JP2014032216A - 反射防止ハードコートおよび反射防止物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐引っかき性に優れた反射防止ハードコートおよび反射防止物品を提供する。
【解決手段】本開示の反射防止ハードコートは、ナノ粒子の混合物およびバインダーを含み、ドライエッチング処理表面を有し、ナノ粒子は反射防止ハードコートの全質量の40質量%〜95質量%を構成し、ナノ粒子の10質量%〜50質量%は2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有し、ナノ粒子の50質量%〜90質量%は60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有し、60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径と2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径の比が、2:1〜200:1である。
【選択図】図2

Description

本開示は、反射防止ハードコートおよび反射防止物品に関する。
反射防止(AR)コーティングは、ディスプレイへの室内灯の写り込みなどを防止して明りょうな映像を得るために使用されている。また、ディスプレイ表面には、布などを用いた拭き取り、爪などの接触などに対する耐引っかき性を付与することを目的としてハードコート処理が行われる場合もある。
特開2006−297680号には、「固体基材が、(A)電解質が0.01〜0.25モル/リットルの濃度で含まれている微粒子分散液と、(B)その微粒子の表面電荷と反対電荷のイオン性を有するポリマー溶液とに、交互に浸漬されることにより、基材上に微粒子とポリマーが交互に積層された微粒子積層膜が形成され、その微粒子積層膜が可視光を散乱しない空隙構造を有することを特徴とする低屈折率薄膜」が記載されている。
特開2002−079616号には、「基材と、該基材表面に設けられた透明被膜とからなり、該透明被膜が、(i)フッ素置換アルキル基含有シリコーン成分を含むマトリックスと、(ii)外殻層を有し、内部が多孔質または空洞となっている無機化合物粒子とを含み、かつ前記透明被膜中において、多孔質または空洞が維持されていることを特徴とする透明被膜付基材」が記載されている。
特開平07−092305号には、「(1)反射防止膜の最表層において、屈折率が1.45以下の有機超微粒子の表面が露出して凹凸が形成された空気と有機超微粒子が混在した部分が形成されており、(2)該最表層に続く反射防止膜の内部において、有機超微粒子自体の最外層が架橋又は融着した有機超微粒子からなる部分が形成されており、且つ、(3)その反射防止膜はその最表層から下部に向かって次第にその屈折率が増大していることを特徴とする低屈折率反射防止膜」が記載されている。
特表2012−514238号には、「ナノ分散相を含むマトリックスを提供する工程と、プラズマを使用してこのマトリックスをエッチングし、ランダムなナノ構造化異方性表面を形成する工程と」を有するプロセスで形成される複合体であって、反射防止物品として有用なナノ構造化物品が記載されている。
米国特許第5104929号および米国特許第7074463号には、光硬化性シランカップリング剤で改質されたSiOナノ粒子を含むハードコート材料が記載されている。
ディスプレイ表面に防汚性を付与することに対する強い要望もある。米国特許第7718264号および米国特許出願公開第2008/0124555号には、ヘキサフルオロプロピレンオキシド部位を有するフッ素化合物を添加した重合性組成物を硬化して得られる、防汚性を有し洗浄が容易な表面を有するハードコート材料が記載されている。
特開2006−297680号公報 特開2002−079616号公報 特開平07−092305号公報 特表2012−514238号公報 米国特許第5104929号明細書 米国特許第7074463号明細書 米国特許第7718264号明細書 米国特許出願公開第2008/0124555号明細書
本開示の目的は、耐引っかき性に優れた反射防止ハードコートおよび反射防止物品を提供することにある。
本開示の一実施形態によれば、ナノ粒子の混合物およびバインダーを含む反射防止ハードコートであって、ドライエッチング処理表面を有し、前記ナノ粒子は前記反射防止ハードコートの全質量の40質量%〜95質量%を構成し、前記ナノ粒子の10質量%〜50質量%は2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有し、前記ナノ粒子の50質量%〜90質量%は60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有し、60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径と2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径の比が、2:1〜200:1である、反射防止ハードコートが提供される。
本開示の別の実施形態によれば、第1の表面を有する基材、および前記基材の第1の表面の上に配置された上記反射防止ハードコートの層を含む反射防止物品が提供される。
高充填されたナノ粒子を含む本開示の反射防止ハードコートは、優れた耐引っかき性と耐衝撃性の両方を示しつつ、ドライエッチング処理表面に形成されたmoth−eye構造に起因した高い反射防止特性を示す。
なお、上述の記載は、本発明の全ての実施形態および本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
いくつかの粒径の組み合わせ(小さな粒子の群/大きな粒子の群)について、小さな粒子の群と大きな粒子の群の質量比と充填率の間のシミュレーション結果を示すグラフである。 本開示の一実施形態の反射防止物品の断面図である。 本開示の別の実施形態の反射防止物品の断面図である。 本開示の一実施形態の反射防止物品を含むディスプレイユニットの断面図である。 本開示の別の実施形態の反射防止物品を含むディスプレイユニットの断面図である。 本開示の別の実施形態の反射防止物品を含むディスプレイユニットの断面図である。 例1および比較例1の透過率の測定結果を示すチャートである。 例2および比較例2の透過率の測定結果を示すチャートである。 例3および比較例3の透過率の測定結果を示すチャートである。 例4および比較例4の透過率の測定結果を示すチャートである。 例5−8ならびに比較例5および6の透過率の測定結果を示すチャートである。 例9および10ならびに比較例5および7の透過率の測定結果を示すチャートである。 例11および12ならびに比較例5および8の透過率の測定結果を示すチャートである。
以下、本発明の代表的な実施形態を例示する目的でより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
本開示において、「(メタ)アクリル」とは「アクリルまたはメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレートまたはメタクリレート」を意味する。また、「反射防止ハードコート」とは、ハードコート表面の少なくとも一部の領域での可視光領域の光の反射が低減または抑制されているものをいう。さらに、「ドライエッチング処理表面」とは、少なくとも一部がドライエッチング処理されている表面をいう。
本開示の一実施形態に係る反射防止ハードコートは、ナノ粒子の混合物およびバインダーを含み、ドライエッチング処理表面を有する。
