JP2021079646A - 低光沢な外観を呈する無機ナノ粒子含有表面層を含む積層体及び無機ナノ粒子含有放射線硬化型インク - Google Patents

低光沢な外観を呈する無機ナノ粒子含有表面層を含む積層体及び無機ナノ粒子含有放射線硬化型インク Download PDF

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Abstract

【課題】低光沢外観を呈する無機ナノ粒子含有表面層を含む積層体及び無機ナノ粒子含有放射線硬化型インクの提供。【解決手段】基材101、及び、放射線硬化型インクの硬化物を含む表面層102,105を含み、この放射線硬化型インクが、無機ナノ粒子、ポリエーテル変性ポリマー、並びに放射線硬化型重合性オリゴマー及び放射線硬化型重合性モノマーから選択される少なくとも一種を含み、かつ、表面層が、50.0GU以下の60度表面光沢度を呈する積層体100、110。本開示の放射線硬化型インクは、放射線照射によって、低光沢外観に寄与する無機ナノ粒子を表面層の表面近傍に移行させることができる。【選択図】図1

Description

本開示は、低光沢な外観を呈する表面層を含む積層体及び放射線硬化型インクに関する。
例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置において、画面の視認性の低下を抑えるために光拡散性シートが使用されている。また、建造物、車両などの内外装の加飾を目的としてエンボス加工が施された装飾フィルムなども知られている。
特許文献1(特許第3743624号公報)には、表面に微細凹凸形状が形成されている樹脂皮膜層からなる光拡散層において、微細凹凸形状表面の60°光沢度(JIS Z8741)の値が入射方向により異なり、当該光沢度の最大値(a)と最小値(b)が、式:(a−b)>{(a+b)/2}×0.1、を満足する光拡散層を備える、光拡散性シートが記載されている。
特許文献2(特開2011−255552号公報)には、化粧シートの表面にエンボス加工が施されてなるエンボス化粧シートにおいて、該化粧シート表面側に合成樹脂ビーズを含有した硬化型樹脂からなる表面保護層を設けてなり、エンボス加工が平均振幅15〜50マイクロメートルであり、合成樹脂ビーズが平均粒径8〜20マイクロメートルの合成樹脂ビーズである、エンボス化粧シートが記載されている。
特許文献3(特開2019−072935号公報)には、ウレタン樹脂を含むバインダーと、4〜20マイクロメートルの平均粒径を有するウレタン樹脂ビーズと、ナノシリカ粒子とを含む表面層を有する伸長可能フィルムであって、表面光沢度が60度で5GU以下である、伸長可能フィルムが記載されている。
近年、例えば光学用途、装飾用途において、低光沢な外観を呈するフィルムなどが求められている。エンボス加工などによる機械的手段によって低光沢外観を発現させる場合、エンボスロールなどの装置の維持管理が必要となり、また、要する低光沢外観毎にエンボスロールが必要となるため、コストアップにつながっていた。
インク中に樹脂ビーズなどを配合し、印刷層又はコーティング層の表面を粗面化する技術も知られているが、樹脂ビーズが層中に沈降するなどして良好な低光沢外観を発現できない場合があった。近年、インクジェットによる低光沢層を作製することが可能であるものの、インクジェットヘッドサイズの制約から樹脂ビーズが使用できず、また、粘度の制約から低光沢を実現することは困難であった。
特許第3743624号公報 特開2011−255552号公報 特開2019−072935号公報
本開示は、低光沢な外観を呈する無機ナノ粒子含有表面層を含む積層体及び無機ナノ粒子含有放射線硬化型インクを提供する。
本開示の一実施態様によれば、基材、及び、放射線硬化型インクの硬化物を含む表面層を含む積層体であって、この放射線硬化型インクが、無機ナノ粒子、ポリエーテル変性ポリマー、並びに放射線硬化型重合性オリゴマー及び放射線硬化型重合性モノマーから選択される少なくとも一種を含み、かつ、表面層が、50.0GU以下の60度表面光沢度を呈する、積層体が提供される。
本開示の別の実施態様によれば、無機ナノ粒子、ポリエーテル変性ポリマー、並びに放射線硬化型重合性オリゴマー及び放射線硬化型重合性モノマーから選択される少なくとも一種を含む、放射線硬化型インクが提供される。
本開示によれば、低光沢な外観を呈する無機ナノ粒子含有表面層を含む積層体及び無機ナノ粒子含有放射線硬化型インクを提供することができる。
なお、上述の記載は、本発明の全ての実施態様及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
(a)は、本開示の一実施態様の積層体の放射線照射前の概略断面図であり、(b)は、その積層体の放射線照射後の概略断面図である。 (a)は、ポリエーテル変性ポリマーを含むが無機ナノ粒子を含まない表面層を備える比較例1の積層体上面のSEM写真であり、(b)は、比較例1の積層体の表面層断面のSEM写真である。 (a)は、無機ナノ粒子を含むが、ポリエーテル変性ポリマーを含まない表面層を備える比較例2の積層体上面のSEM写真であり、(b)は、比較例2の積層体の表面層断面のSEM写真である。 (a)は、無機ナノ粒子及びポリエーテル変性ポリマーを含む表面層を備える実施例1の積層体上面のSEM写真であり、(b)は、実施例1の積層体の表面層断面のSEM写真である。 (a)の左上は、ポリエーテル変性ポリマー及び無機ナノ粒子を含まないインクジェットインクを用いて調製した従来の凹凸表面層を備える比較例3の積層体表面の傾斜角10度のSEM写真であり、左下は、この凹凸表面層上面のSEM写真であり、右側は、従来の凹凸表面層を備える比較例3の積層体表面の光学写真であり、(b)の右上は、ポリエーテル変性ポリマー及び無機ナノ粒子を含むインクジェットインクを用いて調製した本開示の一実施態様の凹凸表面層を備える実施例14の積層体表面の傾斜角10度のSEM写真であり、右下は、この凹凸表面層上面のSEM写真であり、左側は、本開示のインクを用いて調製した表面層を備える実施例14の積層体表面の光学写真である。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的でより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。
本開示において「ナノ粒子」とは、ナノメートルオーダー、即ち、1000nm未満のサイズの粒子を意味する。
本開示において「放射線硬化型」とは、紫外線、電子線、X線などの放射線によって硬化する性能を意味する。
本開示において「非官能性」とは、放射線に晒されても、インク中に含まれる、式1の化合物、放射線硬化型のオリゴマー又はモノマーなどと硬化反応を呈しない性能を意味する。
本開示において「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
本開示において、「単官能モノマー」とは、反応性の官能基を1つのみ有する化合物を意味し、一般にその重量平均分子量は1000未満である。
本開示において、「オリゴマー」とは、モノマーに由来する単位を複数有する化合物を意味し、一般にその重量平均分子量は500以上、又は1000以上である。例えばウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとは、ウレタン結合を有する単位を複数含み、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である。
本開示において、例えば、「装飾層が基材の上に配置される」における「上」とは、装飾層が基材の上側に直接的に配置されること、又は、装飾層が他の層を介して基材の上側に間接的に配置されることを意図している。
本開示において、例えば、「接着層が基材の下に配置される」における「下」とは、接着層が基材の下側に直接的に配置されること、又は、接着層が他の層を介して基材フィルムの下側に間接的に配置されることを意図している。
本開示において「フィルム」には、「シート」と呼ばれる物品も包含される。
本開示において「略」とは、製造誤差などによって生じるバラつきを含むことを意味し、±約20%程度の変動が許容されることを意図する。
本開示において「透明」とは、JIS K 7375に準拠して測定される可視光領域(波長400nm〜700nm)の平均透過率が、80%以上をいい、望ましくは85%以上、又は90%以上であってよい。
本開示において「半透明」とは、JIS K 7375に準拠して測定される可視光領域(波長400nm〜700nm)の平均透過率が、80%未満をいい、望ましくは75%以下であってよく、10%以上、又は20%以上であってよく、下地を完全に隠蔽しないことを意図する。
図面を参照し、本開示の積層体について例示する。
図1は、本開示の一実施態様による、放射線照射前の積層体100及び放射線照射後の積層体110に関する断面図である。図1の(a)の積層体100は、基材101上に、放射線照射前の表面層102を備え、(b)の積層体110は、基材101上に、放射線照射後の表面層105を備えている。いずれの表面層も、無機ナノ粒子103と、放射線硬化型重合性オリゴマー及び放射線硬化型重合性モノマーから選択される少なくとも一種を硬化させたバインダー樹脂104が含まれている。
以下、本開示の代表的な実施態様を例示する目的で、各構成要素の詳細について一部符号を省略して説明する。
本開示の積層体は、無機ナノ粒子、ポリエーテル変性ポリマー、並びに放射線硬化型重合性オリゴマー及び放射線硬化型重合性モノマーから選択される少なくとも一種を含む放射線硬化型インクから調製された表面層を備えている。
本開示の放射線硬化型インクは、インク中では、無機ナノ粒子は実質的に凝集及び合一しておらず、かかるインクを基材表面に適用した場合には、図1(a)のように、無機ナノ粒子を表面層中に略均一に分散させることができる。本発明者は、意外にも、無機ナノ粒子とポリエーテル変性ポリマーを含む放射線硬化型インクを採用すると、基材表面に適用した表面層中の無機ナノ粒子の少なくとも一部が、放射線照射によって、図1(b)のように、表面層の表面近傍付近に移行して低光沢外観を発現し得ることを見出した。
