する場合もあり、また、入浴、清拭等の邪魔になることもある。
また、特許文献2に記載されるRFIDと粘着フィルムを用いて人体に直接貼り合せる手段では、アクリル粘着剤を使用しているために、長時間皮膚に貼った状態ではかぶれや肌荒れを引き起こす可能性がある。
このように、人とRFIDとを貼り合せにて一体とする場合には、アクリル等の粘着剤を用いないことや、被適用者が貼付状態に違和感を持たないことが求められている。さらに、使用する材料は皮膚に貼り付けても安全であることも求められている。
そこで、本発明は、粘着剤を用いることなく皮膚に貼り合せ可能で、また、人体に対して安全であるシートを提供することを目的とする。さらに本発明は、皮膚への貼り合せも非常に容易であり、かつ、貼付時に目立ちにくく、違和感がないシートの製造方法を提供すると共に、このシートの薄膜層を被着体へ転写する方法を提供することを目的とする。
本発明は、RFIDのインレイ、薄膜層、溶解性支持層及び浸透性基材を備えるシートであって、前記薄膜層の平面大きさは、RFIDインレイの平面大きさよりも大きいシートに関する。
また、本発明は、接触緩和シート備え、前記薄膜層の平面大きさは、前記接触緩和シート及び前記RFIDインレイの平面大きさよりも大きい上記のシートに関する。
また、本発明は、前記浸透性基材が、繊維、メッシュ又は、多孔質構造である上記のシートに関する。
また、本発明は、溶解性支持層が、水溶性又はアルコール可溶な高分子である上記のシートに関する。
また、本発明は、薄膜層の厚さが、1nm〜300nmである上記のシートに関する。
また、本発明は、薄膜層が、ポリカチオンを含むA層と、ポリアニオンを含むB層とが交互に積層されたものである、上記のシートに関する。
また、本発明は、薄膜層が、ポリカチオンを含む溶液を用いて形成されるA層と、ポリアニオンを含む溶液を用いて形成されるB層と、を有する、上記のシートに関する。
また、本発明は、前記ポリカチオンが、1分子中に2個以上のアミノ基を有するカチオン性ポリマーである、上記のシートに関する。
また、本発明は、前記ポリアニオンが、1分子中に2個以上のカルボキシル基又はカルボキシレート基を有するアニオン性ポリマーである、上記のシートに関する。
本発明は、接触緩和シート、RFIDのインレイ、薄膜層、溶解性支持層及び浸透性基材を備え、前記薄膜層が、ポリカチオンを含む溶液を用いて形成されるA層と、ポリアニオンを含む溶液を用いて形成されるB層と、を有するシートを提供する。
上記薄膜層は、上記構成を有しているため、容易な取扱性、強靭性(機械的強度)、透明性及び保湿性に優れ、かつ皮膚に対する自己密着性を有する。このために、粘着剤を用いることなく皮膚への貼り合せが容易であり、一般人が使用する際、皮膚への貼合が非常に容易であり、さらには貼付時に目立ちにくく、かつ貼付時の違和感が低減される。また、材料には生分解性又は生体適合性の高い材料を使用するため、上記薄膜層は安全性が高く、皮膚アレルギーを起こしにくいという利点がある。
上記薄膜層は、A層とB層とが交互に積層されたものであることが好ましく、A層とB層とが交互に積層されたものであることによって、機械的強度、及び自己密着性により優れた薄膜層となる。なお、A層とB層とが交互に積層されるとは、1層のA層と1層のB層とが交互に積層されている場合に限られず、複数の層からなるA層と、複数の層からなるB層とが交互に積層されている場合も含む。
さらに、本発明は、薄膜層が、皮膚貼合用である、上記のシートに関する。
また、本発明は、ポリカチオンを含む溶液、又はポリアニオンを含む溶液に基材を接触させて、基材の表面にポリカチオン又はポリアニオンに由来する層を形成する工程と、
(i)ポリカチオンに由来する層に、ポリアニオン溶液を接触させて、前記ポリカチオンに由来する層上にポリアニオンに由来する層を形成するステップと、
(ii)ポリアニオンに由来する層に、ポリカチオンを含む溶液を接触させて、前記ポリアニオンに由来する層上にポリカチオンに由来する層を形成するステップと、さらに(i)及び(ii)のステップを交互に繰り返して積層する薄膜層を形成する工程と、
前記薄膜層の上に、溶解性支持層を形成する工程と、
前記溶解性支持層上に浸透性基材を形成する工程と、を含む、シートの製造方法に関する。
また、本発明は、前記薄膜層を形成する工程において、(i)及び(ii)のステップを交互に繰り返す回数が1〜300回である、上記のシートの製造方法に関する。
また、本発明は、上記のシートの薄膜層を被着体へ面するように接触させる工程、浸透性基材側から、溶解性支持層を溶解する溶液を浸透、通過させる工程、浸透性基材を剥がす工程と含む、薄膜層の被着体への転写方法に関する。
上記薄膜層は、上述のような効果を奏するため、皮膚貼合用薄膜層として好適に使用することができる。
本発明のシートは、浸透性基材を使用しているために取扱性が良好である。加えてナノメートルサイズの薄膜層であるため、皺や肌の細かな凹凸(微細な溝)にも適合し、さらに、透明であるために貼付箇所が目立つことがない。また、非常に薄い薄膜であるため、貼り付けた際の違和感がない。さらに、皮膚に対する自己密着性を有するため、接着剤(粘着剤)を用いる必要がなく、接着剤によるかぶれや肌荒れの心配がない。さらに、生分解性又は生体適合性ポリマーを使用しているため、皮膚に貼り付けた際に皮膚アレルギーが生じにくく、かつ廃棄後、環境に悪影響を及ぼさないという利点を有する。加えて、溶解性支持層に有効成分を溶解又は分散させることで、有効成分が薄膜層へ浸透し、薄膜中へ有効成分が担持可能となるという利点を有する。
また、本発明のシートは、上記の効果を有するために、皮膚貼り付けを目的とした従来の粘着剤を用いたフィルムの代替、として好適に使用できる。
本発明に係る接触緩和シート、RFIDインレイ、薄膜層(キトサン、アルギン酸の交互積層膜)、溶解性支持層(ポリビニルアルコール+有効成分溶解又は分散)、浸透性基材(ポリエチレンテレフタレートメッシュシート)が順次積層された、シートを示す断面図である。
〔薄膜層〕
本実施形態に係る薄膜層は、ポリカチオンを含む溶液を用いて形成されるA層と、ポリアニオンを含む溶液を用いて形成されるB層とを有する。また、薄膜層は、A層とB層が交互に積層された交互積層薄膜であることが好ましい。
〔ポリカチオン〕
本明細書において、ポリカチオンとは、1分子中に2個以上のカチオン性基を有する化合物のことをいい、カチオン性基とは、カチオン基又はカチオン基に誘導され得る基のことをいう。カチオン性基としては、例えば、アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基等のモノアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;イミノ基;グアニジノ基などが挙げられる。なお、アミノ基はプロトンが配位結合した−NH であってもよい。