反射防止ハードコートに含まれる代表的なバインダーとして、硬化性モノマーおよび/または硬化性オリゴマーを重合することで得られる樹脂、ゾルゲルガラスを重合することで得られる樹脂などが挙げられる。より具体的な樹脂の例として、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびポリビニルアルコールが挙げられる。さらに、硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーは、本技術分野において既知の硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーから選択することができ、2種以上の硬化性モノマーの混合物、2種以上の硬化性オリゴマーの混合物、または1または2種以上の硬化性モノマーと1または2種以上の硬化性オリゴマーの混合物を使用してもよい。いくつかの実施形態では、樹脂として、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(例えば、サートマー社(Sartomer Company,Exton,PA)から商品名「SR399」として入手可能)、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネート(IPDI)(例えば、日本化薬株式会社(日本、東京)から商品名「UX−5000」として入手可能)、ウレタンアクリレート(例えば、日本合成化学工業株式会社(日本、大阪)から商品名「UV1700B」および商品名「UB6300B」として入手可能)、トリメチルヒドロキシルジイソシアネート/ヒドロキシエチルアクリレート(TMHDI/HEA、例えば、ダイセル・サイテック株式会社(日本、東京)から商品名「Ebecryl 4858」として入手可能)、ポリエチレンオキシド(PEO)改質ビス−Aジアクリレート(例えば、日本化薬株式会社(日本、東京)から商品名「R551」として入手可能)、PEO改質ビス−Aエポキシアクリレート(例えば、共栄社化学株式会社(日本、大阪)から商品名「3002M」として入手可能)、シラン系UV硬化性樹脂(例えば、ナガセケムテックス株式会社(日本、大阪)から商品名「SK501M」として入手可能)、および2−フェノキシエチルメタクリレート(例えば、サートマー社から商品名「SR340」として入手可能);およびこれらの混合物を用いて重合したものが挙げられる。例えば、約1.0質量%〜約20質量%の範囲の2−フェノキシエチルメタクリレートを使用することで、ポリカーボネートへの接着性の向上が観察されている。二官能性樹脂(例えば、PEO改質ビス−Aジアクリレート「R551」)およびトリメチルヒドロキシルジイソシアネート/ヒドロキシエチルアクリレート(TMHDI/HEA)(例えば、ダイセル・サイテック株式会社から商品名「Ebecryl 4858」として入手可能)を使用することで、ハードコートの硬度、耐衝撃性、および柔軟性が同時に向上することが観察されている。
反射防止ハードコートのバインダーの量は、典型的には、反射防止ハードコートの全質量の約5質量%〜約60質量%、いくつかの実施形態では、約10質量%〜約40質量%、または約15質量%〜約30質量%である。本開示によれば、バインダーの量が比較的少なくても反射防止ハードコートを形成することができる。
必要に応じて、反射防止ハードコートは他の硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーでさらに硬化されていてもよい。代表的な硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーとしては、(a)1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−へキサンジオールモノアクリレートモノメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、アルコキシ化脂肪族ジアクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン改質ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、カプロラクトン改質ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化(10)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化(30)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド改質トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートなどの(メタ)アクリル基を2つ有する化合物;(b)グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリアクリレート(例えば、エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化(20)トリメチロールプロパントリアクリレートなど)、ペンタエリスリトールトリアクリレート、プロポキシ化トリアクリレート(例えば、プロポキシ化(3)グリセリルトリアクリレート、プロポキシ化(5.5)グリセリルトリアクリレート、プロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレートなど)、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートなどの(メタ)アクリル基を3つ有する化合物;(c)ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エトキシ化(4)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン改質ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの(メタ)アクリル基を4つ以上有する化合物;(d)例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートなどのオリゴマー(メタ)アクリル化合物;上記のポリアクリルアミド類似体;およびこれらの組み合わせからなる群から選択される多官能性(メタ)アクリルモノマーおよび多官能性(メタ)アクリルオリゴマーが挙げられる。このような化合物は市販されており、少なくともいくつかは、例えば、サートマー社、UCB Chemicals Corporation(Smyrna,GA)、アルドリッチ社(Aldrich Chemical Company,Milwaukee,WI)などから入手可能である。他の有用な(メタ)アクリレートとしては、例えば米国特許第4262072号で報告されるようなヒダントイン部分含有ポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
好ましい硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーは、少なくとも3つの(メタ)アクリル基を含む。好ましい市販の硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーは、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)(商品名「SR351」)、ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(PETA)(商品名「SR444」および「SR295」)、およびジペンタエリスリトールペンタアクリレート(商品名「SR399」)などのサートマー社から入手可能なものが挙げられる。さらには、PETAと2−フェノキシエチルアクリレート(PEA)の混合物などの、多官能性(メタ)アクリレートと単官能性(メタ)アクリレートの混合物も使用することができる。
反射防止ハードコートに含まれるナノ粒子の混合物は、反射防止ハードコートの全質量の約40質量%〜約95質量%を構成し、いくつかの実施形態では、反射防止ハードコートの全質量の約60質量%〜約90質量%、さらには約70質量%〜約85質量%を構成する。ナノ粒子の混合物は、約2nm〜約200nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子(以下、小さな粒子の群または第1のナノ粒子群ともいう)を約10質量%〜約50質量%、および約60nm〜約400nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子(以下、大きな粒子の群または第2のナノ粒子群ともいう)を約50質量%〜約90質量%含む。例えば、ナノ粒子の混合物は、平均粒径約2nm〜約200nmの第1のナノ粒子群および平均粒径約60nm〜約400nmの第2のナノ粒子群を約10:90〜約50:50の質量比で混合して得ることができる。
ナノ粒子の平均粒径は、本技術分野において一般的に用いられる技術を使用して、透過電子顕微鏡(TEM)で測定することができる。ナノ粒子の平均粒径の測定において、ゾル試料を、メッシュのレース状炭素(Ted Pella Inc.(Redding,CA)から入手可能)の上面に超薄炭素基材を有する400メッシュの銅TEM格子に滴下することで、TEM画像用のゾル試料を調製することができる。液滴の一部を、濾紙とともに格子の側部または底部に接触させることにより除去することができる。ゾルの溶媒の残りは加熱するかまたは室温で放置して除去することができる。これにより、超薄炭素基材上に粒子を残し、基材からの干渉を最小にして画像化することができる。次に、TEM画像を格子全域にわたる多くの位置で記録することができる。500〜1000個の粒子の粒径測定を可能にするのに十分な画像を記録する。次に、ナノ粒子の平均粒径を、各試料における粒径測定値に基づいて計算することができる。TEM画像は、300KVで動作する(LaB源使用)高分解能透過電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズより商品名「Hitachi H−9000」として入手可能)を使用して得ることができる。画像は、カメラ(例えば、Gatan,Inc.(Pleasanton,CA)から商品名「GATAN ULTRASCAN CCD」として入手可能:モデル番号895、2k×2kチップ)を使用して記録することができる。画像は5万倍および10万倍の倍率で撮ることができる。いくつかの試料において、画像は30万倍の倍率で撮ることができる。