本開示の放射線硬化型インクは、インク中では、無機ナノ粒子の凝集及び合一が生じにくいため、インクの吐出ノズル又はコーティングロールに巻かれたワイヤー等の目詰まりを低減又は防止することができる。例えば、マイクロメートルオーダーの粗大粒子を配合して低光沢外観を発現させる従来のインクでは、印刷法又はコーティング法において制約があり、例えば、インクジェット印刷法などは採用できなかった。しかしながら、本開示の放射線硬化型インクは、基材適用後に粒子を凝集又は密集させて粗大化できるため、印刷法又はコーティング法の制約を受けることがなく、生産性等の観点で有利である。
使用する無機ナノ粒子としては特に制限はなく、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、スズドープ酸化インジウム、タングステン酸セシウム及びアンチモンドープ酸化スズから選ばれる少なくとも1種の粒子を使用することができる。中でも、インク中に配合し得る任意の式1の化合物又は非官能性シランカップリング剤との相互作用、放射線照射後の低光沢外観の発現性、耐摩耗性等の観点から、シリカナノ粒子が好ましい。ここで、本開示における「無機ナノ粒子」には、例えば、インクジェットインクで使用されるようなカーボンブラック等の無機顔料は包含しない。
シリカナノ粒子としては、例えば、水ガラス(ケイ酸ナトリウム溶液)を出発原料として得られるシリカゾルを使用することができる。例えば、シリカナノ粒子をイソプロパノール等に分散させた分散液を使用する場合、放射線照射後の低光沢外観の発現性の観点、或いは、インクのゲル化等の不具合を低減又は防止する観点から、出発原料の分散液中には、酸成分、アルカリ成分、イオン成分、中でも、アンモニア、酢酸、塩酸、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びカルシウムイオンの含有量が少ないか、或いはこれらが含まれていないことが好ましい。したがって、かかる分散液を使用して調製したインク中、又はかかるインクによって形成された表面層中の、酸成分、アルカリ成分、及びイオン成分、中でも、アンモニア、酢酸、塩酸、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びカルシウムイオンの含有量としては、インクの固形分総重量に基づき、或いは、表面層の総重量(乾燥塗工量)に基づき、500ppm以下、300ppm以下、100ppm以下、10ppm以下、又は1ppm以下であることが好ましく、これらの成分は含まれないことがより好ましい。
放射線照射後の低光沢外観の発現性の観点、或いはインクのゲル化を低減又は防止する観点から、このような分散液中のシリカナノ粒子は、さらに、シラン、アミン、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、チタネートなどの表面処理剤によってその表面が変性されていない未変性粒子であることが有利であり、分散液としては、イソプロパノールを使用することが有利である。酸成分、アルカリ成分、及びイオン成分が上記範囲にある未変性のシリカナノ粒子を含む分散液は、市販品を使用することができ、例えば、日産化学株式会社製のIPA−ST、IPA−ST−L、IPA−ST−ZLなどを挙げることができる。
無機ナノ粒子の配合量としては特に制限はなく、例えば、要する低光沢外観、インクの粘度等に基づいて適宜調整することができる。無機ナノ粒子の配合量は、例えば、表面層の総重量(乾燥塗工量)に基づき、或いは、インクの総重量(固形分)に基づき、2質量%以上、4質量%以上、又は6質量%以上とすることができ、20質量%以下、15質量%以下、又は10質量%以下とすることができる。
低光沢外観は、一般に、表面層内部の無機ナノ粒子よりも、表面層の表面における無機ナノ粒子に基づく微細凹凸に影響を受けやすい。本開示の放射線硬化型インクは、放射線照射によって、低光沢外観に寄与する無機ナノ粒子を表面層の表面近傍に移行させることができるため、このような性能を有さない無機ナノ粒子含有インクに比べ、無機ナノ粒子の使用量を低減することができる。その結果、本開示の放射線硬化型インクは、製造コストの削減、伸び特性等の向上に対して貢献することができる。
無機ナノ粒子の平均粒径としては特に制限はなく、例えば、低光沢外観の発現性、インクジェットノズルからの吐出性、コーティング性等の観点から、5nm以上、7nm以上、10nm以上、12nm以上、20nm以上、30nm以上、又は50nm以上とすることができ、150nm以下、120nm以下、又は100nm以下とすることができる。無機ナノ粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定される、10個以上、例えば10〜100個の粒子の直径の平均値である。
本開示の放射線硬化型インクは、ポリエーテル変性ポリマーを含んでいるため、放射線照射によって、無機ナノ粒子を表面層の表面近傍に移行させることができる。
ポリエーテル変性ポリマーとしては特に制限はなく、例えば、シロキサン結合を有するポリエーテル変性ポリマーを使用することができる。このようなポリマーとして、例えば、ポリエーテル変性シロキサンポリマー、例えば、エボニック・インダストリーズ社製の「TEGO(商標)Flow 425」;ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社製の「BYK−UV3510」;一つ又は複数の(メタ)アクリル官能基を有する、ポリエーテル変性ポリシロキサン又はポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社製の「BYK−UV3500」、「BYK−UV3505」、「BYK−UV3530」、「BYK−UV3570」、「BYK−UV3575」、「BYK−UV3576」;シリコーン(メタ)アクリレート、例えば、エボニック・インダストリーズ社製の「TEGO(商標)Rad 2250」、「TEGO(商標)Rad 2300」、「TEGO(商標)Rad 2600」を挙げることができる。この他に、シロキサン結合を有していないシリコーンフリーの変性ポリエーテル、例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社製の「BYK−UV3535」なども使用することができる。
放射線硬化型インク、又はかかるインクによって形成された表面層中のポリエーテル変性ポリマーの含有量としては特に制限はなく、例えば、低光沢外観の発現性等の観点から、インクの総重量(固形分)に基づき、或いは、無機ナノ粒子100質量部あたり、0.5質量部以上、0.8質量部以上、1.0質量部以上、3.0質量部以上、5.0質量部以上、7.0質量部以上、10質量部以上、15質量部以上、又は20質量部以上とすることができる。ポリエーテル変性ポリマーの含有量の上限値については特に制限はなく、例えば、50質量部以下、40質量部以下、35質量部以下、又は30質量部以下とすることができる。
ポリエーテル変性ポリマーの使用が、放射線照射による低光沢外観を発現させる原理については定かではないが、次のように考えている。例えば、図4の写真などから考察すると、放射線照射によって、無機ナノ粒子の表面エネルギーが変化し、その粒子表面に対してポリエーテル変性ポリマーが、無機ナノ粒子の凝集又は密集を促進させるように作用していると考えている。そして、凝集又は密集した無機ナノ粒子の表面方向への移動は、表面層の表面近傍付近における放射線硬化型オリゴマー又はモノマーの硬化速度が、大気雰囲気中の酸素等の影響を受けることで、表面層の内部の硬化速度よりも遅いことが起因していると考えている。すなわち、表面層の内部から基材側付近で生じた無機ナノ粒子の凝集体は、放射線照射直後、硬化したバインダー樹脂成分によってすぐにその場で保持されると考えられる。一方、表面層の表面近傍の凝集体は、放射線照射を受けても放射線硬化型オリゴマー等の硬化速度が遅いために表面付近に移動することができると考えている。その結果、この移動した凝集体が、表面層をマイクロメートルオーダーで粗面化するとともに、凝集体を構成する無機ナノ粒子によってナノメートルオーダーの微細凹凸も表面層の表面に形成されるため、図5(b)に示されるような優れた低光沢外観を発現できると考えている。
一実施態様では、放射線照射後の本開示の表面層は、図4(b)に示されるように、無機ナノ粒子が凝集又は密集して、表面層表面の略全面を覆うことができる一方で、表面層の内部では、無機ナノ粒子の凝集体が存在している部分(「島部分」と称することもできる。)と、存在していない部分(「海部分」と称することもできる。)の分布(「海島構造」と称することもできる。)を有することができる。例えば、無機ナノ粒子の凝集体をあらかじめ含有させたインクを用いて表面層を調製した場合には、凝集体は、一般に、表面層中に略均一に分布して配置されるため、このような表面層は、図4(b)に示されるような構造、即ち、凝集体の密集度が、表面層の表面近傍よりも、その下位、例えば、中間部において少なくなっている構造を呈しない。
ここで、本開示において、「凝集体」とは、無機ナノ粒子の一次粒子が、例えば、5個以上、7個以上、又は10個以上集まった若しくは密集した集合体又は密集体を意図し、「表面層の表面近傍」とは、表面層の表面の最頂部から厚さ方向に無機ナノ粒子が凝集又は密集して配置されている部分における最底部までの領域を意図する。また、凝集体の密集度は、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して表面層の厚さ方向断面を測定して決定することができる。例えば、表面層の表面近傍で形成される、表面層の平面方向及び厚さ方向において凝集体が密集して略連続的に配置されている部位の有無を観察することで、凝集体の密集度の相違を判別することができる。
本開示の放射線硬化型インクは、放射線硬化型重合性オリゴマー及び放射線硬化型重合性モノマーから選択される少なくとも一種を含んでいる。