ポリカチオンとしては、カチオン性ポリマーが好ましい。なお、本明細書において、カチオン性ポリマーとは、1分子中に2個以上のカチオン性基を有するポリマーのことをいう。カチオン性ポリマーとしては、カチオン性基を有するモノマーを重合させたものであることが好ましい。
カチオン性ポリマーとしては、水の存在下で後述するアニオン性ポリマーとゲル状のポリイオンコンプレックスを形成することができ、そのポリイオンコンプレックスが生体組織接着作用を発揮することができ、生体に対して有害反応の少ないものが好ましい。また、カチオン性ポリマーとしては、患部の組織が治癒した後に生分解して生体内に吸収されるように、生体吸収性を有する物質であることがより好ましい。
カチオン性ポリマーとしては、水に溶解又は膨潤することが可能な程度の親水性を有し、水中でカチオン性基が解離することにより正電荷を帯びるという特性を有するものが好適に使用される。カチオン性ポリマーとしては、特に1分子中に2個以上のアミノ基を有するポリマーが好ましい。
カチオン性ポリマーの好ましい例としては、コラーゲン、ポリヒスチジン、アイオネン、キトサン、アミノ化セルロース等の塩基性多糖類;ポリリジン、ポリアルギニン、リジンとアルギニンとの共重合体等の塩基性アミノ酸の単独重合体及び共重合体;ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリジビニルピリジン等の塩基性ビニルポリマー;並びにそれらの塩類(塩酸塩、酢酸塩等)、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。
さらに、上述のカチオン性ポリマーを架橋することによって得られる架橋ポリマーを用いることもできる。カチオン性ポリマーを架橋する方法としては、公知の方法のいずれも用いることができる。カチオン性ポリマーがアミノ基を有する場合には、カチオン性ポリマーのアミノ基をジカルボン酸と縮合反応させることにより架橋する方法が好適である。
カチオン性ポリマーとしては、塩基性多糖類若しくはその誘導体(例えば、アセチル化物等)又はそれらの塩が好適である。特に、塩基性多糖類としてはキトサンが好ましい。キトサンはキチンの脱アセチル化物であり、その脱アセチル化度としては、生体吸収性、水溶性がより優れることから、40〜100%の範囲内であることが好ましく、45〜90%の範囲内であることがより好ましく、50〜80%の範囲内であることがさらに好ましい。
カチオン性ポリマーの分子量は特に制限されないが、粘度平均分子量が大きくなるにしたがって、基材付き薄膜層の製造時に溶液の粘度が高くなり流延や積層が困難となる傾向があること、及び生体吸収性が低下する傾向があることから、カチオン性ポリマーの粘度平均分子量は、1,000〜500,000の範囲内であることが好ましく、10,000〜400,000の範囲内であることがより好ましく、50,000〜200,000の範囲内であることがさらに好ましい。
本明細書において、「粘度平均分子量」とは、一般的な測定方法である粘度法により評価すればよく、例えば、JIS K 7367−3:1999に基づいて測定した極限粘度数[η]から算出することができる。
ポリカチオンとして、1分子中に2個以上のカチオン性基を有する低分子の化合物であっても好ましく用いることができる。1分子中に2個以上のカチオン性基を有する低分子の化合物としては、例えば、低分子のジアミン、ポリアミンが挙げられる。具体的には、例えば、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン等のジアミノアルカン類等のように1分子中に2個のアミノ基を有する化合物、N−(リジル)−ジアミノエタン、N,N´−(ジリジル)−ジアミノエタン、N−(リジル)−ジアミノヘキサン、N,N´−(ジリジル)−ジアミノヘキサン等のモノ又はジリジルアミノアルカン類等のように1分子中に3〜4個のアミノ基を有する化合物、1分子中に5個以上のアミノ基を有する化合物を挙げることができる。
〔ポリカチオンを含む溶液〕
ポリカチオンを含む溶液中のポリカチオンの濃度は、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.02〜2.0質量%がより好ましく、0.05〜1.0質量%が特に好ましい。
ポリカチオンを含む溶液の粘度は、0.1〜1000mPa・sの範囲内であることが好ましく、0.5〜500mPa・sの範囲内であることがより好ましく、1〜100mPa・sの範囲内であることがさらに好ましい。本明細書において、粘度とは、株式会社エー・アンド・デイ製音叉型振動式粘度計、商品名:SV−10を用い、サンプル量10mL、20℃で測定した値である。
ポリカチオンを含む溶液には、2種類以上のポリカチオンを併用してもよい。
ポリカチオンを含む溶液の溶媒としては、ポリカチオンを溶解できるものであれば、任意の溶媒を用いることができるが、ポリカチオンの電荷量をより多くすることができるため、水又は無機塩類の水溶液が適当である。
ポリカチオンを含む溶液は、pHを調整する必要はなく、ポリカチオンを溶媒に溶解させたものをそのまま用いることができる。例えば、pHは1.2〜6.6にすることができる。
〔ポリアニオン〕
本明細書において、ポリアニオンとは、1分子中に2個以上のアニオン性基を有する化合物のことをいい、アニオン性基とは、アニオン基又はアニオン基に誘導され得る基のことをいう。アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシレート基、硫酸基、スルホン酸基及びリン酸基等が挙げられる
ポリアニオンとしては、アニオン性ポリマーが好ましい。なお、本明細書において、アニオン性ポリマーとは、1分子中に2個以上のアニオン性基を有するポリマーのことをいう。アニオン性ポリマーとしては、アニオン性基を有するモノマーを重合させたものであることが好ましい。
アニオン性ポリマーとしては、水の存在下で上記カチオン性ポリマーとゲル状のポリイオンコンプレックスを形成することができ、そのポリイオンコンプレックスが生体組織接着作用を発揮することができ、生体に対して有害反応の少ないものが好ましい。また、アニオン性ポリマーとしては、患部の組織が治癒した後に生分解して生体内に吸収されるように、生体吸収性を有する物質であることがより好ましい。
アニオン性ポリマーとしては、水に溶解又は膨潤することが可能な程度の親水性を有し、水中でアニオン性基が解離することにより負電荷を帯びるという特性を有するものが好適に使用される。アニオン性ポリマーとしては、特に1分子中に2個以上のカルボキシル基又はカルボキシレート基を有するポリマーが好ましい。
