JPWO2016159233A1 - 電池用包装材料、その製造方法、及び電池 - Google Patents

電池用包装材料、その製造方法、及び電池 Download PDF

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Abstract

絶縁性が高い電池用包装材料を提供する。厚み方向において順に、外層と、金属箔から構成された中間層と、熱融着性樹脂から構成された内層とを備える積層体からなり、前記内層は、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が、150Pa・sec以上、900Pa・sec以下の樹脂により構成された、厚み20μm以上の樹脂層を備えている、電池用包装材料。

Description

本発明は、電池用包装材料、その製造方法、及び電池に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されている。これらの電池において、電極、電解質などにより構成される電池素子は、包装材料などにより封止される必要がある。電池用包装材料としては、金属製の包装材料が多用されている。
近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パーソナルコンピュータ、カメラ、携帯電話などの高性能化に伴い、多様な形状を有する電池が求められている。また、電池には、薄型化、軽量化なども求められている。しかしながら、従来多用されている金属製の包装材料では、電池形状の多様化に追従することが困難である。また、金属製であるため、包装材料の軽量化にも限界がある。
そこで、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用包装材料として、外層/金属箔から構成された中間層/熱融着性樹脂層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている。このような電池用包装材料においては、一般的に、成形により凹部が形成され、当該凹部によって形成された空間に電極や電解液などの電池素子を収容し、熱融着性樹脂層同士を熱溶着させることにより、電池用包装材料の内部に電池素子が収容された電池が得られる。
例えば、特許文献1には、外側層としての2軸延伸ポリアミドフィルム層と、内側層としての熱可塑性樹脂未延伸フィルム層と、これら両フィルム層間に配設されたアルミニウム箔層とを含む電池ケース用包材が開示されている。
特開2008−287971号公報
本発明者が鋭意検討を重ねた結果、特許文献1に開示されたような電池用包装材料では、電池用包装材料を電池に適用した場合、絶縁性が低下する場合があるという課題が見出された。
そこで、本発明者がさらに鋭意検討を重ねた結果、電池の製造工程において、電解液などを電池用包装材料に収容する際に、内層の熱溶着される部分に電解液が付着した状態で、内層が熱溶着される場合があることを見出した。そして、このような場合に、熱溶着時の加熱(例えば、170℃以上の高温)によって、熱溶着された部分に位置する電解液が気化して形成された気泡が、溶融した内層内に形成され、さらに当該気泡が大きく成長して、金属箔から構成される中間層またはその近傍まで達し、熱溶着部分の内層の厚みが薄くなっていることが明らかとなった。このことは、絶縁性の低い電池用包装材料の熱溶着部分を切断して、ミクロトームを用いて断面を観察したところ、気泡の成長によって内層の形状が大きく変形している部分が確認されたことから明らかにされた。熱融着性樹脂層の熱溶着部部分の厚みが薄くなると、金属タブと、金属箔から構成される中間層とが接触または近接しやすくなり、電池の絶縁性が低下するという問題がある。
本発明は、このような新たな課題を見出したことによりなされた発明である。すなわち、本発明は、絶縁性の高い電池用包装材料を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、厚み方向において順に、外層と、金属箔から構成された中間層と、熱融着性樹脂から構成された内層とを備える積層体からなり、内層は、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が、150Pa・sec以上、900Pa・sec以下の樹脂により構成された、厚み20μm以上の樹脂層を備えていることにより、電池用包装材料が高い絶縁性を発揮することを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の電池用包装材料、その製造方法、及び電池を提供する。
項1. 厚み方向において順に、外層と、金属箔から構成された中間層と、熱融着性樹脂から構成された内層とを備える積層体からなり、
前記内層は、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が、150Pa・sec以上、900Pa・sec以下の樹脂により構成された、厚み20μm以上の樹脂層を備えている、電池用包装材料。
項2. 前記内層が、第1熱融着性樹脂層の1層により構成されており、
前記第1熱融着性樹脂層は、ポリプロピレンにより構成されており、
前記第1熱融着性樹脂層が、前記樹脂層である、
項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記内層が、前記中間層とは反対側の最表層としての第1熱融着性樹脂層と、前記第1熱融着性樹脂層と隣接する第2熱融着性樹脂層の2層により構成されており、
前記第1熱融着性樹脂層は、ポリプロピレンにより構成されており、
前記第2熱融着性樹脂層が、前記樹脂層である、
項1に記載の電池用包装材料。
項4. 前記内層が、前記中間層とは反対側の最表層としての第1熱融着性樹脂層と、前記第1熱融着性樹脂層と隣接する第2熱融着性樹脂層と、前記第2熱融着性樹脂層と隣接する第3熱融着性樹脂層の3層により構成されており、
前記第1熱融着性樹脂層は、ポリプロピレンにより構成されており、
前記第2熱融着性樹脂層及び第3熱融着性樹脂層の少なくとも1層が、前記樹脂層である、
項1に記載の電池用包装材料。
項5. 前記第1熱融着性樹脂層は、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が、120Pa・sec以下のポリプロピレンにより構成されている、項3又は項4に記載の電池用包装材料。
項6. 前記内層の総厚みが、50μm以下である、項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
