JP2017533291A - ハードコート及び同製品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

ハードコートであって、結合剤と、15〜95体積%の範囲のナノ粒子と、を含み、ナノ粒子の少なくとも一部はフリーラジカル反応性シラン及びシアノ基含有シランによって官能基化されている、ハードコート。本明細書に記載されているハードコートは、例えば可搬型及び非可搬型情報表示物品(例えば照光式及び非照光式表示物品)上で有用である。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年9月4日に出願された米国特許仮出願第62/045809号の利益を主張するものであり、その出願の開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
(背景)
種々のハードコート材料が、通常の使用においてスクラッチがつく傾向を有する基材(例えばプラスチック基材)を保護するために入手可能である。ハードコート材料の例としては、光硬化性シランカップリング剤によって改質された結合剤(例えばアクリレート)及びSiOナノ粒子で製造されたものが挙げられる。耐スクラッチ性に加えて、屈曲性もまた、いくつかの用途のためのハードコート材料の所望の特徴であるが、典型的には、屈曲性が増すと、ハードコート材料の耐スクラッチ性は低下する傾向にある。
特に所望の耐スクラッチ性及び屈曲性を有する、ハードコート材料の更なるオプションが望まれている。
(概要)
一態様では、本開示は、ハードコートであって、
結合剤と、
ハードコートの総体積に基づいて、15〜95(いくつかの実施形態では、20〜95、20〜90、20〜85、20〜80、25〜95、25〜90、25〜85、25〜80、又は更に25〜75)体積%の範囲のナノ粒子と、を含み、ナノ粒子の少なくとも一部はフリーラジカル反応性シラン(例えば3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリエトキシシラン、アクリロキシエチル−トリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種)、及びシアノ基含有シラン(例えば3−シアノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノブチルトリエトキシシラン又は2−シアノエチルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種)によって官能基化されており、
ハードコートの総体積に基づいて、10〜40(いくつかの実施形態では、10〜35、又は更に10〜30の範囲)体積%のナノ粒子は、2nm〜30nm(いくつかの実施形態では、10nm〜25nm)の範囲の平均粒径を有するナノ粒子であり、ハードコートの総体積に基づいて、20〜60(いくつかの実施形態では、30〜60、又は更に30〜50の範囲)体積%のナノ粒子は、50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有する、ハードコートを記載する。
別の態様では、本開示は、表面を有する基材と、基材の表面上の、本明細書に記載されているハードコート層(ハードコートの層)とを備えた物品を記載する。
別の態様では、本開示は、
混合物を用意することと、ただし、混合物は、混合物の総重量に基づいて、5重量%〜60重量%の範囲の、アクリル結合剤、(メタ)アクリルオリゴマー結合剤又はモノマー結合剤のうちの少なくとも1種と、少なくとも一部が、フリーラジカル反応性シラン(例えば3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリエトキシシラン、アクリロキシエチル−トリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種)、及びシアノ基含有シラン(例えば3−シアノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノブチルトリエトキシシラン又は2−シアノエチルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種)によって官能基化されているナノ粒子と、を含む、
アクリル結合剤、(メタ)アクリルオリゴマー結合剤又はモノマー結合剤のうちの少なくとも1種を硬化してハードコートを提供することと、を含む、本明細書に記載されているハードコートの製造方法を記載する。
本明細書に記載されているハードコートは、例えば可搬型及び非可搬型情報表示物品(例えば照光式及び非照光式表示物品)上で有用である。本明細書に記載されているハードコートの実施形態は、所望の耐スクラッチ性及び屈曲性を有する。
(詳細な説明)
例示的な結合剤としては、アクリル(例えばアクリル酸シリコーン)、(メタ)アクリルオリゴマー又はモノマー(例えばフルオロアクリレート)が挙げられ、かつ例えばArkema Group(Clear Lake,TX)から商品名「SARTOMER」で市販されている。例示的な界面活性剤としては、信越化学工業株式会社(日本、東京)から商品名「KY1203」で、及びEvonik Industries AG(Mobile,AL)から商品名「TEGORAD 2500」で入手できるものが挙げられる。
例示的なナノ粒子としては、SiO、ZrO、又はSbドープSnOナノ粒子が挙げられ、SiOナノ粒子は、例えば日産化学工業株式会社(日本、東京)から、シーアイ化成株式会社(日本、東京)から、及びNalco Company(Naperville,IL)から市販されている。ZrOナノ粒子は、例えば日産化学工業株式会社から市販されている。SbドープSnOナノ粒子は、例えばAdvanced Nanoproducts(Sejong−si,South Korea)から市販されている。