アニオン性ポリマーの好ましい例としては、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸、ペクチン、サクラン等のカルボキシル基、カルボキシレート基又は硫酸基等のアニオン性基を有する天然の酸性多糖類及びその誘導体;セルロース、デキストラン、デンプン等の天然ではカルボキシル基、カルボキシレート基又は硫酸基等のアニオン性基を有しない多糖類にアニオン性基を結合させて人工的に合成された酸性多糖類及びその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルキトサン、硫酸化セルロース及び硫酸化デキストラン並びにそれらの誘導体);ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、グルタミン酸とアスパラギン酸との共重合体等の酸性アミノ酸の単独重合体及び共重合体;ポリアクリル酸等の酸性ビニルポリマー;並びにそれらの塩(例えば、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩)が挙げられる。
酸性多糖類の誘導体としては、例えば、水酸基の一部又は全部を、酢酸、硝酸、硫酸、リン酸等と反応させたもの;カルボキシル基又はカルボキシレート基の一部をエチレングリコール、プロピレングリコール等の低分子アルコールでエステル化した化合物が挙げられる。
酸性多糖類の誘導体としては、具体的には、アルギン酸エチレングリコールエステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒアルロン酸エチレングリコールエステル、ヒアルロン酸プロピレングリコールエステル等が挙げられる。これらの誘導体におけるエステル化度は特に制限されないが、エステル化度が高くなりすぎると、カルボキシル基又はカルボキシレート基の割合、すなわちアニオン性が低下し、上記カチオン性ポリマーとの間に形成されるポリイオンコンプレックスの機械的強度が低下する傾向にある。そこで、上記誘導体におけるエステル化度は40〜100%の範囲内であることが好ましく、45〜90%の範囲内であることがより好ましく、50〜80%の範囲内であることがさらに好ましい。
酸性多糖類又は酸性多糖類の誘導体の塩としては、これらと1価のイオンとの塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;アンモニウム塩が挙げられる。
さらに上述のアニオン性ポリマーを架橋することによって得られる架橋ポリマーを用いることもできる。アニオン性ポリマーを架橋する方法としては、公知の方法のいずれも用いることができる。アニオン性ポリマーが、カルボキシル基又はカルボキシレート基を有する場合には、アニオン性ポリマーのカルボキシル基又はカルボキシレート基をジアミンと縮合反応させることにより架橋する方法が好適である。
アニオン性ポリマーとしては、酸性多糖類若しくはその誘導体又はそれらの塩が好適である。特に、天然の多糖類であり、生体適合性に優れ、かつ入手が容易であることから、アルギン酸若しくはその誘導体(具体的には、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)又はそれらの塩(例えば、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩)が好ましい。
アニオン性ポリマーの分子量は特に制限されないが、粘度平均分子量が大きくなるにしたがって、薄膜層の製造時に溶液の粘度が高くなり流延や積層が困難となる傾向があること、及び生体吸収性が低下する傾向があることから、アニオン性ポリマーの粘度平均分子量は1,000〜500,000の範囲内であることが好ましく、10,000〜400,000の範囲内であることがより好ましく、50,000〜200,000の範囲内であることがさらに好ましい。
ポリアニオンとして、1分子中に2個以上のアニオン性基を有する低分子の化合物であっても好ましく用いることができる。1分子中に2個以上のアニオン性基を有する低分子の化合物としては、例えば、コハク酸、マロン酸等の1分子中に2個のカルボキシル基又はカルボキシレート基を有する化合物を挙げられる。
ポリアニオンを含む溶液には、2種類以上のポリアニオンを併用してもよい。
ポリアニオンを含む溶液の溶媒としては、ポリアニオンを溶解できるものであれば、任意の溶媒を用いることができるが、ポリアニオンの電荷量をより多くすることができるため、水又は無機塩類の水溶液が適当である。
カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの組合せは、水の共存下で混合した場合に、ポリイオンコンプレックスを形成し、ゲル化するものであれば、いずれの組合せでもよい。特に、安全性により優れることから、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーのうちの少なくとも1種が生体吸収性ポリマーであるのが好ましい。
生体吸収性ポリマーとは、生分解され得るポリマーを意味する。具体的には、カチオン性ポリマーとして、キトサン、コラーゲン、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、アイオネン等が挙げられ、アニオン性ポリマーとして、アルギン酸、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸、コンドロイチン硫酸及びその誘導体等が挙げられる。
A層とB層とが交互に積層されるものである場合、積層の数は特に限定されるものではないが、薄膜層の透明性を確保しやすい傾向にあることから、A層及びB層のそれぞれが1〜300層であることが好ましい。また、薄膜層が、自己密着性を有する程度の膜厚となりやすい傾向にあることから、A層及びB層のそれぞれが10〜100層とすることがより好ましく、20〜80層とすることが特に好ましい。
本実施形態の薄膜層におけるA層とB層の積層構造は、例えば、薄膜層をIR、NMR、TOF−SIMS(飛行時間型2次イオン質量分析(Time−Of−Flight SIMS))等で観察することにより、確認することができる。
本実施形態の薄膜層の厚みは特に制限されないが、自己密着性、吸水性、乾燥状態での柔軟性等の特性がより優れたものとなることから、1〜300nmの範囲内であることが好ましく、40〜300nmであることがより好ましく、40〜250nmの範囲内であることがさらに好ましく、40〜200nmの範囲内であることがより好ましい。
本実施形態の薄膜層は、交互積層薄膜に限らず、多官能性高分子を架橋させたものであってもよい。多官能性高分子としては、例えばタンパク質、ポリ乳酸、ポリ乳酸/グリコール酸共重合体、ポリカプロラクトン、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの重合体及びその誘導体、重合度の異なるもの、等が挙げられる。多官能性マクロマーの架橋は、例えば熱変性又は熱可塑性等の物理的架橋、又は融解により行われる。
