JP2021120436A - セルロース繊維複合体 - Google Patents

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俊介 福井
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Abstract

【課題】分散安定性に優れ、工業的に有利に製造できるセルロース繊維複合体の提供。【解決手段】アニオン変性セルロース繊維及びポリビニルアセタール樹脂を含有するセルロース繊維複合体、前記セルロース繊維複合体が媒体に分散してなる分散体、前記セルロース繊維複合体又は該セルロース繊維複合体と樹脂を含有する樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体、及びアニオン変性セルロース繊維をポリビニルアセタール樹脂の存在下で解繊処理する、微細セルロース繊維複合体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、セルロース繊維複合体、それを含む分散体、成形体、及び微細セルロース繊維複合体の製造方法に関する。
従来、有限な資源である石油由来のプラスチック材料が多用されてきたが、近年、環境負荷の少ない技術が脚光を浴びるようになってきた。かかる技術背景の下、天然に多量に存在するバイオマスであるセルロース繊維は、再生利用が可能であり、微生物によって生分解でき環境負荷が少なく、しかも機械的特性が優れているため、注目されている。
セルロース繊維は膨大な水素結合を有し、その表面は親水性であるため、分散媒体や樹脂が疎水性であると、セルロース繊維が凝集し易く、その分散媒体や樹脂中での分散性が低下する。そこで、セルロース繊維を樹脂等に配合し、その機械的特性等を強化するためには、セルロース繊維の分散性を高める必要がある。
セルロース繊維の分散媒体や樹脂中での分散性を高める技術として、種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、有機ポリマーや有機溶媒中に再分散可能な表面修飾セルロース短繊維として、セルロース短繊維の水分散液と、特定の水溶性ポリビニルアルコールと、ブチルアルデヒド等とを、酸触媒を用いてアセタール反応させる方法により製造される表面修飾セルロース短繊維が含まれてなる高分子複合材料が開示されている。
特許文献2には、セルロースナノファイバーを含み、機械特性等が向上した成形体を与え得る樹脂組成物として、樹脂成分とセルロースナノファイバーとを含み、樹脂成分が、未変性水溶性樹脂、水分散性樹脂、溶解度パラメータが特定の範囲にある熱可塑性樹脂、及び水溶性・アルコール溶解性を有する前記熱可塑性樹脂の変性樹脂から選ばれる少なくとも1種である樹脂組成物が開示されている。
特開2009−144262号公報 国際公開第2018/012643号
しかしながら、特許文献1、2の技術では、セルロース繊維以外の種々の成分が必要であり、精製工程も必要となり工業的に不利である。
本発明は、分散安定性に優れ、工業的に有利に製造できるセルロース繊維複合体、それを含む分散体、成形体、及び微細セルロース繊維複合体の製造方法に関する。
本発明者らは、アニオン変性セルロース繊維とポリビニルアセタール樹脂を組み合わせて両者を効果的に複合化することにより、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[4]に関する。
[1]アニオン変性セルロース繊維及びポリビニルアセタール樹脂を含有する、セルロース繊維複合体。
[2]前記[1]に記載のセルロース繊維複合体が媒体に分散してなる、分散体。
[3]前記[1]に記載のセルロース繊維複合体又は該セルロース繊維複合体と樹脂を含有する樹脂組成物を成形してなる、成形体。
[4]アニオン変性セルロース繊維をポリビニルアセタール樹脂の存在下で解繊処理する、微細セルロース繊維複合体の製造方法。
本発明によれば、アニオン変性セルロース繊維とポリビニルアセタール樹脂が効果的に複合化したセルロース繊維複合体、それを含む分散体、成形体、及び微細セルロース繊維複合体の製造方法を提供することができる。
得られるセルロース繊維複合体は、分散安定性に優れ、工業的に有利に製造することができる。また、本発明のセルロース繊維複合体を含む成形体は寸法安定性に優れている。
[セルロース繊維複合体]
本発明のセルロース繊維複合体は、アニオン変性セルロース繊維及びポリビニルアセタール樹脂を含有する。
本発明のセルロース繊維複合体は分散安定性に優れている。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
ポリビニルアセタール樹脂は、樹脂中に多数の親水的なヒドロキシ基と疎水的なアセタール基とを有する両親媒高分子であり、親水性のセルロース繊維、及び疎水性の溶媒や樹脂のどちらにも相溶性を有する。このため、ポリビニルアセタール樹脂は、アニオン変性セルロース繊維表面に付着し易く、セルロース繊維表面に残留したまま、ポリビニルアセタール樹脂の疎水性部分の広がりによって生じる立体斥力と相まって、セルロース繊維の凝集が抑制され、セルロース繊維複合体の分散安定性が向上すると考えられる。
<アニオン変性セルロース繊維>
本発明で用いられる「アニオン変性セルロース繊維」は、セルロース繊維中にアニオン性基を含むようにアニオン変性されたセルロース繊維である。
アニオン変性セルロース繊維の平均繊維長等は、製造方法により異なる。例えば、アニオン変性セルロース繊維が短繊維化処理を受けていない場合、その平均繊維長等の好適範囲は原料のセルロース繊維のものと同等である。アニオン変性セルロース繊維が短繊維化処理を受けている場合、その平均繊維長等の好適範囲は後述する短繊維化セルロース繊維のものと同等である。
アニオン変性セルロース繊維中に含まれるアニオン性基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基及びリン酸基等が挙げられ、セルロース繊維への導入効率の観点から、カルボキシ基が好ましい。
アニオン変性セルロース繊維のアニオン性基の含有量は、安定に短繊維化ないし微細化する観点、及び分散安定性を向上させる観点から、好ましくは0.1mmol/g以上、より好ましくは0.2mmol/g以上、更に好ましくは0.5mmol/g以上、より更に好ましくは0.8mmol/g以上であり、そして、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2mmol/g以下、更に好ましくは1.8mmol/g以下である。なお、「mmol/g」は、アニオン変性セルロース繊維1g中のアニオン性基のモル数であり、後述する修飾基の導入前のものである。以下同様である。
アニオン性基の含有量を上記範囲とするためには、例えば、酸化処理等の処理条件を調整したり、還元処理を行うことによって制御することができる。