一実施態様では、放射線硬化型インクは、後述する式1の化合物との相溶性、硬化反応性等の観点から、(メタ)アクリル系の放射線硬化型重合性オリゴマー及び放射線硬化型重合性モノマーを採用したラジカル重合型の(メタ)アクリル系インクが有利である。(メタ)アクリル系インクを用いて形成された表面層は、強度、耐候性などに優れており、例えば、積層体を装飾フィルムの内装材として用いる場合に有利である。
一実施態様では、放射線硬化型インクは、放射線硬化型重合性オリゴマーである2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、及び任意に、希釈剤としても機能し得る放射線硬化型の単官能モノマーを含む。例えば、インクジェット印刷法は、装置の構成上、窒素パージすることが難しく、一般には、空気雰囲気下でインクを放射線硬化させている。3官能以上の多官能モノマーに比べ、2官能又は単官能のモノマー又はオリゴマーは、一般に、酸素阻害を受けやすく、空気雰囲気中では硬化させづらい傾向を呈する。しかしながら、2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むインクは、空気雰囲気中であっても硬化させやすく、また、硬化させたバインダー樹脂成分は、伸び特性等にも優れるため、例えば、積層体を装飾フィルムの内装材として用いる場合に有利である。
2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ジオールとジイソシアネートの反応生成物であるウレタンオリゴマーの両末端に(メタ)アクリロイル基が導入されたものであり、(メタ)アクリロイル基が、他の2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、及び式1の化合物の(メタ)アクリロイル基又は単官能モノマーと反応して硬化物が形成される。2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、放射線硬化型インクの硬化物に可撓性、0〜10℃程度の低温下における耐衝撃性(単に「低温耐衝撃性」と称する場合がある。)及び耐薬品性を付与することができる。2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、1種又は2種以上の組み合わせであってよい。ウレタンオリゴマーを構成するジオール及びジイソシアネートはいずれも、1種又は2種以上の組み合わせであってよい。
ジオールとして、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリカプロラクトンポリオールが挙げられる。
ジオールは低分子量ジオールを含んでもよい。低分子量ジオールとして、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、1,2−シクロペンタンジオール、及びトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールが挙げられる。
ジイソシアネートとして、脂肪族イソシアネート及び芳香族イソシアネートが挙げられる。脂肪族イソシアネートとして、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及び4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)が挙げられる。芳香族イソシアネートとして、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニル4,4’−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル、1,5−ナフタレンジイソシアネート、及び2−メチル−1,5−ナフタレンジイソシアネートが挙げられる。
ジオール及びジイソシアネートの両方を脂肪族化合物とすることで、放射線硬化型インクの硬化物、及びその硬化物を含む表面層の耐候性を高めることができる。
(メタ)アクリロイル基の導入は、ウレタンオリゴマーのイソシアナト末端に水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることにより行うことができる。水酸基含有(メタ)アクリレートとして、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート、及びジプロピレングリコールモノメタクリレートが挙げられる。水酸基含有(メタ)アクリレートは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。この実施態様では、ウレタンオリゴマーの合成の際に、ジイソシアネートをジオールに対して過剰に使用する、即ち、NCO基/OH基のモル比を1より大きくすることが望ましい。
(メタ)アクリロイル基の導入は、ウレタンオリゴマーの水酸基末端にイソシアナト基含有(メタ)アクリレートを反応させることにより行うこともできる。イソシアナト基含有(メタ)アクリレートとして、2−イソシアナトエチルアクリレート、及び2−イソシアナトエチルメタクリレートが挙げられる。この実施態様では、ウレタンオリゴマーの合成の際に、ジオールをジイソシアネートに対して過剰に使用する、即ち、NCO基/OH基のモル比を1未満とすることが望ましい。
2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとして、例えば、ポリエステルウレタンジ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネートウレタンジ(メタ)アクリレートオリゴマー、及びポリエーテルウレタンジ(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。
2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、空気雰囲気中での硬化性、伸び特性等の観点から、2官能性脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーであることが有利である。2官能性脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーは、耐候性に優れた硬化物及びそのような硬化物を含む表面層を提供することができる。
2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの数平均分子量Mnは、500以上、1,000以上、又は1,200以上とすることができ、5,000以下、4,000以下、又は3,000以下とすることができる。2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量Mwは、500以上、1,000以上、又は1,200以上とすることができ、5,000以下、4,000以下、又は3,000以下とすることができる。数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算値である。
放射線硬化型インクは、2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを、放射線硬化性成分100質量部を基準として、20質量部以上、25質量部以上、又は30質量部以上含むことが望ましい。2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量を、放射線硬化性成分100質量部を基準として、20質量部以上とすることにより、放射線硬化型インクの硬化物の可撓性、低温耐衝撃性及び耐薬品性をより高めることができる。放射線硬化型インクは、2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを、放射線硬化性成分100質量部を基準として、50質量部以下、45質量部以下、又は40質量部以下含むことが望ましい。2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量を、放射線硬化性成分100質量部を基準として、50質量部以下とすることにより、良好なインクジェット吐出性又はコーティング性を得ることができる。ここで、本開示において「放射線硬化性成分」とは、2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、後述するジオキサン部位又はジオキソラン部位を有する単官能モノマーなどのその他の放射線硬化型重合性モノマー及び放射線硬化型重合性オリゴマー、並びに後述する式1の化合物を包含する。
いくつかの実施態様では、放射線硬化型インクは、他の放射線硬化型重合性オリゴマー又はモノマーを含むことができ、例えば、ジオキサン部位又はジオキソラン部位を有する単官能モノマーを含むことができる。このような他の放射線硬化型重合性オリゴマー及びモノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
ジオキサン部位又はジオキソラン部位を有する単官能モノマーは、分子内にジオキサン部位及びジオキソラン部位の少なくとも1つを有し、かつ反応性の官能基を1つのみ有する化合物である。ジオキサン部位又はジオキソラン部位を有する単官能モノマーは、2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと組み合わせて使用した場合、硬化物及びその硬化物を含む表面層の低温耐衝撃性を高めることができる。反応性の官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、及びビニル基が挙げられる。2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとの反応性が高いことから、ジオキサン部位又はジオキソラン部位を有する単官能モノマーは、(メタ)アクリロイル基、特にアクリロイル基を有することが有利である。ジオキサン部位又はジオキソラン部位を有する単官能モノマーは、1種又は2種以上の組み合わせであってよい。