典型的には、ナノ粒子は無機粒子である。無機粒子の例としては、アルミナ、酸化スズ、酸化アンチモン、シリカ(SiO、SiO)、ジルコニア、チタニア、フェライトなどの無機酸化物、これらの混合物、またはこれらの混合酸化物;金属バナジン酸塩、金属タングステン酸塩、金属リン酸塩、金属硝酸塩、金属硫酸塩、および金属カーバイドなどが挙げられる。無機酸化物ナノ粒子として、無機酸化物ゾルを使用することができる。例えば、シリカナノ粒子の場合、水ガラス(ケイ酸ナトリウム溶液)を出発原料として得られるシリカゾルを使用することができる。水ガラスから得られるシリカゾルは製造条件によっては非常に狭い粒径分布を有することから、このようなシリカゾルを用いると、反射防止ハードコートにおけるナノ粒子の充填率をより正確に制御して、所望の特性を有する反射防止ハードコートを得ることができる。
小さな粒子の群の平均粒径は、約2nm〜約200nmの範囲である。好ましくは、約2nm〜約150nm、約3nm〜約120nm、または約5nm〜約100nmである。大きな粒子の群の平均粒径は、約60nm〜約400nmの範囲である。好ましくは、約65nm〜約350nm、約70nm〜約300nm、または約75nm〜約200nmである。
ナノ粒子の混合物は、少なくとも2つの異なるナノ粒子の粒径分布を含む。ナノ粒子の混合物の粒径分布が、小さな粒子の群の平均粒径および大きな粒子の群の平均粒径をピークとする二峰性または多峰性を示してもよい。粒径分布以外にも、ナノ粒子は、(例えば、組成的に、表面改質されているか表面改質されていないなど)同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、約2nm〜約200nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径と、約60nm〜約400nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径の比は、2:1〜200:1の範囲であり、いくつかの実施形態では、2.5:1〜100:1、または2.5:1〜25:1の範囲である。好ましい平均粒径の組み合わせの例としては、5nm/190nm、5nm/75nm、20nm/190nm、5nm/20nm、20nm/75nm、75nm/190nm、または5nm/20nm/190nmの組み合わせが挙げられる。サイズが異なるナノ粒子の混合物を使用することで、大量のナノ粒子を反射防止ハードコートに充填して、反射防止ハードコートの硬度を高めることができる。
また、例えば、ナノ粒子のタイプ、量、サイズ、および比率を選択することにより、透明性(ヘイズなど)および硬度を変化させることができる。いくつかの実施形態では、望ましい透明性および硬度を併せ持つ反射防止ハードコートを得ることができる。
小さな粒子の群と大きな粒子の群との質量比(%)は、使用される粒径または使用される粒径の組み合わせに応じて選択することができる。好ましい質量比は、商品名「CALVOLD2」として入手できるソフトウェアを使用して、使用される粒径または使用される粒径の組み合わせに応じて選択することが可能であり、例えば、粒径の組み合わせ(小さな粒子の群/大きな粒子の群)に関する小さな粒子の群と大きな粒子の群の質量比と充填率の間のシミュレーションに基づいて選択することができる(”Verification of a Model for Estimating the Void Fraction in a Three−Component Randomly Packed Bed,” M.Suzuki and T.Oshima:Powder Technol.,43,147−153(1985)も参照のこと)。シミュレーション結果が図1に示されている。このシミュレーションによれば、5nm/190nmの組み合わせにおいて質量比(小さな粒子の群:大きな粒子の群)が約45:55〜約13:87または約40:60〜約15:85であり;5nm/75nmの組み合わせにおいて質量比が約45:55〜約10:90または35:65〜約15:85であり;20nm/190nmの組み合わせにおいて質量比が約45:55〜約10:90であり;5nm/20nmの組み合わせにおいて質量比が約50:50〜約20:80であり;20nm/75nmの組み合わせにおいて質量比が約50:50〜約22:78であり;75nm/190nmの組み合わせにおいて質量比が約50:50〜約27:73であることが好ましい。
いくつかの実施形態では、粒径およびナノ粒子の好ましい組み合わせを使用することで、反射防止ハードコートに充填されるナノ粒子の量を増やすことができ、得られる反射防止ハードコートの透明性および硬度を調整することができる。
反射防止ハードコートの厚さは、一般に、約80nm〜約30μm(いくつかの実施形態では、約200nm〜約20μm、または約1μm〜約10μm)の範囲であるが、これらの範囲を外れた厚さであっても有用に使用できる場合がある。異なるサイズのナノ粒子の混合物を使用することで、より厚みがあり、より硬度の高い反射防止ハードコートを得ることができる場合がある。
必要に応じて、表面処理剤を用いてナノ粒子の表面を改質してもよい。一般に、表面処理剤は、(共有結合、イオン結合、または強い物理吸着を介して)粒子表面に結合する第1の末端と、粒子に樹脂との相溶性を付与しおよび/または硬化中に樹脂と反応する第2の末端とを有する。表面処理剤の例としては、アルコール、アミン、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、シラン、およびチタネートが挙げられる。好ましいタイプの表面処理剤は、ナノ粒子表面の化学的性質によりある程度は決定される。シリカおよび他のケイ酸質フィラーをナノ粒子として用いる場合はシランが好ましい。金属酸化物においては、シランおよびカルボン酸が好ましい。表面改質は、硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーとの混合前、混合中、または混合後のいずれかで行うことができる。シランが用いられる場合、シランとナノ粒子表面との反応は、硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーと混合する前に行われるのが好ましい。表面処理剤の必要量は、ナノ粒子の粒径およびタイプ、表面処理剤の分子量およびタイプなどのいくつかの要因によって決まる。一般に、おおよそ一層の表面処理剤層が粒子の表面に付着するのが好ましい。必要とされる付着手順または反応条件もまた、使用する表面処理剤によって決まる。シランを用いる場合、酸性条件または塩基性条件下、高温で約1時間〜約24時間表面処理するのが好ましい。カルボン酸などの表面処理剤では、通常、高温や長時間を必要としない。
表面処理剤の代表例としては、例えば、イソオクチルトリメトキシシラン、ポリアルキレンオキシドアルコキシシラン(例えば、Momentive Specialty Chemicals,Inc.(Columbus,OH)から商品名「SILQUEST A1230」として入手可能)、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン(例えば、Alfa Aesar(Ward Hill,MA)から商品名「SILQUEST A174」として入手可能)、3−(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ(t−ブトキシ)シラン、ビニルトリ(イソブトキシ)シラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸、ドデカン酸、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(MEEAA)、β−カルボキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸、メトキシフェニル酢酸などの化合物およびこれらの混合物が挙げられる。