アニオン性基の含有量は、アニオン変性セルロース繊維を構成するセルロース繊維中のアニオン性基の総量を意味し、実施例に記載の方法により測定することができる。
(アニオン性基の導入)
アニオン変性セルロース繊維は、対象となるセルロース繊維に酸化処理又はアニオン性基の付加処理を施して、アニオン性基を1つ以上導入することにより得ることができる。アニオン性基の種類は1種又は2種以上である。
アニオン変性の対象となるセルロース繊維としては、次の(A)、(B)が挙げられる。
(A)原料のセルロース繊維
(B)原料のセルロース繊維を短繊維化処理してなる短繊維化セルロース繊維
これらの中では、生産に要する負荷低減の観点から、(A)原料のセルロース繊維が好ましい。
(A)原料のセルロース繊維
原料のセルロース繊維としては、環境負荷低減の観点から、天然セルロース繊維が好ましい。天然セルロース繊維としては、例えば、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ等の木材パルプ;コットンリンター、コットンリント等の綿系パルプ;麦わらパルプ、バガスパルプ等の非木材系パルプ;バクテリアセルロース等が挙げられる。
原料のセルロース繊維は、上記の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
原料のセルロース繊維の平均繊維長は、入手性及びコスト低減の観点から、好ましくは800μm以上、より好ましくは1,000μm以上、更に好ましくは1,500μm以上であり、そして、好ましくは10,000μm以下、より好ましくは5,000μm以下、更に好ましくは3,000μm以下である。
原料のセルロース繊維の平均繊維径は、入手性及びコスト低減の観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上であり、そして、好ましくは300μm以下、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは80μm以下である。
原料のセルロース繊維のアスペクト比は、入手性及びコスト低減の観点から、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは15以上であり、そして、好ましくは200以下、より好ましくは100以下、更に好ましくは80以下である。
セルロース繊維の平均繊維長、平均繊維径、及びアスペクト比は、実施例に記載の方法により測定することができる。
(B)原料のセルロース繊維を短繊維化処理してなる短繊維化セルロース繊維
短繊維化処理の対象となるセルロース繊維としては、次の(B1)〜(B3)が挙げられる。
(B1)原料のセルロース繊維
原料のセルロース繊維は、前記(A)原料のセルロース繊維と同じである。
(B2)原料のセルロース繊維にアニオン性基を導入してなるアニオン変性セルロース繊維
(B3)原料のセルロース繊維にアニオン性基を導入した後、更に修飾基を導入してなる改質セルロース繊維
これらの中では、短繊維化効率を向上させる観点から、短繊維化処理の対象となるセルロース繊維は、(B2)アニオン変性セルロース繊維が好ましい。
(原料のセルロース繊維にアニオン性基を導入する方法)
セルロース繊維にアニオン性基を導入する方法としては、例えば、次の(b1)〜(b3)が挙げられる。
(b1)セルロースのヒドロキシ基を酸化処理してカルボキシ基に変換する方法
(b2)セルロースのヒドロキシ基に、カルボキシ基を有する化合物、その酸無水物、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる1種以上を反応させる方法
(b3)セルロース繊維にスルホン酸基又はリン酸基を導入する方法
これらの中では、(b1)の方法が好ましい。
(b1)セルロースのヒドロキシ基を酸化処理してカルボキシ基に変換する方法
セルロースのヒドロキシ基を酸化処理する方法は特に制限されない。例えば、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシル(TEMPO)を触媒として、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤及び臭化ナトリウム等の臭化物を反応させて酸化処理する方法が挙げられる。より詳細には、特開2011−140632号公報に記載の方法を参照することができる。
TEMPOを触媒としてセルロース繊維の酸化処理を行うことによって、セルロース構成単位のC6位のヒドロキシメチル基(−CHOH)が選択的にカルボキシ基に変換される。特にこの方法は、原料のセルロース繊維表面の酸化対象となるC6位のヒドロキシ基の選択性に優れており、かつ反応条件も穏やかである点で有利である。
従って、アニオン変性セルロース繊維の好適態様として、TEMPO酸化由来のもの、即ち、セルロース構成単位のC6位がカルボキシ基であるセルロース繊維(以下、「酸化セルロース繊維」ともいう)が挙げられる。
(b2)セルロースのヒドロキシ基に、カルボキシ基を有する化合物、その酸無水物、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる1種以上を反応させる方法
前記のカルボキシ基を有する化合物は特に限定されない。例えば、ハロゲン化酢酸等が挙げられ、より具体的には、クロロ酢酸等が挙げられる。
前記のカルボキシ基を有する化合物の酸無水物及びそれらの誘導体も特に限定されない。例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸及び無水アジピン酸等のジカルボン酸化合物の酸無水物や、カルボキシ基を有する化合物の酸無水物のイミド化物、カルボキシ基を有する化合物の酸無水物の誘導体等が挙げられる。これらの化合物は疎水基で置換されていてもよい。
(b3)セルロース繊維にスルホン酸基又はリン酸基を導入する方法
セルロース繊維にスルホン酸基を導入する方法としては、セルロース繊維に硫酸を添加し加熱する方法等が挙げられる。
セルロース繊維にリン酸基を導入する方法としては、乾燥状態又は湿潤状態のセルロース繊維に、リン酸又はリン酸誘導体の粉末や水溶液を混合する方法、セルロース繊維の分散液にリン酸又はリン酸誘導体の水溶液を添加する方法等が挙げられる。
これらの方法を採用した場合、一般的に、リン酸又はリン酸誘導体の粉末や水溶液を混合又は添加した後に、脱水処理及び加熱処理等を行う。
(セルロース繊維の短繊維化処理)
本発明においては、アニオン変性セルロース繊維の平均繊維長を、短繊維化処理により、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上とし、そして、好ましくは500μm以下、より好ましくは400μm以下、更に好ましくは300μm以下とすることができる。
