JP2014046577A - 液体吐出装置の設計支援装置、方法及びプログラム、液体吐出装置の製造方法ならびに画像記録装置 - Google Patents

液体吐出装置の設計支援装置、方法及びプログラム、液体吐出装置の製造方法ならびに画像記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ポンプの回転周波数に合わせて流路構成を最適化する、もしくは流路構成に合わせてポンプの回転数を設定する。
【解決手段】液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドに液体を供給する液体供給流路と、液体供給流路内の液体に圧力緩衝部を介して圧力を付与する液体圧力付与手段とを有する液体吐出装置の設計を支援する設計支援方法であって、液体圧力付与手段の脈動周波数f、圧力緩衝部のコンプライアンス容量C、液体吐出ヘッド及び液体供給流路の合成イナータンスL、を取得する取得工程と、得られたC及びLを用いてf=1/(2π(LC)0.5)で表されるカットオフ周波数fとfとの関係がf≧fの関係を満たす所定の関係を満たすか否かを判定する判定工程と、判定工程における判定結果を出力する出力工程とを備え、所定の関係を満たす液体吐出装置の設計を支援する設計支援方法によって上記課題を解決する。
【選択図】図9

Description

本発明は、液体吐出装置の設計支援装置、方法及びプログラム、液体吐出装置の製造方法ならびに画像記録装置に関し、特にポンプを用いてプリントヘッド内へ圧力変動を与えてインクを供給、循環する技術に関する。
インクジェット記録装置において、プリントヘッドのノズルからのインクの吐出を正しく制御するためには、プリントヘッドへインクを安定に供給することが求められる。ここで述べる「安定に」とは、圧力変動を可能な限り抑えることを意味する。圧力変動は、画質の濃度や着弾位置精度に影響を及ぼす懸念がある。
水頭圧方式によるインク供給系の場合、送液自体に圧力変動は生じない。しかしながら、ポンプ方式を採用した場合には、ポンプに起因する脈動により圧力が大きく変動し、圧力がうまく制御できない可能性がある。
このように、ポンプ方式では、ポンプの回転数に応じてポンプの流量源の周波数が決まる。したがって、所定のポンプ駆動する周波数において、十分にその周波数での振幅強度を低減するようにダンパーや流路の設計値を選ぶ必要がある。
これに対し、特許文献1には、ノズルから液滴を吐出するための圧電変換器を有する第1の部分とダクト内を伝播する圧力波のエネルギーを吸収する粘弾性材料からなる第2の部分を有し、第2の部分が液圧抵抗に接続されることで遮断周波数より低い周波数におけるダクトの共鳴を減衰し、第2の部分の寸法によって遮断周波数より高い周波数におけるダクトの共鳴を減衰する技術が記載されている。
特開昭60―171163号公報
しかしながら、特許文献1では、ポンプとサブタンク(ダンパー)を含んだ場合における流路パラメータに関しては言及がない。したがって、ポンプ直前もしくは直後にあるサブタンク内のダンパーの容量を適切に選ばなければ、圧力が効率的に低減できない恐れがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ポンプの回転周波数に合わせて流路構成を最適化する、もしくは流路構成に合わせてポンプの回転数を設定することができる液体吐出装置の設計支援装置、方法及びプログラム、液体吐出装置の製造方法ならびに画像記録装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために液体吐出装置の設計支援方法の一の態様は、液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドに液体を供給する液体供給流路と、液体供給流路内の液体に圧力緩衝部を介して圧力を付与する液体圧力付与手段とを有する液体吐出装置の設計を支援する設計支援方法であって、液体圧力付与手段の脈動周波数fp、圧力緩衝部のコンプライアンス容量C、液体吐出ヘッド及び液体供給流路の合成イナータンスL、を取得する取得工程と、得られたC及びLを用いてf=1/(2π(LC)0.5)で表されるカットオフ周波数fとfとの関係がf≧fの関係を満たす所定の関係を満たすか否かを判定する判定工程と、判定工程における判定結果を出力する出力工程とを備え、所定の関係を満たす液体吐出装置の設計を支援する。
本態様によれば、fとfとの関係がf≧fの関係を満たす所定の関係を満たすか否かを判定し、判定結果を出力することで、所定の関係を満たす液体吐出装置の設計を支援するようにしたので、ポンプの回転周波数に合わせて流路構成を最適化する、もしくは流路構成に合わせてポンプの回転数を設定することができる。
所定の関係は、f≧mf(mは1より大きい定数)の関係であることが好ましい。これにより、ポンプの脈動を低減させることができ、共振の発生を防止することができる。
取得工程は、液体吐出ヘッド及び液体供給流路の合成抵抗Rを取得し、所定の関係は、f≦f<mf(mは1より大きい定数)、かつ、ζ=0.5R(C/L)0.5で表される減衰項ζがζ>1の関係であってもよい。これにより、ポンプの脈動を低減させることができ、かつ共振の発生を防止することができる。
また、m=2であることが好ましい。これにより、適切にポンプの脈動を低減させることができ、かつ共振の発生を防止することができる。
液体吐出装置の流路構成の一次デザインを取得する工程と、取得した流路構成の一次デザインからコンプライアンス容量C、合成抵抗R、及び合成イナータンスL、を算出する算出工程とを備え、出力工程は、判定工程においてf<fであると判定された場合には、コンプライアンス容量C及び合成イナータンスLのうち少なくとも一方の値の変更を促す出力をし、f≦f<mf、かつ、ζ≦1であると判定された場合には、合成抵抗Rの値を大きくする変更を促す出力をすることが好ましい。これにより、取得した一次デザインを適切に変更することができる。
液体吐出ヘッドの想定液体消費量を取得する工程と、取得した想定液体消費量から液体圧力付与手段の脈動周波数fを算出する工程と、を備えてもよい。これにより、適切に脈動周波数fを算出することができる。
出力工程は、判定工程においてζ>1であると判定された場合には、f≦fとなる脈動周波数fを出力し、ζ≦1であると判定された場合には、mf≦fとなる脈動周波数fを出力することが好ましい。これにより、ポンプの脈動を低減させることができ、共振の発生を防止することができる。
液体吐出装置の流路構成を取得する工程と、取得した流路構成からコンプライアンス容量C、合成抵抗R、及び合成イナータンスL、を算出する算出工程とを備えてもよい。これにより、取得した流路構成を適切に変更することができる。
出力工程は、判定工程において所定の関係を満たさないと判定された場合に、f、C、Lのうち少なくとも1つについて、所定の関係を満たす値を算出して出力してもよい。これにより、所定の関係を満たす条件を知ることができる。
圧力緩衝部は、液体供給流路と連通する液体室と、液体室の体積を可変させるように変形又は移動が可能な隔壁により液体室と隔離された気体室と、を含んで構成されることが好ましい。これにより、適切にポンプの脈動を低減させることができる。
液体吐出装置は、液体吐出ヘッドから液体を回収する液体回収流路と、液体回収流路内の液体に第2の圧力緩衝部を介して圧力を付与する第2の液体圧力付与手段とをさらに有し、取得工程は、第2の液体圧力付与手段の脈動周波数fp2、第2の圧力緩衝部のコンプライアンス容量C、液体吐出ヘッド、液体供給流路及び液体回収流路の合成イナータンスLを取得し、判定工程は、得られたC及びLを用いてfc2=1/(2π(LC0.5)で表されるカットオフ周波数fc2とfp2との関係がfp2≧fc2の関係を満たす第2の関係を満たすか否かを判定することが好ましい。これにより、液体を回収するためのポンプの脈動を低減させることができ、共振の発生を防止することができる。
第2の関係は、fp2≧nfc2(nは1より大きい定数)の関係であることが好ましい。これにより、回収側ポンプの脈動を低減させることができ、共振の発生を防止することができる。
取得工程は、液体吐出ヘッド及び液体供給流路の合成抵抗Rを取得し、所定の関係は、fc2≦fp2<nfc2(nは1より大きい定数)、かつ、ζ=0.5R(C/L)0.5で表される減衰項ζがζ>1の関係であってもよい。これにより、回収側ポンプの脈動を低減させることができ、かつ共振の発生を防止することができる。
また、n=2であることが好ましい。これにより、適切に回収側ポンプの脈動を低減させることができ、かつ共振の発生を防止することができる。
液体吐出装置の流路構成の一次デザインを取得する工程と、取得した流路構成の一次デザインからコンプライアンス容量C、合成抵抗R、及び合成イナータンスL、を算出する算出工程とを備え、出力工程は、判定工程においてfp2<fc2であると判定された場合には、コンプライアンス容量C及び合成イナータンスLのうち少なくとも一方の値の変更を促す出力をし、fc2≦fp2<nfc2、かつ、ζ≦1であると判定された場合には、合成抵抗Rの値を大きくする変更を促す出力をすることが好ましい。これにより、取得した一次デザインを適切に変更することができる。
液体吐出ヘッドの想定液体回収量を取得する工程と、取得した想定液体回収量から第2の液体圧力付与手段の脈動周波数fp2を算出する工程と、を備えてもよい。これにより、適切に回収側ポンプの脈動周波数fp2を算出することができる。
