JP2020105342A - 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、配線基板及び電子部品 - Google Patents
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Abstract
Description
また、半導体パッケージ用のプリント配線板材料では、上記硬化性樹脂組成物は、膜厚制御の観点から支持フィルム上に成膜したドライフィルムの形態で用いられている。
また、セルロースナノファイバーを含むエポキシ樹脂組成物は、その透明性という特徴から発光ダイオードの封止材としての用途が期待されている。
しかしながら、特許文献1に記載された硬化性樹脂組成物では、特にセルロースナノファイバーを含むエポキシ樹脂組成物をドライフィルムの形態で使用しようとすると、セルロースナノファイバーの疎水化処理の方法によっては、またエポキシ樹脂の硬化系によっては、硬化物の透明性を損ねたり、支持フィルム上への成膜(塗布、乾燥)時に塗膜にひび割れやスジが入りやすいという問題や、ラミネート後には硬化膜が脆くなるといった問題が生じやすくなるということに、発明者らは新たに気付いた。
前記セルロースナノファイバーが下式1の構造を含むことを特徴とする、硬化性樹脂組成物を提供する。
下式1中のR1は、飽和又は不飽和の、環状、直鎖状又は分岐状の炭化水素基であり、R2は、水素、又は、飽和若しくは不飽和の、環状、直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基である。
(式1)
本発明にかかる硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、酸無水物と、セルロースナノファイバー(CNFと略す場合がある)と、を含む。
本発明にかかる硬化性樹脂組成物は熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含む。
本発明にかかる硬化性樹脂組成物は硬化剤として酸無水物を含む。
本発明にかかるCNFは、その構造中に下記式1の構造を含む。
まず、水中に天然セルロース繊維を分散させたスラリーを調製する。スラリーは、原料となる天然セルロース繊維(絶対乾燥基準:150℃にて30分間加熱乾燥させた後の天然セルロース繊維の質量)に対して約10〜1000倍量(質量基準)の水を加え、ミキサー等で処理することにより得られる。天然セルロース繊維は、叩解等の表面積を高める処理が施されていてもよい。また、上記市販のパルプのセルロースI型結晶化度は、通常80%以上である。
次に、上記天然セルロース繊維を、N−オキシル化合物等の酸化剤の存在下で酸化処理して、カルボキシル基含有セルロース繊維を得る(以下、単に「酸化処理」と称する場合がある)。
リウム等の臭化物や、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のヨウ化物等を用いることが
できる。助触媒の量は、その機能を発揮できる有効量であればよく、特に制限はない。
g以上の、カルボキシル基含有セルロース繊維が得られる。
上記酸化処理工程で得られるカルボキシル基含有セルロース繊維は、触媒として用いるTEMPO等のN−オキシル化合物や副生塩を含む。そのまま次工程を行ってもよいが、精製を行って純度の高いカルボキシル基含有セルロース繊維を得ることもできる。精製方法としては、酸化反応における溶媒の種類、生成物の酸化の程度、精製の程度により最適な方法を採用することができる。例えば、良溶媒として水、貧溶媒としてメタノール、エタノール、アセトン等を用いた再沈殿、ヘキサン等の水と相分離する溶媒へのTEMPO等の抽出、及び、塩のイオン交換、透析等による精製等が挙げられる。
次に、上記精製工程後に得られたカルボキシル基含有セルロース繊維を微細化する工程を行う。微細化工程では、上記精製工程を経たカルボキシル基含有セルロース繊維を溶媒中に分散させ、微細化処理を行うことが好ましい。この微細化工程を行うことにより、平均アスペクト比が上記範囲にあるカルボキシル基含有CNFが得られる。
カルボキシル基含有CNFの平均繊維径、平均繊維長及び平均アスペクト比は、以下のようにして測定することができる。
式1の構造を有するセルロースナノファイバーは、上述のカルボキシル基を有するCNFのカルボキシル基を所定の化合物によって修飾することで得られる。本発明におけるCNFのカルボキシル基の修飾方法としては、カルボキシル基を有するCNFと修飾基(式1におけるR1及びR2)を有するアミン化合物とを溶媒中でアミド化反応させる方法が挙げられる。カルボキシル基を有するCNFは、親水性が高いため、本発明の様な樹脂組成物に添加する際には、このような修飾によって樹脂との親和性を高めることが好ましい。
縮合剤としては、特には限定されないが、合成化学シリーズ ペプチド合成(丸善社)P116記載、又は、Tetrahedron,57,1551(2001)記載の縮合剤などが挙げられ、例えば、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド(以下、「DMT−MM」と称する場合がある)等が挙げられる。
本発明にかかる硬化性樹脂組成物は、用途に応じて、上述した必須成分以外のその他の成分、例えば、慣用の添加物を添加することができる。その他の慣用の添加物としては、特に限定されないが、例えば、樹脂及びエラストマー、無機フィラー、硬化触媒、着色剤、分散剤、消泡剤・レベリング剤、揺変剤、カップリング剤、難燃剤などが挙げられる。また、本発明にかかる硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶剤などを含んでいてもよい。
