JP2001176466A - 電池用容器 - Google Patents

電池用容器

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JP2001176466A JP36057299A JP36057299A JP2001176466A JP 2001176466 A JP2001176466 A JP 2001176466A JP 36057299 A JP36057299 A JP 36057299A JP 36057299 A JP36057299 A JP 36057299A JP 2001176466 A JP2001176466 A JP 2001176466A
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正隆 奥下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層フィルムで形成され、軽くて薄く、高度
の水蒸気その他のバリヤー性を備え、且つ、電解液や酸
などに対する耐性及び熱接着性にも優れ、リチウムポリ
マー電池などの容器にも好適に使用できる電池用容器を
提供する。 【解決手段】 例えば、電池用積層フィルム60を、外側
から基材層1 、接着剤層4a、アルミニウム箔層2 、熱接
着性樹脂層3 を順に積層して構成し、アルミニウム箔層
の内側から他の中間層やドライラミネート用接着剤層を
できるだけ取り除き、端面からの水蒸気透過を極力防ぐ
と共に、該積層フィルムをヒートシールして電池用容器
を作製する際、ヒートシール部の熱接着性樹脂層が、ヒ
ートシールにより圧縮され、シール前の厚さよりも薄く
なるようにヒートシールして電池用容器を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に電池の構成
材料を収納し、電池を形成するために用いる電池用容器
に関し、更に詳しくは、薄くて軽く、高度の水蒸気その
他のバリヤー性を有し、リチウムポリマー電池などの容
器にも好適に使用することのできる電池用容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電池の外装材となる容器には、大
抵の場合、金属製の容器が用いられていた。しかし、ノ
ート型パソコン、携帯電話など各種の電子機器の発達、
普及に伴い、その薄型化と軽量化が進められると共に、
これらに使用される電池についても、その重量をできる
だけ軽くし、また、使用機器における電池用スペースを
できるだけ少なくできるよう薄型化、軽量化が求められ
ている。
【0003】このような要望に応えるために、例えば、
電池の電極や電解質などに、高分子材料を導入し、シー
ト状などに薄型化、軽量化した種々のポリマー電池が研
究開発されている。このようなポリマー電池の代表的な
例として、例えば、リチウムポリマー電池が挙げられる
が、リチウムポリマー電池においても、電池自体の薄型
化、軽量化のために、その外装材となる電池用容器に積
層フィルムを用いて薄型化、軽量化が図られている。
【0004】そして、このようなポリマー電池の電池用
容器に積層フィルムを使用する場合、その形態、使用方
法としては、例えば、積層フィルムを、三方シール形
式、四方シール形式、ピローパウチ形式などで、一端が
開口する袋状に製袋し、内部に電池の構成材料を収納す
ると共に、電極端子を内部から開口部を通して外側に延
長し、その開口部を熱接着により封止して電池を形成す
る方法、或いは、積層フィルムを周囲にフランジを備え
た薄型のトレー状容器に成形し、その凹部に電池の構成
材料を収納すると共に、電極端子を内部から外側に延長
し、その上部を積層フィルムの蓋材で覆って、フランジ
部で熱接着して密封し、電池を形成する方法などがあ
る。
【0005】このような電池用容器に用いる積層フィル
ムには、その薄さおよび軽さと共に、各種の強度や、電
解液その他、酸などに対する耐性、水蒸気その他のバリ
ヤー性、熱封緘性、更に電極端子との熱接着性など様々
な性能が必要であり、積層フィルムの構成として、例え
ば、外側から基材層、アルミニウム箔層、中間層、熱接
着性樹脂層を順に積層した構成が採られている。
【0006】上記基材層には、例えば、2軸延伸ポリエ
ステルフィルムまたは2軸延伸ナイロンフィルムのいず
れかの単独フィルム、または、両者をドライラミネーシ
ョン法などで積層した積層フィルムを使用でき、また、
中間層には、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムなどを、そして、熱接着性樹脂層には、ポリオレフ
ィン系樹脂、中でも、ポリプロピレンまたは酸変性ポリ
プロピレンのいずれか一方の単独の層、または、両者を
適宜に積層した複合層を好適に使用することができる。
【0007】このような構成の積層フィルムを用いて、
前記のような袋形式またはトレー形式の電池用容器を作
製することにより、薄型で前記性能面においてもかなり
高性能の電池用容器を得ることができる。しかし、電池
が、リチウムポリマー電池などの場合は、上記のような
電池用容器を用いた場合でも、長期の間には、少しずつ
水分が内部に侵入し、これが電解質成分(リチウム塩)
と反応してフッ化水素を発生させ、このフッ化水素が熱
接着性樹脂層、中間層を通してアルミニウム箔層の内面