項7. 前記中間層と前記内層との間に、接着層を備える、項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
項8. 正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料により形成された包装体によって封止されてなる、電池。
項9. 厚み方向において順に、外層と、金属箔から構成された中間層と、熱融着性樹脂から構成された内層とを備える積層体を得る工程を備え、
前記内層として、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が、150Pa・sec以上、900Pa・sec以下の樹脂により構成され、厚み20μm以上の樹脂層を設ける、電池用包装材料の製造方法。
本発明によれば、厚み方向において、外層と、金属箔から構成された中間層と、熱融着性樹脂から構成された内層とを備える積層体からなる電池用包装材料において、内層は、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が、150Pa・sec以上、900Pa・sec以下の樹脂により構成された、厚み20μm以上の樹脂層を備えていることにより、高い絶縁性を有する電池用包装材料を提供することができる。すなわち、本発明の電池用包装材料によって電池素子を封止することにより、電池の絶縁性を高めることができる。
本発明に係る電池用包装材料の一例の略図的断面図である。 本発明に係る電池用包装材料の一例の略図的断面図である。 本発明に係る電池用包装材料の一例の略図的断面図である。 本発明に係る電池用包装材料の一例の略図的断面図である。 本発明に係る電池用包装材料の一例の略図的断面図である。
本発明の電池用包装材料は、厚み方向において、外層と、金属箔から構成された中間層と、熱融着性樹脂から構成された内層とを備える積層体からなり、内層は、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が、150Pa・sec以上、900Pa・sec以下の樹脂により構成された、厚み20μm以上の樹脂層を備えていることを特徴とする。以下、図1〜5を参照しながら、本発明の電池用包装材料、その製造方法、及び電池素子が本発明の電池用包装材料により封止された本発明の電池について詳述する。
1.電池用包装材料の積層構造
電池用包装材料は、図1及び図2に示すように、厚み方向において、外層と、金属箔から構成された中間層と、熱融着性樹脂から構成された内層とを備える外層中間層積層体からなる。本発明の電池用包装材料において、外層が最外層側になり、内層が最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置する内層4同士が熱溶着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
図1及び図2において、内層4は、第1熱融着性樹脂層41の1層により構成されている。この構成において、第1熱融着性樹脂層41は、ポリプロピレンにより構成されており、第1熱融着性樹脂層41が、前述の樹脂層である。
図3において、内層4は、中間層3とは反対側の最表層としての第1熱融着性樹脂層41と、第1熱融着性樹脂層41と隣接する第2熱融着性樹脂層42の2層により構成されている。この構成において、第1熱融着性樹脂層41は、ポリプロピレンにより構成されており、第2熱融着性樹脂層42が、前述の樹脂層である。
図4及び図5において、内層4は、中間層3とは反対側の最表層としての第1熱融着性樹脂層41と、第1熱融着性樹脂層41と隣接する第2熱融着性樹脂層42と、第2熱融着性樹脂層42と隣接する第3熱融着性樹脂層43の3層により構成されている。この構成において、第1熱融着性樹脂層41は、ポリプロピレンにより構成されており、第2熱融着性樹脂層42及び第3熱融着性樹脂層43の少なくとも1層が、前述の樹脂層である。
内層4は、4層以上により構成されていてもよい。なお、本発明において、溶融粘度は、HAAKE社製のMiniLabを用いて測定した値である。
本発明の電池用包装材料は、図2に示すように、外層1と中間層3との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着剤層2が設けられていてもよい。また、本発明の電池用包装材料は、図5に示すように、中間層3と内層4との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層5が設けられていてもよい。
本発明の電池用包装材料を構成する積層体の総厚みとしては、特に制限されないが、電池用包装材料を薄型化しつつ、高い絶縁性を発揮する観点からは、好ましくは50μm以上150μm以下程度、より好ましくは55μm以上120μm以下程度が挙げられる。
[外層1]
本発明の電池用包装材料において、外層1は、後述する表面被覆層を設けない場合には、電池を組み立てた際に、最外層に位置する層である。外層1を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。外層1を形成する素材としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、珪素樹脂、フェノール樹脂、及びこれらの混合物や共重合物等の樹脂フィルムが挙げられる。これらの中でも、好ましくはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられ、より好ましくは2軸延伸ポリエステル樹脂、2軸延伸ポリアミド樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。また、ポリアミド樹脂としては、具体的には、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等が挙げられる。
外層1は、1層の樹脂フィルムから形成されていてもよいが、耐ピンホール性や絶縁性を向上させるために、2層以上の樹脂フィルムで形成されていてもよい。例えば、外層1を2層の樹脂フィルムから形成する場合、ポリエステル樹脂/ポリアミド樹脂の構成にすることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート/ナイロンの構成にすることがより好ましい。なお、当該積層構成においては、ポリエステル樹脂またはポリエチレンテレフタレートが最外層に位置するように外層1を積層することが好ましい。
