JP5646195B2 - インクジェット記録装置及び断熱処理方法 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録装置及び断熱処理方法に係り、特にインクジェットヘッドの周辺の環境温度を安定させるための断熱処理技術に関する。
汎用の画像記録装置として、インクジェット方式により記録媒体上に所望の画像を形成するインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、安定したインク打滴の環境を作ることと、媒体上に打滴されたインクを短時間で乾燥させることによって性能の良し悪しが決められる。例えば、安定したインク打滴の環境を実現するためには、インクジェットヘッドの周辺を一定温度に保つことが重要である。一方、インクを短時間で乾燥させるためには、インク打滴の直後から加熱処理を施すことが有効である。
インク打滴後の記録媒体に対する乾燥処理の高速化を図るためには、インク打滴の直後から乾燥処理が開始されるように、インクジェットヘッドと乾燥処理部とを近接させるとよいが、60℃から80℃程度の乾燥処理温度よりも低い温度(例えば、30℃)を保ちたいインクジェットヘッドと、乾燥性能を上げるために前記のように高い温度を保ちたい乾燥処理部とを近づけることになる。
一方、インクジェットヘッドの低い温度状態と、乾燥処理部の高い温度状態を維持するためには、インクジェットヘッドと乾燥処理部との距離をできるだけ離せばよいが、そうすると先に述べたような効率のよい乾燥処理を実現することが困難になる。
すなわち、インクジェットヘッド周辺の低い温度環境と、乾燥処理部の高い温度環境といった、相反する環境を同時に実現するには様々な工夫が必要になる。従来技術に係る装置構成では、インクジェットヘッドに冷却処理を施すための冷却機を備え、かかる冷却機によってインクジェットヘッドは強制的に冷却されるように構成されていた。
特許文献1は、印字部の上流に位置する給紙部と印字部との間にエアカーテンを配置して、印字部の上流の空間と印字部の空間とを分離するように構成された記録装置が開示されている。
特開2006−69739号公報
しかしながら、乾燥処理部と近接配置されたために、乾燥処理部から発生した熱によって環境温度が高くなってしまうインクジェットヘッド及びその周辺を冷却するための冷却機を備えると、装置全体として大型化してしまうとともに消費電力が増加してしまう。しかし、インクジェットヘッドの環境温度が所定の温度を超えてしまうと、インクジェットヘッドのノズル面の結露や、用紙浮き検出センサの異常検出などといったトラブルの発生原因となる。かかるトラブルを解消するには、その対策のための部品の追加が必要となり、装置全体として対策部品を取り付けるためのスペースが必要となり、また、生産コストの増加につながってしまう。
また、インクジェットヘッドと乾燥処理部との間を、断熱性能を有する部材により物理的に遮蔽することも考えられるが、該断熱部材を配置するためのスペースが必要であり、また、記録媒体の搬送路上に該断熱部材を配置するには、配置スペースの確保以外にも、様々な障壁が存在する。
特許文献1は、記録装置において、印字部の周辺に異物が侵入することを防止するためにエアカーテンを具備する記録装置を開示しているものの、他の処理部によって発生した熱から印字部を遮断するための構成を開示していない。また、特許文献1にかかる発明は乾燥処理による熱の印字部への影響といった課題に着目しておらず、特許文献1はかかる課題を解決するための技術を開示していない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、描画後の乾燥処理の効率向上を図るとともに、乾燥処理により発生する熱の描画部への影響を抑制して好ましいインク打滴を実現するインクジェット記録装置及び断熱処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るインクジェット記録装置は、記録媒体上に画像を形成するインクジェットヘッドと、円筒形状を有し、周面に記録媒体を支持した状態で前記円筒形状の中心軸を回転軸として回転して、前記記録媒体と前記インクジェットヘッドとを相対的に周方向に沿って移動させる描画胴と、を具備する描画部と、前記インクジェットヘッドによって画像が記録された記録媒体に乾燥処理を施す乾燥処理装置と、円筒形状を有し、周面に記録媒体を支持した状態で前記円筒形状の中心軸を回転軸として回転して、前記乾燥処理装置の処理領域において前記記録媒体を周方向に沿って移動させる乾燥胴と、を具備する乾燥処理部と、前記乾燥処理部と前記描画部との境界位置に垂直下向き又は垂直方向に対して斜め下向きのエアフローを発生させて前記乾燥処理部と前記描画部とを遮熱するエアカーテンを生成するエアカーテン生成部と、を備え、前記エアカーテン生成部は、前記インクジェットヘッドよりも下側であり前記描画胴と対向する位置に配置され前記描画胴の形状に対応して前記描画胴側に傾斜した吸込側開口と、前記吸込側開口から前記描画胴の反対側へ延びる流路の内部に設けられ前記吸込側開口から流入した空気に含まれる異物を捕獲するフィルターと、前記フィルターの前記吸込側開口と反対側に設けられ前記流路を介して前記吸込側開口と連通し前記吸込側開口から吸い込まれた前記描画部の周囲の空気から異物が除去された空気が貯留されるエア貯留室と、前記エア貯留室の底面に配置され前記エア貯留室に貯留された空気を垂直下向き又は斜め下向きに排出させてエアフローを発生させるエアフロー発生手段と、前記吸込側開口及び前記エアフロー発生手段よりも下側であり前記吸込側開口と非平行の面に配置される排出側開口と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、描画部と乾燥処理部との間に発生させたエアフローによって、描画部と乾燥処理部との間を遮熱するエアカーテンが生成されるので、乾燥処理部の乾燥処理による熱の描画部への影響を抑制し、描画部の環境温度が所定の範囲に保たれるので、良好な描画環境を維持することが可能となる。また、従来は描画部(特にインクジェットヘッド)及びその周辺を冷却していた冷却器の小型化又は省略が可能となり、装置全体の小型化や低消費電力化に寄与する。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 図1に示すインクジェット記録装置に搭載されるインクジェットヘッドの構造を示す平面図 図2に示すサブヘッドのノズル配置を説明する図 図2に示すサブヘッドの立体構造を示す断面図 図1に示すインクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図 図1に示す描画部及び乾燥処理部を拡大して図示した拡大図 図6に示すエアカーテン生成部の概略構成図 図7に示すエアカーテン生成部の斜視図 図6,7に示すエアカーテン生成部の評価実験に使用される構造を示す概念図 図6,7に示すエアカーテン生成部の評価実験の結果を示す表 図6,7に示すエアカーテン生成部の評価実験の結果を示すグラフ
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成の説明〕
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成を示した構成図である。同図に示すインクジェット記録装置10は、色材を含有するインクと該インクを凝集させる機能を有する凝集処理液を用いて、所定の画像データに基づいて記録媒体14の記録面に画像を形成する2液凝集方式のオンデマンド型記録装置である。
インクジェット記録装置10は、主として、給紙部20、処理液塗布部30、描画部40、乾燥処理部50、定着処理部60、及び排出部70を備えて構成される。処理液塗布部30、描画部40、乾燥処理部50、定着処理部60の前段に搬送される記録媒体14の受け渡しを行う手段として、略円筒形状を有する渡し胴32,42,52,62が設けられるとともに、処理液塗布部30、描画部40、乾燥処理部50、定着処理部60のそれぞれに記録媒体14を保持しながら搬送する手段として、略円筒形状を有する圧胴34,44,54,64が設けられている。
圧胴34,44,54,64及び渡し胴32,42,52,62は、伝達機構(不図示)を介してモータ(不図示)と連結され、該モータを動作させることで円筒形状の中心軸を回転軸として所定の回転方向へ所定の回転速度で回転するように構成されている。また、渡し胴32,42,52,62の下側には、搬送中の記録媒体14を支持するためのガイド(不図示)が設けられている。
