JP2014063587A - リチウムイオン電池用外装材及びそれを用いたリチウムイオン電池 - Google Patents

リチウムイオン電池用外装材及びそれを用いたリチウムイオン電池 Download PDF

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Abstract

【課題】
熱封緘時の電解液の侵入による接着強度の低下や、接着樹脂層の発泡や、金属箔層の露出による絶縁性の低下を防止できるリチウムイオン電池用外装材及びこれを用いたリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
【解決手段】
少なくとも、基材層、金属箔層、腐食防止処理層、接着樹脂層、熱融着層を順次積層してなるリチウムイオン電池用外装材であって、
前記熱融着層のメルトフロレートが前記接着樹脂層のメルトフロレートより小さいことを特徴とするリチウムイオン電池用外装材である。
【選択図】図2

Description

本発明はリチウムイオン電池用外装材及びそれを用いたリチウムイオン電池に関する。
二次電池には、携帯電話、ノート型パソコンをはじめとする携帯機器の小型化に伴い、高いエネルギー密度で軽量化が可能なリチウムイオン電池が多く採用されている。リチウムイオン電池用外装材としては、特に大型機器用の二次電池用途において、従来使用されていた缶型とは異なり、形状の自由度、薄膜化、軽量化、放熱性の点で優位であるラミネート型のリチウムイオン電池用外装材が注目されている。
前記ラミネート型のチウムイオン電池用外装材を使用したリチウムイオン電池としては、一辺にタブ、タブシーラントを有し、内部に正極、負極、セパレータ、電解液等の電池内容物を収納した形態が一般的である。これらはリチウムイオン電池用外装材の製袋方法により、三方シール袋、四方シール袋、ピロー袋、ガゼット袋、スタンディングパウチ等の形態や、あるいは冷間成型により深絞りして凹部を形成し、該凹部内に前記内容物を収容するエンボスタイプ等の形態が存在する。これらは全て、外装材の周縁部を熱封緘することより密封される。そのため、ラミネート型のリチウムイオン電池用容器に用いる外装材は、例えば、基材層、金属箔層、接着樹脂層、熱融着層を順次積層した多層フィルムで構成されており、基材層は熱に強く、最内層の熱融着層は基材よりも融点の低い物質が用いられている。
ラミネート型のリチウムイオン電池用外装材を用いた電池セルの作製方法の一例を、以下の図1に基づき説明する。
上記電池セルは図1に示すように、正極とセパレータ、負極とが順に積層された電極群、または正極とセパレータ、負極とが積層され捲回された電極群と、前記外装材の熱封緘部を通して外部に延出される正極端子および負極端子が、溶接された内容物を凹部が形成された外装材に収容し、正極端子および負極端子を含む3辺を熱封緘することにより製袋する。その際、各端子と熱封緘部の間には短絡防止のタブシーラントがはさまれる。さらに、真空乾燥工程により電池特性の劣化を引き起こす水分を電池セル内から除去した後、電解液を注液し、残る1辺を熱封緘する。その後、ガス抜きと、最終熱封緘を行いリチウムイオン電池が作製される。
この最終熱封緘の際、金属層より内側の接着樹脂層および熱融着層は電解液により膨潤し易く、熱封緘部の樹脂分子は絡み合いが不十分となる。その結果、接着強度の低下や、接着樹脂層や熱融着層に侵入した電解液の気化による発泡で金属箔層が露出するなどの問題が生じる可能性がある。
上記の問題に対して、例えば特許文献1が開示されている。具体的には、金属箔層と、酸変性ポリオレフィン層と、ポリオレフィン層とが、少なくとも順次積層された電気化学セル用包装材料で、ポリオレフィン層を構成する樹脂のメルトフロレートが10g/10分以上25g/10分以下であり、酸変性ポリオレフィン層を構成する樹脂のメルトフロレートが5g/10分以上7g/10分以下であることにより、安定した密封性、絶縁性が得られるという提案である。
しかしながら上記の提案では、最内層を構成するポリオレフィン層樹脂のメルトフロレートが10g/10分以上であると、電解液により膨潤しやすく、ポリオレフィン層自体が熱封緘により発泡しやすくなり、ピンホールが形成されやすい。また、酸変性ポリオレフィン層を構成する樹脂は分子内に電解液を取り込みやすく、電解液に膨潤させた状態で熱封緘を行うと、電解液の気化と同時に酸変性ポリオレフィン層の樹脂が発泡し、ピンホールが形成しやすい。そのため、ポリオレフィン層のメルトフロレートが酸変性ポリオレフィン層のそれよりも高いと、電解液膨潤時に熱封緘した際に酸変性ポリオレフィンの発泡をポリオレフィン層が押さえ込むことが出来ず、酸変性ポリオレフィン層とポリオレフィン層の両層を貫通するピンホールが形成されやすく、金属箔層との絶縁性が低下する可能性がある。また、酸変性ポリオレフィン層のメルトフロレートがポリオレフィン層のそれよりも低いと、熱封緘の際にポリオレフィン層が熱封緘部以外に押出されやすく、絶縁性の確保が難しいなどの問題がある。