例示的なナノ粒子としては、SiO又はZrOナノ粒子が挙げられる。ナノ粒子は、シリカなどの単一の酸化物から本質的になっているか、若しくはなっていてもよく、又は酸化物の組み合わせを含んでいてもよく、又は1つのタイプの酸化物のコア(若しくは金属酸化物以外の材料のコア)に別のタイプの酸化物を析出させたものであってもよい。ナノ粒子は、液体媒質中に無機酸化物粒子のコロイド状分散体を含むゾルの形態で提供されることが多い。ゾルは、種々の技術を用いて、種々の形態において調製することができ、形態としてはヒドロゾル(水が液体媒質として機能する場合)、オルガノゾル(有機液体がそのように機能する場合)、及び混合ゾル(液体媒質が水及び有機液体の双方を含む場合)が挙げられる。
水性コロイド状シリカ分散体は、例えばNalco Chemical Co.(Naperville,IL)から商品名「NalcoCollodial Silicas」、例えば製品1040、1042、1050、1060、2327、2329及び2329Kで、又はNissan Chemcial America Corporation(Houston,TX)から商品名「SNOWTEX」で市販されている。コロイド状シリカ有機分散体は、例えば日産化学工業株式会社から商品名「ORGANOSILICASOL」で市販されている。好適なヒュームドシリカとしては、例えばEvonik DeGussa Corp.(Parsippany,NJ)から商品名「AEROSIL SERIES OX−50」、並びに商品番号−130、−150及び−200で市販されている製品が挙げられる。ヒュームドシリカはまた、例えばCabot Corp.(Tuscola,IL)から商品名「CAB−O−SPERSE 2095」、「CAB−O−SPERSE A105」及び「CAB−O−SIL M5」で市販されている。
光学的な性質、材料の性質を最適化するために、又は組成物の総コストを削減するために、酸化物粒子タイプの混合物を利用することが望ましいこともある。
いくつかの実施形態では、ハードコートは、種々の、高屈折率の無機ナノ粒子を含んでもよい。このようなナノ粒子は、少なくとも1.60、1.65、1.70、1.75、1.80、1.85、1.90、1.95、2.00、又は更に高い屈折率を有する。高屈折率の無機ナノ粒子としては、単独で又は組み合わせで、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、酸化アンチモン、アルミナ、酸化スズが挙げられる。混合金属酸化物もまた、利用されてもよい。
高屈折率の層において使用するためのジルコニアは、例えばNalco Chemical Co.から商品名「NALCO OOSSOO8」で、Buhler AG(Uzwil,Switzerland)から商品名「BUHLER ZIRCONIA Z−WO SOL」で、及びNissan Chemical America Corporationから商品名「NANOUSE ZR」で入手可能である。ジルコニアナノ粒子はまた、例えば米国特許第7,241,437号(Davidsonら)及び第6,376,590号(Kolbら)に記載されているように調製することもできる。酸化アンチモンで被覆された酸化スズとジルコニアとの混合物を含むナノ粒子分散体(RI〜1.9)は、例えばNissan Chemical America Corporationから商品名「HX−05M5」で市販されている。酸化スズナノ粒子分散体(RI〜2.0)は、例えば日産化学工業株式会社から商品名「CX−S401M」で市販されている。
ナノ粒子の少なくとも一部は、フリーラジカル反応性シラン(例えば3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリエトキシシラン、アクリロキシエチル−トリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種)、及びシアノ基含有シラン(例えば3−シアノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノブチルトリエトキシシラン又は2−シアノエチルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種)によって官能基化されている。例示的な3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシランは、例えば商品名「SILQUESTTM A−174」でAlfa Aesar(Ward Hill,MA)から入手可能である。例示的な3−アクリロキシプロピル−トリメトキシシランは、例えば商品名「SIA0200.0」でGelest(Morrisville,PA)から入手可能である。例示的な3−メタクリロキシプロピル−トリエトキシシランは、例えば商品名「SIM6487.3」でGelestから入手可能である。例示的なアクリロキシエチル−トリメトキシシランは、例えば商品名「SIA0182.0」でGelestから入手可能である。例示的なビニルトリエトキシシランは、例えば商品名「SIV9112.0」でGelestから入手可能である。例示的な3−シアノプロピルトリエトキシシランは、例えばSigma−Aldrich Corporation(St.Louis,MO)から入手可能である。例示的な3−シアノブチルトリエトキシシランは、例えば商品名「SIC2439.0」でGelestから入手可能である。例示的な2−シアノエチルトリエトキシシランは、例えば商品名「SIC2445.0」でGelestから入手可能である。