樹脂及びエラストマーとしては上述の硬化性樹脂及び硬化剤以外の樹脂成分であり、不飽和ポリエステル樹脂、アクリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ノルボルネン系樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアゾメチン樹脂、ブロック共重合体、天然ゴム、ジエン系ゴム、非ジエン系ゴム、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
無機フィラーとしては、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。これらの無機フィラーは、単独又は混合して用いることができる。これらの無機フィラーの中でも、比重が小さく、組成物中に高い割合で配合可能であり、低熱膨張性に優れる点から、シリカ、中でも、球状シリカが好ましい。無機フィラーの平均粒径は3μm以下であることが好ましく、1μm以下がさらに好ましい。なお、無機フィラーの平均粒径は、レーザ回折式粒子径分布測定装置により求めることができる。
硬化触媒は、硬化性樹脂のうち、主に熱硬化性樹脂を硬化させるためのものであり、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物、ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。また、市販品としては、例えば、2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(四国化成工業(株)製)、U−CAT3503N、U−CAT3502T、DBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(サンアプロ(株)製)などが挙げられ、単独で、又は2種以上を混合して使用してもかまわない。また同様に、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもできる。これらの硬化触媒は、単独又は混合して用いることができる。
着色剤としては、着色顔料や染料等としてカラーインデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付されているものを挙げることができる。例えば、赤色着色剤としては、モノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系などがある。青色着色剤としては、フタロシアニン系、アントラキノン系などがあり、顔料系はピグメント(Pigment)に分類されている化合物を使用することができる。これら以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。緑色着色剤としては、同様にフタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系がある。これら以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。黄色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系等がある。白色着色剤としては、ルチル型又はアナターゼ型酸化チタンなどが挙げられる。黒色着色剤としては、カーボンブラック系、黒鉛系、酸化鉄系、チタンブラック、酸化鉄、アンスラキノン系、酸化コバルト系、酸化銅系、マンガン系、酸化アンチモン系、酸化ニッケル系、ペリレン系、アニリン系、硫化モリブデン、硫化ビスマスなどがある。その他、色調を調整する目的で紫、オレンジ、茶色などの着色剤を加えてもよい。
分散剤としては、ポリカルボン酸系、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合系、ポリエチレングリコール、ポリカルボン酸部分アルキルエステル系、ポリエーテル系、ポリアルキレンポリアミン系等の高分子型分散剤、アルキルスルホン酸系、四級アンモニウム系、高級アルコールアルキレンオキサイド系、多価アルコールエステル系、アルキルポリアミン系等の低分子型分散剤等が使用でき、十分な分散効果が得られ、さらに硬化物の良好な塗膜特性を得ることができる。
消泡剤・レベリング剤としては、シリコーン、変性シリコーン、鉱物油、植物油、脂肪族アルコール、脂肪酸、金属石鹸、脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル等の化合物等が使用でき、ボイドの発生を防止することができ、また、被着体との密着性がより良好となる。
揺変剤としては、微粒子シリカ、シリカゲル、不定形無機粒子、ポリアミド系添加剤、変性ウレア系添加剤、ワックス系添加剤などが使用でき、硬化性樹脂組成物の成膜性が良好となり、塗膜の被着体への密着性が優れたものとなる。