ジオキサン部位又はジオキソラン部位を有する単官能モノマーとして、例えば、(5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチル(メタ)アクリレート(環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレートともいう。)、(2−メチル−5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2,2−ジメチル−5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2,5−ジエチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2,2,5−トリエチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2,5−ジエチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチル(メタ)アクリレート、1,3−ジオキサン環を有するポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのジオキサン部位を有する単官能モノマー、及び(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−アセトニル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)エチル(メタ)アクリレート、3−(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)プロピル(メタ)アクリレートなどのジオキソラン部位を有する単官能モノマーが挙げられる。
ジオキサン部位又はジオキソラン部位を有する単官能モノマーは、(5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチル(メタ)アクリレート、又は(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレートであることが望ましく、2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとの反応性が高いことから、(5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチルアクリレート、又は(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレートであることがより望ましく、低温耐衝撃性に優れた硬化物を与えることから、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレートであることが特に望ましい。
放射線硬化型インクは、ジオキサン部位又はジオキソラン部位を有する単官能モノマーを、放射線硬化性成分100質量部を基準として、10質量部以上、20質量部以上、又は30質量部以上含むことが望ましく、80質量部以下、70質量部以下、又は50質量部以下含むことが望ましい。ジオキサン部位又はジオキソラン部位を有する単官能モノマーの含有量を、放射線硬化性成分100質量部を基準として、10質量部以上とすることにより、良好な低温耐衝撃性を得ることができる。ジオキサン部位又はジオキソラン部位を有する単官能モノマーの含有量を、放射線硬化性成分100質量部を基準として、80質量部以下とすることにより、良好な耐候性を得ることができる。
いくつかの実施態様では、放射線硬化型インクは、その他の放射線硬化型重合性モノマーを含んでもよい。その他の放射線硬化型重合性モノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどの鎖状アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの環状エーテル含有(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの窒素含有(メタ)アクリロイル化合物;(メタ)アクリル酸などの単官能モノマーが挙げられる。その他の放射線硬化型重合性モノマーとして、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、ビニルトルエンなどのビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル;クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸などの単官能モノマーも挙げられる。中でも、放射線照射後の低光沢外観の発現性、インクの低粘度化、保存安定性等の観点から、n−オクチル(メタ)アクリレート及びトリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、これらは併用して使用することがより好ましい。
その他の放射線硬化型重合性モノマーは多官能モノマーであってもよい。多官能モノマーは、架橋剤として機能して、硬化物の強度及び耐久性を高めることができる。多官能モノマーを用いて架橋することにより、硬化物を含む表面層と、基材又は表面層上の他の層との密着性を高めることができる場合もある。伸び特性や耐衝撃性の観点から、多官能モノマーの含有量は、放射線硬化性成分100質量部を基準として、5質量部以下、又は3質量部以下が好ましい。
多官能モノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの2官能(メタ)アクリレート;グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの3官能(メタ)アクリレート;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの4つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートを使用することができる。
例えば、2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、及び任意のジオキサン部位又はジオキソラン部位を有する単官能モノマーとの反応性が高く、基材層、装飾層などの他の材料との密着性に優れた硬化物を形成することから、その他の放射線硬化型重合性モノマーは、(メタ)アクリロイル基、特にアクリロイル基を有することが有利である。
いくつかの実施態様では、放射線硬化型インクは、上記の単官能モノマー及び多官能モノマーを含むその他の放射線硬化型重合性モノマーを含まないか、或いは、かかる放射線硬化型重合性モノマーを、放射線硬化性成分100質量部を基準として、0質量部超、10質量部以上、又は20質量部以上含むことができ、70質量部以下、60質量部以下、又は50質量部以下含むことができる。
2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー以外のその他の放射線硬化型重合性オリゴマーとして、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどを使用することができる。これらの放射線硬化型重合性オリゴマーは単官能であってもよく、多官能であってもよい。
いくつかの実施態様では、放射線硬化型インクは、その他の放射線硬化型重合性オリゴマーを含まないか、或いは、かかる放射線硬化型重合性オリゴマーを、放射線硬化性成分100質量部を基準として、0質量部超、5質量部以上、又は10質量部以上含むことができ、50質量部以下、40質量部以下、又は30質量部以下含むことができる。
いくつかの実施態様では、放射線硬化型インク中のその他の放射線硬化型多官能モノマー及び放射線硬化型多官能オリゴマーの合計含有量は、放射線硬化性成分100質量部を基準として、30質量部以下、20質量部以下、10質量部以下、5質量部以下、3質量部以下、又は1質量部以下とすることができ、或いは、これらの多官能モノマー及び多官能オリゴマーは、インク中に配合しないことができる。多官能モノマー及び多官能オリゴマーを使用しない、又は上記合計含有量を10質量部以下とすることにより、無機ナノ粒子の凝集体の表面への移動を向上させ得るとともに、硬化物の可撓性又は伸び特性を高めることができる。
光重合開始剤として、例えば、ラジカル重合反応を誘起する公知の化合物を使用することができる。光重合開始剤としては、分子内開裂型及び水素引き抜き型のいずれも使用することができ、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジエトキシホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ベンゾインアルキルエーテル(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、n−ブチルベンゾインエーテルなど)、メチルベンゾイルホルメート、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジル、アセトフェノン、チオキサントン化合物(2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン)、カンファーキノン、3−ケトクマリン、アントラキノン化合物(例えば、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、α−クロロアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノンなど)、アセナフセン、4,4’−ジメトキシベンジル、及び4,4’−ジクロロベンジルが挙げられる。光重合開始剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
