JP7273592B2 - 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物及び電子部品 - Google Patents
硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物及び電子部品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7273592B2 JP7273592B2 JP2019069114A JP2019069114A JP7273592B2 JP 7273592 B2 JP7273592 B2 JP 7273592B2 JP 2019069114 A JP2019069114 A JP 2019069114A JP 2019069114 A JP2019069114 A JP 2019069114A JP 7273592 B2 JP7273592 B2 JP 7273592B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- curable resin
- mass
- resins
- cnf
- resin composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Epoxy Resins (AREA)
- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
Description
前記セルロースナノファイバーは、分子中の水酸基の少なくとも1以上が下式1の構造に置換修飾されていることを特徴とする、硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明にかかる硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂と、セルロースナノファイバー(CNFと略す場合がある)と、を含む。
本発明にかかる硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含む。硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂のいずれであってもよい。また、硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂とを併用した光熱硬化性樹脂であってもよい。
熱硬化性樹脂としては、熱による硬化反応が可能な官能基を有する樹脂を用いることが望ましく、特に、分子中に1個以上の環状(チオ)エーテル基を有する化合物が好ましく用いられる。そして、この熱硬化性樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光硬化性樹脂としては、活性エネルギー線照射による硬化反応が可能な官能基を有する樹脂を用いることが望ましく、ラジカル重合性でもカチオン重合性でもよい。そして、この光硬化性樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明にかかるCNFは、下式2の構造を有する。
R1からR3の少なくとも1以上は、下式3の構造を有する。R1は、基本的に水酸基又は下式3の構造であるが、水酸基がアミン化合物等によって修飾されていてもよい。R2もまた、基本的に水酸基又は下式3の構造であるが、水酸基がアミン化合物等によって修飾されていてもよい。R3は、メチロール基、カルボキシル基、-CONHR4(R4は、炭化水素基である。)、-COO-NR5 4 +(R5は、水素又は炭化水素基である。)又は下式3の構造である。
分子中の水酸基を式1の構造に化学修飾してなるセルロースナノファイバーは、原材料である天然セルロース繊維の水酸基を化学修飾した後に解繊処理するか、天然セルロース繊維を解繊処理して得られるCNFの水酸基を化学修飾することで得られる。
CNFの平均繊維径、平均繊維長及び平均アスペクト比は、以下のようにして測定することができる。
本発明にかかる硬化性樹脂組成物は、用途に応じて、上述した必須成分以外のその他の成分、例えば、慣用の添加物を添加することができる。その他の慣用の添加物としては、特に限定されないが、例えば、樹脂及びエラストマー、硬化剤、光重合開始剤、無機フィラー、硬化触媒、着色剤、分散剤、消泡剤・レベリング剤、揺変剤、カップリング剤、難燃剤などが挙げられる。また、本発明にかかる硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶剤などを含んでいてもよい。
樹脂及びエラストマーとしては上述の硬化性樹脂以外の樹脂成分であり、不飽和ポリエステル樹脂、アクリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ノルボルネン系樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアゾメチン樹脂、ブロック共重合体、天然ゴム、ジエン系ゴム、非ジエン系ゴム、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
必須の構成ではないが、本発明にかかる硬化性樹脂組成物は、硬化剤を含むことが好ましい。本実施形態において、硬化剤とは、硬化反応において、硬化性樹脂と反応し、自らも硬化物の骨格を形成するものをいう。
光重合開始剤は、硬化性樹脂のうち、光硬化性樹脂の重合を開始させるためのものであり、光照射によりラジカル又はカチオンを発生して、光重合性不飽和基を有する光硬化性樹脂を硬化させる。光重合開始剤の種類は、特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、ベンゾイン系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤等を用いることができる。
無機フィラーとしては、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。これらの無機フィラーは、単独又は混合して用いることができる。これらの無機フィラーの中でも、比重が小さく、組成物中に高い割合で配合可能であり、低熱膨張性に優れる点から、シリカ、中でも、球状シリカが好ましい。無機フィラーの平均粒径は3μm以下であることが好ましく、1μm以下がさらに好ましい。なお、無機フィラーの平均粒径は、レーザ回折式粒子径分布測定装置により求めることができる。
硬化性樹脂のうち、他の硬化性樹脂と併用することで、硬化反応を促進させるものであり、例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物、ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。また、市販品としては、例えば、2MZ-A、2MZ-OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(四国化成工業(株)製)、U-CAT3503N、U-CAT3502T、DBU、DBN、U-CATSA102、U-CAT5002(サンアプロ(株)製)などが挙げられ、単独で、又は2種以上を混合して使用してもかまわない。また同様に、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS-トリアジン誘導体を用いることもできる。これらの硬化触媒は、単独又は混合して用いることができる。
