JP2017034226A - 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 Download PDF

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孝典 中島
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Abstract

【課題】銀めっきを変色しにくく、紫外線照射による反射率の低下が少ない硬化物が得られる硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、その硬化物および該硬化物を有するプリント配線板を提供する。
【解決手段】(A)硬化性樹脂と、(B)酸化チタンとを含む硬化性樹脂組成物において、前記硬化性樹脂組成物の固形分の硫黄濃度が130ppm以下であることを特徴とする硬化性樹脂組成物等である。
【選択図】なし

Description

本発明は硬化性樹脂組成物、硬化物およびプリント配線板に関し、詳しくは、銀めっきを変色しにくく、紫外線照射による反射率の低下が少ない硬化物が得られる硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、その硬化物および該硬化物を有するプリント配線板に関する。
硬化性樹脂組成物をプリント配線板等の基材に塗布して硬化することにより、ソルダーレジスト等の絶縁層として用いることが広く行われている(例えば、特許文献1)。硬化性脂組組成物が、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光素子が実装されるプリント配線板の絶縁層として利用される場合は、光を有効利用できるように、高反射率である白色等の硬化性樹脂組成物として構成されることが多い。
また、可視光の反射率や電極の接続信頼性を高めるために、このようなプリント配線板の実装部の導電回路の表面に、銀めっき処理を施すことが行われている(例えば、特許文献2)。銀めっきは空気中に放置しておくだけで腐食し黒色に変色するため、変色による明るさ、信頼性、実装部との密着性等の低下を防止すべく、銀めっきの表面を変色防止剤で処理することが行われている。
特開2005−311233号公報 特開2007−189006号公報
変色防止剤だけでは銀の腐食を完全に防止することはできないため、銀めっきの変色の防止には更なる改善の余地があった。
また、高反射率の硬化性樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層は、実用時に紫外線に曝されることによって徐々に反射率が低下する問題もあった。
そこで本発明の目的は、銀めっきを変色しにくく、紫外線照射による反射率の低下が少ない硬化物が得られる硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、その硬化物および該硬化物を有するプリント配線板を提供することにある。
本発明者等は上記に鑑み鋭意検討した結果、硬化性樹脂組成物の固形分の硫黄濃度を130ppm以下とすることによって、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)硬化性樹脂と、(B)酸化チタンとを含む硬化性樹脂組成物において、前記硬化性樹脂組成物の固形分の硫黄濃度が130ppm以下であることを特徴とするものである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに、(C)光重合開始剤を含むことが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、銅上に塗布して用いられることが好ましい。
本発明のドライフィルムは、前記硬化性樹脂組成物を、フィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするものである。
本発明の硬化物は、前記硬化性樹脂組成物、または、前記ドライフィルムの樹脂層を、光照射および加熱の少なくとも何れか一方により硬化して得られることを特徴とするものである。
本発明のプリント配線板は、前記硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明のプリント配線板は、導電回路の一部が銀めっき処理されていることが好ましい。
本発明によれば、銀めっきを変色しにくく、紫外線照射による反射率の低下が少ない硬化物が得られる硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、その硬化物および該硬化物を有するプリント配線板を提供することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)硬化性樹脂と、(B)酸化チタンとを含む硬化性樹脂組成物において、前記硬化性樹脂組成物の固形分の硫黄濃度が130ppm以下であることを特徴とするものである。詳しいメカニズムは明らかではないが、本発明の硬化性樹脂組成物から得られる硬化物は、プリント配線板に設けられた銀めっきの変色を低減するだけでなく、硬化物の紫外線照射による反射率の低下を抑制することができる。
本発明における硬化物とは、硬化性樹脂組成物に光や熱のエネルギーを用いて硬化させることを指す。また、その硬化物中には、希釈溶剤や水等の液体は0.1質量%以下であることとする。光による硬化は、光源の指定はなく、硬化性樹脂組成物のラジカル反応を引き起こさせるものであればよく、その中でもメタルハライドランプや高圧水銀灯が望ましい。光のエネルギー量としては、5〜4000mJ/cmが好ましく、20〜2000mJ/cmがより好ましい。熱による硬化は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等を用いて硬化性樹脂組成物が熱硬化させられるものであればよい。硬化温度は、50〜250℃が好ましく、より好ましいのは、70〜200℃が好ましい。硬化時間は、5〜180分が好ましく、15〜120分がより好ましい。
硬化物の紫外線照射による反射率の低下の従来の抑制方法としては、芳香環を含まない樹脂等の特定の構造の樹脂を用いることが挙げられるが、現像性や耐熱性の低下を招くこともあった。本発明の硬化性樹脂組成物によれば、特定の構造の樹脂を用いずとも、反射率の低下が少ない硬化物を得ることができる。
また、従来のアルカリ現像型の硬化性樹脂組成物においては、反射率を高めるために酸化チタンを高充填すると、酸化チタンは比重が重いことから、現像し難いという課題もあるが、本発明の硬化性樹脂組成物をアルカリ現像型の硬化性樹脂組成物とした場合には、現像性にも優れる。
本発明において、硬化性樹脂組成物の固形分の硫黄濃度とは、硬化性樹脂組成物から溶剤が揮発した状態の硫黄濃度を言い、無溶剤の場合はその状態の硫黄濃度を言う。
また、本発明の硬化性樹脂組成物の固形分の硫黄濃度は、100ppm以下が好ましく、80ppm以下がより好ましい。本発明において、硫黄濃度は、規格「BS EN 14582:2007」に従って測定することができる。前処理としては石英管燃焼法を用いればよく、また、含有量の測定にはイオンクロマトグラフィー法を用いればよい。
本発明の硬化性樹脂組成物の固形分の硫黄濃度は、硫黄含有量の少ない成分を多く配合することによって130ppm以下に調整することができる。特に、白色着色剤として酸化チタンを含有する白色や灰色の硬化性樹脂組成物においては、酸化チタンを高充填するため、硫黄濃度の低い酸化チタンを用いることが肝要である。例えば、製造過程、特に表面処理の中和時において硫酸が使用される酸化チタンは、硫黄含有量が高い傾向にある。
次に、本発明の硬化性樹脂組成物の各成分について説明する。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
[(A)硬化性樹脂]
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)硬化性樹脂を含有する。本発明において用いられる(A)硬化性樹脂は、(A−1)熱硬化性樹脂または(A−2)光硬化性樹脂であり、これらの混合物であってもよい。また、(A)硬化性樹脂は構造中に芳香環を有していても、有していなくてもよい。
(A)硬化性樹脂は、樹脂合成の原料(例えば、出発原料等)に硫黄原子を含まないことが好ましい。(A)硬化性樹脂の硫黄濃度は200ppm以下が好ましく、90ppm以下がより好ましい。
((A−1)熱硬化性樹脂)
(A−1)熱硬化性樹脂としては、加熱により硬化して電気絶縁性を示す樹脂であればよく、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、メラミン樹脂などが挙げられる。特に、本発明においては、エポキシ化合物およびオキセタン化合物を好適に用いることができ、これらは併用してもよい。
上記エポキシ化合物としては、1個以上のエポキシ基を有する公知慣用の化合物を使用することができ、中でも、2個以上のエポキシ基を有する化合物が好ましい。例えば、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートなどのモノエポキシ化合物などのモノエポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、フェニル−1,3−ジグリシジルエーテル、ビフェニル−4,4’−ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。これらは、要求特性に合わせて、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