特開2011−76956号公報
本発明は、熱封緘時の電解液の侵入による接着強度の低下や、接着樹脂層の発泡や、金属箔層の露出による絶縁性の低下を防止できるリチウムイオン電池用外装材及びこれを用いたリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
本発明に係る請求項1の発明は、少なくとも、基材層、金属箔層、腐食防止処理層、接着樹脂層、熱融着層を順次積層してなるリチウムイオン電池用外装材であって、
前記熱融着層のメルトフロレートが前記接着樹脂層のメルトフロレートより小さいことを特徴とするリチウムイオン電池用外装材である。
また、請求項2の発明は、前記熱融着層のメルトフロレートが10g/10分以下であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池用外装材である。
また、請求項3の発明は、前記接着樹脂層に対する前記熱融着層の膜厚比が1.0以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン電池外装材である。
また、請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン電池外装材を用いてなることを特徴とするリチウムイオン電池である。
本発明に係る請求項1の発明によれば、前記リチウムイオン電池用外装材を構成する熱融着層のメルトフロレートを接着樹脂層のメルトフロレートより小さくすることにより、前記熱融着層は熱封緘(加圧、加熱によるシール)時に熱封緘部分から過剰にはみ出すことなく、十分な膜厚で残存することができる。その結果、電解液の侵入及び樹脂の膨潤を抑制することができ、優れた接着強度を供することができる。また、同時に接着樹脂層の発泡を抑制することができ、金属箔層の露出により生じる金属箔同士の短絡や、電極端子との短絡のない優れた絶縁性を有するリチウムイオン電池用外装材を提供することができる。
また、請求項2の発明によれば、熱融着層のメルトフロレートが10g/10分以下であることにより、熱融着層の分子内への電解液の侵入を抑制し、熱封緘時の熱融着層自体の発泡を防ぐことが可能となる。また、熱封緘時に熱融着層が熱封緘部分から過剰にはみ出すことなく十分な膜厚で残存することができ、それによって接着樹脂層の発泡を抑制す
ることができ、金属箔層の露出により生じる金属箔同士の短絡や、電極端子との短絡のない優れた絶縁性を有するリチウムイオン電池用外装材を提供することができる。
また、請求項3の発明によれば、接着樹脂層に対する熱融着層の膜厚比が1.0以上であることにより、熱封緘による接着樹脂層の発泡を押さえ込むことが可能となるとともに、最内層である熱融着層の膜厚を確保することが可能となり、絶縁性を向上させたリチウムイオン電池用外装材を提供することが可能となる。
また、請求項4の発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン電池用外装材を用いることにより、絶縁性に優れたリチウムイオン電池を提供することが可能となる。
ラミネート型の外装材を用いたリチウムイオン電池の作製方法を示す模式図である。 本発明のリチウムイオン電池用外装材の実施形態の一例を示した断面図である。
以下、本発明のリチウムイオン電池用外装材(以下、単に外装材と記す)の実施形態の一例を示して詳細に説明する。
本発明に係る外装材は、少なくとも、基材層、金属箔層、腐食防止処理層、接着樹脂層、熱融着層を順次積層した構成からなり、その一実施形態として図2を基に具体的に説明する。
図2に示すように本発明に係る外装材1は、基材層10の一方の面に、接着樹脂層15、金属箔層20、腐食防止処理層25、接着樹脂層30、熱融着層35を順次積層した多層フィルムで構成される。
上記多層フィルムを冷間成型した内部に、正極、セパレータ、負極を収納し、タブリードを外装材内部から外部に導出し、その後、熱融着層35が対向するように多層フィルムを重ね合わせ、1辺を残して熱封緘する。その後、開口した1辺から電解液を注入し、残りの1辺を真空環境下で熱封緘し、一定時間放置後、ガス抜きが行われ、最終熱封緘により電池セルが作製される。
<基材層>
本発明に係る基材層10は、加工や流通の際に起こり得るピンホール対策に加え、金属箔層20の破断防止の目的で設ける層である。また、金属層20と他の金属との接触を防ぐための絶縁性、およびヒートシール時の耐熱性も求められる。このような樹脂層としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられ、成形性を向上させるという点で、延伸フィルムがより好ましい。また、基材層10の厚さは、耐ピンホール性、加工性を考慮して6〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
また、基材層10は単層でも、2種類以上を積層した複合層でも良く、複合層である場合、(1)共押出する、または、変性ポリオレフィン樹脂水性分散体やアクリルポリオールと脂肪族系イソシアネート硬化剤で形成されたポリウレタン樹脂を用いて、(2)フィルム表面に塗工する、(3)フィルム同士を貼り合せる等の方法により複合層を形成させることが可能である。これにより、耐電解液性、耐吸湿性、冷間成型性を付与することが可能となる。
<接着剤層>
接着剤層15は、基材層10と金属箔層20を接着する層であり、これらの密着性に加えて、冷間成型時の金属箔層20の破断抑制するための追従性も求められる。接着剤層15を構成する接着剤としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどの主剤に、硬化剤として2官能以上の芳香族系または脂肪族系イソシアネートを作用させる2液硬化型のウレタン系接着剤が好ましい。また、ウレタン系接着剤による接着層12の厚さは、接着強度、追随性、加工性などの点から、1〜10μmが好ましく、3〜7μmがより好ましい。また、主剤の水酸基に対する硬化剤のイソシアネート基のモル比(NCO/OH)は追従性および耐劣化性の点から1〜10が好ましく、2〜5がより好ましい。
<金属箔層>
金属箔層15としては、アルミニウム、ステンレス鋼等の各種金属箔を使用することができ、防湿性、延展性等の加工性、コストの面から、アルミニウム箔が好ましい。アルミニウム箔としては、一般の軟質アルミニウム箔を用いることができ、脱脂処理を施したアルミニウム箔を用いるのが好ましい。また、耐ピンホール性、および成型時の延展性を付与できる点から、鉄を含むアルミニウム箔を用いた層が好ましい。また、金属箔層15の厚さは、バリア性、耐ピンホール性、加工性の点から、9〜200μmが好ましく、15〜100μmがより好ましい。
<腐食防止処理層>
腐食防止処理層25は、金属箔層20と接着樹脂層30の密着力を向上させるとともに、電解液や電解液と水分との反応により発生するフッ酸による金属箔層20の腐食を抑制する役割を果たす。腐食防止処理層25は、塗布型、又は浸漬型の耐酸性の腐食防止処理剤により形成された塗膜であることが好ましく、腐食防止処理層25が前記塗膜であれば、金属箔層20の酸に対する腐食の防止効果が向上する。さらに、金属箔層20上にアンカーが形成されることで金属箔層20と接着樹脂層25の密着力がより強固になり、電解液などの内容物に対する耐性が向上する。
前記塗膜は、例えば、酸化セリウムとリン酸塩と各種熱硬化性樹脂からなる腐食防止処理剤によるセリアゾール処理や、クロム酸塩、リン酸塩、フッ化物と各種熱硬化性樹脂からなる腐食防止処理剤によるクロメート処理などにより形成できる。また、腐食処理層25は、金属箔層20の耐食性が充分に得られる塗膜であれば、前記処理で形成した塗膜には限定されない。また、腐食防止処理層25は、金属箔層20の少なくとも片面に施されていることが好ましく、特に接着樹脂層30側に施すことが好ましいが、両面に腐食防止処理層を施すことにより、内層側からだけでなく外層側からの金属箔層20の腐食を防止することができる。腐食防止処理層25の厚さは腐食防止機能とアンカーとしての機能を考慮して10nm〜5μmが好ましく、20nm〜500nmがより好ましい。
<接着樹脂層>
接着樹脂層30は、熱融着層35と、腐食防止処理層25が形成された金属箔層20とを接着する層である。接着樹脂層30を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。例えば、ポリオレフィン系樹脂、エラストマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂に無水マレイン酸等の酸をグラフト変性させた酸変性エラストマー樹脂等が挙げられる。なかでも金属箔層20との優れた接着性から酸変性ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度、中密度、高密度のポリエチレン;エチレン−αオレフィン共重合体、ホモ、ブロックやランダムポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体などが挙げられる。これらポリオレフィン樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ポリオレフィン系樹脂および酸変性ポリオレフ
ィン系樹脂は耐電解液性に優れており、フッ酸発生時でも接着樹脂の劣化による密着力低下を抑制しやすい。
また、エラストマー樹脂としては、例えば、スチレン系またはオレフィン系の熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらを酸変性ポリオレフィン系樹脂に添加することにより、冷間成型時のクラックによる延伸白化耐性や、外装材屈曲時のクラック耐性、濡れ性改善による密着力や異方性低減による製膜性、ヒートシール強度などの特性も改善することができる。
接着樹脂層30の厚さは1〜50μmが好ましく、5〜40μmがより好ましい。接着樹脂層30の厚さが1μm以上であれば、十分な接着強度が得られやすく、50μm以下であれば、熱封緘端面から電池内部に透過する水蒸気量を低減しやすい。
また、接着樹脂層のメルトフロレートが5〜20g/10分であることが好ましい。接着樹脂層のメルトフロレートが5g/10分未満であると、流動性が悪くなり、熱封緘の際に熱融着層に力がかかりやすく、熱融着層の膜厚を維持できない。20g/10分を越えると電解液に膨潤しやすく、熱封緘時に、電解液の気化と同時に発泡しやすい。
<熱融着層>
熱融着層35は、外装材1の最内層であり、電池組み立て時にヒートシールされる層である。熱融着層35を構成する樹脂としては耐衝撃性および熱封緘性に優れることから熱可塑性樹脂が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂が好ましく、例えば、ポリプロピレンとしてはホモ、ブロック、またはランダムポリプロピレンが挙げられる。
また、熱融着層35は単層フィルムからなる層であってもよく、多層フィルムからなる層であってもよい。さらに、スチレン系またはオレフィン系の熱可塑性エラストマー等を添加することにより、冷間成型時の延伸白化耐性や、外装材屈曲時のクラック耐性、ヒートシール強度などの特性を改善することが可能である。
また熱融着層35の厚さは、20〜100μmが好ましい。熱融着層35の厚さが20μm以上であれば優れたヒートシール性が得られやすいが、100μm以下であればシール端面から電池内部に透過する水分量を低減しやすい。
また、熱融着層のメルトフロレートは10g/10分以下であることが好ましい。熱融着層のメルトフロレートが10g/10分を越えると、電解液に膨潤しやすくなるとともに、脱気と同時に熱封緘する工程で接着樹脂層が発泡した際に押さえ込むことが難しく、金属箔層と電解液との接触を防ぎきれない。また、流動性が高くなり、熱封緘の際に加圧部から押出されやすく、膜厚を維持できない。
また、接着樹脂層に対する熱融着層の膜厚比(熱融着層/接着樹脂層)は、脱気と同時に熱封緘する工程で接着樹脂層の発泡を抑える点から1.0以上が好ましく、熱封緘部の剥離強度の維持等の点から5.0以下がより好ましい。さらに、接着樹脂層と熱融着層の総厚は絶縁性の点から40μm〜100μmが好ましく、放熱性等の点から40μm〜80μmがより好ましい。
<外装材の製造方法>
以下、本発明に係る外装材1の製造方法について説明する。ただし、外装材1の製造方法は以下に記載する方法に限定されるものではない。
外装材1の製造方法としては、例えば、下記工程(1)〜(3)を有する方法が挙げられる。
(1)金属箔層20の一方の面に腐食防止処理層25を形成する工程。
(2)上記金属箔層20の他方の面に接着剤層15を介して基材層10を貼り合わせる工程。
(3)上記金属箔層20の一方の面の腐食防止処理層25に、接着樹脂層30を介して熱融着層35を貼りあわせる工程。
以下に、工程(1)、工程(2)、工程(3)のそれぞれについて具体的に説明する。
工程(1)
金属箔層20の一方の面に、腐食防止処理剤を塗布した後、乾燥して腐食防止処理層25を形成する。前記腐食防止処理剤としては、例えば、前記したセリアゾール処理用の腐食防止処理剤、クロメート処理用の腐食防止処理剤などが挙げられる。腐食防止処理剤の塗布方法は特に限定されず、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコートなど、各種方法を採用できる。
工程(2)
金属箔層20の他方の面に、接着剤層15介して、ドライラミネーション等の手法で基材層10を貼り合わせる。その後、密着性を向上させる目的で、室温〜100℃の範囲でエージング処理を行ってもよい。
工程(3)
基材層10、接着剤層15、金属箔層20、腐食防止処理層25が順次積層された積層体の腐食防止処理層25側に、押出ラミネート法によって、接着樹脂層30を形成する接着樹脂を介して熱融着層35を貼り合わせる。熱融着層35積層は、サンドイッチラミネーションまたは、接着樹脂層30と熱融着層35を形成する樹脂をそれぞれ押出して貼り合せる、または共押出することで多層フィルムを作製し、該積層フィルムを前記積層体の腐食防止処理層25上に熱ラミネートにより積層させてもよい。その後、密着性を向上させる目的で、室温〜100℃の範囲でエージング処理や熱ラミネートを行ってもよい。
上記の工程(1)〜(3)により、外装材1が得られる。なお、外装材1の製造方法は、前記工程(1)〜(3)を順次実施する方法に限定されない。例えば、工程(2)を行ってから工程(1)を行ってもよい。また、金属箔層の両面に腐食防止処理層を設けてもよい。
本発明の外装材を使用したリチウムイオン電池は、本発明の外装材を使用する以外は公知の方法で製造できる。例えば、以下のようにして得られる。本発明の外装材の一部に、冷間成型により凹部を形成し、該凹部の内部に、正極、セパレータおよび負極を入れ、もう一枚の本発明の二次電池用外装材を熱融着層35が向かい合うように重ね合わせ、その三辺を熱封緘する。その後、真空状態において、残った一辺から電解液を注入し、残りの一辺を脱気と同時に熱封緘することでリチウムイオン電池が得られる。最後の一辺は、接着樹脂層と熱融着層が電解液に膨潤した状態で熱封緘される。なお、本発明の外装材を使用したリチウムイオン電池は、前記方法で製造したものには限定されない。
以下、本発明を実施例にてより具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
<外装材に用いた材料>
[基材層] 基材フィルムA−1:
ポリエステルフィルム(12μm)/ポリウレタン系接着剤(3μm)/
ナイロン6フィルム(25μm)
[接着剤層] 接着剤B−1:ポリウレタン系接着剤(3μm)
[金属箔層] 金属箔C−1:軟質アルミニウム箔8079材(40μm)
[腐食防止処理層] 処理剤D−1:酸化セリウム、リン酸、アクリル系樹脂を主体と
した塗布型セリアゾール処理用の処理剤。
[接着樹脂層] 接着樹脂E−1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂
[熱融着層] 熱融着樹脂F−1:ポリプロピレン樹脂
<実施例1>
金属箔C−1の両面に処理剤D−1を塗布、乾燥して、金属箔層20の両面に腐食防止処理層25を形成した。次に、一方の腐食防止処理層25にドライラミネート法により、接着剤B−1を用いて基材フィルムA−1を貼り合わせ、接着剤層15を介して基材層10を積層した。その後、60℃、6日間のエージングを行った。次に、他方の腐食防止処理層25側に押出装置にて、メルトフロレート(MFR)が10g/10分の接着樹脂E−1を膜厚20μmで押出した後、MFRが7g/10分の熱融着樹脂F−1を重ねて膜厚60μmで押出した。その後、160℃、4kg/cm2、2m/分の条件下で熱圧着処理して外装材を作製した。
<パウチ作製>
上記外装材を80mm×200mmをカットし、2つ折りにした。次に、5mm幅のシールバーを用いて、200mm辺を温度190℃、面圧0.5MPa、時間3secで熱封緘した。その後、40mm辺にタブシーラントとNi製のタブを挟み、接着樹脂層と熱融着層の膜厚が元の膜厚の80%になるようにギャップを挟んだ状態で、10mm幅のシールバーを用いて温度190℃、面圧1.0MPa、時間3secの条件で熱封緘した。
次に袋状になった外装材に、重量比1:1:1に調整したジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチレンカーボネート(EC)混合溶液に1mol/lの6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を添加した電解液を注入し、最後に、10mm幅のシールバーで残りの一辺を190℃、面圧1MPa、3secの条件で熱封緘し、さらに60℃のオーブンに24時間放置して、接着樹脂層および熱融着層を十分に膨潤させた。その後、中央部を10mmのシールバーを用いて温度190℃、面圧1.0MPa、時間3secの条件で、脱気と同時に熱封緘してパウチを作製した。