外層1を多層の樹脂フィルムで形成する場合、2以上の樹脂フィルムは、接着剤または接着性樹脂などの接着成分を介して積層させればよく、使用される接着成分の種類や量等については、後述する接着剤層2の場合と同様である。なお、2層以上の樹脂フィルムを積層させる方法としては、特に制限されず、公知方法が採用でき、例えばドライラミネート法、サンドイッチラミネート法などが挙げられ、好ましくはドライラミネート法が挙げられる。ドライラミネート法により積層させる場合には、接着剤層としてウレタン系接着剤を用いることが好ましい。このとき、接着剤層の厚みとしては、例えば2μm以上5μm以下程度が挙げられる。
外層1の厚みについては、外層としての機能を発揮しつつ、電池用包装材料が上記の物性を満たせば特に制限されないが、例えば、10μm以上50μm以下程度、好ましくは10μm以上35μm以下程度が挙げられる。
[接着剤層2]
本発明の電池用包装材料において、接着剤層2は、外層1と中間層3を強固に接着させるために、これらの間に設けられる層である。
接着剤層2は、外層1と中間層3とを接着可能である接着剤によって形成される。接着剤層2の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着剤層2の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。
接着剤層2の形成に使用できる接着成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン系樹脂等が挙げられる。これらの接着成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの接着成分の中でも、好ましくはポリウレタン系接着剤が挙げられる。
接着剤層2の厚みについては、接着剤層としての機能を発揮しつつ、電池用包装材料が上記の物性を満たせば特に制限されないが、例えば、1μm以上10μm以下程度、好ましくは2μm以上5μm以下程度が挙げられる。
[中間層3]
電池用包装材料において、中間層3は、金属箔により構成されている。中間層3は、電池用包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止するためのバリア層として機能する層である。中間層3を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタンなどが挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。中間層3は、アルミニウム箔により構成することがさらに好ましい。電池用包装材料の製造時に、中間層3にしわやピンホールが発生することを防止する観点からは、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS H4160 A8021H−O、JIS H4160 A8079H−O、JIS H4000:2014 A8021P−O、JIS H4000:2014 A8079P−O)など軟質アルミニウム箔により構成することがより好ましい。
中間層3の厚みは、水蒸気などのバリア層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、10μm以上50μm以下程度、好ましくは10μm以上35μm以下程度とすることができる。
また、中間層3は、接着の安定化、溶解や腐食の防止などのために、少なくとも一方の面、好ましくは両面が化成処理されていることが好ましい。ここで、化成処理とは、中間層の表面に耐酸性皮膜を形成する処理をいう。化成処理としては、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロムなどのクロム酸化合物を用いたクロム酸クロメート処理;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸などのリン酸化合物を用いたリン酸クロメート処理;下記一般式(1)から(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理などが挙げられる。なお、当該アミノ化フェノール重合体において、下記一般式(1)から(4)で表される繰り返し単位は、1種類単独で含まれていてもよいし、2種類以上の任意の組み合わせであってもよい。
一般式(1)から(4)中、Xは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基またはベンジル基を示す。また、R1及びR2は、それぞれ同一または異なって、ヒドロキシル基、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)から(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1から4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1及びR2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基が1個置換された炭素数1から4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)から(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基及びヒドロキシアルキル基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般式(1)から(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシル基またはヒドロキシアルキル基であることが好ましい。一般式(1)から(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500以上100万以下であることが好ましく、1000以上2万以下程度であることがより好ましい。
また、中間層3に耐食性を付与する化成処理方法として、リン酸中に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、150℃以上で焼付け処理を行うことにより、中間層3の表面に耐食処理層を形成する方法が挙げられる。また、耐食処理層の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層をさらに形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノールなどが挙げられる。これらのカチオン性ポリマーとしては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤などが挙げられる。これらの架橋剤としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