2個以上のエポキシ基を有する化合物としては、具体的には、三菱化学(株)製のjER828、jER834、jER1001、jER1004、DIC(株)製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、新日鉄住金化学(株)製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル日本(株)製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、住友化学(株)製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成イーマテリアルズ(株)製のA.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等(何れも商品名)のビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱化学(株)製のjERYL903、DIC(株)製のエピクロン152、エピクロン165、新日鉄住金化学(株)製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウケミカル日本(株)製のD.E.R.542、住友化学(株)製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、旭化成イーマテリアルズ(株)製のA.E.R.711、A.E.R.714等(何れも商品名)のブロム化エポキシ樹脂;三菱化学(株)製のjER152、jER154、ダウケミカル日本(株)製のD.E.N.431、D.E.N.438、DIC(株)製のエピクロンN−730、エピクロンN−770、エピクロンN−865、新日鉄住金化学(株)製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、日本化薬(株)製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306、NC−3000、住友化学(株)製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、旭化成イーマテリアルズ(株)製のA.E.R.ECN−235、ECN−299、新日鉄住金化学(株)製のYDCN−700−2、YDCN−700−3、YDCN−700−5,YDCN−700−7、YDCN−700−10、YDCN−704 YDCN−704A、DIC(株)製のエピクロンN−680、N−690、N−695(いずれも商品名)等のノボラック型エポキシ樹脂;DIC(株)製のエピクロン830、三菱化学(株)製jER807、新日鉄住金化学(株)製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004等(何れも商品名)のビスフェノールF型エポキシ樹脂;新日鉄住金化学(株)製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000(商品名)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱化学(株)製のjER604、新日鉄住金化学(株)製のエポトートYH−434;住友化学(株)製のスミ−エポキシELM−120等(何れも商品名)のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ヒダントイン型エポキシ樹脂;(株)ダイセル製のセロキサイド2021等(何れも商品名)の脂環式エポキシ樹脂;三菱化学(株)製のYL−933、ダウケミカル日本(株)製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等(何れも商品名)のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;三菱化学(株)製のYL−6056、YX−4000、YL−6121(何れも商品名)等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂又はそれらの混合物;日本化薬(株)製EBPS−200、(株)ADEKA製EPX−30、DIC(株)製のEXA−1514(商品名)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;三菱化学(株)製のjER157S(商品名)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;三菱化学(株)製のjERYL−931等(何れも商品名)のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;日産化学工業(株)製のTEPIC等(何れも商品名)の複素環式エポキシ樹脂;日油(株)製ブレンマーDGT等のジグリシジルフタレート樹脂;新日鉄住金化学(株)製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;新日鉄住金化学(株)製ESN−190、ESN−360、DIC(株)製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;DIC(株)製HP−7200、HP−7200H等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;日油(株)製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;CTBN変性エポキシ樹脂(例えば新日鉄住金化学(株)製のYR−102、YR−450等)等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらの中でも、特に変色耐性に優れることよりビスフェノールA型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂又はそれらの混合物が好ましい。
これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、オキセタン化合物について説明する。下記一般式(I)、
Figure 2017034226
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す)により表されるオキセタン環を含有するオキセタン化合物の具体例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成(株)製、商品名OXT−101)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(東亞合成(株)製、商品名OXT−211)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(東亞合成(株)製、商品名OXT−212)、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン(東亞合成(株)製、商品名OXT−121)、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(東亞合成(株)製、商品名OXT−221)などが挙げられる。さらに、フェノールノボラックタイプのオキセタン化合物なども挙げられる。これらオキセタン化合物は、上記エポキシ化合物と併用してもよく、また、単独で使用してもよい。
((A−2)光硬化性樹脂)
次に、(A−2)光硬化性樹脂としては、活性エネルギー線照射により硬化して電気絶縁性を示す樹脂であればよく、特に、本発明においては、分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく用いられる。
エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、公知慣用の光重合性オリゴマー、および光重合性ビニルモノマー等が用いられる。このうち光重合性オリゴマーとしては、不飽和ポリエステル系オリゴマー、(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、フェノールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合性ビニルモノマーとしては、公知慣用のもの、例えば、スチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン誘導体;酢酸ビニル、酪酸ビニルまたは安息香酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルイソブチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニル−t−ブチルエーテル、ビニル−n−アミルエーテル、ビニルイソアミルエーテル、ビニル−n−オクタデシルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリルなどのアリル化合物;2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のエステル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート類、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどのアルキレンポリオールポリ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのポリオキシアルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート類;ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレートなどのポリ(メタ)アクリレート類;トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレートなどのイソシアヌルレート型ポリ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。