いくつかの実施態様では、放射線硬化型インクは、光重合開始剤を、放射線硬化性成分100質量部を基準として、1質量部以上、又は2質量部以上含むことができ、20質量部以下、又は15質量部以下含むことができる。
いくつかの実施態様では、本開示の放射線硬化型インクは、以下に示す式1の化合物を含むことができる。
例えば、インクジェット印刷法は、一般に、インクジェットインクを吐出ノズルから吐出して基材に適用するため、かかるインクの要求性能としては、例えば、低粘度であること、及び異物等の少ない目詰まりしにくいインクであることが挙げられる。インクに無機ナノ粒子を単に含有させた場合、一般には、このような要求性能とは逆の方向、即ち、高粘度になりやすく、また、ナノ粒子の凝集等に伴い吐出ノズル等が目詰まりしやすい状況が発生する。このような状況下、本発明者は、無機ナノ粒子とともに、後述する式1の化合物を併用することによって、インク中における無機ナノ粒子の凝集及び合一を低減又は抑制させつつ、インクの粘度を、インクジェット印刷法、グラビアコート法、バーコート法などで印刷又はコーティングできる程度に低粘度化し得ることを見出した。
式1の化合物は、以下の化学式で表すことができる:
−R−Si(OR …式1
式中、Rは、アクリロイル基又はメタクリロイル基であり、Rは、炭素原子数5〜12のアルキレン基であり、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基である。低粘度化の観点から、Rは、メタクリロイル基であることが好ましく、Rは、炭素原子数6〜10のアルキレン基であることが好ましく、炭素原子数8〜10のアルキレン基であることがより好ましく、Rは、炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1〜2のアルキル基がより好ましい。中でも、式1の化合物としては、8−(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシランが特に好ましい。式1で示される化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
式1の化合物がインクの粘度を低減できる理由としては定かではないが、Rの鎖長が、一般的なシランカップリング剤に比べて長いことが影響していると考えている。即ち、無機ナノ粒子に結合した式1の化合物における鎖長の長いR部によって、粒子同士が近接しづらくなって粒子の流動性が向上するため、インクの粘度を低減できると考えている。
式1の化合物の配合量としては特に制限はない。かかる化合物は、シランカップリング剤の一種ではあるが、一般的なシランカップリング剤とは異なり、基材等への密着性の向上などのために使用されるものではなく、低粘度化のために使用されるため、その使用量は、一般的なシランカップリング剤の使用量よりも低量にすることができる。例えば、式1の化合物の配合量としては、低粘度化の観点から、無機ナノ粒子1g当たり、0.030mmol以上、0.040mmol以上、又は0.050mmol以上とすることができ、0.090mmol以下、0.080mmol以下、又は0.070mmol以下とすることができる。
いくつかの実施態様では、本開示の放射線硬化型インクは、非官能性シランカップリング剤をさらに含むことができる。かかる非官能性シランカップリング剤も、インクの低粘度化に貢献することができる。
式1の化合物は、Rとして、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有しているため、放射線によって、例えば、インク中の放射線硬化型重合性オリゴマー及び/又は放射線硬化型重合性モノマーと架橋構造を形成し得るため、表面層の硬度又は耐摩耗性を向上させることができる一方で、例えば、装飾フィルムなどにおいて要求される伸び特性を低下させる場合がある。インクの低粘度化を図りつつ、かつ、架橋構造の形成を低減して伸び特性を付与したい場合には、式1の化合物と非官能性シランカップリング剤を併用することが有利である。
このような非官能性シランカップリング剤としては特に制限はないが、例えば、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、イソペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、イソヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、イソヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシランを挙げることができる。中でも、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシランが好ましく、イソオクチルトリメトキシシランがより好ましい。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
非官能性シランカップリング剤の配合量としては特に制限はないが、式1の化合物と同様に、低粘度化の観点から、無機ナノ粒子1g当たり、0.030mmol以上、0.040mmol以上、又は0.050mmol以上とすることができ、0.090mmol以下、0.080mmol以下、又は0.070mmol以下とすることができる。
インクの粘度を低減させる場合、一般には、有機系又は水系の溶媒を配合して希釈することが多いが、例えば、有機溶媒の使用は、作業環境を悪化させ、また、いずれの溶媒も印刷又はコーティング後に乾燥工程が必須となり、生産性等を悪化させやすい。溶媒を多く含むインクを、例えば、インクジェット印刷法によって樹脂基材に印刷した場合、着弾したインクは、基材表面に濡れ広がりやすいため、目的とする印刷性能を十分に発揮できない場合がある。一方、溶媒の少ない又は溶媒フリーのインクであれば、着弾したインクは基材表面に対して濡れ広がりにくいため、良好な印刷性能を発揮することができ、例えば、本物の質感を備えたテクスチャ又は装飾フィルム等のデザインに合わせた立体的な凹凸を基材表面に付与することができる。本開示の放射線硬化型インクは、上述した特定の式1の化合物、及び任意に非官能性シランカップリング剤を用いて低粘度化を達成することができるため、溶媒の含有量を、インクの全量に対し、5質量%以下、3質量%以下、又は1質量%以下にすることができ、或いは、溶媒を含有させなくてもよい。
例えば、溶媒を高度に含み、かつ、マイクロビーズを含有する従来のインクの場合には、かかるインクを基材表面に適用して表面層を形成した後、この表面層中の溶媒を乾燥させると、表面層の体積が減少してマイクロビーズの一部が表面層表面に析出してくるため、低光沢外観を発現させやすい。しかしながら、インク中の溶媒の含有量が5質量%以下の場合には、このような表面層の体積減少作用が発現せず、マイクロビーズの一部を表面層表面に析出させづらくなるため、低光沢外観を発現させることは困難であった。この場合、例えば、表面層の厚さよりも大きなサイズのビーズを採用することも考えられるが、このようなサイズのビーズを含むインクは、インクジェットノズル等を目詰まりさせる可能性が高くなる。一方、本開示の放射線硬化型インクは、インク中の溶媒の含有量が5質量%以下であったとしても、基材に適用した表面層に対して放射線を照射することで、低光沢外観を発現させることができる。
放射線硬化型インクは、任意成分として、例えば、光安定剤、重合禁止剤、UV吸収剤、消泡剤、防汚剤、表面調整剤、顔料、染料などの添加剤を含んでもよい。
本開示の放射線硬化型インクは、従来のインクに用いられていたビーズ、例えば、マイクロメートルオーダーの樹脂ビーズ又はガラスビーズを使用しなくても低光沢外観を発現させることができるが、かかるビーズの使用を阻害するものではない。このようなビーズを使用する場合、その使用量としては、例えば、インクの総重量(固形分)に基づき、或いは、表面層の総重量(乾燥塗工量)に基づき、10質量%以下、7質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、又は1質量%以下とすることができる。
本開示の放射線硬化型インクを用い、放射線照射して調製した表面層は、優れた低光沢外観を発現させることができる。
表面層における低光沢外観は、例えば、測定角を60度としたときの60度表面光沢度によって評価することができる。60度表面光沢度としては、50.0GU以下、40.0GU以下、30.0GU以下、20.0GU以下、又は15.0GU以下とすることができる。60度表面光沢度の下限値については特に制限はないが、例えば、1.0GU以上、3.0GU以上、又は5.0GU以上とすることができる。本開示における表面光沢度は、JIS Z8741に準拠して、携帯型光沢計BYKガードナー・マイクロ−トリ−グロス(ビックケミー・ジャパン株式会社)を用いて測定する。この表面光沢度は、エンボス加工などの機械的手段を適用していない状態の表面層に対して測定した数値である。
いくつかの実施態様では、積層体の表面層における表面光沢度は、測定角を20度としたときの20度表面光沢度によって評価することができる。20度表面光沢度としては、20.0GU以下、15.0GU以下、又は10.0GU以下とすることができる。20度表面光沢度の下限値については特に制限はないが、例えば、0.1GU以上、又は0.3GU以上、又は0.5GU以上とすることができる。
いくつかの実施態様では、積層体の表面層における表面光沢度は、測定角を80度としたときの80度表面光沢度によって評価することができる。80度表面光沢度としては、90.0GU以下、85.0GU以下、又は80.0GU以下とすることができる。80度表面光沢度の下限値については特に制限はないが、例えば、10.0GU以上、又は13.0GU以上、又は15.0GU以上とすることができる。