本実施形態の薄膜層の平面大きさは特に制限されないが、接触緩和シート及びRFIDインレイを貼り合せるために接触緩和シート及びRFIDインレイよりも1.1〜100倍の範囲内で大きいことが好ましく、2〜10倍がより好ましい。範囲内より小さい場合では接触緩和シート及びRFIDインレイを貼れない。また、範囲内よりも大きい場合では接触緩和シート及びRFIDインレイを貼りづらい。
〔接触緩和シート〕
本実施形態の接触緩和シートは特に制限されないが、RFID接触部分の肌触りを良くして違和感を緩和するためのものである。接触緩和シートとしては不織布、ガーゼ、織布等が挙げられる。
〔RFIDインレイ〕
RFIDインレイは、基材フィルム(厚さ38μmのPETフィルム)上に接着剤を塗布し、アルミニウムを含むインキを用いてスクリーン印刷により渦巻き状のアンテナを形成する。さらに当該アンテナにICチップを導電的に接続・固定したものである。RFIDインレイは、上記基本的構成に、さらに片面及び/又は両面に、合成紙、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、PETシート等が積層されていてもよい。また、RFIDインレイは、その他の材料、製造方法等で製造されたものでもよい。例えば、基材フィルムは、ポリイミドフィルム、PBT(ポリブチレンテレフタレート)フィルムであってもよい。基材フィルムの厚さに特に制限はないが、通常、厚さ10μm〜100μm、好ましくは厚さ20μm〜70μmである。アンテナの形状は、例えば、ダイポールアンテナであってもよい。アンテナの材質は、例えば、銅であってもよい。銅箔のアンテナは、基材フィルムの上に銅箔層を形成し、レジストを用いてエッチングにより形成してもよく、アンテナ形状の銅箔をプレス等により基材フィルム上に貼り付けてもよい。
〔溶解性支持層〕
本実施形態において、溶解性支持層とは、溶媒に溶解するものであれば、限定されないが、肌への刺激性を考慮すると、水やアルコールなどに可溶な高分子膜からなるものが好ましい。弱アルカリ性、弱酸性水溶液に可溶なものも含まれる。溶解性支持層は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等の高分子電解質、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの誘導体、あるいはデンプン、セルロースアセテート等の多糖類などの非イオン性の水溶性高分子、ノボラックあるいはポリ(N−アルキルシアノアクリレート)などの樹脂から形成されるものを例示することができる。溶解性支持層(可溶性支持膜)又は領域を作製する高分子溶液において、高分子の重量平均分子量は、100〜100万であることが好ましく、5000〜50万であることがより好ましく、高分子の濃度は、1〜20質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましい。溶解性支持層(可溶性支持膜)は、薄膜層を構築した基体上に塗布して、10分〜24時間、好ましくは1時間〜12時間乾燥させることで形成させる。
基体上への塗布の方法としては、キャスト法、スピンコート法等があるが、これらに限定されるものではない。溶解性支持層(可溶性支持膜)はピンセット等を用いて、基体から薄膜層とともに剥離される。このとき、溶解性支持層(可溶性支持膜)と薄膜層との間には、静電的相互作用、水素結合、ファンデルワールス力等の2次結合力によって、剥離と同時に薄膜を支持層に移し取ることが可能となる。
本実施形態においては、ポリビニルアルコール又はポリビニルアルコールの誘導体、を用いることがより好ましい。前記ポリビニルアルコールを用いる場合、膜形成性及び溶媒への溶解性の観点から、平均重合度は、100〜2000が好ましく、200〜1000がより好ましい。
また、溶解性支持層の膜厚は、薄膜層との剥離性及び貼り合わせ性の観点から、1〜100μmの範囲内であることが好ましく、2〜50μmであることがより好ましく、5〜20μmの範囲内であることがさらに好ましい。
なお、高分子の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、標準ポリスチレンを用いた検量線から換算して求めることができる。検量線は、標準ポリスチレンの5サンプルセット(PStQuick MP−H、PStQuick B(東ソー株式会社製、商品名(「PStQuick」は登録商標)))を用いて3次式で近似して求めることができる。
〔浸透性基材〕
浸透性基材は、溶解性支持層を溶かす溶液には溶けないものから選ばれれば、材質は限定しない。但し、溶液を浸透、透過する機能を有する。したがって、溶液を浸透、透過させる孔を有することが好ましく、繊維状、メッシュ状、多孔質であることが好ましい。そして、浸透性基材は、シート(フィルム)の形態であることが取り扱い性、入手の容易性から好ましい。
浸透性基材として使用可能な材料としては、例えば、メッシュクロス、不織布等が挙げられる。浸透性基材の形状はフィルム、シート、板、及び曲面を有する形状等任意の形状とすることができる。その中でも量産性を考慮すると、浸透性基材としてはフレキシブル性を有する樹脂フィルムが好ましく、メッシュクロスであることがより好ましい。
前記メッシュクロスとしては、例えば、ポリエステルメッシュクロス、ナイロンメッシュクロス、カーボンメッシュクロス、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)メッシュクロス、ポリプロピレンメッシュクロス、シルクメッシュクロス等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステルメッシュクロス、ナイロンメッシュクロス、ポリプロピレンメッシュクロスが好ましく、ポリエステルメッシュクロスがより好ましい。前記ポリエステルメッシュクロスとしては、例えばポリエチレンテレフタレートメッシュクロスが挙げられる。
不織布としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ビニロン、硝子等の繊維からなる不織布が挙げられる。紙や不織布は、その繊維間又は他層との層間強度を強化したものでもよい。また、ケバ立ち防止のため、又は浸透性抑制のために、さらに、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)したものでもよい。
また、メッシュクロスを用いる場合、メッシュの目開きは1μm〜1000μmが好ましい。カバーフィルムからの剥離性及び水の浸透性の観点から、メッシュの目開きは5μm〜300μmがより好ましい。さらに、皮膚への貼合せが容易なことから、メッシュの目開きは10μm〜100μmがさらに好ましい。
浸透性基材の厚みは、特に制限はないが、実用的な観点から、5μm〜500μmが好ましい。
〔基材〕