一般に、表面処理剤には、粒子表面に結合(共有結合、イオン結合、又は強力な物理吸着による結合)することになる第1の末端部と、粒子に樹脂との相溶性をもたらすか及び/又は硬化時に樹脂と反応する第2の末端部とが備わっている。表面処理剤の例としては、アルコール、アミン、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、シラン及びチタネートが挙げられる。いくつかの実施形態では、処理剤は、部分的に、金属酸化物表面の化学的性質により決定される。いくつかの実施形態では、シリカに対してはシランが好ましく、ケイ質充填剤に対しては他のものが好ましい。いくつかの実施形態では、ジルコニアなどの金属酸化物に対してはシラン及びカルボン酸が好ましい。
表面改質は、モノマーとの混合に続いて又は混合後のいずれかで行うことができる。いくつかの実施形態では、樹脂へ組み込む前に、シランをナノ粒子の表面と反応させるのが好ましい。表面改質剤の必要量は、例えば粒径、粒子タイプ、改質剤の分子量、及び改質剤のタイプなどのいくつかの要素に依存する。一般には、概ね単層の改質剤を、粒子の表面に付着させることが好ましい。必要とされる付着手順又は反応条件もまた、使用される表面改質剤に依存する。シランの場合、いくつかの実施形態では、酸性又は塩基性の条件下で、高温にて約1〜24時間表面処理することが好ましい。カルボン酸などの表面処理剤は、高温も長時間も必要としないことがある。
シラン表面処理剤は、無機酸化物(例えばシリカ)分散体へ添加されるとき、少なくとも1種のアルコキシシラン基を含む。アルコキシシラン基は、水で水和されてSi−OH(ヒドロキシ基)を形成する。次いで、これらのSiOH基は、ナノシリカ表面上でSiOH基と反応してシラン表面処理ナノシリカを形成する。
いくつかの実施形態では、無機酸化物(例えばシリカ)ナノ粒子は、(例えば共重合性又は非重合性の)シラン表面処理剤で別々に表面改質され、ハードコートは、表面改質された無機酸化物(例えばシリカ)ナノ粒子の、双方のタイプの混合物を含む。いくつかの実施形態では、無機酸化物(例えばシリカ)ナノ粒子は、共重合性及び非重合性の双方のシラン表面処理剤で同時に表面改質される。
無機酸化物(例えばシリカ)ナノ粒子は、少なくとも1種の共重合性シラン表面処理剤を含む。共重合性シラン表面処理剤は、フリーラジカル重合性基(例えばメタ(アクリル)又はビニル)を含む。フリーラジカル重合性基は、ハードコート組成物のフリーラジカル重合性の(例えば(メタ)アクリレート)モノマーと共重合する。
好適な(メタ)アクリルオルガノシランとしては、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルメトキシシラン及び3−(アクリロイルオキシプロピル)ジメチルメトキシシランなどの(メタ)アクリロイルアルコキシシランが挙げられる。いくつかの実施形態では、(メタ)アクリルオルガノシランが、アクリルシランの中で好まれうる。好適なビニルシランとしては、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランが挙げられる。好適なアミノオルガノシランは、例えば米国特許公開第2006/0147177号に記載されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載されているハードコートは、ハードコートの総体積に基づいて、15〜95(いくつかの実施形態では、20〜95、20〜90、20〜85、20〜80、25〜95、25〜90、25〜85、25〜80、又は更に25〜75)体積%のナノ粒子を含み、ハードコートの総体積に基づいて、10〜40(いくつかの実施形態では、10〜35、又は更に10〜30の範囲)体積%のナノ粒子は、2nm〜30nm(いくつかの実施形態では、10nm〜25nm)の範囲の平均粒径を有するナノ粒子であり、ハードコートの総体積に基づいて、20〜60(いくつかの実施形態では、30〜60、又は更に30〜50の範囲)体積%のナノ粒子は、50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有する。無機酸化物粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡を使用して、所与の直径の無機酸化物粒子を計数して測定できる。
いくつかの実施形態では、2nm〜20nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径の、20nm〜100nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径に対する比は、1:2〜1:200の範囲にある。
いくつかの実施形態では、ハードコートの総体積に基づいて、10〜40(いくつかの実施形態では、10〜35、又は更に10〜30の範囲)体積%のナノ粒子は、2nm〜30nm(いくつかの実施形態では、10nm〜25nm)の範囲の平均粒径を有するナノ粒子であり、ハードコートの総体積に基づいて、20〜60(いくつかの実施形態では、30〜60、又は更に30〜50の範囲)体積%のナノ粒子は、50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有する。
いくつかの実施形態では、2nm〜30nm(いくつかの実施形態では、10nm〜25nm)の範囲の平均粒径を有するナノ粒子、又は50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子のうちの少なくとも1種の少なくとも一部は、フリーラジカル反応性シラン及びシアノ基含有シランによって官能基化されている。