渡し胴32,42,52,62及び圧胴34,44,54,64は、外周面の所定位置に記録媒体14の先端部(又は後端部)を挟んで保持するグリッパー80A,80Bが設けられている。グリッパー80Aとグリッパー80Bにおける記録媒体14の先端部を挟んで保持する構造、及び他の圧胴又は渡し胴に備えられるグリッパーとの間で記録媒体14の受け渡しを行う構造は同一であり、かつ、グリッパー80Aとグリッパー80Bは、圧胴34の外周面の圧胴34の回転方向について180°移動させた対称位置に配置されている。
グリッパー80A,80Bにより記録媒体14の先端部を狭持した状態で渡し胴32,42,52,62及び圧胴34,44,54,64を所定の方向に回転させると、渡し胴32,42,52,62及び圧胴34,44,54,64の外周面に沿って記録媒体14が回転搬送される。なお、図1中、圧胴34に備えられるグリッパー80A,80Bのみ符号を付し、他の圧胴及び渡し胴のグリッパーの符号は省略する。
給紙部20に収容されている記録媒体(枚葉紙)14が処理液塗布部30に給紙されると、圧胴34の外周面に保持された記録媒体14の記録面に、凝集処理液(以下、単に「処理液」と記載することがある。)が付与される。なお、「記録媒体14の記録面」とは、圧胴34,44,54,64の保持された状態における外側面であり、圧胴34,44,54,64に保持される面と反対面である。
その後、凝集処理液が付与された記録媒体14は描画部40に送出され、描画部40において記録面の凝集処理液が付与された領域に色インクが付与され、所望の画像が形成される。
さらに、該色インクによる画像が形成された記録媒体14は乾燥処理部50に送られ、乾燥処理部50において乾燥処理が施されるとともに、乾燥処理後に定着処理部60に送られ、定着処理が施される。乾燥処理及び定着処理が施されることで、記録媒体14上に形成された画像が堅牢化される。このようにして、記録媒体14の記録面に所望の画像が形成され、該画像が記録媒体14の記録面に定着した後に、排出部70から装置外部に搬送される。
以下、インクジェット記録装置10の各部(給紙部20、処理液塗布部30、描画部40、乾燥処理部50、定着処理部60、排出部70)について詳細に説明する。
(給紙部)
給紙部20は、給紙トレイ22と不図示の送り出し機構が設けられ、記録媒体14は給紙トレイ22から一枚ずつ送り出されるように構成されている。給紙トレイ22から送り出された記録媒体14は、渡し胴(給紙胴)32のグリッパー(不図示)の位置に先端部が位置するように不図示のガイド部材によって位置決めされて一旦停止する。
(処理液塗布部)
処理液塗布部30は、給紙胴32から受け渡された記録媒体14を外周面に保持して記録媒体14を所定の搬送方向へ搬送する圧胴(処理液胴)34と、処理液胴34の外周面に保持された記録媒体14の記録面に処理液を付与する処理液塗布装置36と、含んで構成されている。処理液胴34を図1における反時計回りに回転させると、記録媒体14は処理液胴34の外周面に沿って反時計回り方向に回転搬送される。
図1に示す処理液塗布装置36は、処理液胴34の外周面(記録媒体保持面)と対向する位置に設けられている。処理液塗布装置36の構成例として、処理液が貯留される処理液容器と、処理液容器の処理液に一部が浸漬され、処理液容器内の処理液を汲み上げる汲み上げローラ(アニロックスローラ)と、該汲み上げローラにより汲み上げられた処理液を記録媒体14上に移動させる塗布ローラと、を含んで構成される態様が挙げられる。
なお、該塗布ローラを上下方向(処理液胴34の外周面の法線方向)に移動させる塗布ローラ移動機構を備え、該塗布ローラとグリッパー80A,80Bとの衝突を回避可能に構成する態様が好ましい。
処理液塗布部30により記録媒体14に付与される処理液は、描画部40で付与されるインク中の色材(顔料)を凝集させる色材凝集剤を含有し、記録媒体14上で処理液とインクとが接触すると、インク中の色材と溶媒との分離が促進される。
処理液塗布装置36は、記録媒体14に塗布される処理液量を計量しながら塗布することが好ましく、記録媒体14上の処理液の膜厚は、描画部40から打滴されるインク液滴の直径より十分に小さくすることが好ましい。
(描画部)
描画部40は、記録媒体14を保持して搬送する圧胴(描画胴)44と、記録媒体14を描画胴44に密着させるための用紙抑えローラ46と、記録媒体14にインクを付与するインクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yを備えている。なお、描画胴44の基本構造は、先に説明した処理液胴34と共通しているので、ここでの説明は省略する。なお、描画胴44に設けられるグリッパーは周面から突出しないように、周面よりも描画胴44の内側に設けられており、記録媒体14の先端部は内側に入り込んだ状態でグリッパーによって挟持される。
用紙抑えローラ46は、描画胴44の外周面に記録媒体14を密着させるためのガイド部材であり、描画胴44の外周面に対向し、渡し胴42と描画胴44との記録媒体14の受渡位置よりも記録媒体14の搬送方向下流側であり、且つ、インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yよりも記録媒体14の搬送方向上流側に配置される。
渡し胴42から描画胴44に受け渡された記録媒体14は、グリッパー(図中、符号省略)によって先端が保持された状態で回転搬送される際に、用紙抑えローラ46によって押圧され、描画胴44の外周面に密着する。このようにして、記録媒体14を描画胴44の外周面に密着させた後に、描画胴44の外周面から浮き上がりのない状態で、インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yの直下の印字領域に送られる。
描画胴44の外周面は多数の吸着穴(不図示)が設けられており、この多数の吸着穴は内部に設けられている真空流路(不図示)と連通し、さらに、該真空流路は不図示のポンプと接続されている。該ポンプを動作させて真空流路を介して吸着穴に負圧を発生させて、記録媒体14を描画胴44の外周面に吸着させるように構成されている。
インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yはそれぞれ、マゼンダ(M)、黒(K)、シアン(C)、イエロー(Y)の4色のインクに対応しており、描画胴44の回転方向(図1における反時計回り方向)に上流側から順に配置されるとともに、インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yのインク吐出面(ノズル面、図4に符号114Aを付して図示する。)が描画胴44に保持された記録媒体14の記録面と対向するように配置される。なお、「インク吐出面(ノズル面)」とは、記録媒体14の記録面と対向するインクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yの面であり、後述するインクが吐出されるノズル(図3に符号108を付して図示する。)の開口が形成される面である。
また、図1に示すインクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yは、描画胴44の外周面に保持された記録媒体14の記録面とインクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yのノズル面が略平行となるように、水平面に対して傾けられて配置されている。
インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yは、記録媒体14における画像形成領域の最大幅(記録媒体14の搬送方向と直交する方向の長さ)に対応する長さを有するフルライン型のヘッドであり、記録媒体14の搬送方向と直交する方向に延在するように固定設置される。
インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yのノズル面には、記録媒体14の画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルがマトリクス配置されて形成されている。
記録媒体14がインクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yの直下の印字領域に搬送されると、インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yから記録媒体14の凝集処理液が付与された領域に画像データに基づいて各色のインクが吐出(打滴)される。
インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yから、対応する色インクの液滴が、描画胴44の外周面に保持された記録媒体14の記録面に向かって吐出されると、記録媒体14上で処理液とインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料系色材)又は不溶化する色材(染料系色材)の凝集反応が発現し、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体14上に形成された画像における色材の移動(ドットの位置ズレ、ドットの色ムラ)が防止される。
また、描画部40の描画胴44は、処理液塗布部30の処理液胴34に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yに処理液が付着することがなく、インクの吐出異常の要因を低減することができる。
なお、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yの記録媒体搬送方向の下流側には、描画部40と乾燥処理部50との間にエアカーテン(不図示)を生成するエアカーテン生成部49が設けられている。エアカーテン生成部49の詳細は後述するが、描画部40と乾燥処理部50との間に設けられるエアカーテンによって、乾燥処理部50から描画部40への空気の流れが断熱され、インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yの周辺温度の上昇が抑制されて、該周辺温度が一定に保たれる。
(乾燥処理部)
乾燥処理部50は、画像形成後の記録媒体14を保持して搬送する圧胴(乾燥胴)54と、該記録媒体14上の水分(液体成分)を蒸発させる乾燥処理を施す溶媒乾燥装置56を備えている。なお、乾燥胴54の基本構造は、先に説明した処理液胴34と共通しているので、ここでの説明は省略する。
溶媒乾燥装置56は、乾燥胴54の外周面に対向する位置に配置され、記録媒体14に存在する水分を蒸発させる処理部である。描画部40により記録媒体14にインクが付与されると、処理液とインクとの凝集反応により分離したインクの液体成分(溶媒成分)及び処理液の液体成分(溶媒成分)が記録媒体14上に残留してしまうので、かかる液体成分を除去する必要がある。
溶媒乾燥装置56は、ヒータによる加熱、ファンによる送風、又はこれらを併用して記録媒体14上に存在する液体成分を蒸発させる乾燥処理を施し、記録媒体14上の液体成分を除去するための処理部である。記録媒体14に付与される加熱量及び送風量は、記録媒体14上に残留する水分量、記録媒体14の種類、及び記録媒体14の搬送速度(干渉処理時間)等のパラメータに応じて適宜設定される。
溶媒乾燥装置56による乾燥処理が行われる際に、乾燥処理部50の乾燥胴54は、描画部40の描画胴44に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yにおいて、熱又は送風によるヘッドメニスカス部の乾燥によるインクの吐出異常の要因を低減することができる。
記録媒体14のコックリングの矯正効果を発揮させるために、乾燥胴54の曲率を0.002(1/mm)以上とするとよい。また、乾燥処理後の記録媒体の湾曲(カール)を防止するために、乾燥胴54の曲率を0.0033(1/mm)以下とするとよい。
また、乾燥胴54の表面温度を調整する手段(例えば、内蔵ヒータ)を備え、該表面温度を50℃以上に調整するとよい。記録媒体14の裏面から加熱処理を施すことによって乾燥が促進され、次段の定着処理時における画像破壊が防止される。かかる態様において、乾燥胴54の外周面に記録媒体14を密着させる手段を具備するとさらに効果的である。記録媒体14を密着させる手段の一例として、真空吸着、静電吸着などが挙げられる。
なお、乾燥胴54の表面温度の上限については、特に限定されるものではないが、乾燥胴54の表面に付着したインクをクリーニングするなどのメンテナンス作業の安全性(高温による火傷防止)の観点から75℃以下(より好ましくは60℃以下)に設定されることが好ましい。
このように構成された乾燥胴54の外周面に、記録媒体14の記録面が外側を向くように(すなわち、記録媒体14の記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥処理を施すことで、記録媒体14のシワや浮きに起因する乾燥ムラが確実に防止される。
なお、描画胴44から受け渡された記録媒体を乾燥胴54へ受け渡すために設けられる渡し胴52を用いて、渡し胴52に支持された記録媒体へ乾燥処理が施されるように構成してもよい。渡し胴52による乾燥処理の一例として、渡し胴52の下側に設けられたガイド(図1中不図示、図6に符号52A,52Bを付して図示)にヒータ等を内蔵して、ガイドに沿って回転搬送される記録媒体14の記録面を加熱する態様や、渡し胴52にヒータ等を内蔵して、該内蔵ヒータによって記録媒体14を加熱する態様が挙げられる。
(定着処理部)
定着処理部60は、記録媒体14を保持して搬送する圧胴(定着ドラム(胴))64と、画像形成がされ、さらに、液体が除去された記録媒体14に加熱処理を施すヒータ66と、該記録媒体14を記録面側から押圧する定着ローラ68と、を備えて構成される。なお、定着胴64の基本構造は処理液胴34、描画胴44、及び乾燥胴54と共通しているので、ここでの説明は省略する。ヒータ66及び定着ローラ68は、定着胴64の外周面に対向する位置に配置され、定着胴64の回転方向(図1において反時計回り方向)の上流側から順に配置される。
定着処理部60では、記録媒体14の記録面に対してヒータ66による予備加熱処理が施されるとともに、定着ローラ68による定着処理が施される。ヒータ66の加熱温度は記録媒体の種類、インクの種類(インクに含有するポリマー微粒子の種類)などに応じて適宜設定される。例えば、インクに含有するポリマー微粒子のガラス転移点温度や最低造膜温度とする態様が考えられる。
定着ローラ68は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体14を加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ68は、定着胴64に対して圧接するように配置されており、定着胴64との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体14は、定着ローラ68と定着胴64との間に挟まれ、所定のニップ圧でニップされ、定着処理が行われる。
定着ローラ68の構成例として、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成する態様が挙げられる。かかる加熱ローラで記録媒体14を加熱することによって、インクに含まれるポリマー微粒子のガラス転移点温度以上の熱エネルギーが付与されると、該ポリマー微粒子が溶融して画像の表面に透明の被膜が形成される。
この状態で記録媒体14の記録面に加圧を施すと、記録媒体14の凹凸に溶融したポリマー微粒子が押し込み定着されるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、好ましい光沢性を得ることができる。なお、画像層の厚みやポリマー微粒子のガラス転移点温度特性に応じて、定着ローラ68を複数段設けた構成も好ましい。
また、定着ローラ68の表面硬度は71°以下であることが好ましい。定着ローラ68の表面をより軟質化することで、コックリングにより生じた記録媒体14の凹凸に対して追随効果を期待でき、記録媒体14の凹凸に起因する定着ムラがより効果的に防止される。
図1に示すインクジェット記録装置10は、定着処理部60の処理領域の後段(記録媒体搬送方向の下流側)には、インラインセンサ82が設けられている。インラインセンサ82は、記録媒体14に形成された画像(又は記録媒体14の余白領域に形成されたチェックパターン)を読み取るためのセンサであり、CCDラインセンサが好適に用いられる。本例に示すインクジェット記録装置10は、インラインセンサ82の読取結果に基づいてインクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yの吐出異常の有無が判断される。
(排出部)
図1に示すように、定着処理部60に続いて排出部70が設けられている。排出部70は、張架ローラ72A,72Bに巻きかけられた無端状の搬送チェーン74と、画像形成後の記録媒体14が収容される排出トレイ76と、を備えて構成されている。
定着処理部60から送り出された定着処理後の記録媒体14は、搬送チェーン74によって搬送され、排出トレイ76に排出される。
〔インクジェットヘッドの構造の説明〕
図2は、本発明に適用されるインクジェットヘッドの概略構成図であり、同図はインクジェットヘッドから記録媒体の記録面を見た図(ヘッドの平面透視図)となっている。なお、図1に図示したインクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yは同一構造を有しているので、以下の説明ではインクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yを区別する必要がない場合は、これらを総称して「インクジェットヘッド100」、又は単に「ヘッド100」と記載する。
同図に示すヘッド100は、n個のサブヘッド102‐i(iは1からnの整数)を一列につなぎ合わせてマルチヘッドを構成している。また、各サブヘッド102‐iは、ヘッド100の短手方向の両側からヘッドカバー104,106によって支持されている。なお、サブヘッド102を千鳥状に配置してマルチヘッドを構成することも可能である。
複数のサブヘッドにより構成されるマルチヘッドの適用例として、記録媒体の全幅に対応したフルライン型ヘッドが挙げられる。フルライン型ヘッドは、記録媒体の移動方向(副走査方向Y)と直交する方向(主走査方向X)に沿って、記録媒体の主走査方向における長さ(幅)に対応して、複数のノズル(図3に符号108を付して図示する。)が並べられた構造を有している。かかる構造を有するヘッド100と記録媒体とを相対的に一回だけ走査させて画像記録を行う、いわゆるシングルパス画像記録方式により、記録媒体の全面にわたって画像を形成し得る。
図3は、サブヘッド102‐iのノズル配列を示す平面図である。同図に示すように、各サブヘッド102‐iは、ノズル108が二次元状に並べられた構造を有し、かかるサブヘッド102‐iを備えたヘッドは、いわゆるマトリクスヘッドと呼ばれるものである。
図3に示したサブヘッド102‐iは、副走査方向Yに対して角度αをなす列方向W、及び主走査方向Xに対して角度βをなす行方向Vに沿って多数のノズル108が並べられた構造を有し、主走査方向Xの実質的なノズル配置密度が高密度化されている。図3では、行方向Vに沿って並べられたノズル群(ノズル行)は符号110を付して図示され、列方向Wに沿って並べられたノズル群(ノズル列)は符号112を付して図示されている。
図4は、記録素子単位となる1チャンネル分の液滴吐出素子(1つのノズル108に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図である。同図に示すように、本例のヘッド100は、ノズル108が形成されたノズルプレート114と、圧力室116や共通流路118等の流路が形成された流路板120等を積層接合した構造から成る。ノズルプレート114は、ヘッド100のノズル面114Aを構成し、各圧力室116にそれぞれ連通する複数のノズル108が2次元的に形成されている。
流路板120は、圧力室116の側壁部を構成するとともに、共通流路118から圧力室116にインクを導く個別供給路の絞り部(最狭窄部)としての供給口122を形成する流路形成部材である。なお、説明の便宜上、図4では簡略的に図示しているが、流路板120は一枚又は複数の基板を積層した構造である。
ノズルプレート114及び流路板120は、シリコンを材料として半導体製造プロセスによって所要の形状に加工することが可能である。
共通流路118はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路118を介して各圧力室116に供給される。
圧力室116の一部の面(図4において天面)を構成する振動板124には、個別電極126及び下部電極128を備え、個別電極126と下部電極128との間に圧電体130がはさまれた構造を有するピエゾアクチュエータ132が接合されている。振動板124を金属薄膜や金属酸化膜により構成すると、ピエゾアクチュエータ132の下部電極128に相当する共通電極として機能する。なお、樹脂などの非導電性材料によって振動板を形成する態様では、振動板部材の表面に金属などの導電材料による下部電極層が形成される。
個別電極126に駆動電圧を印加することによってピエゾアクチュエータ132が変形して圧力室116の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル108からインクが吐出される。インク吐出後、ピエゾアクチュエータ132が元の状態に戻る際、共通流路118から供給口122を通って新しいインクが圧力室116に再充填される。
かかる構造を有するインク室ユニットを図3に示す如く、主走査方向Xと角度βをなす行方向V及び副走査方向Yに対して角度αをなす列方向Wに沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。かかるマトリクス配列において、副走査方向の隣接ノズル間隔をLとするとき、主走査方向については実質的に各ノズル108が一定のピッチP=L/tanθで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
なお、本発明に適用可能なノズル配列は、図3に図示したノズル配列に限定されず、例えば、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して斜めの列方向に沿って複数のノズルがマトリクス配列された態様にも適用可能である。
〔制御系の説明〕
図5は、インクジェット記録装置10のシステム構成を示すブロック図である。同図に示すように、インクジェット記録装置10は、通信インターフェース140、システム制御部142、搬送制御部144、画像処理部146、ヘッド駆動部148を備えるとともに、画像メモリ150、ROM152等を備えている。
通信インターフェース140は、ホストコンピュータ154から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース140は、USB(Universal Serial Bus)などのシリアルインターフェースを適用してもよいし、セントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用してもよい。通信インターフェース140は、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
システム制御部142は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能し、さらに、画像メモリ150及びROM152のメモリコントローラとして機能する。すなわち、システム制御部142は、通信インターフェース140、搬送制御部144等の各部を制御し、ホストコンピュータ154との間の通信制御、画像メモリ150及びROM152に対するデータの読み書き制御等を行うとともに、上記の各部を制御する制御信号を生成する。
ホストコンピュータ154から送出された画像データは通信インターフェース140を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ150に記憶される。画像メモリ150は、通信インターフェース140を介して入力された画像を格納する記憶手段であり、システム制御部142を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ150は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
搬送制御部144は、画像処理部146により生成された印字制御用の信号に基づいて記録媒体14(図1参照)の搬送タイミング及び搬送速度を制御する。図5における搬送駆動部156は、図1の圧胴34〜64を回転させるモータや、渡し胴32〜62を回転させるモータ、給紙部20における記録媒体14の送出機構のモータ、排出部70の張架ローラ72A(72B)を駆動するモータなどが含まれ、搬送制御部144は上記のモータのドライバーとしての機能を有している。