化成処理は、1種類の化成処理のみを行ってもよいし、2種類以上の化成処理を組み合わせて行ってもよい。さらに、これらの化成処理は、1種の化合物を単独で使用して行ってもよく、また2種以上の化合物を組み合わせて使用して行ってもよい。化成処理の中でも、クロム酸クロメート処理や、クロム酸化合物、リン酸化合物、及びアミノ化フェノール重合体を組み合わせたクロメート処理などが好ましい。
化成処理において中間層3の表面に形成させる耐酸性皮膜の量については、特に制限されないが、例えば、上記のクロメート処理を行う場合であれば、中間層3の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で約0.5mg以上約50mg以下、好ましくは約1.0mg以上約40mg以下、リン化合物がリン換算で約0.5mg以上約50mg以下、好ましくは約1.0mg以上約40mg以下、及びアミノ化フェノール重合体が約1mg以上約200mg以下、好ましくは約5.0mg以上150mg以下の割合で含有されていることが望ましい。
化成処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、中間層の表面に塗布した後に、中間層の温度が70℃以上200℃以下程度になるように加熱することにより行われる。また、中間層に化成処理を施す前に、予め中間層を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、中間層の表面の化成処理をより効率的に行うことが可能となる。
[内層4]
本発明の電池用包装材料において、内層4は、熱融着性樹脂により構成されている。内層4は、最内層に該当し、電池の組み立て時に内層同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。本発明においては、内層4は、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が、150Pa・sec以上、900Pa・sec以下の樹脂により構成された、厚み20μm以上の樹脂層を備えている。
前述の通り、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、電池の製造工程において、電解液などを電池用包装材料に収容する際に、内層の熱溶着される部分に電解液が付着した状態で内層が熱溶着される場合があることを見出した。そして、このような場合に、従来の電池用包装材料を用いると、熱溶着時の加熱(例えば、170℃以上の高温)によって、熱溶着された部分に位置する電解液が気化して形成された気泡が、溶融した内層内に形成され、当該気泡が大きく成長して金属箔から構成される中間層またはその近傍まで到達し、熱溶着部分の内層の厚みが薄くなっていることが明らかとなった。このことは、絶縁性の低い電池用包装材料の熱溶着部分を切断して、ミクロトームを用いて断面を観察したところ、気泡の成長によって内層の形状が大きく変形している部分が確認されたことから明らかにされた。内層の熱溶着部分の厚みが薄くなると、電池の絶縁性が低下するという問題がある。
これに対して、本発明の電池用包装材料においては、内層4が上記特定の溶融粘度と厚みを備える樹脂層を備えていることにより、内層の熱溶着される部分に電解液が付着した状態で、内層が熱溶着される場合にも、溶融した内層内に電解液の気泡が大きく成長することを効果的に抑制することができる。すなわち、従来の電池用包装材料においては、熱溶着性を考慮して、上記の溶融粘度が150Pa・secよりもかなり低い樹脂が内層に使用されていたが、本発明においては、上記の溶融粘度が150Pa・sec以上の樹脂により形成され、厚みが20μm以上の樹脂層を内層4が備えている。このため、熱溶着時に溶融した内層4内に、電解液の気泡が大きく成長することを効果的に抑制することができる。従って、本発明の電池用包装材料においては、絶縁性が効果的に高められている。
内層4は、単層または複層により構成されている。
図1及び図2に示されるように、内層4は、第1熱融着性樹脂層41の1層により構成されており、第1熱融着性樹脂層41が、ポリプロピレンにより構成されており、第1熱融着性樹脂層41が、前述の樹脂層である態様が好ましい。
また、図3に示すように、内層4は、中間層3とは反対側の最表層としての第1熱融着性樹脂層41と、第1熱融着性樹脂層41と隣接する第2熱融着性樹脂層42の2層により構成されており、第1熱融着性樹脂層41が、ポリプロピレンにより構成されており、第2熱融着性樹脂層42が、前述の樹脂層である態様が好ましい。
さらに、図4及び図5に示すように、内層4は、中間層3とは反対側の最表層としての第1熱融着性樹脂層41と、第1熱融着性樹脂層41と隣接する第2熱融着性樹脂層42と、第2熱融着性樹脂層42と隣接する第3熱融着性樹脂層43の3層により構成されており、第1熱融着性樹脂層41が、ポリプロピレンにより構成されており、第2熱融着性樹脂層42及び第3熱融着性樹脂層43の少なくとも1層が、前述の樹脂層である態様が好ましい。
内層4の総厚みとしては、特に制限されないが、電池用包装材料を薄型化しつつ、高い絶縁性を発揮させる観点からは、好ましくは50μm以下、よりましくは23μm以上46μm以下程度が挙げられる。
(樹脂層)
本発明において、内層4に含まれる樹脂層の溶融粘度としては、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が、150Pa・sec以上、900Pa・sec以下、より好ましくは160Pa・sec以上、870Pa・sec以下が挙げられる。例えば、樹脂層が、押出成形によって積層されるものである場合には、樹脂層の当該溶融粘度としては、好ましくは150Pa・sec以上、500Pa・sec以下、より好ましくは180Pa・sec以上、450Pa・sec以下が挙げられる。一方、樹脂層が、積層フィルムの形態で中間層3の上に積層されるものである場合には、樹脂層の溶融粘度としては、好ましくは500Pa・sec以上、900Pa・sec以下、より好ましくは600Pa・sec以上、870Pa・sec以下が挙げられる。なお、樹脂層の溶融粘度は、樹脂層を構成する樹脂の種類、重量平均分子量、添加剤などによって調整することができる。
樹脂層の融点としては、特に制限されないが、好ましくは140℃以上165℃以下程度、より好ましくは150℃以上160℃以下程度が挙げられる。なお、本発明において、樹脂の融点は、JIS K6921−2(ISO1873−2.2:95)に準拠しDSC法により測定された値である。
また、樹脂層の厚みとしては、20μm以上であればよいが、好ましくは20μm以上46μm以下程度、より好ましくは20μm以上30μm以下程度が挙げられる。