いくつかの実施態様では、放射線硬化型インクの初期粘度は、インクジェットノズルからの吐出性、コーティング性等の観点から、例えば、55℃において、35.0mPa・s以下、30.0mPa・s以下、25.0mPa・s以下、20.0mPa・s以下、18.0mPa・s以下、17.0mPa・s以下、16.0mPa・s以下、15.0mPa・s以下、14.0mPa・s以下、13.0mPa・s以下、又は12.0mPa・s以下とすることができる。初期粘度の下限値については特に制限はないが、印刷適正等の観点から、例えば、1.0mPa・s以上、3.0mPa・s以上、又は5.0mPa・s以上とすることができる。このような粘度範囲を有する放射線硬化型インクは、例えば、上述した式1の化合物及び/又は非官能性シランカップリング剤を使用することで調製することができる。
いくつかの実施態様では、本開示の放射線硬化型インクは高温下での保存安定性に優れている。かかる保存安定性は、インクを60℃で1週間保管後の55℃における粘度によって間接的に評価することができる。本開示の一実施態様の放射線硬化型インクは、60℃で1週間保管後の55℃における粘度に関し、30.0mPa・s以下、25.0mPa・s以下、20.0mPa・s以下、18.0mPa・s以下、17.0mPa・s以下、16.0mPa・s以下、15.0mPa・s以下、14.0mPa・s以下、13.0mPa・s以下、又は12.0mPa・s以下を達成することができる。かかる粘度の下限値について特に制限はないが、例えば、1.0mPa・s以上、3.0mPa・s以上、又は5.0mPa・s以上とすることができる。
表面層は、基材の上に直接又は他の層を介して、放射線硬化型インクを各種の印刷法又はコーティング法によって適用し、紫外線、電子線などの放射線を照射して硬化させることによって形成することができる。放射線照射を実施する場合、一般には、酸素による硬化速度の低下又は硬化不良を防止するために、窒素雰囲気下で実施されることが多い。しかしながら、上述したように、表面層の表面付近における放射線硬化型オリゴマー等の硬化速度が内部における硬化速度と相違すると、無機ナノ粒子の凝集体は表面近傍へ移動しやすくなると考えられるため、放射線照射は、酸素を含む空気雰囲気下で実施することが有利である。例えば、インクジェット印刷法は、装置の構成上、窒素パージすることが難しく、一般には、空気雰囲気下でインクを放射線硬化させているため、本開示の放射線硬化型インクは、インクジェット印刷法に対して好適に使用することができる。
一般に、高粘度のインクは、インク中における無機粒子の凝集及び合一を低減又は抑制させやすい一方で、低粘度のインクは、無機粒子の凝集及び合一を低減又は抑制することは困難である。本開示の放射線硬化型インクは、低粘度でありながら、インク中における無機ナノ粒子の凝集及び合一を低減又は抑制できるため、低粘度インクの使用を要する各種の印刷法又はコーティング法、例えば、インクジェット印刷法、グラビアコート法、バーコート法、ナイフコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、光造形による立体印刷法(「積層造形法」と称する場合がある。)に対して使用することができる。中でも、本開示の放射線硬化型インクは、凝集物の影響を受けやすいインクジェット印刷法に対して好適に使用することができる。このような方法で調製された表面層は、例えば、インクジェット印刷表面層、グラビアコーティング表面層などと各々区別することができる。
放射線硬化型インクは、基材の少なくとも一部の上に印刷又はコーティングされてもよく、基材の全体の上に印刷又はコーティングされてもよい。放射線照射前の表面層は、略平滑な表面を有してもよく、エンボスパターンなどの凹凸形状を表面に有してもよい。このような表面層に対して放射線を照射すると、エンボスパターンなどの凹凸形状とは相違する、無機ナノ粒子に基づくナノメートルオーダーの微細な凹凸とマイクロメートルオーダーの凹凸とを表面層表面に形成することができる。
表面層の厚みは特に制限はなく、放射線照射後の低光沢外観の発現性、意匠性等に応じて適宜調整することができる。例えば、表面層の厚みとしては、少なくとも部分的に7マイクロメートル以上、20マイクロメートル以上、又は30マイクロメートル以上とすることができる。表面層が7マイクロメートル以上の厚みを有する部分を備えることで、例えば、積層体を装飾フィルムとして使用した場合において、本物の質感を備えたテクスチャ又は装飾フィルムのデザインに合わせた立体的な凹凸を装飾フィルムの表面に付与することができる。
いくつかの実施態様では、表面層の最大厚みは、例えば、500マイクロメートル以下、300マイクロメートル以下、又は100マイクロメートル以下とすることができる。表面層の最大厚みを500マイクロメートル以下とすることで、表面層の可撓性、例えば伸び特性及び曲げ特性を好適なものとすることができる。
表面層の厚みは、例えば、放射線硬化型インクを局所的に又は全面に複数回繰り返し印刷又はコーティングして適宜調整することができる。ここで、本開示の積層体における各層の厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して積層構成の厚さ方向断面を測定し、積層構成のうちの目的とする層、例えば、表面層における任意の少なくとも5箇所の厚さの平均値として定義することができる。
表面層は、目的とする外観を提供するために、全体又は部分的に可視域において、透明、半透明、又は不透明であってもよい。
本開示の積層体を構成する基材は、例えば、表面層の支持体として使用することができる。基材は、その表面に対し、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理が施されていてもよい。
基材の材料としては特に制限はなく、様々な樹脂材料、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の(メタ)アクリル樹脂、フッ素樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)などの共重合体を挙げることができる。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。基材として、ガラスなどの無機系基材、アルミニウムなどの金属系基材を使用することもできる。
基材の形状又は構成としては特に制限はなく、例えば、フィルム形状、板形状、曲面形状、異形状、又は3次元形状であってもよく、単層構成、積層構成、又は形状の相違する複数の基材が組み合わさったような複合構成であってもよい。
基材は有色であってもよく無色であってもよい。基材は、不透明、半透明又は透明であってよい。基材は、略平滑な表面を有してもよく、エンボスなどの表面加工により形成することのできる構造化表面を有してもよい。
基材の厚さとしては、例えば、50マイクロメートル以上、80マイクロメートル以上、又は100マイクロメートル以上とすることができる。厚さの上限値については特に制限はないが、追従性、製造コスト等の観点から、例えば、500マイクロメートル以下、300マイクロメートル以下、又は200マイクロメートル以下とすることができる。
いくつかの実施態様では、本開示の積層体は、使用用途等に応じて、例えば、装飾層、光輝層、接合層、接着層及び剥離ライナーからなる群から選択される少なくとも一種をさらに備えることができる。本開示では、例えば、着色された基材及び/又は表面層を備える積層体、或いは、装飾層及び/又は光輝層を備える積層体を、装飾フィルムと称する場合がある。
本開示の積層体は、例えば、基材の上又は下に装飾層を配置することができる。装飾層は、例えば、基材に対して全面に又は一部に適用することができる。
装飾層としては、次のものに限定されないが、塗装色、例えば、白、黄等の淡色、赤、茶、緑、青、グレー、黒などの濃色を呈するカラー層;木目、石目、幾何学模様、皮革模様などの模様、ロゴ、絵柄などを物品に付与するパターン層;表面に凹凸形状が設けられたレリーフ(浮き彫り模様)層;及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。
カラー層の材料としては、次のものに限定されないが、例えば、カーボンブラック、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、赤色酸化鉄などの無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料、アゾレーキ系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドンレッドなどのキナクリドン系顔料などの有機顔料などの顔料が、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂などのバインダー樹脂に分散された材料を使用することができる。
カラー層は、このような材料を用い、例えば、グラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、ナイフコートなどのコーティング法により形成することができ、或いはインクジェット印刷などの印刷法により形成することもできる。
パターン層としては、次のものに限定されないが、例えば、模様、ロゴ、絵柄などのパターンを、グラビアダイレクト印刷、グラビアオフセット印刷、インクジェット印刷、レーザー印刷、スクリーン印刷などの印刷法を用いて、基材等に直接適用したものを採用してもよく、或いは、グラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、ナイフコートなどのコーティング、打ち抜き、エッチングなどにより形成された模様、ロゴ、絵柄などを有するフィルム、シートなどを使用することもできる。パターン層の材料としては、例えば、カラー層で使用した材料と同様の材料を使用することができる。
レリーフ層として、従来公知の方法、例えば、エンボス加工、スクラッチ加工、レーザー加工、ドライエッチング加工、又は熱プレス加工などによる凹凸形状を表面に有する熱可塑性樹脂フィルムを使用することができる。凹凸形状を有する剥離ライナー上に硬化性(メタ)アクリル樹脂などの熱硬化性又は放射線硬化性樹脂を塗布し、加熱又は放射線照射により硬化させて、剥離ライナーを取り除くことによりレリーフ層を形成することもできる。