必要に応じて、反射防止ハードコートのバインダーは、紫外線吸収剤、防汚剤、防曇剤、レベリング剤、紫外線反射剤、静電気防止剤などの既知の添加剤をさらに含んでもよい。
ある実施形態では、紫外線吸収剤が反射防止ハードコートのバインダーに含まれる。この実施形態によれば、反射防止ハードコートに波長選択性(紫外線の吸収および可視光の透過)を付与することができる。紫外線吸収剤は硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーと混合することができる。紫外線吸収剤として公知のものが使用でき、例えば、ベンゾフェノン系(例えば、BASF AGから商品名「Uvinul 3050」として入手可能)、ベンゾトリアゾール系(例えば、BASF AGから商品名「Tinuvin 928」として入手可能)、トリアジン系(例えば、BASF AGから商品名「Tinuvin 1577」として入手可能)、サリチレート系、ジフェニルアクリレート系、シアノアクリレート系などの紫外線吸収剤、およびヒンダードアミン光安定化剤(HALS)(例えば、BASF AGから商品名「Tinuvin 292」として入手可能)を使用することができる。公知の紫外線吸収剤とヒンダードアミン光安定化剤を組み合わせて使用することにより、それぞれ単独で使用したときと比べて反射防止ハードコートの紫外線吸収性をより高めることもできる。
紫外線吸収剤の添加量として、例えば、ナノ粒子、硬化性モノマーおよび硬化性オリゴマーの合計100質量部に対して約0.01質量部〜約20質量部(いくつかの実施形態では、約0.1質量部〜約15質量部、または約0.2質量部〜約10質量部)の範囲が挙げられる。ある実施形態では、紫外線吸収剤を含む反射防止ハードコートは、3%未満の紫外線透過性を達成することができる。
ある実施形態では、防汚剤が反射防止ハードコートのバインダーに含まれる。防汚剤は、反射防止ハードコート表面の洗浄容易性(例えば、指紋付着防止、防油、ほこり防止および/または防汚機能)を向上させることが観察されている。防汚剤として、フッ素化(メタ)アクリル化合物を使用することができる。フッ素化(メタ)アクリル化合物として、例えば、特開2008−538195号公報に記載されたような、HFPOウレタンアクリレートまたは改質HFPOが挙げられる。フッ素化(メタ)アクリル化合物は、反射防止ハードコートのバインダーに、未反応のフッ素化(メタ)アクリル化合物として、硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーと反応した反応生成物として、またはそれらの組み合わせとして含まれる。防汚剤として、シリコーンポリエーテルアクリレート(例えば、Evonic Goldschmidt GmbH(Essen,Germany)から商品名「TEGORAD2250」として入手可能)を使用することもできる。
本開示において、HFPOとは、F(CF(CF)CFO)CF(CF)−(nは2〜15)で表されるペルフルオロエーテル部位、およびこのようなペルフルオロエーテル部位を含む化合物を意味する。
防汚剤は、多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物であることが好ましい。多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物は、複数の(メタ)アクリル基を有するため、架橋剤として硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーと反応することができる、あるいは複数の部位でバインダーに含まれる官能基と非共有結合的に相互作用することができる。その結果、防汚性の耐久性を高めることができる。多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物を防汚剤として用いると、反射防止ハードコート表面の摩擦係数を下げて耐引っかき性も高めることができる場合もある。3以上の(メタ)アクリル基を有する多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物を用いると、防汚性の耐久性をより高めることができる。
多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物は、ペルフルオロエーテル基が優れた防汚性を反射防止ハードコートに付与することから、2以上の(メタ)アクリル基を有するペルフルオロエーテル化合物であることが好ましい。
2以上の(メタ)アクリル基を有するペルフルオロエーテル化合物として、例えば、特開2008−538195号公報、特開2008−527090号公報などに記載された多官能性ペルフルオロエーテル(メタ)アクリレートを用いることができる。そのような多官能性ペルフルオロエーテル(メタ)アクリレートとして、具体的には、
HFPO−C(O)N(H)CH(CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)N(H)C(CHCH)(CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NHC(CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)N(CHCHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NHCHCHN(C(O)CH=CH)CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NHCH(CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NHC(CH)(CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NHC(CHCH)(CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NHCHCH(OC(O)CH=CH)CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NHCHCHCHN(CHCHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)OCHC(CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NH(CHCHN(C(O)CH=CH))CHCHNC(O)−HFPO;
CH=CHC(O)OCHCH(OC(O)HFPO)CHOCHCH(OH)CHOCHCH(OC(O)HFPO)CHOCOCH=CH
HFPO−CHO−CHCH(OC(O)CH=CH)CHOC(O)CH=CH
などが挙げられる。
上記多官能性ペルフルオロポリエーテル(メタ)アクリレートは、例えば、HFPO−C(O)OCHなどのポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド)エステルまたはポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド)酸ハライド:HFPO−C(O)Fと、少なくとも3つのアルコールまたは一級もしくは二級アミノ基を含有する材料とを反応させ、HFPO−アミドポリオールまたはポリアミン、HFPO−エステルポリオールまたはポリアミン、HFPO−アミド、または混合アミンおよびアルコール基を有するHFPO−エステルを生成する第1工程、アルコール基および/またはアミン基を(メタ)アクリロイルハライド、(メタ)アクリル酸無水物、または(メタ)アクリル酸で(メタ)アクリル化する第2工程を経て合成することができる。あるいは、HFPO−C(O)N(H)CHCHCHN(H)CHとトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)との付加物などの、反応性ペルフルオロエーテルとポリ(メタ)アクリレートとのマイケル型付加反応を用いて合成することもできる。
多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物として、ペルフルオロエーテル部位が2価であり、その両末端に直接または他の基もしくは結合(エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合など)を介して(メタ)アクリル基が結合したものが好ましい。いかなる理論に拘束される訳ではないが、このような化合物は反射防止ハードコートにより強固に結合して防汚性の耐久性を高めつつ、(メタ)アクリル基の間のペルフルオロエーテル部位が反射防止ハードコート表面に移行しその面内方向に配向しやすくなり、その結果、防汚性を十分に発現させることができると考えられる。
