JP2014049308A - 電池用包装材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、耐久性に優れ、デラミネーションやピンホールが発生し難い電池用包装材料を提供することである。
【解決手段】少なくとも基材層、接着層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなる電池用包装材料において、(i)前記基材層と前記接着層との間に、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を架橋させた樹脂組成物により形成された易接着層を設け、且つ(ii)前記接着層を無溶剤型接着剤により形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、軽量で、電解液に対する耐久性、水蒸気バリア性、及び絶縁性が良好であり、生分解性を備える電池用包装材料に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されているが、あらゆる電池において、電極や電解質等の電池素子を封止するために包装材料が不可欠な部材になっている。従来、電池用包装として金属製の包装材料が多用されていた。
一方、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話等の高性能化に伴い、電池には、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の電池用包装材料では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、近年、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用包装材料として、例えば、特許文献1に示されているように、基材層/バリア層/シーラント層が順次積層されたフィルム状積層体が提案されている。このようなフィルム状積層体は、電池素子の周縁に位置するシーラント層同士を熱溶着して電池素子を密封して電池素子を封止することにより、電池用包装材料として利用される。従来の電池用包装材料として使用されるフィルム状積層体では、基材層としてナイロンやポリエチレンテレフタレート等の樹脂、バリア層としてアルミニウム箔等の金属箔、シーラント層としてポリプロピレンやポリエチレン等の樹脂が使用されている。
しかしながら、従来のフィルム状積層体からなる電池用包装材料では、バリア層として金属箔が使用されているため、電池素子を密封する際のヒートシール時に、シーラント層のポリエチレンやポリプロピレンが過度に潰されて、電池の電極と電池用包装材料の金属箔が短絡を起し易くなるという欠点がある。
また、従来のフィルム状積層体からなる電池用包装材料では、(1)成型加工の延伸処理でクラックが生じ易くなる、(2)電池用包装材料や電池の製造工程における加熱処理では、シーラント層がポリエチレンやポリプロピレンの融点以上に加熱されることがあり、その後の冷却工程での結晶性の管理ができないため、クラックが生じ易くなる、(3)電池素子の密封後(ヒートシール後)の冷却段階で結晶性の管理ができないため、特にシール部分の折り加工でクラックが生じ易くなる、(4)シーラント層に異物が混入した場合、異物を起点として結晶部分に沿ってクラックが生じ易くなる、等の理由から、製造時又は加工時においてシーラント層にクラックが生じ易いという欠点もある。もし、シーラント層にクラックが生じると、電解液がバリア層にまで浸透して金属析出物を形成し、その結果、短絡を生じさせることにもなりかねない。
このように、金属箔を使用した電池用包装材料では、短絡という問題が不可避的に伴ってしまう。
また、電池用包装材料については軽量化が望まれているものの、バリア層として金属箔を使用する場合、電池用包装材料の総重量の大部分を金属箔が占めるため、軽量化にも限界がある。
更に、近年、社会的に環境負荷を低減することが求められているが、従来のフィルム状積層体からなる電池用包装材料は、長期使用に耐え得ることが重視されて設計されており、廃棄時の環境負荷軽減という点では満足できるものではない。
そこで、フィルム状積層体からなる電池用包装材料において、バリア層として金属箔以外の代替素材を使用できれば、前述する欠点や問題点の克服にも繋がり得るが、バリア層には、水蒸気バリア性、耐熱性等の機能を具備する必要があるため、金属箔以外の代替素材をバリア層として採用した電池用包装材料については、未だ実用的なものは開発されていない。
特開2008−288117号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、軽量で、電解液に対する耐久性、水蒸気バリア性、及び絶縁性が良好であり、生分解性を備える電池用包装材料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、基材層、バリア層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなる電池用包装材料において、前記バリア層として、金属箔を使用せずにポリグリコール酸樹脂を含む樹脂層を採用することにより、軽量で、電解液に対する耐久性、水蒸気バリア性、及び絶縁性が良好になることを見出した。更に、当該電池用包装材料は、生分解性を備えており、廃棄時の環境負荷を軽減できることをも見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の電池用包装材料及び電池を提供する。
項1. 少なくとも、基材層、バリア層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
前記バリア層が、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂層により形成されている、
ことを特徴とする、電池用包装材料。
項2. 前記基材層と前記バリア層の間、及び/又は前記バリア層と前記シーラント層の間に、接着層が形成されている、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記基材層と前記シーラント層の少なくとも一方に、ポリグリコール酸樹脂が含まれる、項1又は2に記載の電池用包装材料。
項4. 二次電池用の包装材料である、項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容さている、電池。
本発明の電池用包装材料は、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂層をバリア層として使用しており、金属箔を使用している従来の電池用包装材料に比して軽量であるという利点があり、更に生分解性も備えており、廃棄時の環境負荷を軽減することができる。なお、本発明の電池用包装材料に関する「生分解性」とは、少なくともバリア層部分が生分解性を示すことを指し、必ずしも、バリア層以外の全ての構成素材が生分解性を示すことを意味するものではない。
また、本発明の電池用包装材料は、バリア層として金属箔を使用していないにも拘わらず、電解液に対する耐久性に優れ、良好な水蒸気バリア性及び絶縁性も有しており、電池用包装材料として求められる機能性を十分に備えている。
