JP2012030516A - 液体供給装置及び液体吐出装置 - Google Patents

液体供給装置及び液体吐出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012030516A
JP2012030516A JP2010172786A JP2010172786A JP2012030516A JP 2012030516 A JP2012030516 A JP 2012030516A JP 2010172786 A JP2010172786 A JP 2010172786A JP 2010172786 A JP2010172786 A JP 2010172786A JP 2012030516 A JP2012030516 A JP 2012030516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
pressure
flow path
gas
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010172786A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5498307B2 (ja
JP2012030516A5 (ja
Inventor
Hiroshi Shibata
博司 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2010172786A priority Critical patent/JP5498307B2/ja
Priority to US13/194,530 priority patent/US8414115B2/en
Priority to CN201110218294.1A priority patent/CN102343721B/zh
Publication of JP2012030516A publication Critical patent/JP2012030516A/ja
Publication of JP2012030516A5 publication Critical patent/JP2012030516A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5498307B2 publication Critical patent/JP5498307B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/175Ink supply systems ; Circuit parts therefor
    • B41J2/17596Ink pumps, ink valves

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】液体吐出ヘッドの内部圧力の変動、及び液体流路の圧力変動が抑制されるとともに、経時による圧力制御特性に変動が生じることがなく、かつ、加圧時には大容量の圧力制御を可能とする液体供給装置及び液体吐出装置を提供する。
【解決手段】ヘッド(50)と連通する供給流路(12)と、供給流路内の液体へ圧力を付与する供給ポンプ(20)と、液室(24)と気室(26)が弾性変形可能な弾性膜(22)により隔離された構造を有するサブタンク(18)と、気室と連通するエア流路(32)と、エア流路と連通するエアタンク(36)と、エアコネクトバルブ(34)と、エアタンクと連通される大気連通路(38)と、エアバルブ(40)と、を備え、弾性膜の初期位置調整時及び加圧パージ時において、エアコネクトバルブ及びエアバルブの動作が制御され、エアコネクトバルブ及びエアバルブの動作に対応して、供給ポンプの動作が制御される。
【選択図】図1

Description

本発明は液体供給装置及び液体吐出装置に係り、特にインクジェットヘッド等に液体を供給する液体供給装置における圧力制御技術に関する。
インクジェットヘッドを安定動作させるため、また、インクジェットヘッドへインクを安定して供給するために、インクジェットヘッドの内部圧力やインク流路の圧力を一定に制御する必要がある。かかる圧力を制御する手段として、インク流路に設けられたポンプが用いられる。一方、ポンプを用いてインクジェットヘッドの内部圧力やインク流路の圧力を制御すると、ポンプの脈流などに起因する圧力変動が生じることがある。この圧力変動は安定したインク供給の障害となるだけでなく、インクジェットヘッドの安定動作を妨げることがある。
他方、インク流路にダンパを備え、インク流路の圧力変動やインクジェットヘッドの内部圧力の変動を抑制する技術が知られている。例えば、インク流路と連通するサブタンクの容量を可変させて、インク流路の圧力変動を抑制するダンパとして機能させる技術が知られている。
特許文献1は、記録ヘッドのノズルを洗浄・回復するためにインク容器の内部圧力を正圧にするときは、インク容器の可撓性部材が膨張することを容積規制手段で抑制し、記録ヘッドで印字するためにインク容器の内部圧力を負圧にするときは、容積規制手段でインク容器の可撓性部材が膨張することを抑制しないようにして、インク容器の内部圧力を正圧にしたときの容積が、印字に適した負圧にしたときの容積とほぼ同じ容積に保持され、加圧回復方式で洗浄・回復したときにインク容器からわずかなインクを排出するだけでインク容器の内部圧力を印字に最適な負圧にするように構成されたインク供給容器を開示している。
特開2007−76016号公報
しかしながら、高速印刷、高画質印刷、大型媒体の印刷を実現する装置ではインクの消費量が多くなり、インクジェットヘッドの吐出時においてインク供給路に大きな圧力変化が生じる。このような大きな圧力変化を抑制するために大型の緩衝機構が必要となる。特許文献1に開示された構成では、緩衝性能を確保するため容積規制手段のストロークを大きくする必要がある。他方、容積規制手段のストロークを大きくすると、装置の大型化を回避することができない。また、特許文献1に開示された構成は、圧力変動による動作に伴い経時により可撓性部材に位置変化が生じてしまうために、圧力制御特性が変化してしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、液体吐出ヘッドの内部圧力の変動、及び液体流路の圧力変動が抑制されるとともに、経時による圧力制御特性に変動が生じることがなく、かつ、加圧時の処理時間が短縮化され、加圧処理においてシャープな加圧曲線に基づく加圧特性を得ることができる液体供給装置及び液体吐出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る液体供給装置は、液液体の供給対象と連通する供給流路と、前記供給流路内の液体へ圧力を付与する第1の圧力付与手段と、前記供給流路と連通する第1の液体室及び気体が貯留される第1の気体室を有し、前記第1の液体室の体積を可変させるように変形又は移動が可能な第1の隔壁により前記第1の液体室と前記第1の気体室が隔離された構造を有する第1の圧力緩衝部と、前記第1の気体室と一方の端が連通する第1の気体流路と、前記第1の気体流路の他方の端と連通する第1の気体貯留部と、前記気体室と前記第1の気体貯留部との連通又は遮断を切り換える第1の気体流路切換手段と、前記第1の気体貯留部と一方の端が連通され、他方の端が大気と連通する第1の大気連通路と、前記第1の気体貯留部の大気開放又は大気との遮断を切り換える第1の大気連通路切換手段と、前記第1の隔壁の初期位置調整時及び前記液体の供給対象に対する加圧時において、前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通路切換手段の動作を制御する第1の切換制御手段と、前記第1の切換制御手段により動作が制御される前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通路切換手段の動作に対応して、前記第1の圧力付与手段の動作を制御する第1の圧力制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、液体の供給対象と連通する供給流路に、第1の液体室と第1の気体室が第1の隔壁により隔離された構造を有し、第1の気体室が第1の気体流路及び第1の気体流路切換手段を介して第1気体貯留部と連通される第1の圧力緩衝部を備え、さらに、第1の気体貯留室が第1の大気連通路及び第1の大気連通路切換手段を介して大気連通が可能に構成された構造を有し、第1の隔壁の初期位置調整時及び液体の供給対象に対する加圧時において、第1の気体流路切換手段及び第1の大気連通切換手段が切換可能に構成されるとともに、第1の気体流路切換手段及び第1の大気連通切換手段の動作に応じて第1の圧力付与手段の動作が制御されるので、第1の隔壁の初期位置調整を行うことで経時による圧力制御の変動が抑制されるとともに、液体の供給対象に対する加圧時には好ましい圧力が確保され、かつ、液体供給時においては第1の圧力緩衝部による圧力緩衝機能が作用して、圧力変動が抑制された好ましい液体供給が実現される。
本発明の第1実施形態に係る非循環型インク供給装置の概略構成を示すブロック図 図1に示すインク供給装置に適用される圧力緩衝部の構成を示すブロック図 図2に示す圧力緩衝部に適用されるサブタンクの構造を示す断面図 図1に示すインク供給装置に適用される制御部の構成を示すブロック図 図1に示すインク供給装置をインクジェットヘッドのインク供給装置として適用した構成例を示すブロック図 図1に示す弾性膜の初期位置調整の制御の流れを示すフローチャート 図1に示す弾性膜の初期位置調整における弾性膜の変形状態を説明する図 図1に示す液室の体積と圧力センサの検出圧力との関係を示す図 加圧パージの制御の流れを示すフローチャート 図9に示す加圧パージ制御における膜位置固定工程に制御の流れを示すフローチャート 図9に示す加圧パージ制御における圧力貯留工程に制御の流れを示すフローチャート 図9に示す加圧パージ制御におけるインク排出工程に制御の流れを示すフローチャート 本発明の第2実施形態に係る循環型インク供給装置の概略構成を示すブロック図 図13に示す循環型インク供給装置における加圧パージの制御の流れを示すフローチャート 図14に示す加圧パージ制御における圧力貯留工程に制御の流れを示すフローチャート 図14に示す加圧パージ制御におけるインク排出工程に制御の流れを示すフローチャート 本発明に係る液体供給装置が適用されるインクジェット記録装置の概略構成を示す全体構成図 図17に示すインクジェット記録装置に搭載されるインクジェットヘッドの構成例を示す平面透視図 図18に示すインクジェットヘッドのノズル配置を説明する平面図 図18示すインクジェットヘッドの立体構造を示す断面図 図17に示すインクジェット記録装置に適用される制御部の構成を示す要部ブロック図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔第1実施形態〕
(非循環型インク供給装置の全体構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係るインク供給装置の全体構成を示すブロック図であり、図1に示すインク供給装置10は、液体の供給対象であるインクジェットヘッド(以下、単に「ヘッド」と記載することがある。)50へインクタンク52からインクを供給し、ヘッド50の内部圧力(背圧)をインクの送液量によって制御する非循環型のインク供給装置である。
図1に示すように、インク供給装置10は、ヘッド50と連通する供給流路12と、ヘッド50と供給流路12との連通、非連通を切り換える供給バルブ14と、供給流路12の内部圧力を検出する圧力センサ16と、供給流路12の内部圧力の変動を抑制するように圧力調整を行う供給サブタンク18と、供給サブタンク18のヘッド50と反対側に接続される(供給サブタンク18とインクタンク52との間の供給流路12に接続される)供給ポンプ20と、を含んで構成される。
供給バルブ14は、制御信号により開閉が制御されるノーマルオープン型(または、ラッチ型)の電磁バルブが適用される。圧力センサ16は、供給流路12の内部圧力を電気信号に変換して出力する。圧力センサ16には、半導体ピエゾ抵抗方式や静電容量方式、シリコンレゾナント方式などのセンサを適用することができる。供給バルブ14が開かれるとともに供給ポンプ20を正転動作させると、インクタンク52から供給流路12へインクが流れ込み、供給サブタンク18内を通過して、インクがヘッド50へ送られる。
図2は、図1に示すインク供給装置10における圧力緩衝部の構成を示すブロック図である。図2に示す圧力緩衝部は、供給サブタンク18と、供給サブタンク18の気室26と連通可能に構成されるエアタンク36と、を含んで構成される。供給サブタンク18は、可撓性を有する弾性膜22によって液室24と気室26に区画される構造を有し、液室24のインク流出口24Aは、供給流路12及び供給バルブ14を介してヘッド50と連通し、インク流入口24Bは、供給ポンプ20を介してインクタンク52と連通している(図1参照)。さらに、液室24は、ドレイン流路28及びドレインバルブ30を介してインクタンク52と連通している(図1参照)。
インク流入口24Bから液室24へインクが流入すると、流入したインクの体積に応じて弾性膜22が気室26側へ変形する。一方、インク流出口24Aから流出するインクの体積は変動しないので、供給流路12に圧力変動が生じたとしても、供給サブタンク18の作用によって当該圧力変動が抑制される。
すなわち、供給サブタンク18は、ヘッド50の内圧変動や、供給ポンプ20の動作による脈流による供給流路12の内部圧力の変動を抑制する圧力緩衝機能を有している。ドレイン流路28は、気泡排出口27を介して液室24と連通しており、液室24内の液を強制的に排出させる際の流路であり、図1に示すドレインバルブ30が開かれると、液室24内のインクが所定の流路を介してインクタンク52へ送られる。
気室26は、エア流路32、エアコネクトバルブ34を介してエアタンク36と連通し、エアタンク36は大気連通路38に設けられたエアバルブ40を介して大気と連通可能に構成されている。すなわち、気室26はエアコネクトバルブ34を開くことでエアタンク36と連通させることができ、インク送液の圧力制御に応じて気室26の容積を増加させることができる。さらに、エアバルブ40を開くことで、エアタンク36及び気室26を大気連通させることができる。
気室26のバッファタンクとして機能するエアタンク36は、気室26の最大体積の3倍の体積を有している。なお、「気室26の最大体積」とは、弾性膜22が初期位置(詳細後述)に位置する状態の気室26の体積である。エアタンク36の体積を大きくしておくと、インクジェットヘッドの加圧パージを実行する場合など、大きな圧力を必要とするときの容量を大きくすることができる。また、圧力緩衝機能の観点から気室26の体積は大きい方が好ましい。しかし、弾性膜22の変形量は有限のために気室26の体積は弾性膜22の変形量により制限される。
弾性膜22の位置の調整を安定に行うこと、及び弾性膜22に過度のストレスをかけないことを両立するために、気室26の他にエアタンク36が設けてられている。エアタンク36は、気室26の最大体積を超える体積を有していればよく、好ましくは気室26の最大体積の3倍以上である。一方、エアタンク36の体積を大きくしすぎると、圧力制御の応答性が落ちるため、気室26の体積とエアタンク36の体積の総量には最適値が存在する。
エアコネクトバルブ34はノーマルオープン型の電磁バルブが適用され、エアバルブ40はノーマルクローズ型の電磁バルブが適用され、非常停止機能が作動した場合などに電源が遮断されても、ヘッド50からインクが漏れ出さないよう構成されている。