基材は、薄膜層を製造する際の支持基板として機能する。基材として使用可能な材料としては、例えば、樹脂、紙が挙げられる。基材の形状は、フィルム、シート、板、及び曲面を有する形状等任意の形状とすることができる。その中でも量産性を考慮すると、基材としては、フレキシブル性を有する樹脂フィルムが好ましい。
フレキシブル性を有する樹脂フィルムを用いる場合の樹脂フィルムの厚みは、特に制限はないが、実用的な観点から、5μm〜500μmが好ましい。
樹脂フィルムの樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれでもよく、例えば、ポリエチレン(高密度、中密度又は低密度)、ポロプロピレン(アイソタクチック型又はシンジオタクチック型)、ポリブテン、エチレン−プレピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエチレンナフタレート、プリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エボキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ナイロン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂など、又はこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイなどが挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
これらの樹脂フィルムの中でも特に、積層膜の接着性により優れることから、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムがより好ましい。
紙としては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、上質紙、リンター紙、バライタ紙、硫酸紙、和紙等が挙げられる。
また、基材の表面に、コロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、オゾン処理、アルカリや酸等による化学的エッチング処理等を施してもよい
基材は、基材上に樹脂膜、無機膜又は有機材料と無機材料とを含む膜(有機−無機膜)が積層されていてもよい。それら樹脂膜層、無機膜層又は有機−無機膜層からなる積層構造は基材表面の一部を覆っていればよい。また、積層構造中、最表面層に位置しない膜は、極性基を有する必要はない。
基材は、薄膜層を形成するための基材として機能することもでき、その両面に薄膜層を形成し、形成した両面の薄膜層上に、それぞれ溶解性支持層、さらに浸透性基材を設けてシートとすることもできる。カバーフィルムの両面に形成した薄膜層を、それぞれ用いることができるので便利である
〔その他の成分〕
本実施形態に係る薄膜層及び溶解性支持層には、保湿クリーム等の化粧料、又はビタミンC等の化粧料成分を保持させることもできる。これにより皮膚に貼付したとき(使用時)に、化粧料及び化粧料成分が徐々に薄膜フィルムから溶出し、皮膚に徐々に吸収させることができる。
化粧料としては、保湿クリーム、スキンクリーム、美白クリーム、乳液、化粧水、美容液、及び美容ジェル等のスキンケアに用いられる化粧料全般を用いることができる。化粧料成分としては、化粧品学的に許容される皮膚に有効な成分であればよく、特に限定されない。具体的には、例えば、保湿剤、ホワイトニング成分、しみ取り成分、防皺成分、ビタミン類、抗炎症成分、血流促進成分、湿潤成分、油分、及び金属微粒子等の化粧料に用いられる成分を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような化粧料成分としては、例えば、アーモンド油、アクリル酸アルキルコポリマー、麻セルロース、アシタバエキス、アスコルビン酸、アスコルビン酸Na、キサンチン、アスタキサンチン、アスパラガスエキス、アスパラギン酸、アズレン、アセロラエキス、アデノシン三リン酸2Na、アボカド油、アマチャエキス、アミノ酪酸、アラニン、アラントイン、アルギニン、アルギン酸Na、アルジルリン、アルテアエキス、アルニカエキス、アルブミン、アロエベラエキス−2−キダチアロエエキス、安息香酸塩Na、イチョウエキス、イノシトール、ウコンエキス、ウワウルシエキス、エイジツエキス、塩化ナトリウム、オイスターエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オタネニンジンエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オリーブ油、オリザノール、海塩、加水分解ケラチン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、加水分解コンキリオン、加水分解シルク、加水分解卵殻膜、加水分解卵白、褐藻エキス、カフェイン、カミツレエキス、カラミン、カリンエキス、カロチン、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カンフル、キイチゴエキス、キウイエキス、キシリトール、キトサン、キュウリエキス、クオタニウム−73、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、グリコール酸、グリシン、グリセリン、グリチルリチン酸2K、グリチルレチン酸ステアリル、グルコース、グルタチオン、グルタミン酸、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、ケープアロエエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、コエンザイムQ10、コーヒーエキス、コーンスターチ、ココイル加水分解コラーゲンK、ココイル加水分解コラーゲンNa、ココベタイン、ゴボウエキス、ゴマ油、コムギデンプン、コムギ胚芽エキス、コメヌカエキス、コレステロール、コンフリーエキス、酢酸トコフェロール、酢酸レチノール、サザンカオイル、サフラワー油、サリチル酸、サリチル酸Na、酸化亜鉛、酸化チタン、サンザシエキス、シアノコバラミン、シイタケエキス、ジオウエキス、ジグリセリン、シコンエキス、シソエキス、ジヒドロコレステロール、ジフェニルジメチルメコン、シモツケソウエキス、酒石酸、ショウキョウエキス、ショウブ根エキス、シルク、シルクエキス、水添レシチン、スクワラン、ステアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸スクロース、セイヨウキヅタエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、セタノール、セラミド3、セリン、セルロースガム、ソウハクヒエキス、ソルビトール、ダイズエキス、ダイズ発酵エキス、月見草油、ドクダミエキス、トコフェロール、トレハロース、ナイアシンアミド、ニコチン酸トコフェロール、乳酸、乳酸Na、尿素、バクガエキス、ハチミツ、パパイン、ハマメリスエキス、パルミチン酸レチノール、パンテノール、ヒアルロン酸Na、ビオチン、ヒキオコシエキス、ヒマシ油、ヒマワリ油、ピリドキシンHCl、ビワ葉エキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、ブドウ種子油、プラセンタエキス、プルラン、ベタイン、ヘチマエキス、ボタンエキス、ホップエキス、ホホバオイル、メドウフォーム油、メトキシケイヒサンオクチル、メリッサエキス、メリロートエキス、メントール、モモ葉エキス、ヤグルマギクエキス、ヤシ油、ユーカリエキス、ユーカリ油、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨウ化ニンニクエキス、葉酸、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラズベリーケトン、ラクトフェリン、ラノリン、ラベンダーエキス、リシン、リシンHCl、リノール酸、リボフラビン、硫酸Na、リンゴエキス、レイシエキス、レシチン、レゾルシン、レタスエキス、レモンエキス、レモン油、ロイシン、ローズ水、ローズヒップ油、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリー、ワレモコウエキス、AHA、BG、DNA、PCA−Na、PCA−Naアラントイン、PG、PPG−28ブテス−35、RNA−NA、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、α−アルブチン、ムコ多糖、クレアチン、ジアセチルボルジン、ビタミンA及びその誘導体、リン酸リボフラビンナトリウム、リボフラビン、ヒドロキノン、リポ核酸及びその塩、アミノ酸及びその誘導体、各種植物エキス、各種動物由来抽出物、が挙げられる。
本実施形態に係る薄膜層及び溶解性支持層には、色素を保持させることもできる。これにより皮膚に貼付したとき(使用時)に、どこに貼り合せたのか確認することができる。
色素としては、ナフトール染料(アゾ染料)、モーブ、パラレッド、フルオレセイン、フクシン、フェノールフタレイン、ニュートラルレッド、フェナジン誘導体色素、メチレンブルー、ジヒドロイントール、コンゴーレッド、エオシン、インダンスレン、アニリンブラック、アクリジン、アゾ染料、アゾイック染料、ネオシアニン、クリプトシアニン、インドシアニングリーン、ヘモグロビン、ヘムエリトリン、フェオポルフィリン、フェオホルビド、チトクロム、バクテリオクロロフィル、クロロフィリド、クロロフィル、メラニン、カテキン、アントシアン、アントクロール、フラバノン、フラボン類、フラボノイド、ルテイン、リコピン、フコキサンチン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、キサントフィル、カロチン、カロチノイド、ゲニステイン、クロロクルオリン、クロリン、クロセチン、クルクミン、キサントンマチン、カルタミン、エリトロクルオリン、ウロビリン、インジゴ、アントラキノン、アントシアン、アリザリン、ビリルビン、ビリベルジン、フィトクロム、フィコエリスリン、フィコビリン、フィコシアニン、ミオグロビン、ポルフィン、ポルフィリン、ヘモシアニン、ヘモバナジン、ロドマチン、ロドキサンチン、ロドプシン、リトマス、レグヘモグロビン、ラミナラン、モリンジン、ホルビリン、マンゴスチン、ベルベリン、ベタシアニン、プルプリン、ブラジリン、ピンナグロビン、ヒペリシン、ビキシン、ツラシン、タンニン、ステルコピリン、シコニン、コンメリニン、ゴッシポール、コチニールが挙げられる。その中でも、イオン性の色素が水及びアルコールに溶解するので好ましい。
本実施形態に係る薄膜層及び溶解性支持層には、金属イオンを保持させることもできる。これにより皮膚に貼付したとき(使用時)に、金属イオンが徐々に薄膜層から溶出し、皮膚に徐々に吸収させることができる。また、金属イオンを利用して、抗菌、殺菌、消臭、制汗といった効果をもった薄膜層にすることができる。
金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカル金属イオン、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属イオン、金、銀、銅、白金、パラジウムなどの遷移金属イオン、アルミニウム、鉛、スズイオンなどが挙げられる。 その中でも、抗菌、消臭効果がある銀イオンがより好ましい。
本実施形態に係る薄膜層及び溶解性支持層には、薬物を保持させることもできる。これにより皮膚に貼付したとき(使用時)に、薬物が徐々に薄膜層から溶出し、皮膚に徐々に吸収させることができる。また、創傷治癒といった効果をもった薄膜層にすることができる。
薬物としては、抗炎症剤、止血剤、血管拡張薬、血栓溶解剤、抗動脈硬化剤等が挙げられる。
本実施形態に係る薄膜層は、架橋剤として、アルキルジイミデート類、アシルジアジド類、ジイソシアネート類、ビスマレイミド類、トリアジニル類、ジアゾ化合物、グルタルアルデヒド、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)アルキオネート、ブロモシアン等を用いて、機能性物質及び薄膜フィルム中の対応する官能基と架橋させてもよい。
さらに、薬物・化粧料が疎水性の場合、薄膜層の疎水性領域に疎水性相互作用にて結合させる方法、薬物・化粧料が水素結合性の場合、薄膜層の水素結合性領域に水素結合にて結合させる方法、薬物・化粧料が電荷を有する場合、薄膜層の反対電荷領域に静電的相互作用にて結合させる方法を用いてもよい。
本実施形態に係る薄膜層は、保湿クリーム等の化粧料、又はビタミンC等の化粧料成分を皮膚に塗布し、その上に薄膜フィルムを貼り合わせるようにして用いることもできる。この場合、化粧料及び化粧料成分が保持され、剥がれ落ちにくいという効果が得られる。
本実施形態に係る薄膜層は、薄膜層を肌の上に貼り合せた後、その上に化粧料又は化粧料成分を塗布するように用いることもできる。この場合、皺、たるみ、しみ、あざ、そばかす、毛穴、傷跡、にきび跡、熱傷跡、又は皮膚疾患による変色等のある肌を目立たなくすることができる。
〔薄膜層の製造方法〕
本実施形態のナノ薄膜層は、例えば、基材と、ポリカチオンを含む溶液(以下「溶液A」ともいう。)と、ポリアニオンを含む溶液(以下「溶液B」ともいう。)とから、Langmuir,Vol.13,pp.6195−6203,(1997)に記載された交互積層法によって製造することができる。
本実施形態の薄膜層の製造方法は、具体的には、溶液A又は溶液Bに後にカバーフィルムとなる基材を接触させて、基材の表面にポリカチオン又はポリアニオンに由来する層を形成する層形成工程と、
(i)ポリカチオンに由来する層に、溶液Bを接触させて、ポリカチオンに由来する層上にポリアニオンに由来する層を形成するステップと、