本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、基材層、バリア層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、前記バリア層が、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂層により形成されていることを特徴とする。以下、本発明の電池用包装材料について詳述する。
1.電池用包装材料の積層構造
電池用包装材料は、少なくとも、基材層1、バリア層3、及びシーラント層5が順次積層された積層体からなる。本発明の電池用包装材料において、基材層1が最外層になり、シーラント層5は最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置するシーラント層5同士が熱溶着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
また、本発明の電池用包装材料には、基材層1とバリア層3との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層2が設けられていてもよい。更に、本発明の電池用包装材料には、バリア層3とシーラント層5との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層4が設けられていてもよい。
図1に本発明の電池用包装材料の一例として、基材層1、接着層2、バリア層3、接着層4、及びシーラント層5が順次積層された層構造を有する積層体の断面図を示す。
2.電池用包装材料の層組成及び製法
[基材層1]
本発明の電池用包装材料において、基材層1は最外層を形成する層である。基材層1を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。基材層1を形成する素材としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリグリコール酸樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニルサルフォン樹脂、ポリフェニルサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。
基材層1として使用されるポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル等が挙げられる。また、前記のエチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル−ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)が挙げられる。また、前記のブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてブチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレートが挙げられる。また、ポリエステル樹脂として、前記ポリエステルにビスフェノールAポリカーボネートを混合したブレンド樹脂を使用してもよい。これらのポリエステル樹脂の中でも、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリカーボネートが挙げられる。これらのポリエステル樹脂は、1種のポリエステル樹脂を単独で使用してもよく、2種以上のポリエステル樹脂を混合したブレンド樹脂を使用してもよい。ポリエステル樹脂は、耐電解液性に優れ、電解液の付着に対して白化等が発生し難いという特性を備えており、基材層1として好適に使用される。
また、基材層1として使用されるポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド、共重合ポリアミドがある。ポリアミドとして、具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等が挙げられる。また、前記の共重合ポリアミドとしては、具体的には、[NH(CH25CO]、[NH(CH26NHCO(CH24CO]、[NH(CH26NHCO(CH28CO]、[NH(CH210CO]、[NH(CH211CO]から選ばれた少なくとも2種を構造単位とする結晶性および非晶性の共重合ポリアミドが挙げられる。また、ポリアミド樹脂として、より具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46等の脂肪族系ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)等のヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸−テレフタル酸共重合ポリアミド;ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等の芳香族を含むポリアミド;ポリアミノメチルシクロヘキシルアジパミド(PACM6)等の脂環系ポリアミド;ラクタム成分や、4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネートなどのイソシアネート成分を共重合させたポリアミド;共重合ポリアミドとポリエステルとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体;共重合ポリアミドとポポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエーテルエステルアミド共重合体等が挙げられる。これらのポリアミド樹脂は、1種のポリアミド樹脂を単独で使用してもよく、2種以上のポリアミド樹脂を混合したブレンド樹脂を使用してもよい。
また、基材層1として使用されるポリグリコール酸樹脂については、バリア層3で使用されるものと同様である。
これらの中でも、好ましくはポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリグリコール酸樹脂、更に好ましくは延伸ポリアミド、延伸ポリエステル、延伸ポリグリコール酸、より好ましくは二軸延伸ナイロン、二軸延伸ポリエステル、二軸延伸ポリグリコール酸が挙げられる。延伸ポリアミドは延伸性に優れ、成形時の基材層の樹脂割れによる白化の発生を防ぐことができる。また、延伸ポリエステルは、耐電解液性に優れ、基材層1まで浸透した電解液に対して腐食し難く、基材層1の腐食を原因とする白化の発生がより効果的に防止される。また、基材層1として延伸ポリグリコール酸を使用すると、本発明の電池包装用材料に一層優れた生分解性を備えさせることができる。また、2軸延伸処理により製造されたナイロン、ポリエステル、及びポリグリコール酸は、樹脂フィルムが配向結晶化しており、基材層1の耐熱性を向上させることができる。