また、アニオン変性セルロース繊維の平均繊維径は、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上であり、そして、好ましくは300μm以下、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは80μm以下である。
アニオン変性セルロース繊維のアスペクト比は、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは15以上であり、そして、好ましくは200以下、より好ましくは100以下、更に好ましくは80以下である。
短繊維化したセルロース繊維の平均繊維長、平均繊維径、及びアスペクト比は、実施例に記載の方法により測定することができる。
短繊維化処理は、原料のセルロース繊維を短繊維化処理して短繊維化セルロース繊維を得た後、該短繊維化セルロース繊維にアニオン性基を導入してアニオン変性セルロース繊維としてもよい。短繊維化処理は、後述する解繊処理の前処理と位置づけることができる。また、原料のセルロース繊維の繊維長が1,000μm以下の場合は、短繊維化処理を省略することができる。
短繊維化処理は、対象のセルロース繊維を(i)アルカリ処理、(ii)酸処理、(iii)熱処理、紫外線処理、電子線処理、機械処理及び酵素処理からなる群から選ばれる1種以上の処理方法を施すことにより、行うことができる。
(i)アルカリ処理の方法としては、例えば、対象のセルロース繊維の固形分含有量が、好ましくは0.1質量%以上10.0質量%以下であって、pHが、好ましくは8.0以上15.0以下である溶液又は分散液を準備し、この溶液又は分散液を、好ましくは60℃以上110℃以下で、30分間以上240分間以下の条件で加熱する方法が挙げられる。
アルカリ処理における溶液又は分散液の媒体は、好ましくは水、エタノールである。pH調整に使用できるアルカリとしては、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
溶液又は分散液には、アニオン性基含有セルロース繊維100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上2.5質量部以下の過酸化水素を含んでもよい。
(ii)酸処理の方法としては、例えば、対象のセルロース繊維の固形分含有量が、好ましくは0.1質量%以上10.0質量%以下であって、pHが、好ましくは0.1以上4.0以下である溶液又は分散液を準備し、この溶液又は分散液を、好ましくは80℃以上120℃以下で、5分間以上240分間以下の条件で加熱する方法が挙げられる。
酸処理における溶液又は分散液の媒体は、好ましくは水、エタノールである。pH調整に使用できる酸としては、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、及び酢酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸が挙げられ、より好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、クエン酸、更に好ましくは塩酸である。
(iii)熱処理の方法としては、例えば、対象のセルロース繊維の固形分含有量が、好ましくは0.1質量%以上80質量%以下であって、任意に無機塩類、無機微粒子、有機微粒子、界面活性剤、防腐剤等を含んでいてもよい溶液又は分散液を準備し、この溶液又は分散液を、好ましくは50℃以上230℃以下で、4時間以上2500時間以下の条件で加熱する方法が挙げられる。
熱処理における溶液又は分散液の媒体としては、好ましくは水、エタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
(B3)原料のセルロース繊維にアニオン性基を導入した後、更に修飾基を導入してなる改質セルロース繊維
改質セルロース繊維は、アニオン変性セルロース繊維のアニオン性基に修飾基が導入(結合)されたものである。改質セルロース繊維におけるアニオン性基と修飾基との結合様式は、分散安定性を向上させる観点から、アニオン変性セルロース繊維表面に存在するアニオン性基に、修飾基を有する化合物を、好ましくはイオン結合及び/又は共有結合させることにより達成できる。
修飾基を有する化合物としては、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、ホスホニウム化合物等が挙げられる。これらの化合物には、修飾基として各種の炭化水素基、例えば鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、環式飽和炭化水素基、及び芳香族炭化水素基等の炭化水素基や、共重合部位等を導入することができる。
修飾基が共重合部位を含むものとしては、例えば、エチレンオキシドとプロピレンオキシドがランダム又はブロック状に共重合した構造を有する部位等を有する第1級又は第2級アミン等が挙げられる。その具体例としては、米国ハンツマン(Huntsman)社製のJeffamineシリーズ製品等が挙げられる。
修飾基を有する化合物は、アニオン性基との結合様式に応じて適切なものを選択することができる。
<ポリビニルアセタール樹脂>
ポリビニルアセタール樹脂は、分子内にアセタール基を有する構成単位を有する重合体であり、好ましくは、アセタール基を有する構成単位とヒドロキシ基を有する構成単位を有する重合体である。
ポリビニルアセタール樹脂としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピラール、ポリビニルブチラール等が挙げられ、より具体的には、下記式(1)で表される重合体が好ましい。
Figure 2021120436
式(1)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示す。xは、ビニルアセタール基を有する構成単位の含有量(モル%)を示し、アセタール化されたビニルアルコール由来の構成単位の合計含有量(モル%)で示される。yはビニルアルコール由来の構成単位の含有量(モル%)を示し、zは酢酸ビニル由来の構成単位の含有量(モル%)を示す。x及びyは0よりも大きく、zは0であってもよい。
としては、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、水素原子又はプロピル基がより好ましい。
すなわち、ポリビニルアセタール樹脂は、Rが水素原子である構成単位を有するポリビニルホルマール樹脂、Rがプロピル基である構成単位を有するポリビニルブチラール樹脂が好ましく、ポリビニルブチラール樹脂を含有することがより好ましい。
ポリビニルブチラール樹脂は、ポリビニルアルコール(PVA)とブチルアルデヒドを酸性条件下で反応させてアセタール化することにより得ることができる。また、ポリビニルホルマール樹脂は、PVAとホルマリンを反応させてアセタール化することにより得ることができる。