を侵すため、その接着面を剥離させてしまう問題があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような微量の水分
透過の問題は、電池用容器の壁面、即ち、積層フィルム
の平面部の水蒸気透過度を0にしても解決することがで
きず、積層フィルムの端縁部のヒートシール部におい
て、その端面がアルミニウム箔層で完全には遮断されな
いことに起因するものであった。
【0009】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、ア
ルミニウム箔層が水蒸気その他のバリヤー層として積層
された積層フィルムをヒートシールして形成される薄型
の電池用容器において、そのヒートシール部の端面の水
蒸気バリヤー性をできる限り向上させ、高度の水蒸気そ
の他のバリヤー性を有し、電解液やフッ化水素などに対
する耐性にも優れると共に、良好な熱接着性、およびト
レー状などへの成形性も備え、各種の性能に対する要求
の厳しいリチウムポリマー電池などの外装にも好適に使
用することのできる性能に優れた電池用容器を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の本
発明により解決することができる。即ち、請求項1に記
載した発明は、少なくとも外側から、基材層、アルミニ
ウム箔層、中間層、熱接着性樹脂層が順に積層されてな
る積層フィルムを、該熱接着性樹脂層同士が対向するよ
うに重ね合わせ、その端縁部を袋状にヒートシールして
形成される電池用容器において、該積層フィルムのアル
ミニウム箔層の内側の中間層が取り除かれ、アルミニウ
ム箔層の内側が、接着剤層と熱接着性樹脂層とで形成さ
れ、且つ、該積層フィルムの端縁部のヒートシール部の
熱接着性樹脂層の厚さが、ヒートシールにより圧縮さ
れ、ヒートシール前の厚さよりも薄くなるように形成さ
れていることを特徴とする電池用容器からなる。
【0011】上記アルミニウム箔層の内側を接着剤層と
熱接着性樹脂層で形成する場合、通常、熱接着性樹脂層
を予めフィルム状に製膜し、これを2液硬化型のポリウ
レタン系接着剤を用いて、公知のドライラミネーション
法により、貼り合わせる方法が採られる。この方法によ
れば、熱接着性樹脂層をアルミニウム箔層の内側に接着
性よく積層することができる。また、前記積層フィルム
のアルミニウム箔層の内側の中間層は、アルミニウム箔
層の内面側を保護し、電池用容器の安全性を高めるため
に設けられるものであり、通常、前記したように強度と
耐熱性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムなどが使用される。
【0012】しかし、このような中間層のフィルムが、
アルミニウム箔層の内側に例えば接着剤層を介して積層
されていることは、前述した積層フィルムのヒートシー
ル部の端面からの水分の侵入に対しては、それぞれの水
蒸気透過度が0ではないため、むしろマイナス要因とな
る。
【0013】従って、前記のような構成を採ることによ
り、電池用容器を形成する積層フィルムの端縁部のヒー
トシール部の端面において、両側のアルミニウム箔層の
内側が接着剤層と熱接着性樹脂層のみで形成され、且
つ、ヒートシール部の熱接着性樹脂層の厚さが、ヒート
シールにより圧縮され、ヒートシール前の厚さよりも薄
くなるように形成されているので、該ヒートシール部に
おける両側のアルミニウム箔層の間の断面積が小さくな
り、この部分からの水分透過を少なくすることができ、
電池用容器の水蒸気その他のバリヤー性を一層向上させ
ることができる。また、中間層を取り除くことにより、
積層フィルムの厚さを薄くすることができるので、電池
用容器の薄型化に対しても有効である。
【0014】請求項2に記載した発明は、前記積層フィ
ルムのアルミニウム箔層の内側の接着剤層が更に取り除
かれ、アルミニウム箔層の内側が熱接着性樹脂層で形成
されていることを特徴とする請求項1記載の電池用容器
である。
【0015】上記アルミニウム箔層の内側の接着剤層、
即ち、2液硬化型ポリウレタン系接着剤層は、その接着
性には優れているが、防湿性の点では必ずしも良くな
い。従って、接着剤層を取り除くことにより、ヒートシ
ール部の両側のアルミニウム箔層の間の断面積を更に小
さくすることができ、且つ、その部分(端面)からの水
蒸気透過度を更に小さくすることができる。只、上記接
着剤層を取り除くためには、熱接着性樹脂層の積層方法
を変更する必要があり、その場合、公知の熱ラミネーシ
ョン法、或いは押し出しコート法などにより積層するこ
とができる。
【0016】このような構成を採ることにより、前記請
求項1に記載した発明の作用効果に加えて、積層フィル
ムの端縁部のヒートシール部における両側のアルミニウ
ム箔層の内側の端面からの水蒸気透過度を更に小さくす
ることができるので、電池用容器の水蒸気その他のバリ
ヤー性を一層向上させることができる。
【0017】請求項3に記載した発明は、前記積層フィ
ルムの熱接着性樹脂層が、ポリプロピレンもしくは酸変
性ポリプロピレンの単独の層、または両者の複合層で形
成されていることを特徴とする請求項1または2に記載
の電池用容器からなる。
【0018】熱接着性樹脂層には、各種のポリオレフィ
ン系樹脂を使用することができるが、防湿性のほか、耐