いくつかの実施形態では、2nm〜30nm(いくつかの実施形態では、10nm〜25nm)の範囲の平均粒径を有するナノ粒子、及び50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の双方の少なくとも一部は、フリーラジカル反応性シラン及びシアノ基含有シランによって官能基化されている。
いくつかの実施形態では、2nm〜30nm(いくつかの実施形態では、10nm〜25nm)の範囲の平均粒径を有するナノ粒子、又は50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子のうちの1種のみの少なくとも一部は、フリーラジカル反応性シラン及びシアノ基含有シランによって官能基化されている。
いくつかの実施形態では、2nm〜30nm(いくつかの実施形態では、10nm〜25nm)の範囲の平均粒径を有するナノ粒子、及び50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の双方は、フリーラジカル反応性シラン及びシアノ基含有シランによって官能基化されている。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているハードコートは、実施例におけるヘーズ試験によって決定された、最大1.0(いくつかの実施形態では、最大0.75、0.5、0.25、0.1、0.05、又は更に最大0.01)のヘーズを有する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているハードコートは、厚さが、最大50マイクロメートル(いくつかの実施形態では、最大25マイクロメートル、10マイクロメートル、5マイクロメートル、1マイクロメートル、750ナノメートル、500ナノメートル、250ナノメートル、又は更に最大100ナノメートルであリ、いくつかの実施形態では、1マイクロメートル〜50マイクロメートル、1マイクロメートル〜25マイクロメートル、1マイクロメートル〜10マイクロメートル、又は更に最大3マイクロメートル〜5マイクロメートルの範囲にある)である。
本明細書に記載されているハードコートを有する物品(例えば表面を有する基材と、基材の表面上に配置された、本明細書に記載されているハードコート層とを備えた物品)の例としては、可搬型及び非可搬型情報表示物品(例えば照光式及び非照光式表示物品)が挙げられる。そのようなディスプレイとしては、マルチキャラクター及びマルチライン、マルチキャラクターディスプレイ(例えば液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、プラズマディスプレイ、フロント及びリアプロジェクションディスプレイ、陰極線管(Cathode Ray Tube、CRT)、看板、並びにシングルキャラクター又はバイナリーディスプレイ(例えば発光管(Light Emitting Tube、LED)、信号ランプ及びスイッチ)が挙げられる。
照光式表示物品としては、パーソナルディジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDA)、LCDテレビ(ダイレクトライト及びエッジライトの双方)、携帯電話(PDA/携帯電話の組み合せを包含)、タッチ感応スクリーン、リストウォッチ、カーナビゲーションシステム、グローバルポジショニングシステム、深度探知機、計算機、電子書籍、CD及びDVDプレイヤー、プロジェクションテレビスクリーン、コンピューターモニター、ノート型パソコンディスプレイ、機器計器及び機器パネルカバーが挙げられる。これらの装置は、平面又は湾曲した表示面を有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているハードコートは、タッチスクリーンにスクラッチがつかないよう保護するために使用されるカバーグラスの代わりに使用することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているハードコートは、窓ガラス、窓用断熱フィルム、省エネルギー窓、及び飛散耐性のある又は割れても飛散しない窓用フィルムとして機能することができるフィルム上に付与されうる。
いくつかの実施形態では、基材は、ポリマー性基材(例えばポリエチレンテレフタレート又はアクリルのうちの少なくとも1種を含む基材)である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている物品は、基材とハードコート層との間にプライマー層を更に備える。
本明細書に記載されている例示的なハードコートの例示的な一製造方法では、その方法は、
混合物を用意することと、ただし、混合物は、混合物の総重量に基づいて、5重量%〜60重量%の範囲の、アクリル結合剤、(メタ)アクリルオリゴマー結合剤又はモノマー結合剤のうちの少なくとも1種と、少なくとも一部が、フリーラジカル反応性シラン(例えば3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリエトキシシラン、アクリロキシエチル−トリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種)、及びシアノ基含有シラン(例えば3−シアノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノブチルトリエトキシシラン又は2−シアノエチルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種)によって官能基化されているナノ粒子と、を含む、