基材層1は、1層の樹脂層から形成されていてもよいが、耐ピンホール性や絶縁性を向上させるために、2層以上の樹脂層で形成されていてもよい。基材層1を2層以上の樹脂層で形成する場合、当該基材層1の具体例として、ポリエステルからなる樹脂層とナイロンからなる樹脂層を積層させた多層構造、好ましくは、2軸延伸ポリエステルからなる樹脂層と2軸延伸ナイロンからなる樹脂層を積層させた多層構造が挙げられる。基材層1を多層構造にする場合、接着剤を介して接着してもよく、また接着剤を介さず直接積層してもよい。接着剤を介さず接着させる場合には、共押出し法、サンドラミ法、サーマルラミネート法などの熱溶融状態での接着が好ましい。接着剤を介して接着させる場合、この接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型、UVやEBなどの電子線硬化型等のいずれであってもよい。接着する接着剤の成分としては、特に制限されないが、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、アミノ樹脂、ゴム、シリコン系樹脂等が挙げられる。これらの接着剤の成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
基材層1は、少なくとも一方の面、好ましくはバリア層3側とは反対の面が、低摩擦化処理が施されていてもよい。このように、基材層1の少なくとも一方の面を低摩擦化させることによって、成形性を向上させることができる。低摩擦化処理としては、例えば、基材層1の最表面の摩擦係数が1.0以下となるようにする処理であればよく、具体的には、マット処理を行う方法、スリップ剤の薄膜層を形成する方法、これらを組み合わせて行う方法等が挙げられる。
基材層1のマット処理は、予め基材層1にマット化剤を添加し表面に凹凸を形成したり、エンボスロールによる加熱や加圧による転写法や表面を乾式或は湿式ブラスト法やヤスリで機械的に荒らす方法が挙げられる。また、基材層1のマット処理としては、適宜選定した樹脂とマット化剤を混合し、基材層1の表面にコーティングし、熱乾燥、加熱エージング、高温焼付け、電子線照射、紫外線照射等の硬化処理を行い、基材層1の表面に強固な樹脂層として形成する方法も挙げられる。マット化剤としては、粒径が0.5nm〜5μm程度の微粒子が挙げられ、その構成素材としては、例えば、金属、金属酸化物、無機物、有機物等が挙げられる。また、マット化剤の形状としては、具体的には、球状、繊維状、板状、不定形、バルーン状等が挙げられる。マット化剤の構成素材として、具体的には、タルク、シリカ、グラファイト、カオリン、モンモリロイド、モンモリロナイ、合成マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ類、高融点ナイロン、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、ニッケル、ダイヤモンド、フッ素樹脂(例えば、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリ三フッ化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリエチレン四フッ化エチレン共重合体(FTFE)、ポリ四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等)等が挙げられる。これらのマット剤の中でも、シリカ、硫酸バリウム、及び酸化チタンは、分散性が良好で、少量でマット処理が可能であるので、公的に使用される。これらのマット化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
基材層1に対してスリップ剤の薄膜層を形成する方法としては、基材層1にスリップ剤を添加しブリードアウトにより表面に析出させ形成させる方法、基材層1にスリップ剤を含む層を積層させる方法等が挙げられる。スリップ剤を含む層を積層させる場合、スリップ剤を単独で積層させてもよく、また、適宜選定した樹脂にスリップ剤を混合し、基材層1の表面にコーティングした後に、熱乾燥、加熱エージング、高温焼付け、電子線照射、紫外線照射等の硬化処理を行い、基材層1の表面に強固な樹脂層として積層させてもよい。スリップ剤としては、スリップ性を発現できる成分であればよく、具体的には、脂肪酸アマイド、金属石鹸、親水性シリコーン、シリコーンをグラフトしたアクリル、シリコーンをグラフトしたエポキシ、シリコーンをグラフトしたポリエーテル、シリコーンをグラフトしたポリエステル、ブロック型シリコーンアクリル共重合体、ポリグリセロール変性シリコーン、パラフィン、フッ素樹脂(例えば、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリ三フッ化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリエチレン四フッ化エチレン共重合体(FTFE)、ポリ四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等)等が挙げられる。これらのスリップ剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、スリップ剤による薄膜層を形成は、低摩擦化処理と組み合わせて行ってもよい。
また、低摩擦化処理が施された基材層1の表面には、必要に応じて、絶縁処理、電解液が付着した場合でも基材層1の変色や溶解を防止するための耐電解液処理等の各種表面処理を施してもよい。
これらの表面処理は、1種単独で行ってもよく、2種以上を組み合わせて行ってもよい。また、基材層1の表面に表面処理を施す場合、表面処理部分の厚さについては、特に制限されないが、例えば、0.1nm〜15μmが挙げられる。
また、基材層1のバリア層3と対向する側には、バリア層3とのの密着性を高めるために、必要に応じて、易接着層が形成されていてもよい。易接着層は、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂等の樹脂を架橋反応させた架橋樹脂層により形成することができる。易接着層は、前記脂及びその架橋反応に使用される硬化剤を押出し法、グラビアコート法、ロールコート法、ダイコート法、ディッピング法等の塗布方法で基材層1上に塗布して当該樹脂を硬化させることにより形成される。
また、基材層1の少なくとも一方の面には、水蒸気バリア性を向上させるために、必要に応じて、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物等の薄膜を蒸着やスパッタリングにより形成してもよい。このような薄膜の形成素材としては、加工容易性や加工コストの低減等の観点から、好ましくはアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素が挙げられる。また、基材層1は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性等を向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理を施していてもよい。
基材層1の厚さについては、例えば、10〜50μm、好ましくは15〜30μmが挙げられる。
[接着層2]
本発明の電池用包装材料において、接着層2は、基材層1とバリア層3を強固に接着させために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