本発明においては、内層4に含まれる層(例えば、第1から第3熱融着性樹脂層)のうち少なくとも1層が、樹脂層を構成する。内層4においては、当該樹脂層は、1層のみ設けられていることが好ましい。
(第1熱融着性樹脂層41)
本発明において、第1熱融着性樹脂層41は、内層4の中間層3とは反対側の最表層に位置しており、ポリプロピレンにより形成された層である。内層4が単層により構成されている場合には、第1熱融着性樹脂層41が前述の樹脂層となる。すなわち、この場合、第1熱融着性樹脂層41は、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が、150Pa・sec以上、900Pa・sec以下の樹脂により形成された、厚みは20μm以上となる。
一方、内層4が、複層により形成されている場合、第1熱融着性樹脂層41は、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が、120Pa・sec以下のポリプロピレンにより形成されていることが好ましい。この場合、ポリプロピレンの溶融粘度としては、好ましくは60Pa・sec以上110Pa・sec以下程度が挙げられる。
第1熱融着性樹脂層41を構成するポリプロピレンの融点としては、特に制限されないが、好ましくは120℃以上160℃以下程度、より好ましくは135℃以上150℃以下程度が挙げられる。
第1熱融着性樹脂層41を構成するポリプロピレンとしては、特に制限されず、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)、ポリプロピレンのホモポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレンのランダムコポリマーが好ましい。また、ポリプロピレンとしては、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
第1熱融着性樹脂層41の厚みとしては、特に制限されない。例えば、内層4が第1熱融着性樹脂層41の単層により構成されている場合、第1熱融着性樹脂層41の厚みは、前述の内層4の総厚みに対応する。また、内層4が複層により構成されている場合、第1熱融着性樹脂層41の厚みとしては、特に制限されないが、好ましくは20μm以上50μm以下程度、より好ましくは23μm以上46μm以下程度が挙げられる。
(第2熱融着性樹脂層42)
第2熱融着性樹脂層42は、熱融着性樹脂層4が複層により構成されている場合に、中間層3とは反対側の最表層としての第1熱融着性樹脂層41と隣接する層である。第2熱融着性樹脂層42の上記の溶融粘度としては、特に制限されないが、第2熱融着性樹脂層42が樹脂層となる場合には、上記樹脂層の溶融粘度となる。
第2熱融着性樹脂層42を構成する樹脂の融点としては、特に制限されないが、好ましくは140℃以上165℃以下程度、より好ましくは150℃以上160℃以下程度が挙げられる。
第2熱融着性樹脂層42に使用される樹脂成分については、熱溶着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンが挙げられる。
前記ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー;等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、等が挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、更に好ましくはノルボルネンが挙げられる。
前記カルボン酸変性ポリオレフィンとは、前記ポリオレフィンをカルボン酸でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
前記カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β−不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β−不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、変性に使用されるカルボン酸としては、前記酸変性シクロオレフィンコポリマーの変性に使用されるものと同様である。
第2熱融着性樹脂層42は、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。
第2熱融着性樹脂層42が中間層3と隣接する場合には、中間層3との密着性が高いことから、第2の熱融着性樹脂層42は、前述のカルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンなどにより形成することが好ましい。また、熱融着性樹脂層4が中間層3側に、内層4を構成する他の層(例えば、第3熱融着性樹脂層43など)をさらに有する場合には、第2熱融着性樹脂層42は、前述のポリオレフィン、環状ポリオレフィンなどにより形成することが好ましい。
第2熱融着性樹脂層42の厚みとしては、特に制限されないが、好ましくは20μm以上46μm以下程度、より好ましくは20μm以上30μm以下程度が挙げられる。
(第3熱融着性樹脂層43)
第3熱融着性樹脂層43は、熱融着性樹脂層4が3層以上により構成されている場合に、第2熱融着性樹脂層と隣接する層である。第3熱融着性樹脂層43の上記の溶融粘度としては、特に制限されないが、第3熱融着性樹脂層43が樹脂層となる場合には、上記樹脂層の溶融粘度となる。
第3熱融着性樹脂層43を構成する樹脂の融点としては、特に制限されないが、好ましくは120℃以上160℃以下程度、より好ましくは135℃以上150℃以下程度が挙げられる。
第3熱融着性樹脂層43に使用される樹脂成分については、熱溶着可能であることを限度として特に制限されず、前述の第2熱融着性樹脂層42で例示したものと同じものが例示できる。
第3の熱融着性樹脂層43が中間層3と隣接する場合には、中間層3との密着性が高いことから、第3の熱融着性樹脂層43は、前述のカルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンなどの酸変性ポリオレフィンにより形成することが好ましい。
第3熱融着性樹脂層43の厚みとしては、特に制限されないが、好ましくは3μm以上15μm以下程度、より好ましくは3μm以上10μm以下程度が挙げられる。
(内層4のその他の層)
内層4が4層以上により形成される場合、内層4は、第1から第3熱融着性樹脂層に加えて、さらに第4熱融着性樹脂層、第5熱融着性樹脂層などのその他の層を有していてもよい。その他の層の構成は、第3熱融着性樹脂層と同様とすることができる。