着色剤としては、着色顔料や染料等としてカラーインデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付されているものを挙げることができる。例えば、赤色着色剤としては、モノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系などがある。青色着色剤としては、フタロシアニン系、アントラキノン系などがあり、顔料系はピグメント(Pigment)に分類されている化合物を使用することができる。これら以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。緑色着色剤としては、同様にフタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系がある。これら以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。黄色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系等がある。白色着色剤としては、ルチル型又はアナターゼ型酸化チタンなどが挙げられる。黒色着色剤としては、カーボンブラック系、黒鉛系、酸化鉄系、チタンブラック、酸化鉄、アンスラキノン系、酸化コバルト系、酸化銅系、マンガン系、酸化アンチモン系、酸化ニッケル系、ペリレン系、アニリン系、硫化モリブデン、硫化ビスマスなどがある。その他、色調を調整する目的で紫、オレンジ、茶色などの着色剤を加えてもよい。
分散剤としては、ポリカルボン酸系、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合系、ポリエチレングリコール、ポリカルボン酸部分アルキルエステル系、ポリエーテル系、ポリアルキレンポリアミン系等の高分子型分散剤、アルキルスルホン酸系、四級アンモニウム系、高級アルコールアルキレンオキサイド系、多価アルコールエステル系、アルキルポリアミン系等の低分子型分散剤等が使用でき、十分な分散効果が得られ、さらに硬化物の良好な塗膜特性を得ることができる。
消泡剤・レベリング剤としては、シリコーン、変性シリコーン、鉱物油、植物油、脂肪族アルコール、脂肪酸、金属石鹸、脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル等の化合物等が使用でき、ボイドの発生を防止することができ、また、被着体との密着性がより良好となる。
揺変剤としては、微粒子シリカ、シリカゲル、不定形無機粒子、ポリアミド系添加剤、変性ウレア系添加剤、ワックス系添加剤などが使用でき、硬化性樹脂組成物の成膜性が良好となり、塗膜の被着体への密着性が優れたものとなる。
カップリング剤としては、アルコキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、アセチル等であり、反応性官能基としてビニル、メタクリル、アクリル、エポキシ、環状エポキシ、メルカプト、アミノ、ジアミノ、酸無水物、ウレイド、スルフィド、イソシアネート等である、例えば、ビニルエトキシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシラン等のビニル系シラン化合物、γ-アミノプロピルトリメトキシラン、N-β-(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シラン化合物、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ系シラン化合物、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト系シラン化合物、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のフェニルアミノ系シラン化合物等のシランカップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイル化チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラ(1,1-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス-(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等のチタネート系カップリング剤、エチレン性不飽和ジルコネート含有化合物、ネオアルコキシジルコネート含有化合物、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデシル)ベンゼンスルホニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ジオクチル)ホスフェートジルコネート、ネオアルコキシトリス(ジオクチル)ピロホスフェートジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノ)エチルジルコネート、ネオアルコキシトリス(m-アミノ)フェニルジルコネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル)ブチル,ジ(ジトリデシル)ホスフィトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリネオデカノイルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ドデシル)ベンゼン-スルホニルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ジオクチル)ホスファトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ジオクチル)ピロ-ホスファトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(N-エチレンジアミノ)エチルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(m-アミノ)フェニルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリメタクリルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリアクリルジルコネート、ジネオペンチル(ジアリル)オキシ,ジパラアミノベンゾイルジルコネート、ジネオペンチル(ジアリル)オキシ,ジ(3-メルカプト)プロピオニックジルコネート、ジルコニウム(IV)2,2-ビス(2-プロペノラトメチル)ブタノラト,シクロジ[2,2-(ビス2-プロペノラトメチル)ブタノラト]ピロホスファト-O,O等のジルコネート系カップリング剤、ジイソブチル(オレイル)アセトアセチルアルミネート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミネート系カップリング剤等が使用でき、基材との密着性の向上や、硬化物の硬度の向上が見込める。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水和金属系、赤燐、燐酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、モリブデン化合物系、臭素化合物系、塩素化合物系、燐酸エステル、含燐ポリオール、含燐アミン、メラミンシアヌレート、メラミン化合物、トリアジン化合物、グアニジン化合物、シリコンポリマー等が使用でき、硬化物の自己消火性、耐熱性を高いレベルでバランスよく達成できる。
