JP5962345B2 - 電池用包装材料 - Google Patents
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Description
(1)前記基材層、(2)前記基材層と金属層の間に必要に応じて設けられる接着層、(3)前記金属層とシーラント層の間に必要に応じて設けられる接着層、及び(4)シーラント層の内の少なくとも一つの層が、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂層により形成されている、
ことを特徴とする、電池用包装材料。
項2. 前記基材層と前記金属層の間に、接着層が形成されている、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記基材層が、2軸延伸ポリグリコール酸樹脂により形成されている、項1又は2に記載の電池用包装材料。
項4. 前記金属層がアルミニウムである、項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 二次電池用の包装材料である、項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項6. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容さている、電池。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、基材層1、金属層3、及びシーラント層5が順次積層された積層体からなる。本発明の電池用包装材料において、基材層1が最外層になり、シーラント層5は最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置するシーラント層5同士が熱溶着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
本発明の電池用包装材料は、(1)基材層1、(2)必要に応じて設けられる接着層2、(3)必要に応じて設けられる接着層4、及び(4)シーラント層5の内の少なくとも一つの層が、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂層により形成されている。このように、金属層3以外の層の少なくとも1つにポリグリコール酸樹脂を使用することによって、シール性、電解液に対する耐久性、水蒸気バリア性、及び絶縁性を良好にしつつ、生分解性を備えさせることができる。
本発明の電池用包装材料において、基材層1は最外層を形成する層である。本発明の電池用包装材料において、基材層1は、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂からなる態様と、ポリグリコール酸樹脂を含まない態様に分けられる。以下、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂からなる基材層1を「基材層1a」と表記し、ポリグリコール酸樹脂を含まない基材層1を「基材層1b」と表記することもある。
基材層1aに使用されるポリグリコール酸樹脂は、下記一般式(A)で表わされるグリコール酸の繰り返し単位のみからなるグリコール酸のホモポリマー(グリコール酸の2分子間環状エステルであるグリコリドの開環重合物を含む)であってもよく、また、下記一般式(A)で表わされるグリコール酸の繰り返し単位を含むグリコール酸のコポリマーであってもよい。
基材層1bを形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。基材層1を形成する素材としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニルサルフォン樹脂、ポリフェニルサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。
基材層1は、1層の樹脂層から形成されていてもよいが、耐ピンホール性や絶縁性を向上させるために、2層以上の樹脂層で形成されていてもよい。基材層1を2層以上の樹脂層で形成する場合、当該基材層1の具体例として、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂からなる樹脂層とナイロンからなる樹脂層を積層させた多層構造、ポリエステルからなる樹脂層とナイロンからなる樹脂層を積層させた多層構造;好ましくは、2軸延伸ポリグリコール酸樹脂からなる樹脂層と2軸延伸ナイロンからなる樹脂層を積層させた多層構造、2軸延伸ポリエステルからなる樹脂層と2軸延伸ナイロンからなる樹脂層を積層させた多層構造が挙げられる。基材層1を多層構造にする場合、接着剤を介して接着してもよく、また接着剤を介さず直接積層してもよい。接着剤を介さず接着させる場合には、共押出し法、サンドラミ法、サーマルラミネート法などの熱溶融状態での接着が好ましい。接着剤を介して接着させる場合、この接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型、UVやEBなどの電子線硬化型等のいずれであってもよい。接着する接着剤の成分としては、特に制限されないが、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、アミノ樹脂、ゴム、シリコン系樹脂等が挙げられる。これらの接着剤の成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の電池用包装材料において、接着層2は、基材層1と金属層3を強固に接着させために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。本発明の電池用包装材料において、接着層2は、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂からなる態様と、ポリグリコール酸樹脂を含まない態様に分けられる。以下、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂からなる接着層2を「接着層2a」と表記し、ポリグリコール酸樹脂を含まない基接着層2を「接着層2b」と表記することもある。