画像処理部146は、画像メモリ150に記憶されている画像データを読み出すとともに、画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号(画像)処理機能を有し、生成した印字データをヘッド駆動部148に供給する制御部である。画像処理部146において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッド駆動部148を介してヘッド100の吐出液滴量(打滴量)や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。なお、図5に示すヘッド駆動部148には、ヘッド100の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
画像メモリ150は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
ROM152には、システム制御部142のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データ(テストチャートを打滴するためのデータ、異常ノズル検知用の波形データ、描画記録用の波形データ、異常ノズル情報などを含む)が格納されている。ROM152は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。
画像入力から印字出力までの処理の流れを概説すると、印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース140を介して外部から入力され、画像メモリ150に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの多値の画像データが画像メモリ150に記憶される。
インクジェット記録装置10では、インク(色材)による微細なドットの打滴密度やドットサイズを変えることによって、人の目に疑似的な連続階調の画像を形成するため、入力されたデジタル画像の階調(画像の濃淡)をできるだけ忠実に再現するようなドットパターンに変換する必要がある。そのため、画像メモリ150に蓄えられた元画像(RGB)のデータは、システム制御部142を介して画像処理部146に送られ、濃度データ生成、補正処理、インク吐出データ生成を経てインク色ごとのドットデータに変換される。
すなわち、画像処理部146は、入力されたRGB画像データをM,K,C,Yの4色のドットデータに変換する処理を行う。こうして、画像処理部146で生成されたドットデータは、図示しない画像バッファメモリに蓄えられる。この色別ドットデータは、ヘッド100のノズルからインクを吐出するためのMKCY打滴データに変換され、印字されるインク吐出データが確定する。
こうして、ヘッド駆動部148から出力された駆動波形がヘッド100に加えられることによって、該当するノズル108からインクが吐出される。記録媒体14の搬送速度に同期してヘッド100からのインク吐出を制御することにより、記録媒体14上に画像が形成される。
また、インクジェット記録装置10は、処理液付与制御部160、乾燥処理制御部162、及び定着処理制御部164、エアカーテン生成制御部166等を備えており、システム制御部142からの指示にしたがって、それぞれ処理液塗布部30、乾燥処理部50、及び定着処理部60、エアカーテン生成部49の各部の動作を制御する。
処理液付与制御部160は、画像処理部146から得られた印字データに基づいて、処理液付与のタイミングの制御を制御するとともに、処理液の付与量を制御する。また、乾燥処理制御部162は、乾燥処理のタイミングを制御するとともに、処理温度、送風量等を制御し、定着処理制御部164は、定着処理部60のヒータ66の温度を制御するとともに、定着ローラ68の押圧を制御する。
エアカーテン生成制御部166は、描画部40と乾燥処理部50との間に設けられるエアカーテン生成部49の動作を制御する。すなわち、エアカーテン生成制御部166からエアカーテン生成部49へ、ファンモータ(図7に符号226を付して図示)の回転速度(エアフローの風速)を制御するための指令が送出される。
インライン検出部168は、図1に示したインラインセンサ82と、インラインセンサ82から出力される読取信号にノズル除去や増幅、波形整形などの所定の信号処理を施す信号処理部を含む処理ブロックである。システム制御部142は、インライン検出部168により得られた検出信号に基づいて、ヘッド100の吐出異常の有無を判断し、その判断結果を所定のメモリに記憶するとともに、ヘッド100のメンテナンスが実行されるように装置各部に指令信号を送出する。また、ヘッド100に異常が発生している旨やヘッド100のメンテナンスが行われている旨を報知するように構成してもよい。
ユーザインターフェース170は、オペレータ(ユーザ)が各種入力を行うための入力装置172と表示部(ディスプレイ)174を含んで構成される。入力装置172には、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタンなど各種形態を採用し得る。オペレータは、入力装置172を操作することにより、印刷条件の入力、画質モードの選択、付属情報の入力・編集、情報の検索などを行うことができ、入力内容や検索結果など等の各種情報は表示部174の表示を通じて確認することができる。この表示部174はエラーメッセージなどの警告を表示する手段としても機能する。
〔エアカーテンの説明〕
次に、描画部40と乾燥処理部50との間に形成されるエアカーテンについて詳細に説明する。図6は、図1に図示して描画部40及び乾燥処理部50を拡大して図示した拡大図である。同図において、先に説明した部分と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図6の描画胴44と渡し胴52の間に符号200を付して図示した破線は、エアカーテン生成部49によって生成されたエアカーテンを表している。「エアカーテン」とは、垂直下向き又は垂直方向に対して斜め下向きに面状に吹き降ろされるエアフローによって構成される。すなわち、エアカーテンは該エアフローの流れ方向について所定の長さにわたり、また、所定の幅にわたって一定の風速が維持され、物理的な遮蔽部材と同等の機能を発揮する。
本例に示す態様では、渡し胴52の下部に設けられるガイド52A,52Bにヒータを内蔵し、渡し胴52による搬送中の記録媒体14に対してガイドから放射される熱による乾燥処理が施される。したがって、本例に示すエアカーテン生成部49は、描画胴44と渡し胴52との境界位置にエアカーテン200が形成され、ガイド52A,52Bによる熱から描画部40を断熱するように、描画胴44と渡し胴52との記録媒体14の受渡位置の上部に設けられている。
本例に示すエアカーテン生成部49は、装置構成の都合上、描画胴44と渡し胴52との記録媒体14の受渡位置の上部における、たて100mm、横200mmの程度範囲に収納する必要がある。描画部40に浮遊するインクミストを回収するためのインクミスト回収部と兼用することで、図6に図示されたエアカーテン生成部49の配置が実現されている。
なお、渡し胴52によって描画後の記録媒体14の乾燥処理を行わない場合は、エアカーテン200の形成位置は描画部40と乾燥処理部50との間であればよく、渡し胴52と乾燥胴54との記録媒体14の受渡位置(符号200Aを付して図示した破線の位置)から描画胴44と渡し胴52との記録媒体14の受渡位置までの間の任意の位置にエアカーテン200を形成することが可能である。かかる態様では、エアカーテン生成部49とインクミスト回収部とを別々に設けてもよい。
図7は、図6に示すエアカーテン生成部49の概略構成を示す模式図であり、図8は図7に示すエアカーテン生成部49の斜視図である。図7に示すように、エアカーテン生成部49は、内部にエア(エアの吸引方向を白抜きの矢印線で図示)を吸引する吸込側開口220と、吸引されたエアに混入しているインクミスト等の異物を捕獲するためのフィルター222と、フィルター222によって異物が除去されたエアが貯留されるエア貯留室224と、エア貯留室224の底面に設けられ、エア貯留室224に貯留されているエアを下向き又は垂直方向に対して斜め下向きに排出させる(垂直下向き又は垂直方向に対して斜め下向きのエアフローを発生させる)ファンモータ226と、ファンモータ226により発生させたエアフローの流入口227と、流入口227よりも小さい面積を有する排出側開口230と、を有し、ファンモータ226により発生させたエアフローを絞るエア絞り部228と、を備えている。
また、図8に示すように、エアカーテン生成部49は、描画胴44及び渡し胴52の軸方向における長さに対応して吸込側開口220の長手方向の長さ及び排出側開口230の長手方向の長さが決められている。なお、図8に示す態様では、排出側開口230が長手方向について二分割され、排出側開口230の長手方向の略中央位置を境界として2つの排出側開口230が設けられている。
本例に示すエアカーテン生成部49の吸込側開口の長手方向の長さは820mmであり、排出側開口230の長手方向における長さ(2つの排出側開口230と境界部分との全長)は620mmである。なお、この数値はあくまでも一例であり、描画胴44や渡し胴52の軸方向の長さに対応して、可能な限り大きくするとよい。
図8に示すエアカーテン生成部49は描画胴44の近接位置に配置されるために、描画胴44と対向する面(吸込側面)220Aが、描画胴44の形状に合わせて斜め下向きに傾斜しており、吸込側開口220は斜め下向きに開かれた構造を有している。吸込側開口220の下側には、吸込側開口220と略垂直方向にルーバー(つば部)220Bが設けられており、斜め下向きに開かれた吸込側開口220にエアが導かれやすい構造となっている。なお、吸込側面220Aを描画胴44の形状に合わせて球面形状としてもよい。
フィルター222は、インクミストや紙粉などの捕獲対象物のサイズよりも小さいメッシュを有している。捕獲される対象物ごとにメッシュサイズが異なる複数のフィルターを備える態様も可能である。
エアカーテン生成部49は、長手方向に沿って複数のファンモータが設けられている。例えば、50mm×50mmサイズ程度のファンモータを10個から12個程度並べることで、排出側開口230の長手方向の長さに対応している。
ファンモータ226は、エアカーテン200を生成し得る風速を有するエアフロー(エアの流れ)を発生させるものであればよく、エア貯留室224のサイズと、排出側開口230の長手方向(描画胴44の軸方向)の長さに対応して適宜サイズが決められる。
エア絞り部228は、ファンモータ226により発生させたエアフローを絞り、排出側開口230から排出されるエアフローをエアカーテンとして機能させる風速に増速するために設けられている。すなわち、エア絞り部228は、エアの入口となる上面(ファンモータ226が配設される面)の面積よりも出口となる底面(排出側開口230)面積が小さくなる構造を有している。本例に示すエア絞り部228は、ファンモータ226によって発生したエアの風速を略3倍に増速させるように構成されている。
〔エアカーテンの遮熱効果の説明〕
次に、上述したエアカーテン生成部49によって生成されたエアカーテン200の遮熱効果について説明する。本例に示すインクジェット記録装置10では、インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yのノズル面114A(図4参照)の結露を防止するために、描画胴44の表面温度を30℃未満に維持する必要がある。一方、乾燥胴54の表面温度は乾燥処理によって60℃から80℃となる。この乾燥胴54の表面温度が描画胴44に伝わり描画胴44の表面温度が30℃を超えてしまうことがあり得る。
エアカーテン200によって乾燥処理部50と描画部40とを断熱するには、エアカーテン生成部49の排出側開口230の位置から渡し胴52の最下部の位置までにわたる長さを超えるエアカーテン200を生成する必要がある。本例に示す構成では、エアカーテン200の垂直方向における長さは400mm以上とされる。
垂直方向における長さが400mm以上のエアカーテン200を生成するには、吸込側開口220における風速条件は1.5m/sec以上であり、排出側開口230の風速条件は4.5m/sec以上である。
次に、上述した風速条件を満たすための、吸込側開口220の幅(短手方向の長さ)、吸込側開口220の位置、排出側開口230の幅(短手方向の長さ)、ファンモータ226の位置の条件について評価した実験について説明する。図9(a)〜(c)は、該評価実験に使用されたエアカーテン生成部49,49’、49”の概略構造(模式図)を示している。図9(a)に示すエアカーテン生成部49は、吸込側面220Aの下側端部に吸込側開口220が設けられ、ファンモータ226がエア貯留室224の内部に設けられている。図9(b)に示すエアカーテン生成部49’は、吸込側面220Aの下側端部に吸込側開口220が設けられ、ファンモータ226’がエア貯留室224の外側に設けられている。図9(c)に示すエアカーテン生成部49”は吸込側面220Aの上側端部に吸込側開口220’が設けられ、ファンモータ226がエア貯留室224の内部に設けられている。
当該評価実験では、図9(a)〜(c)に示したエアカーテン生成部49,49’、49”のそれぞれについて、吸込側開口220の開口幅、吸込側開口220の配設位置、排出側開口230の開口幅、ファンモータ226の位置の条件を変えて、吸込側開口220における風速、排出側開口230における風速が上述した条件を満たすか否かを評価した。
図10は、当該評価実験の結果を示す。No.1〜No.5は、排出側開口230の開口幅を17mmとし、No.6〜No.9は、排出側開口230の開口幅を14mmとしている。No.1は、図9(b)に示すエアカーテン生成部49’において吸込側開口220の開口幅を12.5mmとした場合であり、No.2は図9(a)に示すエアカーテン生成部49において吸込側開口220の開口幅を12.5mmとした場合である。
No.1とNo.2を比較すると、ファンモータ226,226’の位置がエア貯留室224の内部であるか外側であるかが相違している。この両者を比較すると、いずれも吸込側開口220の風速条件(1.5m/sec以上)は満たしているものの、排出側開口230の風速条件(4.5m/sec以上)を満たしていない。なお、ファンモータ226,226’の配設位置による吸込側開口220及び排出側開口230の風速について実質的な違いはないと考えられるので、No.3〜No.9はすべてファンモータ226がエア貯留室224の内部に配設される構成(図9(a),(c)参照)を用いることとする。
No.3は、図9(a)に示すエアカーテン生成部49において、吸込側開口220の開口径を20.0mmとした構成を用いた場合であり、No.2と比較して吸込側開口220の風速は減少しているものの、吸込側開口220の風速条件は満たしている。一方、排出側開口230の風速は増加しているものの、排出側開口230の風速条件を満たしていない。
No.4,5は、図9(c)に図示したエアカーテン生成部49”において吸込側開口220’の開口幅をそれぞれ12.5mm、20.0mmとした場合である。No.4は、No.2と比較して吸込側開口220’の風速条件を満たしているものの、排出側開口230の風速は増加しているが、依然として排出側開口230の風速条件を満たしていない。
一方、No.5は、No.3と比較して吸込側開口220’及び排出側開口230の風速が増加し、いずれの風速条件も満たしている。
No.6,7は、図9(a)に図示したエアカーテン生成部49において、吸込側開口220の開口幅をそれぞれ12.5mm、20.0mmとした構成を用いる場合である。また、No.8,9は、図9(c)に図示したエアカーテン生成部49”において、吸込側開口220’の開口幅を12.5mm、20.0mmとした構成を用いる場合である。No.6〜9はいずれも吸込側開口220,220’の風速条件、及び排出側開口230の風速条件を満たしている。なお、評価結果の図示は省略するが、吸込側面220Aの全面を吸込側開口220(220’)とした場合は、吸込側開口220の風速条件を満すことができない。
図11は、図10に示す評価結果を棒グラフにより図示したものである。図11に示すように、No.5〜8は、吸込側開口220,220’の風速条件(1.5m/sec以上)、及び排出側開口230の風速条件(4.5m/sec以上)をともに満たしていることが把握される。
図10及び図11に示した評価結果によれば、吸込側開口220,220’の幅を20.0mmとした場合(No.3,5,7,9)に比べて12.5mmとした場合(No.2,4,6,8)は吸込側開口220,220’の風速を大きくすることができる。また、図9(a)に図示した吸込側開口220が吸込側面220Aの下側に設けられる構成(No.2,3,6,7)よりも、図9(c)に図示した吸込側開口220’が吸込側面220Aの上側に設けられる構成(No.4,5,8,9)は、排出側開口230の風速を大きくすることができる。さらに、排出側開口230の幅を17mmとした場合(No.1〜5)に比べて14mmとした場合(No.6〜9)は排出側開口230の流速を大きくすることができる。
