JP6225013B2 - 低艶意匠用反応性インキ組成物及びこれを用いた積層塗膜 - Google Patents

低艶意匠用反応性インキ組成物及びこれを用いた積層塗膜 Download PDF

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本発明はポリウレタン樹脂組成物の上層に電離放射線硬化型樹脂組成物を重ねることによって低艶意匠を発現させる反応性ポリウレタン樹脂、及び樹脂組成物、その積層塗膜に関する。
近年商品の差別化が図られる中、意匠性が重要視されるようになり、表層に電離放射線硬化型樹脂組成物を有する塗膜成型物に意匠性が求められるようになった。一般に、表層に電離放射線硬化型樹脂を有する硬化膜は高光沢である。しかしながら、高意匠性を得るためには、全面或いは部分的に低艶を形成することが要求される。
一般的に低艶化するには、電離放射線硬化型組成物にマイクロシリカなどのフィラーを添加することによって艶を下げる手法がとられてきた。この場合、全面の低艶化は可能であるが、部分的に低艶部を設けることは難しかった。また、電離放射線硬化型樹脂組成物の低艶化するためにフィラーなどを添加すると、添加したフィラーによって透明性が低下し、低艶化することで逆に意匠性が低下する恐れがある。
また、紙器用板紙等の表面に光沢面とマット面を設ける表面加工法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。該技術は、低艶意匠付与には、ある程度の効果があるものの、マット部には顔料が入っているため、下地を見せる(生かせる)意匠には使用できない。また、これらの手法では、透明感のある低艶意匠には限界があった。つまりマイクロシリカなどの体質顔料を使用する必要があり、マイクロシリカの添加量が多くなると、透明性が低下し、下地の柄が白ボケする問題点があった。
特許第3215747号
従って、本発明の目的は、マット面を設ける表面加工法を用いなくても低艶意匠を可能にし、また、下地の柄を生かせる低艶意匠を提供するための、インキ組成物、該インキを用いた低艶化された積層塗膜を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討の結果、次のような知見を得た。
少なくとも、基材、低艶インキ層(部分的)、電離放射線硬化型樹脂層がこの順に設けられている積層塗膜において、優れた低艶意匠を発現させる手法として
(1)低艶インキを構成する樹脂が電離放射線硬化型樹脂組成物の一部を浸透させる。
(2)電離放射線硬化型樹脂組成物に含有させる微量の体質顔料やフィラーなどが複合積層塗膜の表面に出る、又は低艶インキ組成物に含有させる顔料や体質顔料、フィラーなどが積層塗膜の表面に出る、或いは、表面に微細な凹凸が形成させる。
(3)これにより、電離放射線硬化型樹脂組成物のみの層は高光沢、電離放射線硬化型樹脂層の下部に低艶インキ層が形成されていると部分的に低艶部が形成できる。
(4)高光沢部分と低艶部分を組み合わせることにより、意匠性を引き立てる効果がある。 例えば、パッケージの絵柄の表現で、目立たせたい部分を光沢部にし、その周りを低艶にすることで、メリハリのある意匠感が得られる。
(5)低艶意匠用インキ組成物に含有するバインダー樹脂として、下記のポリウレタン樹脂が電離放射線硬化型樹脂組成物の一部を浸透させることが可能。
本発明は、このような知見に基づくものである。
即ち、本発明は、ジイソシアネート、数平均分子量700〜6000の脂肪族ジオール(a1)、および、数平均分子量500以下の脂肪族ジオール(a2)、1級及び/又は2級アミノ基含有化合物(a3)を反応させて得られる重量平均分子量が25000〜80000、且つ、末端が、水酸基及び/又はアミノ基を有する反応性ポリウレタン樹脂を必須成分として含有することを特徴とする低艶意匠用インキ組成物を提供する。
また、本発明は、基材上設けられた低艶意匠用インキ層と、前記低艶意匠用インキ層上に被覆され、又は一部低艶意匠用インキ層に浸透した電離放射線硬化性樹脂組成物の架橋硬化された表面保護層を有する積層塗膜を提供する。
本発明による反応性ポリウレタン樹脂組成物を用いると、従来処方よりも低艶にするこができる。また、該樹脂バインダーによる低艶化の効果が上がったことで、マイクロシリカなどの体質顔料の添加量を減らすことが可能。その結果、透明性を低下させずに低艶化が期待できる。更に、ポリウレタン樹脂系以外の樹脂を浸透防止層に用いることで、メリハリのある意匠が得られる。
本発明に用いる反応性ポリウレタン樹脂は、重量平均分子量が25000〜80000、且つ末端が、水酸基及び/又はアミノ基を有する反応性ポリウレタン樹脂である。更に、前記反応性ポリウレタン樹脂は、ジイソシアネート、数平均分子量700〜6000の脂肪族ジオール(a1)、および、数平均分子量500以下の脂肪族ジオール(a2)、1級及び/又は2級アミノ基含有化合物(a3)を反応させて得られるポリウレタン樹脂であることが必須である。