接着層2aに使用されるポリグリコール酸樹脂の種類、分子量、好ましいもの等については、基材層1aに使用されるポリグリコール酸樹脂と同様である。
ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー、プロピレンとブテンのブロックコポリマー、プロピレンとアクリル酸のブロックコポリマー、エチレンとメタクリル酸のブロックコポリマー等)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー、プロピレンとブテンのランダムコポリマー、プロピレンとアクリル酸のランダムコポリマー、プロピレンとメタクリル酸のランダムコポリマー等)等の結晶性又は非晶性のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー;これらの金属架橋物が挙げられる。
接着層2bは、基材層1と金属層3とを接着可能である接着剤成分によって形成される。接着層2bの形成に使用される接着剤成分は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、溶剤可溶型、溶剤分散型、無溶剤型の形態であってもよい。接着層2bの形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧着型、電子線や紫外線等の放射線硬化型等のいずれであってもよい。
接着層2の厚さについては、例えば2〜50μm、好ましくは3〜25μmが挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、金属層3は、包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光等が侵入するのを防止するためのバリア層として機能する層である。金属層3を形成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタン等の金属箔が挙げられる。これらの中でも、アルミニウムが好適に使用される。包装材料の製造時にしわやピンホールを防止するために、本発明において金属層3として、軟質アルミニウム、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O)又は(JIS A8079P−O)等を用いることが好ましい。
本発明の電池用包装材料において、接着層4は、金属層3とシーラント層5を強固に接着させために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。本発明の電池用包装材料において、接着層4は、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂からなる態様と、ポリグリコール酸樹脂を含まない態様に分けられる。以下、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂からなる接着層4を「接着層4a」と表記し、ポリグリコール酸樹脂を含まない基接着層4を「接着層4b」と表記することもある。
接着層4aに使用されるポリグリコール酸樹脂の種類、分子量、好ましいもの等については、基材層1aに使用されるポリグリコール酸樹脂と同様である。
接着層4bは、金属層3とシーラント層5とを接着可能である接着剤成分によって形成される。接着層4bの形成に使用される接着剤成分は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、溶剤可溶型、溶剤分散型、無溶剤型の形態であってもよい。接着層4bの形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧着型、電子線や紫外線等の放射線硬化型等のいずれであってもよい。
接着層4の厚さについては、例えば2〜50μm、好ましくは3〜25μmが挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、シーラント層5は、最内層に該当し、電池の組み立て時にシーラント層同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。以下、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂からなるシーラント層5を「シーラント層5a」と表記し、ポリグリコール酸樹脂を含まないシーラント層5を「シーラント層5b」と表記することもある。
シーラント層5aに使用されるポリグリコール酸樹脂の種類、分子量、好ましいもの等については、基材層1aに使用されるポリグリコール酸樹脂と同様である。
シーラント層5bに使用される樹脂については、熱溶着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、カルボン酸変性環状ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。シーラント層5aに使用されるポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、及びカルボン酸変性環状ポリオレフィン系樹脂の具体例、好ましいもの等については、前記接着層2で例示したものと同様である。
シーラント層5は、1層のみで形成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂によって2層以上形成されていてもよい。