PVAをアセタール化する場合、PVAを完全にアセタール化することは困難であるため、部分的にヒドロキシ基が不可逆的に残存する。
また、PVAは、通常、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより製造されるが、PVA製造工程のケン化の際に少量のアセチル基が残存することが多いため、ポリビニルブチラール樹脂には、部分的にアセチル基やヒドロキシ基が不可逆的に残存することが一般的である。
ポリビニルブチラール樹脂は、生産性の観点及び分散安定性を向上させる観点から、ガラス転移温度(Tg)は、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上であり、そして、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下である。
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定による熱量変化の測定(DSC法)により求めることができる。
ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール基を有する構成単位の含有量(x)(以下、「アセタール基量」ともいう)が、分散安定性を向上させる観点から、好ましくは60モル%以上、より好ましくは65モル%以上、更に好ましくは70モル%以上であり、そして、好ましくは90モル%以下、より好ましくは85モル%以下である。
ここで、アセタール基量(x)は、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除して求めたモル分率であり、アセタール基を有する構成単位の含有量(モル%)に相当する。アセタール基(特にブチラール基)が結合しているエチレン基量は、JIS K 6728「ポリビニルブチラール試験方法」を用いて測定できる。
ポリビニルアセタール樹脂は、ヒドロキシ基を有する構成単位の含有量(y)(以下、「ヒドロキシ基量」ともいう)が、分散安定性を向上させる観点から、好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上、更に好ましくは20モル%以上であり、そして、好ましくは45モル%以下、より好ましくは40モル%以下、更に好ましくは38モル%以下である。
ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル基を有する構成単位を含有する場合、その含有量(以下、「アセチル基量」ともいう)は、分散安定性を向上させる観点から、好ましくは0.0001モル%以上、より好ましくは0.001モル%以上であり、そして、好ましくは15モル%以下、より好ましくは10モル%以下、更に好ましくは8モル%以下である。
ポリビニルアセタール樹脂の分子量は特に限定されないが、機械的特性及び分散安定性を向上させる観点から、好ましくは8000以上、より好ましくは1万以上、更に好ましくは1.5万以上、より更に好ましくは2万以上であり、そして、好ましくは30万以下、より好ましくは20万以下、更に好ましくは15万以下である。
ここで、分子量は、計算により求めることができる。
ポリビニルアセタール樹脂は、分散安定性等を向上させる観点から、イミン構造を有する構成単位、酸変性基を有する構成単位、及びアミノ基又はアミド構造を有する構成単位から選ばれる1種以上を含有する変性ポリビニルアセタール樹脂を含有することも好ましい。
イミン構造(C=N結合を有する構造)を有する構成単位を含有する場合、その含有量は、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは1モル%以上であり、そして、好ましくは20モル%以下、より好ましくは15モル%以下である。
酸変性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、マレイン酸基、リン酸基等とそれらの塩が挙げられる。酸変性基を有する構成単位を含有する場合、その含有量は、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.05モル%以上であり、そして、好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下である。
イミン構造を有する構成単位、及び酸変性基を有する構成単位の含有量は、例えば、NMRにより測定することができる。
変性ポリビニルアセタール樹脂において、イミン構造、酸変性基、アミノ基又はアミド構造は、変性ポリビニルアセタール樹脂の主鎖又は側鎖を構成する炭素に直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
ポリビニルアセタール樹脂、変性ポリビニルアセタール樹脂の分子量、構造、ヒドロキシ基量等は、用いるPVAの重合度やアセタール化反応条件により、適宜調整することができる。
ポリビニルアセタール樹脂は、前記式(1)において、x、y、zの総和が100モル%であることが好ましい。
ポリビニルブチラール樹脂の市販品例としては、積水化学工業株式会社製の商品名:エスレックの(i)BH(高重合度タイプ)シリーズ製品:BH−3、BH−6、BX−1、BX−5、(ii)BM(中重合度タイプ)シリーズ製品:BM−1、BM−2、BM−5、BM−SZ、(iii)BL(低重合度タイプ)シリーズ製品:BL−1、BL−1H、BL−2、BL−2H、BL−10等の他、株式会社クラレ製のモビタールシリーズ製品等が挙げられる。
ポリビニルホルマール樹脂の市販品例としては、JNC株式会社製の商品名:ビニレックK、ビニレックL、ビニレックH、ビニレックE等が挙げられる。
上記のポリビニルアセタール樹脂は、各々単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<セルロース繊維複合体の製造>
本発明のセルロース繊維複合体は、アニオン変性セルロース繊維及びポリビニルアセタール樹脂を含有しておればよく、両者を公知の方法で配合することにより得ることができる。
セルロース繊維複合体におけるアニオン変性セルロース繊維(A)に対するポリビニルアセタール樹脂(B)の質量比[(B)/(A)]は、分散安定性を向上させる観点から、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.4以上、更に好ましくは0.6以上、より更に好ましくは0.8以上であり、そして、好ましくは200以下、より好ましくは100以下、更に好ましくは50以下、より更に好ましくは25以下、より更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下、より更に好ましくは5以下である。
セルロース繊維複合体の製造は、例えば、前記成分を水性媒体等の媒体中で撹拌機で分散することにより得ることができる。