アクリル結合剤、(メタ)アクリルオリゴマー結合剤又はモノマー結合剤のうちの少なくとも1種を硬化(例えば化学線(例えば紫外線又はe−ビーム))してハードコートを提供することと、を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているハードコートは、厚さが、200ナノメートル未満、150ナノメートル未満、100ナノメートル未満、又は更に50ナノメートル未満であり、いくつかの実施形態では、50ナノメートル〜200ナノメートル未満、又は更に50ナノメートル〜150ナノメートル未満の範囲にある。
本明細書に記載されるハードコートの実施形態は、望ましい耐スクラッチ性及び屈曲性を有する。
例示的実施形態
1A.ハードコートであって、
結合剤と、
ハードコートの総体積に基づいて、15〜95(いくつかの実施形態では、20〜95、20〜90、20〜85、20〜80、25〜95、25〜90、25〜85、25〜80、又は更に25〜75)体積%の範囲のナノ粒子と、を含み、ナノ粒子の少なくとも一部はフリーラジカル反応性シラン(例えば3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリエトキシシラン、アクリロキシエチル−トリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種)、及びシアノ基含有シラン(例えば3−シアノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノブチルトリエトキシシラン又は2−シアノエチルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種)によって官能基化されており、
ハードコートの総体積に基づいて、10〜40(いくつかの実施形態では10〜35、又は更に10〜30の範囲)体積%のナノ粒子は、2nm〜30nm(いくつかの実施形態では、10nm〜25nm)の範囲の平均粒径を有するナノ粒子であり、ハードコートの総体積に基づいて、20〜60(いくつかの実施形態では、30〜60、又は更に30〜50の範囲)体積%のナノ粒子は、50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有する、ハードコート。
2A.2nm〜30nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子、又は50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子のうちの少なくとも1種の少なくとも一部は、フリーラジカル反応性シラン及びシアノ基含有シランによって官能基化されている、例示的実施形態1Aに記載のハードコート。
3A.2nm〜30nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子、及び50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の双方の少なくとも一部は、フリーラジカル反応性シラン及びシアノ基含有シランによって官能基化されている、例示的実施形態1Aに記載のハードコート。
4A.2nm〜30nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子、又は50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子のうちの1種のみの少なくとも一部が、フリーラジカル反応性シラン及びシアノ基含有シランによって官能基化されている、例示的実施形態1Aに記載のハードコート。
5A.2nm〜30nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子、及び50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の双方が、フリーラジカル反応性シラン及びシアノ基含有シランによって官能基化されている、例示的実施形態1Aに記載のハードコート。
6A.実施例におけるヘーズ試験によって決定された、最大1.0のヘーズを有する、例示的実施形態1A〜5Aのいずれか1つに記載のハードコート。
7A.2nm〜20nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径の、20nm〜100nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径に対する比は、1:2〜1:200の範囲にある、例示的実施形態1A〜6Aのいずれか1つに記載のハードコート。
8A.ハードコートの厚さが、最大50マイクロメートルである、例示的実施形態1A〜7Aのいずれか1つに記載のハードコート。
9A.ナノ粒子が、SiO又はZrOナノ粒子のうちの少なくとも1種を含む、例示的実施形態1A〜8Aのいずれか1つに記載のハードコート。
10A.結合剤が、硬化されたアクリレート(例えばアクリレートポリウレタン)を含む、例示的実施形態1A〜9Aのいずれか1つに記載のハードコート。
11A.表面を有する基材と、
その基材の表面上に配置された、例示的実施形態1A〜10Aのいずれか1つに記載のハードコート層とを備えた物品。
12A.基材が、ポリマー性基材である、例示的実施形態11Aに記載の物品。
13A.ポリマー性基材が、ポリエチレンテレフタレート又はアクリルのうちの少なくとも1種を含む、例示的実施形態12Aに記載の物品。
14A.基材とハードコート層との間にプライマー層を更に備えた、例示的実施形態11A〜13Aのいずれか1つに記載の物品。
1B.例示的実施形態1A〜10Aのいずれか1つに記載のハードコートの製造方法であって、