(ii)ポリアニオンに由来する層に、溶液Aを接触させて、ポリアニオンに由来する層上にポリカチオンに由来する層を形成するステップと、を繰り返す積層工程と、を備えることが好ましい。
この交互積層法によると、基材上に形成されるポリカチオンに由来する層(又はポリアニオンに由来する層)と、溶液B(又は溶液A)とが接触することで、ポリカチオン及びポリアニオンが交互に吸着して積層膜が形成される。また、上記接触によりポリカチオン又はポリアニオンの吸着が進行して表面電荷が反転すると、さらなる静電吸着は起こらなくなるため、溶液A又は溶液Bとの接触により形成される層の厚さは制御することができる。
層形成工程では、溶液Aに基材を接触させて、基材の表面にポリカチオンに由来する層を形成するか、又は溶液Bに基材を接触させて、基材の表面にポリアニオンに由来する層を形成する。基材の表面が負に帯電している場合は前者を、基材の表面が正に帯電している場合は後者を行うことが好ましい。また、基材の表面の少なくとも一部を、溶液A又は溶液Bに接触させればよい。溶液A又は溶液Bとの接触は、2回以上に分けて行ってもよい。
積層工程では、ステップ(i)又はステップ(ii)において、表面電荷が反転すればよい。また、接触の回数は特に限定されるものではない。例えば、ステップ(i)において、溶液Bとの接触を2回以上に分けて行ってもよく、ステップ(ii)において、溶液Aとの接触を2回以上に分けて行ってもよい。
積層工程において、ステップ(i)とステップ(ii)とを繰り返す回数に特に制限はないが、薄膜層の透明性を確保しやすい傾向にあることから、ポリカチオンに由来する層及びポリアニオンに由来する層のいずれもが1〜300層となるまで繰り返すことが好ましい。また、薄膜層が、自己密着性を有する程度の膜厚となりやすい傾向にあることから、ポリカチオンに由来する層及びポリアニオンに由来する層のいずれもが10〜100層となるまで繰り返すことがより好ましく、20〜80層となるまで繰り返すことが特に好ましい。なお、積層工程における繰り返し回数を制御することによって、薄膜層の膜厚を制御することができる。
上記交互積層法においては、積層工程がステップ(i)で終わるよりも、ステップ(ii)で終わることが好ましい。これにより、ポリカチオンとして用いた物質の特性が発現しやすくなる。例えば、ポリカチオンとしてキトサンを用いた場合、キトサンの特性である抗菌性を発現しやすくなる。
上記製造方法においては、層形成工程又は積層工程における溶液A又は溶液Bとの接触後、吸着面をリンスすることが好ましい。これにより、吸着面から余分な材料を除去することができる。
リンスに用いるリンス液としては、水、有機溶媒又は、水と水溶性の有機溶媒との混合溶媒が好ましい。水溶性の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等が挙げられる。
上記製造方法においては、基材、ポリカチオンに由来する層又はポリアニオンに由来する層を、溶液A又は溶液Bに浸漬することにより接触させることが好ましい(以下「交互浸漬法」ともいう。)。例えば、層形成工程においては、基材を溶液A又は溶液Bに浸漬することにより接触させることが好ましく、積層工程においては、ポリカチオンに由来する層(又はポリアニオンに由来する層)を溶液B(又は溶液A)に浸漬することにより接触させることが好ましい。これにより、より一層工業的に生産することが容易となり、より一層汎用可能な製造方法とすることができる。
交互浸漬法による積層膜の形成装置として、J.Appl.Phys.,Vol.79,pp.7501−7509,(1996)、特願2000−568599号(特許第4302321号公報)等に記載されたディッパーと呼ばれる装置を用いてもよい。ディッパーを用いる場合、基材を固定したアームが自動的に動き、プログラムに従って基材等を溶液A中、溶液B中又はリンス液中に順次浸漬させることができる。
交互浸漬法によれば、表面電荷が反転する限り、膜の形成を継続することができる。そのため、通常のディップコート法よりも、交互浸漬法で形成した薄膜の膜厚均一性は高く、かつ膜厚制御性も高い。
前記交互浸漬法を用いてナノ薄膜層を形成する場合において、ポリアニオンを含む溶液は、効率よく交互積層できる観点から、pHが1.6〜5.4であることが好ましい。
pHが1.6〜5.4であるポリアニオンを含む溶液中のポリアニオンの濃度は、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.02〜2質量%がより好ましく、0.05〜1.0質量%が特に好ましい。
pHが1.6〜5.4であるポリアニオンを含む溶液の粘度は、0.1〜1000mPa・sの範囲内であることが好ましく、1〜500mPa・sの範囲内であることがより好ましく、10〜100mPa・sの範囲内であることがさらに好ましい。
ポリアニオンを含む溶液のpHは、1.6〜5.4であることが好ましいが、ポリアニオンの溶解性により優れることから、1.8〜5.0の範囲内であることがより好ましく、2.0〜4.5の範囲内であることがさらに好ましく、2.5〜4.0の範囲内であることが特に好ましい。
ポリアニオンを含む溶液のpHは、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、マロン酸、シュウ酸等の有機酸、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸を添加することで調整できる。
また、交互浸漬法によれば、基材の一部又は全部が筒状、糸状、繊維、発泡体等の形状を有していても、浸漬することにより溶液が入り込むことができるものであれば、積層膜がその表面に形成されるので使用することができる。また、基材の表面が凹凸形状を有していても、表面の構造に追従して積層膜を形成することができる。さらに、基材表面がナノメートルスケールやサブミクロンスケールの構造を有していても、その構造に追従して積層膜を形成することができる。
本実施形態の薄膜層は、基材に溶液A又は溶液Bを滴下又はスプレーするスピンコート法で積層膜を形成することにより製造してもよい。その際、リンス液は滴下、スプレー若しくはシャワー又はそれらを組み合わせた方法で供給されてもよい。基材は、搬送や回転等の運動を行っていてもよい。しかしながら、スピンコート法は溶液A、溶液B等の使用量が多く、また、一枚一枚の成膜になるため、量産性に優れないというデメリットがある。
いずれの製造方法を用いる場合も、溶液A又は溶液Bの溶媒としては、それぞれ、ポリカチオン又はポリアニオンを溶解できるものであれば、任意の溶媒を用いることができるが、ポリカチオン又はポリアニオンの電荷量をより多くすることができるため、水又は無機塩類の水溶液が好ましい。ポリカチオン又はポリアニオンの溶液中の濃度は特に制限されるものではなく、各製造方法に応じて適宜設定すればよい。