すなわち、排出側開口230の幅を14mmとすると、吸込側開口220(220’)の位置(吸込側面220Aの上側又は下側)、開口幅(12.5mm又は20mm)の条件によらず、所定のエアカーテン200を生成するための吸込側開口220(220’)の風速条件、及び排出側開口230の風速条件を満たすことができる。
また、排出側開口230の幅を17mmとすると、吸込側開口220’の位置を吸込側面220Aの上側とし、吸込側開口220’の開口幅を20mmとすることで、所定のエアカーテン200を生成するための吸込側開口220’の風速条件、及び排出側開口230の風速条件を満たすことができる。
以上まとめると、吸込側開口220,220’の幅(描画胴44の軸方向と直交する方向の長さ)を10mm以上30mm以下とし、排出側開口230の幅(描画胴44の軸方向と直交する方向の長さ)を10mm以上30mm以下とすると、所定のエアカーテン200を生成するための吸込側開口220’の風速条件、及び排出側開口230の風速条件が満たされた好ましいエアカーテンが形成される。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置によれば、描画部40と乾燥処理部50との間にエアカーテン200を生成するエアカーテン生成部49が設けられるので、乾燥処理部50の処理時に発生する熱から描画部40を遮断することができ、描画部40と乾燥処理部50とを近接配置させて乾燥処理の効率向上を図ったとしても、描画部40に設けられるインクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yの環境温度が一定に保たれ、安定したインク打滴が実現される。
また、エアカーテン200は、断熱性能に優れ、エアカーテン200を構成するエアフロー自体が記録媒体14の乾燥処理に寄与するとともに、渡し胴の下部に設けられたガイド52A,52Bによる乾燥処理が行われる場合には、記録媒体14をガイド52A,52Bに押し付ける機能も有している。
描画部40周辺のインクミストを回収するインクミスト回収部とエアカーテン生成部49とを兼用することで、エアカーテン生成部49を設けるための新たなスペースを必要とせず、装置の大型化を回避することができ、装置全体として消費電力の抑制にも寄与する。
エアカーテン生成部49は、垂直下向きのエアフローを発生させるファンモータ226と、ファンモータ226から発生したエアフローを絞るエア絞り部228を備えることで、ファンモータ226により生成されたエアフローの風速を上げることができ、所定の条件を有するエアカーテン200を生成し得る。
本例では、記録媒体14の幅方向について、記録媒体14の全幅に対応する長さにわたってノズルが並べられた構造を有するフルライン型ヘッドを備えたインクジェット記録装置10を例に挙げて説明したが、本発明はシリアルスキャン型のヘッドを備えたインクジェット記録装置にも適用可能である。
〔他の装置への応用例〕
上記の実施形態では、グラフィック印刷用のインクジェット記録装置への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト印刷装置、カラーフィルタ製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを得るインクジェットシステムにも広く適用できる。
〔付記〕
上記に詳述した実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
(発明1):記録媒体上に画像を形成するインクジェットヘッドと、円筒形状を有し、周面に記録媒体を支持した状態で前記円筒形状の中心軸を回転軸として回転して、前記記録媒体と前記インクジェットヘッドとを相対的に周方向に沿って移動させる描画胴と、を具備する描画部と、前記インクジェットヘッドによって画像が記録された記録媒体に乾燥処理を施す乾燥処理装置と、円筒形状を有し、周面に記録媒体を支持した状態で前記円筒形状の中心軸を回転軸として回転して、前記乾燥処理部の処理領域において前記記録媒体を周方向に沿って移動させる乾燥胴と、を具備する乾燥処理部と、前記乾燥処理部と前記描画部との間に垂直下向き又は垂直方向に対して斜め下向きのエアフローを発生させて前記乾燥処理部と前記描画部との間を遮熱するエアカーテンを生成するエアカーテン生成部と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
本発明によれば、描画部と乾燥処理部との間に発生させたエアフローによって、描画部と乾燥処理部と間を遮熱するエアカーテンが生成されるので、乾燥処理部の乾燥処理による熱の描画部への影響を抑制し、描画部の環境温度が所定の範囲に保たれるので、良好な描画環境を維持することが可能となる。また、従来は描画部(特にインクジェットヘッド)及びその周辺を冷却していた冷却器の小型化又は省略が可能となり、装置全体の小型化や低消費電力化に寄与する。
「エアカーテン」は、所定の風速を有し、一定の方向への流れを有する面状のエアフローによって構成される。かかるエアカーテンによって、乾燥処理部と描画部との間の空気の流れが遮断され、エアカーテンは物理的な断熱部材と同等の断熱機能を発揮する。
(発明2):発明1に記載のインクジェット記録装置において、前記乾燥処理部は、前記渡し胴の下側の近接位置に設けられ、搬送中の記録媒体を支持するとともに、該搬送中の記録媒体に乾燥処理を施すガイド部材を備え、前記エアカーテン生成部は、前記描画部と前記渡し胴との間にエアフローを発生させることを特徴とする。
かかる態様の一例として、ガイド部材にヒータを内蔵する態様が挙げられる。
(発明3):発明1に記載のインクジェット記録装置において、前記乾燥処理部は、前記画像記録後の記録媒体を前記描画胴から前記乾燥胴へ受け渡し、前記描画胴から前記乾燥胴へ前記画像記録後の記録媒体を搬送する間に、当該記録媒体に対して乾燥処理を施す渡し胴を備え、前記エアカーテン生成部は、前記描画部と前記渡し胴との間にエアフローを発生させることを特徴とする。
かかる態様によれば、描画胴から乾燥胴への記録媒体の受け渡しを行う渡し胴によって乾燥処理が施される場合にも、描画部と渡し胴との間にエアカーテンを生成することで、乾燥処理部による熱から描画部が遮断される。
(発明4):発明1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記エアカーテン生成手段は、垂直下向き又は垂直方向に対して斜め下向きのエアフローを発生させるエアフロー発生手段と、前記発生させたエアフローが流入する流入部と、前記流入部の面積よりも小さい面積を有し、前記描画部の軸方向の全長に対応する同方向の長さを有する排出側開口と、具備する絞り部と、を備えたことを特徴とする。
かかる態様によれば、エアフロー発生手段によって発生させたエアフローを絞ることで、エアフローの風速を増加させることができ、より好ましいエアカーテンが形成される。
かかる態様における絞り部は、エアフロー発生手段によって発生させたエアフローの風速を3倍以上に増加させるものが好ましい。
かかる態様におけるエアフロー発生手段の一例としてファンモータが挙げられる。流入口の長手方向に沿って複数のファンモータを配置してもよい。
(発明5):発明1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記エアカーテン生成手段は、前記描画部と対向する面に設けられる吸込側開口と、吸引側開口とエアフロー発生手段との間に設けられるフィルターと、を備えたことを特徴とする。
かかる態様によれば、描画部の周辺に浮遊するインクミストを回収する手段とエアカーテン発生手段が兼用され、装置の小型化に寄与するとともに、インクミストを回収する機能を維持しつつ、新たにエアカーテンを生成する機能を追加することができる。
(発明6):発明5に記載のインクジェット記録装置において、前記エアカーテン生成手段は、前記吸込側開口が前記描画部と対向する面の上側端部、又は下側端部に設けられることを特徴とする。
吸込側開口は、吸込側開口が形成される描画部と対向する面の上側端部に設けられる態様がより好ましい。
(発明7):発明5又は6に記載のインクジェット記録装置において、前記エアカーテン生成手段は、前記吸込側開口が設けられる前記描画部と対向する面が前記描画胴の形状に対応して前記描画胴側に傾斜した構造を有することを特徴とする。
かかる態様によれば、エアカーテン生成手段と描画胴とを近接配置することができ、かつ、インクミストの回収効率の向上が見込まれる。
かかる態様において、エアカーテン生成手段の描画面と対向する面を描画胴の形状に合わせて球面形状としてもよい。