混合物を用意することと、ただし、混合物は、混合物の総重量に基づいて、5重量%〜60重量%の範囲の、アクリル結合剤、(メタ)アクリルオリゴマー結合剤又はモノマー結合剤のうちの少なくとも1種と、少なくとも一部が、フリーラジカル反応性シラン(例えば3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリエトキシシラン、アクリロキシエチル−トリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種)、及びシアノ基含有シラン(例えば3−シアノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノブチルトリエトキシシラン又は2−シアノエチルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種)によって官能基化されているナノ粒子と、を含む、
アクリル結合剤、(メタ)アクリルオリゴマー結合剤又はモノマー結合剤のうちの少なくとも1種を硬化してハードコートを提供することと、を含む、方法。
2B.硬化することは、化学線(例えば紫外線又はe−ビーム)を含む、例示的実施形態1Bに記載の方法。
本発明の利点及び実施形態を、以下の実施例によって更に例示するが、これらの実施例において引用される特定の材料及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を不当に限定するものとして解釈すべきではない。全ての部及び百分率は、特に断らない限りは重量に基づいたものである。
実施例

試験方法
光学的性質を決定する方法
実施例及び比較例に従って調製した試料の、透明性、ヘーズ及びパーセント透過率(TT)などの光学的性質を、ヘーズメーター(BYK Additives and Instruments(Columbia,MD)から商品名「HAZE−GUARD PLUS」で入手)を使用して測定した。光学的性質を、準備された状態(すなわち初期の光学的性質)の試料として、かつその試料を耐スチールウール摩耗性試験にかけた後に、決定した。「ヘーズ試験」では、試料を耐スチールウール摩耗性試験にかける前とかけた後との、ヘーズ値における相違を比較している。
接着性能を決定する方法
実施例及び比較例に従って調製した試料の接着性能を、JIS K5600(1999年4月)によるクロスカット試験によって評価し、ここで、1mm間隔の5×5のグリッド(すなわち1mm×1mmの25平方)及びテープ(日東電工株式会社(日本、大阪)から商品名「ニチバン」で入手)を使用した。次いで、ひびの存在/不存在を、光学顕微鏡を使用して決定した。ひびがないこと、又は少なくとも他の試料と比較してひびが少ないことが、より望ましい又は改善された屈曲性の指標である。
耐スチールウール摩耗性を決定する方法
実施例及び比較例に従って調製した試料の耐スクラッチ性を、直径30mmの#0000スチールウールを使用して、11Nの負荷及び60サイクル/分の速度にて200サイクル後、耐スチールウール摩耗性試験後の表面の変化によって評価した。耐スチールウール摩耗性は、その試料の、プリズムフィルムと接触しているときの耐スクラッチ性をシミュレートすることを意味した。耐スチールウール摩耗性試験の完了後、試料を、スクラッチの存在について観察し、かつそれらの光学的性質(パーセント透過率、ヘーズ、透明度、デルタ(Δ)ヘーズ(すなわち、摩耗試験後のヘーズ−初期のヘーズ))を、上記の方法を用いて再び測定した。スクラッチの存在を、以下の表1に従って格付けした。

表面改質シリカゾル(Sol−1)の調製
3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン(A−174)25.25グラム、及び4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(5重量%、4H−2,2,6,6−TMP1−O)0.5グラムを、ガラス瓶中の直径20nmのSiOゾル(NALCO 2327)400グラムと1−メトキシ−2−プロパノール450グラムとの混合物へ、室温にて10分間撹拌しながら加えた。この瓶を封止し、オーブン中、80℃にて16時間置いた。次いで、得られた溶液から、溶液の固形分がほぼ45重量%になるまで、ロータリーエバポレーターを使用して60℃にて水を除去した。1−メトキシ−2−プロパノール200グラムを、得られた溶液中へ装入し、次いで、残った水を、ロータリーエバポレーターを使用して60℃にて除去した。この後者のステップを2回目にも繰り返して、溶液から水を更に除去した。最後に、1−メトキシ−2−プロパノールを加えることにより、総SiOナノ粒子濃度を45重量%に調節して、20nmの平均粒径を有する表面改質SiOナノ粒子を含むSiOゾルを得た。
表面改質シリカゾル(Sol−2)の調製
3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン(A−174)12.1グラム、及び3−シアノプロピルトリエトキシシラン11.48、及び4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(5重量%、4H−2,2,6,6−TMP1−O)0.5グラムを、ガラス瓶中の直径20nmのSiOゾル(NALCO 2327)400グラムと1−メトキシ−2−プロパノール450グラムとの混合物へ、室温にて10分間撹拌しながら加えた。この瓶を封止し、オーブン中、80℃にて16時間置いた。次いで、得られた溶液から、溶液の固形分重量%がほぼ45重量%になるまで、ロータリーエバポレーターを使用して60℃にて水を除去した。1−メトキシ−2−プロパノール200グラムを、得られた溶液中へ装入し、次いで、残った水を、ロータリーエバポレーターを使用して60℃にて除去した。この後者のステップを2回目にも繰り返して、溶液から水を更に除去した。最後に、1−メトキシ−2−プロパノールを加えることにより、総SiOナノ粒子濃度を45重量%に調節して、20nmの平均粒径を有する表面改質SiOナノ粒子を含むSiOゾルを得た。