出力工程は、判定工程においてζ>1であると判定された場合には、fc2≦fp2となる脈動周波数fp2を出力し、ζ≦1であると判定された場合には、2fc2≦fp2となる脈動周波数fp2を出力することが好ましい。これにより、ポンプの脈動を低減させることができ、共振の発生を防止することができる。
液体吐出装置の流路構成を取得する工程と、取得した流路構成からコンプライアンス容量C、合成抵抗R、及び合成イナータンスL、を算出する算出工程とを備えてもよい。これにより、取得した流路構成を適切に変更することができる。
出力工程は、判定工程において所定の関係を満たさないと判定された場合に、fc2、C、Lのうち少なくとも1つについて、第2の関係を満たす値を算出して出力してもよい。これにより、第2の関係を満たす条件を知ることができる。
第2の圧力緩衝部は、液体回収流路と連通する第2の液体室と、第2の液体室の体積を可変させるように変形又は移動が可能な第2の隔壁により第2の液体室と隔離された第2の気体室と、を含んで構成されることが好ましい。これにより、適切にポンプの脈動を低減させることができる。
前記目的を達成するために液体吐出装置の設計支援プログラムの一の態様は、上記に記載の液体吐出装置の設計支援方法の各工程をコンピュータに実行させる。
前記目的を達成するために液体吐出装置の設計支援装置の一の態様は、液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに前記液体を供給する液体供給流路と、前記液体供給流路内の液体に圧力緩衝部を介して圧力を付与する液体圧力付与手段とを有する液体吐出装置の設計支援装置であって、前記液体圧力付与手段の脈動周波数f、前記圧力緩衝部のコンプライアンス容量C、前記液体吐出ヘッド及び前記液体供給流路の合成イナータンスL、を取得する取得手段と、得られた前記C及び前記Lを用いてf=1/(2π(LC)0.5)で表されるカットオフ周波数fとfとの関係がf≧fの関係を満たす所定の関係を満たすか否かを判定する判定手段と、前記判定工程における判定結果を出力する出力手段と、を備えた。これにより、ポンプの脈動が低減され、共振が発生しない液体吐出装置の設計を支援することができる。
前記目的を達成するために液体吐出装置の製造方法の一の態様は、液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに前記液体を供給する液体供給流路と、前記液体供給流路内の液体に圧力緩衝部を介して圧力を付与する液体圧力付与手段とを有する液体吐出装置の設計支援方法であって、前記液体圧力付与手段の脈動周波数f、前記圧力緩衝部のコンプライアンス容量C、前記液体吐出ヘッド及び前記液体供給流路の合成イナータンスL、を取得する取得工程と、得られた前記C及び前記Lを用いてf=1/(2π(LC)0.5)で表されるカットオフ周波数fとfとの関係がf≧fの関係を満たす所定の関係を満たすか否かを判定し、前記所定の関係を満たす場合には、前記f、前記C、前記Lを出力し、前記所定の関係を満たさないと判定された場合に、前記f、前記C、前記Lのうち少なくとも1つについて、前記所定の関係を満たす値を算出して出力する出力工程と、前記出力された前記f、前記C、前記Lに基づいて液体吐出装置を設計する設計工程とを備えた。
前記目的を達成するために画像記録装置の一の態様は、上記の液体吐出装置の製造方法によって製造された液体吐出装置と、前記液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる移動手段と、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体とを相対的に移動させながら前記ノズルから液体を吐出させて前記記録媒体の記録面に画像を形成させる制御手段とを備えた。
本発明によれば、ポンプの回転周波数に合わせて流路構成を最適化する、もしくは流路構成に合わせてポンプの回転数を設定することができる。
非循環型プリントヘッドにインクを送液する液体供給装置の模式図 液体供給装置のインク流路の等価回路を示す回路図 2次のローパスフィルタの特性の一例を示すボード線図 循環型プリントヘッドにインクを送液する液体供給装置の模式図 液体供給装置のインク流路の等価回路を示す回路図 液体供給装置のインク流路の等価回路を示す回路図 設計支援装置の外観図 設計支援装置のブロック図 最適な流路構成を設計する処理を示すフローチャート 最適なポンプの周波数を設計する処理を示すフローチャート インクジェット記録装置の全体構成を示した構成図 インクジェットヘッドの概略構成図 ヘッドモジュールのノズル配列を示す平面図 液滴吐出素子の立体的構成を示す断面図 インクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について詳説する。
<第1の実施形態>
〔非循環型プリントヘッドにおける流路構成〕
図1は、非循環型プリントヘッドを有する液体吐出装置を模式的に示した図である。同図に示すように、液体吐出装置10は、メインタンク12、ポンプ14、ポンプ用ダンパー16、チューブ24、複数の非循環型プリントヘッド30(液体吐出ヘッドの一例、以下プリントヘッド30と呼ぶ)等から構成されている。
メインタンク12には、ポンプ14(液体圧力付与手段の一例)が接続されている。ポンプ14は、メインタンク12に貯留されたインクをポンプ用ダンパー16、チューブ24を介してプリントヘッド30に供給する。
ポンプ用ダンパー16(圧力緩衝部の一例)は、インクが流出入する液体室18と、液体室18と可撓膜20を挟んで対設された空気室22から構成される。可撓膜20は、液体室の体積を可変させるように変形又は移動が可能に構成されている。ポンプ用ダンパー16は、空気室22の内部を所定圧力に設定しておくことにより、液体室18内のインクに生じた圧力変動を可撓膜20及び空気室22で吸収し、ポンプ14の脈動を低減させる。
ポンプ用ダンパー16は、チューブ24(液体供給流路の一例)を介してプリントヘッド30に接続される。
プリントヘッド30は、それぞれインクを吐出する複数のノズルを備えている。ここでは複数のプリントヘッドが接続された例を用いて説明するが、プリントヘッドの個数は単一でもよいし、複数個並列にあっても構わない。
図2は、図1に示した液体吐出装置10のインク流路を音響回路モデルとしてモデル化した等価回路を示す回路図である。同図において、交流電流源71はポンプ14に相当する。また、プリントヘッド30がインクを吐出している場合、コンデンサ72の静電容量Cはポンプ用ダンパー16の容量(音響工学的にはコンプライアンス成分)に相当し、抵抗73の電気抵抗R及びコイル74のインダクタンスLは、チューブ24及びプリントヘッド30の音響抵抗及び慣性成分(イナータンス)に相当する。なお、複数のプリントヘッド30が接続されている場合には、各プリントヘッド30の音響抵抗及び慣性成分を合成した値となる。
ここで、図2に示すように、ポンプ14からのインク流量をI、ポンプ用ダンパー16(液体室18)へのインク流量をI、チューブ24及びプリントヘッド30へのインク流量をIとする。
=I+Iであり、流量の関係と圧力Vの関係から満たされるべき関係は以下のように与えられる。
(I−I)×1/sC=(sL+R)I …(式1)
式1を変形すると、
/I=1/(CLs+CRs+1) …(式2)
となる。ここで、sはラプラス変数である。
式2は、インク流量に対しての周波数応答を示したもの(2次のローパスフィルタ)であり、使用するポンプ14の脈動周波数において、十分に振動振幅の減衰を満たす必要がある。
また、2次系の一般的な伝達関数は、
G(s)=ω /(s+2ζωs+ω ) …(式3)
で表される。ここで、ζは減衰項、ωはカットオフ角振動数(単位:rad/s)であり、式2及び式3の比較から、
ω=1/(LC)0.5 …(式4)
と表される。したがって、式2の伝達関数から導かれるカットオフ周波数は、
=ω/2π=1/(2π(LC)0.5) …(式5)
となる。即ち、ポンプ14の脈動周波数fとカットオフ周波数fとが、f≦fを満たせばよい。
なお、ポンプ14の脈動周波数fとカットオフ周波数fとが近い場合(例えば0.5f<f<2f)には、流路パラメータ次第では共振が発生する可能性がある。したがって、脈動周波数fは、カットオフ周波数よりも十分に大きいことが好ましく、例えばm×f≦f(mは1より大きい定数)の関係を満たすことが好ましい。一例として、m=2とすることができる。
図3は、2次のローパスフィルタの特性の一例を示すボード線図である。図3(a)は、ポンプの脈動周波数[単位:Hz]の変化に対する振幅[単位:dB]の特性を示すボード線図であり、図3(b)は、ポンプの脈動周波数[単位:Hz]の変化に対する位相[単位:deg]の特性を示すボード線図である。ここでは、カットオフ周波数が1[Hz]の場合を示しており、実線は不足減衰応答(ζ=0.2)を示す応答、破線は臨界減衰応答(ζ=1.0)を示す応答、一点鎖線は過減衰応答(ζ=1.8)を示す応答をそれぞれ示している。
例えば、減衰項ζを
ζ=0.5R(C/L)0.5 …(式6)
とすると、ζが0.2以下のような場合、カットオフ周波数付近において共振現象が生じてしまう。
したがって、ポンプ14の脈動周波数fとカットオフ周波数fとがf<f<m×fの関係にある場合には、ζ>1.0となるように流路構成を選択することによって、十分にポンプ14の脈動を低減させることができる。
<第2の実施形態>
〔循環型プリントヘッドにおける流路構成〕
図4は、循環型プリントヘッドを有する液体吐出装置を模式的に示した図である。なお、図1に示す模式図と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
同図に示すように、液体吐出装置40は、メインタンク12、ポンプ(供給側ポンプ)14、ポンプ用ダンパー(供給側ポンプ用ダンパー)16、チューブ(供給側チューブ)24の他、回収側チューブ42、回収側ポンプ用ダンパー44、回収側ポンプ52、複数の循環型プリントヘッド60(以下、プリントヘッド60と呼ぶ)等から構成されている。液体吐出装置10と同様に、プリントヘッドの個数は単一でもよいし、複数個並列にあっても構わない。
供給側チューブ24と回収側チューブ42(液体回収流路の一例)とは、循環型プリントヘッド60を介して連通されている。また、回収側チューブ42は、回収側ポンプ用ダンパー44が接続されており、回収側ポンプ用ダンパー44は、回収側ポンプ52に接続されている。
液体吐出装置10と同様に、供給側ポンプ14によってインクがプリントヘッド60に供給される。ここで、プリントヘッド60から吐出されなかったインクは、回収側ポンプ52(第2の液体圧力付与手段)によって回収側チューブ42、回収側ポンプ用ダンパー44を介してメインタンク12に回収される。
回収側ポンプ用ダンパー44(第2の圧力緩衝部の一例)は、インクが流出入する液体室46と、液体室46と可撓膜48を挟んで対設された空気室50から構成される。可撓膜48は、液体室の体積を可変させるように変形又は移動が可能に構成されている。回収側ポンプ用ダンパー44は、空気室50の内部を所定圧力に設定しておくことにより、液体室46内のインクに生じた圧力変動を可撓膜48及び空気室50で吸収し、回収側ポンプ52の脈動を低減させる。
図5は、図4に示した液体吐出装置40のインク流路を音響回路モデルとしてモデル化した等価回路を示す回路図である。同図において、交流電流源71は供給側ポンプ14、交流電流源91は回収側ポンプ52に相当する。また、コンデンサ72の静電容量C、コンデンサ92の静電容量Cは、それぞれ供給側ポンプ用ダンパー16、回収側ポンプ用ダンパー44の容量(音響工学的にはコンプライアンス成分)に相当し、抵抗93の電気抵抗R及びコイル94のインダクタンスLは、供給側チューブ24、プリントヘッド60、及び回収側チューブ42の音響抵抗及びイナータンス成分に相当する。
この場合、供給側ポンプ14及び回収側ポンプ52が系全体に与える周波数応答の影響は、図6に示すように、2つの状態に近似してモデル化することができる。
図6(a)は、供給側ポンプ14の脈動の周波数応答を示す等価回路であり、図6(b)は、回収側ポンプ52の脈動の周波数応答を示す等価回路である。
それぞれのカットオフ周波数については、供給側ポンプ14は、
c1=ω/2π=1/(2π(LC0.5) …(式7)
回収側ポンプ52は、
c2=ω/2π=1/(2π(LC0.5) …(式8)
となる。
したがって、ポンプの脈動周波数fp1、fp2とカットオフ周波数fc1、fc2とが、それぞれf≦fp1、f≦fp2の関係を満たせばよい。また、共振を避けるために、m×fc1≦fp1、n×fc2≦fp2(m、nは1より大きい定数)の関係を満たすことが好ましい。一例として、m=2、n=2とすることができる。
また、fc1<fp1<m×fc1の関係にある場合にはζ>1.0を満たせばよく、fc2<fp2<m×fc2の関係にある場合にはζ>1.0を満たせばよい。
<第3の実施形態>
次に、ポンプの周波数に合わせた最適な流路構成の設計を支援する設計支援方法について説明する。
図7は、本実施形態に係る設計支援装置100の外観を示す図である。同図に示すように、設計支援装置100はパーソナルコンピュータであり、演算処理を行う本体部110、演算処理内容が表示されるモニタ120、ユーザの指示や文字情報を入力するためのキーボード130、実行プログラムが記憶された着脱式の記録媒体140等から構成される。
図8は、設計支援装置100の電気的構成を示すブロック図である。同図に示すように、本体部110には、CPU101、メモリ102、ハードディスク103の他、モニタ120に対して表示情報を出力する表示インターフェース104、キーボード130からの操作情報が入力される入力インターフェース105、記録媒体140に対する制御情報を入出力する媒体インターフェース106等が備えられている。
図9は、本実施形態に係る設計支援方法を示すフローチャートである。本実施形態では、ポンプの周波数に合わせて最適なインク供給流路を設計する。この設計支援方法に係る処理をコンピュータに実行させるためのプログラムは記録媒体140に記憶されており、設計支援装置100は、本体部110の図示しないコネクタに接続された記録媒体140からこのプログラムを読み出して実行する。なお、このプログラムは、本体部110に内蔵されたハードディスクに記憶されていてもよいし、有線又は無線のLANやIrDA、Bluetooth(登録商標)等によって設計支援装置100に読み込まれる態様であってもよい。
(ステップS1)
使用するプリントヘッドの想定インク消費量や循環量から、ポンプの回転数を決定し、これに伴うポンプの脈動周波数fを算出する。
(ステップS2)
プリントヘッド及びポンプからプリントヘッドまでのインクの供給流路の一次デザインを検討し、決定した一次デザインを設計支援装置100に入力する(一次デザインを取得する工程の一例)。
(ステップS3)
ステップS2で検討した供給流路の一次デザイン内の流路パラメータに基づいて、供給流路の合成抵抗R、合成イナータンスL、及びコンプライアンス値Cを算出する(取得工程、算出工程の一例)。
例えば、供給流路の流路内径がr[m]及び流路長がl[m]である場合、供給流路内を流れるインクの粘性抵抗をη[Pa・s]とすると、流路抵抗Rは、
R[Pa・s/m]=128lη/(πr) …(式9)
のように導くことができる。
また、供給流路の内径がr[m]及び流路長がl[m]である場合、供給流路内を流れるインクの密度をρ[kg/m]とすると、イナータンスLは、
L[kg/m]=ρl/(πr) …(式10)
のように導くことができる。
さらに、コンプライアンスについては、弾性を持つもので圧力緩衝させる場合、弾性率から計算することができる。例えば、ダンパーの体積がV[m]、弾性率がκ[Pa]である場合には、コンプライアンスCは、
C=[m/Pa]=V/κ …(式11)
のように導くことができる。
なお、流路形状が非常に複雑である等により、一般化して導くことができない場合もある。このような場合は、実測値を用いて合成抵抗R、合成イナータンスL、コンプライアンス値Cを導いてもよい。
(ステップS4)
ステップS3において算出されたL、R、Cの値から、上述の式5、式6を用いて、インクの供給系のカットオフ周波数f及び減衰項ζを算出する。
(ステップS5)
次に、ステップS1において算出したポンプの脈動周波数fとステップS4において算出したインクの供給系のカットオフ周波数fとが、f≧fの関係を満たすか否かを判定する(判定工程の一例)。本実施形態では、f≧fを満たす関係のうち、特にf≧mfの関係、又はf≦f<mfかつζ>1の関係を満たすか否かを判定する。なお、本実施形態では、m=2として説明する。
まず、f≧2fを満たすか否かを判定する。この関係を満たす場合には、ポンプの脈動が低減でき、共振は発生しない。したがって、一次デザインのプリントヘッド及び周辺供給路で問題ないと判断し、処理を終了する。満たさない場合には、ステップS6に移行する。
(ステップS6)
≧2fを満たさない場合には、f≦f<2fを満たすか否かを判定する。この関係を満たす場合にはステップS7に移行し、満たさない場合にはステップS9に移行する。
(ステップS7)
≦f<2fを満たす場合には、次に、ζ>1を満たすか否かを判定する。満たす場合には、ポンプの脈動が低減でき、共振は発生しない。したがって、一次デザインのプリントヘッド及び周辺供給路で問題ないと判断し、処理を終了する。満たさない場合には、ステップS8に移行する。
(ステップS8)
≦f<2fであって、かつζ≦1の場合には、共振が発生し、脈動を低減することができない。したがって、一次デザインから合成抵抗Rを大きくして、ζ>1とする旨の警告をモニタ120に表示する。ユーザは、この警告を見て、一次デザインからRが大きくなるように流路を変更することができる。
また、ζ>1とするための合成抵抗Rの値を表示させてもよい。この場合、ユーザは、合成抵抗Rが表示された値となるように一次デザインを変更することができる。
(ステップS9)
<fの場合には、脈動を低減することができない。したがって、合成イナータンスL及びコンプライアンス値Cの少なくとも一方の値を変更し、f≧2fの関係、又はf≦f<mfかつζ>1の関係を満たすようにする旨の警告をモニタ120に表示する。ユーザは、この警告を見て、一次デザインからL及びCの少なくとも一方の値が変更されるように流路を変更することができる。
また、f≧2fの関係、又はf≦f<mfかつζ>1の関係を満たすための合成イナータンスL及びコンプライアンス値Cの少なくとも一方の値を表示させてもよい。この場合、ユーザは、合成イナータンスLやコンプライアンス値Cの値が表示された値となるように一次デザインを変更することができる。
ここでは、図1に示した非循環型プリントヘッドを有する液体吐出装置10について説明したが、図4に示した供給側ポンプと回収側ポンプとを有する液体供給装置にも適用することができる。この場合には、図6に示した等価回路を用いて、それぞれのポンプについて図9に示した処理を行うことで、供給経路と回収経路を最適化することができる。
本実施形態の設計支援方法により設計した流路パラメータに基づいて、液体吐出装置を設計し(設計工程の一例)、設計した液体吐出装置を製造することで(液体吐出装置の製造方法の一例)、ポンプの脈動が低減され、共振が発生しない液体吐出装置を得ることができる。
<第4の実施形態>
図10に示すフローチャートを用いて、本実施形態に係る設計支援方法について説明する。本実施形態では、インク供給流路に合わせて最適なポンプの周波数を設計する。なお、本実施形態に係る設計支援装置は、図7、図8に示した設計支援装置100と同様である。
(ステップS11)
デザインが決定しているプリントヘッド及びインク供給流路内の流路パラメータに基づいて、合成抵抗R、合成イナータンスL、及びコンプライアンス値Cを算出する。これらの値の算出には、上述の式9〜式11を用いればよい。
(ステップS12)
ステップS11において算出されたL、R、Cの値から、上述の式5、式6を用いて、インクの供給系のカットオフ周波数f及び減衰項ζを算出する。
(ステップS13)
次に、ステップS12において算出した減衰項ζが、ζ>1を満たすか否かを判定する。満たす場合にはステップS14に移行し、満たさない場合にはステップS15に移行する。
(ステップS14)
ζ>1を満たす場合には、f≦fとなるポンプを選択する旨の表示を行い、処理を終了する。ユーザは、この表示を見て、適切なポンプの脈動周波数を知ることができる。また、f≦fとなる具体的なポンプの周波数を表示してもよい。
(ステップS15)
ζ≦1である場合には、共振を防止するため、2f≦fとなるポンプを選択する旨の表示を行い、処理を終了する。ユーザは、この表示を見て、適切なポンプの脈動周波数を知ることができる。また、2f≦fとなる具体的なポンプの周波数を表示してもよい。
本実施形態においても、図1に示した非循環型プリントヘッドにインクを送液するための液体吐出装置10について説明したが、図4に示した液体吐出装置40のように、供給側ポンプと回収側ポンプとを有する液体供給装置にも適用することができる。この場合には、図6に示した等価回路を用いて、それぞれのインク経路について図10に示した処理を行うことで、供給側ポンプと回収側ポンプを最適化することができる。
本実施形態の設計支援方法により設計した流路パラメータに基づいて、液体吐出装置を設計し(設計工程の一例)、設計した液体吐出装置を製造することで(液体吐出装置の製造方法の一例)、ポンプの脈動が低減され、共振が発生しない液体吐出装置を得ることができる。
<実施例1>
次に、プリントヘッド及びインク供給経路の系に適したポンプを導く場合について、具体的な数値を用いて説明する。
プリントヘッド及びインク供給系の合成抵抗及びイナータンスが、内径4mm、長さ1mのチューブと同等であるとした場合、R=9.07×10[Pa・s/m]、L=7.96×10[kg/m]となる。
また、この時にダンパーを100ccの空気を用いた場合、C=7.14×10−10[m/Pa](ここで、体積V=1.00×10−4[m]、弾性率κ=1.40×10[Pa])となる。
これらの値から、カットオフ周波数は、0.68[Hz]、減衰項ζ=1.36となる。したがって、0.68[Hz]より脈動周波数の高いポンプを採用すればよい。
<実施例2>
プリントヘッド及びインク供給系の合成抵抗及びイナータンスが、内径6mm、長さ1mのチューブと同等であるとした場合、R=1.79×10[Pa・s/m]、L=3.54×10[kg/m]となる。また、この時にダンパーを100ccの空気を用いた場合、C=7.14×10−10[m/Pa]となる。
これらの値から、カットオフ周波数は、1.00[Hz]、減衰項ζ=0.40となる。したがって、1.00×=2.00[Hz]より脈動周波数の高いポンプを採用すればよい。
ここで、2Hz以下のポンプを使用したい場合、フィルターなどを流路に入れることによりRを増加させることで(+2.66×10[Pa・s/m])、減衰項ζ=1になるため、脈動周波数1[Hz]のポンプを使うことが可能となる。
さらに低い脈動周波数のポンプを使用したい場合には、流路パラメータを変更し、イナータンス(C及びL)の値を変えることで対処すればよい。
<応用例>
次に、上述した液体吐出装置の応用例として、液体吐出装置10,40を適用したインクジェット記録装置について説明する。
(インクジェット記録装置の全体構成)
図11は、本実施形態に係る液体吐出装置を具備するインクジェット記録装置の全体構成を示した構成図である。同図に示すインクジェット記録装置200は、色材を含有するインクと該インクを凝集させる機能を有する凝集処理液を用いて、所定の画像データに基づいて記録媒体214の記録面に画像を形成する二液凝集方式の記録装置である。
インクジェット記録装置200は、主として、給紙部220、処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260、及び排出部270を備えて構成される。また、図11では図示を省略されているが、描画部240には液体吐出装置が設けられている。
処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260の前段に搬送される記録媒体214の受け渡しを行う手段として渡し胴232,242,252,262が設けられるとともに、処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260のそれぞれに記録媒体214を保持しながら搬送する手段として、ドラム形状を有する圧胴234,244,254,264が設けられている。
渡し胴232〜262及び圧胴234〜264は、外周面の所定位置に記録媒体214の先端部を挟んで保持するグリッパー280A,280Bが設けられている。グリッパー280Aとグリッパー280Bにおける記録媒体214の先端部を挟んで保持する構造、及び他の圧胴又は渡し胴に備えられるグリッパーとの間で記録媒体214の受け渡しを行う構造は同一であり、かつ、グリッパー280Aとグリッパー280Bは、圧胴234の外周面の圧胴234の回転方向について180°移動させた対称位置に配置されている。
グリッパー280A,280Bにより記録媒体214の先端部を狭持した状態で渡し胴232〜262及び圧胴234〜264を所定の方向に回転させると、渡し胴232〜262及び圧胴234〜264の外周面に沿って記録媒体214が回転搬送される。
なお、図11中、圧胴234に備えられるグリッパー280A,280Bのみ符号を付し、他の圧胴及び渡し胴のグリッパーの符号は省略する。
給紙部220に収容されている記録媒体(枚葉紙)214が処理液塗布部230に給紙されると、圧胴234の外周面に保持された記録媒体214の記録面に、凝集処理液(以下、単に「処理液」と記載することがある。)が付与される。なお、「記録媒体214の記録面」とは、圧胴234〜264の保持された状態における外側面であり、圧胴234〜264に保持される面と反対面である。
その後、凝集処理液が付与された記録媒体214は描画部240に送出され、描画部240において記録面の凝集処理液が付与された領域に色インクが付与され、所望の画像が形成される。
さらに、該色インクによる画像が形成された記録媒体214は乾燥処理部250に送られ、乾燥処理部250において乾燥処理が施されるとともに、乾燥処理後に定着処理部260に送られ、定着処理が施される。乾燥処理及び定着処理が施されることで、記録媒体214上に形成された画像が堅牢化される。このようにして、記録媒体214の記録面に所望の画像が形成され、該画像が記録媒体214の記録面に定着した後に、排出部270から装置外部に搬送される。
以下、インクジェット記録装置200の各部(給紙部220、処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260、排出部270)について詳細に説明する。
(給紙部)
給紙部220は、給紙トレイ222と不図示の送り出し機構が設けられ、記録媒体214は給紙トレイ222から一枚ずつ送り出されるように構成されている。給紙トレイ222から送り出された記録媒体214は、渡し胴(給紙胴)232のグリッパー(不図示)の位置に先端部が位置するように不図示のガイド部材によって位置決めされて一旦停止する。そして、グリッパー(不図示)が記録媒体214の先端部を挟んで保持し、処理液胴234に備えられるグリッパーとの間で記録媒体214の受け渡しを行う。
(処理液塗布部)
処理液塗布部230は、給紙胴232から受け渡された記録媒体214を外周面に保持して記録媒体214を所定の搬送方向へ搬送する処理液胴(処理液ドラム)234と、処理液胴234の外周面に保持された記録媒体214の記録面に処理液を付与する処理液塗布装置236と、含んで構成されている。処理液胴234を図11における反時計回りに回転させると、記録媒体214は処理液胴234の外周面に沿って反時計回り方向に回転搬送される。
図11に示す処理液塗布装置236は、処理液胴234の外周面(記録媒体保持面)と対向する位置に設けられている。処理液塗布装置236の構成例として、処理液が貯留される処理液容器と、処理液容器の処理液に一部が浸漬され、処理液容器内の処理液を汲み上げる汲み上げローラと、汲み上げローラにより汲み上げられた処理液を記録媒体214上に移動させる塗布ローラ(ゴムローラ)と、を含んで構成される態様が挙げられる。
なお、該塗布ローラを上下方向(処理液胴234の外周面の法線方向)に移動させる塗布ローラ移動機構を備え、記録媒体214以外の部分に処理液の塗布を行わないように構成する態様が好ましい。また、記録媒体214の先端部を挟持するグリッパー280A,280Bは、周面から突出しないように配置されている。
処理液塗布装置236により記録媒体214に付与される処理液は、描画部240で付与されるインク中の色材(顔料)を凝集させる色材凝集剤を含有し、記録媒体214上で処理液とインクとが接触すると、インク中の色材と溶媒との分離が促進される。
処理液塗布装置236は、記録媒体214に塗布される処理液量を計量しながら塗布することが好ましく、記録媒体214上の処理液の膜厚は、描画部240から打滴されるインク液滴の直径より十分に小さくすることが好ましい。
(描画部)
描画部240は、記録媒体214を保持して搬送する描画胴(描画ドラム)244と、記録媒体214を描画胴244に密着させるための用紙押さえローラ246と、記録媒体214にインクを付与するインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yを備えている。描画胴244の基本構造は先に説明した処理液胴234と共通している。
用紙押さえローラ246は、描画胴244の外周面に記録媒体214を密着させるためのガイド部材であり、描画胴244の外周面に対向し、渡し胴242と描画胴244との記録媒体214の受け渡し位置よりも記録媒体214の搬送方向下流側であり、且つ、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yよりも記録媒体214の搬送方向上流側に配置される。
また、用紙押さえローラ246と記録媒体214の搬送方向における最上流側のインク
ジェットヘッド248Mとの間には、用紙浮き検出センサ(不図示)が配置されている。該用紙浮き検出センサは、記録媒体214がインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの直下に進入する直前の浮き量を検出している。本例に示すインクジェット記録装置200は、用紙浮き検出センサにより検出された記録媒体214の浮き量が所定のしきい値を超える場合には、その旨を報知するとともに記録媒体214の搬送を中断させるように構成されている。
渡し胴242から描画胴244に受け渡された記録媒体214は、グリッパー(符号省略)によって先端が保持された状態で回転搬送される際に、用紙押さえローラ246によって押圧され、描画胴244の外周面に密着する。このようにして、記録媒体214を描画胴244の外周面に密着させた後に、描画胴244の外周面から浮き上がりのない状態で、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの直下の印字領域に送られる。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yはそれぞれ、マゼンダ(M)、黒(K)、シアン(C)、イエロー(Y)の4色のインクに対応しており、描画胴244の回転方向(図11における反時計回り方向)に上流側から順に配置されるとともに、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yのインク吐出面(ノズル面)が描画胴244に保持された記録媒体214の記録面と対向するように配置される。なお、「インク吐出面(ノズル面)」とは、記録媒体214の記録面と対向するインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの面であり、後述するインクが吐出されるノズル(図13に符号308を付して図示する)が形成される面である。
また、図11に示すインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yは、描画胴244の外周面に保持された記録媒体214の記録面とインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yのノズル面が略平行となるように、水平面に対して傾けられて配置されている。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yは、記録媒体214における画像形成領域の最大幅(記録媒体214の搬送方向と直交する方向の長さ)に対応する長さを有するフルライン型のヘッドであり、記録媒体214の搬送方向と直交する方向に延在するように固定設置される。また、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yのそれぞれは、詳細を後述するインク供給装置からインクが供給される。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yのノズル面(液体吐出面)には、記録媒体214の画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルがマトリクス配置されて形成されている。
記録媒体214がインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの直下の印字領域に搬送されると、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yから記録媒体214の凝集処理液が付与された領域に画像データに基づいて各色のインクが吐出(打滴)される。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yから、対応する色インクの液滴が、描画胴244の外周面に保持された記録媒体214の記録面に向かって吐出されると、記録媒体214上で処理液とインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料系色材)又は不溶化する色材(染料系色材)の凝集反応が発現し、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体214上に形成された画像における色材の移動(ドットの位置ずれ、ドットの色ムラ)が防止される。
また、描画部240の描画胴244は、処理液塗布部230の処理液胴234に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yに処理液が付着することがなく、インクの吐出異常の要因を低減することができる。
なお、本例では、MKCYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
(乾燥処理部)
乾燥処理部250は、画像形成後の記録媒体214を保持して搬送する乾燥胴(乾燥ドラム)254と、該記録媒体214上の水分(液体成分)を蒸発させる乾燥処理を施す乾燥処理装置256を備えている。なお、乾燥胴254の基本構造は、先に説明した処理液胴234及び描画胴244と共通しているので、ここでの説明は省略する。
乾燥処理装置256は、乾燥胴254の外周面に対向する位置に配置され、記録媒体214に存在する水分を蒸発させる処理部である。描画部240により記録媒体214にインクが付与されると、処理液とインクとの凝集反応により分離したインクの液体成分(溶媒成分)及び処理液の液体成分(溶媒成分)が記録媒体214上に残留してしまうので、係る液体成分を除去する必要がある。
乾燥処理装置256は、ヒータによる加熱、ファンによる送風、又はこれらを併用して記録媒体214上に存在する液体成分を蒸発させる乾燥処理を施し、記録媒体214上の液体成分を除去するための処理部である。記録媒体214に付与される加熱量及び送風量は、記録媒体214上に残留する水分量、記録媒体214の種類、及び記録媒体214の搬送速度(乾燥処理時間)等のパラメータに応じて適宜設定される。
乾燥処理装置256による乾燥処理が行われる際に、乾燥処理部250の乾燥胴254は、描画部240の描画胴244に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yにおいて、熱又は送風によるヘッドメニスカス部の乾燥によるインクの吐出異常の要因を低減することができる。
記録媒体214のカックルの矯正効果を発揮させるために、乾燥胴254の曲率を0.002(1/mm)以上とするとよい。また、乾燥処理後の記録媒体の湾曲(カール)を防止するために、乾燥胴254の曲率を0.0033(1/mm)以下とするとよい。
また、乾燥胴254の表面温度を調整する手段(例えば、内蔵ヒータ)を備え、該表面温度を50℃以上に調整するとよい。記録媒体214の裏面から加熱処理を施すことによって乾燥が促進され、次段の定着処理時における画像破壊が防止される。係る態様において、乾燥胴254の外周面に記録媒体214を密着させる手段を具備するとさらに効果的である。記録媒体214を密着させる手段の一例として、真空吸着、静電吸着などが挙げられる。
なお、乾燥胴254の表面温度の上限については、特に限定されるものではないが、乾燥胴254の表面に付着したインクをクリーニングするなどのメンテナンス作業の安全性(高温による火傷防止)の観点から75℃以下(より好ましくは60℃以下)に設定されることが好ましい。
このように構成された乾燥胴254の外周面に、記録媒体214の記録面が外側を向くように(すなわち、記録媒体214の記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥処理を施すことで、記録媒体214のシワや浮きに起因する乾燥ムラが確実に防止される。
(定着処理部)
定着処理部260は、記録媒体214を保持して搬送する定着胴(定着ドラム)264と、画像形成がされ、さらに、液体が除去された記録媒体214に加熱処理を施すヒータ266と、該記録媒体214を記録面側から押圧する定着ローラ268と、を備えて構成される。なお、定着胴264の基本構造は処理液胴234、描画胴244、及び乾燥胴254と共通しているので、ここでの説明は省略する。ヒータ266及び定着ローラ268は、定着胴264の外周面に対向する位置に配置され、定着胴264の回転方向(図11において反時計回り方向)の上流側から順に配置される。
定着処理部260では、記録媒体214の記録面に対してヒータ266による予備加熱処理が施されるとともに、定着ローラ268による定着処理が施される。ヒータ266の加熱温度は記録媒体の種類、インクの種類(インクに含有するポリマー微粒子の種類)などに応じて適宜設定される。例えば、インクに含有するポリマー微粒子のガラス転移点温度や最低造膜温度とする態様が考えられる。
定着ローラ268は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体214を加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ268は、定着胴264に対して圧接するように配置されており、定着胴264との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体214は、定着ローラ268と定着胴264との間に挟まれ、所定のニップ圧でニップされ、定着処理が行われる。
定着ローラ268の構成例として、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成する態様が挙げられる。係る加熱ローラで記録媒体214を加熱することによって、インクに含まれるポリマー微粒子のガラス転移点温度以上の熱エネルギーが付与されると、該ポリマー微粒子が溶融して画像の表面に透明の被膜が形成される。
この状態で記録媒体214の記録面に加圧を施すと、記録媒体214の凹凸に溶融したポリマー微粒子が押し込み定着されるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、好ましい光沢性を得ることができる。なお、画像層の厚みやポリマー微粒子のガラス転移点温度特性に応じて、定着ローラ268を複数段設けた構成も好ましい。
また、定着ローラ268の表面硬度は71°以下であることが好ましい。定着ローラ268の表面をより軟質化することで、コックリングにより生じた記録媒体214の凹凸に対して追随効果を期待でき、記録媒体214の凹凸に起因する定着ムラがより効果的に防止される。
図11に示すインクジェット記録装置200は、定着処理部260の処理領域の後段(記録媒体搬送方向の下流側)には、インラインセンサ282が設けられている。インラインセンサ282は、記録媒体214に形成された画像(又は記録媒体214の余白領域に形成されたチェックパターン)を読み取るためのセンサであり、CCDラインセンサが好適に用いられる。
本例に示すインクジェット記録装置200は、インラインセンサ282の読取結果に基づいてインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの吐出異常の有無が判断される。また、インラインセンサ282は、水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段を含む態様も可能である。係る態様において、水分量、表面温度、光沢度の読取結果に基づいて、乾燥処理部250の処理温度や定着処理部260の加熱温度及び加圧圧力などのパラメータを適宜調整し、装置内部の温度変化や各部の温度変化に対応して、上記制御パラメータが適宜調整される。
(排出部)
図11に示すように、定着処理部260に続いて排出部270が設けられている。排出部270は、張架ローラ272A,272Bに巻きかけられた無端状の搬送チェーン274と、画像形成後の記録媒体214が収容される排出トレイ276と、を備えて構成されている。
定着処理部260から送り出された定着処理後の記録媒体214は、搬送チェーン274によって搬送され、排出トレイ276に排出される。
〔インクジェットヘッドの構造〕
次に、描画部240に具備されるインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの構造の一例について説明する。なお、各色に対応するインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号300によってインクジェットヘッド(以下、単に「ヘッド」ともいう。)を示すものとする。
図12は、インクジェットヘッド300の概略構成図であり、同図はインクジェットヘッド300から記録媒体の記録面を見た図(ヘッドの平面透視図)となっている。同図に示すヘッド300は、n個のヘッドモジュール302‐i(iは1からnの整数)をヘッド300の長手方向に沿って一列につなぎ合わせてマルチヘッドを構成している。また、各ヘッドモジュール302‐iは、ヘッド300の短手方向の両側からヘッドカバー304,306によって支持されている。なお、ヘッドモジュール302を千鳥状に配置してマルチヘッドを構成することも可能である。
複数のサブヘッドにより構成されるマルチヘッドの適用例として、記録媒体の全幅に対応したフルライン型ヘッドが挙げられる。フルライン型ヘッドは、記録媒体の移動方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)について、記録媒体の主走査方向における長さ(幅)に対応して、複数のノズル(図13に符号308を付して図示する)が並べられた構造を有している。係る構造を有するヘッド300と記録媒体とを相対的に一回だけ走査させて画像記録を行う、いわゆるシングルパス画像記録方式により、記録媒体の全面にわたって画像を形成し得る。
ヘッド300を構成するヘッドモジュール302‐iは、略平行四辺形の平面形状を有し、隣接するサブヘッド間にオーバーラップ部が設けられている。オーバーラップ部とは、サブヘッドのつなぎ部分であり、ヘッドモジュール302‐iの並び方向について、隣接するドットが異なるサブヘッドに属するノズルによって形成される。
図13は、ヘッドモジュール302‐iのノズル配列を示す平面図である。同図に示すように、各ヘッドモジュール302‐iは、ノズル308が二次元状に並べられた構造を有し、係るヘッドモジュール302‐iを備えたヘッドは、いわゆるマトリクスヘッドと呼ばれるものである。図13に図示したヘッドモジュール302‐iは、副走査方向Yに対して角度αをなす列方向W、及び主走査方向Xに対して角度βをなす行方向Vに沿って多数のノズル308が並べられた構造を有し、主走査方向Xの実質的なノズル配置密度が高密度化されている。図13では、行方向Vに沿って並べられたノズル群(ノズル行)は符号310を付し、列方向Wに沿って並べられたノズル群(ノズル列)は符号312を付して図示されている。
なお、ノズル308のマトリクス配置の他の例として、主走査方向Xに沿う行方向、及び主走査方向Xに対して斜め方向の列方向に沿って複数のノズル308を配置する構成が挙げられる。
図14は、記録素子単位となる1チャンネル分の液滴吐出素子(1つのノズル308に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図である。同図に示すように、本例のヘッド300(ヘッドモジュール302)は、ノズル308が形成されたノズルプレート314と、圧力室316や共通流路318等の流路が形成された流路板320等を積層接合した構造から成る。ノズルプレート314は、ヘッド300のノズル面314Aを構成し、各圧力室316にそれぞれ連通する複数のノズル308が二次元的に形成されている。
流路板320は、圧力室316の側壁部を構成するとともに、共通流路318から圧力室316にインクを導く個別供給路の絞り部(最狭窄部)としての供給口322を形成する流路形成部材である。なお、説明の便宜上、図14では簡略的に図示しているが、流路板320は一枚又は複数の基板を積層した構造である。
ノズルプレート314及び流路板320は、シリコンを材料として半導体製造プロセスによって所要の形状に加工することが可能である。
共通流路318はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路318を介して各圧力室316に供給される。
圧力室316の一部の面(図14における天面)を構成する振動板324には、個別電極326及び下部電極328を備え、個別電極326と下部電極328との間に圧電体330が挟まれた構造を有するピエゾアクチュエータ332が接合されている。振動板324を金属薄膜や金属酸化膜により構成すると、ピエゾアクチュエータ332の下部電極328に相当する共通電極として機能する。なお、樹脂などの非導電性材料によって振動板を形成する態様では、振動板部材の表面に金属などの導電材料による下部電極層が形成される。
個別電極326に駆動電圧を印加することによってピエゾアクチュエータ332が変形して圧力室316の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル308からインクが吐出される。インク吐出後、ピエゾアクチュエータ332が元の状態に戻る際、共通流路318から供給口322を通って新しいインクが圧力室316に再充填される。
係る構造を有するインク室ユニットを図13に示す如く、主走査方向Xと角度βをなす行方向V及び副走査方向Yに対して角度αをなす列方向Wに沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。係るマトリクス配列において、副走査方向Yの隣接ノズル間隔をLsとするとき、主走査方向Xについては実質的に各ノズル308が一定のピッチP=Ls/tanθで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
本例では、ヘッド300に設けられたノズル308から吐出させるインクの吐出力発生手段としてピエゾアクチュエータ332を適用したが、圧力室316内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用することも可能である。
〔制御系の説明〕
図15は、インクジェット記録装置200の制御系の概略構成を示すブロック図である。インクジェット記録装置200は、通信インターフェース340、システム制御部342、搬送制御部344、画像処理部346、ヘッド駆動部348を備えるとともに、画像メモリ350、ROM352を備えている。
通信インターフェース340は、ホストコンピュータ354から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース340は、USB(Universal Serial Bus)などのシリアルインターフェースを適用してもよいし、セントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用してもよい。通信インターフェース340は、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
システム制御部342は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置200の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能し、さらに、画像メモリ350及びROM352のメモリコントローラとして機能する。すなわち、システム制御部342は、通信インターフェース340、搬送制御部344等の各部を制御し、ホストコンピュータ354との間の通信制御、画像メモリ350及びROM352の読み書き制御等を行うとともに、上記の各部を制御する制御信号を生成する。
ホストコンピュータ354から送出された画像データは通信インターフェース340を介してインクジェット記録装置200に取り込まれ、画像処理部346によって所定の画像処理が施される。
画像処理部346は、画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号(画像)処理機能を有し、生成した印字データをヘッド駆動部348に供給する制御部である。画像処理部346において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッド駆動部348を介してヘッド300の吐出液滴量(打滴量)や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。なお、図15に示すヘッド駆動部348には、ヘッド300の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
搬送制御部344は、画像処理部346により生成された印字制御用の信号に基づいて記録媒体214(図11参照)の搬送タイミング及び搬送速度を制御する。図15における搬送駆動部356は、図11の圧胴234〜264を回転させるモータや、渡し胴232〜62を回転させるモータ、給紙部220における記録媒体214の送出機構のモータ、排出部270の張架ローラ272A(272B)を駆動するモータなどが含まれ、搬送制御部344は上記のモータのコントローラーとして機能している。
画像メモリ(一次記憶メモリ)350は、通信インターフェース340を介して入力された画像データを一旦格納する一次記憶手段としての機能や、ROM352に記憶されている各種プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域(例えば、画像処理部346の作業領域)としての機能を有している。画像メモリ350には、逐次読み書きが可能な揮発性メモリ(RAM)が用いられる。
ROM352は、システム制御部342のCPUが実行するプログラムや、装置各部の制御に必要な各種データ、制御パラメータなどが格納されており、システム制御部342を通じてデータの読み書きが行われる。ROM352は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。また、外部インターフェースを備え、着脱可能な記憶媒体を用いてもよい。
さらに、このインクジェット記録装置200は、処理液付与制御部360、乾燥処理制御部362、及び定着処理制御部364を備えており、システム制御部342からの指示に従って、それぞれ、処理液塗布部230、乾燥処理部250、及び定着処理部260の各部の動作を制御する。
処理液付与制御部360は、画像処理部346から得られた印字データに基づいて、処理液付与のタイミングの制御を制御するとともに、処理液の付与量を制御する。また、乾燥処理制御部362は、乾燥処理装置256における乾燥処理のタイミングを制御するとともに、処理温度、送風量等を制御し、定着処理制御部364は、ヒータ266の温度を制御するとともに、定着ローラ268の押圧を制御する。
図11に示したインラインセンサ282を含むインライン検出部466は、インラインセンサ282から出力される読取信号にノズル除去や増幅、波形整形などの所定の信号処理を施す信号処理部を含む処理ブロックである。システム制御部342は、当該インライン検出部により得られた検出信号に基づいて、ヘッド300の吐出異常の有無を判断する。
インク供給制御部386は、インク供給部388によるヘッド300へのインク供給の制御を行う。図15に示すヘッド300及びインク供給部388は、上述した液体吐出装置10,40が適用される。
本例に示すインクジェット記録装置200は、ユーザインターフェース370を具備し、該ユーザインターフェース370は、オペレータ(ユーザ)が各種入力を行うための入力装置372と、表示部(ディスプレイ)374を含んで構成される。入力装置372には、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタンなど各種形態を採用し得る。オペレータは、入力装置372を操作することにより、印刷条件の入力、画質モードの選択、付属情報の入力・編集、情報の検索などを行うことができ、入力内容や検索結果など等の各種情報は表示部374の表示を通じて確認することができる。この表示部374はエラーメッセージなどの警告を表示する手段としても機能する。なお、図15の表示部374は、図11に図示した制御系における報知手段としてのディスプレイに適用することができる。
脱気制御部368は、メインタンク(図1参照)からヘッド300へ送られる液に脱気処理を施す脱気モジュール160の動作を制御する。
パラメータ記憶部380は、インクジェット記録装置200の動作に必要な各種制御パラメータが記憶されている。システム制御部342は、制御に必要なパラメータを適宜読み出すとともに、必要に応じて各種パラメータの更新(書換)を実行する。
圧力センサ381は、インク流路の圧力を計測するための圧力検出素子を含み、計測された圧力情報を電気信号に変換してシステム制御部342へ提供する。システム制御部342は、当該圧力情報に基づいてインク供給部388に含まれるポンプの動作(回転速度)を補正するようにインク供給制御部386へ指令信号を送出する。
プログラム格納部384は、インクジェット記録装置200を動作させるための制御プログラムが格納されている記憶手段である。
本発明の技術的範囲は、上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。各実施形態における構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態間で適宜組み合わせることができる。
10,40…液体吐出装置、12…メインタンク、14…ポンプ、16…ポンプ用ダンパー、18,46…液体室、20,48…可撓膜、22,50…空気室、24…チューブ、30,60…プリントヘッド、42…回収側チューブ、44…回収側ポンプ用ダンパー、52…回収側ポンプ、71,91…交流電流源、72,92…コンデンサ、73,93…抵抗、74,94…コイル

Claims (24)

  1. 液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに前記液体を供給する液体供給流路と、
    前記液体供給流路内の液体に圧力緩衝部を介して圧力を付与する液体圧力付与手段と、
    を有する液体吐出装置の設計支援方法であって、
    前記液体圧力付与手段の脈動周波数f、前記圧力緩衝部のコンプライアンス容量C、前記液体吐出ヘッド及び前記液体供給流路の合成イナータンスL、を取得する取得工程と、
    得られた前記C及び前記Lを用いてf=1/(2π(LC)0.5)で表されるカットオフ周波数fとfとの関係がf≧fの関係を満たす所定の関係を満たすか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程における判定結果を出力する出力工程と、
    を備えた前記所定の関係を満たす液体吐出装置の設計支援方法。
  2. 前記所定の関係は、f≧mf(mは1より大きい定数)の関係である請求項1に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  3. 前記取得工程は、前記液体吐出ヘッド及び前記液体供給流路の合成抵抗Rを取得し、
    前記所定の関係は、f≦f<mf(mは1より大きい定数)、かつ、ζ=0.5R(C/L)0.5で表される減衰項ζがζ>1の関係である請求項1に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  4. m=2である請求項2又は3に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  5. 前記液体吐出装置の流路構成の一次デザインを取得する工程と、