有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及び上記グリコールエーテル類のエステル化物などのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤等を挙げることができる。
本発明のドライフィルムは、上述した硬化性樹脂組成物を基材に塗布又は含浸し、乾燥して得られる樹脂層を有するものである。
硬化物は、上述した硬化性樹脂組成物(ドライフィルムに含まれる樹脂層を含む)を硬化することで得られる。
本発明においては、上述の硬化性樹脂組成物、又はドライフィルムを用いた配線板を作製することができる。
このような硬化物は、優れた機械特性、耐熱性、透明性を有するため、電子部品用等に使用可能である。特に、層間絶縁材等としてプリント配線板に用いたり、発光ダイオードの封止剤等として、光学電子部品に用いられる。
ユーカリ由来の広葉樹漂白クラフトパルプ(CENIBRA社製)を天然セルロース繊維として用いた。TEMPOとしては、市販品(ALDRICH社製、Free radical、98質量%)を用いた。次亜塩素酸ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。臭化ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。
(調製例1)
105.3gの酸化パルプ1を、1000gのイオン交換水で希釈し、濃塩酸を346g加えて、酸化パルプ固形分濃度2.34wt%、塩酸濃度2.5Mの分散液に調製し、10分間還流させた。得られた酸化パルプを十分に洗浄し、固形分41質量%の酸加水分解TEMPO酸化パルプを得た。その後、酸化パルプ0.88gとイオン交換水35.12gを高圧ホモジナイザーを用いて150MPaで微細化処理を10回行い、カルボキシル基含有セルロースナノファイバーの分散液(固形分濃度5.0質量%)を得た。このセルロースナノファイバーの平均繊維径は11.0nm、平均繊維長は187nm、平均アスペクト比は17、カルボキシル基含有量は1.1mmol/gであった。
(CNF1)
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、調製例1で得られたセルロースナノファイバー分散液35g(固形分濃度5.0質量%)を仕込んだ。続いて、フェニルイソシアネートを、CNFの水酸基1molに対してイソシアネート基1.2molに相当する量を仕込み、DMF300gで溶解させた。反応液を60℃で6時間反応させた。反応終了後ろ過し、DMFで洗浄することで、フェニルイソシアネートで化学修飾したCNFを得た。得られた、CNF・DMF分散液の固形分濃度は7.3質量%であった。
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、調製例1で得られたセルロースナノファイバー分散液35g(固形分濃度5.0質量%)を仕込んだ。続いて、ブチルイソシアネートを、CNFの水酸基1molに対してイソシアネート基1.2molに相当する量を仕込み、DMF300gで溶解させた。反応液を60℃で6時間反応させた。反応終了後ろ過し、DMFで洗浄することで、ブチルイソシアネートで化学修飾したCNFを得た。得られた、CNF・DMF分散液の固形分濃度は7.3質量%であった。
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、調製例1で得られたセルロースナノファイバー分散液40g(固形分濃度5.0質量%)を仕込んだ。続いて、ドデシルアミンを、CNFのカルボキシル基1molに対してアミノ基1.2molに相当する量、4-メチルモルホリン0.34g、縮合剤であるDMT-MMを1.98g仕込み、DMF300g中に溶解させた。反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、エタノールにて洗浄、DMT-MM塩を除去し、DMFで洗浄及び溶媒置換することで、CNFに、脂肪族炭化水素基がアミド結合を介して連結したCNF・DMF分散液を得た。得られたCNF・DMF分散液の固形分濃度は2.2質量%であった。
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、調製例1で得られたセルロースナノファイバー分散液35g(固形分濃度5.0質量%)を仕込んだ。続いて、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドを、CNFのカルボキシル基1molに対してアミノ基1molに相当する量を仕込み、DMF300gで溶解させた。反応液を室温(25℃)で1時間反応させた。反応終了後ろ過し、DMFで洗浄することで、CNFに、アミン塩が結合したCNFを得た。得られた、CNF・DMF分散液の固形分濃度は4.0質量%であった。
下記の表1中の記載に従って、各成分を配合撹拌後、吉田機械興業製高圧ホモジナイザーNanovater NVL-ES008を使用し、6回繰り返して分散させて各組成物を調製した。なお、表1中の数値は、固形分(揮発成分を除く)の質量部を示す。
厚さ38μmのPETフィルムに、アプリケーターを用いて硬化後の膜厚が55μmとなるように各組成物を塗布し、熱風循環式乾燥炉にて90℃で10分間乾燥させて、各組成物の樹脂層を有するドライフィルムを得た。その後、厚さ18μmの銅箔に真空ラミネータにて60℃、圧力0.5MPaの条件で60秒間圧着して各組成物の樹脂層をラミネートして、PETフィルムを剥がした。次いで、熱風循環式乾燥炉にて180℃30分加熱して硬化させ、銅箔から剥がして、各組成物の硬化塗膜を得た。
上記硬化塗膜を5mm×10cmに裁断して評価用試験片を作製した。この試験片について、島津製作所製小型卓上試験機EZ-SXを用い、引張速度10mm/分にて試験を行い、破断点歪みを測定した。評価基準を下記に示す。また結果を表1に示した。
◎:8%以上
○:4%以上8%未満
×:4%未満
上記硬化塗膜を試験片としてSPDR(Split Post Dielectric Resonator)共振器法により測定した。測定器には、キーサイトテクノロジー合同会社製のベクトル型ネットワークアナライザE5071C、SPDR共振器、計算プログラムはQWED社製のものを用いた。条件は、周波数10GHz、測定温度25℃とした。
◎:0.014未満