前記アミノ基とは、1級、2級、又は3級アミノ基のいずれであってもよい。また、樹脂中に複数のアミノ基がある場合も、3種類のアミノ基がどのような組み合わせであってもよい。

本発明で用いるジイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種の脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、などのジイソシアネート等が挙げられる。
これらのジイソシアネートは単独で、又は2種類以上併用して用いることができる。これらのジイソシアネートの中でも、脂環族ジイソシアネートは黄変性等の諸物性に優れている観点から好ましく、特に優れるのはイソホロンジイソシアネートである。

本発明で用いる数平均分子量700〜6000の脂肪族ジオール(a1)としては、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、アクリルポリオールなどの一分子当たり2個の水酸基を有する高分子ジオール類が挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)等が挙げられる。これらの例の中では、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。
また、ポリエステルポリオールとしては、脂肪族ジカルボン酸とジオールから得られるポリエステルポリオールが挙げられる。これらの例としてはセバシン酸系ポリエステル、アジピン酸系ポリエステルが挙げられ、アジピン酸系ポリエステルが好ましい。なお、ポリエステルポリオールにおいて、酸成分として芳香族カルボン酸を用いると、低艶化の効果が乏しいので好ましくない。
前記数平均分子量500以下の脂肪族ジオール(a2)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−オクチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロ[5,2,1,0,2,6]デカン−ジメタノール等の脂肪族ジオールや脂環族ジオールが好ましい。
また、3級アミノ基を有するN−アミノメチルジエタノールアミン、N−アミノブチルジエタノールアミン等のアルカノールアミンを用いてもよい。
前記1級及び/又は2級アミノ基含有化合物(a3)としては、基本的に、ポリウレタン樹脂鎖を延長させるために用いるジアミン及び、反応停止を目的とした末端封鎖剤としたモノアミンで、後述するようなジアミン及びモノアミンが挙げられる。
ジアミンとは、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン(IPDA)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、シクロヘキシルジアミン等の脂肪族ジアミン類、
2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、(N−アミノエチル)―2−エタノールアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類が挙げられる。
これらのジアミンは単独で、又は2種類以上混合して用いることができる。
また、モノアミンとしては、例えば、ジ-n-ブチルアミン、シクロヘキシルアミン等のアルキルアミン類やモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)イソプロピルアミン等のアミノアルコール類を用いることができる。
これらのモノアミンは単独で、又は2種類以上混合して用いることができる。また、より優れた低艶性を得るためには、アミノアルコール類を用いることが好ましい。アミノアルコールを用いることで、樹脂末端に水酸基の導入が可能となる。
本発明の反応性ポリウレタン樹脂を得る方法としては、重量平均分子量が25000〜80000、且つ末端が、水酸基及び/又はアミノ基を有するポリウレタン樹脂であれば、特に限定されないが、例えば、前記の原料ジイソシアネート、数平均分子量700〜6000の脂肪族ジオール(a1)、および、数平均分子量500以下の脂肪族ジオール(a2)、1級及び/又は2級アミノ基含有化合物(a3)を用いて反応すれば、下記の合成方法A又は合成方法Bで得ることができる。
合成方法A
数平均分子量500以下の脂肪族ジオール(a2)、ジイソシアネート、数平均分子量700〜6000の脂肪族ジオール(a1)とを、必要に応じて有機溶剤に溶解して、反応触媒存在下、60〜90℃で反応し、イソシアネート基が残存するプレポリマー溶液を得たのち、さらに、有機溶剤で希釈した後、1級及び/又は2級アミノ基含有化合物(a3)を滴下して、反応し、反応性ポリウレタン樹脂を得る。
合成方法B