これらは、要求特性に合わせて、単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明の組成物をアルカリ現像型の感光性樹脂組成物とする場合には、(A)硬化性樹脂として、カルボキシル基含有樹脂を用いることが好ましい。カルボキシル基含有樹脂は、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有感光性樹脂であってもよく、また、芳香環を有しても有さなくてもよい。
本発明の組成物に用いることができるカルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)が挙げられる。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。このカルボキシル基含有樹脂が芳香環を有する場合、不飽和カルボン酸および不飽和基含有化合物の少なくとも1種が芳香環を有すればよい。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物およびポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。このカルボキシル基含有ウレタン樹脂が芳香環を有する場合、ジイソシアネート、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の少なくとも1種が芳香環を有すればよい。
(3)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるウレタン樹脂の末端に酸無水物を反応させてなる末端カルボキシル基含有ウレタン樹脂。このカルボキシル基含有ウレタン樹脂が芳香環を有する場合、ジイソシアネート化合物、ジオール化合物および酸無水物の少なくとも1種が芳香環を有すればよい。
(4)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の重付加反応による感光性カルボキシル基含有ウレタン樹脂。この感光性カルボキシル基含有ウレタン樹脂が芳香環を有する場合、ジイソシアネート、2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート若しくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の少なくとも1種が芳香環を有すればよい。
(5)上記(2)または(4)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。この感光性カルボキシル基含有ウレタン樹脂が芳香環を有する場合、分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が芳香環を有していてもよい。
(6)上記(2)または(4)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物等、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。この感光性カルボキシル基含有ウレタン樹脂が芳香環を有する場合、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が芳香環を有していてもよい。
(7)多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させた感光性カルボキシル基含有樹脂。この感光性カルボキシル基含有樹脂が芳香環を有する場合、多官能エポキシ樹脂および2塩基酸無水物の少なくとも1種が芳香環を有していればよい。
(8)2官能エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させた感光性カルボキシル基含有樹脂。この感光性カルボキシル基含有樹脂が芳香環を有する場合、2官能エポキシ樹脂および2塩基酸無水物の少なくとも1種が芳香環を有していればよい。
(9)多官能オキセタン樹脂にジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂。この感光性カルボキシル基含有ポリエステル樹脂が芳香環を有する場合、多官能オキセタン樹脂、ジカルボン酸および2塩基酸無水物の少なくとも1種が芳香環を有していればよい。
(10)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(11)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(12)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。この感光性カルボキシル基含有ポリエステル樹脂が芳香環を有する場合、エポキシ化合物、1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物、不飽和基含有モノカルボン酸および多塩基酸無水物の少なくとも1種が芳香環を有していればよい。
(13)上記(1)〜(12)のいずれかの樹脂にさらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等の分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなる感光性カルボキシル基含有樹脂。この感光性カルボキシル基含有ウレタン樹脂が芳香環を有する場合、分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が芳香環を有していてもよい。
(14)カルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合樹脂に、1分子中にオキシラン環とエチレン性不飽和基を有する化合物との反応により得られる感光性のカルボキシル基含有樹脂。
(15)1分子中にそれぞれ1個のエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した第2級の水酸基に飽和または不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる感光性のカルボキシル基含有樹脂。
(16)水酸基含有ポリマーに、飽和または不飽和多塩基酸無水物を反応させた後、生成したカルボン酸に、1分子中にそれぞれ1個のエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られる感光性の水酸基およびカルボキシル基含有樹脂。
上記のようなカルボキシル基含有樹脂は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数のカルボキシル基を有するため、希アルカリ水溶液による現像が可能になる。
また、上記のうちでも、例示(14)〜(16)や、例示(1)の中の芳香環を有さない(A)カルボキシル基含有樹脂を用いると、指触乾燥性、変色に優れる組成物が得られるため、好ましい。
上記カルボキシル基含有樹脂の酸価は、20〜200mgKOH/gの範囲が望ましく、より好ましくは40〜180mgKOH/gの範囲である。20〜200mgKOH/gの範囲であると、塗膜の密着性が得られ、アルカリ現像が容易となり、現像液による露光部の溶解が抑えられ、必要以上にラインが痩せたりせずに、正常なレジストパターンの描画が容易となるため好ましい。
また、本発明で用いるカルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、2,000〜150,000の範囲が好ましい。この範囲であると、タックフリー性能が良好であり、露光後の塗膜の耐湿性が良く、現像時に膜減りが生じにくい。また、上記重量平均分子量の範囲であると、解像度が向上し、現像性が良好であり、保存安定性が良くなる。より好ましくは、5,000〜100,000である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。
なお、(A)硬化性樹脂としてエポキシ樹脂とカルボキシル基含有樹脂とを併用する場合には、カルボキシル基含有樹脂に含まれるカルボキシル基の1当量に対し、エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基の当量が2.0以下であることが好ましく、より好ましくは1.5以下である。これは、当量比が小さくなると、現像性が向上する傾向があるためである。