○:0.014以上0.018未満
×:0.018以上
硬化塗膜を20mm×20mmに裁断して評価用試験片を作製した。この試験片について、50℃で24時間乾燥後、デシケーターで室温まで冷却し、重量を測定した。次いで、23℃に保たれた水に24時間浸漬後、試験片を取り出して表面の水分を除去し、1分間以内に重量を測定した。水に浸漬する前後の重量変化より吸水率を算出した。評価基準を下記に示す。また結果を表1に示した。
◎:1.0%未満
○:1.0%以上1.5%未満
×:1.5%以上
※2 エポキシ樹脂2:XD1000(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂) 日本化薬(株)製
※3 活性エステル化合物:HPC8000-65T(活性エステル化合物、固形分65質量%、表1中の数値は固形分) DIC(株)製
※4 フェノール化合物:HF4M(フェノールノボラック樹脂) 明和化成(株)製
※5 硬化触媒:2E4MZ(2-エチル-4-メチルイミダゾール) 四国化成工業(株)製
※6 CNF:上記のCNF1(フェニルイソシアネート修飾CNF)
※7 CNF:上記のCNF2(ブチルイソシアネート修飾CNF)
※8 CNF:上記のCNF3(アミン塩修飾CNF)
※9 CNF:上記のCNF4(アミド修飾CNF)
※10 CNF:上記の調製例1で得られたセルロースナノファイバー分散液(未修飾CNF)
Claims (5)
- 前記式1中のRが芳香族炭化水素基であることを特徴とする、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物を、基材に塗布又は含浸、乾燥させてなる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
- 請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物、又は、請求項3に記載のドライフィルムの樹脂層が、硬化されてなることを特徴とする、硬化物。
- 請求項4に記載の硬化物を備えることを特徴とする、電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019069114A JP7273592B2 (ja) | 2019-03-29 | 2019-03-29 | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物及び電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019069114A JP7273592B2 (ja) | 2019-03-29 | 2019-03-29 | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物及び電子部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020164753A JP2020164753A (ja) | 2020-10-08 |
JP7273592B2 true JP7273592B2 (ja) | 2023-05-15 |
Family
ID=72717193
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019069114A Active JP7273592B2 (ja) | 2019-03-29 | 2019-03-29 | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物及び電子部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7273592B2 (ja) |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002524618A (ja) | 1998-09-15 | 2002-08-06 | ロディア・シミ | 変性表面を持つセルロースミクロフィブリル、それらの製造方法およびそれらの用途 |
JP2003335898A (ja) | 2002-05-17 | 2003-11-28 | Toray Ind Inc | 熱可塑化セルロースカーバメート組成物およびそれからなる繊維 |
JP2009084564A (ja) | 2007-09-10 | 2009-04-23 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 加硫ゴム組成物、空気入りタイヤおよびこれらの製造方法 |
JP2012012534A (ja) | 2010-07-02 | 2012-01-19 | Dic Corp | 熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、活性エステル樹脂、半導体封止材料、プリプレグ、回路基板、及びビルドアップフィルム |
WO2014175315A1 (ja) | 2013-04-23 | 2014-10-30 | 太陽ホールディングス株式会社 | プリント配線板材料およびそれを用いたプリント配線板 |
JP2015059206A (ja) | 2013-09-20 | 2015-03-30 | 星光Pmc株式会社 | 変性セルロースならびに該変性セルロースを含むマスターバッチ用樹脂組成物、樹脂成形材料、および成形体 |
JP2017008157A (ja) | 2015-06-18 | 2017-01-12 | 花王株式会社 | ゴム組成物 |
JP2019006869A (ja) | 2017-06-22 | 2019-01-17 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 樹脂組成物、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート、及びプリント配線板 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19613314A1 (de) * | 1996-04-03 | 1997-10-09 | Basf Ag | Polymerisierte flüssigkristalline Zusammensetzungen |
-
2019
- 2019-03-29 JP JP2019069114A patent/JP7273592B2/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002524618A (ja) | 1998-09-15 | 2002-08-06 | ロディア・シミ | 変性表面を持つセルロースミクロフィブリル、それらの製造方法およびそれらの用途 |
JP2003335898A (ja) | 2002-05-17 | 2003-11-28 | Toray Ind Inc | 熱可塑化セルロースカーバメート組成物およびそれからなる繊維 |
JP2009084564A (ja) | 2007-09-10 | 2009-04-23 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 加硫ゴム組成物、空気入りタイヤおよびこれらの製造方法 |