数平均分子量500以下の脂肪族ジオール(a2)、ジイソシアネートと数平均分子量700〜6000の脂肪族ジオール(a1)とを必要に応じて有機溶剤に溶解して、反応触媒存在下、60〜90℃で反応し、イソシアネート基が残存するプレポリマー溶液(I)を得る。
別容器に、有機溶剤、1級及び/又は2級アミノ基含有化合物(a3)を溶解して溶液(II)を調製する。
次いで前記プレポリマー溶液(I)を、溶液(II)中に滴下して、反応し、反応性ポリウレタン樹脂を得る。
とくに、末端のアミノ基にする方法としては、合成方法Bの方法が好ましい。
本発明の反応性ポリウレタン樹脂の分子量は重量平均分子量が25000〜80000が望ましい。特に好ましいのは、30000〜60000である。重量平均分子量が25000以下の場合、低艶意匠を発現する効果が低下する。また、重量平均分子量が80000以上の場合も低艶意匠が得られ難くなる。更に、樹脂粘度が高くなり、低艶意匠用インキへのインキ化が困難になる。
低艶意匠を発現させるためには、低艶意匠用インキ組成物又は、電離放射線硬化性樹脂組成物のどちらかに、顔料若しくは、有機又は無機フィラーが存在すればよい。例えば、電離放射線硬化性組成物にマイクロシリカが存在すれば、低艶意匠用インキ組成物中には顔料若しくは有機又は無機のフィラーは必ずしも必要としない。また、低艶意匠用インキ組成物中に顔料若しくは有機又は無機フィラーが存在すれば、電離放射線硬化性組成物中には顔料若しくは有機又は無機フィラーは必ずしも必要としない。
低艶意匠用インキ組成物と電離放射線硬化性樹脂組成物の両方に顔料若しくは有機又は無機フィラーを存在せることにより、低艶意匠をより効果的に発現させることができる。
下地の絵柄を生かした透明感のある低艶意匠を得るためには、低艶意匠用インキ組成物の必須成分は、反応性ポリウレタン樹脂のみである。
また、下地の絵柄の上層に低艶意匠の絵柄を重ねる場合、低艶意匠用インキ組成物に顔料や体質顔料などを使用することができる。その場合、用いる顔料としては、
着色剤として、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が挙げられる。
更に、本発明の低艶意匠用インキ組成物には、体質顔料を使用してもよい。該体質顔料としては特に限定されず、例えばシリカ、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等から適宜選択される。これらのうち吸油度、粒径、細孔容積等の材料設計の自由度が高く、意匠性、白さ、インキとしての塗工安定性に優れた材料であるシリカが好ましく、特に微粉末のシリカが好ましい。シリカの粒径としては、平均0.1〜10μmの範囲が好ましい。0.1μm以上であるとインキに添加した際にインキのチキソ性が極端に高くならず、またインキの粘性が上がりすぎず印刷のコントロールがしやすい。顔料や体質顔料は2種類以上併用して使用することもできる。
また、アクリル樹脂ビーズや架橋ウレタン樹脂ビーズ、シリコン樹脂ビーズ、アルミナ粉などの有機や無機フィラーを添加することも可能である。
本発明の低艶意匠用インキ組成物には、必要に応じて、有機溶剤を用いることができる。該有機溶剤としては、例えば、
メチルエチルケトン、メチルイソブブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸−N−プロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤、プロピレングリコールやブチルカルビトール等のグリコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤。
昨今の安全性の点から、芳香族炭化水素系溶剤の使用は好ましくなく、樹脂の溶解性や乾燥性の点から、メチルエチルケトン、イソプロピイルアルコール、酢酸エチルなどが好ましい。これらの溶剤は、単独でも2種類以上組み合わせて使用しても良い。
本発明の低艶意匠用インキ組成物の塗工方法については、既知の印刷方法が使用できるが、インキの特性から、グラビア印刷方式が望ましい。
次いで、本発明の積層塗膜とは、少なくとも基材上設けられた、前記低艶意匠用インキ組成物を用いた低艶意匠用インキ層と、該低艶意匠用インキ層上に被覆された電離放射線硬化性樹脂組成物の架橋硬化された表面保護層を有する積層塗膜である。該積層塗膜の用途は、基本的には、紙仕様であるが、プラスチックフィルムや他の基材への応用は可能であり、例えば、化粧紙用途も転用できる。
前記基材としては、通常積層塗膜として用いられるものであれば、特に限定されず、各種の紙類を用途に応じて適宜選択することができる。例えば、コート紙やアート紙、その他に樹脂を含浸させた紙や、プラスチックフィルムを貼った紙、プラスチックフィルムを挟んだ紙、合成紙等も選択することができる。
また、各種プラスチックフィルム、プラスチック板、金属シート、金属板等も使用できる。
基材と低艶意匠用インキ層との間に絵柄層を設けてもよい。絵柄層は基材に密着するものであれば、オフセット、グラビア、フレキソ等のインキ、塗料、コート剤、何でも良い。塗工方法は問わない。