[(B)酸化チタン]
本発明の硬化性樹脂組成物は、(B)酸化チタンを含有する。(B)酸化チタンは、硫黄濃度が100ppm以下が好ましく、50ppm以下であることがより好ましい。また、硫黄濃度が100ppm以下の市販品の酸化チタンを用いてもよく、硫黄濃度が100ppmを超える市販品の酸化チタンを熱処理や化学処理したり、洗浄、焼成等の精製処理を施すことによって、硫黄濃度を下げて配合してもよい。ここで、(B)酸化チタンに含まれる硫黄とは、分析により検出された硫黄全てを指し、(B)酸化チタンに吸着されている硫黄、および、(B)酸化チタンに不純物として含まれる硫黄を含む。
(B)酸化チタンの製造方法は、硫酸法および塩素法の何れでもよく、塩素法が好ましい。更には、製造工程で硫酸を使用しないものが好ましい。また、(B)酸化チタンの表面処理は、特に限定されないが、表面処理の中和時に、塩酸、硝酸、リン酸、酢酸等の硫酸以外の酸で処理された酸化チタンであることが好ましい。
酸化チタンとしては、ルチル型、アナターゼ型、ラムスデライト型のいずれの構造の酸化チタンであってもよく、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。このうちラムスデライト型酸化チタンは、ラムスデライト型Li0.5TiOに化学酸化によるリチウム脱離処理を施すことで得られる。
上記のうち、ルチル型酸化チタンを用いると、耐熱性をより向上することができるとともに、光照射に起因する変色を起こしにくくなり、厳しい使用環境下でも品質を低下しにくくすることができるので、好ましい。特に、アルミナ等のアルミニウム酸化物により表面処理されたルチル型酸化チタンを用いることで、耐熱性をさらに向上することができる。全酸化チタン中の、アルミニウム酸化物より表面処理されたルチル型酸化チタンの含有量は、好適には10質量%以上、より好適には30質量%以上であり、上限は100質量%以下であって、すなわち、酸化チタンの全量が、上記アルミニウム酸化物により表面処理されたルチル型酸化チタンであってもよい。なお、アナターゼ型酸化チタンは、ルチル型のものよりも低硬度であるので、アナターゼ型酸化チタンを用いた場合、組成物の成形性の点でより良好となる。
硫黄濃度が100ppm以下の市販品の酸化チタンとしては、Dupont社製R−931、CRISTAL社製Tiona595、堺化学工業(株)製SX3103等が挙げられる。
このような(B)酸化チタンの配合量は、硬化性樹脂組成物中の固形分(硬化性樹脂組成物が有機溶剤を含有する場合には、有機溶剤を除く成分)に対して、好ましくは5〜80質量%の範囲、より好ましくは10〜70質量%の範囲である。(B)酸化チタンとして、2種以上の酸化チタンを用いると、反射率が高くなるため好ましい。この場合、各酸化チタンの硫黄濃度がそれぞれ100ppm以下であることが好ましく、また、各酸化チタンの硫黄濃度の和が100ppm以下であることがより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、酸化チタン以外の他の白色着色剤を含有してもよい。他の白色着色剤としては、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、鉛白、硫化亜鉛、チタン酸鉛等が挙げられる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、かつ、硬化性樹脂組成物の硫黄濃度が100ppmを超えない範囲で、硫黄濃度が100ppmを超える酸化チタンを含有してもよい。硫黄濃度が100ppmを超える酸化チタンとしては、石原産業(株)製CR−58、CR−90、R−630、堺化学工業(株)製R−21等が挙げられる。
[(C)光重合開始剤]
本発明の硬化性樹脂組成物において、(A−2)光硬化性樹脂を用いる場合には、さらに、(C)光重合開始剤を添加することが好ましい。(C)光重合開始剤としては、光重合開始剤や光ラジカル発生剤として公知の光重合開始剤であれば、いずれのものを用いることもできる。
(C)光重合開始剤としては、例えば、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン(株)製,IRGACURE819)等のビスアシルフォスフィンオキサイド類;2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン(株)製,DAROCUR TPO)等のモノアシルフォスフィンオキサイド類;1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のヒドロキシアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾインアルキルエーテル類;ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アントラキノン、クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、p−ジメチル安息香酸エチルエステル等の安息香酸エステル類;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(1−ピル−1−イル)エチル)フェニル]チタニウム等のチタノセン類;フェニルジスルフィド2−ニトロフルオレン、ブチロイン、アニソインエチルエーテル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。以上の光重合開始剤は、いずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のうちでも、ビスアシルフォスフィンオキサイド類やモノアシルフォスフィンオキサイド類等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が、タックが少なく、変色抑制効果に優れるために好ましい。中でも、ビスアシルフォスフィンオキサイド類を用いることが、感度およびタックフリー性をより向上できる点で、好適である。
(C)光重合開始剤の配合量は、固形分換算で、(A)硬化性樹脂100質量部に対して、0.1〜50質量部である。(C)光重合開始剤をこの範囲で配合することで、銅上での光硬化性が十分となり、塗膜の硬化性が良好となり、耐薬品性等の塗膜特性が向上し、また、深部硬化性も向上する。より好ましくは、(A)硬化性樹脂100質量部に対して、1〜40質量部である。
(C)光重合開始剤は、構造中に硫黄原子を含まないものを用いることが好ましい。
[(D−1)硬化剤および(D−2)硬化触媒]
本発明の硬化性樹脂組成物において、(A−1)熱硬化性樹脂を用いる場合には、さらに、(D−1)硬化剤および(D−2)硬化触媒の少なくとも何れか1種を添加することができる。
(D−1)硬化剤としては、多官能フェノール化合物、ポリカルボン酸およびその酸無水物、脂肪族または芳香族の一級または二級アミン、ポリアミド樹脂、イソシアネート化合物、ポリメルカプト化合物などが挙げられる。これらの中で、多官能フェノール化合物、並びに、ポリカルボン酸およびその酸無水物が、作業性、絶縁性の面から、好ましく用いられる。
多官能フェノール化合物としては、一分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物であればよく、公知慣用のものが使用できる。具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAのノボラック樹脂、ビニルフェノール共重合樹脂などを挙げることができ、反応性が高く耐熱性を上げる効果が高いことから、特にビスフェノールAが好ましい。このような多官能フェノール化合物は、適切な硬化触媒の存在下、エポキシ化合物およびオキセタン化合物の少なくとも何れか1種とも付加反応する。
ポリカルボン酸およびその酸無水物としては、一分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物およびその酸無水物であり、例えば、(メタ)アクリル酸の共重合物、無水マレイン酸の共重合物、二塩基酸の縮合物などが挙げられる。市販品としては、BASF社製のジョンクリル(商品群名)、サートマー社製のSMAレジン(商品群名)、新日本理化社製のポリアゼライン酸無水物などが挙げられる。
これら(D−1)硬化剤の配合率は、通常用いられる量的割合で充分であり、(A−1)熱硬化性樹脂100質量部に対し、好適には1〜200質量部、より好適には10〜100質量部である。
また、(D−2)硬化触媒は、エポキシ化合物およびオキセタン化合物等の熱硬化性樹脂と、(D−1)硬化剤との反応において硬化触媒となり得る化合物、または、硬化剤を使用しない場合に重合触媒となる化合物である。硬化触媒としては、具体的には例えば、三級アミン、三級アミン塩、四級オニウム塩、三級フォススフィン、クラウンエーテル錯体、および、ホスホニウムイリドなどが挙げられ、これらの中から任意に、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