表面改質シリカゾル(Sol−3)の調製
(A−174)5.95グラム、及び4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(5重量%、4H−2,2,6,6−TMP1−O)0.5グラムを、ガラス瓶中の直径75nmのSiOゾル(NALCO 2329)400グラムと1−メトキシ−2−プロパノール450グラムとの混合物へ、室温にて10分間撹拌しながら加えた。この瓶を封止し、オーブン中、80℃にて16時間置いた。次いで、得られた溶液から、溶液の固形分がほぼ45重量%になるまで、ロータリーエバポレーターを使用して60℃にて水を除去した。1−メトキシ−2−プロパノール200グラムを、得られた溶液中へ装入し、次いで、残った水を、ロータリーエバポレーターを使用して60℃にて除去した。この後者のステップを2回目にも繰り返して、溶液から水を更に除去した。最後に、1−メトキシ−2−プロパノールを加えることにより、総SiOナノ粒子濃度を45重量%に調節して、75nmの平均粒径を有する表面改質SiOナノ粒子を含むSiOゾルを得た。
ハードコート前駆物質(HC−1)の調製
光開始剤(IRGACURE 2959)1.6グラム、及びイソシアヌレート/脂肪族ウレタントリアクリレート(EBECRYL 8701)80グラムを混合した。1−メトキシ−2−プロパノールを加えることにより、混合物を40.5重量%の固体に調節して、ハードコート前駆物質HC−1を得た。
ハードコート前駆物質(HC−2)の調製
Sol−1 35.3グラム、及びイソシアヌレート/脂肪族ウレタントリアクリレート(EBECRYL 8701)64グラムを混合した。混合物に、光開始剤(IRGACURE 2959)1.6グラムを加えた。1−メトキシ−2−プロパノールを加えることにより、混合物を40.5重量%の固体に調節して、ハードコート前駆物質HC−2を得た。
ハードコート前駆物質(HC−3)の調製
Sol−1 71.1グラム、及びイソシアヌレート/脂肪族ウレタントリアクリレート(EBECRYL 8701)48グラムを混合した。混合物に、光開始剤(IRGACURE 2959)1.6グラムを加えた。1−メトキシ−2−プロパノールを加えることにより、混合物を40.5重量%の固体に調節して、ハードコート前駆物質HC−3を得た。
ハードコート前駆物質(HC−4)の調製
Sol−1 106.7グラム、及びイソシアヌレート/脂肪族ウレタントリアクリレート(EBECRYL 8701)32グラムを混合した。混合物に、光開始剤(IRGACURE 2959)1.6グラムを加えた。1−メトキシ−2−プロパノールを加えることにより、混合物を40.5重量%の固体に調節して、ハードコート前駆物質HC−4を得た。
ハードコート前駆物質(HC−5)の調製
Sol−1 106.7グラム、及び6官能性脂肪族ウレタンアクリレート(EBECRYL 8301)32グラムを混合した。混合物に、光開始剤(IRGACURE 2959)1.6グラムを加えた。1−メトキシ−2−プロパノールを加えることにより、混合物を40.5重量%の固体に調節して、ハードコート前駆物質HC−5を得た。
ハードコート前駆物質(HC−6)の調製
Sol−1 46.7グラム、Sol−3 86.7グラム、3官能性脂肪族ウレタントリアクリレート(EBECRYL 8701)20グラムを混合した。混合物に、光開始剤(IRGACURE 2959)1.6グラムを加えた。1−メトキシ−2−プロパノールを加えることにより、混合物を40.5重量%の固体に調節して、ハードコート前駆物質HC−6を得た。
ハードコート前駆物質(HC−7)の調製
Sol−1 46.7グラム、Sol−3 86.7グラム、6官能性脂肪族ウレタンアクリレート(EBECRYL 8301)20グラムを混合した。混合物に、光開始剤(IRGACURE 2959)1.6グラムを加えた。1−メトキシ−2−プロパノールを加えることにより、混合物を40.5重量%の固体に調節して、ハードコート前駆物質HC−7を得た。
ハードコート前駆物質(HC−8)の調製
Sol−2 106.7グラム、及びイソシアヌレート/脂肪族ウレタントリアクリレート(EBECRYL 8701)32グラムを混合した。混合物に、光開始剤(IRGACURE 2959)1.6グラムを加えた。1−メトキシ−2−プロパノールを加えることにより、混合物を40.5重量%の固体に調節して、ハードコート前駆物質HC−8を得た。
ハードコート前駆物質(HC−9)の調製
Sol−2 46.7グラム、Sol−3 86.7グラム、イソシアヌレート/脂肪族ウレタントリアクリレート(EBECRYL 8701)20グラムを混合した。混合物に、光開始剤(IRGACURE 2959)1.6グラムを加えた。1−メトキシ−2−プロパノールを加えることにより、混合物を40.5重量%の固体に調節して、ハードコート前駆物質HC−9を得た。
比較例A〜H(CE−A〜CE−H)並びに実施例1及び2(EX−1〜EX−2)
CE−Aは、基材として、厚さが50マイクロメートルの、非被覆のプライムされていない(PET)フィルムとした。ハードコートは、適用しなかった。CE−B〜CE−H、EX−1及びEX−2を、厚さが50マイクロメートルの、プライムされていないPETフィルムを使用して、それぞれ基材として調製した。フィルムを、グラステーブル上に、レベルを調節して固定し、次いで、Meyer Rod #10(湿潤厚さが4.5マイクロメートルに相当)を使用して、それぞれ、ハードコート前駆物質溶液HC−1〜HC−9で被覆した。空気中、60℃にて5分間乾燥させた後、各実施例及び比較例の被覆した基材を、窒素ガス下、速度12.2m/分(40フィート/分)で、紫外線(UV)照射器(Fusion UV System Inc.(Gaithersburg,MD)から入手したModel DRS,H−bulb)を2回通した。
得られたCE−A〜CE−H、EX−1及びEX−2の試料を、上記の方法を用いて試験した。以下の表2に、この試験データをまとめる。
本開示の予想されうる改変及び変更が、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかとなろう。本発明は、例証の目的のために本出願において説明された実施形態に限定されるべきではない。

Claims (12)

  1. ハードコートであって、
    結合剤と、前記ハードコートの総体積に基づいて、15〜95体積%の範囲のナノ粒子と、を含み、
    前記ナノ粒子の少なくとも一部はフリーラジカル反応性シラン及びシアノ基含有シランによって官能基化されており、
    前記ハードコートの総体積に基づいて、10〜40体積%のナノ粒子は、2nm〜30nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子であり、
    前記ハードコートの総体積に基づいて、20〜60体積%のナノ粒子は、50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有する、ハードコート。
  2. 2nm〜30nmの範囲の平均粒径を有する前記ナノ粒子、又は50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有する前記ナノ粒子のうちの少なくとも1種の少なくとも一部は、フリーラジカル反応性シラン及びシアノ基含有シランによって官能基化されている、請求項1に記載のハードコート。
  3. 2nm〜30nmの範囲の平均粒径を有する前記ナノ粒子、及び50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有する前記ナノ粒子の双方の少なくとも一部は、フリーラジカル反応性シラン及びシアノ基含有シランによって官能基化されている、請求項1に記載のハードコート。
  4. 2nm〜30nmの範囲の平均粒径を有する前記ナノ粒子、又は50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有する前記ナノ粒子のうちの1種のみの少なくとも一部が、フリーラジカル反応性シラン及びシアノ基含有シランによって官能基化されている、請求項1に記載のハードコート。
  5. 2nm〜30nmの範囲の平均粒径を有する前記ナノ粒子、及び50nm〜100nmの範囲の平均粒径を有する前記ナノ粒子の双方が、フリーラジカル反応性シラン及びシアノ基含有シランによって官能基化されている、請求項1に記載のハードコート。
  6. 前記フリーラジカル反応性シランは、3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリエトキシシラン、アクリロキシエチル−トリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種であり、前記シアノ基含有シランは、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノブチルトリエトキシシラン又は2−シアノエチルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のハードコート。
  7. ヘーズ試験によって決定された、最大1.0のヘーズを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のハードコート。
  8. 2nm〜20nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径の、20nm〜100nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径に対する比は、1:2〜1:200の範囲にある、請求項1〜7のいずれか一項に記載のハードコート。
  9. 表面を有する基材と、
    前記基材の前記表面上に配置された、請求項1〜8のいずれか一項に記載のハードコートの層とを備えた物品。
  10. 混合物を用意することと、ただし、前記混合物は、前記混合物の総重量に基づいて、5重量%〜60重量%の範囲の、アクリル結合剤、(メタ)アクリルオリゴマー結合剤又はモノマー結合剤のうちの少なくとも1種と、少なくとも一部がフリーラジカル反応性シラン及びシアノ基含有シランによって官能基化されているナノ粒子と、を含む、
    前記アクリル結合剤、(メタ)アクリルオリゴマー結合剤又はモノマー結合剤のうちの少なくとも1種を硬化して前記ハードコートを提供することと、を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のハードコートの製造方法。
  11. 前記フリーラジカル反応性シランは、3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリエトキシシラン、アクリロキシエチル−トリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種であり、前記シアノ基含有シランは、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノブチルトリエトキシシラン又は2−シアノエチルトリエトキシシランのうちの少なくとも1種である、請求項10に記載のハードコート。
  12. 前記硬化することは、化学線(例えば紫外線又はe−ビーム)を含む、請求項10又は11に記載の方法。
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