また、低艶意匠用インキ層と下部層との間に浸透防止層を設けてもよい。浸透防止層は、基材へのインキの染込みを防止することが可能な樹脂系であれば何でも良いが、低艶意匠用インキ層が存在する部分との高い光沢差を得るためにはポリウレタン樹脂以外の樹脂系が望ましい。例えは、セルロール系樹脂、アクリル樹脂、アクリルポリオール等。その樹脂系インキにポリイソシアネートを添加しても良い。塗工方法は問わない。
前記電離放射線硬化性樹脂組成物としては、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するものであれば、特に限定されない、例えば、紫外線または電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂組成物が(メタ)アクリレート単量体を含むことを特徴とする。(メタ)アクリレート単量体を含むことによって、上述の低艶意匠用インキ組成物との相互作用が生じ、模様の艶差を形成するものである。低艶意匠用インキ組成物との相互作用をより強いものとし、さらなる模様の艶差を得るとの観点から、(メタ)アクリレート単量体の含有量は50質量%以上であることがさらに好ましく、特には電離放射線硬化性樹脂組成物が(メタ)アクリレート単量体のみからなることが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
本発明で使用する(メタ)アクリレート単量体としては、多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記電離放射線硬化性樹脂組成物には、(メタ)アクリレート単量体として重合性オリゴマーを使用してもよい。重合性オリゴマーとしては、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。
前記エポキシ(メタ)アクリレートは、通常1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するもので、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とをエステル化触媒の存在下で反応して得られるものである。前記エポキシ樹脂は、例えばビスフェノールタイプエポキシ樹脂、ノボラックタイプのエポキシ樹脂等が挙げられる。前記エポキシ(メタ)アクリレートに使用するエポキシ樹脂は、これらのエポキシ樹脂のいずれか単独、または両者を混合したものなどである。かかるエポキシ樹脂の平均エポキシ当量は150から450の範囲のものであることが好ましい。前記ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂としては、例えばエピクロルヒドリンとビスフェノールA若しくはビスフェノールFとの反応により得られる実質的に1分子中に2個以上のエポキシ基を有するグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂、メチルエピクロルヒドリンとビスフェノールA若しくはビスフェノールFとの反応により得られるメチルグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂、あるいはビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物とエピクロルヒドリン若しくはメチルエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂などが挙げられる。また、前記ノボラックタイプのエポキシ樹脂として代表的なものは、フェノールノボラック又はクレゾールノボラックと、エピクロルヒドリン又はメチルエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂などがある。 前記エポキシ(メタ)アクリレートの製造に使用する(メタ)アクリル酸以外にも、その他の不飽和一塩基酸を用いることができる。かかる不飽和一塩基酸としては、例えば桂皮酸、クロトン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノ(2−エチルヘキシル)あるいはソルビン酸などが挙げられる。前記エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応は、好ましくは60〜140℃、特に好ましくは80〜120℃の温度においてエステル化触媒を用いて行う。
前記ウレタン(メタ)アクリレートは、通常ポリオール、ポリイソシアネートおよび1分子に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させることにより得られるものであり、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するものである。