媒体としては、後述する<分散体>の欄で記載した(媒体)を、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
それらの中では、水性の液状媒体が好ましい。
セルロース繊維複合体の製造時における組成物中の媒体の含有量は、特に限定されないが、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、より更に好ましくは70質量%以上である。
セルロース繊維複合体の製造時には、必要に応じて、分散剤、粘度整剤、水溶性高分子、酸化防止剤等の公知の添加剤を含有させることができる。
本発明のセルロース繊維複合体は、分散安定性に優れるため、日用雑貨品、家電部品、家電部品用梱包資材、自動車部品等の各種の工業製品に好適に用いることができる。
[微細セルロース繊維複合体の製造方法]
本発明のセルロース繊維複合体は、必要に応じて更に微細化処理を行い、微細セルロース繊維複合体とすることができる。
本発明の微細セルロース繊維複合体の製造方法は、アニオン変性セルロース繊維をポリビニルアセタール樹脂の存在下で解繊処理する方法である。
解繊処理は、アニオン変性セルロース繊維をポリビニルアセタール樹脂の存在下で行う機械的な微細化処理である。解繊処理を行うことにより、ナノスケールの繊維径を有する微細セルロース繊維(ナノファイバー)へと変換することができる。
セルロース繊維を解繊処理してナノファイバーとすることにより、透明度の高いセルロースナノファイバー分散体を得ることができる。
なお、短繊維化されたアニオン変性セルロース繊維を更に解繊(微細化)処理して、予め微細セルロース繊維とした後、ポリビニルアセタール樹脂を配合して、微細セルロース繊維複合体を得ることもできる。
セルロース繊維を解繊する際に用いる装置は特に限定されない。例えば、離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波撹拌機等が挙げられる。解繊の際には、セルロース繊維の分散体に強力な剪断力を印加することが好ましい。解繊効率の観点から、強力な剪断力を印加できる湿式の高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。
高圧ホモジナイザーは、流体を加圧(高圧)し、流路に設けた非常に細い隙間から流体を噴出させることにより、粒子間の衝突、圧力差による剪断力等の総合エネルギーによって、分散、解繊、粉砕、及び微細化を行う装置である。
高圧ホモジナイザーを用いて分散体に印加する圧力は、解繊効率の観点から、好ましくは50MPa以上、より好ましくは100MPa以上、更に好ましくは120MPa以上である。また、処理パス回数は、解繊効率の観点から、好ましくは1回以上、好ましくは2回以上であり、そして、好ましくは20回以下、より好ましくは15回以下、更に好ましくは10回以下である。
上記の解繊処理により得られる微細セルロース繊維複合体の平均繊維長は、セルロース繊維の機能を効果的に発現させる観点から、好ましくは50nm以上、より好ましくは80nm以上、更に好ましくは100nm以上であり、そして、好ましくは800nm以下、より好ましくは500nm以下、更に好ましくは300nm以下である。
微細セルロース繊維複合体の平均繊維径は、好ましくは1nm以上、より好ましくは2nm以上、更に好ましくは3nm以上であり、そして、好ましくは60nm以下、より好ましくは40nm以下、更に好ましくは20nm以下である。
微細セルロース繊維複合体の平均アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)は、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であり、そして、好ましくは100以下、より好ましくは80以下、更に好ましくは60以下である。
微細セルロース繊維複合体の平均繊維長、平均繊維径、平均アスペクト比は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、実施例に記載の方法により測定することができる。
<分散体>
本発明の分散体は、本発明のセルロース繊維複合体が媒体に分散してなる。
本発明のセルロース繊維複合体を、媒体中で分散することで、分散安定性に優れるセルロース繊維複合体を含有する分散体を得ることができる。
かかる分散体は、ハンドリング性に優れるため、日用雑貨品、家電部品、家電部品用梱包資材、自動車部品等の様々な工業用途に好適に使用することができる。
(媒体)
媒体は特に限定されず、用途に応じて、水;エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、メタクリル酸メチル、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;トルエン等の炭化水素系溶媒;酢酸、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン等の有機溶媒、モノマー、プレポリマー、ポリマー等が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、分散安定性の観点から、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒、及び炭化水素系溶媒から選ばれる1種以上が好ましい。
分散体中のセルロース繊維複合体の配合量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下であり、更に好ましくは70質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。
(分散体の製造)
本発明の分散体は、本発明のセルロース繊維複合体と前記媒体を、撹拌翼を備えた撹拌機、離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、ロールミル、短軸混練機、2軸機混練機、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機等を用いた機械的処理等を行うことにより得ることができる。この際、分散体の用途を鑑み、必要に応じて、温度や圧力等の分散処理条件を適宜調整することができる。
[成形体]
本発明の樹脂成形体は、本発明のセルロース繊維複合体又は該セルロース繊維複合体と樹脂を含有する樹脂組成物を成形してなる。
<樹脂組成物>