接着層2は、基材層1とバリア層3とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層2の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、溶剤可溶型、溶剤分散型、無溶剤型の形態であってもよい。接着層2の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧着型、電子線や紫外線等の放射線硬化型等のいずれであってもよい。
接着層2の形成に使用できる接着剤成分としては、具体的には、ポリエステル系樹脂;ポリエーテル系樹脂;ポリウレタン樹脂;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリオレフィン系樹脂;環状ポリオレフィン系樹脂;カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂;カルボン酸変性環状ポリオレフィン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、アミノ樹脂;ゴム;シリコーン系樹脂等が挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル等が挙げられる。
前記ポリアミド系樹脂としては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等が挙げられる。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリエチレンのブロックコポリマー(例えば、エチレンとブテンのブロックコポリマー、エチレンとアクリル酸のブロックコポリマー、エチレンとメタクリル酸のブロックコポリマー等)、ポリエチレンのランダムコポリマー(例えば、エチレンとブテンのランダムコポリマー、エチレンとアクリル酸のランダムコポリマー、エチレンとメタクリル酸のランダムコポリマー等)等のポリエチレン;
ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー、プロピレンとブテンのブロックコポリマー、プロピレンとアクリル酸のブロックコポリマー、エチレンとメタクリル酸のブロックコポリマー等)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー、プロピレンとブテンのランダムコポリマー、プロピレンとアクリル酸のランダムコポリマー、プロピレンとメタクリル酸のランダムコポリマー等)等の結晶性又は非晶性のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー;これらの金属架橋物が挙げられる。
前記環状ポリオレフィン系樹脂とは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体である。前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。
前記カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂とは、ポリオレフィン系樹脂を構成するモノマーの一部を、α,β―不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いはポリオレフィン系樹脂に対してα,β―不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性されるポリオレフィン系樹脂については、前記と同様である。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
前記カルボン酸変性環状ポリオレフィンと系樹脂は、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β―不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β―不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィン系樹脂については、前記と同様である。また、変性に使用されるカルボン酸としては、前記カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂の変性に使用されるものと同様である。
前記ゴムとしては、具体的には、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等が挙げられる。
これらの接着剤成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記接着剤成分の中でも、好ましくは、ポリウレタン系2液硬化型接着剤、カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、カルボン酸変性環状ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
また、接着層2には、これらの接着剤成分に加えて必要に応じて、ポリグリコール酸樹脂を含んでいてもよい。接着層2に、ポリグリコール酸樹脂を含有させることにより、基材層1とバリア層3との接着がより良好になり、更に本発明の電池用包装材料の生分解性を更に向上させることも可能になる。接着層2に添加されるポリグリコール酸樹脂の種類については、前記バリア層3で使用されるものと同様である。接着層2にポリグリコール酸樹脂を含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば、接着層2の総重量100重量部当たり、ポリグリコール酸樹脂が5〜80重量部、好ましくは30〜70重量部が挙げられる。
接着層2の厚さについては、例えば2〜50μm、好ましくは3〜25μmが挙げられる。
接着層2は、グラビアコート、ロールコート、溶融押出し等によって、基材層1又はバリア層3上により形成される。接着層2を介した基材層1とバリア層3の積層は、ドライラミネーション法、サーマルラミネーション法、共押出しラミネーション法、サンドラミネーション法、及びこれらの組み合わせ等により行うことができる。また、接着層2を介して基材層1とバリア層3を積層させた後に、接着層2の接着性を強固にするために、必要に応じて、熱ロール接触式、熱風式、近又は遠赤外線式等の加熱処理に供してもよい。このような加熱条件としては、例えば、150〜210℃で1〜10秒が挙げられる。
[バリア層3]
本発明の電池用包装材料において、バリア層3は、包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光等が侵入するのを防止するためのバリア層として機能する層である。本発明において、バリア層3は、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂層によって形成される。このように、バリア層3として、ポリグリコール酸樹脂を使用することにより、本発明の電池用包装材料において、電解液に対する耐久性、水蒸気バリア性、及び絶縁性を良好にしつつ、軽量で生分解性を備えさせることができる。
本発明で使用されるポリグリコール酸樹脂は、下記一般式(1)で表わされるグリコール酸の繰り返し単位のみからなるグリコール酸のホモポリマー(グリコール酸の2分子間環状エステルであるグリコリドの開環重合物を含む)であってもよく、また、下記一般式(1)で表わされるグリコール酸の繰り返し単位を含むグリコール酸のコポリマーであってもよい。
前記グリコール酸のコポリマーにおいて、グリコール酸モノマーと共重合させるコモノマーとしては、例えば、シュウ酸エチレン(即ち、1,4−ジオキサン−2,3−ジオン)、ラクチド類、ラクトン類(例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、β−ピバロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等)、カーボネート類(例えば、トリメチリンカーボネート等)、エーテル類(例えば1,3−ジオキサン等)、エーテルエステル類(例えばジオキサノン等)、アミド類(εカプロラクタム等)などの環状モノマー;乳酸、3−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸またはそのアルキルエステル;エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類と、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸類又はそのアルキルエステル類との実質的に等モルの混合物等が挙げられる。これらのコモノマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記グリコール酸のコポリマーにおいて、グリコール酸モノマーの比率については、通常70重量%以上、好ましくは90〜99重量%が挙げられる。このような比率でグリコール酸モノマーが含まれていれば、バリア層として求められる電解液に対する耐久性や水蒸気バリア性をより一層有効に備えさせることができる。
バリア層3に使用されるポリグリコール酸樹脂の分子量としては、例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール溶媒を用いるGPC測定における重量平均分子量(ポリメチルメタクリレート換算)で3万〜60万が挙げられる。このような分子量を満たすことにより、成形時の破損、樹脂の着色や分解物の発生等を抑制でき、バリア層3を安定に形成することが可能になる。
バリア層3において、ポリグリコール酸樹脂として、ポリグリコール酸のホモポリマー、及びポリグリコール酸のコポリマーの中から、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、バリア層3は、前記ポリグリコール酸樹脂単独から構成される樹脂で形成されていていることが望ましいが、本発明の効果を妨げない範囲で、前記ポリグリコール酸樹脂以外の樹脂が含まれていてもよい。バリア層3に使用されるポリグリコール酸樹脂以外の樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素系樹脂等が挙げられる。バリア層3に使用されるポリオレフィン系樹脂の具体例については、前記接着層2で接着剤成分として使用されるポリオレフィン系樹脂と同様である。バリア層3に、ポリグリコール酸樹脂以外の樹脂を含有させる場合、バリア層3を構成する樹脂中のポリグリコール酸樹脂の含有量としては、例えば、70重量%以上、好ましくは90〜99重量%が挙げられる。
また、バリア層3の少なくとも一方の面には、水蒸気バリア性を向上させるために、必要に応じて、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物等の薄膜を蒸着やスパッタリングにより形成してもよい。このような薄膜の形成素材としては、加工容易性や加工コストの低減等の観点から、好ましくはアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素が挙げられる。
更に、バリア層3には、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、熱安定剤、可塑剤、滑剤等の添加剤が含まれていてもよい。
バリア層3は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性等を向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理を施していてもよい。
バリア層3の厚さについては、例えば、10〜2000μm、好ましくは30〜500μmが挙げられる。
バリア層3は、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂からなるフィルムを用いて形成してもよく、またポリオレフィン系樹脂を含む樹脂を溶融押出しにより形成してもよい。ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂からなるフィルムを使用する場合、当該フィルムは、未延伸、1軸延伸、2軸延伸のいずれであってもよい。ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂からなるフィルムを用いる場合、バリア層3の積層は、ドライラミネーション法、サーマルラミネーション法、サンドラミネーション法等により行うことができる。また、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂を溶融押出しにより形成する場合、バリア層3の積層は、基材層1及び/又はシーラント層5と共押出しする方法、サーマルラミネーション法、サンドラミネーション法等により行うことができる。
[接着層4]
本発明の電池用包装材料において、接着層4は、バリア層3とシーラント層5を強固に接着させために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
接着層4は、バリア層3とシーラント層5とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層4の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、溶剤可溶型、溶剤分散型、無溶剤型の形態であってもよい。接着層4の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧着型、電子線や紫外線等の放射線硬化型等のいずれであってもよい。
接着層4の形成に使用される接着剤成分の具体例については、前記接着層2で使用される接着剤成分と同様である。
接着層4の形成に使用される接着剤成分は、シーラント層5の組成等に応じて適宜設定されるが、前述する接着剤成分の中でも、バリア層3とシーラント層5とを一層安定的に接着させるという観点から、好ましくはカルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、カルボン酸変性環状ポリオレフィン系樹脂、2液硬化型ウレタン接着剤、更に好ましくはカルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
接着層4の形成に使用されるカルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂の中でも、特に好適な例として、ビガット軟化点が115℃以上且つ融点150℃以上の、カルボン酸変性ホモポリプロピレン;ビガット軟化点が105℃以上且つ融点130℃以上の、カルボン酸変性エチレン−プロピレン共重合体;融点110℃以上の不飽和カルボン酸で変性したポリプロピレン又はプロピレン共重合体等が挙げられる。
これらの接着剤成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、接着層4には、これらの接着剤成分に加えて必要に応じて、ポリグリコール酸樹脂を含んでいてもよい。接着層4に、ポリグリコール酸樹脂を含有させることにより、バリア層3とシーラント層5との接着がより良好になり、更に本発明の電池用包装材料の生分解性を更に向上させることも可能になる。接着層4に添加されるポリグリコール酸樹脂の種類については、前記バリア層3で使用されるものと同様である。接着層4にポリグリコール酸樹脂を含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば、接着層4に含まれる接着剤成分100重量部当たり、ポリグリコール酸樹脂が5〜80重量部、好ましくは30〜70重量部が挙げられる。
接着層4の厚さについては、例えば2〜50μm、好ましくは3〜25μmが挙げられる。
接着層4は、グラビアコート、ロールコート、溶融押出し等によって、基材層1又はバリア層3上により形成される。接着層4を介したバリア層3とシーラント層5の積層は、ドライラミネーション法、サーマルラミネーション法、共押出しラミネーション法、サンドラミネーション法、及びこれらの組み合わせ等により行うことができる。また、接着層4を介してバリア層3とシーラント層5を積層させた後に、接着層4の接着性を強固にするために、必要に応じて、熱ロール接触式、熱風式、近又は遠赤外線式等の加熱処理に供してもよい。このような加熱条件としては、例えば、150〜210℃で1〜10秒が挙げられる。
[シーラント層5]
本発明の電池用包装材料において、シーラント層5は、最内層に該当し、電池の組み立て時にシーラント層同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。
シーラント層5に使用される樹脂成分については、熱溶着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、カルボン酸変性環状ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
シーラント層5に使用されるポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、及びカルボン酸変性環状ポリオレフィン系樹脂の具体例については、前記接着層2で例示したものと同様である。
シーラント層5に使用される樹脂成分については、収容する電池素子のタイプに応じて適宜使い分けることが好ましい。例えば、本発明の電池用包装材料に電池素子を密封する際に、熱接着層と正極タブ及び負極タブとの間にタブフィルムを介在させる場合には、シーラント層5に使用される樹脂成分として、ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂が好適に使用される。また、前記タブフィルムを介在させない場合には、シーラント層5に使用される樹脂成分として、カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、カルボン酸変性環状ポリオレフィン系樹脂が好適に使用される。
シーラント層5は、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。
また、シーラント層5には、前記樹脂成分に加えて、必要に応じてポリグリコール酸樹脂を含んでいてもよい。シーラント層5に、ポリグリコール酸樹脂を含有させることにより、本発明の電池用包装材料の生分解性を更に向上させることができる。シーラント層5に使用されるポリグリコール酸樹脂の種類については、前記バリア層3で使用されるものと同様である。シーラント層5にポリグリコール酸樹脂を含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば、シーラント層5の総量100重量部当たり、ポリグリコール酸樹脂が5〜80重量部、好ましくは30〜70重量部が挙げられる。
シーラント層5は、1層のみで形成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上形成されていてもよい。
シーラント層5は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性等を向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理を施していてもよい。
また、シーラント層5の厚みとしては、適宜選定することができるが、2〜2000μm、好ましくは5〜1000μm、さらに好ましくは10〜500μmが挙げられる。
シーラント層5は、前記樹脂成分を含むフィルムを用いて形成してもよく、また前記樹脂成分を溶融押出しにより形成してもよい。前記樹脂成分を含むフィルムを使用する場合、当該フィルムは、未延伸、1軸延伸、2軸延伸のいずれであってもよい。前記樹脂成分を含むフィルムを用いる場合、シーラント層5の積層は、ドライラミネーション法、サーマルラミネーション法、サンドラミネーション法等により行うことができる。また、前記樹脂成分を溶融押出しにより形成する場合、シーラント層5の積層は、バリア層3と共押出しする方法、サーマルラミネーション法、サンドラミネーション法等により行うことができる。
3.電池用包装材料の用途
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、本発明の電池用包装材料で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子が外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(シーラント層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部のシーラント層同士をヒートシールして密封させることによって、電池用包装材料を使用した電池が提供される。なお、本発明の電池用包装材料を用いて電池素子を収容する場合、本発明の電池用包装材料のシーラント部分が内側(電池素子と接する面)になるようにして用いられる。
本発明の電池用包装材料は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池である。本発明の電池用包装材料が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛畜電池、ニッケル・水素畜電池、ニッケル・カドミウム畜電池、ニッケル・鉄畜電池、ニッケル・亜鉛畜電池、酸化銀・亜鉛畜電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の電池用包装材料の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で使用したポリグリコール酸は、いずれも商品名「KUREDUX」(株式会社クレハ)である。
実施例1
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1:一方面に酸化ケイ素を蒸着させた2軸延伸ポリアミド(ナイロン6、厚さ25μm)
接着層2:ポリエステルポリオール(主剤)とトルエンジイソシアネート(硬化剤)の2液型ウレタン接着剤(厚さ4μm)
バリア層3:ポリグリコール酸を用いて成形したフィルム(厚さ50μm)
接着層4:ポリエステルポリオール(主剤)とトルエンジイソシアネート(硬化剤)の2液型ウレタン接着剤(厚さ4μm)
シーラント層5:ランダムポリプロピレンを用いて成形したフィルム(厚さ35μm)
基材層1上に、接着層2とバリア層3をドライラミネーション法により積層させた後に、バリア層3上に接着層4とシーラント層5をドライラミネーション法により積層させた。具体的には、基材層1の酸化ケイ素を蒸着させた側に、接着層2を塗布して、バリア層3と加圧加熱貼合した後、60℃で24時間のエージング処理を実施することにより、基材層1/接着層2/バリア層3の積層体を調製した。次いで、当該積層体のバリア層3側に接着層4を塗布し、シーラント層5と加圧加熱貼合した後、60℃で24時間のエージング処理を実施することにより、基材層1/接着層2/バリア層3/接着層4/シーラント層5が順に積層された積層体からなる電池用包装材料を得た。
実施例2
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1:一方面に易接着層を形成させた2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(厚さ25μm)
接着層2:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ5μm)
バリア層3:ポリグリコール酸を用いて成形したフィルム(厚さ50μm)
接着層4:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)
シーラント層5:ポリグリコール酸70重量部とランダムポリプロピレン30重量部の混合樹脂(厚さ35μm)
なお、基材層1は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートの一方面に対して、ポリエーテルポリオールからなるプレポリマーを脂肪族ポリイソシアネートで反応させて得られたポリウレタン樹脂100重量部と、硬化剤としてトリメチロールメラミン樹脂5重量部とを混合した樹脂組成物をグラビアコート法により塗布し、40℃で5日間エージング処理することにより調製した。
基材層1上に接着層2とバリア層3をサーマルラミネーション法により積層させた後に、バリア層3上に接着層4とシーラント層5を押出し法により積層させた。具体的には、基材層1の易接着層を形成させた側に、マレイン酸変性ポリプロピレン15重量%を溶剤に分散させた溶液をコーティングした後に、溶剤を乾燥させて基材層1の易接着層上に接着層2を積層させた。次いで、接着層2上にバリア層3を配置して、サーマルラミネーション法にて130℃になるように熱ロールで加圧加熱することにより積層させて、基材層1/接着層2/バリア層3の積層体を調製した。次いで、当該積層体のバリア層3上に、接着層4)シーラント層5を共押出し法により積層させ、190℃で5秒間加熱処理を行うことにより、基材層1/接着層2/バリア層3/接着層4/シーラント層5が順に積層された積層体からなる電池用包装材料を得た。
実施例3
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1:一方面に酸化ケイ素を蒸着させた2軸延伸ポリグリコール酸(厚さ25μm)
接着層2:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)
バリア層3:ポリグリコール酸を用いて成形したフィルム(厚さ50μm)
接着層4:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)
シーラント層5:ランダムポリプロピレン(厚さ10μm)
基材層1、接着層2、バリア層3、接着層4、及びシーラント層5を共押出しラミネーション法により積層させた。具体的には、基材層1の酸化ケイ素を蒸着された側に、接着層2、バリア層3、接着層4、及びシーラント層5が順に積層されるように、共押出しラミネーション法により積層させ、190℃で5秒間加熱処理を行うことにより、基材層1/接着層2/バリア層3/接着層4/シーラント層5が順に積層された積層体からなる電池用包装材料を得た。
実施例4
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1:一方面に酸化ケイ素を蒸着させた2軸延伸ポリグリコール酸(厚さ25μm)
接着層2:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ5μm)
バリア層3:ポリグリコール酸を用いて成形したフィルム(厚さ50μm)
接着層4:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)
シーラント層5:ランダムポリプロピレン(厚さ10μm)からなる第1層、ポリグリコール酸70重量部とランダムポリプロピレン30重量部の混合樹脂(厚さ5μm)からなる第2層、ポリグリコール酸(厚さ15μm)からなる第3層、マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ5μm)からなる第4層、及びランダムポリプロピレン(厚さ10μm)からなる第5層が順に積層された多層フィルム
基材層1上に、接着層2とバリア層3をサーマルラミネーション法により積層させた後に、バリア層3上に接着層4とシーラント層5をサンドラミネーション法により積層させた。具体的には、基材層1の酸化ケイ素を蒸着させていない側に、マレイン酸変性ポリプロピレン15重量%を溶剤に分散させた溶液をコーティングした後に、溶剤を乾燥させて基材層の酸化ケイ素を蒸着させていない側に接着層2を積層させた。次いで、接着層2上にバリア層3を配置して、サーマルラミネーション法にて130℃になるように熱ロールで加圧加熱することにより積層させて、基材層1/接着層2/バリア層3の積層体を調製した。次いで、当該積層体のバリア層3上に、接着層4を溶融押出し法で積層させると同時に、シーラント層5を貼合し、190℃で5秒間加熱処理を行うことにより、基材層1/接着層2/バリア層3/接着層4/シーラント層5が順に積層された積層体からなる電池用包装材料を得た。
実施例5
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1:一方面に酸化ケイ素を蒸着させたポリグリコール酸(厚さ25μm)
接着層2:ポリエステルポリオール(主剤)とトルエンジイソシアネート(硬化剤)の2液型ウレタン接着剤(厚さ4μm)
バリア層3:ポリグリコール酸を用いて成形したフィルム(厚さ50μm)
接着層4:マレイン酸変性ポリプロピレン70重量部とポリグリコール酸30重量部の混合樹脂
シーラント層5:ポリグリコール酸70重量部とランダムポリプロピレン30重量部の混合樹脂(厚さ35μm)
基材層1上に接着層2、バリア層3、及び接着層4を共押出し法により積層させると共に、シーラント層5をサンドラミネーション法により積層させた。具体的には、基材層1の酸化ケイ素を蒸着させた側に、接着層2、バリア層3、及び接着層4を共押出し法で積層させると同時に、シーラント層5を貼合し、190℃で5秒間加熱処理を行うことにより、基材層1/接着層2/バリア層3/接着層4/シーラント層5が順に積層された積層体からなる電池用包装材料を得た。
比較例1
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1:2軸延伸ポリアミド(ナイロン6、厚さ25μm)
接着層2:ポリエステルポリオール(主剤)とトルエンジイソシアネート(硬化剤)の2液型ウレタン接着剤(厚さ4μm)
バリア層3:両面に化成処理したアルミニウム箔(厚さ40μm)
接着層4:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)
シーラント層5:ランダムポリプロピレンを用いて成形したフィルム(厚さ30μm)
なお、バリア層3として使用したアルミニウム箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をロールコート法によりアルミニウム箔の両面に塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件で20秒間焼付けすることにより行った。
基材層1上に、接着層2とバリア層3をドライラミネーション法により積層させた後に、バリア層3上に接着層4とシーラント層5をサンドラミネーション法により積層させた。具体的には、基材層1上に接着層2を塗布し、バリア層3と加圧加熱貼合した後、60℃で24時間のエージング処理を実施することにより、基材層1/接着層2/バリア層3の積層体を調製した。次いで、当該積層体のバリア層3上に、接着層4を溶融押出し法で積層させると同時に、シーラント層5を貼合し、190℃で5秒間加熱処理を行うことにより、基材層1/接着層2/バリア層3/接着層4/シーラント層5が順に積層された積層体からなる電池用包装材料を得た。
比較例2
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1:一方面に易接着層を形成させた2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(厚さ25μm)
接着層2:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ5μm)
バリア層3:ランダムポリプロピレンを用いて成形したフィルム(厚さ50μm)
接着層4:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)
シーラント層5:ポリグリコール酸70重量部とランダムポリプロピレン30重量部の混合樹脂(厚さ35μm)
具体的には、バリア層3として、ランダムポリプロピレンを用いて成形したフィルム(厚さ50μm)を使用したこと以外は、実施例1と同条件で電池用包装材料を得た。
試験例:性能評価
上記で得られた各電池用包装材料について、電解液に対する耐久性、水蒸気バリア性、短絡性、生分解性の評価を行った。具体的な評価方法は、以下に示す通りである。
[電解液に対する耐久性の評価]
金型を用いた塑性加工を行うことにより、各電池用包装材料を深さ3mm、縦横50mm×35mmの凹型に成形した。これに下記に示す組成の混合液3gをシール幅3mmで190℃、2.0MPa、3.0秒のヒートシール条件で密封し、85℃で720時間保存した。保存後に、各電池用包装材料におけるバリア層3とシーラント層5のデラミネーションの有無を確認した。
混合液の組成:1MのLiPF6を含む、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート(容積比で1:1:1)の混合液。
[水蒸気バリア性の評価]
各電池用包装材料を用いて縦横60mm×縦50mmの包装袋を作製し、これに、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、及びジメチルカーボネートを容積比1:1:1で含む混合液3gを充填し、シール幅3mmとなるようにシール条件は190℃、2.0M、3.0秒で3方シールし密封した。これを60℃、90%RHの恒温恒湿槽に10日間保管して、前記混合液の水分増加量をカールフィッシャー法で測定した。
[短絡性の評価]
金型を用いた塑性加工を行うことにより、各電池用包装材料から深さ3mm、縦横50mm×35mmの凹型の成型品を調製した。次いで、所定素材からなるリード線用フィルム(厚み50μ)を電池本体のリード線(ニッケル製、100μmの厚さ、4mm巾、長さ25mm)の所定の位置に巻きつけ後、電池本体を前記の成形品に挿入し、成形された電池用包装材料/リード線/包装材料となるように挟んだ後、その部分を、190℃、2.0MPaでヒートシールした。短絡性の評価は、リード線と電池用包装材料の金属層との短絡が生じるまでの時間を計測した。短絡の有無はテスター(判定条件:印加電圧100V、判定抵抗値2000MΩ)により確認し、さらに断面写真(光学顕微鏡、倍率200倍)によって、リード線と電池用包装材料と金属層の接触の有無を確認した。なお、リード線用フィルムはカルボン酸変性ポリプロピレン製のものを使用した。
[生分解性の評価]
各電池用包装材料のコンポスト中での生分解性について、ISO14855に記載の方法に準拠して試験を行い、60日後の各電池用包装材料の重量保持率(%)を測定した。
[評価結果]
得られた結果を表1に示す。この結果、バリア層3をポリグリコール酸を含む樹脂で形成した実施例1〜5の電池用包装材料は、電解液に対する耐性、水蒸気バリア性、及び絶縁性が良好で、電池用包装材料として求められる基本性能を備えており、しかも生分解性も有しており、廃棄時の環境負荷を軽減できることが確認された。これに対して、バリア層3としてアルミニウム箔を使用した比較例1の電池用包装材料では、実施例1〜5に比べて絶縁性が劣っており、生分解性も有していなかった。更に、バリア層3としてランダムポリプロピレンを使用した比較例2の電池用包装材料では、水蒸気バリア性が不十分で、電池用包装材料として求められる基本性能を具備しておらず、しかも生分解性も有していなかった。なお、実施例1〜5の電池用包装材料は、バリア層2としてアルミニウム箔を使用していないため、比較例1に比べて軽量であった。
1 基材層
2 接着層
3 バリア層
4 接着層
5 シーラント層

Claims (5)

  1. 少なくとも、基材層、バリア層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
    前記バリア層が、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂層により形成されている、
    ことを特徴とする、電池用包装材料。
  2. 前記基材層と前記バリア層の間、及び/又は前記バリア層と前記シーラント層の間に、接着層が形成されている、請求項1に記載の電池用包装材料。
  3. 前記基材層と前記シーラント層の少なくとも一方に、ポリグリコール酸樹脂が含まれる、請求項1又は2に記載の電池用包装材料。
  4. 二次電池用の包装材料である、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
  5. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容さている、電池。
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