多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物はシロキサン単位を含むものであってもよい。ナノ粒子が無機酸化物である場合、シロキサン単位を含む多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物は、(メタ)アクリル基と硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーとの反応だけではなく、シロキサン結合とナノ粒子との相互作用によって、より強固に反射防止ハードコートに保持され、防汚性の耐久性をより高めることができると考えられる。ナノ粒子は、シロキサン結合と化学的に類似し親和性の高いシリカナノ粒子であることが好ましい。
シロキサン単位を含む多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物は、例えば、Si−H結合を3以上含む直鎖または環状のオリゴシロキサンまたはポリシロキサン(ハイドロジェンシロキサン)に、エチレン性不飽和基を1または2以上有するペルフルオロポリエーテル化合物をSi−H結合に対して1当量未満の量で白金触媒などの存在下で付加(ヒドロシリル化)させ、残存するSi−H結合に対して水酸基含有エチレン性不飽和化合物を同様に白金触媒などの存在下で付加(ヒドロシリル化)させ、その後水酸基とエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどを反応させることによって合成することができる。化学式から計算されるペルフルオロエーテル部位の部分分子量は500〜30000とすることができる。
フッ素化部位による防汚性を十分に発現させるため、シロキサン単位は、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシクロペンタシロキサンなどに由来する環状シロキサン単位であることが好ましい。環状シロキサン単位を構成するケイ素原子数は3〜7であることが好ましい。
シロキサン単位を含む多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物として、例えば、特開2010−285501号に記載された2以上の(メタ)アクリル基を有するペルフルオロポリエーテル化合物が挙げられる。例えば、同公報の式(19)および(21)の化合物は、2価のペルフルオロポリエーテル基:−CF(OCFCF(OCFOCF−(p/q=0.9、p+q≒45)の両末端にケイ素原子数4の環状シロキサンがそれぞれ結合し、それらの環状シロキサンにウレタン結合を介してアクリロイルオキシ基が3つずつ結合した構造を有しており、本開示の反射防止ハードコートに好適に用いることができる。
防汚剤の添加量として、例えば、ナノ粒子、硬化性モノマーおよび硬化性オリゴマーの合計100質量部に対して約0.01質量部〜約20質量部(いくつかの実施形態では、約0.1質量部〜約10質量部、または約0.2質量部〜約5質量部)の範囲が挙げられる。
ある実施形態では、防曇剤が反射防止ハードコートのバインダーに含まれる。この実施形態の反射防止ハードコートは、温度変化の大きな環境中で反射防止ハードコートを含む物品を使用したときの結露を防止することができる。防曇剤は硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーと混合することができる。防曇剤として、アニオン性、カチオン性、非イオン性、または両性の界面活性剤が使用でき、例えば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンとアルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステルなどのソルビタン系界面活性剤;グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリンジステアレート、ジグリセリンモノパルミテート/モノステアレート、トリグリセリンモノステアレート、トリグリセリンジステアレート、またはこれらのアルキレンオキシド付加物などのグリセリン系界面活性剤;ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテルなどのポリエチレングリコール系界面活性剤;トリメチロールプロパンモノステアレートなどのトリメチロールプロパン系界面活性剤;ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレートなどのペンタエリスリトール系界面活性剤;アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物;ソルビタン/グリセリンの縮合物と脂肪酸とのエステル、ソルビタン/アルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステル;ジグリセリンジオレートナトリウムラウリルスルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、ドデシルアミン塩酸塩、ラウリン酸ラウリルアミドエチルリン酸塩、ヨウ化トリエチルセチルアンモニウム、オレイルアミノジエチルアミン塩酸塩、ドデシルピリジニウム塩など、およびそれらの異性体が挙げられる。防曇剤が硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーと反応する官能基を有してもよい。
防曇剤の添加量として、例えば、ナノ粒子、硬化性モノマーおよび硬化性オリゴマーの合計100質量部に対して約0.01質量部〜約20質量部(いくつかの実施形態では、約0.1質量部〜約15質量部、または約0.2質量部〜約10質量部)の範囲が挙げられる。
反射防止ハードコートの形成に使用することができるハードコート前駆体は、上記ナノ粒子の混合物、硬化性モノマーおよび/または硬化性オリゴマー、反応開始剤、および必要に応じてメチルエチルケトン(MEK)または1−メトキシ−2−プロパノール(MP−OH)などの溶媒、紫外線吸収剤、防汚剤、防曇剤、レベリング剤、紫外線反射剤、静電気防止剤などの上述の添加剤を含む。ある実施形態のハードコート前駆体は、ナノ粒子の混合物およびバインダーを含み、ナノ粒子はナノ粒子およびバインダーの合計質量の40質量%〜95質量%を構成し、ナノ粒子の10質量%〜50質量%は2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有し、ナノ粒子の50質量%〜90質量%は60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有し、60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径と2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径の比が、2:1〜200:1の範囲である。
一般に本技術分野において既知であるように、ハードコート前駆体の特定の成分を組み合わせてハードコート前駆体を調製することができる。例えば、2つ以上の異なるサイズの改質または非改質ナノ粒子ゾルを、溶媒中で反応開始剤と一緒に硬化性モノマーおよび/または硬化性オリゴマーと混合し、溶媒を加えることで所望の固形分含量に調整して、ハードコート前駆体を調製することができる。反応開始剤として、例えば本技術分野で既知の光開始剤または熱重合開始剤を用いることができる。使用する硬化性モノマーおよび/または硬化性オリゴマーによっては、溶媒を使用しなくてもよい。
表面改質ナノ粒子を用いる場合、ハードコート前駆体は、例えば、以下のように調製することができる。容器中(例えば、ガラス瓶中)で阻害剤および表面改質剤を溶媒に加え、得られた混合物をナノ粒子が分散している水溶液に加え、続けて撹拌する。容器を密封し、例えば高温(例えば80℃)で数時間(例えば16時間)、オーブン中に置く。次に、例えば、高温(例えば、60℃)においてロータリーエバポレーターを使用して、溶液から水を取り除く。溶媒を溶液に投入し、次に蒸発させることで残った水を溶液から取り除く。後半のステップを数回繰り返すのが好ましい場合がある。溶媒量を調整することで、所望の濃度(質量%)にナノ粒子の濃度を調整することができる。
ハードコート前駆体(溶液)を基材の表面に適用する技術は本技術分野で既知であり、例えば、バーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、キャピラリーコーティング、スプレーコーティング、グラビアコーティング、およびスクリーン印刷などが挙げられる。コーティングされたハードコート前駆体は、必要に応じて乾燥し、紫外線または電子線を用いた光重合法または熱重合法などの本技術分野で既知の重合法で硬化することができる。このようにして基材の上にハードコートを形成することができる。
次に、ハードコート表面に対してドライエッチング処理を行う。ドライエッチング処理により、ナノ粒子がエッチングマスクとして作用しバインダーが優先的にエッチングされるため、ハードコート表面に多数の柱状構造を有するmoth−eye構造が生成する。ドライエッチング処理として、本技術分野で既知のドライエッチング処理を用いることができ、例えば、イオンエッチング、プラズマエッチング、ラジカルエッチング、反応性イオンエッチング(RIE)、反応性イオンビームエッチング(RIBE)、プラズマアッシング、分子ビームエッチング、大気圧プラズマ処理、エアコロナ処理などの方法が挙げられる。基材に与えるダメージが少ない、エッチングの面内均一性が良好である、エッチングの垂直異方性が高い、または生産性が高いなどの点で、プラズマエッチング、反応性イオンエッチング(RIE)、および反応性イオンビームエッチング(RIBE)が好ましく、特にプラズマエッチングが有利に使用できる。ドライエッチング処理は、ハードコート表面全面に施されていなくてもよく、ハードコート表面の必要な領域のみに部分的にドライエッチング処理を行ってもよい。例えば、反射防止機能または接着性を必要としない領域についてはマスキングを行い、ハードコート表面に対して選択的にドライエッチング処理を行ってもよい。
プロセス圧力は、ドライエッチングの種類に応じて、大気圧から真空下まで、種々の条件が用いられる。例えば、プラズマエッチングまたは反応性イオンエッチングを行う場合、一例として、約1mTorr(約0.13Pa)以上、または約5mTorr(約0.67Pa)以上、約20mTorr(約2.7Pa)以下、または約10mmTorr(約1.3Pa)以下とすることができる。
ドライエッチング処理に用いることができるエッチングガスとして、一般に、Ar、O、H、CF、C、C、CHF、CH、CFBr、N、NF、Cl、CCl、HBr、SFなどを用いることができる。エッチングガスの流量は、ドライエッチングの種類、使用するチャンバーの容積、電極面積、チャンバー内圧力などの種々の条件に応じて調整する。例えば、プラズマエッチングまたは反応性イオンエッチングを行う場合、一例として、約1sccm以上、または約5sccm以上、約1000sccm以下、または約200sccm以下とすることができる。
ドライエッチング処理に用いることができるRF(高周波)電力の発振器の周波数は、典型的には13.56MHzであるが、その他の周波数を使用することもできる。例えば、13.56MHz発振の容量結合型の真空プラズマを使用した場合、RF電力の出力は、一般に約100W〜約20kWの範囲であり、電力密度は、好ましくは約0.1〜約1.0ワット/cm(いくつかの実施形態では、約0.2〜約0.3ワット/cm)の範囲が使用できる。
ドライエッチング処理温度は、ハードコートおよび基材を過度に損傷しないように決定され、例えば、約−60℃〜約100℃の範囲である。ドライエッチング処理時間は、ハードコートのエッチング深さが、約10nm〜約500nmとなるように決定され、一般に約1秒〜約2分の範囲である。
本開示の反射防止ハードコートは高充填されたナノ粒子を含むため、ドライエッチング処理後に形成された多数の凹部の深さが可視光の波長より小さく、望ましくは可視光の波長の1/4、あるいはそれ以下、例えば、100nm〜200nm、あるいはそれ以下であることにより反射防止特性を示しつつ、ドライエッチング処理表面に比較的多く残存するナノ粒子によって優れた耐引っかき性を示す。
本開示の反射防止ハードコートでは、ドライエッチング処理によってナノ粒子の露出面積が増えるため、必要に応じて、ドライエッチング処理表面にさらにシランカップリング処理を施すことができる。このようなシランカップリング処理によって、反射防止ハードコートの表面にさらに別の機能、例えば、防汚性、防曇性などを付与することができる。
シランカップリング処理は、親水性または疎水性シランカップリング剤を用いる既知の方法によって行うことができる。親水性シランカップリング剤として、例えば、アミノ変性アルコキシシラン、グリシジル変性アルコキシシランなどのエポキシ変性アルコキシシラン、ポリエーテル変性アルコキシシラン、双性イオンアルコキシシランなどが挙げられる。疎水性シランカップリング剤として、例えば、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルフェニルジクロロシランなどのクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、アルキルアルコキシシラン、フェニルアルコキシシラン、ビニルアルコキシシランなどが挙げられる。
シランカップリング処理表面に、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイルをさらに適用して親水性をより高めることもできる。シランカップリング処理表面に、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイルなどをさらに適用して疎水性をより高めることもできる。
本開示の一実施形態では、基材の表面に上記反射防止ハードコートの層を有する反射防止物品が提供される。図2に示す本開示の一実施形態に係る反射防止物品10では、基材12の第1の表面にドライエッチング処理表面15を有するハードコート層14が配置されている。反射防止物品に使用できる基材として、フィルム、プラスチック(ポリマープレート)、板ガラスなどの透明基材が挙げられる。本開示において「透明」とは可視光領域(380nm〜780nm)の全光線透過率が90%以上であることを意味する。代表的なフィルムとして、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)など)、ポリ(メタ)アクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)など)、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、フェノール樹脂、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)、エポキシ、ポリアセテート、またはガラスから形成されたものが挙げられる。代表的なプラスチック(ポリマープレート)としては、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)、PCとPMMAのブレンド、またはPCとPMMAの積層体から形成されたものが挙げられる。
フィルムの厚さは、約5μm〜約500μm(いくつかの実施形態では、約10μm〜約200μm、または約25μm〜約100μm)の範囲である。プラスチック(ポリマープレート)の厚さは、約0.5mm〜約10cm(いくつかの実施形態では、約0.5mm〜約5mm、または約0.5mm〜約3mm)の範囲である。板ガラスの厚さは、約5μm〜約500μm、または約0.5mm〜約10cm(いくつかの実施形態では、約0.5mm〜約5mm、または約0.5mm〜約3mm)の範囲である。これらの基材は、上記範囲を外れた厚さであっても有用に使用できる場合がある。
反射防止物品は、基材の複数の表面に上記反射防止ハードコートを有してもよい。例えば、基材が第1の表面および第2の表面を有し、基材の第1の表面および第2の表面の上に上記反射防止ハードコートが配置されていてもよい。基材から見て第2の表面が第1の表面と反対側にある、すなわち第1の表面と第2の表面が基材の対向する2つの表面であってもよい。例えば、図3に示す反射防止物品20では、基材22の第1の表面および第1の表面に対向する第2の表面にそれぞれドライエッチング処理表面25を有するハードコート層24が配置されている。このように複数の反射防止ハードコートの層を用いると、反射防止物品の反射防止特性を高めることができる。複数の反射防止ハードコート層の積層体を基材の表面に配置することもできる。
いくつかの実施形態では、反射防止ハードコートと基材の密着性を向上させるため、基材の表面をプライマー処理するか、基材の表面上にプライマー層が配置される。特に基材がポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの難接着性のフィルムである場合、プライマー処理またはプライマー層は特に有効である。
プライマー処理は本技術分野で既知であり、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、火炎処理、電子線照射、粗面化、オゾン処理、クロム酸または硫酸を用いた化学酸化処理などの表面処理が挙げられる。