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1b:2軸延伸ポリアミド(ナイロン6、厚さ25μm)
接着層2b:ポリエステルポリオール(主剤)とトルエンジイソシアネート(硬化剤)の2液型ウレタン接着剤(厚さ4μm)
金属層3:両面に化成処理を施したアルミニウム箔(厚さ40μm)
接着層4b:ポリエステルポリオール(主剤)とトルエンジイソシアネート(硬化剤)の2液型ウレタン接着剤(厚さ4μm)
シーラント層5a:ポリグリコール酸70重量部とランダムポリプロピレン30重量部の混合樹脂(厚さ30μm)
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1a:2軸延伸ポリグリコール酸(厚さ25μm)
接着層2b:ポリエステルポリオール(主剤)とトルエンジイソシアネート(硬化剤)の2液型ウレタン接着剤(厚さ4μm)
金属層3:両面に化成処理を施したアルミニウム箔(厚さ40μm)
接着層4b:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)
シーラント層5a:ポリグリコール酸70重量部とランダムポリプロピレン30重量部の混合樹脂(厚さ30μm)
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1b:2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(厚さ9μm)からなる第1層、及び2軸延伸ポリアミド(ナイロン6、厚さ15μm)が順に積層された多層フィルム
接着層2b:ポリエステルポリオール(主剤)とトルエンジイソシアネート(硬化剤)の2液型ウレタン接着剤(厚さ4μm)
金属層3:両面に化成処理を施したアルミニウム箔(厚さ40μm)
接着層4b:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)
シーラント層5a:ポリグリコール酸70重量部とランダムポリプロピレン30重量部の混合樹脂(厚さ30μm)
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1b:2軸延伸ポリアミド(ナイロン6、厚さ25μm)
接着層2b:ポリエステルポリオール(主剤)とトルエンジイソシアネート(硬化剤)の2液型ウレタン接着剤(厚さ4μm)
金属層3:両面に化成処理を施したアルミニウム箔(厚さ40μm)
接着層4a:ポリグリコール酸30重量部とマレイン酸変性ポリプロピレン70重量部の混合樹脂(厚さ15μm)
シーラント層5b:ランダムポリプロピレン(厚さ30μm)
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1b:2軸延伸ポリアミド(ナイロン6、厚さ25μm)
接着層2b:ポリエステルポリオール(主剤)とトルエンジイソシアネート(硬化剤)の2液型ウレタン接着剤(厚さ4μm)
金属層3:両面に化成処理を施したアルミニウム箔(厚さ40μm)
接着層4b:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)
シーラント層5a:ランダムポリプロピレン(厚さ10μm)からなる第1層、マレイン酸変性ポリプロピレン70重量部とポリグリコール酸30重量部の混合樹脂(厚さ5μm)からなる第2層、ポリグリコール酸(厚さ15μm)からなる第3層、マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ5μm)からなる第4層、及びランダムポリプロピレン(厚さ10μm)からなる第5層が順に積層された多層フィルム
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1a:2軸延伸ポリグリコール酸(厚さ25μm)
接着層2b:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)
金属層3:両面に化成処理を施したアルミニウム箔(厚さ40μm)
接着層4b:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)
シーラント層5a:ポリグリコール酸70重量部とランダムポリプロピレン30重量部の混合樹脂(厚さ30μm)
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1a:ポリグリコール酸(厚さ5μm)からなる第1層、マレイン酸変性ポリプロピレン70重量部とナイロン6−イソフタル酸共重合ポリアミド30重量部の混合樹脂からなる第2層(接着層)、及びナイロン6(厚さ20μm)からなる第3層が順に積層された積層フィルムを2軸延伸処理した多層フィルム(延伸後の厚さ:第1層5μm、第2層5μm、第3層20μm)
接着層2b:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)
金属層3:両面に化成処理を施したアルミニウム箔(厚さ40μm)
接着層4b:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)
シーラント層5a:ランダムポリプロピレン(厚さ10μm)からなる第1層、マレイン酸変性ポリプロピレン70重量部とポリグリコール酸30重量部の混合樹脂(厚さ5μm)からなる第2層、ポリグリコール酸(厚さ15μm)からなる第3層、マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ5μm)からなる第4層、及びランダムポリプロピレン(厚さ10μm)からなる第5層が順に積層された多層フィルム
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1b:2軸延伸ポリアミド(ナイロン6、厚さ25μm)