中でも特に、商品名2E4MZ、C11Z、C17Z、2PZ等のイミダゾール類や、商品名2MZ−A、2E4MZ−A等のイミダゾールのAZINE化合物、商品名2MZ−OK、2PZ−OK等のイミダゾールのイソシアヌル酸塩、商品名2PHZ、2P4MHZ等のイミダゾールヒドロキシメチル体(商品名はいずれも四国化成工業(株)製)、ジシアンジアミドおよびその誘導体、メラミンおよびその誘導体、ジアミノマレオニトリルおよびその誘導体、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエタノールアミン、ジアミノジフェニルメタン、有機酸ジヒドラジド等のアミン類、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(商品名DBU、サンアプロ(株)製)、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(商品名ATU、味の素(株)製)、または、トリフェニルフォスフィン、トリシクロヘキシルフォスフィン、トリブチルフォスフィン、メチルジフェニルフォスフィン等の有機フォスフィン化合物などが好適に挙げられる。
これら(D−2)硬化触媒の配合量は、通常の割合で十分であり、(A)硬化性樹脂100質量部に対し、好適には0.05〜10質量部、より好適には0.1〜6質量部である。
[(E)酸化防止剤]
本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに、(E)酸化防止剤を含有することが好ましい。(E)酸化防止剤を含有させることで、硬化性樹脂等の酸化劣化を防止して、変色を抑制する効果が得られることに加えて、耐熱性が向上するとともに、解像性(線幅再現性)が良好になるとの効果も得ることができる。すなわち、(B)酸化チタンを用いると、光を反射することにより、解像性を悪化させる場合があるが、(E)酸化防止剤を含有させることで、良好な解像性を得ることができるものとなる。
(E)酸化防止剤には、発生したラジカルを無効化するようなラジカル捕捉剤や、発生した過酸化物を無害な物質に分解し、新たなラジカルが発生しないようにする過酸化物分解剤などがあり、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、ラジカル捕捉剤として働く(E)酸化防止剤としては、例えば、ヒドロキノン、4−t−ブチルカテコール、2−t−ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン等のフェノール系化合物、メタキノン、ベンゾキノン等のキノン系化合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、フェノチアジン等のアミン系化合物などが挙げられる。市販品としては、例えば、IRGANOX1010(以上、BASFジャパン(株)製、商品名)などを用いることができる。
また、過酸化物分解剤として働く(E)酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルフォスファイト等のリン系化合物などが挙げられる。
上記のうちでも、フェノール系の酸化防止剤を用いることが、変色の抑制効果、耐熱性の向上および良好な解像性がより一層得られる点から、好ましい。
(E)酸化防止剤を用いる場合のその配合量は、(A)硬化性樹脂100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。(E)酸化防止剤の配合量を、0.01質量部以上とすることで、上述の酸化防止剤の添加による効果を確実に得ることができ、一方、10質量部以下とすることで、光反応を阻害することなく、良好なアルカリ現像性を得ることができ、指触乾燥性や塗膜物性についても良好に確保することができる。
また、(E)酸化防止剤、特に、フェノール系の酸化防止剤は、耐熱安定剤と併用することにより、さらなる効果を発揮する場合があることから、本発明の樹脂組成物には、耐熱安定剤を配合してもよい。
耐熱安定剤としては、リン系、ヒドロキシルアミン系耐熱安定剤などを挙げることができる。上記耐熱安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
耐熱安定剤を用いる場合のその配合量は、(A)硬化性樹脂100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、充填剤を含有してもよい。充填剤は、得られる硬化物の物理的強度等を上げるために用いられる。充填剤は、特に限定されず、公知慣用の充填剤、例えばシリカ、結晶性シリカ、ノイブルグ珪土、水酸化アルミニウム、ガラス粉末、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、非繊維状ガラス、ハイドロタルサイト、ミネラルウール、アルミニウムシリケート、カルシウムシリケート、亜鉛華等の無機顔料などを用いることができるが、充填剤は、硫黄を含有しないことが好ましい。
充填剤を用いる場合のその配合量は、(A)硬化性樹脂100質量部に対して、0.1〜300質量部が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、反応性希釈溶剤を含有してもよい。反応性希釈溶剤は、組成物の粘度を調整して作業性を向上させるとともに、架橋密度を上げたり、密着性などを向上するために用いられ、光硬化性モノマーなどを用いることができる。光硬化性モノマーとしては、上記の光重合性ビニルモノマー等を使用することができる。反応性希釈溶剤は、樹脂合成の原料(出発原料等)に硫黄原子を含まないことが好ましい。
このような反応性希釈溶剤の配合率は、(A)硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは1〜70質量部の割合である。上記配合率の範囲とすることで、光硬化性が向上して、パターン形成が容易となり、硬化膜の強度も向上できる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物には、組成物の調製や、基板やキャリアフィルムに塗布する際の粘度調整等の目的で、有機溶剤を含有させることができる。有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の有機溶剤が使用できる。これらの有機溶剤は、単独で、または二種類以上組み合わせて用いることができる。
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物には、電子材料の分野において公知慣用の他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、老化防止剤、抗菌・防黴剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、密着性付与剤、チキソ性付与剤、他の着色剤、光開始助剤、増感剤、硬化促進剤、離型剤、表面処理剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、安定剤、蛍光体等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、ドライフィルム化して用いても液状として用いてもよい。液状として用いる場合は、1液性でも2液性以上でもよい。特に(A)硬化性樹脂と(B)酸化チタン以外の成分を含んで2液以上にした場合、(A)硬化性樹脂と(B)酸化チタンを同一の製剤に配合しても異なる製剤に配合しても構わない。
次に、本発明のドライフィルムは、キャリアフィルム上に、本発明の硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥させることにより得られる樹脂層を有する。ドライフィルムを形成する際には、まず、本発明の硬化性樹脂組成物を上記有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整した上で、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等により、キャリアフィルム上に均一な厚さに塗布する。その後、塗布された組成物を、通常、50〜130℃の温度で1〜30分間乾燥することで、樹脂層を形成することができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、10〜150μm、好ましくは20〜60μmの範囲で適宜選択される。
キャリアフィルムとしては、プラスチックフィルムが用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等を用いることができる。キャリアフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10〜150μmの範囲で適宜選択される。
キャリアフィルム上に本発明の硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した後、膜の表面に塵が付着することを防ぐ等の目的で、さらに、膜の表面に、剥離可能なカバーフィルムを積層することが好ましい。剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルムやポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができる。カバーフィルムとしては、カバーフィルムを剥離するときに、樹脂層とキャリアフィルムとの接着力よりも小さいものであればよい。