    前記取得した流路構成の一次デザインから前記コンプライアンス容量C、前記合成抵抗R、及び前記合成イナータンスL、を算出する算出工程と、
    を備え、
    前記出力工程は、
    前記判定工程においてf<fであると判定された場合には、前記コンプライアンス容量C及び前記合成イナータンスLのうち少なくとも一方の値の変更を促す出力をし、f≦f<mf、かつ、ζ≦1であると判定された場合には、前記合成抵抗Rの値を大きくする変更を促す出力をする請求項3又は4に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  6. 前記液体吐出ヘッドの想定液体消費量を取得する工程と、
    前記取得した想定液体消費量から前記液体圧力付与手段の脈動周波数fを算出する工程と、
    を備えた請求項5に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  7. 前記出力工程は、前記判定工程においてζ>1であると判定された場合には、f≦fとなる前記脈動周波数fを出力し、ζ≦1であると判定された場合には、mf≦fとなる前記脈動周波数fを出力する請求項3又は4に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  8. 前記液体吐出装置の流路構成を取得する工程と、
    前記取得した流路構成から前記コンプライアンス容量C、前記合成抵抗R、及び前記合成イナータンスL、を算出する算出工程と、
    を備えた請求項7に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  9. 前記出力工程は、前記判定工程において前記所定の関係を満たさないと判定された場合に、前記f、前記C、前記Lのうち少なくとも1つについて、前記所定の関係を満たす値を算出して出力する請求項1から8のいずれか1項に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  10. 前記圧力緩衝部は、前記液体供給流路と連通する液体室と、前記液体室の体積を可変させるように変形又は移動が可能な隔壁により前記液体室と隔離された気体室と、を含んで構成される請求項1から9のいずれか1項に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  11. 前記液体吐出装置は、
    前記液体吐出ヘッドから前記液体を回収する液体回収流路と、
    前記液体回収流路内の液体に第2の圧力緩衝部を介して圧力を付与する第2の液体圧力付与手段と、
    をさらに有し、
    前記取得工程は、前記第2の液体圧力付与手段の脈動周波数fp2、前記第2の圧力緩衝部のコンプライアンス容量C、前記液体吐出ヘッド、前記液体供給流路及び前記液体回収流路の合成イナータンスLを取得し、
    前記判定工程は、得られた前記C及び前記Lを用いてfc2=1/(2π(LC0.5)で表されるカットオフ周波数fc2とfp2との関係がfp2≧fc2の関係を満たす第2の関係を満たすか否かを判定する請求項1から10のいずれか1項に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  12. 前記第2の関係は、fp2≧nfc2(nは1より大きい定数)の関係である請求項11に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  13. 前記取得工程は、前記液体吐出ヘッド及び前記液体供給流路の合成抵抗Rを取得し、
    前記所定の関係は、fc2≦fp2<nfc2(nは1より大きい定数)、かつ、ζ=0.5R(C/L)0.5で表される減衰項ζがζ>1の関係である請求項11に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  14. n=2である請求項12又は13に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  15. 前記液体吐出装置の流路構成の一次デザインを取得する工程と、
    前記取得した流路構成の一次デザインから前記コンプライアンス容量C、前記合成抵抗R、及び前記合成イナータンスL、を算出する算出工程と、
    を備え、
    前記出力工程は、
    前記判定工程においてfp2<fc2であると判定された場合には、前記コンプライアンス容量C及び前記合成イナータンスLのうち少なくとも一方の値の変更を促す出力をし、fc2≦fp2<nfc2、かつ、ζ≦1であると判定された場合には、前記合成抵抗Rの値を大きくする変更を促す出力をする請求項13又は14に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  16. 前記液体吐出ヘッドの想定液体回収量を取得する工程と、
    前記取得した想定液体回収量から前記第2の液体圧力付与手段の脈動周波数fp2を算出する工程と、
    を備えた請求項15に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  17. 前記出力工程は、前記判定工程においてζ>1であると判定された場合には、fc2≦fp2となる前記脈動周波数fp2を出力し、ζ≦1であると判定された場合には、2fc2≦fp2となる前記脈動周波数fp2を出力する請求項13又は14に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  18. 前記液体吐出装置の流路構成を取得する工程と、
    前記取得した流路構成から前記コンプライアンス容量C、前記合成抵抗R、及び前記合成イナータンスL、を算出する算出工程と、
    を備えた請求項17に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  19. 前記出力工程は、前記判定工程において前記所定の関係を満たさないと判定された場合に、前記fc2、前記C、前記Lのうち少なくとも1つについて、前記第2の関係を満たす値を算出して出力する請求項11から18のいずれか1項に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  20. 前記第2の圧力緩衝部は、前記液体回収流路と連通する第2の液体室と、前記第2の液体室の体積を可変させるように変形又は移動が可能な第2の隔壁により前記第2の液体室と隔離された第2の気体室と、を含んで構成される請求項11から19のいずれか1項に記載の液体吐出装置の設計支援方法。
  21. 請求項1から20のいずれか1項に記載の液体吐出装置の設計支援方法の各工程をコンピュータに実行させるための液体吐出装置の設計支援プログラム。
  22. 液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに前記液体を供給する液体供給流路と、
    前記液体供給流路内の液体に圧力緩衝部を介して圧力を付与する液体圧力付与手段と、
    を有する液体吐出装置の設計支援装置であって、
    前記液体圧力付与手段の脈動周波数f、前記圧力緩衝部のコンプライアンス容量C、前記液体吐出ヘッド及び前記液体供給流路の合成イナータンスL、を取得する取得手段と、
    得られた前記C及び前記Lを用いてf=1/(2π(LC)0.5)で表されるカットオフ周波数fとfとの関係がf≧fの関係を満たす所定の関係を満たすか否かを判定する判定手段と、
    前記判定工程における判定結果を出力する出力手段と、
    を備えた前記所定の関係を満たす液体吐出装置の設計支援装置。
  23. 液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに前記液体を供給する液体供給流路と、
    前記液体供給流路内の液体に圧力緩衝部を介して圧力を付与する液体圧力付与手段と、
    を有する液体吐出装置の設計支援方法であって、
    前記液体圧力付与手段の脈動周波数f、前記圧力緩衝部のコンプライアンス容量C、前記液体吐出ヘッド及び前記液体供給流路の合成イナータンスL、を取得する取得工程と、
    得られた前記C及び前記Lを用いてf=1/(2π(LC)0.5)で表されるカットオフ周波数fとfとの関係がf≧fの関係を満たす所定の関係を満たすか否かを判定し、前記所定の関係を満たす場合には、前記f、前記C、前記Lを出力し、前記所定の関係を満たさないと判定された場合に、前記f、前記C、前記Lのうち少なくとも1つについて、前記所定の関係を満たす値を算出して出力する出力工程と、
    前記出力された前記f、前記C、前記Lに基づいて液体吐出装置を設計する設計工程と、
    を備えた前記所定の関係を満たす液体吐出装置の製造方法。
  24. 請求項23に記載の液体吐出装置の製造方法によって製造された液体吐出装置と、
    前記液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる移動手段と、
    前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体とを相対的に移動させながら前記ノズルから液体を吐出させて前記記録媒体の記録面に画像を形成させる制御手段と、
    を備えた画像記録装置。
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