<実施例2>
接着樹脂E−1のMFRが13g/10分、膜厚20μm、熱融着樹脂F−1のMFRが10g/10分、膜厚60μmである以外は、実施例1と同様にしてパウチを作製した。
<実施例3>
接着樹脂E−1のMFRが10g/10分、膜厚20μm、熱融着樹脂F−1のMFRが7g/10分、膜厚20μmである以外は、実施例1と同様にしてパウチを作製した。
<実施例4>
接着樹脂E−1のMFRが10g/10分、膜厚20μm、熱融着樹脂F−1のMFRが7g/10分、膜厚40μmである以外は、実施例1と同様にしてパウチを作製した。
<実施例5>
接着樹脂E−1のMFRが10g/10分、膜厚20μm、熱融着樹脂F−1のMFRが7g/10分、膜厚60μmである以外は、実施例1と同様にしてパウチを作製した。
<実施例6>
接着樹脂E−1のMFRが10g/10分、膜厚40μm、熱融着樹脂F−1のMFRが7g/10分、膜厚40μmである以外は、実施例1と同様にしてパウチを作製した。
<比較例1>
接着樹脂E−1のMFRが5g/10分である以外は、実施例1と同様にしてパウチを作製した。
<比較例2>
接着樹脂E−1のMFRが7g/10分、熱融着樹脂F−1のMFRが10g/10分、である以外は、実施例1と同様にしてパウチを作製した。
<比較例3>
熱融着樹脂F−1のMFRが15g/10分、である以外は、実施例1と同様にしてパウチを作製した。
<比較例4>
接着樹脂E−1のMFRが20g/10分、熱融着樹脂F−1のMFRが15g/10分、である以外は、実施例1と同様にしてパウチを作製した。
<比較例5>
接着樹脂E−1のMFRが10g/10分、膜厚40μm、熱融着樹脂F−1のMFRが7g/10分、膜厚20μmである以外は、実施例1と同様にしてパウチを作製した。
<評価>
実施例および比較例で作製したパウチについて、以下の方法で電気絶縁性を評価した。パウチの接着樹脂層30および熱融着層35にピンホール等が生じることにより金属箔層との絶縁性が低下したことを検知するために、基材層10を削り、金属箔20を露出させた。その後、タブと露出させた金属箔20にテスターを接続し、熱融着層30と金属箔層間35の電気抵抗値の測定を行った。その際、電圧25Vを5秒間かけ抵抗を測定し、99.9GΩ以上である場合を良品とし、99.9GΩ未満を不良品とした。各サンプル50個に対して実施し、良品数をカウントした。評価結果を以下の表1に示す。
Figure 2014063587
<比較結果>
実施例1〜6で得られた本発明品は、電気絶縁性評価において、良品数が実施例4の40/50以外はいずれも50/50の100%と実用レベルの良好な結果が得られた。一方、比較例1〜5で得られた比較例品は同評価の良品数が20/50以下と50%となり、いずれも実用レベルには達しなかった。
1 ・・・ 外装材
10 ・・・ 基材層
15 ・・・ 接着剤層
20 ・・・ 金属箔層
25 ・・・ 腐食防止処理層
30 ・・・ 接着樹脂層
35 ・・・ 熱融着層
50 ・・・ 電極体
55 ・・・ 負極端子・正極端子
60 ・・・ タブシーラント
65 ・・・ 熱封緘部(ヒートシール部)
70 ・・・脱気と同時に熱封緘したヒートシール部

Claims (4)

  1. 少なくとも、基材層、金属箔層、腐食防止処理層、接着樹脂層、熱融着層を順次積層してなるリチウムイオン電池用外装材であって、
    前記熱融着層のメルトフロレートが前記接着樹脂層のメルトフロレートより小さいことを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。
  2. 前記熱融着層のメルトフロレートが10g/10分以下であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池用外装材。
  3. 前記接着樹脂層に対する前記熱融着層の膜厚比が1.0以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン電池外装材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン電池外装材を用いてなることを特徴とするリチウムイオン電池。
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