図3は、供給サブタンク18の構造例を示す断面図である。同図に示すように、供給サブタンク18は、弾性膜22を用いて密閉容器の内部を仕切り、弾性膜22の一方側を液室24とし、他方側を気室26としている。インク流入口24Bからインクが流入すると、液室24の圧力(インクの送液量)と気室26内の圧力がつり合うように弾性膜22が気室26側へ変形する。かかる構造によって、供給流路12に圧力変動が生じても供給サブタンク18がダンパとして機能する。また、インク流出口24A及びインク流入口24Bは液室24の弾性膜22と反対側の面に設けられており、下側から上方向へインクが供給される構造を有している。さらに、液室24の弾性膜22と反対側の面には、液室24に溜まった気泡を排出させるための気泡排出口27が設けられるとともに、気泡排出口27を介してドレイン流路28と連通している。気泡排出口27は気泡が上部から抜け易いため一番上部に設けられており、インク流出口24Aはヘッドに気泡が流れないように気泡が流れにくい一番下部に設けられている。
図3に示す供給サブタンク18の気室26は、弾性膜22と対向する面(対向面)26Aが曲面で構成される、おわん型(ドーム型)形状を有しているので、弾性膜22が変形して対向面26Aに接触しても角が当たって弾性膜22が破損することがなく、弾性膜22の耐久性が確保されている。また、気室26の対向面26Aを構成する壁にはエア流路32(図2参照)と連通するエア流路連通口26Bが設けられている。
(制御系の構成)
図4は、本例に示すインク供給装置10の制御系の概略構成を示すブロック図である。同図に示すインク供給装置10は、制御系を統括制御するシステム制御部70と、システム制御部70から送られる制御信号に基づいて供給ポンプ20の制御を行うポンプ制御部72と、供給バルブ14、及びドレインバルブ30、エアコネクトバルブ34、エアバルブ40等のバルブ類の開閉を制御するバルブ制御部74と、装置各部に異常が発生した場合にその旨を報知する表示装置75と、を具備している。
図4に示すパラメータ記憶部80は、インク供給装置10の制御に用いられる各種パラメータや、制御の際に参照されるデータテーブルが格納されている。例えば、後述する液室24の体積と圧力センサ16の検出圧力との関係を示すデータテーブルが格納される。
プログラム格納部82は、インク供給装置10の制御に使用されるプログラムが格納されている。システム制御部70は、プログラム格納部82に格納されている各種制御プログラムを読み出して実行し、パラメータ記憶部80に格納されている各種パラメータやデータテーブルを参照して、インク供給装置10を統括して制御する。
本例に示すインク供給装置10は、圧力センサ16から得られた供給流路12内の圧力情報に基づいて、供給バルブ14等のバルブ類の動作を制御するとともに、供給ポンプ20の動作が制御される。圧力センサ16から得られた圧力情報(後述する圧力上昇値)は、所定のメモリへ逐次書き込まれ、更新される。
また、本例に示すインク供給装置10は不図示のタイマーを具備し、圧力制御の切換タイミングからの経過時間や、バルブの開閉からの経過時間が計測され、当該計測結果は不図示のメモリに逐次書き込まれる。
次に、非循環型インク供給装置10をマルチタイプのインクジェットヘッドのインク供給装置として適用した場合の構成例について説明する。図5に示す構成例は、非循環型インク供給装置10’からインクジェットヘッド50’へインクを供給する例を示している。なお、図5中、図1と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図5に示すヘッド50’は、n個のヘッドモジュール51‐1〜51‐nをつなぎ合わせて構成されている。ヘッド50’を構成するヘッドモジュール51は、供給流路12と連通する供給側マニホールド54から各ヘッドモジュール51に対応して個別に分岐された流路を介してインクが供給される。該個別流路のそれぞれには、供給バルブ14‐1〜14‐nが設けられるとともに、ダンパ15‐1〜15−nが設けられている。
以上説明したインク供給装置10,10’は、供給サブタンク18に設けられる弾性膜22の位置初期化時(初期位置調整時)、及びヘッド50(50’)の加圧パージ時において、供給バルブ14、エアコネクトバルブ34、エアバルブ40の開閉が制御されるとともに、供給ポンプ20の回転方向の切換が行われる。次に、供給バルブ14、エアコネクトバルブ34、エアバルブ40の制御及び供給ポンプ20の制御について詳細に説明する。
(弾性膜の初期位置調整)
図6は、弾性膜22の初期位置調整の制御の流れを示すフローチャートである。本例に示す供給サブタンク18(図1〜3参照)は、経時により弾性膜22の変形量(位置)が変化してしまい、弾性膜22の位置が変化すると、供給流路12の圧力制御にバラつきが生じてしまう。したがって、弾性膜22の初期位置調整が適宜実行され、供給流路12の圧力制御のバラつきが回避されている。弾性膜22の初期位置調整が実行されるタイミングとして、装置の立ち上げ時、加圧パージの実行後、供給ポンプ20の異常等により供給流路12内の圧力が大きく変化したときなどが挙げられる。
図6に示すように、弾性膜22の初期位置調整が開始されると(ステップS10)、供給バルブ14が閉じられ(ステップS12)、供給流路12とヘッド50は非連通とされる。その後、エアコネクトバルブ34が開かれるとともに(ステップS14)、エアバルブ40が開かれ(ステップS16)、気室26とエアタンク36が連通するとともに、気室26及びエアタンク36が大気解放される。この状態で供給ポンプ20を正転させて液室24内を加圧して液室24内にインクが送液され(ステップS18)、圧力センサ16により検出される圧力が監視される。
ステップS20において、圧力センサ16の検出圧力が指定圧力に達するか否かが監視され、圧力センサ16の検出圧力が指定圧力に達していない場合は(No判定)、加圧及び圧力監視が継続される。一方、圧力センサ16の検出圧力が指定圧力に達すると(Yes判定)、供給ポンプ20の回転方向が減圧方向に切り換えられる(ステップS22)。なお、「指定圧力」とは、液室24の体積と圧力が比例関係を保つ範囲の中で、予め決められた圧力を意味している。
図7(a)は、指定圧力に達した状態の供給サブタンク18が模式的に図示されている。同図に示すように、液室24内を加圧すると弾性膜22(初期位置の弾性膜を破線により図示)が気室26側へ変形して、時間経過とともに変形量が大きくなり、符号22’を付して実線により図示した状態となる。
図7(a)に図示した指定圧力に達した状態から、供給ポンプ20を一定速度で減圧動作させて、液室24から単位時間あたり一定量のインクを排出させると、弾性膜22は液室24側へ変形する。弾性膜22の変形量はインクの排出量に比例する。
図6に戻り、ステップS24において減圧開始からの経過時間が監視され、減圧開始から所定時間経過していない場合は(No判定)、供給ポンプ20の減圧動作及び経過時間の監視が継続される。一方、減圧動作開始から所定時間が経過すると(Yes判定)、エアバルブ40が閉じられる(ステップS26)。すなわち、液室24の符号22’を付して実線により図7に示した状態から所定量のインクが排出されると、弾性膜22はインクの排出量に対応して液室24を収縮させる方向に所定量変形して、決められた初期位置に調整される。その後、気室26とエアタンク36が連通した状態を維持しつつ大気と遮断され、弾性膜22の初期位置調整が終了される(ステップS28)。
図7(b)は、液室24を指定圧力の状態から減圧して、減圧開始から所定時間経過したときの供給サブタンク18の状態が模式的に図示されている。同図は、指定圧力の状態における位置の弾性膜が符号22’を付して破線により図示され、初期位置の弾性膜が符号22を付して実線により図示されている。
図8は、液室24の体積(インクの流入量)と圧力センサ16(図1参照)の検出圧力との関係を示している。同図に示す圧力センサ16の検出圧力は、液室24の内部圧力と等価である。同図に示すように、圧力センサ16の検出圧力として把握される液室24の内部圧力は、弾性膜22の弛み領域(弾性変形可能な領域)を抜けるまで液室24に流入するインクの体積に比例する。一方、液室24の体積が増加して弾性膜22の弛み領域を抜けると、弾性膜22の影響で液室24の内部圧力とインクの流入体積との比例関係が成り立たなくなり、液室24の体積が最大になると、液室の内部圧力は急激に上昇する。なお、弾性膜22の弛み領域が液室24の体積が最大となる領域となる場合もありうる。
予め液室24の内部圧力と液室24の体積との関係を求めておき、所定のメモリ記憶しておくことで、圧力センサ16の検出圧力から液室24の内部圧力を把握し、該メモリを参照して液室24の体積が把握される。図8に示す指定圧力に対応する液室24の体積Vは、液室24の指定圧力の状態に対応している(図7(a)参照)。
また、一定の流速で液室24からインクを排出させると、液室24から流出したインクの体積は、単位時間あたりの排出量に排出時間を乗じて求めることができる。したがって、供給ポンプ20を一定回転数で逆転動作(減圧動作)させて、その動作時間から液室24から排出させたインクの体積を把握することができる。図8に示す液室24の体積Vは、弾性膜22の位置が初期位置に調整されたときの液室24の体積を示している。
このようにして、弾性膜22の初期位置調整が適宜実行されることで、経時による圧力制御のバラつきを回避することでき、安定した液体供給が実現される。
(加圧パージ)
次に、ヘッド50(図1参照)の内部圧力を正圧としてヘッド50内のインクをノズルから強制的に排出させる加圧パージ実行時における、供給バルブ14、エアコネクトバルブ34、エアバルブ40の制御及び供給ポンプ20の制御について説明する。
図9は、加圧パージの制御の流れを示すフローチャートである。同図に示すように、加圧パージは、膜位置固定工程(ステップS120)、圧力貯留工程(ステップS140)、及びインク排出工程(ステップS140)から構成されている。
図10は、膜位置固定工程(ステップS120)のフローチャートである。膜位置固定工程は、弾性膜22を変形させて気室26の対向面26Aに貼り付けた状態とする工程である。膜位置固定工程が開始されると、供給バルブ14及びドレインバルブ30が閉じられ(ステップS121)、エアコネクトバルブ34が開かれるとともに(ステップS122)、エアバルブ40が開かれ(ステップS124)、気室26とエアタンク36が連通されるとともに大気連通される。この状態で供給ポンプ20を正転動作させて液室24内を加圧して、弾性膜22が気室26の対向面26Aに張り付いた状態とする(ステップS126)。
弾性膜22が気室26の対向面26Aに張り付いた状態になると、エアコネクトバルブ34が閉じられるとともに(ステップS128)、エアバルブ40が閉じられ(ステップS130)、膜位置固定工程は終了される(ステップS132)。膜位置固定工程によって、弾性膜22は気室26の対向面26Aに張り付いた状態で固定されるとともに、気室26とエアタンク36は非連通とされ、気室26は大気とも遮断される。
図11は、圧力貯留工程のフローチャートである。図10に示す膜位置固定工程により、弾性膜22は気室26の対向面26Aに張り付いた状態で固定されると、圧力貯留工程が開始される。圧力貯留工程は、最大体積状態の液室24にインクを充填してパージに要する圧力を供給サブタンク18(及び供給流路12)に溜める工程である。すなわち、圧力貯留工程では、供給バルブ14が閉じられた状態で、圧力センサ16の検出圧力を監視しながら液室24を加圧して、圧力センサ16の検出圧力が指定圧力になるまで加圧を続ける(ステップS142)。圧力センサ16の検出圧力が指定圧力になると、液室24及び供給流路12はインクで満たされるととともに、供給サブタンク18内及び供給流路12内に所定の圧力が貯留され、圧力貯留工程は終了される(ステップS144)。
図12は、インク排出工程のフローチャートである。インク排出工程は、圧力貯留工程により溜められた圧力を利用して、ヘッド50のノズルからインクを排出(パージ)させる工程である。まず、供給バルブ14が開かれる(ステップS162)。そうすると、圧力貯留工程によって溜められたインクがヘッド50内に流れ込むことで、ヘッド50の内部圧力が正圧となり、ヘッド50からインクが排出される。この時、ヘッド50の内部圧力が落ちないように、供給ポンプ20を加圧方向に動作させる(ステップS163)。
インクの排出が開始されると、供給バルブ14が開かれてからの経過時間が監視され(ステップS164)、所定時間が経過すると(Yes判定)、供給バルブ14が閉じられ(ステップS166)、供給ポンプ20を停止させて(ステップS168)、インク排出工程が終了される(ステップS170)。図9〜図12に示す加圧パージが終了すると、バルブ制御及びポンプ制御は所定の状態へ遷移する。
加圧パージを実行する際に、液室の容積が最大となる状態(圧力緩衝による圧力損失が発生しない状態)に弾性膜22を固定し、かかる状態において供給サブタンク18及び供給流路12に圧力が貯留される。これにより、供給サブタンク18に圧力を貯留する時間が短縮されるとともに、加圧パージの圧力波がシャープになり(シャープな加圧曲線に基づく加圧特性を得ることができ)、気泡や異物をノズルから除去しやすくなるといった効果を得ることができる。
上記の如く構成されたインク供給装置10によれば、供給サブタンク18内において液室24と気室26とを隔離させる弾性膜22の初期位置が適宜調整されるので、経時により弾性膜22の変形量(位置)が変化せず、圧力制御のバラつきが回避される。
また加圧パージ実行時において、液室の容積が最大となる状態に弾性膜22が固定され、供給サブタンク18及び供給流路12に圧力が貯留されるので、供給サブタンク18に圧力を貯留する時間が短縮されるとともに、加圧パージの圧力波がシャープになり、気泡や異物をノズルから除去しやすくなるといった効果を得ることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るインク供給装置について説明する。図13に示すインク供給装置100は、循環系を備えた循環型である点で図1に示す非循環型インク供給装置と相違している。なお、以下の説明では、主として先に説明した第1実施形態に係るインク供給装置10と相違する構成について説明する。
(全体構成)
同図に示すインク供給装置100は、供給流路12と回収流路112とを有し、供給流路12は供給流路圧力センサ16(図1に示す圧力センサ16と等価)が設けられ、回収流路112は回収流路圧力センサ116が設けられている。また、供給流路12には供給サブタンク18が設けられるとともに、回収流路112には回収サブタンク118が設けられている。供給サブタンク18は、供給ポンプ20及び所定のインク流路を介してインクタンク52と連通され、回収サブタンク118は回収ポンプ120及び所定のインク流路を介してインクタンク52と連通される。
図13に示すヘッド50は、n個のヘッドモジュール51‐1,51‐2,…,51‐nがつなぎ合わせられた構造を有するヘッドであり、ヘッドモジュール51のそれぞれが供給バルブ14‐1,14‐2,…,14‐nを介して供給流路12と連通されるとともに、回収バルブ114‐1,114‐2,…,114‐nを介して回収流路112と連通される。
供給側マニホールド54及び回収側マニホールド154は、供給流路12及び回収流路112とヘッド50との間に設けられるインクの一時貯留部である。供給側マニホールド54と回収側マニホールド154とは、バイパス流路190,192により連通され、バイパス流路190,192はそれぞれ、バイパス流路バルブ194,196が設けられている。