プライマー層の材料として、例えば、(メタ)アクリル樹脂((メタ)アクリレートの単独重合体、または2種以上の(メタ)アクリレートの共重合体もしくは(メタ)アクリレートと他の重合性モノマーの共重合体)、ウレタン樹脂(例えば、ポリオールとイソシアネート硬化剤とからなる2液硬化型ウレタン樹脂)、(メタ)アクリル−ウレタン共重合体(例えば、アクリル−ウレタンブロック共重合体)、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどの塩素化ポリオレフィンおよびそれらの共重合体および誘導体(例えば、塩素化エチレン−プロピレン共重合体、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル変性塩素化ポリプロピレン、無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン、ウレタン変性塩素化ポリプロピレン)などが挙げられる。基材がポリプロピレンフィルムの場合、プライマー層が塩素化ポリプロピレンまたは変性塩素化ポリピロピレンを含むことが有利である。
プライマー層は、上記樹脂を溶媒に溶解したプライマー溶液を、本技術分野で既知の方法で塗布し、乾燥して形成することができる。プライマー層の厚さは、一般に約0.1μm〜約20μm(いくつかの実施形態では、約0.5μm〜約5μm)の範囲である。
ある実施形態では、反射防止物品は、ドライエッチング処理表面に接着層を有してもよい。ドライエッチング処理表面は微細な凹凸を有することから接着層との密着性が優れており、この実施形態では接着層を用いて他の物品に反射防止特性を容易に付与することができる。接着層として、本技術分野で既知の、ゴム系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、およびシリコーン系の接着剤または感圧接着剤を使用することができる。接着剤または感圧接着剤は光学的に透明な接着剤または感圧接着剤、例えばアクリル系の光学的に透明な接着剤または感圧接着剤であることが好ましい。本開示において「光学的に透明」とは、可視光領域(380nm〜780nm)の全光線透過率が90%以上であることを意味し、必要に応じてその他の波長域(例えば、紫外線領域)の全光線透過率も90%以上であることを意味する。接着剤および感圧接着剤を基材に直接塗布または押出して接着層を形成してもよく、剥離ライナーなどに塗布して形成した接着層を基材に積層および転写してもよい。
接着剤または感圧接着剤を含む接着層の厚さは、一般に約1μm〜約100μm(いくつかの実施形態では、約5μm〜約75μm、または約10μm〜約50μm)の範囲である。接着剤または感圧接着剤が上述の紫外線吸収剤を含んでもよい。
必要に応じて、反射防止ハードコートおよび/または接着層の上に本技術分野で既知の剥離ライナーまたは保護ライナーを付与してもよい。剥離ライナーとして、紙またはポリマーフィルムにシリコーン処理などを行った本技術分野で既知のものが使用できる。
ある実施形態では、反射防止物品は、反射防止ハードコートの層を担持する基材とは別の、ドライエッチング処理表面に積層された第2の基材をさらに含んでもよい。このような第2の基材は、例えば、上記接着層を介してドライエッチング処理表面に積層することができる。接着層は光学的に透明な接着剤または感圧接着剤を用いて形成されることが好ましい。
本開示の反射防止物品を使用した例として、第2の基材が液晶ディスプレイパネル37、47、57であるディスプレイユニット30、40、50の断面図を図4から図6に示す。図4では、基材32の両面にハードコート層34が配置され、ドライエッチング処理表面35の一部分と液晶ディスプレイパネル37が光学的に透明な接着層36を介して接着されている。図4では、液晶ディスプレイパネル37の画像表示領域の枠として、印刷層38がドライエッチング処理表面35の外周上に配置されている。微細な凹凸を有するドライエッチング処理表面35は、印刷層38を形成するために使用される印刷インクなどに対する印刷特性も優れている。図5では、基材42の両面のハードコート層44の両方がドライエッチング処理表面45を有しており、図4と比べて反射防止特性がさらに向上している。図6では、液晶ディスプレイパネル57とは反対側のドライエッチング処理表面59にさらにシランカップリング処理が施されており、ディスプレイユニットに防汚性、防曇性などの機能性表面が付与されている。
本開示の反射防止ハードコートおよび反射防止物品は、例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネル、カメラなどのレンズ、太陽光発電パネル(ソーラーパネル)などの用途に適しているが、これらの用途に限られず、反射防止特性を必要とする様々な用途に使用することができる。
以下の実施例において、本開示の具体的な実施形態を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。部およびパーセントは全て、特に明記しない限り質量による。
<評価方法>
本開示の反射防止ハードコートの特性を以下の方法にしたがって評価した。
1.光学特性
波長350nm〜850nmの透過率はUV−vis分光光度計(U−4100、株式会社日立ハイテクノロジーズより入手)を用いて測定した。
2.接触角
接触角メーター(協和界面科学株式会社から製品名「DROPMASTER FACE」として入手)を使用し、Sessile Drop法により、反射防止ハードコート表面の水接触角を測定した。静的測定について液滴の体積を4μLとした。5回測定した平均から水接触角の値を計算した。水接触角が100度を超える表面は、ほこりなどの付着を防止できる。一方、水接触角が20度未満の表面は親水性が高く、その表面上での水蒸気凝縮による曇りを防止することができる。
3.接着力試験
25mm幅の光学的に透明な粘着テープ(CEF0806、3M Companyより入手)を2.0kgのローラーを用いて各基材の反射防止ハードコート面に接着して、25℃、剥離角度90度、剥離速度300mm/分で接着力を測定した。
本実施例で使用した試薬、原料などを以下の表1に示す。
Figure 2014032216
<表面改質シリカゾル(ゾル1)の調製>
表面改質されたシリカゾル(「ゾル1」)を以下のように調製した。5.95gのSILQUEST A174および0.5gのPROSTABを、400gのNALCO 2329および450gの1−メトキシ−2−プロパノールの混合物にガラス瓶の中で加え、10分間室温で撹拌した。ガラス瓶を密封し、80℃のオーブン内に16時間置いた。得られた溶液から、60℃で溶液の固形分が45質量%近くになるまでロータリーエバポレーターで水を除去した。得られた溶液に200gの1−メトキシ−2−プロパノールを入れ、次に、ロータリーエバポレーターを60℃で使用して残りの水を除去した。後半のステップを2回繰り返して溶液からさらに水を取り除いた。最後に、1−メトキシ−2−プロパノールを加えることで全SiOナノ粒子の濃度を45質量%に調整して、75nmの平均粒径を有する表面改質SiOナノ粒子を含有するSiOゾル(以下、ゾル1という。)を得た。
<表面改質シリカゾル(ゾル2)の調製>
表面改質されたシリカゾル(「ゾル2」)を以下のように調製した。400gのNALCO 2327、25.25gのSILQUEST A174および0.5gのPROSTABを使用した以外は、ゾル1と同様の方法で改質して、20nmの平均粒径を有する表面改質SiOナノ粒子を45質量%含有するSiOゾル(以下、ゾル2という。)を得た。
<表面改質シリカゾル(ゾル3)の調製>
表面改質されたシリカゾル(「ゾル3」)を以下のように調製した。400gのMP−2040、4.74gのSILQUEST A174および0.5gのPROSTABを使用した以外は、ゾル1と同様の方法で改質して、190nmの平均粒径を有する表面改質SiOナノ粒子を45質量%含有するSiOゾル(以下、ゾル3という。)を得た。
<例1>
ゾル1:ゾル2=65:35(質量比)で混合し、1−メトキシ−2−プロパノールの量を調節することにより、表面改質ナノ粒子を合計46.65質量%含有する混合物を得た。Ebecryl 4858:SR340:Irgacure 184=90:10:8(質量比)で混合してバインダーを調製した。表面改質ナノ粒子を含む混合物:バインダー=75:25(質量比)で混合した。得られた反射防止ハードコート組成物を、2mm厚のガラス板(白板硝子、Schott AGより入手)にメイヤーロッド#4を用いて塗布し、40℃で10分間乾燥した。次に、25WのUVランプ(殺菌ランプG25T8、三共電気株式会社より入手)を用いて、波長253.7nmの紫外線を窒素雰囲気下で5分間照射した(照射量268.43mJ/cm)。このようにして、例1のハードコートをガラス板上に形成した。その後、プラズマ処理装置PDC210(ヤマト科学株式会社)を用いて、チャンバー内ベース圧力を10mTorrにした後、酸素ガス流量73sccm、チャンバー内圧力を46〜48mTorrに保った状態で、13.56MHz、出力200W、25℃で60秒間、実効出力28.7J/cmでハードコート面をプラズマエッチング処理して透過率測定用試料を作製した。
<例2>
表面改質ナノ粒子を含む混合物:バインダー=69:31(質量比)とした以外は、例1と同様に透過率測定用試料を作製した。
<例3>
表面改質ナノ粒子を含む混合物:バインダー=65:35(質量比)とした以外は、例1と同様に透過率測定用試料を作製した。
<例4>
ゾル1の代わりにゾル3を用い、2mm厚のガラス板(フロートガラス、旭硝子株式会社より入手)を用いた以外は、例1と同様に透過率測定用試料を作製した。
<比較例1−4>
ハードコート面にプラズマエッチング処理を行わなかった以外は例1−4と同様の手順で比較例1−4の透過率測定用試料をそれぞれ用意した。
例1−4および比較例1−4の試料の光学特性を測定した結果を図7−10に示す。
<ハードコート前駆体(HC−1)の調製>
108.33gのゾル1、58.33gのゾル2、および25gのKayarad UX−5000を混合した。光重合開始剤として2.0gのIrgacure 184、およびレベリング剤として0.01gのBYK−UV3500を混合物に添加した。次に、1−メトキシ−2−プロパノールを加えて固形分が50質量%になるように調整してハードコート前駆体HC−1を用意した。
<ハードコート前駆体(HC−2およびHC−3)の調製>
ハードコート前駆体HC−2およびHC−3を表2に記載する配合でHC−1と同様に調製した。防汚剤として、HC−2ではHFPOウレタンアクリレート、HC−3ではKY−1203を添加した。
HC−1からHC−3の組成を表2に示す。
Figure 2014032216
<例5>
ポリカーボネート基材(100×53×1mm、三菱ガス化学株式会社より商品名「ユーピロン NF2000」として入手)をディップコーターのヘッドに吊して固定し、ハードコート前駆体HC−1に浸漬し、30秒後に基材を3.33mm/秒の速度で引き上げた。60℃で5分間乾燥した後、基材を酸素濃度50ppmで窒素パージした箱の中にいれた。次に、25WのUVランプ(殺菌ランプG25T8、三共電気株式会社より入手)を用いて、波長253.7nmの紫外線を窒素雰囲気下で基材の両側から5分間照射した(照射量268.43mJ/cm)。その後、プラズマ処理装置PDC210(ヤマト科学株式会社)を用いて、チャンバー内ベース圧力を10mTorrにした後、酸素ガス流量73sccm、チャンバー内圧力を46〜48mTorrに保った状態で、13.56MHz、出力200W、25℃で60秒間、実効出力28.3J/cmで試料の片面をプラズマエッチング処理した。
<例6>
例5と同様に、ハードコート前駆体HC−1を塗布し硬化した。例5と同じ条件で試料の両面をプラズマエッチング処理した。
<例7>
例5と同様に、ハードコート前駆体HC−1を塗布し硬化した。例5と同じ条件で試料の両面をプラズマエッチング処理した。プラズマエッチング処理後、疎水性シランカップリング剤EGC1720を一方の表面に塗布し、100℃で30分間加熱して硬化した。
<例8>
例5と同様に、ハードコート前駆体HC−1を塗布し硬化した。例5と同じ条件で試料の両面をプラズマエッチング処理した。プラズマエッチング処理後、親水性シランカップリング剤L−21074を一方の表面に塗布し、100℃で30分間加熱して硬化した。
<例9および10>
例5と同様に、ハードコート前駆体HC−2を塗布し硬化した。例5と同じ条件で試料の片面(例9)または両面(例10)をプラズマエッチング処理した。
<例11および12>
例5と同様に、ハードコート前駆体HC−3を塗布し硬化した。例5と同じ条件で試料の片面(例11)または両面(例12)をプラズマエッチング処理した。
<比較例5−8>
比較例5として未処理のポリカーボネート基材(100×53×1mm、三菱ガス化学株式会社より商品名「ユーピロン NF−2000」として入手)、比較例6−8としてそれぞれ例5、9および11と同様にハードコート前駆体を塗布し硬化した後、プラズマエッチング処理を行わなかったものを用いた。
これらのハードコートを評価した結果を表3および図11−13に示す。
Figure 2014032216
図7−13に示すように、プラズマエッチング処理によりハードコート表面の反射率が低減し、ハードコートの透過率が増加している。特に、両面のハードコートをプラズマエッチング処理したものは、プラズマエッチング処理しなかったものと比べて約5%高い透過率を示した。
表3は、プラズマエッチング処理前後の水接触角および接着力を示す。防汚剤を有しプラズマエッチング処理を行わなかったハードコート(比較例7および8)は100度を超える水接触角を示し、疎水性シランカップリング処理を行った例7も同様に100度を超える水接触角を示した。一方、親水性シランカップリング処理を行った例8の水接触角は20度未満であった。これらの結果は、プラズマエッチング処理表面をさらにシランカップリング処理することによって、防汚性または防曇性を反射防止ハードコートに付与できることを示唆している。
プラズマエッチング処理後、光学的に透明な接着剤の接着力は増加した(比較例6および例5、比較例7および例9、比較例8および例11)。これらの結果は、本開示の反射防止ハードコートのドライエッチング処理表面が、接着剤との接着性、印刷インクの印刷適性などに優れていることを示唆している。
10、20 反射防止物品
12、22 基材
14、24 ハードコート層
15、25 ドライエッチング処理表面
30、40、50 液晶ディスプレイ
32、42、52 基材
34、44、54 ハードコート層
35、45、55 ドライエッチング処理表面
36、46、56 光学的に透明な接着層
37、47、57 液晶ディスプレイパネル
38、48、58 印刷層
59 ドライエッチングおよびシランカップリング処理表面

Claims (10)

  1. ナノ粒子の混合物およびバインダーを含む反射防止ハードコートであって、
    ドライエッチング処理表面を有し、
    前記ナノ粒子は前記反射防止ハードコートの全質量の40質量%〜95質量%を構成し、
    前記ナノ粒子の10質量%〜50質量%は2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有し、前記ナノ粒子の50質量%〜90質量%は60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有し、60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径と2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径の比が、2:1〜200:1である、反射防止ハードコート。
  2. 前記ナノ粒子が表面改質ナノ粒子である、請求項1に記載の反射防止ハードコート。
  3. 前記ドライエッチング処理がプラズマエッチングである、請求項1または2のいずれかに記載の反射防止ハードコート。
  4. 前記バインダーがフッ素化(メタ)アクリル化合物、その反応生成物、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の反射防止ハードコート。
  5. 前記ドライエッチング処理表面にさらにシランカップリング処理が施されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の反射防止ハードコート。
  6. 第1の表面を有する基材、および
    前記基材の第1の表面の上に配置された請求項1〜5のいずれか一項に記載の反射防止ハードコートの層を含む反射防止物品。
  7. 前記基材が第2の表面をさらに有し、前記基材の第2の表面の上に配置された請求項1〜5のいずれか一項に記載の反射防止ハードコートの層をさらに含む、請求項6に記載の反射防止物品。
  8. 前記ドライエッチング処理表面に第2の基材が積層されている、請求項6または7のいずれかに記載の反射防止物品。
  9. 前記第2の基材が、光学的に透明な接着層を介して前記ドライエッチング処理表面に積層されている、請求項8に記載の反射防止物品。
  10. 前記第2の基材が液晶ディスプレイパネルである、請求項8または9に記載の反射防止物品を含むディスプレイユニット。
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