さらに、ポリカチオン及びポリアニオンの少なくとも一方が塩であり、その塩におけるカチオン基又はアニオン基の対イオンを除去することによりポリカチオン又はポリアニオンの水への溶解性が低下する場合、薄膜層を形成した後に薄膜層に含まれる対イオンを除去することによって、薄膜層の力学的強度を向上させることができる。対イオンの除去は、例えば、洗浄工程の回数を増やす、pH調整液に浸す等の方法により行うことができる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
カチオン性ポリマーとしてキトサン水溶液(株式会社キミカ製、粘度平均分子量:90,000、粘度:12.5mPa・s、濃度:0.1質量%)、アニオン性ポリマーとしてアルギン酸ナトリウム水溶液(株式会社キミカ製、粘度平均分子量100,000、粘度:6.7mPa・s、濃度:0.1質量%)、酸成分としてリンゴ酸(和光純薬工業株式会社製)、酢酸(和光純薬工業株式会社製)、を用いた。
〔実施例1〕
キトサン水溶液は、上記0.3質量%のキトサン水溶液100質量部に対して酢酸(1質量%水溶液)3質量部をキトサン水溶液にて滴下したものを使用した。アルギン酸ナトリウム水溶液は、0.1質量%アルギン酸ナトリウム水溶液100質量部に対して、リンゴ酸(1質量%水溶液)1質量部をアルギン酸ナトリウム水溶液に滴下したものを使用した。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名:A4100、縦150mm×横100mm×厚さ125μm)を基材として、これを(ア)キトサン水溶液に1分間浸漬した後、リンス用の超純水(比抵抗:18MΩ・cm)に1分間浸漬し、(イ)アルギン酸ナトリウム水溶液に1分間浸漬した後、リンス用の超純水に1分間浸漬した。
(ア)と(イ)を順番に行う手順を1サイクルとして、このサイクルを15回繰り返し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上にキトサンとアルギン酸ナトリウムの薄膜層を得た。得られた薄膜層の膜厚をフィルメトリスクによって測定した。その結果、膜厚は75nmであった。続いて、溶解性支持層として、ポリビニルアルコール500(関東化学株式会社製、平均重合度:500)を超純水に溶解した10質量%水溶液にリン酸リボフラビンナトリウムを0.1質量部溶解したものを用いて、乾燥後、5μmとなるように、バーコーターによって、薄膜層上に塗布した。その後、浸透性基材シートとして、ポリエチレンテレフタレートメッシュシート(PETメッシュ、株式会社セミテック製、商品名:PES45、メッシュの目開き:45μm)を被覆し、室温(25℃)にて、水分を蒸発させた。その結果、基材(ポリエチレンテレフタレート)上に、薄膜層(キトサン、アルギン酸の交互積層膜)、溶解性支持層(ポリビニルアルコールにリン酸リボフラビンナトリウムを溶解したもの)、浸透性基材シート(ポリエチレンテレフタレートメッシュシート)が順次積層されたシートが形成できた。このシートから、基材のPETフィルムを剥がし、その上にRFIDのインレイをのせ、さらにその上から接触緩和シートをのせ、接触緩和シート層及び薄膜層を露出させ、皮膚表面と面するように接触させ、貼合した。その後、PETメッシュに、水を垂らしかけながら、溶解性支持層であるポリビニルアルコールを溶解させた。水を拭取り3分後、PETメッシュを剥がすと、RFID、接触緩和シート及び薄膜層のみが、皮膚表面に転写した。以上の手順で成人男性5名の手首に貼付し、皮膚のかぶれ・かゆみの有無を「かぶれ・かゆみがある」又は「かぶれ・かゆみがない」の2段階で評価してもらった。その結果、「かぶれ・かゆみがある」と評価した人は5人中0人であった。
〔比較例1〕
アクリル粘着剤のフィルムの上にRFIDインレイ、その上から接触緩和シートをのせ、接触緩和シート層及び粘着層を露出させ、皮膚表面と面するように接触させ、貼合した。以上の手順で成人男性5名の手首に貼付し、皮膚のかぶれ・かゆみの有無を「かぶれ・かゆみがある」又は「かぶれ・かゆみがない」の2段階で評価してもらった。その結果、5人中3人が「かぶれ・かゆみがある」と評価した。

Claims (13)

  1. RFIDのインレイ、薄膜層、溶解性支持層及び浸透性基材を備えるシートであって、前記薄膜層の平面大きさは、前記RFIDのインレイの平面大きさよりも大きいシート。
  2. 接触緩和シートを備え、薄膜層の平面大きさは、前記接触緩和シート及びRFIDのインレイの平面大きさよりも大きい請求項1に記載のシート。
  3. 浸透性基材が、繊維、メッシュ又は、多孔質構造である請求項1又は2に記載のシート。
  4. 溶解性支持層が、水溶性又はアルコール可溶な高分子である請求項1〜3のいずれかに記載のシート。
  5. 薄膜層の厚さが、1nm〜300nmである請求項1〜4のいずれかに記載のシート。
  6. 薄膜層が、ポリカチオンを含むA層と、ポリアニオンを含むB層とが交互に積層されたものである、請求項1〜5のいずれかに記載のシート。
  7. 薄膜層が、ポリカチオンを含む溶液を用いて形成されるA層と、ポリアニオンを含む溶液を用いて形成されるB層と、を有する、請求項1〜6のいずれかに記載のシート。
  8. ポリカチオンが、1分子中に2個以上のアミノ基を有するカチオン性ポリマーである、請求項6又は7に記載のシート。
  9. ポリアニオンが、1分子中に2個以上のカルボキシル基又はカルボキシレート基を有するアニオン性ポリマーである、請求項6〜8のいずれかに記載のシート。
  10. 薄膜層が、皮膚貼合用である、請求項1〜9のいずれかに記載のシート。
  11. ポリカチオンを含む溶液、又はポリアニオンを含む溶液に基材を接触させて、基材の表面にポリカチオン又はポリアニオンに由来する層を形成する工程と、
    (i)ポリカチオンに由来する層に、ポリアニオン溶液を接触させて、前記ポリカチオンに由来する層上にポリアニオンに由来する層を形成するステップと、
    (ii)ポリアニオンに由来する層に、ポリカチオンを含む溶液を接触させて、前記ポリアニオンに由来する層上にポリカチオンに由来する層を形成するステップと、さらに(i)及び(ii)のステップを交互に繰り返して積層する薄膜層を形成する工程と、
    前記薄膜層の上に、溶解性支持層を形成する工程と、
    前記溶解性支持層上に浸透性基材を形成する工程と、を含む、シートの製造方法。
  12. 薄膜層を形成する工程において、(i)及び(ii)のステップを交互に繰り返す回数が1〜300回である、請求項11に記載のシートの製造方法。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載のシートの薄膜層を被着体へ面するように接触させる工程、浸透性基材側から、溶解性支持層を溶解する溶液を浸透、通過させる工程、浸透性基材を剥がす工程と含む、薄膜層の被着体への転写方法。
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