JP2012012534A (ja) | 2010-07-02 | 2012-01-19 | Dic Corp | 熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、活性エステル樹脂、半導体封止材料、プリプレグ、回路基板、及びビルドアップフィルム |
WO2014175315A1 (ja) | 2013-04-23 | 2014-10-30 | 太陽ホールディングス株式会社 | プリント配線板材料およびそれを用いたプリント配線板 |
JP2015059206A (ja) | 2013-09-20 | 2015-03-30 | 星光Pmc株式会社 | 変性セルロースならびに該変性セルロースを含むマスターバッチ用樹脂組成物、樹脂成形材料、および成形体 |
JP2017008157A (ja) | 2015-06-18 | 2017-01-12 | 花王株式会社 | ゴム組成物 |
JP2019006869A (ja) | 2017-06-22 | 2019-01-17 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 樹脂組成物、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート、及びプリント配線板 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Mohammad L Hassan et al.,Improving cellulose/polypropylene nanocomposites properties with chemical modified bagasse nanofibers and maleated polypropylene,JOURNAL OF REINFORCED PLASTICS AND COMPOSITES,2014, vol. 33, issue 1,2013年10月28日,p. 26-36 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020164753A (ja) | 2020-10-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI772286B (zh) | 感光性樹脂組成物、乾膜、硬化物及印刷配線板 | |
KR20150037615A (ko) | 프린트 배선판용 백색 경화형 조성물, 이것을 사용한 경화 도막 및 프린트 배선판 | |
JP2018024878A (ja) | プリント配線板用硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 | |
TW201732422A (zh) | 硬化性樹脂組成物、乾膜、硬化物及印刷配線板 | |
KR20200136024A (ko) | 잉크젯 인쇄용 경화성 조성물, 그의 경화물, 및 그 경화물을 갖는 전자 부품 | |
JP2018109733A (ja) | ネガ型光硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 | |
KR20180127456A (ko) | 잉크젯용 경화성 조성물, 경화물 및 프린트 배선판 | |
CN111902432A (zh) | 固化性组合物、其固化物和具有其的电子部件 | |
CN107436535B (zh) | 感光性树脂组合物、干膜、固化物和印刷电路板 | |
TW201631072A (zh) | 硬化性樹脂組成物、乾膜、硬化物以及印刷配線板 | |
JP7168443B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、配線板及び電子部品 | |
JP5847918B1 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 | |
JP7176945B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、配線基板及び電子部品 | |
JP7273592B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物及び電子部品 | |
JP7359560B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物及び電子部品 | |
JP7406310B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、電子部品 | |
JP6286395B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 | |
JP7232041B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、配線基板及び電子部品 | |
JP7321781B2 (ja) | 有機無機複合粒子を含む樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、電子部品 | |
JP6531201B2 (ja) | アルカリ現像型のソルダーレジスト組成物 | |
JP7396810B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物及び電子部品 | |
JP7321778B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物及び電子部品 | |
TWI748695B (zh) | 噴墨用硬化性組成物、硬化物及柔性印刷電路板 | |
JP2017008291A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物、硬化物およびプリント配線板 | |
JP2017034226A (ja) | 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220218 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20221221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230110 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230308 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230404 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230428 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7273592 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |