JP2015112758A - 液体噴射装置、及び液体充填方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】気泡の残存を抑制した上で、確実、かつ速やかに液体の充填を行うことができる液体噴射装置、及び液体充填方法を提供する。
【解決手段】インクを吐出するノズル孔に連通するチャネルを有するインクジェットヘッドと、インクタンク内に収容されるインクを、インク配管を通してチャネル内に向けて通液する吸引ポンプと、吸引ポンプの駆動を制御する制御手段と、を備えたインクジェットプリンタにおいて、制御手段は、インクがチャネル内に到達したか否かの通液状況を検知する通液状況検知手段と、インクがチャネル内に到達したことを検知した場合に、吸引ポンプの駆動力を低下させる駆動力変更手段と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、液体噴射装置、及び液体充填方法に関する。
従来から、被記録媒体に向けて液滴状のインク(以下、単にインク滴という)を吐出して、被記録媒体に画像や文字を記録する装置として、インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)を備えたインクジェットプリンタ(液体噴射装置)がある。インクジェットヘッドは、インクが充填される複数のチャネルが形成されるとともに、各チャネルに各別に連通するノズル孔が形成された構成とされている。
また、上述したチャネルを画成する両側壁には、それぞれ駆動電極が設けられている。そして、インクジェットヘッドでは、各駆動電極に所定の駆動電圧を印加することで、側壁が変形してチャネル内の容積が変化する。これにより、ノズル孔からインク滴が被記録媒体に向かって吐出する。すなわち、インクジェットヘッドでは、側壁の変形に伴うチャネル内の圧力変化によりインクを吐出させるので、チャネル内にインクが隙間無く充たされている必要がある。
ここで、チャネル内にインクを供給する方法として、インクの通液方向におけるインクジェットヘッドの下流側からノズル孔を通してインクを吸引する吸引充填と、インクの通液方向におけるインクジェットヘッドの上流側からチャネル内に向けてインクを加圧する加圧充填と、が主に用いられている。
ところで、上述したインクジェットプリンタでは、新設のインクジェットヘッドにインクを充填する場合(いわゆる、初期充填)や、メンテナンス等によりインクジェットヘッド内のインクを全て抜き取った後、再度インクジェットにインクを充填する場合(いわゆる、再充填)等において、充填不良が発生する場合がある。具体的に、インクタンクからチャネル内に供給されるインクは、ノズル孔に至る間に流路形状(面積)が異なる複数の流路間を通過することになる。この場合、例えば流路形状が異なる部分をインクが通過する際、流路内面全体にインクが濡れ広がらない状態でインクが通過する場合がある。その結果、流路内の空気が気泡となってインク中に残存するおそれがある。
そして、上述したように充填不良が発生した状態で吐出動作を行うと、側壁の変形によって生じるチャネル内の圧力変化が気泡により吸収され、インクに十分に伝播しないおそれがある。その結果、インクの吐出不良が生じるおそれがある。
そこで、例えば下記特許文献1では、インクタンクからインクを吸引充填する際、インクジェットヘッドにインクが到達するまでは連続的に吸引動作を行い、インクジェットヘッドにインクが到達した後は間欠的に吸引動作を行う構成が開示されている。また、下記特許文献1には、インクジェットヘッド内にインクが到達したか否かを検出する検出手段として、フォトセンサを設ける構成も開示されている。
特開2010−46806号公報
しかしながら、上述した特許文献1の構成にあっては、間欠的な吸引動作を行うことで、流路内での圧力脈動が大きくなるため、インクが流路内の空気を巻き込み易くなり、気泡の発生を充分に抑制することが難しい。
また、上述した充填時において、ノズル孔にインクを確実に到達させるためには、ノズル孔から漏れ出るまでインクを供給する必要がある。しかしながら、上述したように圧力脈動が大きい場合には、インクがノズル孔から漏れ出る際に、空気を巻き込むことで、ノズル孔の周囲に気泡が残存するおそれがある。
なお、上述した特許文献1の構成あっては、フォトセンサによるインクの検知方法については具体的な開示がなく、またフォトセンサを新たに設ける必要があるため、構成の複雑化や装置コストの増加に繋がるという課題もある。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、気泡の残存を抑制した上で、確実、かつ速やかに液体の充填を行うことができる液体噴射装置、及び液体充填方法を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係る液体噴射装置は、液体を噴射する噴射孔に連通するチャネルを有する液体噴射ヘッドと、液体容器内に収容される前記液体を、流路を通して前記チャネル内に向けて通液する通液手段と、前記通液手段の駆動を制御する制御手段と、を備えた液体噴射装置において、前記制御手段は、前記液体が前記チャネル内に到達したか否かの通液状況を検知する通液状況検知手段と、前記液体が前記チャネル内に到達したことを検知した場合に、前記通液手段の駆動力を低下させる駆動力変更手段と、を備えていることを特徴としている。
また、上記本発明に係る液体噴射装置の液体充填方法であって、前記液体が前記チャネル内に到達したか否かの通液状況を検知する通液状況検知工程と、前記液体が前記チャネル内に到達したことを検知した場合に、前記通液手段の駆動力を低下させる駆動力変更工程と、を有していることを特徴としている。
この構成によれば、液体がチャネル内に到達したことを検知した場合に、通液手段の駆動力を低下させることで、液体の流量が小さくなる(通液脈動が小さくなる)ので、それ以降の気泡の発生が抑制されるとともに、液体噴射ヘッド内に存在している気泡が、押し出されるように排出されることになる。これにより、チャネル内での気泡の残存を抑制して、チャネル内に液体が隙間無く充たされた状態で、液体の充填を行うことが可能となる。
しかも、通液手段の駆動力を低下させることで、従来のように間欠駆動を行う場合に比べて圧力脈動の変動も抑制できる。これにより、駆動力を低下させた後、新たに気泡が発生するのを抑制できる。
また、チャネル内にインクが到達する前は、通液手段を高出力モードで駆動させることで、液体充填の作業時間が増大するのを抑制できるとともに、液体の収容容器からチャネルまで液体を確実に到達させ、充填不足になるのを抑制できる。
したがって、チャネル内での気泡の残存を抑制した上で、確実、かつ速やかに液体の充填を行うことができる。
また、上記本発明に係る液体噴射装置であって、前記液体噴射ヘッドは、前記液体噴射ヘッド内部を加熱する加熱手段と、前記液体噴射ヘッド内部の温度を検知する温度検知手段と、を有し、前記通液状況検知手段は、前記液体噴射ヘッド内の温度変化に基づいて前記通液状況を検知してもよい。
この構成によれば、通液状況検知手段が、液体噴射ヘッド内部の温度変化に基づいて通液状況を検知することで、チャネル内に液体が到達したか否かを確実に検知することができる。これにより、適切なタイミングで通液手段の駆動力を低下させることができ、充填不足や余剰インクのロスを抑制できる。
この場合、液体噴射ヘッドの駆動電圧を制御するための既存の加熱手段や温度検知手段を用いて通液状況を検知することで、従来のフォトセンサのように新たな部品を設ける必要もない。これにより、構成の簡素化や低コスト化を図ることができる。
また、上記本発明に係る液体噴射装置であって、前記加熱手段は、前記液体噴射ヘッド内部の温度が外部の温度よりも高くなるように前記液体噴射ヘッドを加熱し、前記通液状況検知手段は、前記液体噴射ヘッド内部の温度が低下したことにより、前記液体が前記チャネル内に到達したことを検知してもよい。
この構成によれば、液体噴射ヘッド内部の温度が外部の温度よりも高くなるように初期加熱を行っておくことで、通液状況を検知しやすくなり、上述した効果がより奏功される。
また、上記本発明に係る液体噴射装置であって、前記通液手段は、前記液体の通液方向における前記液体噴射ヘッドの下流側から前記噴射孔を通して前記液体を吸引する吸引ポンプを備えていてもよい。
この構成によれば、液体の通液方向における下流側から噴射孔を通して液体を吸引する吸引充填を行う液体噴射装置においては、気泡が膨張し易く、充填不良が発生し易い。このような場合であっても、チャネル内での気泡の残存を効果的に抑制した上で、確実、かつ速やかに液体の充填を行うことができる。
また、上記本発明に係る液体噴射装置であって、前記液体噴射ヘッドが搭載され、被記録媒体に対して相対移動可能とされたキャリッジとを備え、前記液体容器は、前記キャリッジに対して隔離して配設されていてもよい。
この構成によれば、充填不良が発生し易い、いわゆるオフキャリッジ型の液体噴射装置に採用することで、チャネル内での気泡の残存を効果的に抑制した上で、確実、かつ速やかにインクの充填を行うことができる。
また、上記本発明に係る液体噴射装置であって、前記液体は、溶媒に少なくとも水を含む水性インクであってもよい。
この構成によれば、水性インクのように界面活性剤を含むインクは、気泡が発生し易いため、上述した作用効果が顕著に奏功される。
また、上記本発明に係る液体噴射装置であって、前記液体は、脱気処理が施されていてもよい。
この構成によれば、液体に対して予め脱気処理を行っておくことで、液体充填中の気泡の発生を抑制し易くなる。
また、上記本発明に係る液体噴射装置であって、前記流路は、内径が3mm以上に設定されていてもよい。
この構成によれば、通液脈動が大きくなり、気泡が発生し易い比較的大径の流路を採用した場合であっても、チャネル内での気泡の残存を効果的に抑制した上で、確実、かつ速やかにインクの充填を行うことができる。
本発明によれば、気泡の残存を抑制した上で、確実、かつ速やかに液体の充填を行うことができる。
第1実施形態におけるプリンタの概略構成図である。 インクジェットヘッドの斜視図である。 ヘッドチップの斜視図である。 ヘッドチップの分解斜視図である。 制御手段を説明するためのプリンタのブロック図である。 CPUのブロック図である。 インク充填方法を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態におけるプリンタの概略構成図である。
<第1実施形態>
以下、本発明に係る第1実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、本発明の液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置の一例として、インク(液体)を利用して記録紙等の被記録媒体に記録を行うインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという)を例に挙げて説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
[プリンタ]
図1は、第1実施形態におけるプリンタ1の概略構成図である。
図1に示すように、プリンタ1は、例えば産業用等に用いられる大型のプリンタ1であって、紙等の被記録媒体Pを搬送方向(主走査方向)に搬送する搬送手段2と、被記録媒体Pにインク滴を噴射する複数のインクジェットヘッド3と、インクジェットヘッド3にインクを供給するインク供給手段4と、被記録媒体Pの搬送方向と直交する方向(副走査方向)にインクジェットヘッド3を走査する走査手段5と、を備えている。なお、符号8は、プリンタ1の外観を構成する筐体8であり、この筐体8に上述した各構成品が搭載されている。
なお、以下の説明では、主走査方向をX方向、副走査方向をY方向、そしてX方向、及びY方向に直交する方向をZ方向として説明する。ここで、プリンタ1は、X方向、Y方向が水平方向となるように、且つZ方向が上下方向となるように載置して使用されるようになっている。
搬送手段2は、Y方向に沿って延びるグリッドローラ2aと、グリッドローラ2aと平行に配置された複数のピンチローラ2bと、グリッドローラ2aをその軸回りに回転動作させるモータ等の図示しない駆動機構と、を備えている。
走査手段5は、Y方向に延びる図示しないガイドレールに沿って移動可能に配置されたキャリッジ11と、このキャリッジ11をY方向に移動させる駆動機構12と、を備えている。
駆動機構12は、Y方向に間隔をあけて配置された一対のプーリ13(図1では一方のプーリ13のみを示す)と、これら一対のプーリ13の間に巻回されてY方向に移動する無端ベルト14と、一方のプーリ13を回転駆動させる駆動モータ15と、を備えている。
キャリッジ11は、無端ベルト14に連結されており、一方のプーリ13の回転駆動による無端ベルト14の移動に伴ってY方向に移動可能とされている。また、キャリッジ11には、複数のインクジェットヘッド3がY方向に並んだ状態で搭載されている。図示の例では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等、異なる色のインクを各別に吐出する複数(本実施形態では4つ)のインクジェットヘッド3がキャリッジ11に搭載されている。なお、上述した搬送手段2及び走査手段5により、インクジェットヘッド3と被記録媒体Pとを相対的に移動させる移動機構を構成している。
<インクジェットヘッド>
次に、上述したインクジェットヘッド3について詳述する。図2は、インクジェットヘッド3の斜視図である。なお、上述した各インクジェットヘッド3は、供給されるインクの色以外は何れも同一の構成からなるため、以下の説明では、一のインクジェットヘッド3について説明する。
図2に示すように、インクジェットヘッド3は、キャリッジ11に固定される固定プレート21と、この固定プレート21上に固定されたヘッドチップ22と、インク供給手段4から供給されるインクを、ヘッドチップ22の後述する共通インク室47(図3参照)にさらに供給するインク供給部23と、ヘッドチップ22に駆動電圧を印加するヘッド駆動部24と、を備えている。
インクジェットヘッド3は、駆動電圧が印加されることで、各色のインクを所定の吐出量で吐出する。このとき、インクジェットヘッド3が走査手段5によりY方向に移動することで、被記録媒体Pにおける所定範囲に記録を行うことができ、この走査を搬送手段2により被記録媒体PをX方向に搬送しながら繰り返し行うことで、被記録媒体Pの全体に記録を行うことが可能となる。
固定プレート21には、アルミ等の金属製のベースプレート25がZ方向に沿って起立した状態で固定されているとともに、ヘッドチップ22の後述する共通インク室47にインクを供給する流路部材26が固定されている。流路部材26の上方には、インクを貯留する貯留室を内部に有する圧力緩衝器27がベースプレート25に支持された状態で配置されている。そして、流路部材26と圧力緩衝器27とはインク連結管28を介して連結され、圧力緩衝器27にはインク供給手段4の後述するインク配管62が接続されている。
そして、圧力緩衝器27は、インク配管62を介してインクが供給されると、インクを内部の貯留室内に一旦貯留した後、所定量のインクをインク連結管28及び流路部材26を介して共通インク室47に供給する。
なお、これら流路部材26、圧力緩衝器27及びインク連結管28により、上述したインク供給部23を構成している。
また、ベースプレート25には、ヘッドチップ22を駆動するための集積回路等の制御回路(駆動回路)31が搭載されたIC基板32が取り付けられている。この制御回路31と、ヘッドチップ22の駆動電極と、は、図示しない配線パターンがプリント配線されたフレキシブルプリント基板33を介して電気接続されている。これにより、制御回路31は、フレキシブルプリント基板33を介して駆動電極との間に駆動電圧を印加することが可能とされる。
そして、これら制御回路31が搭載されたIC基板32、及びフレキシブルプリント基板33により、上述したヘッド駆動部24を構成している。
(ヘッドチップ)
続いて、ヘッドチップ22について詳細に説明する。図3はヘッドチップ22の斜視図であり、図4はヘッドチップ22の分解斜視図である。
図3、図4に示すように、ヘッドチップ22は、アクチュエータプレート41、カバープレート42、支持プレート43及びノズルプレート44を備え、後述する吐出チャネル45Aの長手方向(Z方向)端部に臨むノズル孔44aからインクを吐出する、いわゆるエッジシュートタイプとされている。
アクチュエータプレート41は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料で形成されたプレートであり、その分極方向が厚さ方向(Y方向)に沿って設定されている。なお、図3、図4におけるヘッドチップ22の向きは、上述したプリンタ1の向きに一致している。
アクチュエータプレート41のY方向における一方の主面41a(カバープレート42側に位置する面)には、X方向に間隔をあけて複数のチャネル45が並設されている。これら複数のチャネル45は、一方の主面41a側に開口した状態でZ方向に沿って直線状に延びる溝部であり、アクチュエータプレート41におけるZ方向の一端面(下端面)で開口している。
複数のチャネル45の間には、断面矩形状でZ方向に延びる駆動壁46が形成され、この駆動壁46によって各チャネル45はそれぞれ区分けされている。
また、複数のチャネル45は、インクが充填される吐出チャネル45Aと、インクが充填されないダミーチャネル45Bと、に大別される。そして、これら吐出チャネル45Aとダミーチャネル45Bとは、X方向に交互に並んで配置されている。なお、チャネル45内面(駆動壁46)には、蒸着等により図示しない駆動電極が形成されている。駆動電極は、上述したフレキシブルプリント基板33を介して駆動電圧が印加されることで、圧電滑り効果により駆動壁46を変形させ、吐出チャネル45A内の容積を変化させる。
カバープレート42は、一方の主面42aがアクチュエータプレート41の一方の主面41a上に接合されている。カバープレート42は、他方の主面42b(アクチュエータプレート41とは反対側に位置する面)に形成された凹状の共通インク室47と、共通インク室47及び吐出チャネル45Aをそれぞれ連通させる複数のスリット48と、を有している。
共通インク室47は、カバープレート42のうち、チャネル45のZ方向における他端部に位置する部分に形成されたX方向に沿って長い長方形の開口である。共通インク室47には、上述した流路部材26内に連通しており、流路部材26内のインクが通液するように構成されている。
スリット48は、共通インク室47のうち、吐出チャネル45Aに対応する位置に形成され、共通インク室47内と吐出チャネル45A内とを連通しており、共通インク室47に貯留されたインクが各吐出チャネル45Aに通液するように構成されている。
図3に示すように、支持プレート43は、重ね合されたアクチュエータプレート41及びカバープレート42を支持するともに、ノズルプレート44を同時に支持している。支持プレート43には、Z方向に貫通するとともにX方向に沿って延びる嵌合孔43aが形成されており、重ね合されたアクチュエータプレート41及びカバープレート42を嵌合孔43a内に嵌め込んだ状態で支持している。
ノズルプレート44は、例えばポリイミド等の樹脂材料からなるフィルム状とされ、支持プレート43及びアクチュエータプレート41におけるZ方向の一端面(下端面)に、例えば接着等により固定されている。
また、ノズルプレート44には、X方向に所定の間隔をあけて複数のノズル孔44aが一列に並んだ状態で形成されている。これらノズル孔44aは、複数の吐出チャネル45Aに対してそれぞれ対向する位置に形成されており、各吐出チャネル45A内に連通する。
ここで、図2、図3に示すように、ヘッドチップ22には、ヘッドチップ22を介して吐出チャネル45A内を加熱するヘッドヒータ51(図3参照)と、吐出チャネル45A内の温度を間接的に検出するヘッド側温度センサ52(図2参照)と、が配設されている。
図3に示すように、ヘッドヒータ51は、抵抗体等の発熱作用を有するものからなり、例えばアクチュエータプレート41のうち、他方の主面41b上に配設されている。ヘッドヒータ51は、後述する制御手段6からの指令に基づいて、吐出チャネル45A内のインクが一定の温度に維持されるように、吐出チャネル45A内を加熱する。これにより、インクの粘性が一定に維持され、安定的な吐出動作を行うことができる。また、ヘッドヒータ51は吐出チャネル45A内を加熱できれば、その配設位置は適宜設計変更が可能であり、例えば、カバープレート42や支持プレート43に配置しても構わない。
なお、図示の例において、ヘッドヒータ51が、一のヘッドチップ22に対して一つ配設された場合について説明したが、これに限らず、複数配設されていても構わない。ヘッドヒータ51の数が単数の場合は、ヘッドヒータ51をX方向の中央あるいは端部の何処に配置しても構わない。また、ヘッドヒータ51が単数の場合に、X方向の一端から他端にわたって長尺のヘッドヒータ51を配置しても構わない。
さらに、ヘッドヒータ51の数が複数の場合は、X方向の中央、及び一端と他端にそれぞれ配置しても構わないし、複数のヘッドヒータ51をXZ平面で千鳥配置しても構わない。
図2に示すように、ヘッド側温度センサ52は、例えばサーミスタからなる温度センサである。サーミスタは、温度変化に対して電気抵抗が変化する抵抗体であり、例えば金属酸化物や半導体、セラミックス等により構成されている。また、本実施形態において、ヘッド側温度センサ52は、上述したフレキシブルプリント基板33上のうち、X方向の中央部で、かつZ方向におけるヘッドチップ22寄り(下部寄り)に実装されている。本実施形態のヘッド側温度センサ52は、フレキシブルプリント基板33を介して検出されるヘッドチップ22の温度を、間接的な吐出チャネル45A内の温度として検出している。そして、以下の説明では、ヘッド側温度センサ52により検出される温度を、便宜上、吐出チャネル45A内の温度T1とする。なお、ヘッド側温度センサ52の実装位置は、吐出チャネル45A内の温度が直接的または間接的に検出可能であれば、適宜設計変更が可能である。
また、図示の例において、ヘッド側温度センサ52が、一のヘッドチップ22に対して一つ配設された場合について説明したが、これに限らず、複数配設されていても構わない。ヘッド側温度センサ52の数が単数の場合は、ヘッド側温度センサ52をX方向の中央あるいは端部の何処に配置しても構わない。また、ヘッド側温度センサ52が単数の場合に、X方向の一端から他端にわたって長尺のヘッド側温度センサ52を配置しても構わない。
さらに、ヘッド側温度センサ52の数が複数の場合は、X方向の中央、及び一端と他端にそれぞれ配置しても構わないし、複数のヘッド側温度センサ52をXZ平面で千鳥配置しても構わない。これらの場合は、複数のヘッド側温度センサ52で検出した値をそれぞれ個別の検出値として使用することも可能である。個別の検出値とすることにより、例えば、中央・一端・他端において充填不良が発生している吐出チャネル45Aの場所をある程度の割合で特定することができる。これにより、インクジェットヘッド3を分解せずとも、例えば「共通インク室47の両端に気泡や異物が溜まっていることにより吐出チャネル45A内の充填不良が発生している可能性がある」等と、インクジェットヘッド3の不具合について原因を分析することができる。また、個別の吐出チャネル45Aについて判断する必要が無い場合は、個別の検出値を平均化して使用し、充填不良の発生の有無を1/0で判断することも可能である。
(インク供給手段)
図1に示すように、上述したインク供給手段4は、インクが収容されたインクタンク61と、インクタンク61とインクジェットヘッド3とを接続するインク配管62と、インクタンク61内のインクをインク配管62及びインクジェットヘッド3を通して吸引する吸引ユニット63と、を備えている。
インクタンク61は、複数並設されており、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等、色の異なる複数種類(本実施形態では4種類)のインクが各インクタンク61内に各別に収容されている。なお、インクの種類は4種類に限らず、適宜変更が可能である。