なお、本発明においては、上記保護フィルム上に本発明の硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥させることにより樹脂層を形成して、その表面にキャリアフィルムを積層するものであってもよい。すなわち、本発明においてドライフィルムを製造する際に本発明の硬化性樹脂組成物を塗布するフィルムとしては、キャリアフィルムおよび保護フィルムのいずれを用いてもよい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物を光硬化性熱硬化性組成物として使用する場合には、その組成物を塗布し、溶剤を揮発乾燥した後に得られた樹脂層に対し、露光(光照射)を行うことにより、露光部(光照射された部分)が硬化する。具体的には、接触式または非接触方式により、パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光、もしくは、レーザーダイレクト露光機により直接パターン露光して、未露光部を希アルカリ水溶液(例えば、0.3〜3質量%炭酸ソーダ水溶液)により現像することにより、レジストパターンが形成される。さらに約100〜180℃の温度に加熱して熱硬化(ポストキュア)させることにより、耐熱性、耐薬品性、耐吸湿性、密着性、電気特性等の諸特性に優れた硬化皮膜(硬化物)を形成することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を熱硬化性組成物として使用する場合には、その組成物を塗布し、溶剤を揮発乾燥した後に、例えば、約100〜180℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、耐熱性、耐薬品性、耐吸湿性、密着性、電気特性等の諸特性に優れた硬化皮膜(硬化物)を形成することができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は光硬化性組成物として使用する場合には、その組成物を塗布し、溶剤を揮発乾燥し、露光(光照射)を行うことにより、露光部(光照射された部分)が硬化することにより、硬化皮膜(硬化物)を形成することができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物を、例えば、上記有機溶剤を用いて塗布方法に適した粘度に調整して、基材上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布した後、約60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることで、タックフリーの樹脂層を形成することができる。また、上記組成物をキャリアフィルムまたは保護フィルム上に塗布し、乾燥させてフィルムとして巻き取ったドライフィルムの場合、ラミネーター等により本発明の組成物の層が基材と接触するように基材上に貼り合わせた後、キャリアフィルムを剥がすことにより、樹脂層を形成できる。
上記基材としては、あらかじめ銅等により回路形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙フェノール、紙エポキシ、ガラス布エポキシ、ガラスポリイミド、ガラス布/不繊布エポキシ、ガラス布/紙エポキシ、合成繊維エポキシ、フッ素樹脂・ポリエチレン・ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンオキシド・シアネート等を用いた高周波回路用銅張積層板等の材質を用いたもので、全てのグレード(FR−4等)の銅張積層板、その他、金属基板、ポリイミドフィルム、PETフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板等を挙げることができる。
上記揮発乾燥又は熱硬化は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用いて乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法およびノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
上記活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、高圧水銀灯ランプ、超高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ等を搭載し、350〜450nmの範囲で紫外線を照射する装置であればよく、さらに、直接描画装置(例えば、コンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)も用いることができる。直描機のランプ光源またはレーザー光源としては、最大波長が350〜410nmの範囲にあるものでよい。画像形成のための露光量は膜厚等によって異なるが、一般には20〜1000mJ/cm、好ましくは20〜800mJ/cmの範囲内とすることができる。
上記現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液が使用できる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、プリント配線板上に硬化皮膜を形成するために、すなわちプリント配線板用として好適に使用され、より好適には、永久被膜を形成するために使用され、さらに好適には、ソルダーレジストまたはカバーレイを形成するために使用される。特に好適には、ソルダーレジストを形成するため、すなわちソルダーレジスト組成物として使用される。なお、本発明の硬化性樹脂組成物は、ソルダーダムを形成するために使用してもよい。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、白色とすることで、照明器具や携帯端末、パソコン、テレビ等の液晶ディスプレイのバックライト等において、その光源として使用される発光ダイオード(LED)やエレクトロルミネセンス(EL)から発せられる光を反射する反射板に、好適に使用される。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、銀めっき処理された導電回路を有するプリント配線板の形成に好適に用いることができる。反射率を上げるために反射板に銀めっき処理が施される場合にも、本発明の硬化性樹脂組成物を好適に用いることができる。
本発明のプリント配線板は、導電回路の一部が銀めっき処理されていることが好ましい。本発明の硬化性樹脂組成物が、光硬化性樹脂組成物の場合は露光・現像後に、また、熱硬化性樹脂組成物の場合はパターン印刷後に、露出させた導電回路の一部を銀めっきすればよい。銀めっき処理は特に限定されず、従来公知の方法を用いればよい。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
(硬化性樹脂の合成例1(感光性共重合樹脂A))
温度計、撹拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えたフラスコに、溶媒としてのジプロピレングリコールモノメチルエーテル325.0質量部を110℃まで加熱し、メタクリル酸174.0質量部、ε−カプロラクトン変性メタクリル酸(平均分子量314)174.0質量部、メタクリル酸メチル77.0質量部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル222.0質量部、および、重合触媒としてのt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日油(株)製、パーブチルO)12.0質量部の混合物を、3時間かけて滴下し、さらに110℃で3時間攪拌し、重合触媒を失活させて、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を冷却後、(株)ダイセル製サイクロマーM100を289.0質量部、トリフェニルフォススフィン3.0質量部およびハイドロキノンモノメチルエーテル1.3質量部を加え、100℃に昇温し、攪拌することによってエポキシ基の開環付加反応を行い、感光性共重合樹脂A(ワニス)を得た。
このようにして得られた感光性共重合樹脂A(ワニス)は、固形分濃度が45.5質量%、固形物の酸価が79.8mgKOH/gであった。また、得られた感光性共重合樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は15,000であった。
(硬化性樹脂の合成例2(非感光性共重合樹脂B))
温度計、冷却管、撹拌機を備えた耐圧容器に脱イオン水:200質量部、硫酸ナトリウム:0.3質量部仕込み、溶解を確認した。
その後重合開始剤としてBPO(ベンゾイルパーオキサイド):5質量部と連鎖移動剤としてMSD(α−メチルスチレンダイマー):5質量部をMMA(メタクリル酸メチル):10.4質量部、n−BA(ノルマル−アクリル酸ブチル):5質量部、MAA(メタクリル酸):24.6質量部およびSt(スチレン):60質量部からなる単量体混合物に加え、十分に溶解した。
その後分散剤を濃度が300ppmになるように加え十分に撹拌し、釜内部を窒素で置換した後昇温させ、懸濁重合を行った。重合終了後、得られた懸濁液を目開き30μmのメッシュで濾過し、40℃の温風で乾燥させ粒状樹脂を得た。このように得られた粒状樹脂(共重合樹脂)を、有機溶剤DPM(ジプロピレングリコールメチルエーテル)を用いて十分溶解させ、非感光性共重合樹脂B(ワニス)を得た。
このようにして得られた非感光性共重合樹脂B(ワニス)は、固形分濃度が50質量%、固形物の酸価が160mgKOH/gであった。また、得られた非感光性共重合樹脂Bの重量平均分子量(Mw)は10,000であった。