前記ポリオールとしては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカ−ボネ−トポリオール、ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。またポリオールの数平均分子量は200〜3000のものが好ましく、特に好ましくは400〜2000のものである。
前記ポリエーテルポリオールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレンオキサイドの他に、ビスフェノールA及びビスフェノールFに上記アルキレンオキサイドを付加させたポリオールも含む。
ポリエステルポリオールとは、飽和二塩基酸類と多価アルコール類の縮合重合体又はポリカプロラクトンの様に環状エステル化合物の開環重合体を意味する。 ここで使用する二塩基酸類としては、例えばフタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジアルキルエステル等を挙げることができる。
また多価アルコール類としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコール等を挙げることができる。
前記ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート及びその異性体または異性体の混合物(以下TDIという)、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができ、それらの単独または2種以上で使用することができる。上記ポリイソシアネートのうちジイソシアネート、特にTDIが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートに用いられる前記の1分子に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート類、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法としては、(1)先ずポリイソシアネートとポリオールを好ましくはNCO/OH=1.3〜2で反応させ、末端イソシアネート基を有する化合物を生成させ、次いでその化合物に一分子中に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート[以下水酸基含有(メタ)アクリレートという]をイソシアネート基に対して水酸基がほぼ等量になるように反応する方法と、(2)ポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレートをNCO/OH=2以上で反応させ、片末端にイソシアネート基を有する化合物を生成させ、次いでポリオールを加えて反応する方法等が挙げられる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマーなどがある。
電離放射線硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を用いる場合には、光重合用開始剤を樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、特に限定されず、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタールなどが挙げられる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることができる。本発明においては、電離放射線硬化性樹脂組成物として電子線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂組成物は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、また光重合用開始剤を用いずとも、安定な硬化特性が得られることから好ましい。
前記電離放射線硬化性樹脂組成物には、艶の調整などを目的したマイクロシリカ等の無機フィラーなどを添加して使用できる。更に、目的に応じた表面物性を得る目的で、ポリエチレンワックスやアクリル樹脂ビーズ、シリコン樹脂ビーズなどの有機・無機フィラーも使用できる。
さらに、前記の電離放射線硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、各種添加を使用することができる。添加剤としては、レベリング剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、帯電防止剤、可塑剤、消泡剤、分散剤、溶剤、着色剤などが挙げられる。
本発明においては、前記の電離放射線硬化成分である重合性モノマーや重合性オリゴマー及び各種添加剤を、それぞれ所定の割合で均質に混合し、電離放射線硬化性樹脂組成物からなる塗工液を調製する。この塗工液の粘度は、後述の塗工方式により、基材の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はない。
本発明においては、このようにして調製された塗工液を、基材の表面に、硬化後の厚さが1〜20μmになるように、グラビア印刷、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート、グラビアオフセットコート、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン、スプレー塗装、スピンコートなどの種々の方式により塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。
本発明においては、このようにして形成された未硬化樹脂層に、種々の紫外線、電子線等を照射可能な装置を用いて硬化させる。
ここで、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
このようにして、形成された硬化樹脂層には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能、防汚コート機能、防眩コート機能や、凹凸を有する触感性などを付与することができる。
以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。尚、実施例中の「部」、「%」は、特に断りのない限り重量基準である。
製造例1(合成方法A)
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つロフラスコにアジピン酸と3−メチル−1,5ペンタンジオールから得られる数平均分子量(以下Mnという)2,000のポリエステルポリオール215.68部と1,4-ブタンジオール2.43部、イソホロンジイソシアネート59.91部、メチルエチルケトン100部、DICNATE 425(DIC社製)を0.03部を仕込み、窒素気流下に75℃で4時間反応させた。その後、メチルエチルケトン400部を加え、反応溶液を希釈した。反応液を45℃に調整後、イソホロンジアミン19.51部をイソプロピルアルコール50部に溶解して滴下し、攪枠下に50℃で3時間反応させた。その後、モノエタノールアミン2.47部をイソプロピルアルコール50部に溶解して添加し、攪枠下に50℃で1時間反応させた。最後にイソプロピルアルコール100部を加え、不揮発分30.0%、ガードナー粘度R(25℃)、数平均分子量(以下Mwという)41,700のポリウレタン樹脂Aを得た。
下記表1に記載された原料を用いて、製造例1(合成方法A)と同様にして、ポリウレタン樹脂Bを得た。
製造例3
合成方法B
(ポリウレタン樹脂C)
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つロフラスコにアジピン酸と3−メチル−1,5ペンタンジオールから得られるMn2,000のポリエステルポリオール229.68部とイソホロンジイソシアネート51.04部、メチルエチルケトン50部、DICNATE 425(DIC社製)を0.03部を仕込み、窒素気流下に75℃で4時間反応させた。その後、メチルエチルケトン200部を加え、反応溶液(プレポリマー)を希釈した。希釈した反応溶液(プレポリマー)を、予め、別のフラスコにメチルエチルケトン100部、イソプロピルアルコール200部、イソホロンジアミン18.58部、モノエタノールアミン0.70部を混合し、40℃に調整した溶液(アミン溶液)に、5分間掛けて投入した。反応溶液(プレポリマー)が入っていたフラスコに、メチルエチルケトン150部を加えて、反応溶液を溶解し、アミン溶液に投入した。攪枠下に50℃で3時間反応させ、不揮発分30.0%、ガードナー粘度Q(25℃)、Mw44,400のポリウレタン樹脂Cを得た。
製造例4
下記表1に記載された原料を用いて、製造例1(合成方法A)と同様にして、ポリウレタン樹脂Dを得た。
製造例5
下記表1に記載された原料を用いて、製造例3(合成方法B)と同様にして、ポリウレタン樹脂Eを得た。
比較製造例1〜8
表2に記載された原料を用いて、合成方法Aと同様にしてポリウレタン樹脂F〜Mを得た。
下記の層構成の積層塗膜を作成した。
基材/絵柄層/浸透防止層/低艶意匠用インキ層/電離放射線硬化型樹脂層
下記のそれぞれの材料を用いた。
・基材(王子マテリア社製コートボール紙(商品名:OKボール、270g/m2
・絵柄層(DICグラフィックス社製グラビアインキXS-763墨(溶剤系グラビアインキ))
・浸透防止層(浸透防止シーラー)
CAB 381−0.5(Eastman社製セルロース・アセテート・ブチレート)12.5部とメチルエチルケトン87.5部を配合後、攪拌機で30分間攪拌し、完全に溶解したもの100部にFG700硬化剤(DICグラフィックス社製ポリイソシアネート)5部を加え、ザーンカップ#3で18秒になるように、メチルエチルケトンを加えて希釈したもの。
・低艶インキ層