インク配管62は、例えば可撓性を有するフレキシブルホースであり、インクジェットヘッド3を支持するキャリッジ11の動作(移動)に追従可能とされている。すなわち、本実施形態のプリンタ1は、インクタンク61がキャリッジ11に対して隔離されるとともに、インク配管62を介してインクジェットヘッド3に接続された、いわゆるオフキャリッジ型のプリンタ1である。また、本実施形態のインク配管62の内径は、3mm以上に設定されている。
吸引ユニット63は、キャリッジ11の待機位置(被記録媒体Pの上方領域(印刷領域)から外れた位置)、すなわちホームポジションに設けられており、複数の吸引キャップ71と、吸引ポンプ72と、を備えている。
各吸引キャップ71は、各インクジェットヘッド3のノズルプレート44に下方から各別に接離可能とされるとともに、ノズル孔44a(図2参照)に連通する図示しない吸引孔を有している。なお、吸引キャップ71は、キャリッジ11がホームポジションにいるときは、インクジェットヘッド3のノズルプレート44に当接したキャッピング状態とすることが好ましい。これにより、ホームポジションにおいて、ノズル孔44aを封止しておくことができるので、インクジェットヘッド3内に充填されたインクの乾燥を抑制できる。
吸引ポンプ72は、吸引キャップ71に接続され、吸引キャップ71のキャッピング状態において、吸引キャップ71の内側空間に負圧を発生させる。これにより、インクジェットヘッド3内の圧力を、ノズル孔44aを通して減圧して、ノズル孔44aを通してインクジェットヘッド3内のインクや気体を吸引できるようになっている。なお、吸引ポンプ72の下方には、ノズル孔44aから漏れ出たインクや気体を回収する廃液タンク73が設けられている。
なお、プリンタ1の筐体8内において、キャリッジ11の移動方向(Y方向)に沿う上述した印刷領域とホームポジションとの間には、ワイパ部材75が設けられている。ワイパ部材75は、キャリッジ11の通過時に、ノズルプレート44に接触してノズルプレート44の外面を払拭する。
図5は、制御手段6を説明するためのプリンタ1のブロック図である。
図5に示すように、本実施形態のプリンタ1は、上述した各構成品に電気的に接続されて相互に信号を送受信することで、各構成品を統括的に制御する制御手段6を備えている。具体的に、制御手段6は、演算や、制御、判別、設定等の処理動作を実行するCPU81と、CPU81によって実行すべき制御プログラム等を格納するROM82と、記録データのバッファやCPU81による処理のワークエリア等として用いられるRAM83と、を備えている。また、図5における符号85は、各種データの入力や設定、操作等を行うための入力操作部85である。なお、入力操作部85は、プリンタ1の筐体8自体に配設してもよく、プリンタ1に接続されるホストコンピュータであっても構わない。
制御手段6は、上述したヘッド側温度センサ52で検出された吐出チャネル45A内の温度T1を検出し、その検出結果を上述したヘッド駆動部24に向けて出力する。そして、ヘッド駆動部24は、出力された検出結果に基づいて駆動電圧を決定し、駆動電極に駆動電圧を印加する。これにより、インク滴の吐出量変動や吐出速度変動を抑制し、常に一定の吐出条件で記録が可能となる。なお、以上の駆動電圧の制御方法は、公知の制御方法であるため、詳細な説明は省略する。
ここで、本実施形態の制御手段6は、インクジェットヘッド3へインクの初期充填時や再充填時等(以下、単にインク充填時という)における吸引ユニット63の制御を行う。図6に示すように、CPU81は、例えば初期加熱検知手段91、通液状況検知手段92、駆動力変更手段93を有している。
初期加熱検知手段91は、インク充填前の準備として、吐出チャネル45A内の初期加熱が完了したか否かを検知する。具体的に、初期加熱検知手段91は、ヘッド側温度センサ52により検出された吐出チャネル45A内の温度T1と、ROM82に記憶された充填開始温度閾値T2と、に基づいて初期加熱が完了したか否かを検知する。なお、充填開始温度閾値T2としては、予め所定の温度(プリンタ1が設置された環境温度よりも高い温度であって、例えば30℃程度)に設定してもよく、また環境温度を検出する図示しない外部温度センサを別途設け、環境温度に対して5℃〜10℃程度高い温度に設定しても構わない。
通液状況検知手段92は、インク充填時において、インクが吐出チャネル45A内に到達したか否かの通液状況を検知する。具体的に、通液状況検知手段92は、ヘッド側温度センサ52により検出された吐出チャネル45A内の温度T1と、ROM82に記憶されたインク到達温度閾値T3と、に基づいて通液状況を検知する。すなわち、通液状況検知手段92は、インクが吐出チャネル45A内に流入することによる吐出チャネル45A内の温度低下に基づいて、吐出チャネル45A内にインクが到達したことを検知する。
なお、本実施形態において、吐出チャネル45A内にインクが到達するということは、インクが吐出チャネル45A内に流入した瞬間の状態ではなく、インクがチャネル45A内に流入してから所定時間経過後の状態(例えば、インクが吐出チャネル45A内に充分に行き渡りノズル孔44aまで到達した状態)を示している。したがって、インク到達温度閾値T3は、上述した条件に基づいて適宜設計変更が可能である。例えば、この閾値T3は、ヘッド側温度センサ52で検出された値を吐出チャネル45A内の温度T1に補正した値に対応した閾値としても構わないし、ヘッド側温度センサ52で検出されたそのままの値に対応した閾値としても構わない。
駆動力変更手段93は、通液状況検知手段92の検知結果に基づいて、インクが吐出チャネル45A内に到達するまでの高出力モードと、インクが吐出チャネル45A内に到達してからの低出力モードと、に吸引ポンプ72の駆動力を変更する。なお、本実施形態において、低出力モードでの吸引ポンプ72の駆動力は、高出力モードでの駆動力に対して半分程度に設定されている。但し、各出力モードでの吸引ポンプ72の駆動力は、適宜調整が可能である。なお、上述したインク到達温度閾値T3や、吸引ポンプ72の駆動力等のデータは、上述したROM82に格納されている。
[インク充填方法]