供給ポンプ20及び回収ポンプ120はチューブポンプが適用される。図9に示す供給ポンプ20は、インクタンク(バッファタンク)52からヘッド50へインクを供給する供給流路12の圧力(送液量)を制御し、回収ポンプ120はヘッド50からインクタンク52へインクを回収する(循環させる)回収流路112の圧力(送液量)を制御する。供給ポンプ20と回収ポンプ120は同一の性能(容量)を有するポンプを適用することができる。
供給ポンプ20及び回収ポンプ120は、ヘッド50が動作を停止している期間(すなわち、インクが安定して流れている期間)は、一方向にのみ回転し、ヘッド50が吐出動作をしている期間に内部圧力が減少すると、供給ポンプ20は回転速度を増加させるとともに、回収ポンプ120は逆転してヘッド50の内部圧力を上昇させる。
供給サブタンク18及び回収サブタンク118は、図3に図示した供給サブタンク18と同一の構造を有しているので、ここでの説明は省略する。なお、図13に図示した循環系(回収側)のドレイン流路128、ドレインバルブ130、気体流路132、エアコネクトバルブ134、エアタンク136、大気連通路138、エアバルブ140はそれぞれ、供給系のドレイン流路28、ドレインバルブ30、エア流路32、エアコネクトバルブ34、エアタンク36、大気連通路38、エアバルブ40に対応している。
なお、ドレインバルブ130は、ラッチタイプの電磁バルブが適用され、エアコネクトバルブ134はノーマルオープン型の電磁バルブが適用され、供給バルブ14、回収バルブ114、エアバルブ140はノーマルクローズ型の電磁バルブが適用される。
図13に示すインク供給装置100は、インクタンク52と供給ポンプ20との間に脱気モジュール160及びインクの逆流を防止するための一方向弁162が設けられるとともに、供給ポンプ20と供給サブタンク18の間には、フィルタ164及び熱交換器(冷却加熱装置)166が設けられている。インクタンク52から送り出されたインクは脱気モジュール160によって脱気処理が施され、フィルタ164によって気泡や異物が除去され、熱交換器166による温度調整処理が施された後に供給サブタンク18へ送られる。
また、脱気モジュール160と回収ポンプ120との間には、インクの逆流防止のための一方向弁170が設けられるとともに、フィルタ172が設けられ、インクタンク52から回収サブタンク118へインクが送られる場合にも、所定の脱気処理及びフィルタ処理が施される。
さらに、インク供給装置100は、安全弁(リリーフバルブ)174,176が設けられており、供給ポンプ20及び回収ポンプ120に異常が発生して供給流路12及び回収流路112の内部圧力が所定値よりも上昇した場合には、安全弁174,176が動作して供給流路12及び回収流路112の内部圧力を降下させる。また、供給ポンプ20及び回収ポンプ120を逆転動作させたときにインクの逆流を防止するための一方向弁178,180が設けられている。
図13に示すメインタンク56は、バッファタンク52へ供給されるインクが貯留されている。バッファタンク52内のインク量が減少すると、補充ポンプ182を動作させてメインタンク56内のインクがバッファタンク52へ送られる。メインタンク56は、内部にフィルタ184が設けられている。
(循環の説明)
かかる構成を有するインク供給装置100は、供給ポンプ20と回収ポンプ120とを動作させて、供給側マニホールド54と回収側マニホールド154との間に差圧を設けてインクを循環させる。例えば、供給バルブ14及び回収バルブ114を開いた状態で、供給ポンプ20を正転動作させて供給側マニホールド54に負圧を発生させ、一方、回収ポンプ120を逆転動作させて回収側マニホールド154に供給側より低い負圧を発生させると、供給側マニホールド54からヘッド50を介して回収側マニホールド154へインクを流し、さらに回収流路112、回収サブタンク118等を介してインクを循環させることができる。
インクを循環させるときは、第2のバイパス流路192に設けられたバイパス流路バルブ196を開き、供給側マニホールド54と回収側マニホールド154とを第2のバイパス流路192を介して連通させるとよい。なお、第1のバイパス流路190,192が加圧時における圧力損失が発生しない直径を有するものであれば、いずれか一方を備えていればよい。
(弾性膜の初期位置調整)
図13に示すインク供給装置100は、供給側の供給バルブ14、エアコネクトバルブ34、エアバルブ40、及び供給ポンプ20と、回収側の回収バルブ114、エアコネクトバルブ134、エアバルブ140、及び回収ポンプ120と、を独立に動作させることができるので、図6〜図8を用いて説明した弾性膜22の初期位置調整を、回収サブタンク118の弾性膜の初期調整にも適用することができる。
(加圧パージ)
図13に示すインク供給装置100における加圧パージは、図14に示す各工程が含まれる。すなわち、加圧パージが開始されると(ステップS200)、膜位置固定工程(ステップS220)、圧力貯留工程(ステップS240)、インク排出工程(ステップS260)の順に各工程が実行され、加圧パージが終了される(ステップS290)。膜位置固定工程(ステップS220)は、回収バルブ114、エアコネクトバルブ134、エアバルブ140、回収ドレインバルブ130及び回収ポンプ120に対して、図9に示す膜位置固定工程(ステップS120)の各工程(ステップS120〜ステップS132)を適用することができる。
圧力貯留工程(図14のステップS240)の詳細を図15に示す。図15に示す圧力貯留工程は、第1のバイパス流路バルブ194及び第2のバイパス流路バルブ196、回収バルブ114を閉じた後に(ステップS242〜246)、回収ポンプ120を加圧方向に動作させ(ステップS248)、回収側圧力センサ116を監視しながら、指定圧力に達するまで回収サブタンク118に圧力を貯留する(ステップS250)。
また、インク排出工程(図14のステップS260)の詳細を図16に示す。図16に示すインク排出工程は、加圧パージを行う流路の供給側バルブ14を開いた後に(ステップS262)、第1のバイパス流路バルブ194及び第2のバイパス流路バルブ196を開く(ステップS264〜ステップS266)。この時、圧力が落ちないように供給ポンプ20及び回収ポンプ120を加圧方向に動作させる(ステップS268〜ステップS270)。
インクの排出が開始されてから所定時間経過すると(ステップS272のYes判定)、第2のバイパス流路バルブ196が閉じられ(ステップS274)、第1のバイパス流路バルブ194(ステップS276)、供給バルブ14が閉じられる(ステップS278)。そして、回収ポンプ120が停止されるとともに(ステップS280)、供給ポンプ20が停止され(ステップS282)、インク排出工程は終了される(ステップS284)。
なお、供給系のバルブ制御部及ポンプ制御部(図4参照)と、回収側のバルブ制御部及びポンプ制御部は、それぞれ個別に設けられてもよいし、共通化されてもよい。
〔応用例〕
次に、上述したインク供給装置の応用例として、インクジェットヘッドのインク供給部に上述したインク供給装置10,100を適用したインクジェット記録装置について説明する。
(インクジェット記録装置の全体構成)
図17は、本発明の実施形態に係る液体供給装置を具備するインクジェット記録装置の全体構成を示した構成図である。同図に示すインクジェット記録装置200は、色材を含有するインクと該インクを凝集させる機能を有する凝集処理液を用いて、所定の画像データに基づいて記録媒体214の記録面に画像を形成する二液凝集方式の記録装置である。
インクジェット記録装置200は、主として、給紙部220、処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260、及び排出部270を備えて構成される。また、図17では図示を省略されているが、描画部240へインク供給を行うインク供給装置が設けられている。
処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260の前段に搬送される記録媒体214の受け渡しを行う手段として渡し胴232,242,252,262が設けられるとともに、処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260のそれぞれに記録媒体214を保持しながら搬送する手段として、ドラム形状を有する圧胴234,244,254,264が設けられている。
渡し胴232〜262及び圧胴234〜264は、外周面の所定位置に記録媒体214の先端部を挟んで保持するグリッパー280A,280Bが設けられている。グリッパー280Aとグリッパー280Bにおける記録媒体214の先端部を挟んで保持する構造、及び他の圧胴又は渡し胴に備えられるグリッパーとの間で記録媒体214の受け渡しを行う構造を同一であり、かつ、グリッパー280Aとグリッパー280Bは、圧胴234の外周面の圧胴234の回転方向について180°移動させた対称位置に配置されている。
グリッパー280A,280Bにより記録媒体214の先端部を狭持した状態で渡し胴232〜262及び圧胴234〜264を所定の方向に回転させると、渡し胴232〜262及び圧胴234〜264の外周面に沿って記録媒体214が回転搬送される。
なお、図17中、圧胴234に備えられるグリッパー280A,280Bのみ符号を付し、他の圧胴及び渡し胴のグリッパーの符号は省略する。
給紙部220に収容されている記録媒体(枚葉紙)214が処理液塗布部230に給紙されると、圧胴234の外周面に保持された記録媒体214の記録面に、凝集処理液(以下、単に「処理液」と記載することがある。)が付与される。なお、「記録媒体214の記録面」とは、圧胴234〜264の保持された状態における外側面であり、圧胴234〜264に保持される面と反対面である。
その後、凝集処理液が付与された記録媒体214は描画部240に送出され、描画部240において記録面の凝集処理液が付与された領域に色インクが付与され、所望の画像が形成される。
さらに、該色インクによる画像が形成された記録媒体214は乾燥処理部250に送られ、乾燥処理部250において乾燥処理が施されるとともに、乾燥処理後に定着処理部260に送られ、定着処理が施される。乾燥処理及び定着処理が施されることで、記録媒体214上に形成された画像が堅牢化される。このようにして、記録媒体214の記録面に所望の画像が形成され、該画像が記録媒体214の記録面に定着した後に、排出部270から装置外部に搬送される。
以下、インクジェット記録装置200の各部(給紙部220、処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260、排出部270)について詳細に説明する。
(給紙部)
給紙部220は、給紙トレイ222と不図示の送り出し機構が設けられ、記録媒体214は給紙トレイ222から一枚ずつ送り出されるように構成されている。給紙トレイ222から送り出された記録媒体214は、渡し胴(給紙胴)232のグリッパー(不図示)の位置に先端部が位置するように不図示のガイド部材によって位置決めされて一旦停止する。そして、グリッパー(不図示)が記録媒体214の先端部を挟んで保持し、処理液胴234に備えられるグリッパーとの間で記録媒体214の受け渡しを行う。
(処理液塗布部)
処理液塗布部230は、給紙胴232から受け渡された記録媒体214を外周面に保持して記録媒体214を所定の搬送方向へ搬送する処理液胴(処理液ドラム)234と、処理液胴234の外周面に保持された記録媒体214の記録面に処理液を付与する処理液塗布部230と、含んで構成されている。処理液胴234を図17における反時計回りに回転させると、記録媒体214は処理液胴234の外周面に沿って反時計回り方向に回転搬送される。
図17に示す処理液塗布部230は、処理液胴234の外周面(記録媒体保持面)と対向する位置に設けられている。処理液塗布部230の構成例として、処理液が貯留される処理液容器と、処理液容器の処理液に一部が浸漬され、処理液容器内の処理液を汲み上げる汲み上げローラと、汲み上げローラにより汲み上げられた処理液を記録媒体214上に移動させる塗布ローラ(ゴムローラ)と、を含んで構成される態様が挙げられる。
なお、該塗布ローラを上下方向(処理液胴234の外周面の法線方向)に移動させる塗布ローラ移動機構を備え、記録媒体214以外の部分に処理液の塗布を行わないように構成する態様が好ましい。また、記録媒体214の先端部を挟持するグリッパー280A,280Bは、周面から突出しないように配置されている。
処理液塗布部230により記録媒体214に付与される処理液は、描画部240で付与されるインク中の色材(顔料)を凝集させる色材凝集剤を含有し、記録媒体214上で処理液とインクとが接触すると、インク中の色材と溶媒との分離が促進される。
処理液塗布部230は、記録媒体214に塗布される処理液量を計量しながら塗布することが好ましく、記録媒体214上の処理液の膜厚は、描画部240から打滴されるインク液滴の直径より十分に小さくすることが好ましい。
(描画部)
描画部240は、記録媒体214を保持して搬送する描画胴(描画ドラム)244と、記録媒体214を描画胴244に密着させるための用紙押さえローラ246と、記録媒体214にインクを付与するインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yを備えている。描画胴244の基本構造は先に説明した処理液胴234と共通している。
用紙押さえローラ246は、描画胴244の外周面に記録媒体214を密着させるためのガイド部材であり、描画胴244の外周面に対向し、渡し胴242と描画胴244との記録媒体214の受渡位置よりも記録媒体214の搬送方向下流側であり、且つ、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yよりも記録媒体214の搬送方向上流側に配置される。
また、用紙押さえローラ246と記録媒体214の搬送方向における最上流側のインクジェットヘッド248Yとの間には、用紙浮き検出センサ(不図示)が配置されている。該用紙浮き検出センサは、記録媒体214がインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの直下に進入する直前の浮き量を検出している。本例に示すインクジェット記録装置200は、用紙浮き検出センサにより検出された記録媒体214の浮き量が所定のしきい値を超える場合には、その旨を報知するとともに記録媒体214の搬送を中断させるように構成されている。
渡し胴242から描画胴244に受け渡された記録媒体214は、グリッパー(符号省略)によって先端が保持された状態で回転搬送される際に、用紙押さえローラ246によって押圧され、描画胴244の外周面に密着する。このようにして、記録媒体214を描画胴244の外周面に密着させた後に、描画胴244の外周面から浮き上がりのない状態で、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの直下の印字領域に送られる。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yはそれぞれ、マゼンダ(M)、黒(K)、シアン(C)、イエロー(Y)の4色のインクに対応しており、描画胴244の回転方向(図17における反時計回り方向)に上流側から順に配置されるとともに、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yのインク吐出面(ノズル面)が描画胴244に保持された記録媒体214の記録面と対向するように配置される。なお、「インク吐出面(ノズル面)」とは、記録媒体214の記録面と対向するインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの面であり、後述するインクが吐出されるノズル(図19に符号308を付して図示する。)が形成される面である。
また、図17に示すインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yは、描画胴244の外周面に保持された記録媒体214の記録面とインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yのノズル面が略平行となるように、水平面に対して傾けられて配置されている。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yは、記録媒体214における画像形成領域の最大幅(記録媒体214の搬送方向と直交する方向の長さ)に対応する長さを有するフルライン型のヘッドであり、記録媒体214の搬送方向と直交する方向に延在するように固定設置される。また、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yのそれぞれは、詳細を後述するインク供給装置からインクが供給される。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yのノズル面(液体吐出面)には、記録媒体214の画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルがマトリクス配置されて形成されている。
記録媒体214がインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの直下の印字領域に搬送されると、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yから記録媒体214の凝集処理液が付与された領域に画像データに基づいて各色のインクが吐出(打滴)される。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yから、対応する色インクの液滴が、描画胴244の外周面に保持された記録媒体214の記録面に向かって吐出されると、記録媒体214上で処理液とインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料系色材)又は不溶化する色材(染料系色材)の凝集反応が発現し、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体214上に形成された画像における色材の移動(ドットの位置ずれ、ドットの色ムラ)が防止される。
また、描画部240の描画胴244は、処理液塗布部230の処理液胴234に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yに処理液が付着することがなく、インクの吐出異常の要因を低減することができる。
なお、本例では、MKCYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
(乾燥処理部)
乾燥処理部250は、画像形成後の記録媒体214を保持して搬送する乾燥胴(乾燥ドラム)254と、該記録媒体214上の水分(液体成分)を蒸発させる乾燥処理を施す乾燥処理装置256を備えている。なお、乾燥胴254の基本構造は、先に説明した処理液胴234及び描画胴244と共通しているので、ここでの説明は省略する。
乾燥処理装置256は、乾燥胴254の外周面に対向する位置に配置され、記録媒体214に存在する水分を蒸発させる処理部である。描画部240により記録媒体214にインクが付与されると、処理液とインクとの凝集反応により分離したインクの液体成分(溶媒成分)及び処理液の液体成分(溶媒成分)が記録媒体214上に残留してしまうので、かかる液体成分を除去する必要がある。
乾燥処理装置256は、ヒータによる加熱、ファンによる送風、又はこれらを併用して記録媒体214上に存在する液体成分を蒸発させる乾燥処理を施し、記録媒体214上の液体成分を除去するための処理部である。記録媒体214に付与される加熱量及び送風量は、記録媒体214上に残留する水分量、記録媒体214の種類、及び記録媒体214の搬送速度(乾燥処理時間)等のパラメータに応じて適宜設定される。
乾燥処理装置256による乾燥処理が行われる際に、乾燥処理部250の乾燥胴254は、描画部240の描画胴244に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yにおいて、熱又は送風によるヘッドメニスカス部の乾燥によるインクの吐出異常の要因を低減することができる。
記録媒体214のコックリングの矯正効果を発揮させるために、乾燥胴254の曲率を0.002(1/mm)以上とするとよい。また、乾燥処理後の記録媒体の湾曲(カール)を防止するために、乾燥胴254の曲率を0.0033(1/mm)以下とするとよい。
また、乾燥胴254の表面温度を調整する手段(例えば、内蔵ヒータ)を備え、該表面温度を50℃以上に調整するとよい。記録媒体214の裏面から加熱処理を施すことによって乾燥が促進され、次段の定着処理時における画像破壊が防止される。かかる態様において、乾燥胴254の外周面に記録媒体214を密着させる手段を具備するとさらに効果的である。記録媒体214を密着させる手段の一例として、真空吸着、静電吸着などが挙げられる。
なお、乾燥胴254の表面温度の上限については、特に限定されるものではないが、乾燥胴254の表面に付着したインクをクリーニングするなどのメンテナンス作業の安全性(高温による火傷防止)の観点から75℃以下(より好ましくは60℃以下)に設定されることが好ましい。
このように構成された乾燥胴254の外周面に、記録媒体214の記録面が外側を向くように(すなわち、記録媒体214の記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥処理を施すことで、記録媒体214のシワや浮きに起因する乾燥ムラが確実に防止される。
(定着処理部)
定着処理部260は、記録媒体214を保持して搬送する定着胴(定着ドラム)264と、画像形成がされ、さらに、液体が除去された記録媒体214に加熱処理を施すヒータ266と、該記録媒体214を記録面側から押圧する定着ローラ268と、を備えて構成される。なお、定着胴264基本構造は処理液胴234、描画胴244、及び乾燥胴254と共通しているので、ここでの説明は省略する。ヒータ266及び定着ローラ268は、定着胴264の外周面に対向する位置に配置され、定着胴264の回転方向(図17において反時計回り方向)の上流側から順に配置される。
定着処理部260では、記録媒体214の記録面に対してヒータ266による予備加熱処理が施されるとともに、定着ローラ268による定着処理が施される。ヒータ266の加熱温度は記録媒体の種類、インクの種類(インクに含有するポリマー微粒子の種類)などに応じて適宜設定される。例えば、インクに含有するポリマー微粒子のガラス転移点温度や最低造膜温度とする態様が考えられる。
定着ローラ268は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体214を加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ268は、定着胴264に対して圧接するように配置されており、定着胴264との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体214は、定着ローラ268と定着胴264との間に挟まれ、所定のニップ圧でニップされ、定着処理が行われる。
定着ローラ268の構成例として、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成する態様が挙げられる。かかる加熱ローラで記録媒体214を加熱することによって、インクに含まれるポリマー微粒子のガラス転移点温度以上の熱エネルギーが付与されると、該ポリマー微粒子が溶融して画像の表面に透明の被膜が形成される。
この状態で記録媒体214の記録面に加圧を施すと、記録媒体214の凹凸に溶融したポリマー微粒子が押し込み定着されるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、好ましい光沢性を得ることができる。なお、画像層の厚みやポリマー微粒子のガラス転移点温度特性に応じて、定着ローラ268を複数段設けた構成も好ましい。
また、定着ローラ268の表面硬度は71°以下であることが好ましい。定着ローラ268の表面をより軟質化することで、コックリングにより生じた記録媒体214の凹凸に対して追随効果を期待でき、記録媒体214の凹凸に起因する定着ムラがより効果的に防止される。
図17に示すインクジェット記録装置200は、定着処理部260の処理領域の後段(記録媒体搬送方向の下流側)には、インラインセンサ282が設けられている。インラインセンサ282は、記録媒体214に形成された画像(又は記録媒体214の余白領域に形成されたチェックパターン)を読み取るためのセンサであり、CCDラインセンサが好適に用いられる。
本例に示すインクジェット記録装置200は、インラインセンサ282の読取結果に基づいてインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの吐出異常の有無が判断される。また、インラインセンサ282は、水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段を含む態様も可能である。かかる態様において、水分量、表面温度、光沢度の読取結果に基づいて、乾燥処理部250の処理温度や定着処理部260の加熱温度及び加圧圧力などのパラメータを適宜調整し、装置内部の温度変化や各部の温度変化に対応して、上記制御パラメータが適宜調整される。
(排出部)
図17に示すように、定着処理部260に続いて排出部270が設けられている。排出部270は、張架ローラ272A,272Bに巻きかけられた無端状の搬送チェーン274と、画像形成後の記録媒体214が収容される排出トレイ276と、を備えて構成されている。
定着処理部260から送り出された定着処理後の記録媒体214は、搬送チェーン274によって搬送され、排出トレイ276に排出される。
〔インクジェットヘッドの構造〕
次に、描画部240に具備されるインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの構造の一例について説明する。なお、各色に対応するインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号300によってインクジェットヘッド(以下、単に「ヘッド」ともいう。)を示すものとする。
図18は、インクジェットヘッド300の概略構成図であり、同図はインクジェットヘッド300から記録媒体の記録面を見た図(ヘッドの平面透視図)となっている。同図に示すヘッド300は、n個のヘッドモジュール302‐i(iは1からnの整数)をヘッド300の長手方向に沿って一列につなぎ合わせてマルチヘッドを構成している。また、各ヘッドモジュール302‐iは、ヘッド300の短手方向の両側からヘッドカバー304,306によって支持されている。なお、ヘッドモジュール302を千鳥状に配置してマルチヘッドを構成することも可能である。
複数のサブヘッドにより構成されるマルチヘッドの適用例として、記録媒体の全幅に対応したフルライン型ヘッドが挙げられる。フルライン型ヘッドは、記録媒体の移動方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)について、記録媒体の主走査方向における長さ(幅)に対応して、複数のノズル(図19に符号308を付して図示する。)が並べられた構造を有している。かかる構造を有するヘッド300と記録媒体とを相対的に一回だけ走査させて画像記録を行う、いわゆるシングルパス画像記録方式により、記録媒体の全面にわたって画像を形成し得る。
ヘッド300を構成するヘッドモジュール302‐iは、略平行四辺形の平面形状を有し、隣接するサブヘッド間にオーバーラップ部が設けられている。オーバーラップ部とは、サブヘッドのつなぎ部分であり、ヘッドモジュール302‐iの並び方向について、隣接するドットが異なるサブヘッドに属するノズルによって形成される。なお、図18に示すヘッド300は図5に示したヘッド50’と等価であり、ヘッドモジュール302はヘッドモジュール51と等価である。
図19は、ヘッドモジュール302‐iのノズル配列を示す平面図である。同図に示すように、各ヘッドモジュール302‐iは、ノズル308が二次元状に並べられた構造を有し、かかるヘッドモジュール302‐iを備えたヘッドは、いわゆるマトリクスヘッドと呼ばれるものである。図19に図示したヘッドモジュール302‐iは、副走査方向Yに対して角度αをなす列方向W、及び主走査方向Xに対して角度βをなす行方向Vに沿って多数のノズル308が並べられた構造を有し、主走査方向Xの実質的なノズル配置密度が高密度化されている。図19では、行方向Vに沿って並べられたノズル群(ノズル行)は符号310を付し、列方向Wに沿って並べられたノズル群(ノズル列)は符号312を付して図示されている。
なお、ノズル308のマトリクス配置の他の例として、主走査方向Xに沿う行方向、及び主走査方向Xに対して斜め方向の列方向に沿って複数のノズル308を配置する構成が挙げられる。
図20は、記録素子単位となる1チャンネル分の液滴吐出素子(1つのノズル308に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図である。同図に示すように、本例のヘッド300(ヘッドモジュール302)は、ノズル308が形成されたノズルプレート314と、圧力室316や共通流路318等の流路が形成された流路板320等を積層接合した構造から成る。ノズルプレート314は、ヘッド300のノズル面314Aを構成し、各圧力室316にそれぞれ連通する複数のノズル308が2次元的に形成されている。
流路板320は、圧力室316の側壁部を構成するとともに、共通流路318から圧力室316にインクを導く個別供給路の絞り部(最狭窄部)としての供給口322を形成する流路形成部材である。なお、説明の便宜上、図20では簡略的に図示しているが、流路板320は一枚又は複数の基板を積層した構造である。
ノズルプレート314及び流路板320は、シリコンを材料として半導体製造プロセスによって所要の形状に加工することが可能である。
共通流路318はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路318を介して各圧力室316に供給される。
圧力室316の一部の面(図20における天面)を構成する振動板324には、個別電極326及び下部電極328を備え、個別電極326と下部電極328との間に圧電体330がはさまれた構造を有するピエゾアクチュエータ332が接合されている。振動板324を金属薄膜や金属酸化膜により構成すると、ピエゾアクチュエータ332の下部電極328に相当する共通電極として機能する。なお、樹脂などの非導電性材料によって振動板を形成する態様では、振動板部材の表面に金属などの導電材料による下部電極層が形成される。
個別電極326に駆動電圧を印加することによってピエゾアクチュエータ332が変形して圧力室316の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル308からインクが吐出される。インク吐出後、ピエゾアクチュエータ332が元の状態に戻る際、共通流路318から供給口322を通って新しいインクが圧力室316に再充填される。
かかる構造を有するインク室ユニットを図19に示す如く、主走査方向Xと角度βをなす行方向V及び副走査方向Yに対して角度αをなす列方向Wに沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。かかるマトリクス配列において、副走査方向Yの隣接ノズル間隔をLとするとき、主走査方向Xについては実質的に各ノズル308が一定のピッチP=L/tanθで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
本例では、ヘッド300に設けられたノズル308から吐出させるインクの吐出力発生手段としてピエゾアクチュエータ332を適用したが、圧力室316内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用することも可能である。
〔制御系の説明〕
図21は、インクジェット記録装置200の制御系の概略構成を示すブロック図である。インクジェット記録装置200は、通信インターフェース340、システム制御部342、搬送制御部344、画像処理部346、ヘッド駆動部348を備えるとともに、画像メモリ350、ROM352を備えている。
通信インターフェース340は、ホストコンピュータ354から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース340は、USB(Universal Serial Bus)などのシリアルインターフェースを適用してもよいし、セントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用してもよい。通信インターフェース340は、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
システム制御部342は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置200の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能し、さらに、画像メモリ350及びROM352のメモリコントローラとして機能する。すなわち、システム制御部342は、通信インターフェース340、搬送制御部344等の各部を制御し、ホストコンピュータ354との間の通信制御、画像メモリ350及びROM352の読み書き制御等を行うとともに、上記の各部を制御する制御信号を生成する。
ホストコンピュータ354から送出された画像データは通信インターフェース340を介してインクジェット記録装置200に取り込まれ、画像処理部346によって所定の画像処理が施される。
画像処理部346は、画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号(画像)処理機能を有し、生成した印字データをヘッド駆動部348に供給する制御部である。画像処理部346において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッド駆動部348を介してヘッド300の吐出液滴量(打滴量)や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。なお、図21に示すヘッド駆動部348には、ヘッド300の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
搬送制御部344は、画像処理部346により生成された印字制御用の信号に基づいて記録媒体214(図17参照)の搬送タイミング及び搬送速度を制御する。図21における搬送駆動部356は、図17の圧胴234〜264を回転させるモータや、渡し胴232〜62を回転させるモータ、給紙部220における記録媒体214の送出機構のモータ、排出部270の張架ローラ272A(272B)を駆動するモータなどが含まれ、搬送制御部344は上記のモータのドライバーとして機能している。
画像メモリ(一次記憶メモリ)350は、通信インターフェース340を介して入力された画像データを一旦格納する一次記憶手段としての機能や、ROM352に記憶されている各種プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域(例えば、画像処理部346の作業領域)としての機能を有している。画像メモリ350には、逐次読み書きが可能な揮発性メモリ(RAM)が用いられる。
ROM352は、システム制御部342のCPUが実行するプログラムや、装置各部の制御に必要な各種データ、制御パラメータなどが格納されており、システム制御部342を通じてデータの読み書きが行われる。ROM352は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。また、外部インターフェースを備え、着脱可能な記憶媒体を用いてもよい。
さらに、このインクジェット記録装置200は、処理液付与制御部360、乾燥処理制御部362、及び定着処理制御部364を備えており、システム制御部342からの指示にしたがって、それぞれ、処理液塗布部230、乾燥処理部250、及び定着処理部260の各部の動作を制御する。
処理液付与制御部360は、画像処理部346から得られた印字データに基づいて、処理液付与のタイミングの制御を制御するとともに、処理液の付与量を制御する。また、乾燥処理制御部362は、乾燥処理装置256における乾燥処理のタイミングを制御するとともに、処理温度、送風量等を制御し、定着処理制御部364は、ヒータ266の温度を制御するとともに、定着ローラ268の押圧を制御する。
図17に示したインラインセンサ282を含むインライン検出部466は、インラインセンサ282から出力される読取信号にノズル除去や増幅、波形整形などの所定の信号処理を施す信号処理部を含む処理ブロックである。システム制御部342は、当該インライン検出部により得られた検出信号に基づいて、ヘッド300の吐出異常の有無を判断する。
インク供給制御部386は、インク供給部388によるヘッド300へのインク供給の制御を行う。インク供給制御部386の具体例として、図4に示す構成が挙げられる。また、図21に示すインク供給部388は、上述したインク供給装置10,100が適用される。
本例に示すインクジェット記録装置200は、ユーザインターフェース370を具備し、該ユーザインターフェース370は、オペレータ(ユーザ)が各種入力を行うための入力装置372と、表示部(ディスプレイ)374を含んで構成される。入力装置372には、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタンなど各種形態を採用し得る。オペレータは、入力装置372を操作することにより、印刷条件の入力、画質モードの選択、付属情報の入力・編集、情報の検索などを行うことができ、入力内容や検索結果など等の各種情報は表示部374の表示を通じて確認することができる。この表示部374はエラーメッセージなどの警告を表示する手段としても機能する。なお、図21の表示部374は、図4に図示した制御系における報知手段としてのディスプレイに適用することができる。
脱気制御部378は、インクタンク52(図1参照)からヘッド300へ送られる液に脱気処理を施す脱気モジュール160の動作を制御する。
パラメータ記憶部380は、インクジェット記録装置200の動作に必要な各種制御パラメータが記憶されている。システム制御部342は、制御に必要なパラメータを適宜読み出すとともに、必要に応じて各種パラメータの更新(書換)を実行する。
圧力センサ381(図13に図示した圧力センサ16、116と等価)は、インク流路の圧力を計測するための圧力検出素子を含み、計測された圧力情報を電気信号に変換してシステム制御部342へ提供する。システム制御部342は、当該圧力情報に基づいてインク供給部388に含まれるポンプの動作(回転速度)を補正するようにインク供給制御部386へ指令信号を送出する。
プログラム格納部384は、インクジェット記録装置200を動作させるための制御プログラムが格納されている記憶手段である。この制御プログラムにはインク供給部388に含まれる供給ポンプ20、回収ポンプ120や脱気モジュール160、熱交換器166等の制御プログラムが含まれる。
(他の装置構成への適用例)
本変形例では、画像形成装置の例として、インクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲は写真プリントやポスター印刷などのいわゆるグラフィック印刷の用途に限定されず、レジスト印刷装置、電子回路基板の配線描画装置、微細構造物形成装置など、画像として把握できるパターンを形成し得る工業用途の装置も包含する。
<付記>
上記に詳述した実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
(発明1):液体の供給対象と連通する供給流路と、前記供給流路内の液体へ圧力を付与する第1の圧力付与手段と、前記供給流路と連通する第1の液体室及び気体が貯留される第1の気体室を有し、前記第1の液体室の体積を可変させるように変形又は移動が可能な第1の隔壁により前記第1の液体室と前記第1の気体室が隔離された構造を有する第1の圧力緩衝部と、前記第1の気体室と一方の端が連通する第1の気体流路と、前記第1の気体流路の他方の端と連通する第1の気体貯留部と、前記気体室と前記第1の気体貯留部との連通又は遮断を切り換える第1の気体流路切換手段と、前記第1の気体貯留部と一方の端が連通され、他方の端が大気と連通する第1の大気連通路と、前記第1の気体貯留部の大気開放又は大気との遮断を切り換える第1の大気連通路切換手段と、前記第1の隔壁の初期位置調整時及び前記液体の供給対象に対する加圧時において、前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通路切換手段の動作を制御する第1の切換制御手段と、前記第1の切換制御手段により動作が制御される前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通路切換手段の動作に対応して、前記第1の圧力付与手段の動作を制御する第1の圧力制御手段と、を備えたことを特徴とする液体供給装置。
本発明によれば、液体の供給対象と連通する供給流路に、第1の液体室と第1の気体室が第1の隔壁により隔離された構造を有し、第1の気体室が第1の気体流路及び第1の気体流路切換手段を介して第1気体貯留部と連通される第1の圧力緩衝部を備え、さらに、第1気体貯留室が第1の大気連通路及び第1の大気連通路切換手段を介して大気連通が可能に構成された構造を有し、第1の隔壁の初期位置調整時及び液体の供給対象に対する加圧時において、第1の気体流路切換手段及び第1の大気連通切換手段が切換可能に構成されるとともに、第1の気体流路切換手段及び第1の大気連通切換手段の動作に応じて第1の圧力付与手段の動作が制御されるので、第1の隔壁の初期位置調整を行うことで経時による圧力制御の変動が抑制されるとともに、液体の供給対象に対する加圧時には好ましい圧力が確保され、かつ、液体供給時においては第1の圧力緩衝部よる圧力緩衝機能が作用して、圧力変動が抑制された好ましい液体供給が実現される。
液体の供給対象の具体例として、液体吐出ヘッド(インクジェットヘッド)が挙げられる。供給対象と供給流路との連通、非連通を切り換える供給流路切換手段を備える態様が好ましい。
第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通路切換手段は、制御信号により開閉動作が制御される制御弁が好ましい。
第1の圧力付与手段は、第1の流路の内部圧力の昇圧、減圧を切換可能なポンプが好ましい。すなわち、ポンプの回転方向を切り換えて吐出、吸引を切り換えることで、第1の流路に対して昇圧、減圧をすることが可能である。
(発明2):発明1に記載の液体供給装置において、前記第1の切換制御手段は、前記第1の隔壁の初期位置調整が開始されると、前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通切換手段を開くとともに、前記第1の隔壁が初期位置に調整されると前記第1の気体流路切換手段を閉じるように制御し、前記第1の圧力制御手段は、前記第1の隔壁の初期位置調整時において前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通切換手段が開かれると、前記第1の液体室の内部を加圧して前記第1の隔壁が初期位置に位置する初期状態よりも前記第1の液体室を拡張させ、前記第1の液体室が所定の体積に達すると、前記第1の液体室の内部を減圧して初期状態よりも拡張させた分だけ前記第1の液体室を収縮させるように、前記第1の圧力付与手段を動作させることを特徴とする。
かかる態様によれば、第1の圧力緩衝部に具備される第1の隔壁の初期位置が適宜調整されることで、圧力制御のバラつきの発生を回避し得る。
第1の隔壁は、第1の液体室の圧力変動に応じて弾性変形する弾性膜が好ましい。
(発明3):発明2に記載の液体供給装置において、前記供給流路又は前記第1の液体室の圧力を検出する第1の圧力検出手段と、前記第1の圧力検出手段により検出された圧力と前記第1の液体室の体積との関係が記憶される第1の記憶手段と、を備え、前記第1の圧力制御手段は、第1の圧力検出手段による検出結果が前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の液体室を初期状態よりも拡張させるときの体積に対応する指定圧力になると、前記第1の圧力付与手段の動作を停止させるように制御することを特徴とする。
かかる態様によれば、第1の圧力検出手段による検出圧力により第1の液体室の状態を把握することができ、好ましい圧力制御が実行される。
かかる態様における「指定圧力」は、液室の体積と圧力が比例関係を保つ範囲の中で予め決められた圧力を意味している。
(発明4):発明2又は3に記載の液体供給装置において、前記第1の圧力制御手段は、前記第1の隔壁の初期位置調整時において前記第1の液体室を拡張させた状態から収縮させる際に、前記第1の液体室内の液体を一定の流速で排出させるように前記第1の圧力付与手段を所定時間動作させることを特徴とする。
かかる態様によれば、第1の隔壁の初期位置を正確に調整することができる。
かかる態様において、第1の液体室の収縮が開始されてからの(圧力付与制御の切換タイミングからの)経過時間を計測する経過時間計測手段を備える態様が好ましい。
(発明5):発明1乃至4のいずれかに記載の液体供給装置において、前記第1の切換制御手段は、前記液体の供給対象に対する加圧が開始されると、前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通切換手段を開くとともに、前記第1の隔壁が前記第1の液体室の体積が最大となるように変形又は移動した状態で前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通切換手段を閉じるように制御し、前記第1の圧力制御手段は、前記液体の供給対象に対する加圧時において前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通切換手段が開かれると、前記第1の液体室の内部を加圧して前記第1の隔壁を変形又は移動させ、前記第1の液体室の体積が最大となるように前記第1の圧力付与手段を動作させることを特徴とする。
かかる態様によれば、液体の供給対象への加圧時において、第1の液体室の体積が最大となる状態に第1の隔壁を固定することができる。