内容物性、即ち、電解質を含む電解液に対する耐性など
を考慮した場合、ポリプロピレンもしくは酸変性ポリプ
ロピレンが特に適している。酸変性ポリプロピレンは、
自己同士の熱接着性のほか、金属に対する熱接着性にも
優れているので、熱接着性樹脂層を熱ラミネーション
法、或いは押し出しコート法でアルミニウム箔層の内側
に積層する場合、アルミニウム箔層に対する接着性がよ
く、また、例えば、電池用容器の内部から外側に延長し
て設けられる電極端子の表面が裸の金属の場合でも、電
池用容器の端縁部において、それと良好に熱接着し密封
することができる。
【0019】このような構成を採ることにより、前記請
求項1または2に記載した発明の作用効果に加えて、積
層フィルムの最内層の熱接着性樹脂層を、熱接着性に優
れると共に、防湿性もよく、また、電解質を含む電解液
に対しても一層安定なものとすることができるので、長
期安定性に優れた電池用容器を提供することができる。
【0020】請求項4に記載した発明は、前記積層フィ
ルムのアルミニウム箔層の少なくとも内側の面がクロメ
ート処理されていることを特徴とする請求項1乃至3の
いずれかに記載の電池用容器である。
【0021】上記クロメート処理は、例えば、フェノー
ル樹脂、リン酸、フッ化クロム(III) 化合物の水溶液を
ロールコート法などで塗布した後、アルミニウム箔の温
度が170〜200℃になるように加熱して皮膜形成す
るものである。アルミニウム箔の表面をクロメート処理
することにより、前述の電解質に由来するフッ化水素に
対する耐性を向上させることができるほか、表面の接着
性が向上するので、アルミニウム箔層に基材層や熱接着
性樹脂層を積層する際の積層強度を向上させることがで
きる。このようなクロメート処理は、アルミニウム箔層
の内側の面のみに行ってもよいが、両側の面に行うこと
もできる。
【0022】このような構成を採ることにより、前記請
求項1乃至3のいずれかに記載した発明の作用効果に加
えて、積層フィルムのアルミニウム箔層の耐フッ化水素
性や、ラミネートの際の接着性が向上されるので、積層
フィルムの層間剥離などを防止することができ、一層長
期安定性など性能に優れた電池用容器を提供することが
できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の電池用容器に用
いる積層フィルム、およびその製造方法など発明の実施
の形態について説明する。本発明の電池用容器に用いる
積層フィルムは、先に説明したように、例えば、外側か
ら、基材層、接着剤層、アルミニウム箔層、接着剤
層、熱接着性樹脂層が順に積層された構成、または、
基材層、接着剤層、アルミニウム箔層、熱接着性樹脂層
が順に積層された構成などとすることができる。
【0024】このような構成は、電池用容器の水蒸気そ
の他のバリヤー性を一層向上させるために採られたもの
であり、従来の電池用容器に用いられた積層フィルムの
アルミニウム箔層の内側から、中間層、または中間層と
接着剤層(ドライラミネート用接着剤層)とを取り除
き、アルミニウム箔層の内側に、のように接着剤層を
介して熱接着性樹脂層が積層された構成、またはのよ
うに熱接着性樹脂層が積層された構成としたものであ
る。但し、の構成の場合、アルミニウム箔層の内側に
ドライラミネート用の接着剤は使用しないが、必要に応
じて公知のアンカーコート処理、もしくは酸変性ポリプ
ロピレンのような熱接着性樹脂層と同系の樹脂によるプ
ライマーコート処理を施すことができる。
【0025】このようなプライマーコート処理の具体例
として、例えば、酸変性ポリプロピレンのディスパージ
ョンまたは溶液をアルミニウム箔層の積層面に薄くコー
ティングし、乾燥後、170〜200℃の高温に加熱し
て融着させると共に、酸変性ポリプロピレンの皮膜を形
成させる方法があり、このようなプライマーコート処理
を施すことにより、その上に、熱ラミネーション法、ま
たは押し出しコート法などで積層されるポリプロピレン
や酸変性ポリプロピレンなどの熱接着性樹脂層を強固に
積層することができる。
【0026】上記の構成において、最外層の基材層に
は、特に限定はされないが、各種の強度や耐性に優れた
2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、2軸延
伸ポリエチレンナフタレートフィルム、2軸延伸ポリブ
チレンテレフタレートフィルム、2軸延伸ポリブチレン
ナフタレートフィルムなどの2軸延伸ポリエステルフィ
ルム、または2軸延伸ナイロンフィルムの単独のフィル
ム、または、これらの二種以上を積層した積層フィルム
を使用することができる。尚、積層フィルムをトレー状
容器に成形する場合は、成形性を良くするため、上記フ
ィルムの延伸倍率を低くするとか、或いは、共重合タイ
プのポリエステル系樹脂フィルムを使用することもでき
る。
【0027】アルミニウム箔層は、電池用容器に水蒸気
その他のバリヤー性を付与するために積層されるもので
あり、軟質のアルミニウム箔が適しているが、特に鉄を
0.3〜9.0重量%、好ましくは0.7〜2.0重量
%含有するアルミニウム箔が、展延性が一層よく、折り
曲げ或いはプレス成形などの加工を施した場合にもピン
ホールの発生を少なくすることができる点で好ましい。
また、アルミニウム箔層は、その内側の面、または両側
の面に、前記のようなクロメート処理を施すことが好ま
しい。アルミニウム箔層の厚さは、電池用容器を袋形式
で作製する場合は、20〜30μmが適当であり、プレ
ス成形加工を行うトレー形式で作製する場合は、30μ
m以上が好ましく、40〜50μmが適当である。
【0028】また、最内層の熱接着性樹脂層には、先に
説明したように、ポリプロピレンもしくは酸変性ポリプ
ロピレンの単独の層、または両者の複合層を用いること
が好ましい。複合層とする場合、ポリプロピレン層と酸
変性ポリプロピレン層の2層のほか、例えば、中間層を
ポリプロピレン層として、その両側に酸変性ポリプロピ
レン層を積層した3層構成とすることもできる。また、
これらの熱接着性樹脂層のうち、どれを選ぶかについて
は、その積層方法や、電極端子の接着面の材質、例え
ば、表面被覆が施されているか、裸の金属かなどによ
り、適するものを適宜選定して積層することが好まし
い。
【0029】上記酸変性ポリプロピレンとしては、アク
リル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸な
どの不飽和カルボン酸、または、その無水物でグラフト
重合変性したポリプロピレン、或いは、前記酸成分が共
重合されたポリオレフィン樹脂をブレンドしたポリプロ
ピレンなどを使用することができる。これらは単独で用
いてもよく、また、二種以上をブレンドして用いてもよ
い。
【0030】このような熱接着性樹脂層をアルミニウム
箔層の内側の面に積層する方法は、予めフィルム状に製
膜された熱接着性樹脂層を、2液硬化型の接着剤を用い
て、ドライラミネーション法で積層する方法、または、
接着剤を用いずに、熱ラミネーション法と呼ばれる加熱
加圧のみで積層する方法、或いは、熱接着性樹脂を単層
または多層共押し出しなどで押し出しコートして積層す
る方法などがあり、いずれの方法でも積層することがで
きる。尚、上記熱ラミネーション法または押し出しコー
ト法で熱接着性樹脂層を積層する場合、アルミニウム箔
層の積層面に、必要に応じてアンカーコートもしくはプ
ライマーコートなどの前処理を施すことができる。ま
た、熱接着性樹脂層の厚さは、30〜40μmが適当で
ある。
【0031】以下に、本発明の電池用容器に用いる積層
フィルムの構成の代表的な具体例を示す。但し、アルミ
ニウム箔のクロメート処理などの前処理は省略して示
す。 (アルミニウム箔層の内側に熱接着性樹脂層を接着剤を
用いてドライラミネーション法で積層する場合の構成) (1) PETフィルム層/接着剤層/アルミニウム箔層/
接着剤層/無延伸PPフィルム層(最内層) (2) PETフィルム層/接着剤層/アルミニウム箔層/
接着剤層/無延伸酸変性PPフィルム層(最内層) (3) PETフィルム層/接着剤層/アルミニウム箔層/
接着剤層/共押し出しフィルム層(PP層/酸変性PP
層)(最内層) (4) PETフィルム層/接着剤層/アルミニウム箔層/
接着剤層/共押し出しフィルム層(酸変性PP層/PP
層/酸変性PP層)(最内層) (5) ONフィルム層/接着剤層/アルミニウム箔層/接
着剤層/無延伸PPフィルム層(最内層) (6) ONフィルム層/接着剤層/アルミニウム箔層/接
着剤層/無延伸酸変性PPフィルム層(最内層) (7) ONフィルム層/接着剤層/アルミニウム箔層/接
着剤層/共押し出しフィルム層(PP層/酸変性PP
層)(最内層) (8) ONフィルム層/接着剤層/アルミニウム箔層/接
着剤層/共押し出しフィルム層(酸変性PP層/PP層
/酸変性PP層)(最内層) (9) PETフィルム層/接着剤層/ONフィルム層/接
着剤層/アルミニウム箔層/接着剤層/無延伸PPフィ
ルム層(最内層) (10)PETフィルム層/接着剤層/ONフィルム層/接
着剤層/アルミニウム箔層/接着剤層/無延伸酸変性P
Pフィルム層(最内層) (11)PETフィルム層/接着剤層/ONフィルム層/接
着剤層/アルミニウム箔層/接着剤層/共押し出しフィ
ルム層(PP層/酸変性PP層)(最内層) (12)PETフィルム層/接着剤層/ONフィルム層/接
着剤層/アルミニウム箔層/接着剤層/共押し出しフィ
ルム層(酸変性PP層/PP層/酸変性PP層)(最内
層) などの構成が挙げられるが、これらに限定されるもので
はなく様々な構成を採ることができる。
【0032】上記において、接着剤層は全てドライラミ
ネート用の接着剤であり、PETフィルムは2軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、ONフィルムは2
軸延伸ナイロンフィルム、PPはポリプロピレンを示
し、また、最内層の共押し出しフィルムは無延伸フィル
ムである。そして、アルミニウム箔層の内側に接着剤層
を設けずに最内層の熱接着性樹脂層を積層する場合は、
熱ラミネーション法、または単層もしくは多層共押し出
しなどの押し出しコート法などを採ることができる。そ
の場合、アルミニウム箔層の内側に、必要に応じて前記
酸変性ポリプロピレンなどのプライマーコートや公知の
アンカーコートなどを施すことができる。押し出しコー
ト法を採る場合、前記共押し出しフィルム層は、共押し
出し樹脂層となるが、その他の構成は、前記いずれの積
層方法を採る場合も、アルミニウム箔層の内側の接着剤
層が除かれるほかは同一であるため記載は省略する。
【0033】