本発明で用いられる樹脂組成物に含有される樹脂に特に限定はなく、ポリビニルアセタール樹脂以外の樹脂又は樹脂前駆体から選ばれる1種以上が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂以外の樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂等が挙げられる。樹脂前駆体は、前記樹脂が製造される前段階の化合物であり、樹脂の重合前の化合物、溶融状態の樹脂材料をいう。かかる樹脂又は樹脂前駆体は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、ポリ乳酸樹脂等の飽和ポリエステル樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン樹脂;塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、スチレン樹脂、ビニルエーテル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂等のビニル樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリウレタン樹脂;フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、分散性に優れる分散液が得られることから、オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂及びポリウレタン樹脂が好ましく、(メタ)アクリル系樹脂がより好ましく、50重量%以上の(メタ)アクリル酸メチルを単量体単位として含む(メタ)アクリル系樹脂が更に好ましい。なお、(メタ)アクリル系樹脂とは、メタクリル系樹脂及び/又はアクリル系樹脂を意味する。
(硬化性樹脂)
硬化性樹脂としては、光硬化性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
光硬化性樹脂は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線照射により、ラジカルやカチオンを発生する光重合開始剤を用いることで重合反応が進行する。光硬化性樹脂は、凝集物が少なく、透明性に優れる分散液や樹脂成形体が得られるので好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば特開2018−024967号公報の段落〔0113〕に記載の化合物が挙げられる。
光重合開始剤で、例えば、単量体(単官能単量体、多官能単量体)、反応性不飽和基を有するオリゴマー又は樹脂等を重合することができる。
単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル系単量体、ビニルピロリドン等のビニル系単量体、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の架橋環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート等の単官能単量体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の架橋環式炭化水素基を有するジ(メタ)アクリレート等の2官能単量体、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の3〜8官能単量体等が挙げられる。
反応性不飽和基を有するオリゴマー又は樹脂としては、ビスフェノールA−アルキレンオキシド付加体等の(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ケイ素樹脂及びポリイミド樹脂等が挙げられるが、分散性に優れる分散液が得られることから、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましく、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂がより好ましい。
(セルロース系樹脂)
セルロース系樹脂としては、酢酸セルロース(セルロースアセテート)、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース混合アシレート等の有機酸エステル;硝酸セルロース、リン酸セルロース等の無機酸エステル;硝酸酢酸セルロース等の有機酸無機酸混酸エステル;アセチル化ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロースエーテルエステル等が挙げられる。酢酸セルロースには、セルローストリアセテート(アセチル置換度2.6〜3)、セルロースジアセテート(アセチル置換度:2〜2.6)、セルロースモノアセテートが含まれる。
(ゴム系樹脂)
本発明のセルロース繊維複合体は分散安定性に優れることから、ゴム系樹脂を配合することで、機械的強度に優れる成形体を得ることができる。
ゴム系樹脂としては、ジエン系ゴム、非ジエン系ゴムが挙げられる。
ジエン系ゴムとしては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム、クロロプレンゴム、及びエポキシ化天然ゴム、水素化天然ゴム等の変性天然ゴム等が挙げられる。非ジエン系ゴムとしては、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、多硫化ゴム、エピクロルヒドリンゴム等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物におけるセルロース繊維複合体の量は、樹脂の物性や成形法によって適宜決定しうるが、セルロース繊維複合体の配合効果を発揮させる観点から、配合量で換算して、樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、より更に好ましくは1質量部以上であり、そして、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、より更に好ましくは10質量部以下である。
(その他の成分)
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、可塑剤、結晶核剤、充填剤、加水分解抑制剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、光安定剤、顔料、防カビ剤、抗菌剤、発泡剤、多糖類、香料等を配合することができる。
また、樹脂組成物がゴム系樹脂を配合する場合には、前記以外の成分として、所望により、カーボンブラックやシリカ等の補強用充填剤、各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、プロセスオイル、植物油脂等の各種添加剤を一般的な量で配合させることができる。
(樹脂組成物の調製)
樹脂組成物は、前述の樹脂、セルロース繊維複合体、分散媒体を、必要により、これら以外の成分と一緒に、高圧ホモジナイザーで分散処理を行うことにより、調製することができる。また、これらの各原料を、ヘンシェルミキサー、自転公転式攪拌機等で撹拌、又は密閉式ニーダー、1軸又は2軸の押出機、オープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて溶融混練することで調製することができる。