(硬化性樹脂の合成例3(クレゾールノボラック型感光性樹脂C))
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート600gに、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製、EPICLONN−695、軟化点95℃、エポキシ当量214、平均官能基数7.6)1070g(グリシジル基数(芳香環総数):5.0モル)、アクリル酸360g(5.0モル)およびハイドロキノン1.5gを仕込み、100℃に加熱攪拌し、均一溶解した。次いで、トリフェニルフォススフィン4.3gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、120℃に昇温してさらに12時間反応を行った。得られた反応液に、芳香族系炭化水素(ソルベッソ150)415g、テトラヒドロ無水フタル酸456.0g(3.0モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行い、冷却し、クレゾールノボラック型感光性樹脂C(ワニス)を得た。
このようにして得られたクレゾールノボラック型感光性樹脂C(ワニス)の固形分濃度は65質量%、固形分の酸価は89mgKOH/gであった。また、得られたクレゾールノボラック型感光性樹脂Cの重量平均分子量(Mw)は9,000であった。
なお、得られた樹脂の重量平均分子量は、(株)島津製作所製のポンプLC−6ADと、昭和電工(株)製のカラムShodex(登録商標)KF−804、KF−803、KF−802を三本つないだ高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
(硫黄濃度の分析方法)
下記の表中に示す各成分について、下記の方法で硫黄濃度を測定した。各成分をそれぞれ0.25gを量り取り、これを測定試料とした。前処理として、三菱化学(株)製試料燃焼装置:QF−02型を用いて、下記条件に従い、石英管燃焼法で各測定試料に燃焼処理を行った。
1.燃焼条件
(1)昇温条件(昇温部)
室温−>(5℃/min)−>200℃−>(10℃/min)−>500℃−>(5℃/min)−>900℃ 5min保持
(2)燃焼条件(燃焼部)
注入口(インレット):850℃、排出口(アウトレット):900℃
(3)燃焼時間 40min(合計)
2.ガス条件(全て装置本体の流量計による指示値)
(1)酸素SUB 100ml/min
(2)酸素MAIN 200ml/min
(3)アルゴン/酸素 100ml/min(700℃で切り替え)
(4)トータル流量 400ml/min
3.燃焼時ガス条件
(1)昇温部 700℃まで:アルゴン、700℃以降:酸素
(2)燃焼部 900℃まで:酸素
4.吸収液 0.3%過酸化水素水15ml(燃焼処理後、25mlにメスアップ)
上記で得たメスアップ後の吸収液を、下記条件に従い、イオンクロマトグラフィー法で、イオン含有量を測定し、各成分の硫黄濃度を求めた。
イオンクロマトグラフ:ICS−1500(Thermo Fisher Scientific社製)
溶離液:2.7mM NaCO/0.3mM NaHCO
カラム:IonPac AS12A(Thermo Fisher Scientific社製)
流量:1ml/min
サプレッサー:ASRS300
注入量:25μl
各成分の硫黄濃度の判定基準は以下のとおりである。
A:0ppm以上60ppm未満
B:60ppm以上130ppm未満
C:130ppm以上180ppm未満
D:180ppm以上
下記の表中に示す配合に従い、各成分を配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで分散させ、混練して、それぞれ組成物を調製した。なお、表中の配合量は、質量部を示す。
Figure 2017034226
*1)上記で合成した感光性共重合樹脂A
*2)上記で合成した非感光性共重合樹脂B
*3)上記で合成したクレゾールノボラック型樹脂C
*4)jER828、三菱化学(株)製
*5)エピコート157S−70(溶剤30質量%希釈品)、三菱化学(株)製
*6)TEPIC−HP、日産化学工業(株)製
*7)塩素法で製造した酸化チタン(製造工程における硫酸の使用なし)、表面処理:Al、ZrO、TiO濃度:91%、CRISTAL社製
*8)塩素法で製造した酸化チタン(製造工程における硫酸の使用なし)、表面処理:Si/Al、TiO濃度:80%、Dupont社製
*9)塩素法で製造した酸化チタン(製造工程における硫酸の使用なし)、表面処理:Si/Al、TiO濃度:91%、堺化学工業(株)製
*10)硫酸法で製造した酸化チタン(製造工程における硫酸の使用あり)、表面処理:Si/Al、TiO濃度:91%、堺化学工業(株)製
*11)塩素法で製造した酸化チタン(製造工程における硫酸の使用あり)、表面処理:Al/Zr、TiO濃度:93%、石原産業(株)製
*12)シリカ、(株)龍森製
*13)硫酸バリウム
*14)ビスアシルフォススフィンオキサイド系光重合開始剤、BASFジャパン(株)製
*15)モノアシルフォススフィンオキサイド系光重合開始剤、BASFジャパン(株)製
*16)α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、BASFジャパン(株)製
*17)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
*18)エポキシアクリレート MA−2000、三菱化学(株)製
*19)リン含有メタクリレート カヤマーPM2 日本化薬(株)製
*20)アクリレートモノマー ライトエステルHO 共栄社化学(株)製
*21)ジシアンジアミド
*22)メラミン、日産化学工業(株)製
*23)信越化学工業(株)製
*24)BASFジャパン(株)製
*25)出光興産(株)製
Figure 2017034226
Figure 2017034226
Figure 2017034226
得られた各実施例および比較例の硬化性樹脂組成物について、以下に従い、評価を行った。その結果を、下記の表中に示す。
実施例1〜15、比較例1、2における評価基板の作製条件を下記に示す。
塗布:スクリーン印刷、塗布時の膜厚30μm、乾燥後の膜厚20μm
乾燥:80℃30分、熱風循環式乾燥炉を使用
露光:600mJ/cm、メタルハライドランプ光源の露光機
現像:1wt%炭酸ナトリウム、液温30℃、現像時間60秒、
圧力0.2MPa
ポストキュア(硬化):150℃60分、熱風循環式乾燥炉を使用
以上の作製条件により、評価基板上に硬化物を形成した。
実施例16〜18、比較例3における評価基板の作製条件を下記に示す。
塗布:スクリーン印刷、塗布時の膜厚30μm、乾燥後の膜厚20μm
乾燥:80℃30分、熱風循環式乾燥炉を使用
ポストキュア(硬化):150℃60分、熱風循環式乾燥炉を使用
以上の作製条件により、評価基板上に硬化物を形成した。
実施例19、比較例4における評価基板の作製条件を下記に示す。
基材:FR−4材
塗布:スクリーン印刷、塗布時の膜厚30μm、乾燥後の膜厚20μm
UV:1000mJ/cm メタルハライドランプ
以上の作製条件により、評価基板上に硬化物を形成した。
(1)硬化性樹脂組成物の硫黄濃度測定
実施例および比較例の各硬化性樹脂組成物の固形分のサンプルは、銅箔上に上記方法により溶剤が揮発した状態の塗膜を形成させ、銅箔と剥離した形成塗膜を0.25g量り取り、測定試料とした。なお、実施例1〜18、比較例1〜3は乾燥後の塗膜、実施例19、比較例4はUV硬化後の塗膜を用いた。
一方、組成物のサンプルは、各組成物を0.25g量り取り、これを測定試料とした。
上記の硫黄濃度の分析方法に記載した方法で硫黄濃度を測定した。
(2)銀めっき変色
実施例および比較例の各組成物を、上記作製方法により硬化させて得た回路形成基板の銅部に銀めっき処理を施した。その基板を密封可能なガラス容器に配置して密封し、80℃のオーブンに入れた。投入後、24時間後、48時間後に各基板を取り出して、銀めっき部の変化を評価した。判定基準は以下のとおりである。
○:48時間後に、銀めっき部の変色がない。
△:24時間後に、銀めっき部の変色がないが、48時間後の銀めっき部が変色している。
×:24時間後に銀めっき部が変色している。
(3)ブレイクポイント(現像性)
実施例および比較例の現像型の各組成物を、FR−4材に上記基板作製条件にて塗布、乾燥し得られた乾燥塗膜に30℃、1wt%の炭酸ナトリウム溶液を0.2MPaの圧力で吹きかけて、乾燥塗膜が完全溶解するまでの時間を測定した。判定基準は以下のとおりである。
○:30秒以下
△:30秒超40秒未満
×:40秒以上
(4)UV耐性
実施例および比較例の各組成物を、FR−4材に上記作製方法により硬化させて得た基板の塗膜表面にメタルハライドランプを光源としたUV光を100J照射した。分光測色計(CM−2600d、コニカミノルタセンシング(株)製)にて、UV照射前後の波長555nmにおける反射率を測定した。判定基準は以下のとおりである。
○:照射前後の反射率差が1以下
△:照射前後の反射率差が1超2未満
×:照射前後の反射率差が2以上
(5)反射率
実施例および比較例の各組成物を、FR−4材に上記作製方法により硬化させて得た基板の塗膜表面を分光測色計(CM−2600d、コニカミノルタセンシング(株)製)にて、波長555nmにおける反射率を測定した。判定基準は以下のとおりである。