【実施例】以下、図面を用いて本発明を更に具体的に説
明する。但し、本発明はこれらの図面に限定されるもの
ではない。また、図面に付した符号は、異なる図面にお
いても同じ名称の部分には同じ符号を用いた。
【0034】図1、図2は、それぞれ本発明の電池用容
器に用いる積層フィルムの一実施例の構成を示す模式断
面図である。図3は、従来の電池用容器に用いられた積
層フィルムの構成を示す模式断面図である。図4は、本
発明の電池用容器の一実施例の構成を示す模式平面図で
ある。また、図5は、図4に示した電池用容器のA−A
線の拡大断面図である。図6は、本発明の電池用容器の
別の一実施例の構成を示す模式断面図である。図7は、
本発明の電池用容器を用いて作製される電池の一例の構
成を示す斜視図である。
【0035】従来、電池用容器を積層フィルムで作製す
る場合、図3に示すような構成の積層フィルムが用いら
れていた。即ち、図3に示した電池用積層フィルム70
は、外側(図において上側)から、基材層1、接着剤層
4a 、アルミニウム箔層2、接着剤層4b 、中間層5、
接着剤層4c 、熱接着性樹脂層3が順に積層された構成
であり、このような構成の積層フィルムを、例えば、三
方シール形式、四方シール形式、またはピロー形式など
で一端が開口する袋状に製袋し、或いは、プレス成形な
どで深さの浅いフランジ付きトレー状容器を成形し、こ
れに同様な構成の積層フィルムによる蓋材を組み合わせ
てフランジ部でヒートシールする形式などで電池用容器
を作製していた。
【0036】しかし、このような構成の積層フィルムで
電池用容器を作製した場合、基材層1の内側にアルミニ
ウム箔層2が積層されているので、電池用容器の壁面部
など積層フィルムの厚さ方向の水蒸気透過度は、特にピ
ンホールなどの欠陥がない限り、皆無(0)にすること
ができるが、電池用容器の端縁部のヒートシール部の端
面においては、両側のアルミニウム箔層2の間に、接着
剤層4b 、中間層5、接着剤層4c 、熱接着性樹脂層3
が二重に介在して、その断面積も大きいため、この部分
からの水分の侵入があり、結果として、電池用容器の水
蒸気その他のバリヤー性を低下させていた。
【0037】従って、本発明では、前記電池用容器の端
縁部のヒートシール部の端面において、両側の積層フィ
ルムのアルミニウム箔層の間の距離をできるだけ縮め
て、その断面積を小さくできるよう、積層フィルムのア
ルミニウム箔層の内側の層構成を変更すると共に、ヒー
トシールの際、可能な範囲で熱接着性樹脂層を圧縮して
その厚さが薄くなるヒートシールして電池用容器を構成
したものである。
【0038】このような本発明の電池用容器に用いる積
層フィルムは、例えば、図1、図2に示すように構成す
ることができる。即ち、図1に示した電池用積層フィル
ム50は、外側(図において上側)から、基材層1、接
着剤層4a 、アルミニウム箔層2、接着剤層4b 、熱接
着性樹脂層3を順に積層して構成したものである。この
構成は、図3に示した従来の電池用容器に用いられた積
層フィルム70の構成において、アルミニウム箔層2の
内側の中間層5と接着剤層4c とを取り除き、アルミニ
ウム箔層2の内側に接着剤層4b を介して熱接着性樹脂
層3を積層した構成である。尚、本発明において、積層
フィルムのアルミニウム箔層の内側(熱接着性樹脂層3
側)の面、または両側の面には前記のようなクロメート
処理を施すことが好ましい。
【0039】また、前記図3、図1に示した積層フィル
ムの構成において、接着剤層4a 、4b 、4c には、ド
ライラミネート用の2液硬化型ポリウレタン系接着剤が
用いられ、その厚さは3μm程度であり、また、中間層
には、通常、厚さ12μm程度の2軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフィルムが用いられている。従って、図
1に示した構成の積層フィルム50を用いて電池用容器
を作製することにより、図3に示した従来の構成の積層
フィルム70を用いた場合と比較して、そのヒートシー
ル部の両側のアルミニウム箔層間の間隔(厚さ)を、合
計30μm小さくすることができる。
【0040】図2に示した電池用積層フィルム60は、
外側(図において上側)から、基材層1、接着剤層4a
、アルミニウム箔層2、熱接着性樹脂層3を順に積層
して構成したものである。この構成は、前記図1に示し
た電池用積層フィルム50の構成において、アルミニウ
ム箔層2の内側から更に接着剤層4b を取り除き、アル
ミニウム箔層2の内側に熱接着性樹脂層3を積層した構
成である。
【0041】このような構成を採る場合、先に説明した
ように、熱接着性樹脂層3の積層方法を、熱ラミネーシ
ョン法、または押し出しコート法に変更する必要はある
が、このような構成の積層フィルム60を用いて電池用
容器を作製することにより、前記図1に示した構成の積
層フィルム50を用いた場合よりも、ヒートシール部に
おける両側のアルミニウム箔層間の間隔(厚さ)を、更
に合計6μm程度小さくすることができる。従って、図
1、図2に示した積層フィルム50、60のような構成
を採ることにより、従来の構成の積層フィルム70を使
用した場合と比較して、それぞれにおいて取り除かれた
中間層および接着剤層が係わっていただけの水蒸気透過
度を小さくすることができるので、それを用いた電池用