[接着層5]
本発明の電池用包装材料においては、中間層3と内層4とを強固に接着させることなどを目的として、必要に応じて、中間層3と内層4との間に接着層5をさらに設けてもよい。
接着層5は、中間層3と内層4とを接着可能な接着剤成分によって形成される。接着層5の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。また、接着層5の形成に使用される接着剤成分の接着機構についても、特に限定されず、例えば、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型などが挙げられる。
接着層5の形成に使用できる接着剤成分の具体的としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステルなどのポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミドなどのポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂などのアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどのゴム;シリコーン系樹脂などが挙げられる。これらの接着剤成分は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
内層4が中間層3の上に積層フィルムの形態で積層されるものである場合には、接着層5を介して、中間層3と内層4を接着することが好ましい。例えば、内層4が3層以上により形成されている場合、内層4は3層以上の積層フィルムとして中間層3の上に積層することが好ましい。このため、内層4は3層以上により構成される場合には、接着層5を有することが好ましいといえる。
接着層5の厚みは、特に制限されないが、例えば、1μm以上10μm以下程度とすることが好ましく、2μm以上5μm以下程度とすることがより好ましい。
[表面被覆層]
本発明の電池用包装材料においては、意匠性、耐電解液性、耐擦過性、成形性の向上などを目的として、必要に応じて、外層1の上(外層1の中間層3とは反対側)に、必要に応じて、表面被覆層(図示しない)を設けてもよい。表面被覆層は、電池を組み立てた時に、最外層に位置する層である。
表面被覆層は、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などにより形成することができる。表面被覆層は、これらの中でも、2液硬化型樹脂により形成することが好ましい。表面被覆層を形成する2液硬化型樹脂としては、例えば、2液硬化型ウレタン樹脂、2液硬化型ポリエステル樹脂、2液硬化型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、表面被覆層には、マット化剤を配合してもよい。
マット化剤としては、例えば、粒径が0.5nm以上5μm以下程度の微粒子が挙げられる。マット化剤の材質については、特に制限されないが、例えば、金属、金属酸化物、無機物、有機物等が挙げられる。また、マット化剤の形状についても、特に制限されないが、例えば、球状、繊維状、板状、不定形、バルーン状等が挙げられる。マット化剤として、具体的には、タルク,シリカ,グラファイト、カオリン、モンモリロイド、モンモリロナイト、合成マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛,酸化マグネシウム,酸化アルミニウム,酸化ネオジウム,酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム,硫酸バリウム、炭酸カルシウム,ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム,シュウ酸カルシウム,ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ類、高融点ナイロン、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、ニッケル等が挙げられる。これらのマット化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのマット化剤の中でも、分散安定性やコスト等の観点から、好ましくはりシリカ、硫酸バリウム、酸化チタンが挙げられる。また、マット化剤には、表面に絶縁処理、高分散性処理等の各種表面処理を施しておいてもよい。
表面被覆層を形成する方法としては、特に制限されないが、例えば、表面被覆層を形成する2液硬化型樹脂を外層1の一方の表面上に塗布する方法が挙げられる。マット化剤を配合する場合には、2液硬化型樹脂にマット化剤を添加して混合した後、塗布すればよい。
表面被覆層の厚みとしては、表面被覆層としての上記の機能を発揮しつつ、電池用包装材料が上記の物性を満たせば特に制限されないが、例えば、0.5μm以上10μm以下程度、好ましくは1μm以上5μm以下程度が挙げられる。
3.電池用包装材料の製造方法
本発明の電池用包装材料の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されず、少なくとも、外層1と、中間層3と、単層または複層の内層4とをこの順に積層して積層体を得る工程を備えており、内層4として、以下のものを用いる製造方法を採用することができる。
厚み方向において順に、外層と、金属箔から構成された中間層と、熱融着性樹脂から構成された内層とを備える積層体外層中間層を得る工程を備え、
前記内層として、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が、150Pa・sec以上、900Pa・sec以下の樹脂により構成され、厚み20μm以上の樹脂層を設ける。
すなわち、内層4として、「2.電池用包装材料を形成する各層」の欄で説明した内層4を用いて、各層を積層することにより、本発明の電池用包装材料を製造することができる。
本発明の電池用包装材料の製造方法の一例としては、以下の通りである。まず、外層1、接着剤層2、中間層3が順に積層された積層体(以下、「積層体A」と表記することもある)を形成する。積層体Aの形成は、具体的には、外層1上又は必要に応じて表面が化成処理された中間層3に接着剤層2の形成に使用される接着剤を、グラビアコート法、ロールコート法等の塗布方法で塗布・乾燥した後に、当該中間層3又は外層1を積層させて接着剤層2を硬化させるドライラミネーション法によって行うことができる。