カップリング剤としては、アルコキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、アセチル等であり、反応性官能基としてビニル、メタクリル、アクリル、エポキシ、環状エポキシ、メルカプト、アミノ、ジアミノ、酸無水物、ウレイド、スルフィド、イソシアネート等である、例えば、ビニルエトキシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシラン等のビニル系シラン化合物、γ−アミノプロピルトリメトキシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シラン化合物、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ系シラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト系シラン化合物、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のフェニルアミノ系シラン化合物等のシランカップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイル化チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラ(1,1−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス−(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等のチタネート系カップリング剤、エチレン性不飽和ジルコネート含有化合物、ネオアルコキシジルコネート含有化合物、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデシル)ベンゼンスルホニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ジオクチル)ホスフェートジルコネート、ネオアルコキシトリス(ジオクチル)ピロホスフェートジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノ)エチルジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノ)フェニルジルコネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル)ブチル,ジ(ジトリデシル)ホスフィトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリネオデカノイルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ジオクチル)ホスファトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ジオクチル)ピロ−ホスファトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(N−エチレンジアミノ)エチルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(m−アミノ)フェニルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリメタクリルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリアクリルジルコネート、ジネオペンチル(ジアリル)オキシ,ジパラアミノベンゾイルジルコネート、ジネオペンチル(ジアリル)オキシ,ジ(3−メルカプト)プロピオニックジルコネート、ジルコニウム(IV)2,2−ビス(2−プロペノラトメチル)ブタノラト,シクロジ[2,2−(ビス2−プロペノラトメチル)ブタノラト]ピロホスファト−O,O等のジルコネート系カップリング剤、ジイソブチル(オレイル)アセトアセチルアルミネート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミネート系カップリング剤等が使用でき、基材との密着性の向上や、硬化物の硬度の向上が見込める。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水和金属系、赤燐、燐酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、モリブデン化合物系、臭素化合物系、塩素化合物系、燐酸エステル、含燐ポリオール、含燐アミン、メラミンシアヌレート、メラミン化合物、トリアジン化合物、グアニジン化合物、シリコンポリマー等が使用でき、硬化物の自己消火性、耐熱性を高いレベルでバランスよく達成できる。
有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及び上記グリコールエーテル類のエステル化物などのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤等を挙げることができる。
本発明のドライフィルムは、上述した硬化性組成物を基材に塗布又は含浸し、乾燥して得られる樹脂層である。
硬化物は、上述した硬化性組成物(ドライフィルムに含まれる樹脂層を含む)を硬化することで得られる。
本発明においては、上述のドライフィルムを用いた配線基板を作製することができる。
このような硬化物は、優れた機械特性、耐熱性、透明性を有するため、電子部品用等に使用可能である。特に、ドライフィルムとしてプリント基板に用いたり、発光ダイオードの封止剤等として、光学電子部品に用いられる。
ユーカリ由来の広葉樹漂白クラフトパルプ(CENIBRA社製)を天然セルロース繊維として用いた。TEMPOとしては、市販品(ALDRICH社製、Free radical、98質量%)を用いた。次亜塩素酸ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。臭化ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。
(調製例1)