(成形法)
成形法としては、押出成形、射出成形、プレス成形、注型成型又は溶媒キャスト法等の公知の成形法を適用することができる。本発明のセルロース繊維複合体及び樹脂組成物は分散安定性が優れているため、成形体である各種樹脂製品の機械的強度が優れたものとなり、成形体の熱膨張も抑制できる。
(成形体の用途)
本発明の成形体の用途は特に限定されない。例えば、透明樹脂材料、3次元造形材料、クッション材、補修材、接着剤、粘着剤、シーリング材、断熱材、吸音材、人工皮革材料、塗料、電子材、包装材料、タイヤ、自動車部品、繊維複合材料に用いることができる。これらの中でも、透明性に優れる成形体が得られることから、特に透明樹脂材料、接着剤、粘着剤、人工皮革材料、塗料、電子材、繊維複合材料等の用途に好適に適用でき、また、機械的強度に優れる成形体が得られることから、3次元造形材料、クッション材、補修材、シーリング材、断熱材、吸音材、タイヤ、自動車部品、包装材料等の用途に好適に適用できる。
〔セルロース繊維(アニオン変成セルロース繊維を含む)、短繊維化されたセルロース繊維の平均繊維径、平均繊維長の測定〕
測定対象のセルロース繊維にイオン交換水を加えて、その含有量が0.01質量%の分散液を調製する。該分散液を湿式分散タイプ画像解析粒度分布計(ジャスコインターナショナル株式会社製、商品名:IF−3200)を用いて、フロントレンズ:2倍、テレセントリックズームレンズ:1倍、画像分解能:0.835μm/ピクセル、シリンジ内径:6515μm、スペーサー厚み:1000μm、画像認識モード:ゴースト、閾値:8、分析サンプル量:1mL、サンプリング:15%の条件で測定した。セルロース繊維を10000本以上測定し、それらの平均ISO繊維径を平均繊維径をとして、平均ISO繊維長を平均繊維長として算出した。
〔微細化されたセルロース繊維複合体の平均繊維径、平均繊維長の測定〕
測定対象のセルロース繊維複合体に媒体を加えて、その濃度が0.0001質量%の分散液を調製し、該分散液をマイカ(雲母)上に滴下して乾燥したものを観察試料として、原子間力顕微鏡((AFM)、Digital instrument社製、Nanoscope III Tapping mode AFM、プローブはナノセンサーズ社製、Point Probe(NCH)を使用)を用いて、該観察試料中のセルロース繊維の繊維高さを測定した。その際、該セルロース繊維が確認できる顕微鏡画像において、セルロース繊維を100本以上抽出し、平均繊維径と平均繊維長を算出した。
〔アニオン変性セルロース繊維のアニオン性基(カルボキシ基)含有量の測定〕
乾燥質量0.5gの測定対象のセルロース繊維を100mLビーカーにとり、イオン交換水又はメタノール/水=2/1の混合溶媒を加えて全体で55mLとし、そこに0.01M塩化ナトリウム水溶液5mLを加えて分散液を調製した。セルロース繊維が十分に分散するまで該分散液を攪拌した。この分散液に0.1M塩酸を加えてpHを2.5〜3に調整し、自動滴定装置(東亜ディーケーケー株式会社製、商品名:AUT−710)を用い、0.05M水酸化ナトリウム水溶液を待ち時間60秒の条件で該分散液に滴下し、1分ごとの電導度及びpHの値を測定した。pH11程度になるまで測定を続け、電導度曲線を得る。この電導度曲線から、水酸化ナトリウム滴定量を求め、次式により、測定対象のセルロース繊維のアニオン性基含有量を算出した。
アニオン性基含有量(mmol/g)=水酸化ナトリウム滴定量×水酸化ナトリウム水溶液濃度(0.05M)/測定対象のセルロース繊維の質量(0.5g)
調製例1(アニオン変性セルロース繊維1の調製)
(1)酸化処理
ユーカリ由来の広葉樹漂白クラフトパルプ(CENIBRA社製)100gを9,900gのイオン交換水で十分に攪拌した後、該パルプ質量100gに対し、TEMPO(ALDRICH社製、Free radical、98質量%)1.25g、臭化ナトリウム12.5g、次亜塩素酸ナトリウム28.4gをこの順で添加した。pHスタッドを用い、0.5M水酸化ナトリウムを滴下してpHを10.5に保持した。反応を20℃で40分間行った後、水酸化ナトリウムの滴下を停止した後、0.01Mの塩酸及びイオン交換水を用いて十分に洗浄し、次いで脱水処理を行うことで、酸化セルロース繊維を得た。この酸化セルロース繊維の平均繊維長は1058μm、平均繊維径は41μm、カルボキシ基含有量は1.3mmol/gであった。
(2)短繊維化処理
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたバイアル瓶に、得られた酸化セルロース繊維を絶乾質量で7.2g仕込み、処理液の質量が360gとなるまで、イオン交換水を添加した。処理液を95℃で24時間撹拌した後に脱水処理を行うことで、短繊維化アニオン変性セルロース繊維1を得た。また、このアニオン変性セルロース繊維1の平均繊維長は133μm、平均繊維径は35μm、カルボキシ基含有量は1.3mmol/gであった。
調製例2(アニオン変性セルロース繊維2の調製)
調製例1(1)と同様の操作を行い、調製例1の(2)短繊維化処理を行わずに、アニオン変性セルロース繊維2を得た。
調製例3(アニオン変性セルロース繊維3の調製)
針葉樹の漂白クラフトパルプ繊維(ウエストフレザー社製、商品名:ヒントン)100gを9,900gのイオン交換水で十分に攪拌した後、該パルプ質量100gに対し、TEMPO(ALDRICH社製、Free radical、98質量%)1.25g、臭化ナトリウム12.5g、次亜塩素酸ナトリウム37.2gをこの順で添加した。pHスタッドを用い、0.5M水酸化ナトリウムを滴下してpHを10.5に保持した。反応を20℃で80分間行った後、水酸化ナトリウムの滴下を停止し、0.01Mの塩酸及びイオン交換水を用いて、得られた酸化セルロース繊維を十分に洗浄し、次いで脱水処理を行うことで、アニオン変性セルロース繊維3を得た。
得られたアニオン変性セルロース繊維3の平均繊維長は2022μm、平均繊維径は40μm、カルボキシ基含有量は1.5mmol/gであった。
調製例4(アニオン変性セルロース繊維4の調製)
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたバイアル瓶に、アニオン変性セルロース繊維3を絶乾質量で7.2g、塩酸を塩化水素量で10.8g仕込み、処理液の質量が360gとなるまで、イオン交換水を添加した。処理液を95℃で24時間撹拌した後に十分に洗浄し、次いで脱水処理を行うことで、アニオン変性セルロース繊維4を得た。 得られたアニオン変性セルロース繊維4の平均繊維長は186μm、平均繊維径は42μm、カルボキシ基含有量は1.5mmol/gであった。
実施例1
(1)セルロース繊維複合体の調製