次いで、積層体Aの中間層3上に、内層4を積層させる。中間層3上に内層4を直接積層させる場合には、積層体Aの中間層3上に、内層4を構成する樹脂成分をグラビアコート法、ロールコート法等の方法により塗布すればよい。また、中間層3と内層4の間に接着層5を設ける場合には、例えば、(1)積層体Aの中間層3上に、接着層5及び内層4を共押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネーション法)、(2)別途、接着層5と内層4が積層した積層体を形成し、これを積層体Aの中間層3上に熱ラミネート法により積層する方法、(3)積層体Aの中間層3上に、接着層5を形成させるための接着剤を押出し法や溶液コーティングした高温で乾燥さらには焼き付ける方法等により積層させ、この接着層5上に予めシート状に製膜した内層4をサーマルラミネート法により積層する方法、(4)積層体Aの中間層3と、予めシート状に製膜した内層4との間に、溶融させた接着層5を流し込みながら、接着層5を介して積層体Aと内層4を貼り合せる方法(サンドイッチラミネート法)等が挙げられる。
表面被覆層を設ける場合には、外層1の中間層3とは反対側の表面に、表面被覆層を積層する。表面被覆層は、例えば表面被覆層を形成する上記の樹脂を外層1の表面に塗布することに形成することができる。なお、外層1の表面に中間層3を積層する工程と、外層1の表面に表面被覆層を積層する工程の順番は、特に制限されない。例えば、外層1の表面に表面被覆層を形成した後、外層1の表面被覆層とは反対側の表面に中間層3を形成してもよい。
上記のようにして、必要に応じて設けられる表面被覆層/外層1/必要に応じて設けられる接着剤層2/必要に応じて表面が化成処理された中間層3/必要に応じて設けられる接着層5/内層4からなる積層体が形成されるが、接着剤層2及び必要に応じて設けられる接着層5の接着性を強固にするために、更に、熱ロール接触式、熱風式、近又は遠赤外線式等の加熱処理に供してもよい。このような加熱処理の条件としては、例えば150℃以上250℃以下で1分間以上5分間以下が挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、積層体を構成する各層は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性等を向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理を施していてもよい。
4.電池用包装材料の用途
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、本発明の電池用包装材料で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子が外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(内層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部の内層同士をヒートシールして密封させることによって、電池用包装材料を使用した電池が提供される。なお、本発明の電池用包装材料を用いて電池素子を収容する場合、本発明の電池用包装材料のシーラント部分が内側(電池素子と接する面)になるようにして用いられる。
本発明の電池用包装材料は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池である。本発明の電池用包装材料が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛畜電池、ニッケル・水素畜電池、ニッケル・カドミウム畜電池、ニッケル・鉄畜電池、ニッケル・亜鉛畜電池、酸化銀・亜鉛畜電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の電池用包装材料の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。なお、実施例及び比較例において、内層を構成する樹脂の融点及び溶融粘度は、それぞれ、以下の方法により測定された値である。
<融点の測定>
JIS K6921−2(ISO1873−2.2:95)に準拠しDSC法により測定される値である。
<溶融温度の測定>
HAAKE社製のMiniLabを用い、7.5gの樹脂試料を、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmで溶融粘度測定した。
<実施例1〜6及び比較例1〜4>
外層としてのナイロンフィルム(厚さ25μm)の上に、両面に化成処理を施したアルミニウム箔(厚さ30μm)からなる中間層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、アルミニウム箔の一方面に、接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、中間層上に接着剤層(厚さ3μm)を形成した。次いで、中間層上の接着剤層と外層を積層した後、40℃で24時間のエージング処理を実施することにより、外層/接着剤層/中間層の積層体を作製した。なお、中間層として使用したアルミニウム箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥重量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム箔の両面に塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件で20秒間焼付けすることにより行った。
次に、実施例1、3〜6及び比較例1〜4においては、積層体の中間層の上に、第2熱融着性樹脂層としてのカルボン酸変性ポリプロピレン(中間層側に配置)と、第1熱融着性樹脂層としてのランダムポリプロピレン(最内層)を共押し出しすることにより、外層/接着剤層/中間層/第2熱融着性樹脂層/第1熱融着性樹脂層が積層された電池用包装材料を得た。また、実施例2においては、積層体の中間層の上に、第1熱融着性樹脂層としてのランダムポリプロピレン(最内層)を溶融押出しすることにより、外層/接着剤層/中間層/第1熱融着性樹脂層が積層された電池用包装材料を得た。第2熱融着性樹脂層としてのカルボン酸変性ポリプロピレン及び第1熱融着性樹脂層としてのランダムポリプロピレンは、それぞれ、表1に記載の融点、溶融粘度、及び厚みを有する。
<実施例7,8及び比較例5,6>