105.3gの酸化パルプ1を、1000gのイオン交換水で希釈し、濃塩酸を346g加えて、酸化パルプ固形分濃度2.34wt%、塩酸濃度2.5Mの分散液に調製し、10分間還流させた。得られた酸化パルプを十分に洗浄し、固形分41質量%の酸加水分解TEMPO酸化パルプを得た。その後、酸化パルプ0.88gとイオン交換水35.12gを高圧ホモジナイザーを用いて150MPaで微細化処理を10回行い、カルボキシル基含有微細セルロース繊維分散液(固形分濃度5.0質量%)を得た。この微細セルロース繊維の平均繊維径は11.0nm、平均繊維長は187nm、平均アスペクト比は17、カルボキシル基含有量は1.1mmol/gであった。
(CNF1)
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、調製例1で得られた微細セルロース繊維40g(固形分濃度5.0質量%)を仕込んだ。続いて、ドデシルアミンを、CNFのカルボキシル基1molに対してアミノ基1.2molに相当する量、4−メチルモルホリン0.34g、縮合剤であるDMT−MMを1.98g仕込み、DMF300g中に溶解させた。反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、エタノールにて洗浄、DMT−MM塩を除去し、DMFで洗浄及び溶媒置換することで、CNFに、脂肪族炭化水素基がアミド結合を介して連結したCNF・DMF分散液を得た。得られたCNF・DMF分散液の固形分濃度は2.2質量%であった。
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、調製例1で得られた微細セルロース繊維35g(固形分濃度5質量%)を仕込んだ。続いて、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドを、CNFのカルボキシル基1molに対してアミノ基1molに相当する量を仕込み、DMF300gで溶解させた。反応液を室温(25℃)で1時間反応させた。反応終了後ろ過し、DMFで洗浄することで、CNFに、アミン塩が結合したCNFを得た。得られた、CNF・DMF分散液の固形分濃度は4.0質量%であった。
繊維状の微細セルロース粉体(スギノマシン社製 BiNFi−s、平均繊維径80nm)10質量%を脱水濾過し、濾物質量の10倍量のカルビトールアセテートを加えて、30分間攪拌した後に濾過した。この置換操作を3回繰返して、濾物質量の20倍量のカルビトールアセテートを加え、微細セルロース粉体の分散液(固形分濃度5.0質量%)を作製した。
下記の表1中の記載に従って、各成分を配合撹拌後、吉田機械興業製高圧ホモジナイザーNanovater NVL−ES008を使用し、6回繰り返して分散させて各組成物を調製した。なお、表1中の数値は、固形分(揮発成分を除く)の質量部を示す。
厚さ38μmのPETフィルムに、ギャップ120μmのアプリケーターで各組成物を塗布し、熱風循環式乾燥炉にて90℃10分間乾燥させて、各組成物の樹脂層を有するドライフィルムを得た。その後、厚さ18μmの銅箔に真空ラミネーターにて60℃、圧力0.5MPaの条件で60秒間圧着して各組成物の樹脂層をラミネートして、PETフィルムを剥がした。次いで、熱風循環式乾燥炉にて180℃30分加熱・硬化して硬化膜を備える銅箔サンプルを得た。
前記ドライフィルムを作製した際の乾燥後の樹脂層の表面状態を目視にて観察した。また、前記硬化膜を備える銅箔サンプルから硬化膜を剥離する際に自立膜(欠損が生じない膜)が採取できるかを評価した。評価基準を下記に示す。また結果を表1に示した。
○:乾燥後の樹脂層の表面状態が良好であり、銅箔から自立膜を剥離することができる
×1:乾燥後の樹脂層にひび割れが見られる
×2:硬化後の塗膜が脆く、銅箔からの剥離にて硬化膜が破損する
前記ドライフィルムを厚さ1mmのガラス基板に真空ラミネーターにて60℃、圧力0.5MPaの条件で60秒間圧着して各組成物の樹脂層をラミネートして、PETフィルムを剥がした。次いで、熱風循環式乾燥炉にて180℃30分加熱して硬化して透明度評価用サンプルを得た。得られた透明度評価用サンプルを、可視光/紫外線光吸収測定器(日本分光株式会社製:型式V−570)に設置して、波長450nmの光の透過率を測定した。評価基準を下記に示した。また結果を表1に示した。
◎:透過率85%以上
○:透過率80%以上85%未満
△:透過率75%以上80%未満
×:透過率75%未満
製
エポキシ樹脂2:HP4032(ナフタレン型エポキシ樹脂) DIC(株)製
酸無水物1:リカシッドMH700 新日本理化(株)製
酸無水物2:リカシッドHH 新日本理化(株)製
フェノール化合物:HF4M(フェノールノボラック樹脂) 明和化成(株)製
活性エステル化合物:ビスフェノールAジアセテート
硬化触媒1:トリフェニルホスフィン(TPP)
硬化触媒2:2E4MZ(2−エチル−4−メチルイミダゾール) 四国化成工業(株)
製
Claims (8)
- 前記R1は、炭素数が3〜18である炭化水素基であり、R2が水素であることを特徴とする、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記酸無水物が、脂環式化合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂が、脂環式化合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を、フィルム上に塗布又は含浸、乾燥させてなる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物、又は、請求項5に記載のドライフィルムの前記樹脂層が、硬化されてなることを特徴とする、硬化物。
- 請求項6に記載の硬化物を備えることを特徴とする、配線板。
- 請求項6に記載の硬化物を備えることを特徴とする、電子部品。
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