(発明8):発明5乃至7のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記エアカーテン生成手段は、前記吸込側開口から前記描画胴側へ突出したつば部を有することを特徴とする。
かかる態様によれば、吸込側開口へインクミストを導きやすくなり、インクミストの回収効率の向上が見込まれる。
(発明9):発明5乃至8のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記エアカーテン生成手段は、前記吸込側開口の前記描画胴の軸方向と直交する幅方向の長さが10mm以上30mm以下であることを特徴する。
かかる態様によれば、吸込側開口における風速を1.5m/sec以上とすることができ、かつ、排出側開口における風速を4.5m/sec以上とすることができ、好ましいエアカーテンが生成される。
吸込側開口の描画胴の軸方向と直交する幅方向の長さを12.5mm以上とする態様がより好ましい。
(発明10):発明4乃至9のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記エアカーテン生成手段は、前記排出側開口の前記描画胴の軸方向と直交する幅方向の長さが10mm以上30mm以下であることを特徴する。
かかる態様によれば、吸込側開口の位置、形状によらず吸込側開口における風速及び排出側開口における風速の条件を満足することが可能となる。
排出側開口の描画胴の軸方向と直交する幅方向の長さを14mm以下とする態様がより好ましい。
(発明11):記録媒体上に画像を形成するインクジェットヘッド、及び円筒形状を有し、周面に記録媒体を支持した状態で前記円筒形状の中心軸を回転軸として回転して、前記記録媒体と前記インクジェットヘッドとを相対的に周方向に沿って移動させる描画胴を具備する描画部と、前記インクジェットヘッドによって画像が記録された記録媒体に乾燥処理を施す乾燥処理装置、及び円筒形状を有し、周面に記録媒体を支持した状態で前記円筒形状の中心軸を回転軸として回転して、前記乾燥処理部の処理領域において前記記録媒体を周方向に沿って移動させる乾燥胴を具備する乾燥処理部と、の間にエアカーテンを生成して、前記描画部と前記乾燥処理部とを熱的に遮断することを特徴とする断熱処理方法。
10…インクジェット記録装置、40…描画部、44…描画胴、48,48M,48K、48C,48Y,100…ヘッド、49,49’、49”…エアカーテン生成部、50…乾燥処理部、52…渡し胴、54…乾燥胴、220,220’…吸込側開口、220B…ルーバー、222…フィルター、224…エア貯留室、226,226’…ファンモータ、228…エア絞り部、230…排出側開口

Claims (9)

  1. 記録媒体上に画像を形成するインクジェットヘッドと、円筒形状を有し、周面に記録媒体を支持した状態で前記円筒形状の中心軸を回転軸として回転して、前記記録媒体と前記インクジェットヘッドとを相対的に周方向に沿って移動させる描画胴と、を具備する描画部と、
    前記インクジェットヘッドによって画像が記録された記録媒体に乾燥処理を施す乾燥処理装置と、円筒形状を有し、周面に記録媒体を支持した状態で前記円筒形状の中心軸を回転軸として回転して、前記乾燥処理装置の処理領域において前記記録媒体を周方向に沿って移動させる乾燥胴と、を具備する乾燥処理部と、
    前記乾燥処理部と前記描画部との境界位置に垂直下向き又は垂直方向に対して斜め下向きのエアフローを発生させて、前記乾燥処理部と前記描画部とを遮熱するエアカーテンを生成するエアカーテン生成部と、
    を備え、
    前記エアカーテン生成部は、前記インクジェットヘッドよりも下側であり前記描画胴と対向する位置に配置され前記描画胴の形状に対応して前記描画胴側に傾斜した吸込側開口と、前記吸込側開口から前記描画胴の反対側へ延びる流路の内部に設けられ前記吸込側開口から流入した空気に含まれる異物を捕獲するフィルターと、前記フィルターの前記吸込側開口と反対側に設けられ前記流路を介して前記吸込側開口と連通し前記吸込側開口から吸い込まれた前記描画部の周囲の空気から異物が除去された空気が貯留されるエア貯留室と、前記エア貯留室の底面に配置され前記エア貯留室に貯留された空気を垂直下向き又は斜め下向きに排出させてエアフローを発生させるエアフロー発生手段と、前記吸込側開口及び前記エアフロー発生手段よりも下側であり前記吸込側開口と非平行の面に配置される排出側開口と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
    前記乾燥処理部は、前記描画胴から記録媒体が受け渡される渡し胴の下側の近接位置に設けられ、搬送中の記録媒体を支持するとともに、該搬送中の記録媒体に乾燥処理を施すガイド部材を備え、
    前記エアカーテン生成部は、前記描画部と前記渡し胴との間にエアフローを発生させることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
    前記乾燥処理部は、画像記録後の記録媒体を前記描画胴から前記乾燥胴へ受け渡し、前記描画胴から前記乾燥胴へ前記画像記録後の記録媒体を搬送する間に、当該記録媒体に対して乾燥処理を施す渡し胴を備え、
    前記エアカーテン生成部は、前記描画部と前記渡し胴との間にエアフローを発生させることを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記エアカーテン生成部は、前記発生させたエアフローが流入する流入部、及び前記排出側開口を具備する絞り部を備え、
    前記排出側開口は、前記流入部の面積よりも小さい面積を有し、前記描画部の軸方向の全長に対応する同方向の長さを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記エアカーテン生成部は、前記吸込側開口が前記描画部と対向する面の上側端部、又は下側端部に設けられることを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記エアカーテン生成部は、前記吸込側開口から前記描画胴側へ突出したつば部を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記エアカーテン生成部は、前記吸込側開口の前記描画胴の軸方向と直交する幅方向の長さが10mm以上30mm以下であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記エアカーテン生成部は、前記排出側開口の前記描画胴の軸方向と直交する幅方向の長さが10mm以上30mm以下であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 記録媒体上に画像を形成するインクジェットヘッドと、円筒形状を有し、周面に記録媒体を支持した状態で前記円筒形状の中心軸を回転軸として回転して、前記記録媒体と前記インクジェットヘッドとを相対的に周方向に沿って移動させる描画胴とを具備する描画部と、前記インクジェットヘッドによって画像が記録された記録媒体に乾燥処理を施す乾燥処理装置と、円筒形状を有し、周面に記録媒体を支持した状態で前記円筒形状の中心軸を回転軸として回転して、前記乾燥処理装置の処理領域において前記記録媒体を周方向に沿って移動させる乾燥胴と、を具備する乾燥処理部と、
    前記乾燥処理部と前記描画部との境界の、前記インクジェットヘッドよりも下側であり、かつ、前記描画胴と対向する位置に配置されて、前記描画胴の形状に対応して前記描画胴側に傾斜した吸込側開口と、前記吸込側開口から前記描画胴の反対側へ延びる流路の内部に設けられ前記吸込側開口から流入した空気に含まれる異物を捕獲するフィルターと、前記フィルターの前記吸込側開口と反対側に設けられ前記流路を介して前記吸込側開口と連通し前記吸込側開口から吸い込まれた前記描画部の周囲の空気から異物が除去された空気が貯留されるエア貯留室と、前記エア貯留室の底面に配置され前記エア貯留室に貯留された空気を垂直下向き又は斜め下向きに排出させてエアフローを発生させるエアフロー発生手段と、前記吸込側開口及び前記エアフロー発生手段よりも下側であり前記吸込側開口と非平行の面に配置される排出側開口とを具備するエアカーテン生成部と、
    を備えたインクジェット記録装置において、
    前記エアカーテン生成部を用いて、垂直下向き又は垂直方向に対して斜め下向きのエアフローを発生させてエアカーテンを生成して、前記描画部と前記乾燥処理部とを遮熱することを特徴とする断熱処理方法。
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