実施例1〜6及び比較例1〜4と同様にして、外層/接着剤層/中間層の積層体を作製した。次に、実施例7,8においては、表2に記載の融点、溶融粘度、及び厚みを有する3層構成のポリプロピレンフィルム(第1熱融着性樹脂層/第2熱融着性樹脂層/第3熱融着性樹脂層の積層構造を有する)を用意した。次に、当該ポリプロピレンフィルムの第3シーラント側と、前記積層体の中間層とを、接着剤を用いて接着し、外層/接着剤層/中間層/接着層/第3熱融着性樹脂層/第2熱融着性樹脂層/第1熱融着性樹脂層が積層された電池用包装材料を得た。なお、中間層と第3熱融着性樹脂層(比較例5、6では第1熱融着性樹脂層)との間の接着層について、実施例7及び比較例5では、カルボン酸変性ポリプロピレン(15μm)、実施例8及び比較例6では、酸変性ポリプロピレン樹脂にエポキシ樹脂を架橋させた樹脂(3μm)を用いて形成した。また、実施例7及び実施例8の3層構成のポリプロピレンフィルムは、ランダムポリプロピレン(2.5μm)/ブロックポリプロピレン(20μm)/ランダムポリプロピレン(2.5μm)の3層共押しフィルムを使用した。当該3層構成のポリプロピレンフィルムと前記積層体の中間層とを、実施例7ではサンドイッチラミネート法で積層し、実施例8ではドライラミネート法で積層した。
一方、比較例5,6においては、表2に記載の融点、溶融粘度、及び厚みを有するポリプロピレンフィルムを用意した。次に、当該ポリプロピレンフィルムと、前記積層体の中間層とを、接着剤(2液硬化型ポリウレタン接着剤、厚みは表2に記載の通り)を用いて接着し、外層/接着剤層/中間層/接着層/第1熱融着性樹脂層が積層された電池用包装材料を得た。
<絶縁性評価>
実施例1〜8及び比較例1〜6の電池用包装材料について、以下の手順で絶縁性評価を行った。電池用包装材料を60mm(MD方向)×60mm(TD方向)のシート片に裁断した。次に、これらのシート片をMD方向に2つ折りし、対向する2辺を7mm巾でヒートシールして1辺が開口を有するパウチタイプの外装体を作製した。次に、得られた外装体を、開口する1辺から金属端子が外部に延出するようにセルを含むリチウムイオン電池本体を封入し、電解液を入れ金属端子を挟持しながら、開口部を3mm巾で密封シールして、リチウムイオン電池を作製した。このとき、ヒートシールは、面圧1.0MPa、シール温度170℃、シール時間3.0秒の条件で行なった。次に、HIOKI製絶縁抵抗試験機3154を用いて、発泡に対する絶縁性評価試験を実施した。まず、上記リチウムイオン電池を、それぞれ10個用意して、テスターの一方の端子を各リチウムイオン電池の負極端子に接続し、他方の端子を電池用外装材料の周縁ヒートシール部に中間層のアルミニウム箔に接するようにそれぞれ接続した。次に、テスター間に25Vの電圧をかけ、5秒後に抵抗値200MΩ以上の個数が7個以上のものを合格(OK)とした。また、7個未満のものを不合格(NG)とした。結果を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2において、絶縁性評価の括弧内は、リチウムイオン電池10個のうちの抵抗値200MΩ以上の個数の実測値を示す。例えば、実施例1においては、10個中8個が抵抗値200MΩ以上であったことを示している。
表1及び表2に示される結果から、内層が、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が150Pa・sec以上、900Pa・sec以下の樹脂により形成された厚み20μm以上の樹脂層(実施例1、3〜8では第2熱融着性樹脂層、実施例2では第1熱融着性樹脂層)を備えている実施例1〜8の電池用包装材料においては、絶縁性に優れていることが分かる。一方、内層にこのような特定の溶融粘度を有する樹脂層を有していない比較例1〜6の電池用包装材料においては、実施例1〜8に比して、絶縁性が劣っていた。
1…外層
2…接着剤層
3…中間層
4…内層
41…第1熱融着性樹脂層
42…第2熱融着性樹脂層
43…第3熱融着性樹脂層
5…接着層

Claims (9)

  1. 厚み方向において順に、外層と、金属箔から構成された中間層と、熱融着性樹脂から構成された内層とを備える積層体からなり、
    前記内層は、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が、150Pa・sec以上、900Pa・sec以下の樹脂により構成された、厚み20μm以上の樹脂層を備えている、電池用包装材料。
  2. 前記内層が、第1熱融着性樹脂層の1層により構成されており、
    前記第1熱融着性樹脂層は、ポリプロピレンにより構成されており、
    前記第1熱融着性樹脂層が、前記樹脂層である、
    請求項1に記載の電池用包装材料。
  3. 前記内層が、前記中間層とは反対側の最表層としての第1熱融着性樹脂層と、前記第1熱融着性樹脂層と隣接する第2熱融着性樹脂層の2層により構成されており、
    前記第1熱融着性樹脂層は、ポリプロピレンにより構成されており、
    前記第2熱融着性樹脂層が、前記樹脂層である、
    請求項1に記載の電池用包装材料。
  4. 前記内層が、前記中間層とは反対側の最表層としての第1熱融着性樹脂層と、前記第1熱融着性樹脂層と隣接する第2熱融着性樹脂層と、前記第2熱融着性樹脂層と隣接する第3熱融着性樹脂層の3層により構成されており、
    前記第1熱融着性樹脂層は、ポリプロピレンにより構成されており、
    前記第2熱融着性樹脂層及び第3熱融着性樹脂層の少なくとも1層が、前記樹脂層である、
    請求項1に記載の電池用包装材料。
  5. 前記第1熱融着性樹脂層は、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が、120Pa・sec以下のポリプロピレンにより構成されている、請求項3又は請求項4に記載の電池用包装材料。
  6. 前記内層の総厚みが、50μm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
  7. 前記中間層と前記内層との間に、接着層を備える、請求項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
  8. 正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料により形成された包装体によって封止されてなる、電池。
  9. 厚み方向において順に、外層と、金属箔から構成された中間層と、熱融着性樹脂から構成された内層とを備える積層体を得る工程を備え、
    前記内層として、乾燥窒素下、170℃、回転速度20rpmでの溶融粘度が、150Pa・sec以上、900Pa・sec以下の樹脂により構成され、厚み20μm以上の樹脂層を設ける、電池用包装材料の製造方法。
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