メチルエチルケトン30部、イソプロピルアルコール10部、前記ポリウレタン樹脂A〜Lをそれぞれ60部を配合後攪拌機で約10分間攪拌して混合し、インキ粘度がザーンカップ#3で18秒になるようにメチルエチルケトンで希釈した。
・電離放射線硬化型樹脂層(UV硬化型OPニス)
UVフレキソ GA28ニス(F)(DICグラフィックス社製UV硬化型OPニス)
塗工方法
絵柄インキ:印刷機GP-X(クラボウ社製)、版-175Lによりグラビア塗工
浸透防止シーラー:印刷機 GP-X(同上)、版-54Lによりグラビア塗工
低艶意匠用インキ:バーコーター#6により塗工
UV硬化型OPニス:バーコーター#4により塗工
UV硬化型ニスの硬化条件
UV照射機:高圧水銀ランプオゾン有で、120W/cm、20m/分
実施例1〜5、比較例1〜7
表1〜3に示す組成で、前記の方法で積層塗膜を作成し、光沢値差を測定した。
略称
IPDI :イソホロンジイソシアネート
ポリオールA:アジピン酸/3-メチル-1,5-ペンタンジオール=1/1からなる
ポリエルテスポリオール。平均分子量 Mn:2000
ポリオールB:ポリテトラメチレングリコール(PTMG)平均分子量 Mn:2000
ポリオールC:ポリカーボネートジオール (PCD)平均分子量 Mn:2000
ポリオールD:アジピン酸/ネオペンチルグリコール=1/1からなる
ポリエルテスポリオール。平均分子量 Mn:2000
ポリオールE:アジピン酸/プロピレングリコール=1/1からなる
ポリエルテスポリオール。平均分子量 Mn:2000
ポリオールF :アジピン酸/テレフタル酸/3-メチル-1,5-ペンタンジオール=1/1/2から
なるポリエルテスポリオール。平均分子量 Mw:2000
ポリオールG:アジピン酸/3-メチル-1,5-ペンタンジオール=1/1からなる
ポリエルテスポリオール。平均分子量 Mn:5000
ポリオールH:アジピン酸/3-メチル-1,5-ペンタンジオールからなる
ポリエステルポリオール。平均分子量 Mn:1000
14BD :1,4−ブタンジオール
MDEA :N−メチルジエタノールアミン
BEPD :2−ブチル−2−エチルプロパンジオール
IPDA :イソホロンジアミン
MEA :モノエタノールアミン
DnBA :ジ−n−ブチルアミン
MEK :メチルエチルケトン
IPA :イソプロピルアルコール
Figure 0006225013
※1:ガードナー粘度
※2:紙/墨インキ/浸透防止層/低艶インキ/UV硬化型ニスにおける、低艶インキ層ありなしの光沢差。
光沢部の光沢値−低艶部の光沢値(この値が25以上あればメリハリのある意匠となる)
Figure 0006225013
Figure 0006225013
前記表1〜3中の注記は下記の通り。
※1:ガードナー粘度
※2:紙/墨インキ/浸透防止層/低艶インキ/UV硬化型ニスにおける、低艶インキ層ありなしの光沢差。
光沢部の光沢値−低艶部の光沢値(この値が25以上あればメリハリのある意匠となる)
※3:-R基はアルキル基
光沢測定
スガ試験機:HANDY GLOSS MOBILE MODEL GM-1
樹脂の重量分子量測定
トーソー株式会社:HLC-8220 GPG
検出器;RI(示差屈折計)
測定条件;カラム温度 40℃ 溶媒 テトラヒドロフラン

Claims (6)

  1. 基材上に設けられた低艶意匠用インキ層と、該低艶意匠用インキ層上に被覆された電離放射線硬化性樹脂組成物の架橋硬化された表面保護層を有する積層塗膜であって、前記低艶意匠用インキ層を構成する低艶意匠用インキが、
    ジイソシアネート、数平均分子量700〜6000の脂肪族ジオール(a1)、および、数平均分子量500以下の脂肪族ジオール(a2)、1級及び/又は2級アミノ基含有化合物(a3)を反応させて得られる重量平均分子量が25000〜80000、且つ、末端が、水酸基及び/又はアミノ基を有する反応性ポリウレタン樹脂を必須成分として含有する低艶意匠用インキ組成物を用いたことを特徴とする積層塗膜。
  2. 前記脂肪族ジオール(a1)がポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、および、アクリルポリオールからなる群から選ばれる1種以上のジオールである請求項1記載の積層塗膜
  3. 前記脂肪族ジオール(a1)がポリテトラメチレングリコールまたはアジピン酸系ポリエステルポリオールである請求項1又は2に記載の積層塗膜
  4. 更に、基材と低艶意匠用インキ層との間に、絵柄層を設けた請求項1〜3の何れか1つに記載の積層塗膜。
  5. 更に、基材と低艶意匠用インキ層との間に、浸透防止層を設けた請求項1〜4の何れか1つに記載の積層塗膜。
  6. 低艶意匠用インキ組成物又は、電離放射線硬化性樹脂組成物のいずれかに、顔料若しくは有機又は無機フィラーを有する請求項1〜5の何れか1つに記載の積層塗膜。
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