容器の水蒸気その他のバリヤー性をそれぞれ段階的に一
層向上させることができる。
【0042】図4は、本発明の電池用容器の一実施例の
構成を示す模式平面図であり、また、図5は、図4に示
した電池用容器のA−A線の拡大断面図である。図4に
示した電池用容器100は、四方シール形式の袋状容器
として構成したものであり、電池用容器100は、前記
図1または図2に示したような構成の電池用積層フィル
ム50、60を用いて、その熱接着性樹脂層同士が対向
するように重ね合わせて、周囲三方の端縁部をヒートシ
ール部6でヒートシールし、一端が開口部10で開口す
る袋状容器として構成したものである。
【0043】このような四方シール形式で電池用容器を
作製する場合、両側の積層フィルムに、別々に切り離さ
れた積層フィルムを用いることもできるが、三方シール
形式の袋を作製する場合と同様に、一枚の積層フィルム
を半折し、折り曲げた端縁部もヒートシールする方法
で、四方シール形式の電池用容器を作製することができ
る。このような方法を採ることにより、折り返した一端
には積層フィルムの切断面が無くなるので、ヒートシー
ル部の端面からの水蒸気透過を少なくすることができ、
電池用容器の水蒸気その他のバリヤー性を一層向上させ
ることができる。
【0044】このような電池用容器100を用いて電池
を作製する場合、開口部10から電池の構成材料を挿入
し、内部から開口部10を通して外側に電極端子を延長
した後、開口部10を電極端子と共にヒートシールして
密封することにより、薄型の電池を作製することができ
る。また、電池用容器を四方シール形式で形成する場
合、必ずしも図示したような一端が開口する袋状容器を
予め形成する必要はなく、例えば、専用の充填シール装
置を用意することにより、一方の壁面を形成する電池用
積層フィルムの内面側に、電池の構成材料を配置し、電
極端子を一端から外側に延長した後、その上にもう一方
の壁面を形成する積層フィルムを重ねて周囲四方の端縁
部を、逐次または同時にヒートシールして密封し、薄型
の電池を作製することもできる。
【0045】また、本発明の電池用容器では、更に、積
層フィルムの端縁部をヒートシールして電池用容器を形
成する際、ヒートシール部の熱接着性樹脂層の厚さが、
ヒートシールにより圧縮され、ヒートシール前の厚さよ
りも薄くなるように形成されていることを特徴としてい
る。従って、図4に示した電池用容器100では、周囲
三方の端縁部および開口部10をヒートシールする際、
そのヒートシール部近辺の断面形状が、図4の電池用容
器100のA−A線の拡大断面図を図5に例示したよう
に、積層フィルム60の熱接着性樹脂層3のヒートシー
ル部6における厚さT2 が、ヒートシール前の厚さT1
(但し、ヒートシール部6以外の部分の熱接着性樹脂層
の厚さT1 は、ヒートシールで圧縮されないので、ヒー
トシール前の厚さに相当するものとして示した)より薄
くなるように、即ち、T1 >T2 となるようにヒートシ
ールされている。
【0046】上記ヒートシール部の熱接着性樹脂層の厚
さを実際に薄くできる数値は、元々の熱接着性樹脂層の
厚さ、およびヒートシール部の位置(電極端子が介在す
る位置と、介在しない位置)、更には電極端子の厚さな
どにより変わるため一律ではないが、ヒートシール前の
厚さの80〜40%まで薄くすることができる。この点
は、電池用容器の形態を、例えば、次の図6に示すよう
なフランジ付きトレー状容器と蓋材からなる形態に変え
た場合でも同様である。
【0047】図6は、本発明の電池用容器の別の一実施
例の構成を示す模式断面図であり、図6に示した電池用
容器200は、プレス成形により作製されたフランジ付
きトレー状容器7と、その上に被せられるフラットな蓋
材9とで構成されており、それぞれが、前記図1または
図2に示した構成の電池用積層フィルム50または電池
用積層フィルム60で作製されている。また、トレー状
容器7の深さは、通常3〜5mm程度の浅い形態であ
る。
【0048】このような電池用容器200は、フランジ
付きトレー状容器7の成形凹部に電池の構成材料を装着
し、内部から外側に電極端子を延長した後、その上部に
蓋材9を被せて、周囲のフランジ部8で両者をヒートシ
ールすることにより、薄型の電池を作製することができ
る。このような形式の電池用容器200は、電池の構成
材料や電極端子の装着を、大きく開口したフランジ付き
トレー状容器7の上部から行えるため、電池を作製する
際の工程が簡略化され、その生産性を向上させることが
できる。
【0049】尚、この電池用容器200は、フランジ付
きトレー状容器7と蓋材9とが別々に切り離された2ピ
ース構成としたが、フランジ付きトレー状容器7と蓋材
9とが、フランジ部8の一端でヒンジ状につながった1
ピース構成とすることもできる。むしろ、1ピース構成
の方が、ヒンジ状の連結部で積層フィルムが折り返さ
れ、この部分に切断面が無くなるため、端面からの水蒸
気透過を少なくすることができ、電池用容器の水蒸気そ
の他のバリヤー性を一層向上させることができる。更
に、蓋材9もフラットな形状ではなく、フランジ付きト
レー状容器7と同様な形状に成形してもよく、その場
合、成形凹部の深さを、1/2に浅くすることができる
ので、積層フィルムのアルミニウム箔層などの厚さを薄
くできる利点がある。
【0050】図7は、本発明の電池用容器を用いて作製