レリーフ層に用いられる熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び放射線硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フッ素樹脂、PET、PENなどのポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、熱可塑性エラストマー、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂などを使用することができる。レリーフ層は、カラー層で使用される顔料の少なくとも1種を含んでもよい。
装飾層の厚さとしては、要する装飾性、隠蔽性等に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、1マイクロメートル以上、3マイクロメートル以上、又は5マイクロメートル以上とすることができ、50マイクロメートル以下、40マイクロメートル以下、30マイクロメートル以下、20マイクロメートル以下、又は15マイクロメートル以下とすることができる。
光輝層は、次のものに限定されないが、例えば、基材又は装飾層の全面若しくは一部に、真空蒸着、スパッタ、イオンプレーティング、めっきなどによって形成された、アルミニウム、ニッケル、金、銀、銅、白金、クロム、鉄、スズ、インジウム、チタニウム、鉛、亜鉛、ゲルマニウムなどから選択される金属、又はこれらの合金若しくは化合物を含む層であってよい。光輝層の厚さについては、要する装飾性及び輝度等に応じて適宜選択することができる。
積層体を構成する各層を接合するために接合層(「プライマー層」などと呼ばれる場合もある。)を用いてもよい。接合層として、例えば、一般に使用される(メタ)アクリル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ゴム系などの、溶剤型、エマルジョン型、感圧型、感熱型、熱硬化型又は紫外線硬化型の接着剤を使用することができる。接合層は、公知のコーティング法などによって適用することができる。
接合層の厚さは、例えば、0.05マイクロメートル以上、0.5マイクロメートル以上、又は5マイクロメートル以上とすることができ、100マイクロメートル以下、50マイクロメートル以下、20マイクロメートル以下、又は10マイクロメートル以下とすることができる。
積層体は、被着体に積層体を貼り付けるための接着層をさらに含んでもよい。接着層の材料としては、接合層の材料と同様のものを使用することができる。接着層は、積層体ではなく被着体に対して適用してもよい。
接着層の厚さは、次のものに限定されないが、例えば、5マイクロメートル以上、10マイクロメートル以上、又は20マイクロメートル以上とすることができ、200マイクロメートル以下、100マイクロメートル以下、又は80マイクロメートル以下とすることができる。
本開示の基材、装飾層、接合層及び接着層は、本開示の効果及び装飾性を阻害しない範囲において、任意成分として、充填剤、補強材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、粘着付与剤、分散剤、可塑剤、フロー向上剤、界面活性剤、レベリング剤、シランカップリング剤、触媒、顔料、染料などを含むことができる。
接着層を保護するために、任意の好適な剥離ライナーを使用することができる。代表的な剥離ライナーとして、紙(例えば、クラフト紙)、ポリマー材料(例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンビニルアセテート、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルなど)などから調製されるものが挙げられる。剥離ライナーは、必要に応じてシリコーン含有材料又はフルオロカーボン含有材料などの剥離剤の層が適用されていてもよい。
剥離ライナーの厚さは、例えば、5マイクロメートル以上、15マイクロメートル以上、又は25マイクロメートル以上とすることができ、300マイクロメートル以下、200マイクロメートル以下、又は150マイクロメートル以下とすることができる。剥離ライナーの厚さは、接着層から剥離ライナーを除去した後、高精度デジマチックマイクロメータ(MDH−25MB、株式会社ミツトヨ製)を使用し、かかる剥離ライナーの任意の部分の厚さを少なくとも5回測定して算出した平均値として定義することができる。
本開示の積層体は、公知の方法、例えば、インクジェット印刷法、グラビアダイレクト印刷、グラビアオフセット印刷、スクリーン印刷などの印刷法、グラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、ナイフコート、押出しコート法などのコーティング法、ラミネート法、転写法などを、単独で又は複数組み合わせて適宜調製することができる。
本開示の積層体の製品形態としては特に制限はなく、例えば、シートなどの枚葉品、複数のシートが積み重なった積層品、シートがロール状に巻かれたロール体であってもよい。
いくつかの実施態様では、本開示の表面層は伸長可能であり、この表面層を備える積層体は、優れた伸び特性を呈することができる。かかる伸び特性は、例えば、破断時伸び試験によって評価することができる。いくつかの実施態様の積層体の表面層は、20℃で、50%以上、70%以上、80%以上、85%以上、又は90%以上の破断時伸びを呈することができる。破断時伸びの上限値については特に制限はないが、例えば、200%以下、180%以下、160%以下、又は150%以下とすることができる。破断は、表面層の表面にクラック又はグロス変化等の目視で視認可能な外観変化が生じたときを指す。このような伸び特性を有する積層体は、例えば、装飾フィルムとして好適に使用することができる。
破断時伸び試験では、積層体を長さ100mm、幅25mmに切断して試験サンプルを調製し、引張試験機(テンシロン万能試験機、型番:RTC−1210A、株式会社エー・アンド・デイ製)を用い、挟み間隔50mm、引張速度300mm/分、20℃で試験サンプルの表面層が破断する時点での伸びを測定する。(試験サンプルの破断時の長さ−試験サンプルの伸長前の長さ)/(試験サンプルの伸長前の長さ)×100(%)の式から、破断時伸びを決定する。
本開示の積層体の用途は特に限定されない。例えば、本開示の積層体は、装飾用途、光学用途などに使用することができる。例えば、本開示の積層体は、ビル、マンション、住宅等の建造物の内壁、階段、窓、扉、床、天井、柱、仕切り等の内装材、又は外壁等の外装材として使用でき、各種の内装又は外装品、例えば、自動車、鉄道、航空機、船などの乗物の内装又は外装品として使用することができる。この他、パソコン、スマートフォン、携帯電話、冷蔵庫、エアコンなどの電化製品、文具、家具、机、缶等の各種容器、道路標識、看板などに対して使用することができる。さらに、本開示の積層体は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL表示装置などの表示装置に用いられる光拡散部材、例えばバックライトの輝度の均一性を確保するための光拡散フィルム若しくは光拡散板、又は蛍光灯の光などの映り込みを低減若しくは防止するための防眩(AG)フィルムなどとして使用することも可能である。
以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。部及びパーセントは全て、特に明記しない限り質量による。
本実施例で使用した材料、試薬等を表1に示す。
Figure 2021079646
〈表面改質シリカゾルの調製〉
以下の方法によって表面改質シリカゾルを調製した。
(ゾル1)
0.452gのKBM5803、0.832gのイソオクチルトリメトキシシラン、0.0045gの4−ヒドロキシ−TEMPOフリーラジカルを、30gのIPAを含むガラス瓶中に添加した。この混合物を、150gのIPA−ST−ZLを含むガラス瓶中に添加し、10分間室温で撹拌した。このガラス瓶を密封し、60℃のオーブン内に16時間静置した。この混合物をフラスコに投入した後、113.40gのビスコート(商標)196を混合した。次いで、混合物の固形分が30質量%付近になるまで、55℃に加温しながらロータリーエバポレーターを用いて、得られた混合物からIPAを除去した。その後、この混合物に、シリカナノ粒子の濃度が28.94質量%となるように、ビスコート(商標)196を添加して、ゾル1を調製した。
(ゾル2)
0.8927gのKBM5803、1.6423gのイソオクチルトリメトキシシラン、0.0089gの4−ヒドロキシ−TEMPOフリーラジカルを、30gのIPAを含むガラス瓶中に添加した。この混合物を、150gのIPA−ST−Lを含むガラス瓶中に添加し、10分間室温で撹拌した。このガラス瓶を密封し、60℃のオーブン内に16時間静置した。この混合物をフラスコに投入した後、114.90gのビスコート(商標)196を混合した。次いで、混合物の固形分が30質量%付近になるまで、55℃に加温しながらロータリーエバポレーターを用いて、得られた混合物からIPAを除去した。その後、この混合物に、シリカナノ粒子の濃度が29.21質量%となるように、ビスコート(商標)196を添加して、ゾル2を調製した。
(ゾル3)
1.8817gのKBM5803、3.4618gのイソオクチルトリメトキシシラン、0.0188gの4−ヒドロキシ−TEMPOフリーラジカルを、30gのIPAを含むガラス瓶中に添加した。この混合物を、150gのIPA−STを含むガラス瓶中に添加し、10分間室温で撹拌した。このガラス瓶を密封し、60℃のオーブン内に16時間静置した。この混合物をフラスコに投入した後、123.65gのビスコート(商標)196を混合した。次いで、混合物の固形分が30質量%付近になるまで、55℃に加温しながらロータリーエバポレーターを用いて、得られた混合物からIPAを除去した。その後、この混合物に、シリカナノ粒子の濃度が28.80質量%となるように、ビスコート(商標)196を添加して、ゾル3を調製した。
〈放射線硬化型インクの調製〉
表2に記載される各材料を用い、以下の方法によって放射線硬化型インクを調製した。なお、表2中の配合量は全て質量部である。
(UVインク−C1)
2.500gのCN991NS、6.500gのビスコート(商標)196、1.000gのNOAAをガラス瓶中で混合した。この混合物に光重合開始剤として1.000gのOmnirad(商標)184及びポリエーテル変性ポリマーとして0.010gのTEGO(商標)Rad 2250を添加して、UVインク−C1を調製した。
(UVインク−C2)
2.073gのゾル1、2.350gのCN991NS、4.656gのビスコート(商標)196、0.940gのNOAAをガラス瓶中で混合した。この混合物に光重合開始剤として1.000gのOmnirad(商標)184を添加して、UVインク−C2を調製した。
(UVインク−C3)
2.500gのCN991NS、5.500gのビスコート(商標)196、2.000gのMEDOL−10をガラス瓶中で混合した。この混合物に光重合開始剤として1.000gのOmnirad(商標)184、ポリエーテル変性ポリマーとして0.100gのTEGO(商標)Flow 425、及び0.100gのGenorad(商標)22を添加して、UVインク−C3を調製した。
(UVインク−E1〜E13)
表2に記載される組成割合に変更したこと以外は、UVインク−C2の調製方法と同様にして、UVインク−E1〜E13を調製した。
Figure 2021079646
〈参考例〉
50マイクロメール厚のPET基材フィルムであるコスモシャイン(商標)A4100を使用した。
〈比較例1〉
#20のメイヤーロッドを用いて、放射線硬化型インクのUV−C1を50マイクロメール厚の基材フィルムであるコスモシャイン(商標)A4100のプライマー処理側に塗布し、約10マイクロメートル厚のコーティング層を形成した。コーティング層を適用した基材フィルムを、大気(空気)雰囲気下で紫外線照射器(Fusion UV System Inc.のH−バルブ(DRSモデル))に2回通して、コーティング層を硬化させた。このとき、照度700mW/cm、積算光量900mJ/cmの条件で、紫外線(UV−A)をコーティング層に対して照射した。このようにして、厚さ約10マイクロメートルのコーティング層を有する比較例1の積層体を作製した。
〈比較例2、実施例1〜13〉
放射線硬化型インクをUV−C1から表3−1〜表3−3に記載される各インクに変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2及び実施例1〜13の積層体を各々作製した。
〈実施例14〉
インクジェットプリンター(インクジェットヘッドKM1024iLMHB、720×720dpi、コニカミノルタ株式会社製)を用い、基材フィルムであるBK646420上に、放射線硬化型インクであるUV−E13を55℃に加温しながら、厚さ約10マイクロメートルのインクジェット印刷層を印刷した。インクジェット印刷層を適用した基材フィルムを、大気(空気)雰囲気下で紫外線照射器(Fusion UV System Inc.のH−バルブ(DRSモデル))に2回通して、インクジェット印刷層を硬化させた。このとき、照度700mW/cm、積算光量900mJ/cmの条件で、紫外線(UV−A)をインクジェット印刷層に対して照射した。このようにして、厚さ約10マイクロメートルのインクジェット印刷層を有する実施例14の積層体を作製した。
〈比較例3〉
放射線硬化型インクをUV−E13からUV−C3に変更したこと以外は、実施例14と同様にして、比較例3の積層体を作製した。
参考例、実施例1〜14及び比較例1〜2の各サンプルについて下記の評価を実施し、その結果を表3−1〜表3−3に示す。ここで、表中の「SiO粒子含有量」は、コーティング層又はインクジェット印刷層の総重量(乾燥塗工量)に基づいている。また、比較例1及び2、並びに実施例1の積層体におけるコーティング層の走査型電子顕微鏡写真を図2〜図4に示し、実施例14及び比較例3の積層体におけるインクジェット印刷層の走査型電子顕微鏡写真及び光学写真を図5に示す。
(初期粘度)
放射線硬化型インクの55℃における初期粘度を、20mmコーンプレート型平行板(TA Instruments社製)を使用し、回転速度150回/分の条件でDiscovery HR−2(DHR−2)レオメーター(TA Instruments社製)によって測定した。
(紫外線照射後の外観変化)
コーティング層又はインクジェット印刷層における紫外線照射前後の外観変化の有無を目視観察した。コーティング層又はインクジェット印刷層の光沢外観が、紫外線照射後に、低光沢外観に変化している場合を「有」、低光沢外観に変化していない場合を「無」と判定した。
(表面光沢度)
JIS Z8741に準拠して、携帯型光沢計BYKガードナー・マイクロ−トリ−グロス(ビックケミー・ジャパン株式会社)を用いて、各サンプルの表面光沢度を測定角20°、60°、80°にて測定した。
(接着性)
基材フィルムとコーティング層又はインクジェット印刷層と間の接着性能を、JIS K 5600に従ってクロスカット法によって評価した。ここでは、グリッド間隔が1mmの5×5グリッドと、セロテープ(商標)CT−24(ニチバン株式会社製)を採用した。コーティング層又はインクジェット印刷層に剥がれ及び/又は欠けが生じていなかった場合は「良」、剥がれ及び/又は欠けが生じていた場合は「不良」と判定した。
Figure 2021079646
Figure 2021079646
Figure 2021079646
本発明の基本的な原理から逸脱することなく、上記の実施態様及び実施例が様々に変更可能であることは当業者に明らかである。また、本発明の様々な改良及び変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに実施できることは当業者には明らかである。
100 放射線照射前の積層体
101 基材
102 放射線照射前の表面層
103 無機ナノ粒子
104 バインダー樹脂
105 放射線照射後の表面層
110 放射線照射後の積層体

Claims (16)

  1. 基材、及び、
    放射線硬化型インクの硬化物を含む表面層
    を含む積層体であって、
    前記放射線硬化型インクが、無機ナノ粒子、ポリエーテル変性ポリマー、並びに放射線硬化型重合性オリゴマー及び放射線硬化型重合性モノマーから選択される少なくとも一種を含み、かつ、
    前記表面層が、50.0GU以下の60度表面光沢度を呈する、積層体。
  2. 前記放射線硬化型インクが、以下の式1の化合物をさらに含む、請求項1に記載の積層体:
    −R−Si(OR …式1
    式中、Rは、アクリロイル基又はメタクリロイル基であり、
    は、炭素原子数5〜12のアルキレン基であり、
    は、炭素原子数1〜4のアルキル基である。
  3. 前記式1の化合物が、8−(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシランである、請求項2に記載の積層体。
  4. 前記放射線硬化型インクが、非官能性シランカップリング剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記放射線硬化型インクが、放射線硬化型重合性オリゴマーである2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記式1の化合物及び存在する場合は前記非官能性シランカップリング剤の各配合量が、前記無機ナノ粒子1g当たり、0.030〜0.090mmolの範囲である、請求項2〜5のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 前記無機ナノ粒子が、前記表面層の総重量に基づき、2〜20質量%の割合で含まれている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 前記無機ナノ粒子の平均粒径が、5nm以上、150nm以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体。
  9. 装飾用として使用される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体。
  10. 無機ナノ粒子、ポリエーテル変性ポリマー、並びに放射線硬化型重合性オリゴマー及び放射線硬化型重合性モノマーから選択される少なくとも一種を含む、放射線硬化型インク。
  11. 以下の式1の化合物をさらに含み、かつ、55℃における初期粘度が、35.0mPa・s以下である、請求項10に記載のインク:
    −R−Si(OR …式1
    式中、Rは、アクリロイル基又はメタクリロイル基であり、
    は、炭素原子数5〜12のアルキレン基であり、
    は、炭素原子数1〜4のアルキル基である。
  12. 前記式1の化合物が、8−(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシランである、請求項11に記載のインク。
  13. 非官能性シランカップリング剤をさらに含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載のインク。
  14. 放射線硬化型重合性オリゴマーの2官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載のインク。
  15. 前記式1の化合物及び存在する場合は前記非官能性シランカップリング剤の各配合量が、前記無機ナノ粒子1g当たり、0.030〜0.090mmolの範囲である、請求項11〜14のいずれか一項に記載のインク。
  16. 溶媒の含有量が、5質量%以下である、請求項10〜15のいずれか一項に記載のインク。
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