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、調製例1で得られた短繊維化アニオン変性セルロース繊維を絶乾質量で0.15g仕込んだ。続いて、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、エスレックBM−1)を0.3g仕込み、エタノール30gで溶解させた。得られた混合液を室温(25℃)で24時間撹拌し、アニオン変性セルロース繊維とポリビニルブチラール樹脂を含有するセルロース繊維複合体のエタノール懸濁液(セルロース繊維含有量0.5質量%)を得た。
(2)解繊(微細化)処理
上記(1)で得られた懸濁液を高圧ホモジナイザー(吉田機械興業株式会社製、商品名:ナノヴェイタ L−ES)にて150MPaで5パス処理し、解繊(微細化)処理を行った。
この処理により、微細化セルロース繊維複合体がエタノールに分散した分散体(セルロース繊維含有量0.5質量%)を得た。この微細化セルロース繊維複合体の平均繊維長は152nm、平均繊維径は4nm、平均アスペクト比は38であった。
実施例2〜8、10〜18、比較例1〜3
実施例1において、表1及び2に示す条件に変えた以外は、実施例1と同様にして、微細セルロース繊維複合体が溶媒に分散した分散体を得た。
なお、用いたポリビニルブチラール樹脂は積水化学工業株式会社製のエスレックであり、用いたポリビニルホルマール樹脂はJNC株式会社製のビニレックであり、その詳細は以下のとおりである。
・エスレックBM−1:ヒドロキシ基量:約34モル%、計算分子量:約4.0×10
・エスレックBL−1:ヒドロキシ基量:約36モル%、計算分子量:約1.9×10
・エスレックBH−3:ヒドロキシ基量:約34モル%、計算分子量:約11.0×10
・エスレックBX−1:ヒドロキシ基量:33±3モル%、計算分子量:約10.0×10
・エスレックBM−SZ:ヒドロキシ基量:約22モル%、計算分子量:約5.3×10
・エスレックKS−5:ヒドロキシ基量約25モル%、計算分子量:約13.0×10
・ビニレックK:ヒドロキシ基量:11モル%、計算分子量:約4.7×10
実施例9
仕込んだポリビニルブチラールの量を2.85gとした以外は実施例1と同様の方法で微細化セルロース繊維複合体がエタノールに分散した分散体(セルロース繊維含有量0.5質量%)を得た。
得られた微細化セルロース繊維複合体の特性を、下記試験例1〜3の方法により評価した。試験例1、2の結果を表1〜2に示す。
試験例1(分散安定性試験)
得られた微細化セルロース繊維複合体の分散体を室温(25℃)で1日間静置し、沈殿物の有無や透明性を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて分散安定性を評価した。
(評価基準)
A:沈殿物は生じず、半透明状態又は透明状態である。
B:一部が沈殿物となっているが、上澄み液は半透明状態である。
C:セルロース繊維の殆どが沈殿しており、上澄み液は透明状態である。
評価Aは特にナノ分散安定性が優れており、評価Bであれば実使用に支障がない程度の分散安定性を有している。
試験例2(ナノ分散性試験)
得られた微細化セルロース繊維複合体の分散体を直交偏光板の間に置き、振とうした際に偏光が生じるかを目視で観察した。
偏光が確認できることは複屈折性を示すということであり、微細化セルロース繊維複合体がナノオーダーサイズを保持しており、凝集することなく自己組織化構造を形成していることを意味する。
(評価基準)
A:偏光が明瞭に確認でき、複屈折性が認められる。
B:偏光が確認できるが不明瞭である。
C:偏光が認められない。
評価Aは改質セルロース繊維が溶媒中に完全なナノレベルで分散していることを示す。分散性はA>B>Cの序列で評価される。
試験例3(寸法安定性試験)
実施例9で得られた微細化セルロース繊維複合体がエタノールに分散した分散体をガラス製のシャーレに30g流し込み、70℃で24時間乾燥させて、微細化セルロース繊維複合体によって改質されたポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1の複合材料)の自立膜を得た。この複合材料の下記測定法による線熱膨張係数は686ppm/Kであった。
熱機械的分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製、商品名「EXSTAR TMA/SS6100」)を用いて、幅5mm、長さ20mmの短冊型サンプルを、窒素雰囲気下、1分間に5℃の割合で温度を上昇させて引張モードで荷重を30mNで計測した。線熱膨張係数(ppm/K)は、80℃〜90℃までの温度範囲での線熱膨張係数の算術平均値として得た。線熱膨張係数が低い方が寸法安定性に優れていることを示す。
比較として、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1)2.85gをエタノール30gに溶解させた溶液をガラス製のシャーレに30g流し込み、70℃で24時間乾燥させて、ポリビニルブチラール樹脂の自立膜を得た。この樹脂の上記測定法による線熱膨張係数は10044ppm/Kであった。
Figure 2021120436
Figure 2021120436
表1〜2から、セルロース繊維複合体を用いて樹脂組成物を調製した場合でも、セルロース繊維複合体が凝集することなく、樹脂組成物中での分散安定性に優れていることが分かる。
また、実施例9の寸法安定性試験から、本発明のセルロース繊維複合体を含む成形体は寸法安定性に優れていることが分かる。
本発明のセルロース繊維複合体は高い分散性を有し、樹脂組成物等の物性の補強効果に優れているため、日用雑貨品、家電部品、家電部品用梱包資材、自動車部品等の様々な工業用途における各種樹脂製品に好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. アニオン変性セルロース繊維及びポリビニルアセタール樹脂を含有する、セルロース繊維複合体。
  2. アニオン変性セルロース繊維のアニオン性基がカルボキシ基である、請求項1に記載のセルロース繊維複合体。
  3. 平均繊維径が1nm以上60nm以下である、請求項1又は2に記載のセルロース繊維複合体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のセルロース繊維複合体が媒体に分散してなる、分散体。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のセルロース繊維複合体又は該セルロース繊維複合体と樹脂を含有する樹脂組成物を成形してなる、成形体。
  6. アニオン変性セルロース繊維をポリビニルアセタール樹脂の存在下で解繊処理する、微細セルロース繊維複合体の製造方法。
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