◎:反射率が88%以上
○:反射率が85%以上88%未満
△:反射率が80%以上85%未満
×:反射率が80%未満
(6)変色耐性
実施例および比較例の各組成物を、FR−4材に上記作製方法により硬化させて得た基板を、リフロー炉(最高285℃)で5回繰り返し処理した。色差計を用いて、処理前後の基板の変化率ΔEを求めた。判定基準は以下のとおりである。
◎:ΔEが2以下
○:ΔEが2超3以下
△:ΔEが3超4未満
×:ΔEが4以上
Figure 2017034226
Figure 2017034226
Figure 2017034226
Figure 2017034226
上記表中に示すように、硬化性樹脂組成物の固形分の硫黄濃度が130ppm以下である組成物においては、いずれも、銀めっきを変色しにくく、紫外線照射による反射率の低下が少ない硬化物が得られることがわかる。また、現像型の場合は現像性にも優れることがわかる。
Figure 2017034226
*1)上記で合成した感光性共重合樹脂A
*2)上記で合成した非感光性共重合樹脂B
*3)上記で合成したクレゾールノボラック型樹脂C
*4)jER828、三菱化学(株)製
*5)エピコート157S−70(溶剤30質量%希釈品)、三菱化学(株)製
*6)TEPIC−HP、日産化学工業(株)製
*7)塩素法で製造した酸化チタン(製造工程における硫酸の使用なし)、表面処理:Al、ZrO、TiO濃度:91%、CRISTAL社製
*8)塩素法で製造した酸化チタン(製造工程における硫酸の使用なし)、表面処理:Si/Al、TiO濃度:80%、Dupont社製
*9)塩素法で製造した酸化チタン(製造工程における硫酸の使用なし)、表面処理:Si/Al、TiO濃度:91%、堺化学工業(株)製
*10)硫酸法で製造した酸化チタン(製造工程における硫酸の使用あり)、表面処理:Si/Al、TiO濃度:91%、堺化学工業(株)製
*11)塩素法で製造した酸化チタン(製造工程における硫酸の使用あり)、表面処理:Al/Zr、TiO濃度:93%、石原産業(株)製
*12)シリカ、(株)龍森製
*13)硫酸バリウム
*14)ビスアシルフォススフィンオキサイド系光重合開始剤、BASFジャパン(株)製
*15)モノアシルフォススフィンオキサイド系光重合開始剤、BASFジャパン(株)製
*16)α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、BASFジャパン(株)製
*17)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
*18)エポキシアクリレート MA−2000、三菱化学(株)製
*19)リン含有メタクリレート カヤマーPM2 日本化薬(株)製
*20)アクリレートモノマー ライトエステルHO 共栄社化学(株)製
*21)ジシアンジアミド
*22)メラミン、日産化学工業(株)製
*23)信越化学工業(株)製
*24)BASFジャパン(株)製
*25)出光興産(株)製
Figure 2017034226
得られた各実施例、参考例および比較例の硬化性樹脂組成物について、以下に従い、評価を行った。その結果を、下記の表中に示す。
実施例1〜4、6〜15、参考例5、比較例1、2における評価基板の作製条件を下記に示す。
塗布:スクリーン印刷、塗布時の膜厚30μm、乾燥後の膜厚20μm
乾燥:80℃30分、熱風循環式乾燥炉を使用
露光:600mJ/cm、メタルハライドランプ光源の露光機
現像:1wt%炭酸ナトリウム、液温30℃、現像時間60秒、
圧力0.2MPa
ポストキュア(硬化):150℃60分、熱風循環式乾燥炉を使用
以上の作製条件により、評価基板上に硬化物を形成した。
参考例16〜18、比較例3における評価基板の作製条件を下記に示す。
塗布:スクリーン印刷、塗布時の膜厚30μm、乾燥後の膜厚20μm
乾燥:80℃30分、熱風循環式乾燥炉を使用
ポストキュア(硬化):150℃60分、熱風循環式乾燥炉を使用
以上の作製条件により、評価基板上に硬化物を形成した。
参考例19、比較例4における評価基板の作製条件を下記に示す。
基材:FR−4材
塗布:スクリーン印刷、塗布時の膜厚30μm、乾燥後の膜厚20μm
UV:1000mJ/cm メタルハライドランプ
以上の作製条件により、評価基板上に硬化物を形成した。
(1)硬化性樹脂組成物の硫黄濃度測定
実施例、参考例および比較例の各硬化性樹脂組成物の固形分のサンプルは、銅箔上に上記方法により溶剤が揮発した状態の塗膜を形成させ、銅箔と剥離した形成塗膜を0.25g量り取り、測定試料とした。なお、実施例1〜4、6〜15、参考例5、16〜18、比較例1〜3は乾燥後の塗膜、参考例19、比較例4はUV硬化後の塗膜を用いた。
一方、組成物のサンプルは、各組成物を0.25g量り取り、これを測定試料とした。
上記の硫黄濃度の分析方法に記載した方法で硫黄濃度を測定した。
(2)銀めっき変色
実施例、参考例および比較例の各組成物を、上記作製方法により硬化させて得た回路形成基板の銅部に銀めっき処理を施した。その基板を密封可能なガラス容器に配置して密封し、80℃のオーブンに入れた。投入後、24時間後、48時間後に各基板を取り出して、銀めっき部の変化を評価した。判定基準は以下のとおりである。
○:48時間後に、銀めっき部の変色がない。
△:24時間後に、銀めっき部の変色がないが、48時間後の銀めっき部が変色している。
×:24時間後に銀めっき部が変色している。
(3)ブレイクポイント(現像性)
実施例、参考例および比較例の現像型の各組成物を、FR−4材に上記基板作製条件にて塗布、乾燥し得られた乾燥塗膜に30℃、1wt%の炭酸ナトリウム溶液を0.2MPaの圧力で吹きかけて、乾燥塗膜が完全溶解するまでの時間を測定した。判定基準は以下のとおりである。
○:30秒以下
△:30秒超40秒未満
×:40秒以上
(4)UV耐性
実施例、参考例および比較例の各組成物を、FR−4材に上記作製方法により硬化させて得た基板の塗膜表面にメタルハライドランプを光源としたUV光を100J照射した。分光測色計(CM−2600d、コニカミノルタセンシング(株)製)にて、UV照射前後の波長555nmにおける反射率を測定した。判定基準は以下のとおりである。
○:照射前後の反射率差が1以下
△:照射前後の反射率差が1超2未満
×:照射前後の反射率差が2以上
(5)反射率
実施例、参考例および比較例の各組成物を、FR−4材に上記作製方法により硬化させて得た基板の塗膜表面を分光測色計(CM−2600d、コニカミノルタセンシング(株)製)にて、波長555nmにおける反射率を測定した。判定基準は以下のとおりである。
◎:反射率が88%以上
○:反射率が85%以上88%未満
△:反射率が80%以上85%未満
×:反射率が80%未満
(6)変色耐性
実施例、参考例および比較例の各組成物を、FR−4材に上記作製方法により硬化させて得た基板を、リフロー炉(最高285℃)で5回繰り返し処理した。色差計を用いて、処理前後の基板の変化率ΔEを求めた。判定基準は以下のとおりである。
◎:ΔEが2以下
○:ΔEが2超3以下
△:ΔEが3超4未満
×:ΔEが4以上
Figure 2017034226
Figure 2017034226

Claims (7)

  1. (A)硬化性樹脂と、(B)酸化チタンとを含む硬化性樹脂組成物において、
    前記(A)硬化性樹脂は(A−1)熱硬化性樹脂および(A−2)光硬化性樹脂から選ばれる少なくとも1種であり、前記(A−1)熱硬化性樹脂はエポキシ化合物およびオキセタン化合物から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記(B)酸化チタンは表面処理の中和時に硫酸以外の酸で処理された酸化チタンであり、
    前記硬化性樹脂組成物の固形分の硫黄濃度が130ppm以下であることを特徴とするプリント配線板用硬化性樹脂組成物。
  2. さらに、(C)光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1記載のプリント配線板用硬化性樹脂組成物。
  3. 銅上に塗布して用いられることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板用硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか一項記載のプリント配線板用硬化性樹脂組成物を、フィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とする硬化性のドライフィルム。
  5. 請求項1〜3のうちいずれか一項記載のプリント配線板用硬化性樹脂組成物、または、請求項4記載のドライフィルムの樹脂層を、光照射および加熱の少なくとも何れか一方により硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  6. 請求項5記載の硬化物を有することを特徴とするプリント配線板。
  7. 導電回路の一部が銀めっき処理されていることを特徴とする請求項6記載のプリント配線板。
JP2016078404A 2016-04-08 2016-04-08 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 Pending JP2017034226A (ja)

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