される電池の一例の構成を示す斜視図である。但し、電
池自体が薄型であるため、その厚さは省略して示した。
また、図7は、前記図4に示した電池用容器100を用
いて作製した電池の斜視図として有効であると同時に、
前記図6に示した電池用容器200を用いて作製した電
池の斜視図としても有効である。
【0051】従って、図7に示した電池500は、取り
敢えず、前記図6に示した電池用容器200を用いて作
製されたものとして説明する。このような薄型の電池5
00は、例えば、前記図6に示した電池用容器200を
用い、そのフランジ付きトレー状容器7の成形凹部の中
に、電池の構成材料を装着し、内部から一端のフランジ
部8の上を通して外側に、正極および負極の電極端子1
1a 、11b を延長した後、その上部に蓋材9を被せ
て、周囲のフランジ部8、即ち、ヒートシール部6で両
者をヒートシールすることにより作製することができ
る。
【0052】〔性能評価〕本発明の電池用容器の性能を
評価するため、下記のように実施例1、実施例2、およ
び比較例1の電池用容器を作製し、その水蒸気バリヤー
性と気密性(電解液の透過による減量)を下記の方法で
測定し、比較評価した。
【0053】(実施例1) 電池用容器に用いる積層フィルムの構成(図1に示した
構成に相当する) 2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)/接着剤層
(厚さ3μm)/アルミニウム箔層(厚さ50μm)/
接着剤層(厚さ3μm)/無延伸ポリプロピレンフィル
ム(厚さ30μm) 上記アルミニウム箔層は、その両面にクロメート処理を
行い、また、各接着剤層には、2液硬化型ポリウレタン
系接着剤を用いてドライラミネーション法で各層を貼り
合わせて構成したものである。上記積層フィルムを用い
て、外形寸法、長さ100mm、幅55mmで、底部で
フィルムを折り返すと共に、両側端縁部を5mm幅でヒ
ートシールし、上部が開口する三方シール形式の袋状容
器を作製し、実施例1の電池用容器とした。尚、上記ヒ
ートシールに際して、ヒートシール部の両側のアルミニ
ウム箔層の間の距離が、シール前の66μmに対して、
シール後は30μmとなるように圧縮してヒートシール
した。
【0054】(実施例2) 電池用容器に用いる積層フィルムの構成(図2に示した
構成に相当する) 2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)/接着剤層
(厚さ3μm)/アルミニウム箔層(厚さ50μm)/
酸変性ポリプロピレンによるプライマーコート(厚さ2
μm)/無延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ30μ
m) 上記アルミニウム箔層は、その両面にクロメート処理を
行い、また、接着剤層には、2液硬化型ポリウレタン系
接着剤を用いてドライラミネーション法で2軸延伸ナイ
ロンフィルムとアルミニウム箔とを貼り合わせ、アルミ
ニウム箔層の内面側に酸変性ポリプロピレンのプライマ
ーコートを施した後、その上に熱ラミネーション法で無
延伸ポリプロピレンフィルムで積層して構成したもので
ある。上記積層フィルムを用いて、前記実施例1と同
様、外形寸法、長さ100mm、幅55mmで、底部で
フィルムを折り返すと共に、両側部を5mm幅でヒート
シールし、上部が開口する三方シール形式の袋状容器を
作製し、実施例2の電池用容器とした。この場合も、ヒ
ートシールに際して、ヒートシール部の両側のアルミニ
ウム箔層の間の距離が、シール前の64μmに対して、
シール後は30μmとなるように圧縮してヒートシール
した。
【0055】(比較例1) 電池用容器に用いる積層フィルムの構成(図3に示した
従来の積層フィルムの構成に相当する) 2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ1
2μm)/接着剤層(厚さ3μm)/アルミニウム箔層
(厚さ20μm)/接着剤層(厚さ3μm)/2軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ6μm)/
接着剤層(厚さ3μm)/無延伸ポリプロピレンフィル
ム(厚さ50μm) 上記各接着剤層には、2液硬化型ポリウレタン系接着剤
を用いてドライラミネーション法で各層を貼り合わせて
構成したものである。上記積層フィルムを用いて、前記
実施例1、2と同じ寸法で、同様に三方シール形式の袋
状容器を作製し、比較例1の電池用容器とした。この場
合、ヒートシールは、前記実施例に準じて、ヒートシー
ル部の熱接着性樹脂層の厚さがシール前の約50%にな
るよう、即ち、両側のアルミニウム箔層の間の距離とし
ては、シール前の124μmに対して、シール後は74
μmとなるように圧縮してヒートシールした。
【0056】〔水蒸気バリヤー性の測定およびその結
果〕以上のように作製した実施例1、2および比較例1
の電池用容器を試料として、それぞれに電解液として、
エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート
(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)を容積比
1:1:1の比率で混合した混合液を3gずつ封入した