次に、インク充填時におけるプリンタ1へのインク充填方法について説明する。図7は、インク充填方法を説明するためのフローチャートである。なお、以下の説明では、キャリッジ11がホームポジションに位置し、吸引キャップ71がキャッピング状態にあるもとして説明する。
図7に示すように、ステップS1において、まずヘッドヒータ51を駆動して、吐出チャネル45A内を初期加熱する。
次に、ステップS2において、初期加熱検知手段91は、ヘッド側温度センサ52により検出される吐出チャネル45A内の温度T1が、充填開始温度閾値T2以上であるか否かを判断する(T1≧T2)。
ステップS2の判断結果が「NO」の場合(吐出チャネル45A内の温度T1が充填開始温度閾値T2未満の場合)、吐出チャネル45A内の初期加熱が完了していないと判断する。この場合には、ステップS2のルーチンを繰り返す。
一方、ステップS2の判断結果が「YES」の場合(吐出チャネル45A内の温度T1が充填開始温度閾値T2以上の場合)、吐出チャネル45Aの初期加熱が完了したと判断して、ステップS3に進む。なお、充填開始温度閾値T2以上になった後も、制御手段6はヘッドヒータ51及びヘッド側温度センサ52を用いて、吐出チャネル45A内が所定の温度に維持されるようにヘッドヒータ51を制御する。
次に、ステップS3において、駆動力変更手段93は、吸引ポンプ72を高出力モードで駆動させる。具体的に、吸引ポンプ72が駆動すると、吸引キャップ71の内側空間が負圧となり、ノズル孔44aを通してチャネル45A内の気体を吸引することで、インクジェットヘッド3内、及びインクジェットヘッド3内に連通するインク配管62内、並びにインクタンク61内が減圧される。これにより、インクタンク61内に収容されたインクがインク配管62を通ってインクジェットヘッド3の圧力緩衝器27内に流入する。その後、圧力緩衝器27内に流入したインクは、インク連結管28を通って流路部材26に到達し、ヘッドチップ22の共通インク室47内に流入する。
そして、共通インク室47内に流入したインクは、スリット48を通って各吐出チャネル45A内に流入した後、各吐出チャネル45A内をノズル孔44aに向かって通液する。各吐出チャネル45A内に流入したインクは、ノズル孔44aに達した後、余剰インクとなってノズル孔44aから流出する。流出した余剰インクは、吸引キャップを通して廃液タンク73に回収されるようになっている。このように、ノズル孔44aから余剰インクが漏れ出す程度にインクを吸引することで、吐出チャネル45A内にインクが充填される。
ここで、ステップS4において、インクの通液状況、すなわち吐出チャネル45A内にインクが到達したか否かを検知する(通液状況検知工程)。具体的に、通液状況検知手段92は、ヘッド側温度センサ52により検出された吐出チャネル45A内の温度T1と、ROM82に記憶されたインク到達温度閾値T3と、に基づいて通液状況を検知する。
ステップS4の判断結果が「NO」の場合(吐出チャネル45A内の温度T1がインク到達温度閾値T3以上の場合)には、吐出チャネル45A内にインクが到達していないと判断して、上述したステップS4を繰り返す。
一方、ステップS4の判断結果が「YES」の場合、(吐出チャネル45A内の温度T1がインク到達温度閾値T3よりも低い場合)、吐出チャネル45A内にインクが到達したと判断して、ステップS5に進む。
ところで、上述したインクジェットヘッド3の充填不良は、インクタンク61からノズル孔44aに至る流路を通過する際のインクの流量が大きくなるに従い(通液脈動が大きくなるに従い)発生し易くなると考えられる。例えば、本実施形態のように、産業用等で用いられる大型のプリンタ1では、インクタンク61からノズル孔44aに至るまでの流路長が長く、また大量のインクを供給する必要がある。そのため、流路(例えば、インク配管62)の内径の大きくして、高出力モードでインク充填を行っている。
しかしながら、高出力モードによるインク充填では、充填中に発生した気泡が、吐出チャネル45A内のノズル孔44a付近に多量に存在している可能性がある。この場合、高出力モードのインク充填を継続しても、気泡の発生を抑制することはできず、またインクがノズル孔44aから漏れ出る際に、空気を巻き込むことで、ノズル孔44aの周囲に気泡が残存するおそれがある。
一方で、インクの流量を少なくすると(通液脈動を小さくすると)、充填作業に時間を要したり、インクタンク61から吐出チャネル45Aまでインクが到達しない等の充填不足になったりする等の不具合が生じるおそれがある。
そこで、ステップS5において、駆動力変更手段93は、吸引ポンプ72の駆動力を低出力モードに変更する(駆動力変更工程)。すると、インクの通液脈動が小さくなり、気泡の発生が抑制されるとともに、ノズル孔44a付近に存在している気泡が、ノズル孔44aから押し出されるように排出されることになる。
続いて、ステップS6において、制御手段6は、吸引ポンプ72の駆動を停止させる。なお、吸引ポンプ72の停止タイミングは、低出力モードの開始から所定時間(例えば、30秒程度)に設定されている。
最後に、ステップS7において、インクジェットヘッド3及び吸引ユニット63のクリーニングを行う。具体的に、インクジェットヘッド3のクリーニングは、インクジェットヘッド3がワイパ部材75上を通過するように、キャリッジ11を走査する。これにより、インクジェットヘッド3のノズルプレート44がワイパ部材75により払拭される。
また、吸引ユニット63のクリーニングは、インクジェットヘッド3と吸引キャップ71とのキャッピング状態が解除された後、吸引ポンプ72を再度駆動させる。これにより、吸引キャップ71内に残存している余剰インクが廃液タンク73に廃液される。
以上により、インク充填が完了する。
このように、本実施形態では、インクが吐出チャネル45A内に到達したか否かの通液状況を検知する通液状況検知手段92と、インクが吐出チャネル45A内に到達したことを検知した場合に、吸引ポンプ72の駆動力を低下させる駆動力変更手段93と、を備える構成とした。
この構成によれば、吸引ポンプ72の駆動力を低下させることで、インクの通液脈動が小さくなるので、それ以降の気泡の発生が抑制されるとともに、ノズル孔44a付近に存在している気泡が、ノズル孔44aから押し出されるように排出されることになる。これにより、吐出チャネル45A内での気泡の残存を抑制して、吐出チャネル45A内にインクが隙間無く充たされた状態で、インク充填を行うことが可能となる。
しかも、低出力モードで連続的に駆動することで、従来のように間欠駆動を行う場合に比べて圧力脈動の変動も抑制できる。これにより、駆動力を低下させた後、新たに気泡が発生するのを抑制できる。
また、吐出チャネル45A内にインクが到達する前は、吸引ポンプ72を高出力モードで駆動させることで、インク充填の作業時間が増大するのを抑制できるとともに、インクタンク61から吐出チャネル45Aまでインクを確実に到達させ、充填不足になるのを抑制できる。
したがって、吐出チャネル45A内での気泡の残存を抑制した上で、確実、かつ速やかにインクの充填を行うことができる。
さらに、通液状況検知手段92が、インクジェットヘッド3内の温度変化に基づいて通液状況を検知することで、吐出チャネル45A内にインクが到達したか否かを確実に検知することができる。これにより、適切なタイミングで吸引ポンプ72の駆動力を低下させることができ、充填不足や余剰インクのロスを抑制できる。
しかも、吐出チャネル45A内の温度T1が外部の温度よりも高くなるように初期加熱を行っておくことで、通液状況を検知しやすくなり、上述した効果がより奏功される。
なお、本実施形態では、駆動電圧を制御するための既存のヘッドヒータ51及びヘッド側温度センサ52を用いて通液状況を検知することで、従来のフォトセンサのように新たな部品を設ける必要もない。これにより、構成の簡素化や低コスト化を図ることができる。
そして、本実施形態の構成を、充填不良が発生し易いオフキャリッジ型で、かつインク配管62の内径が3mm以上の大型のプリンタ1に採用することで、吐出チャネル45A内での気泡の残存を効果的に抑制した上で、確実、かつ速やかにインクの充填を行うことができる。
さらに、本実施形態のように、インクの通液方向におけるインクジェットヘッド3の下流側からノズル孔44aを通してインクを吸引する吸引充填を行うプリンタ1においては、気泡が膨張し易く、充填不良が発生し易い。このような場合であっても、吐出チャネル45A内での気泡の残存を効果的に抑制した上で、確実、かつ速やかにインクの充填を行うことができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、加圧充填を用いてインクの充填を行う点で、上述した第1実施形態と相違している。図8は、第2実施形態におけるプリンタ100の概略構成図である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態のプリンタ100は、インクの通液方向におけるインクジェットヘッド3の上流側から吐出チャネル45A(図3参照)内に向けてインクを加圧する加圧ユニット101を備えている。
加圧ユニット101は、インクタンク61とインクジェットヘッド3とを接続するインク配管62に、加圧ポンプ(通液手段)102が設けられた構成とされている。
この構成によれば、加圧ポンプ102を駆動させると、インクタンク61内のインクがインク配管62を通ってインクジェットヘッド3内に供給される。インクジェットヘッド3内に供給されたインクは、その後第1実施形態と同様に吐出チャネル45A内に充填されることになる。また、ノズル孔44aから漏れ出た余剰インクは、ノズル孔44a(図3参照)を封止するキャップ103で回収されて廃液タンク73へと排出される。
そして、本実施形態においても、上述した第1実施形態と同様のルーチン、すなわち吐出チャネル45A内にインクが到達したことを検知した場合に、加圧ポンプ102の駆動力を低下させるようにインク充填を行うことで、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、液体噴射装置の一例として、インクジェットプリンタを例に挙げて説明したが、プリンタに限られるものではない。例えば、ファックスやオンデマンド印刷機等であっても構わない。
また、上述した実施形態では、インクジェットヘッド3が複数搭載された複数色用のプリンタ1について説明したが、これに限られない。例えば、インクジェットヘッド3が一つの単色用のプリンタ1としても構わない。
さらに、上述した実施形態では、オフキャリッジ型で、かつ産業用等の大型のプリンタ1に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、各種インクジェットプリンタに本発明を適用することが可能である。
また、本発明の実施形態で用いられるインクとしては、溶媒に少なくとも水を含む水性インク、または油性インクや、UVインク、微細金属粒子インク、炭素インク等、種々の材料を用いることができる。特に、水性インクのように界面活性剤を含むインクは、気泡が発生し易いため、上述した作用効果が顕著に奏功される。
また、インクに対して予め脱気処理を行う構成としても構わない。脱気処理は、真空脱気や脱気モジュール等、公知の脱気方法を用いることが可能であり、溶存酸素量が2mg/L以下になるまで脱気処理を行うことが好ましい。これにより、インク充填中の気泡の発生を抑制し易くなる。
また、上述した吸引ポンプ72は、各インクジェットヘッド3ごとに独立して設けられていても、複数のインクジェットヘッド3に対して共通で設けられていても構わない。
吸引ポンプ72を独立して設ける場合には、各インクジェットヘッド3ごとの通液状況に応じて対応する吸引ポンプ72の駆動力を変更できるため、余剰インクのロス等を抑制できる。
一方、吸引ポンプ72を共通して設ける場合には、全てのインクジェットヘッド3に対してまとめて制御を行うため、構成の簡素化を図ることができる。但し、全てのインクジェットヘッド3に対して充填不良を抑制するためには、複数のインクジェットヘッド3のうち、全てのインクジェットヘッド3の吐出チャネル45A内にインクが到達した後に、吸引ポンプ72の駆動力を変更する必要がある。
また、高出力モードから低出力モードに至る間や、低出力モードから駆動停止に至る間等の駆動力変更時において、漸次出力が低下するように制御したり、段階的に出力が低下するように制御したりしても構わない。これにより、駆動力変更時における圧力脈動の変動を抑制できるので、気泡の発生を確実に抑制できる。
さらに、上述した実施形態では、ヘッドヒータ51を用いて吐出チャネル45A内を加熱する場合について説明したが、これに限らず、種々の方法により吐出チャネル45A内を加熱することが可能である。例えば、駆動壁46を駆動させ、その振動により吐出チャネル45A内を加熱することも可能である。
さらに、上述した実施形態では、通液状況の変化を吐出チャネル45A内の温度変化に基づき検知する構成について説明したが、これに限られない。例えば、吐出チャネル45Aを画成する駆動壁46に形成された駆動電極間での電荷の変化に基づいて、通液状況を検知しても構わない。
また、上述した実施形態では、分極方向が厚さ方向に一方向のアクチュエータプレートを用いた構成について説明したが、分極方向が厚さ方向で異なる2枚のアクチュエータプレートを用いても構わない。
さらに、上述した実施形態では、吐出チャネル45Aとダミーチャネル45Bとが交互に並んだ、いわゆるアイソレートタイプのヘッドチップ22について説明したが、これに限られない。例えば、吐出チャネル45Aが連続的に配列された、いわゆるシェアードウォールタイプのヘッドチップ22を採用することも可能である。
さらに、上述した実施形態では、エッジシュートタイプのヘッドチップ22を例に挙げて説明したが、この場合に限定されず、吐出チャネル45Aの長手方向中央に臨むノズル孔44aからインクを吐出する、いわゆるサイドシュートタイプとしても構わない。
この場合には、例えばアクチュエータプレート41の他方の主面41b側にノズルプレート44を重ね合せ、吐出チャネル45Aの長手方向中央部分にノズル孔44aに連通する連通口を形成する等すれば良い。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせても構わない。
1,100…インクジェットプリンタ(液体噴射装置)
3…インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)
6…制御手段
11…キャリッジ
44a…ノズル孔
45A…吐出チャネル(チャネル)
51…ヘッドヒータ(加熱手段)
52…ヘッド側温度センサ(温度検知手段)
61…インクタンク(液体容器)
62…インク配管(流路)
72…吸引ポンプ(通液手段)
92…通液状況検知手段
93…駆動力変更手段
102…加圧ポンプ(通液手段)

Claims (9)

  1. 液体を噴射する噴射孔に連通するチャネルを有する液体噴射ヘッドと、
    液体容器内に収容される前記液体を、流路を通して前記チャネル内に向けて通液する通液手段と、
    前記通液手段の駆動を制御する制御手段と、を備えた液体噴射装置において、
    前記制御手段は、
    前記液体が前記チャネル内に到達したか否かの通液状況を検知する通液状況検知手段と、
    前記液体が前記チャネル内に到達したことを検知した場合に、前記通液手段の駆動力を低下させる駆動力変更手段と、を備えていることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1記載の液体噴射装置において、
    前記液体噴射ヘッドは、
    前記液体噴射ヘッド内部を加熱する加熱手段と、
    前記液体噴射ヘッド内部の温度を検知する温度検知手段と、を有し、
    前記通液状況検知手段は、前記液体噴射ヘッド内の温度変化に基づいて前記通液状況を検知することを特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項2記載の液体噴射装置において、
    前記加熱手段は、前記液体噴射ヘッド内部の温度が外部の温度よりも高くなるように前記液体噴射ヘッドを加熱し、
    前記通液状況検知手段は、前記液体噴射ヘッド内部の温度が低下したことにより、前記液体が前記チャネル内に到達したことを検知することを特徴とする液体噴射装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の液体噴射装置において、
    前記通液手段は、前記液体の通液方向における前記液体噴射ヘッドの下流側から前記噴射孔を通して前記液体を吸引する吸引ポンプを備えていることを特徴とする液体噴射装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の液体噴射装置において、
    前記液体噴射ヘッドが搭載され、被記録媒体に対して相対移動可能とされたキャリッジを備え、
    前記液体容器は、前記キャリッジに対して隔離して配設されていることを特徴とする液体噴射装置。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の液体噴射装置において、
    前記液体は、溶媒に少なくとも水を含む水性インクであることを特徴とする液体噴射装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の液体噴射装置において、
    前記液体は、脱気処理が施されていることを特徴とする液体噴射装置。
  8. 請求項1から請求項7の何れか1項に記載の液体噴射装置において、
    前記流路は、内径が3mm以上に設定されていることを特徴とする液体噴射装置。
  9. 請求項1から請求項8の何れか1項に記載の液体噴射装置の液体充填方法であって、
    前記液体が前記チャネル内に到達したか否かの通液状況を検知する通液状況検知工程と、
    前記液体が前記チャネル内に到達したことを検知した場合に、前記通液手段の駆動力を低下させる駆動力変更工程と、を有していることを特徴とする液体充填方法。
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