接着層2b:ポリエステルポリオール(主剤)とトルエンジイソシアネート(硬化剤)の2液型ウレタン接着剤(厚さ4μm)
金属層3b:両面に化成処理を施したアルミニウム箔(厚さ40μm)
接着層4b:マレイン酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)
シーラント層5b:ランダムポリプロピレン(厚さ30μm)
下記組成の層構造を有する積層体からなる電池用包装材料を製造した。
基材層1b:2軸延伸ポリアミド(ナイロン6、厚さ25μm)
接着層2b:ポリエステルポリオール(主剤)とトルエンジイソシアネート(硬化剤)の2液型ウレタン接着剤(厚さ4μm)
金属層3:両面に化成処理を施したアルミニウム箔(厚さ40μm)
接着層4b:ポリエステルポリオール(主剤)とトルエンジイソシアネート(硬化剤)の2液型ウレタン接着剤(厚さ4μm)
シーラント層5b:ランダムポリプロピレン(厚さ30μm)
上記で得られた各電池用包装材料について、電解液に対する耐久性、水蒸気バリア性、短絡性、生分解性の評価を行った。具体的な評価方法は、以下に示す通りである。
各電池用包装材料のシーラント層5同士を重ねあわせて、190℃、1.0Mpa、3秒間の条件でヒートシールを行い、シール強度を測定し、シール処理による基材層1の外観変化の有無の観察を行った。シール強度は、引っ張り強度試験機(島津製作所AUTOGRAPH AG−I)を用い、測定幅15mm、剥離長さ15mm、180度剥離、引っ張り速度300mm/minの条件で測定した。また、シール処理による基材層1の外観変化の有無については、ヒートシール処理後の基材層1の溶け、白化、気泡の発生等の外観の変化があるか否かについて観察した。
金型を用いた塑性加工を行うことにより、各電池用包装材料を深さ3mm、縦横50mm×35mmの凹型に成形した。これに下記に示す組成の混合液3gをシール幅3mmで190℃、2.0MPa、3.0秒のヒートシール条件で密封し、85℃で720時間保存した。保存後に、各電池用包装材料における金属層3とシーラント層5のデラミネーションの有無を確認した。
混合液の組成:1MのLiPF6を含む、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート(容積比で1:1:1)の混合液。
各電池用包装材料を用いて縦横60mm×縦50mmの包装袋を作製し、これに、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、及びジメチルカーボネートを容積比1:1:1で含む混合液3gを充填し、シール幅3mmとなるようにシール条件は190℃、2.0M、3.0秒で3方シールし密封した。これを60℃、90%RHの恒温恒湿槽に10日間保管して、前記混合液の水分増加量をカールフィッシャー法で測定した。
金型を用いた塑性加工を行うことにより、各電池用包装材料から深さ3mm、縦横50mm×35mmの凹型の成型品を調製した。次いで、所定素材からなるリード線用フィルム(厚み50μ)を電池本体のリード線(ニッケル製、100μmの厚さ、4mm巾、長さ25mm)の所定の位置に巻きつけ後、電池本体を前記の成形品に挿入し、成形された電池用包装材料/リード線/包装材料となるように挟んだ後、その部分を、190℃、2.0MPaでヒートシールした。短絡性の評価は、リード線と電池用包装材料の金属層との短絡が生じるまでの時間を計測した。短絡の有無はテスター(判定条件:印加電圧100V、判定抵抗値2000MΩ)により確認し、さらに断面写真(光学顕微鏡、倍率200倍)によって、リード線と電池用包装材料と金属層の接触の有無を確認した。なお、リード線用フィルムはカルボン酸変性ポリプロピレン製のものを使用した。
各電池用包装材料のコンポスト中での生分解性について、ISO14855に記載の方法に準拠して試験を行い、60日後の各電池用包装材料の重量保持率(%)を測定した。
得られた結果を表1に示す。この結果、基材層1、接着層4、及びシーラント層5のいずれかにポリグリコール酸樹脂を含む電池用包装材料(実施例1〜7)は、シール性、電解液に対する耐性、水蒸気バリア性、及び絶縁性が良好で、電池用包装材料として求められる基本性能を十分に備えており、しかも生分解性も有しており、廃棄時の環境負荷を軽減できることが確認された。また、基材層1にポリグリコール酸樹脂を含む電池用包装材料(実施例2、6、及び7)でも、ヒートシール後に基材層1aは、溶け、白化、気泡の発生等の外観変化は一切認められず、ヒートシール処理時の晒される加熱条件に耐え得る耐熱性を備えていることも確認された。
2 接着層
3 金属層
4 接着層
5 シーラント層
Claims (6)
- 少なくとも、基材層、必要に応じて設けられる接着層、金属層、必要に応じて設けられる接着層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
(1)前記基材層、(2)前記基材層と金属層の間に必要に応じて設けられる接着層、(3)前記金属層とシーラント層の間に必要に応じて設けられる接着層、及び(4)シーラント層の内の少なくとも一つの層が、ポリグリコール酸樹脂を含む樹脂層により形成されている、
ことを特徴とする、電池用包装材料。 - 前記基材層と前記金属層の間に、接着層が形成されている、請求項1に記載の電池用包装材料。
- 前記基材層が、2軸延伸ポリグリコール酸樹脂により形成されている、請求項1又は2に記載の電池用包装材料。
- 前記金属層がアルミニウムである、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 二次電池用の包装材料である、請求項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容さている、電池。
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