後、60℃、90%RHの恒温恒湿槽で7日間保存し、
保存後の電解液に含まれる水分量をカールフィッシャー
法で測定したところ、下記のような結果が得られた。
尚、上記混合液注入後の開口部のヒートシールは、操作
上のバラツキを少なくするため、この部分からの水蒸気
透過を無視できるようシール幅を15mm幅に広げてヒ
ートシールした。 上記の結果から明らかなように、従来の電池用容器であ
る比較例1の電池用容器に封入された混合液の水分量が
1000ppmであったのに対して、実施例1の電池用
容器に封入された混合液の水分量は400ppmとその
1/2以下であり、また、実施例2の電池用容器に封入
された混合液の水分量は85ppmとその1/10以下
で、実施例の電池用容器の水蒸気バリヤー性は著しく向
上していた。
【0057】〔気密性の測定およびその結果〕前記水蒸
気バリヤー性の測定に用いた試料と同じ電解液封入済み
試料を別に用意して、85℃の恒温槽に7日間保存し、
その前後の重量変化(減量)を測定し、気密性の比較評
価を行った。 上記の結果から明らかなように、電池用容器の気密性に
おいても、従来の電池用容器である比較例1の電池用容
器の重量変化が−0.0333gであったのに対して、
実施例1の電池用容器は、−0.0170gと約1/2
に減少しており、更に、実施例2の電池用容器では、−
0.0070gと1/5近くまで減少し、いずれも気密
性の大幅な向上が認められた。
【0058】
【発明の効果】以上、詳しく説明したように、本発明に
よれば、内部に電池の構成材料を収納し、電池を形成す
るために用いられる電池用容器であって、薄くて軽く、
高度の水蒸気その他のバリヤー性を有し、電解液やフッ
化水素、酸などに対する耐性にも優れると共に、良好な
熱封緘性も備え、各種の性能に対して要求の厳しいリチ
ウムポリマー電池などの容器にも好適に使用することの
できる電池用容器を生産性よく提供できる効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池用容器に用いる積層フィルムの一
実施例の構成を示す模式断面図である。
【図2】本発明の電池用容器に用いる積層フィルムの別
の一実施例の構成を示す模式断面図である。
【図3】従来の電池用容器に用いられた積層フィルムの
構成を示す模式断面図である。
【図4】本発明の電池用容器の一実施例の構成を示す模
式平面図である。
【図5】図4に示した電池用容器のA−A線の拡大断面
図である。
【図6】本発明の電池用容器の別の一実施例の構成を示
す模式断面図である。
【図7】本発明の電池用容器を用いて作製される電池の
一例の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基材層 2 アルミニウム箔層 3 熱接着性樹脂層 4a 、4b 、4c 接着剤層 5 中間層 6 ヒートシール部 7 フランジ付きトレー状容器 8 フランジ部 9 蓋材 10 開口部 11a 、11b 電極端子 T1 ヒートシール前の熱接着性樹脂層の厚さ T2 ヒートシール後の熱接着性樹脂層の厚さ 50、60、70 電池用積層フィルム 100、200 電池用容器 500 電池
フロントページの続き (72)発明者 山田 一樹 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 山下 力也 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA10 CC02 CC06 CC10 DD09 DD13 GG09 HH02 JJ14 JJ25 KK01 KK02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも外側から、基材層、アルミニウ
    ム箔層、中間層、熱接着性樹脂層が順に積層されてなる
    積層フィルムを、該熱接着性樹脂層同士が対向するよう
    に重ね合わせ、その端縁部を袋状にヒートシールして形
    成される電池用容器において、該積層フィルムのアルミ
    ニウム箔層の内側の中間層が取り除かれ、アルミニウム
    箔層の内側が、接着剤層と熱接着性樹脂層とで形成さ
    れ、且つ、該積層フィルムの端縁部のヒートシール部の
    熱接着性樹脂層の厚さが、ヒートシールにより圧縮さ
    れ、ヒートシール前の厚さよりも薄くなるように形成さ
    れていることを特徴とする電池用容器。
  2. 【請求項2】前記積層フィルムのアルミニウム箔層の内
    側の接着剤層が更に取り除かれ、アルミニウム箔層の内
    側が熱接着性樹脂層で形成されていることを特徴とする
    請求項1記載の電池用容器。
  3. 【請求項3】前記積層フィルムの熱接着性樹脂層が、ポ
    リプロピレンもしくは酸変性ポリプロピレンの単独の
    層、または両者の複合層で形成されていることを特徴と
    する請求項1または2に記載の電池用容器。
  4. 【請求項4】前記積層フィルムのアルミニウム箔層の少
    なくとも内側の面がクロメート処理されていることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電池用容
    器。
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