かかる態様における「液体の供給対象に対する加圧」の一例として、インクジェットヘッドの加圧パージ(予備吐出)が挙げられる。
(発明6):発明5に記載の液体供給装置において、前記第1の圧力制御手段は、前記第1の液体室の体積が最大となる状態で前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通切換手段が閉じられると、前記供給流路内の液体を加圧するように前記第1の圧力付与手段を動作させて、前記液体の供給対象に対する加圧を行うことを特徴とする。
かかる態様によれば、第1の圧力緩衝部及び供給流路に貯留された圧力を利用して、好ましい液体の供給対象に対する加圧が実行される。
(発明7):発明1乃至6のいずれかに記載の液体供給装置において、記第1の圧力緩衝部は、密閉容器内に設けられた可撓膜を第1の隔壁として、前記第1の液体室と前記第1の気体室が隔離された構造を有することを特徴とする。
かかる態様によれば、第1の液体室に流入する液体量に応じて第1の液体室の体積を拡張させることができ、供給流路に生じた圧力変動を緩衝させることが可能である。
(発明8):請求項1乃至7のいずれかに記載の液体供給装置において、前記第1の圧力緩衝部は、前記第1の気体室の内壁が曲面であることを特徴とする。
かかる態様によれば、第1の隔壁の耐久性の向上が見込まれる。
(発明9):発明1乃至8のいずれかに記載の液体供給装置において、前記液体の供給対象と連通する回収流路と、前記回収流路内の液体へ圧力を付与する第2の圧力付与手段と、前記回収流路と連通する第2の液体室及び気体が貯留される第2の気体室を有し、前記第2の液体室の体積を可変させるように変形又は移動が可能な第2の隔壁により前記第2の液体室と前記第2の気体室が隔離された構造を有する第2の圧力緩衝部と、前記第2の気体室と一方の端が連通する第2の気体流路と、前記第2の気体流路の他方の端と連通する第2の気体貯留部と、前記第2の気体室と前記第2の気体貯留部との連通又は遮断を切り換える第1の気体流路切換手段と、前記第2の気体貯留部と一方の端が連通され、他方の端が大気と連通する第2の大気連通路と、前記第2の気体貯留部の大気開放又は大気との遮断を切り換える第2の大気連通路切換手段と、前記液体の供給対象から前記回収流路を介して液体を循環させる循環時、前記第2の隔壁の初期位置調整時及び前記液体の供給対象に対する加圧時において、前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通路切換手段の動作を制御する第2の切換制御手段と、前記第2の切換制御手段により動作が制御される前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通路切換手段の動作に対応して、前記第2の圧力付与手段を動作させる第2の圧力制御手段と、を備えたことを特徴とする。
かかる態様において、第1の圧力制御手段と第2の圧力制御手段とを共通化してもよいし、第1の切換制御手段と第2の切換制御手段とを共通化してもよい。
(発明10):発明9に記載の液体供給装置において、前記第1の切換制御手段は、前記液体の供給対象から前記回収流路を介して液体を循環させる循環時において、前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通路切換手段の動作を制御し、前記第1の圧力制御手段は、前記液体の供給対象から前記回収流路を介して液体を循環させる循環時において、前記切換制御手段により動作が制御される前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通路切換手段の動作に対応して、前記第1の圧力付与手段を動作させることを特徴とする。
かかる態様によれば、供給系と循環系とを独立して制御することができる。
(発明11):発明9又は10に記載の液体供給装置において、前記第1の切換制御手段は、前記液体の供給対象から前記回収流路を介して液体を循環させる循環時において、前記第1の気体流路切換手段を開く一方、前記第1の大気連通路切換手段を閉じるように制御し、前記第2の切換制御手段は、前記液体の供給対象から前記回収流路を介して液体を循環させる循環時において、前記第2の気体流路切換手段を開く一方、前記第2の大気連通路切換手段を閉じるように制御し、前記第1の圧力制御手段は、前記供給流路と前記回収流路との間に差圧を発生させるように前記第1の圧力付与手段を動作させるとともに、前記第2の圧力制御手段は、前記供給流路と前記回収流路との間に差圧を発生させるように前記第2の圧力付与手段を動作させることを特徴とする。
かかる態様によれば、好ましい圧力制御による液体の循環が実行される。
(発明12):発明9乃至11のいずれかに記載の液体吐出装置において、前記供給流路と前記回収流路とを連通させる連通流路と、前記供給流路と前記回収流路との開閉を切り換える連通流路切換手段と、前記液体の供給対象から前記回収流路を介して液体を循環させる循環時において、前記供給流路と前記回収流路とを連通させるように、前記連通流路切換手段の動作を制御する連通流路切換制御手段と、を備えたことを特徴とする。
かかる態様によれば、供給流路内及び回収流路内の流速の低下による温度分布の発生を回避することができる。
かかる態様は、供給流路と連通する一時貯留部から液体流路が分岐する構造を有する態様において、特に効果を発揮し得る。
(発明13):発明9乃至12のいずれかに記載の液体供給装置において、前記第2の切換制御手段は、前記第2の隔壁の初期位置調整が開始されると、前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通切換手段を開くとともに、前記第2の隔壁が初期位置に調整されると前記第2の気体流路切換手段を閉じるように制御し、前記第2の圧力制御手段は、前記第2の隔壁の初期位置調整時において前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通切換手段が開かれると、前記第2の液体室の内部を加圧して前記第2の隔壁が初期位置に位置する初期状態よりも前記第2の液体室を拡張させ、前記第2の液体室が所定の体積に達すると、前記第2の液体室の内部を減圧して初期状態よりも拡張させた分だけ前記第2の液体室を収縮させるように、前記第2の圧力付与手段を動作させることを特徴とする。
かかる態様によれば、第2の隔壁の初期位置を正確に調整することができる。
(発明14):発明13に記載の液体供給装置において、前記回収流路又は前記第2の液体室の圧力を検出する第2の圧力検出手段と、前記第2の圧力検出手段により検出された圧力と前記第2の液体室の体積との関係が記憶される第2の記憶手段と、を備え、前記第2の圧力制御手段は、第2の圧力検出手段による検出結果が前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の液体室を初期状態よりも拡張させるときの体積に対応する指定圧力になると、前記第2の圧力付与手段の動作を停止させるように制御することを特徴とする。
かかる態様によれば、第2の圧力検出手段による検出圧力により第2の液体室の状態を把握することができ、好ましい圧力制御が実行される。
(発明15):発明13又は14に記載の液体供給装置において、前記第2の圧力制御手段は、前記第2の圧力緩衝部の調整時における前記第2の隔壁の初期位置調整時において前記第2の液体室を拡張させた状態から収縮させる際に、前記第2の液体室内の液体を一定の流速で排出させるように前記第2の圧力付与手段を所定時間動作させることを特徴とする。
かかる態様によれば、第2の隔壁の初期位置を正確に調整することができる。
かかる態様において、第2の液体室の収縮が開始されてからの(圧力付与制御の切換タイミングからの)経過時間を計測する経過時間計測手段を備える態様が好ましい。
(発明16):発明13乃至15のいずれかに記載の液体供給装置において、前記第2の切換制御手段は、前記液体の供給対象に対する加圧が開始されると、前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通切換手段を開くとともに、前記第2の隔壁が前記第2の液体室の体積が最大となるように変形又は移動した状態で前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通切換手段を閉じるように制御し、前記第2の圧力制御手段は、前記液体の供給対象に対する加圧時において前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通切換手段が開かれると、前記第2の液体室の内部を加圧して前記第2の隔壁を変形又は移動させ、前記第2の液体室の体積が最大となるように前記第2の圧力付与手段を動作させることを特徴とする。
かかる態様によれば、液体の供給対象への加圧時において、第1の隔壁と同様に、第2の液体室の体積が最大となる状態に第2の隔壁を固定することができる。
(発明17):発明16に記載の液体供給装置において、前記第2の圧力制御手段は、前記第2の液体室の体積が最大となる状態で前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通切換手段が閉じられると、前記回収流路内の液体を加圧するように前記第2の圧力付与手段を動作させて、前記液体の供給対象に対する加圧を行うことを特徴とする。
かかる態様によれば、第2の圧力緩衝部及び供給流路に貯留された圧力を利用して、好ましい液体の供給対象に対する加圧が実行される。
(発明18):発明9乃至17のいずれかに記載の液体供給装置、前記第2の圧力緩衝部は、密閉容器内に設けられた可撓膜を第2の隔壁として、前記第2の液体室と前記第2の気体室が隔離された構造を有することを特徴とする。
(発明19):発明9乃至18のいずれかに記載の液体供給装置において、前記第2圧力緩衝部は、前記第2の気体室の内壁が曲面であることを特徴とする。
(発明20):液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する液体供給装置と、を備え、前記液体供給装置は、前記液体吐出ヘッドと連通する供給流路と、前記供給流路内の液体へ圧力を付与する第1の圧力付与手段と、前記供給流路と連通する第1の液体室及び気体が貯留される第1の気体室を有し、前記第1の液体室の体積を可変させるように変形又は移動が可能な第1の隔壁により前記第1の液体室と前記第1の気体室が隔離された構造を有する第1の圧力緩衝部と、前記第1の気体室と一方の端が連通する第1の気体流路と、前記第1の気体流路の他方の端と連通する第1の気体貯留部と、前記気体室と前記第1の気体貯留部との連通又は遮断を切り換える第1の気体流路切換手段と、前記第1の気体貯留部と一方の端が連通され、他方の端が大気と連通する第1の大気連通路と、前記第1の気体貯留部の大気開放又は大気との遮断を切り換える第1の大気連通路切換手段と、前記第1の隔壁の初期位置調整時及び前記液体の供給対象に対する加圧時において、前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通路切換手段の動作を制御する第1の切換制御手段と、前記切換制御手段により動作が制御される前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通路切換手段の動作に対応して、前記第1の圧力付与手段を動作させる第1の圧力制御手段と、を備えたことを特徴とする。
液体吐出装置には、インクジェットヘッドからインクを吐出して記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置が含まれる。
(発明21):発明20に記載の液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドと連通する回収流路と、前記回収流路内の液体へ圧力を付与する第2の圧力付与手段と、前記回収流路と連通する第2の液体室及び気体が貯留される第2の気体室を有し、前記第2の液体室の体積を可変させるように変形又は移動が可能な第2の隔壁により前記第2の液体室と前記第2の気体室が隔離された構造を有する第2の圧力緩衝部と、前記第2の気体室と一方の端が連通する第2の気体流路と、前記第2の気体流路の他方の端と連通する第2の気体貯留部と、前記第2の気体室と前記第2の気体貯留部との連通又は遮断を切り換える第1の気体流路切換手段と、前記第2の気体貯留部と一方の端が連通され、他方の端が大気と連通する第2の大気連通路と、前記第2の気体貯留部の大気開放又は大気との遮断を切り換える第2の大気連通路切換手段と、前記液体の供給対象から前記回収流路を介して液体を循環させる循環時、前記第2の隔壁の初期位置調整時及び前記液体の供給対象に対する加圧時において、前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通路切換手段の動作を制御する第2の切換制御手段と、前記第2の切換制御手段により動作が制御される前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通路切換手段の動作に対応して、前記第2の圧力付与手段を動作させる第2の圧力制御手段と、を備えたことを特徴とする。
10,10’,100…インク供給装置、12…供給流路、16,116,381…圧力センサ、18,118…サブタンク、20,120…ポンプ、22…弾性膜、24、…液室、26…気室、30,34,40,130,134,140…バルブ、50,50’,248M,248K,248C,248Y,300…ヘッド、70,342…システム制御部、72…ポンプ制御部、74…バルブ制御部、80,380…パラメータ記憶部

Claims (21)

  1. 液体の供給対象と連通する供給流路と、
    前記供給流路内の液体へ圧力を付与する第1の圧力付与手段と、
    前記供給流路と連通する第1の液体室及び気体が貯留される第1の気体室を有し、前記第1の液体室の体積を可変させるように変形又は移動が可能な第1の隔壁により前記第1の液体室と前記第1の気体室が隔離された構造を有する第1の圧力緩衝部と、
    前記第1の気体室と一方の端が連通する第1の気体流路と、
    前記第1の気体流路の他方の端と連通する第1の気体貯留部と、
    前記気体室と前記第1の気体貯留部との連通又は遮断を切り換える第1の気体流路切換手段と、
    前記第1の気体貯留部と一方の端が連通され、他方の端が大気と連通する第1の大気連通路と、
    前記第1の気体貯留部の大気開放又は大気との遮断を切り換える第1の大気連通路切換手段と、
    前記第1の隔壁の初期位置調整時及び前記液体の供給対象に対する加圧時において、前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通路切換手段の動作を制御する第1の切換制御手段と、
    前記第1の切換制御手段により動作が制御される前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通路切換手段の動作に対応して、前記第1の圧力付与手段の動作を制御する第1の圧力制御手段と、
    を備えたことを特徴とする液体供給装置。
  2. 請求項1に記載の液体供給装置において、
    前記第1の切換制御手段は、前記第1の隔壁の初期位置調整が開始されると、前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通切換手段を開くとともに、前記第1の隔壁が初期位置に調整されると前記第1の気体流路切換手段を閉じるように制御し、
    前記第1の圧力制御手段は、前記第1の隔壁の初期位置調整時において前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通切換手段が開かれると、前記第1の液体室の内部を加圧して前記第1の隔壁が初期位置に位置する初期状態よりも前記第1の液体室を拡張させ、前記第1の液体室が所定の体積に達すると、前記第1の液体室の内部を減圧して初期状態よりも拡張させた分だけ前記第1の液体室を収縮させるように、前記第1の圧力付与手段を動作させることを特徴とする液体供給装置。
  3. 請求項2に記載の液体供給装置において、
    前記供給流路又は前記第1の液体室の圧力を検出する第1の圧力検出手段と、
    前記第1の圧力検出手段により検出された圧力と前記第1の液体室の体積との関係が記憶される第1の記憶手段と、
    を備え、
    前記第1の圧力制御手段は、第1の圧力検出手段による検出結果が前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の液体室を初期状態よりも拡張させるときの体積に対応する指定圧力になると、前記第1の圧力付与手段の動作を停止させるように制御することを特徴とする液体供給装置。
  4. 請求項2又は3に記載の液体供給装置において、
    前記第1の圧力制御手段は、前記第1の隔壁の初期位置調整時において前記第1の液体室を拡張させた状態から収縮させる際に、前記第1の液体室内の液体を一定の流速で排出させるように前記第1の圧力付与手段を所定時間動作させることを特徴とする液体供給装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の液体供給装置において、
    前記第1の切換制御手段は、前記液体の供給対象に対する加圧が開始されると、前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通切換手段を開くとともに、前記第1の隔壁が前記第1の液体室の体積が最大となるように変形又は移動した状態で前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通切換手段を閉じるように制御し、
    前記第1の圧力制御手段は、前記液体の供給対象に対する加圧時において前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通切換手段が開かれると、前記第1の液体室の内部を加圧して前記第1の隔壁を変形又は移動させ、前記第1の液体室の体積が最大となるように前記第1の圧力付与手段を動作させることを特徴とする液体供給装置。
  6. 請求項5に記載の液体供給装置において、
    前記第1の圧力制御手段は、前記第1の液体室の体積が最大となる状態で前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通切換手段が閉じられると、前記供給流路内の液体を加圧するように前記第1の圧力付与手段を動作させて、前記液体の供給対象に対する加圧を行うことを特徴とする液体供給装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の液体供給装置において、
    記第1の圧力緩衝部は、密閉容器内に設けられた可撓膜を第1の隔壁として、前記第1の液体室と前記第1の気体室が隔離された構造を有することを特徴とする液体供給装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の液体供給装置において、
    前記第1の圧力緩衝部は、前記第1の気体室の内壁が曲面であることを特徴とする液体供給装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の液体供給装置において、
    前記液体の供給対象と連通する回収流路と、
    前記回収流路内の液体へ圧力を付与する第2の圧力付与手段と、
    前記回収流路と連通する第2の液体室及び気体が貯留される第2の気体室を有し、前記第2の液体室の体積を可変させるように変形又は移動が可能な第2の隔壁により前記第2の液体室と前記第2の気体室が隔離された構造を有する第2の圧力緩衝部と、
    前記第2の気体室と一方の端が連通する第2の気体流路と、
    前記第2の気体流路の他方の端と連通する第2の気体貯留部と、
    前記第2の気体室と前記第2の気体貯留部との連通又は遮断を切り換える第1の気体流路切換手段と、
    前記第2の気体貯留部と一方の端が連通され、他方の端が大気と連通する第2の大気連通路と、
    前記第2の気体貯留部の大気開放又は大気との遮断を切り換える第2の大気連通路切換手段と、
    前記液体の供給対象から前記回収流路を介して液体を循環させる循環時、前記第2の隔壁の初期位置調整時及び前記液体の供給対象に対する加圧時において、前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通路切換手段の動作を制御する第2の切換制御手段と、
    前記第2の切換制御手段により動作が制御される前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通路切換手段の動作に対応して、前記第2の圧力付与手段を動作させる第2の圧力制御手段と、
    を備えたことを特徴とする液体供給装置。
  10. 請求項9に記載の液体供給装置において、
    前記第1の切換制御手段は、前記液体の供給対象から前記回収流路を介して液体を循環させる循環時において、前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通路切換手段の動作を制御し、
    前記第1の圧力制御手段は、前記液体の供給対象から前記回収流路を介して液体を循環させる循環時において、前記切換制御手段により動作が制御される前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通路切換手段の動作に対応して、前記第1の圧力付与手段を動作させることを特徴とする液体供給装置。
  11. 請求項9又は10に記載の液体供給装置において、
    前記第1の切換制御手段は、前記液体の供給対象から前記回収流路を介して液体を循環させる循環時において、前記第1の気体流路切換手段を開く一方、前記第1の大気連通路切換手段を閉じるように制御し、
    前記第2の切換制御手段は、前記液体の供給対象から前記回収流路を介して液体を循環させる循環時において、前記第2の気体流路切換手段を開く一方、前記第2の大気連通路切換手段を閉じるように制御し、
    前記第1の圧力制御手段は、前記供給流路と前記回収流路との間に差圧を発生させるように前記第1の圧力付与手段を動作させるとともに、
    前記第2の圧力制御手段は、前記供給流路と前記回収流路との間に差圧を発生させるように前記第2の圧力付与手段を動作させることを特徴とする液体供給装置。
  12. 請求項9乃至11のいずれかに記載の液体供給装置において、
    前記供給流路と前記回収流路とを連通させる連通流路と、
    前記供給流路と前記回収流路との開閉を切り換える連通流路切換手段と、
    前記液体の供給対象から前記回収流路を介して液体を循環させる循環時において、前記供給流路と前記回収流路とを連通させるように、前記連通流路切換手段の動作を制御する連通流路切換制御手段と、
    を備えたことを特徴とする液体供給装置
  13. 請求項9乃至12のいずれかに記載の液体供給装置において、
    前記第2の切換制御手段は、前記第2の隔壁の初期位置調整が開始されると、前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通切換手段を開くとともに、前記第2の隔壁が初期位置に調整されると前記第2の気体流路切換手段を閉じるように制御し、
    前記第2の圧力制御手段は、前記第2の隔壁の初期位置調整時において前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通切換手段が開かれると、前記第2の液体室の内部を加圧して前記第2の隔壁が初期位置に位置する初期状態よりも前記第2の液体室を拡張させ、前記第2の液体室が所定の体積に達すると、前記第2の液体室の内部を減圧して初期状態よりも拡張させた分だけ前記第2の液体室を収縮させるように、前記第2の圧力付与手段を動作させることを特徴とする液体供給装置。
  14. 請求項13に記載の液体供給装置において、
    前記回収流路又は前記第2の液体室の圧力を検出する第2の圧力検出手段と、
    前記第2の圧力検出手段により検出された圧力と前記第2の液体室の体積との関係が記憶される第2の記憶手段と、
    を備え、
    前記第2の圧力制御手段は、第2の圧力検出手段による検出結果が前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の液体室を初期状態よりも拡張させるときの体積に対応する指定圧力になると、前記第2の圧力付与手段の動作を停止させるように制御することを特徴とする液体供給装置。
  15. 請求項13又は14に記載の液体供給装置において、
    前記第2の圧力制御手段は、前記第2の圧力緩衝部の調整時における前記第2の隔壁の初期位置調整時において前記第2の液体室を拡張させた状態から収縮させる際に、前記第2の液体室内の液体を一定の流速で排出させるように前記第2の圧力付与手段を所定時間動作させることを特徴とする液体供給装置。
  16. 請求項13乃至15のいずれかに記載の液体供給装置において、
    前記第2の切換制御手段は、前記液体の供給対象に対する加圧が開始されると、前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通切換手段を開くとともに、前記第2の隔壁が前記第2の液体室の体積が最大となるように変形又は移動した状態で前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通切換手段を閉じるように制御し、
    前記第2の圧力制御手段は、前記液体の供給対象に対する加圧時において前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通切換手段が開かれると、前記第2の液体室の内部を加圧して前記第2の隔壁を変形又は移動させ、前記第2の液体室の体積が最大となるように前記第2の圧力付与手段を動作させることを特徴とする液体供給装置。
  17. 請求項16に記載の液体供給装置において、
    前記第2の圧力制御手段は、前記第2の液体室の体積が最大となる状態で前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通切換手段が閉じられると、前記回収流路内の液体を加圧するように前記第2の圧力付与手段を動作させて、前記液体の供給対象に対する加圧を行うことを特徴とする液体供給装置。
  18. 請求項9乃至17のいずれかに記載の液体供給装置において、
    前記第2の圧力緩衝部は、密閉容器内に設けられた可撓膜を第2の隔壁として、前記第2の液体室と前記第2の気体室が隔離された構造を有することを特徴とする液体供給装置。
  19. 請求項9乃至18のいずれかに記載の液体供給装置において、
    前記第2の圧力緩衝部は、前記第2の気体室の内壁が曲面であることを特徴とする液体供給装置。
  20. 液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに液体を供給する液体供給装置と、
    を備え、
    前記液体供給装置は、前記液体吐出ヘッドと連通する供給流路と、
    前記供給流路内の液体へ圧力を付与する第1の圧力付与手段と、
    前記供給流路と連通する第1の液体室及び気体が貯留される第1の気体室を有し、前記第1の液体室の体積を可変させるように変形又は移動が可能な第1の隔壁により前記第1の液体室と前記第1の気体室が隔離された構造を有する第1の圧力緩衝部と、
    前記第1の気体室と一方の端が連通する第1の気体流路と、
    前記第1の気体流路の他方の端と連通する第1の気体貯留部と、
    前記気体室と前記第1の気体貯留部との連通又は遮断を切り換える第1の気体流路切換手段と、
    前記第1の気体貯留部と一方の端が連通され、他方の端が大気と連通する第1の大気連通路と、
    前記第1の気体貯留部の大気開放又は大気との遮断を切り換える第1の大気連通路切換手段と、
    前記第1の隔壁の初期位置調整時及び前記液体の供給対象に対する加圧時において、前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通路切換手段の動作を制御する第1の切換制御手段と、
    前記切換制御手段により動作が制御される前記第1の気体流路切換手段及び前記第1の大気連通路切換手段の動作に対応して、前記第1の圧力付与手段を動作させる第1の圧力制御手段と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
  21. 請求項20に記載の液体吐出装置において、
    前記液体吐出ヘッドと連通する回収流路と、
    前記回収流路内の液体へ圧力を付与する第2の圧力付与手段と、
    前記回収流路と連通する第2の液体室及び気体が貯留される第2の気体室を有し、前記第2の液体室の体積を可変させるように変形又は移動が可能な第2の隔壁により前記第2の液体室と前記第2の気体室が隔離された構造を有する第2の圧力緩衝部と、
    前記第2の気体室と一方の端が連通する第2の気体流路と、
    前記第2の気体流路の他方の端と連通する第2の気体貯留部と、
    前記第2の気体室と前記第2の気体貯留部との連通又は遮断を切り換える第1の気体流路切換手段と、
    前記第2の気体貯留部と一方の端が連通され、他方の端が大気と連通する第2の大気連通路と、
    前記第2の気体貯留部の大気開放又は大気との遮断を切り換える第2の大気連通路切換手段と、
    前記液体の供給対象から前記回収流路を介して液体を循環させる循環時、前記第2の隔壁の初期位置調整時及び前記液体の供給対象に対する加圧時において、前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通路切換手段の動作を制御する第2の切換制御手段と、
    前記第2の切換制御手段により動作が制御される前記第2の気体流路切換手段及び前記第2の大気連通路切換手段の動作に対応して、前記第2の圧力付与手段を動作させる第2の圧力制御手段と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
JP2010172786A 2010-07-30 2010-07-30 液体供給装置及び液体吐出装置 Expired - Fee Related JP5498307B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010172786A JP5498307B2 (ja) 2010-07-30 2010-07-30 液体供給装置及び液体吐出装置
US13/194,530 US8414115B2 (en) 2010-07-30 2011-07-29 Liquid supplying apparatus and liquid ejecting apparatus
CN201110218294.1A CN102343721B (zh) 2010-07-30 2011-08-01 液体供给装置和液体喷射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010172786A JP5498307B2 (ja) 2010-07-30 2010-07-30 液体供給装置及び液体吐出装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2012030516A true JP2012030516A (ja) 2012-02-16
JP2012030516A5 JP2012030516A5 (ja) 2013-07-11
JP5498307B2 JP5498307B2 (ja) 2014-05-21

Family

ID=45526303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010172786A Expired - Fee Related JP5498307B2 (ja) 2010-07-30 2010-07-30 液体供給装置及び液体吐出装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8414115B2 (ja)
JP (1) JP5498307B2 (ja)
CN (1) CN102343721B (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102765257A (zh) * 2012-08-10 2012-11-07 李支斌 打印机墨水管路恒压缓冲分配器
JP2013184353A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Fujifilm Corp 圧力調整装置およびインクジェット記録装置
JP2013184352A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Fujifilm Corp 圧力調整装置およびインクジェット記録装置
WO2014034711A1 (ja) * 2012-08-31 2014-03-06 富士フイルム株式会社 液体吐出装置の設計支援装置、方法及び記録媒体、液体吐出装置の製造方法ならびに画像記録装置
JP2014111334A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出装置
JP2014141032A (ja) * 2013-01-24 2014-08-07 Fujifilm Corp 液体供給装置、液滴吐出装置、並びに液体充填方法
CN104890369A (zh) * 2014-03-06 2015-09-09 精工爱普生株式会社 液体喷射装置及其控制方法
US9409405B2 (en) 2014-07-16 2016-08-09 SCREEN Holdings Co., Ltd. Method of controlling liquid ejecting apparatus and liquid ejecting apparatus
JP2016175662A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 Dicグラフィックス株式会社 充填ノズル装置
JP6038403B2 (ja) * 2014-05-14 2016-12-07 富士フイルム株式会社 画像記録装置、液体供給装置及びその制御方法
JP2019513586A (ja) * 2016-04-14 2019-05-30 オセ−ホールディング べー.フェー. インクジェットプリンタ
JP2019125619A (ja) * 2018-01-12 2019-07-25 キヤノン株式会社 吐出装置およびインプリント装置
JP2020527477A (ja) * 2017-06-09 2020-09-10 フランク ジャン 上流の圧力吸収器を備えたインクジェットプリンタヘッドをクリーニングおよび/または操作するための装置および方法

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104136228B (zh) * 2012-02-29 2016-04-13 惠普发展公司,有限责任合伙企业 着色剂传输系统
JP5998602B2 (ja) * 2012-04-17 2016-09-28 セイコーエプソン株式会社 液体循環装置および液体吐出装置
JP6107065B2 (ja) * 2012-11-12 2017-04-05 セイコーエプソン株式会社 液体供給装置、供給方法及び医療機器システム
JP6293546B2 (ja) * 2014-03-26 2018-03-14 キヤノンファインテックニスカ株式会社 液体供給装置および液体吐出装置
EP3147124A1 (de) * 2015-08-13 2017-03-29 Heidelberger Druckmaschinen AG Verfahren zum dämpfen von druckspitzen in einer leitung für tinte eines tintenstrahldruckers
US10429096B2 (en) 2016-03-24 2019-10-01 Laird Technologies, Inc. Combined heater and accumulator assemblies
US9956785B2 (en) * 2016-09-27 2018-05-01 Xerox Corporation Pressure spike eliminator for print heads
JP2018202726A (ja) * 2017-06-02 2018-12-27 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置及び液体噴射装置のメンテナンス方法
DE102018110845B3 (de) 2018-05-07 2019-07-25 Océ Holding B.V. Anordnung und Verfahren zur Versorgung von Druckköpfen mit Tinte
KR102191837B1 (ko) * 2019-01-08 2020-12-17 주식회사 고산테크 잉크젯 프린터의 압력 조절 장치 및 그 제어방법
TWI754844B (zh) * 2019-10-16 2022-02-11 財團法人紡織產業綜合研究所 用於噴塗布料的噴墨設備
EP3838600B1 (en) * 2019-12-18 2024-02-07 Dover Europe Sàrl Low cost damper

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009241426A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Fujifilm Corp インクジェット記録装置、インクジェット記録方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6003983A (en) * 1997-11-18 1999-12-21 Lexmark International, Inc. Contaminant cleaned inkjet cartridge manufacture
JP4105135B2 (ja) * 2004-08-30 2008-06-25 シャープ株式会社 インクジェットヘッド装置、インクジェット装置、及びインクジェットヘッド装置のインク供給方法
JP4874605B2 (ja) 2005-09-12 2012-02-15 株式会社リコー インク供給容器と記録装置及びインク供給方法
CA2635141C (en) 2005-12-21 2014-12-02 Catalyst Services, Inc. Providing automated delivery of catalyst and/or particulate to any filling system device used to fill tubes
JP4920446B2 (ja) * 2007-02-16 2012-04-18 富士フイルム株式会社 圧力調整装置および画像形成装置並びに圧力調整方法および液体残量検出方法
US8215757B2 (en) * 2009-07-08 2012-07-10 Kabushiki Kaisha Toshiba Ink jet apparatus and liquid circulating method
JP5246107B2 (ja) * 2009-08-31 2013-07-24 ブラザー工業株式会社 液体噴射装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009241426A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Fujifilm Corp インクジェット記録装置、インクジェット記録方法

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013184353A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Fujifilm Corp 圧力調整装置およびインクジェット記録装置
JP2013184352A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Fujifilm Corp 圧力調整装置およびインクジェット記録装置
CN102765257A (zh) * 2012-08-10 2012-11-07 李支斌 打印机墨水管路恒压缓冲分配器
US9289979B2 (en) 2012-08-31 2016-03-22 Fujifilm Corporation Assistance device, design assistance method and recording medium for liquid ejection device, method of manufacturing liquid ejection device, and image recording device
JP2014046577A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Fujifilm Corp 液体吐出装置の設計支援装置、方法及びプログラム、液体吐出装置の製造方法ならびに画像記録装置
WO2014034711A1 (ja) * 2012-08-31 2014-03-06 富士フイルム株式会社 液体吐出装置の設計支援装置、方法及び記録媒体、液体吐出装置の製造方法ならびに画像記録装置
JP2014111334A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出装置
JP2014141032A (ja) * 2013-01-24 2014-08-07 Fujifilm Corp 液体供給装置、液滴吐出装置、並びに液体充填方法
CN104890369A (zh) * 2014-03-06 2015-09-09 精工爱普生株式会社 液体喷射装置及其控制方法
JP6038403B2 (ja) * 2014-05-14 2016-12-07 富士フイルム株式会社 画像記録装置、液体供給装置及びその制御方法
US9409405B2 (en) 2014-07-16 2016-08-09 SCREEN Holdings Co., Ltd. Method of controlling liquid ejecting apparatus and liquid ejecting apparatus
JP2016175662A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 Dicグラフィックス株式会社 充填ノズル装置
JP2019513586A (ja) * 2016-04-14 2019-05-30 オセ−ホールディング べー.フェー. インクジェットプリンタ
JP2020527477A (ja) * 2017-06-09 2020-09-10 フランク ジャン 上流の圧力吸収器を備えたインクジェットプリンタヘッドをクリーニングおよび/または操作するための装置および方法
JP7276861B2 (ja) 2017-06-09 2023-05-18 フランク ジャン 上流の圧力吸収器を備えたインクジェットプリンタヘッドをクリーニングおよび/または操作するための装置および方法
JP2019125619A (ja) * 2018-01-12 2019-07-25 キヤノン株式会社 吐出装置およびインプリント装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN102343721B (zh) 2015-06-17
CN102343721A (zh) 2012-02-08
US20120026256A1 (en) 2012-02-02
JP5498307B2 (ja) 2014-05-21
US8414115B2 (en) 2013-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5498307B2 (ja) 液体供給装置及び液体吐出装置
JP5419940B2 (ja) 液体供給装置、液体吐出装置及び画像記録装置
JP5438622B2 (ja) 液体供給装置及び液体吐出装置並びに圧力制御方法
WO2015046197A1 (ja) 圧力緩衝装置、液体流通装置、画像記録装置、及び液体流通装置の状態検出方法
JP5253258B2 (ja) 液体吐出装置
JP4963572B2 (ja) 液体供給装置、画像形成装置、及び液体供給方法
JP5886164B2 (ja) 液体吐出装置の設計支援装置、方法及びプログラム、液体吐出装置の製造方法
JP6018933B2 (ja) 液体供給装置、液滴吐出装置、並びに液体充填方法
JP5877170B2 (ja) インクジェット記録装置
JP5918164B2 (ja) 液体吐出装置
JP5547575B2 (ja) 画像形成装置
WO2015029599A1 (ja) インク供給装置およびインク供給方法並びにインクジェット記録装置
JP2015000518A (ja) インクジェット記録装置
JP5814162B2 (ja) 圧力調整装置およびインクジェット記録装置
US8807701B2 (en) Liquid ejection apparatus
JP2016083807A (ja) インクジェット印刷装置
JP5601941B2 (ja) 液体供給装置及び液体吐出装置並びに結露防止処理方法
JP2014144611A (ja) インクジェット記録装置及びインク充填方法
JP5814161B2 (ja) 圧力調整装置およびインクジェット記録装置
JP5230030B2 (ja) ヘッド洗浄装置及び画像形成装置並びにヘッド洗浄方法
JP2014233952A (ja) インク供給装置及びインク供給方法、インクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130910

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140307

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5498307

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees