JP2014030910A - ハードコートを有するウィンドウフィルム - Google Patents

ハードコートを有するウィンドウフィルム Download PDF

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Naohiro Sugiyama
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紗織 上田
Shigeyoshi Ishii
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Abstract

【課題】耐引っかき性に優れたウィンドウフィルムを提供する。
【解決手段】本開示のウィンドウフィルムは、第1の表面および第1の表面と反対側の第2の表面を有する基材層、基材層の第1の表面の上に配置されたハードコート層、および基材層の第2の表面の上に配置された接合層を含み、ハードコート層がナノ粒子の混合物およびバインダーを含み、ナノ粒子はハードコート層の全質量の40質量%〜95質量%を構成し、ナノ粒子の10質量%〜50質量%は2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有し、ナノ粒子の50質量%〜90質量%は60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有し、60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径と2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径の比が、2:1〜200:1の範囲である。
【選択図】図1

Description

本開示は、耐引っかき性が改良されたハードコートを有するウィンドウフィルムに関し、より詳細には建物の窓に貼り付けられる太陽光コントロールフィルム、ガラス飛散防止フィルム、ガラス貫通防止フィルムなどのウィンドウフィルムに関する。
建物の窓に貼り付けられるウィンドウフィルムは、太陽光の赤外線および/または紫外線を遮蔽または制御して、室内の温度を快適に保つ、室内を紫外線から保護するなどの目的で使用される。ウィンドウフィルムは、砂、布などを用いた拭き取り、爪などによる引っかきに対する抵抗性を有し、かつ窓の外観を維持しなければならない。そのため、ウィンドウフィルムの表面にハードコート処理を行って耐引っかき性を付与することが一般に行われている。
米国特許第5104929号および米国特許第7074463号には、光硬化性シランカップリング剤で改質されたSiOナノ粒子を含むハードコート材料が記載されている。
ウィンドウフィルムの表面に防汚性を付与することに対する強い要望もある。米国特許第7718264号および米国特許出願公開第2008/0124555号には、ヘキサフルオロプロピレンオキシド部位を有するフッ素化合物を添加した重合性組成物を硬化して得られる、防汚性を有し洗浄が容易な表面を有するハードコート材料が記載されている。
米国特許第5104929号明細書 米国特許第7074463号明細書 米国特許第7718264号明細書 米国特許出願公開第2008/0124555号明細書
ウィンドウフィルムの耐久性をより高めることが依然として望まれている。したがって、本開示の目的は、耐引っかき性に優れたウィンドウフィルムを提供することにある。
本開示の一実施形態によれば、第1の表面および前記第1の表面と反対側の第2の表面を有する基材層、前記基材層の第1の表面の上に配置されたハードコート層、および前記基材層の第2の表面の上に配置された接合層を含むウィンドウフィルムであって、前記ハードコート層がナノ粒子の混合物およびバインダーを含み、前記ナノ粒子は前記ハードコート層の全質量の40質量%〜95質量%を構成し、前記ナノ粒子の10質量%〜50質量%は2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有し、前記ナノ粒子の50質量%〜90質量%は60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有し、60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径と2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径の比が、2:1〜200:1の範囲である、ウィンドウフィルムが提供される。
ナノ粒子が高充填されたハードコート層を含む本開示のウィンドウフィルムは、光学的透明性を保ちつつ、優れた耐引っかき性と耐衝撃性の両方を示す。
なお、上述の記載は、本発明の全ての実施形態および本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
本開示の一実施形態のウィンドウフィルムの断面図である。 いくつかの粒径の組み合わせ(小さな粒子の群/大きな粒子の群)について、小さな粒子の群と大きな粒子の群の質量比と充填率の間のシミュレーション結果を示すグラフである。 窓の屋外側に貼り付けた本開示の一実施形態のウィンドウフィルム、および窓の室内側に貼り付けた従来のウィンドウフィルムと、太陽からの紫外線を示す模式図である。 実施例で用いたスチールウール摩耗抵抗試験装置の模式図である。 実施例で用いた砂落とし摩耗抵抗試験装置の模式図である。
以下、本発明の代表的な実施形態を例示する目的でより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
本開示において、「(メタ)アクリル」とは「アクリルまたはメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレートまたはメタクリレート」を意味する。
本開示の一実施形態に係るウィンドウフィルム10の断面図を図1に示す。ウィンドウフィルム10は、第1の表面および第1の表面と反対側の第2の表面を有する基材層12、基材層12の第1の表面の上に配置された、ナノ粒子の混合物およびバインダーを含むハードコート層14、および基材層12の第2の表面の上に配置された接合層16を含む。
ハードコート層に含まれる代表的なバインダーとして、硬化性モノマーおよび/または硬化性オリゴマーを重合することで得られる樹脂、ゾルゲルガラスを重合することで得られる樹脂などが挙げられる。より具体的な樹脂の例として、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびポリビニルアルコールが挙げられる。さらに、硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーは、本技術分野において既知の硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーから選択することができ、2種以上の硬化性モノマーの混合物、2種以上の硬化性オリゴマーの混合物、または1または2種以上の硬化性モノマーと1または2種以上の硬化性オリゴマーの混合物を使用してもよい。いくつかの実施形態では、樹脂として、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(例えば、サートマー社(Sartomer Company,Exton,PA)から商品名「SR399」として入手可能)、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネート(IPDI)(例えば、日本化薬株式会社(日本、東京)から商品名「UX−5000」として入手可能)、ウレタンアクリレート(例えば、日本合成化学工業株式会社(日本、大阪)から商品名「UV1700B」および商品名「UB6300B」として入手可能)、トリメチルヒドロキシルジイソシアネート/ヒドロキシエチルアクリレート(TMHDI/HEA、例えば、ダイセル・サイテック株式会社(日本、東京)から商品名「Ebecryl 4858」として入手可能)、ポリエチレンオキシド(PEO)改質ビス−Aジアクリレート(例えば、日本化薬株式会社(日本、東京)から商品名「R551」として入手可能)、PEO改質ビス−Aエポキシアクリレート(例えば、共栄社化学株式会社(日本、大阪)から商品名「3002M」として入手可能)、シラン系UV硬化性樹脂(例えば、ナガセケムテックス株式会社(日本、大阪)から商品名「SK501M」として入手可能)、および2−フェノキシエチルメタクリレート(例えば、サートマー社から商品名「SR340」として入手可能);およびこれらの混合物を用いて重合したものが挙げられる。例えば、約1.0質量%〜約20質量%の範囲の2−フェノキシエチルメタクリレートを使用することで、ポリカーボネートへの接着性の向上が観察されている。二官能性樹脂(例えば、PEO改質ビス−Aジアクリレート「R551」)およびトリメチルヒドロキシルジイソシアネート/ヒドロキシエチルアクリレート(TMHDI/HEA)(例えば、ダイセル・サイテック株式会社から商品名「Ebecryl 4858」として入手可能)を使用することで、ハードコートの硬度、耐衝撃性、および柔軟性が同時に向上することが観察されている。
ハードコート層のバインダーの量は、典型的には、ハードコート層の全質量の約5質量%〜約60質量%、いくつかの実施形態では、約10質量%〜約40質量%、または約15質量%〜約30質量%である。本開示によれば、バインダーの量が比較的少なくてもハードコート層を形成することができる。
必要に応じて、ハードコート層は他の硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーでさらに硬化されていてもよい。代表的な硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーとしては、(a)1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−へキサンジオールモノアクリレートモノメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、アルコキシ化脂肪族ジアクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン改質ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、カプロラクトン改質ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化(10)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化(30)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド改質トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートなどの(メタ)アクリル基を2つ有する化合物;(b)グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリアクリレート(例えば、エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化(20)トリメチロールプロパントリアクリレートなど)、ペンタエリスリトールトリアクリレート、プロポキシ化トリアクリレート(例えば、プロポキシ化(3)グリセリルトリアクリレート、プロポキシ化(5.5)グリセリルトリアクリレート、プロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレートなど)、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートなどの(メタ)アクリル基を3つ有する化合物;(c)ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エトキシ化(4)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン改質ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの(メタ)アクリル基を4つ以上有する化合物;(d)例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートなどのオリゴマー(メタ)アクリル化合物;上記のポリアクリルアミド類似体;およびこれらの組み合わせからなる群から選択される多官能性(メタ)アクリルモノマーおよび多官能性(メタ)アクリルオリゴマーが挙げられる。このような化合物は市販されており、少なくともいくつかは、例えば、サートマー社、UCB Chemicals Corporation(Smyrna,GA)、アルドリッチ社(Aldrich Chemical Company,Milwaukee,WI)などから入手可能である。他の有用な(メタ)アクリレートとしては、例えば米国特許第4262072号で報告されるようなヒダントイン部分含有ポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
好ましい硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーは、少なくとも3つの(メタ)アクリル基を含む。好ましい市販の硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーは、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)(商品名「SR351」)、ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(PETA)(商品名「SR444」および「SR295」)、およびジペンタエリスリトールペンタアクリレート(商品名「SR399」)などのサートマー社から入手可能なものが挙げられる。さらには、PETAと2−フェノキシエチルアクリレート(PEA)の混合物などの、多官能性(メタ)アクリレートと単官能性(メタ)アクリレートの混合物も使用することができる。
ハードコート層に含まれるナノ粒子の混合物は、ハードコート層の全質量の約40質量%〜約95質量%を構成し、いくつかの実施形態では、ハードコート層の全質量の約60質量%〜約90質量%、さらには約70質量%〜約85質量%を構成する。ナノ粒子の混合物は、約2nm〜約200nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子(以下、小さな粒子の群または第1のナノ粒子群ともいう)を約10質量%〜約50質量%、および約60nm〜約400nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子(以下、大きな粒子の群または第2のナノ粒子群ともいう)を約50質量%〜約90質量%含む。例えば、ナノ粒子の混合物は、平均粒径約2nm〜約200nmの第1のナノ粒子群および平均粒径約60nm〜約400nmの第2のナノ粒子群を約10:90〜約50:50の質量比で混合して得ることができる。
ナノ粒子の平均粒径は、本技術分野において一般的に用いられる技術を使用して、透過電子顕微鏡(TEM)で測定することができる。ナノ粒子の平均粒径の測定において、ゾル試料を、メッシュのレース状炭素(Ted Pella Inc.(Redding,CA)から入手可能)の上面に超薄炭素基材を有する400メッシュの銅TEM格子に滴下することで、TEM画像用のゾル試料を調製することができる。液滴の一部を、濾紙とともに格子の側部または底部に接触させることにより除去することができる。ゾルの溶媒の残りは加熱するかまたは室温で放置して除去することができる。これにより、超薄炭素基材上に粒子を残し、基材からの干渉を最小にして画像化することができる。次に、TEM画像を格子全域にわたる多くの位置で記録することができる。500〜1000個の粒子の粒径測定を可能にするのに十分な画像を記録する。次に、ナノ粒子の平均粒径を、各試料における粒径測定値に基づいて計算することができる。TEM画像は、300KVで動作する(LaB源使用)高分解能透過電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズより商品名「Hitachi H−9000」として入手可能)を使用して得ることができる。画像は、カメラ(例えば、Gatan,Inc.(Pleasanton,CA)から商品名「GATAN ULTRASCAN CCD」として入手可能:モデル番号895、2k×2kチップ)を使用して記録することができる。画像は5万倍および10万倍の倍率で撮ることができる。いくつかの試料において、画像は30万倍の倍率で撮ることができる。
典型的には、ナノ粒子は無機粒子である。無機粒子の例としては、アルミナ、酸化スズ、酸化アンチモン、シリカ(SiO、SiO)、ジルコニア、チタニア、フェライトなどの無機酸化物、これらの混合物、またはこれらの混合酸化物;金属バナジン酸塩、金属タングステン酸塩、金属リン酸塩、金属硝酸塩、金属硫酸塩、および金属カーバイドなどが挙げられる。無機酸化物ナノ粒子として、無機酸化物ゾルを使用することができる。例えば、シリカナノ粒子の場合、水ガラス(ケイ酸ナトリウム溶液)を出発原料として得られるシリカゾルを使用することができる。水ガラスから得られるシリカゾルは製造条件によっては非常に狭い粒径分布を有することから、このようなシリカゾルを用いると、ハードコート層におけるナノ粒子の充填率をより正確に制御して、所望の特性を有するハードコート層を得ることができる。
小さな粒子の群の平均粒径は、約2nm〜約200nmの範囲である。好ましくは、約2nm〜約150nm、約3nm〜約120nm、または約5nm〜約100nmである。大きな粒子の群の平均粒径は、約60nm〜約400nmの範囲である。好ましくは、約65nm〜約350nm、約70nm〜約300nm、または約75nm〜約200nmである。
ナノ粒子の混合物は、少なくとも2つの異なるナノ粒子の粒径分布を含む。ナノ粒子の混合物の粒径分布が、小さな粒子の群の平均粒径および大きな粒子の群の平均粒径をピークとする二峰性または多峰性を示してもよい。粒径分布以外にも、ナノ粒子は、(例えば、組成的に、表面改質されているか表面改質されていないなど)同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、約2nm〜約200nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径と、約60nm〜約400nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径の比は、2:1〜200:1の範囲であり、いくつかの実施形態では、2.5:1〜100:1、または2.5:1〜25:1の範囲である。好ましい平均粒径の組み合わせの例としては、5nm/190nm、5nm/75nm、20nm/190nm、5nm/20nm、20nm/75nm、75nm/190nm、または5nm/20nm/190nmの組み合わせが挙げられる。サイズが異なるナノ粒子の混合物を使用することで、大量のナノ粒子をハードコート層に充填して、ハードコート層の硬度を高めることができる。
また、例えば、ナノ粒子のタイプ、量、サイズ、および比率を選択することにより、透明性(ヘイズなど)および硬度を変化させることができる。いくつかの実施形態では、望ましい透明性および硬度を併せ持つハードコート層を得ることができる。
小さな粒子の群と大きな粒子の群との質量比(%)は、使用される粒径または使用される粒径の組み合わせに応じて選択することができる。好ましい質量比は、商品名「CALVOLD2」として入手できるソフトウェアを使用して、使用される粒径または使用される粒径の組み合わせに応じて選択することが可能であり、例えば、粒径の組み合わせ(小さな粒子の群/大きな粒子の群)に関する小さな粒子の群と大きな粒子の群の質量比と充填率の間のシミュレーションに基づいて選択することができる(”Verification of a Model for Estimating the Void Fraction in a Three−Component Randomly Packed Bed,” M.Suzuki and T.Oshima:Powder Technol.,43,147−153(1985)も参照のこと)。シミュレーション結果が図2に示されている。このシミュレーションによれば、5nm/190nmの組み合わせにおいて質量比(小さな粒子の群:大きな粒子の群)が約45:55〜約13:87または約40:60〜約15:85であり;5nm/75nmの組み合わせにおいて質量比が約45:55〜約10:90または35:65〜約15:85であり;20nm/190nmの組み合わせにおいて質量比が約45:55〜約10:90であり;5nm/20nmの組み合わせにおいて質量比が約50:50〜約20:80であり;20nm/75nmの組み合わせにおいて質量比が約50:50〜約22:78であり;75nm/190nmの組み合わせにおいて質量比が約50:50〜約27:73であることが好ましい。
いくつかの実施形態では、粒径およびナノ粒子の好ましい組み合わせを使用することで、ハードコート層に充填されるナノ粒子の量を増やすことができ、得られるハードコート層の透明性および硬度を調整することができる。
ハードコート層の厚さは、一般に、約80nm〜約30μm(いくつかの実施形態では、約200nm〜約20μm、または約1μm〜約10μm)の範囲であるが、これらの範囲を外れた厚さであっても有用に使用できる場合がある。異なるサイズのナノ粒子の混合物を使用することで、より厚みがあり、より硬度の高いハードコート層を得ることができる場合がある。
必要に応じて、表面処理剤を用いてナノ粒子の表面を改質してもよい。一般に、表面処理剤は、(共有結合、イオン結合、または強い物理吸着を介して)粒子表面に結合する第1の末端と、粒子に樹脂との相溶性を付与しおよび/または硬化中に樹脂と反応する第2の末端とを有する。表面処理剤の例としては、アルコール、アミン、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、シラン、およびチタネートが挙げられる。好ましいタイプの表面処理剤は、ナノ粒子表面の化学的性質によりある程度は決定される。シリカおよび他のケイ酸質フィラーをナノ粒子として用いる場合はシランが好ましい。金属酸化物においては、シランおよびカルボン酸が好ましい。表面改質は、硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーとの混合前、混合中、または混合後のいずれかで行うことができる。シランが用いられる場合、シランとナノ粒子表面との反応は、硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーと混合する前に行われるのが好ましい。表面処理剤の必要量は、ナノ粒子の粒径およびタイプ、表面処理剤の分子量およびタイプなどのいくつかの要因によって決まる。一般に、おおよそ一層の表面処理剤層が粒子の表面に付着するのが好ましい。必要とされる付着手順または反応条件もまた、使用する表面処理剤によって決まる。シランを用いる場合、酸性条件または塩基性条件下、高温で約1時間〜約24時間表面処理するのが好ましい。カルボン酸などの表面処理剤では、通常、高温や長時間を必要としない。
表面処理剤の代表例としては、例えば、イソオクチルトリメトキシシラン、ポリアルキレンオキシドアルコキシシラン(例えば、Momentive Specialty Chemicals,Inc.(Columbus,OH)から商品名「SILQUEST A1230」として入手可能)、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン(例えば、Alfa Aesar(Ward Hill,MA)から商品名「SILQUEST A174」として入手可能)、3−(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ(t−ブトキシ)シラン、ビニルトリ(イソブトキシ)シラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸、ドデカン酸、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(MEEAA)、β−カルボキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸、メトキシフェニル酢酸などの化合物およびこれらの混合物が挙げられる。
必要に応じて、ハードコート層のバインダーは、紫外線吸収剤、防汚剤、防曇剤、レベリング剤、紫外線反射剤、静電気防止剤など、または洗浄容易化機能を付加する他の薬剤などの既知の添加剤をさらに含んでもよい。
ある実施形態では、紫外線吸収剤がハードコート層のバインダーに含まれる。この実施形態のウィンドウフィルムを用いると、室内を紫外線から保護することができる。紫外線吸収剤は硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーと混合することができる。紫外線吸収剤として公知のものが使用でき、例えば、ベンゾフェノン系(例えば、BASF AGから商品名「Uvinul 3050」として入手可能)、ベンゾトリアゾール系(例えば、BASF AGから商品名「Tinuvin 928」として入手可能)、トリアジン系(例えば、BASF AGから商品名「Tinuvin 1577」として入手可能)、サリチレート系、ジフェニルアクリレート系、シアノアクリレート系などの紫外線吸収剤、およびヒンダードアミン光安定化剤(HALS)(例えば、BASF AGから商品名「Tinuvin 292」として入手可能)を使用することができる。公知の紫外線吸収剤とヒンダードアミン光安定化剤を組み合わせて使用することにより、それぞれ単独で使用したときと比べてハードコート層の紫外線吸収性をより高めることもできる。
紫外線吸収剤の添加量として、例えば、ナノ粒子、硬化性モノマーおよび硬化性オリゴマーの合計100質量部に対して約0.01質量部〜約20質量部(いくつかの実施形態では、約0.1質量部〜約15質量部、または約0.2質量部〜約10質量部)の範囲が挙げられる。ある実施形態では、ハードコート層に紫外線吸収剤を含むウィンドウフィルムは、3%未満の紫外線透過性を達成することができる。
この実施形態では、ハードコート層によって太陽光からの紫外線が遮断されるため、ウィンドウフィルムを窓の屋外側に貼り付けた場合、ウィンドウフィルムの基材層および接合層に加えて窓を紫外線の暴露による劣化・分解から保護することができる。そのため、この実施形態のウィンドウフィルムは、窓の屋外側に貼り付けて室内および窓を同時に長期間にわたって太陽の紫外線から保護することができる。また、本開示によれば、ハードコート層に含まれるバインダーの量が比較的少ないため、ある実施形態では、紫外線の暴露によるハードコート層自体の劣化・分解が生じにくい。
このことを図3を用いて説明する。従来のウィンドウフィルム100は、窓22の屋内側に貼り付けられ、室内を紫外線から保護する場合は紫外線吸収剤が接着層106に添加される。この場合、太陽24からの紫外線に窓22がさらされるだけではなく、接着層106も経時で劣化して接着力が低下する。一方、ハードコート層14が紫外線吸収剤を含む本開示の一実施形態のウィンドウフィルム10は、基材層12、接合層16および窓22を太陽24からの紫外線から保護するため、接合層の劣化による接着力の低下を抑制することができる。
ある実施形態では、防汚剤がハードコート層のバインダーに含まれる。防汚剤は、ハードコート層表面の洗浄容易性(例えば、指紋付着防止、防油、ほこり防止および/または防汚機能)を向上させることが観察されている。防汚剤として、フッ素化(メタ)アクリル化合物を使用することができる。フッ素化(メタ)アクリル化合物として、例えば、特開2008−538195号公報に記載されたような、HFPOウレタンアクリレートまたは改質HFPOが挙げられる。フッ素化(メタ)アクリル化合物は、ハードコート層のバインダーに、未反応のフッ素化(メタ)アクリル化合物として、硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーと反応した反応生成物として、またはそれらの組み合わせとして含まれる。防汚剤として、シリコーンポリエーテルアクリレート(例えば、Evonic Goldschmidt GmbH(Essen,Germany)から商品名「TEGORAD2250」として入手可能)を使用することもできる。
本開示において、HFPOとは、F(CF(CF)CFO)CF(CF)−(nは2〜15)で表されるペルフルオロエーテル部位、およびこのようなペルフルオロエーテル部位を含む化合物を意味する。
防汚剤は、多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物であることが好ましい。多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物は、複数の(メタ)アクリル基を有するため、架橋剤として硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーと反応することができる、あるいは複数の部位でバインダーに含まれる官能基と非共有結合的に相互作用することができる。その結果、防汚性の耐久性を高めることができる。多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物を防汚剤として用いると、ハードコート層表面の摩擦係数を下げて耐引っかき性も高めることができる場合もある。3以上の(メタ)アクリル基を有する多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物を用いると、防汚性の耐久性をより高めることができる。
多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物は、ペルフルオロエーテル基が優れた防汚性をハードコート層に付与することから、2以上の(メタ)アクリル基を有するペルフルオロエーテル化合物であることが好ましい。
2以上の(メタ)アクリル基を有するペルフルオロエーテル化合物として、例えば、特開2008−538195号公報、特開2008−527090号公報などに記載された多官能性ペルフルオロエーテル(メタ)アクリレートを用いることができる。そのような多官能性ペルフルオロエーテル(メタ)アクリレートとして、具体的には、
HFPO−C(O)N(H)CH(CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)N(H)C(CHCH)(CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NHC(CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)N(CHCHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NHCHCHN(C(O)CH=CH)CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NHCH(CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NHC(CH)(CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NHC(CHCH)(CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NHCHCH(OC(O)CH=CH)CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NHCHCHCHN(CHCHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)OCHC(CHOC(O)CH=CH
HFPO−C(O)NH(CHCHN(C(O)CH=CH))CHCHNC(O)−HFPO;
CH=CHC(O)OCHCH(OC(O)HFPO)CHOCHCH(OH)CHOCHCH(OC(O)HFPO)CHOCOCH=CH
HFPO−CHO−CHCH(OC(O)CH=CH)CHOC(O)CH=CH
などが挙げられる。
上記多官能性ペルフルオロポリエーテル(メタ)アクリレートは、例えば、HFPO−C(O)OCHなどのポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド)エステルまたはポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド)酸ハライド:HFPO−C(O)Fと、少なくとも3つのアルコールまたは一級もしくは二級アミノ基を含有する材料とを反応させ、HFPO−アミドポリオールまたはポリアミン、HFPO−エステルポリオールまたはポリアミン、HFPO−アミド、または混合アミンおよびアルコール基を有するHFPO−エステルを生成する第1工程、アルコール基および/またはアミン基を(メタ)アクリロイルハライド、(メタ)アクリル酸無水物、または(メタ)アクリル酸で(メタ)アクリル化する第2工程を経て合成することができる。あるいは、HFPO−C(O)N(H)CHCHCHN(H)CHとトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)との付加物などの、反応性ペルフルオロエーテルとポリ(メタ)アクリレートとのマイケル型付加反応を用いて合成することもできる。
多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物として、ペルフルオロエーテル部位が2価であり、その両末端に直接または他の基もしくは結合(エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合など)を介して(メタ)アクリル基が結合したものが好ましい。いかなる理論に拘束される訳ではないが、このような化合物はハードコート層により強固に結合して防汚性の耐久性を高めつつ、(メタ)アクリル基の間のペルフルオロエーテル部位がハードコート層表面に移行しその面内方向に配向しやすくなり、その結果、防汚性を十分に発現させることができると考えられる。
多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物はシロキサン単位を含むものであってもよい。ナノ粒子が無機酸化物である場合、シロキサン単位を含む多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物は、(メタ)アクリル基と硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーとの反応だけではなく、シロキサン結合とナノ粒子との相互作用によって、より強固にハードコート層に保持され、防汚性の耐久性をより高めることができると考えられる。ナノ粒子は、シロキサン結合と化学的に類似し親和性の高いシリカナノ粒子であることが好ましい。
シロキサン単位を含む多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物は、例えば、Si−H結合を3以上含む直鎖または環状のオリゴシロキサンまたはポリシロキサン(ハイドロジェンシロキサン)に、エチレン性不飽和基を1または2以上有するペルフルオロポリエーテル化合物をSi−H結合に対して1当量未満の量で白金触媒などの存在下で付加(ヒドロシリル化)させ、残存するSi−H結合に対して水酸基含有エチレン性不飽和化合物を同様に白金触媒などの存在下で付加(ヒドロシリル化)させ、その後水酸基とエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどを反応させることによって合成することができる。化学式から計算されるペルフルオロエーテル部位の部分分子量は500〜30000とすることができる。
フッ素化部位による防汚性を十分に発現させるため、シロキサン単位は、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシクロペンタシロキサンなどに由来する環状シロキサン単位であることが好ましい。環状シロキサン単位を構成するケイ素原子数は3〜7であることが好ましい。
シロキサン単位を含む多官能性フッ素化(メタ)アクリル化合物として、例えば、特開2010−285501号に記載された2以上の(メタ)アクリル基を有するペルフルオロポリエーテル化合物が挙げられる。例えば、同公報の式(19)および(21)の化合物は、2価のペルフルオロポリエーテル基:−CF(OCFCF(OCFOCF−(p/q=0.9、p+q≒45)の両末端にケイ素原子数4の環状シロキサンがそれぞれ結合し、それらの環状シロキサンにウレタン結合を介してアクリロイルオキシ基が3つずつ結合した構造を有しており、本開示のハードコート層に好適に用いることができる。
防汚剤の添加量として、例えば、ナノ粒子、硬化性モノマーおよび硬化性オリゴマーの合計100質量部に対して約0.01質量部〜約20質量部(いくつかの実施形態では、約0.1質量部〜約10質量部、または約0.2質量部〜約5質量部)の範囲が挙げられる。
ある実施形態では、防曇剤がハードコート層のバインダーに含まれる。この実施形態のウィンドウフィルムは、窓の屋内側に貼り付けて窓の結露を防止することができる。防曇剤は硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーと混合することができる。防曇剤として、アニオン性、カチオン性、非イオン性、または両性の界面活性剤が使用でき、例えば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンとアルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステルなどのソルビタン系界面活性剤;グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリンジステアレート、ジグリセリンモノパルミテート/モノステアレート、トリグリセリンモノステアレート、トリグリセリンジステアレート、またはこれらのアルキレンオキシド付加物などのグリセリン系界面活性剤;ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテルなどのポリエチレングリコール系界面活性剤;トリメチロールプロパンモノステアレートなどのトリメチロールプロパン系界面活性剤;ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレートなどのペンタエリスリトール系界面活性剤;アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物;ソルビタン/グリセリンの縮合物と脂肪酸とのエステル、ソルビタン/アルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステル;ジグリセリンジオレートナトリウムラウリルスルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、ドデシルアミン塩酸塩、ラウリン酸ラウリルアミドエチルリン酸塩、ヨウ化トリエチルセチルアンモニウム、オレイルアミノジエチルアミン塩酸塩、ドデシルピリジニウム塩など、およびそれらの異性体が挙げられる。防曇剤が硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーと反応する官能基を有してもよい。
防曇剤の添加量として、例えば、ナノ粒子、硬化性モノマーおよび硬化性オリゴマーの合計100質量部に対して約0.01質量部〜約20質量部(いくつかの実施形態では、約0.1質量部〜約15質量部、または約0.2質量部〜約10質量部)の範囲が挙げられる。
ハードコート層の形成に使用することができるハードコート前駆体は、上記ナノ粒子の混合物、硬化性モノマーおよび/または硬化性オリゴマー、反応開始剤、および必要に応じてメチルエチルケトン(MEK)または1−メトキシ−2−プロパノール(MP−OH)などの溶媒、紫外線吸収剤、防汚剤、防曇剤、レベリング剤、紫外線反射剤、静電気防止剤などの上述の添加剤を含む。ある実施形態のハードコート前駆体は、ナノ粒子の混合物およびバインダーを含み、ナノ粒子はナノ粒子およびバインダーの合計質量の40質量%〜95質量%を構成し、ナノ粒子の10質量%〜50質量%は2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有し、ナノ粒子の50質量%〜90質量%は60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有し、60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径と2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径の比が、2:1〜200:1の範囲である。
一般に本技術分野において既知であるように、ハードコート前駆体の特定の成分を組み合わせてハードコート前駆体を調製することができる。例えば、2つ以上の異なるサイズの改質または非改質ナノ粒子ゾルを、溶媒中で反応開始剤と一緒に硬化性モノマーおよび/または硬化性オリゴマーと混合し、溶媒を加えることで所望の固形分含量に調整して、ハードコート前駆体を調製することができる。反応開始剤として、例えば本技術分野で既知の光開始剤または熱重合開始剤を用いることができる。使用する硬化性モノマーおよび/または硬化性オリゴマーによっては、溶媒を使用しなくてもよい。
表面改質ナノ粒子を用いる場合、ハードコート前駆体は、例えば、以下のように調製することができる。容器中(例えば、ガラス瓶中)で阻害剤および表面改質剤を溶媒に加え、得られた混合物をナノ粒子が分散している水溶液に加え、続けて撹拌する。容器を密封し、例えば高温(例えば80℃)で数時間(例えば16時間)、オーブン中に置く。次に、例えば、高温(例えば、60℃)においてロータリーエバポレーターを使用して、溶液から水を取り除く。溶媒を溶液に投入し、次に蒸発させることで残った水を溶液から取り除く。後半のステップを数回繰り返すのが好ましい場合がある。溶媒量を調整することで、所望の濃度(質量%)にナノ粒子の濃度を調整することができる。
ハードコート前駆体(溶液)を基材層の表面に適用する技術は本技術分野で既知であり、例えば、バーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、キャピラリーコーティング、スプレーコーティング、グラビアコーティング、およびスクリーン印刷などが挙げられる。コーティングされたハードコート前駆体は、必要に応じて乾燥し、紫外線または電子線を用いた光重合法または熱重合法などの本技術分野で既知の重合法で硬化することができる。このようにして基材層の上にハードコート層を形成することができる。
本開示のウィンドウフィルムの基材層として使用できる基材として、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)など)、ポリ(メタ)アクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)など)、ポリ塩化ビニルなどの透明フィルムが挙げられる。本開示において「透明」とは可視光領域(380nm〜780nm)の全光線透過率が90%以上であることを意味する。
基材層の厚さは、約5μm〜約500μm(いくつかの実施形態では、約10μm〜約200μm、または約25μm〜約100μm)の範囲であるが、これらの範囲を外れた厚さであっても有用に使用できる場合がある。
いくつかの実施形態では、ハードコート層と基材層の密着性を向上させるため、基材層の表面をプライマー処理するか、基材層の表面上にプライマー層が配置される。特に基材層がポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの難接着性のフィルムである場合、プライマー処理またはプライマー層は特に有効である。
プライマー処理は本技術分野で既知であり、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、火炎処理、電子線照射、粗面化、オゾン処理、クロム酸または硫酸を用いた化学酸化処理などの表面処理が挙げられる。
プライマー層の材料として、例えば、(メタ)アクリル樹脂((メタ)アクリレートの単独重合体、または2種以上の(メタ)アクリレートの共重合体もしくは(メタ)アクリレートと他の重合性モノマーの共重合体)、ウレタン樹脂(例えば、ポリオールとイソシアネート硬化剤とからなる2液硬化型ウレタン樹脂)、(メタ)アクリル−ウレタン共重合体(例えば、アクリル−ウレタンブロック共重合体)、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどの塩素化ポリオレフィンおよびそれらの共重合体および誘導体(例えば、塩素化エチレン−プロピレン共重合体、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル変性塩素化ポリプロピレン、無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン、ウレタン変性塩素化ポリプロピレン)などが挙げられる。基材層がポリプロピレンフィルムの場合、プライマー層が塩素化ポリプロピレンまたは変性塩素化ポリピロピレンを含むことが有利である。
プライマー層は、上記樹脂を溶媒に溶解したプライマー溶液を、本技術分野で既知の方法で塗布し、乾燥して形成することができる。プライマー層の厚さは、一般に約0.1μm〜約20μm(いくつかの実施形態では、約0.5μm〜約5μm)の範囲である。
ウィンドウフィルムを太陽光コントロールフィルムとする場合、基材層として、交互に積層された2種類の異なる材料層を含む多層光学フィルム(以下、MOFともいう)、金属薄膜積層フィルムなどが使用できる。
多層光学フィルムとして、例えば、米国特許第3610724号、同第3711176号、同第4446305号、同第4540623号、同第5448404号、同第5882774号、同第6045894号、同第6531230号、国際公開第99/39224号、米国特許出願公開第2001/0022982号などに記載されているものを使用できる。
多層光学フィルムは、交互に積層された2種類の異なるポリマー層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、交互に積層されたポリマー層の少なくとも1種が複屈折性を有する。いくつかの実施形態では、交互に積層されたポリマー層の一方が複屈折性を有し、もう一方のポリマー層が等方性を有する。ある実施形態では、多層光学フィルムは、第1のポリマー、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンテレフタレートのコポリマー(coPET)と、第2のポリマー、例えばポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)またはポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)のコポリマー(coPMMA)の層を交互に積層することによって形成することができる。別の実施形態では、多層光学フィルムは、第1のポリマー、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)と、第2のポリマー、例えばポリ(メチルメタクリレート−エチルアクリレート)コポリマーの層を交互に積層することによって形成することができる。別の実施形態では、多層光学フィルムは、第1のポリマー、例えばグリコール化ポリエチレンテレフタレートまたはグリコール化ポリエチレンテレフタレートのコポリマー(coPETG)と、第2のポリマー、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリエチレンナフタレートのコポリマー(coPEN)の層を交互に積層することによって形成することができる。別の実施形態では、多層光学フィルムは、第1のポリマー、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリエチレンナフタレートのコポリマー(coPEN)と、第2のポリマー、例えばポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)またはポリ(メチルメタクリレート)のコポリマー(coPMMA)の層を交互に積層することによって形成することができる。ポリマー層の有用な組み合わせは、例えば、米国特許第6352761号に記載されている。
金属薄膜積層フィルムとして、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)など)、ポリ(メタ)アクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)など)、ポリ塩化ビニルなどのフィルムに金属薄膜層を積層したものが使用できる。金属薄膜層は、アルミニウム、銀、銅、金、ニッケル、ステンレス鋼などの材料を含んでよく、これらの材料を薄く圧延した箔をフィルムに積層するか、これらの材料を真空蒸着、イオン化蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどによってフィルムの表面に堆積することによって形成することができる。赤外線反射率が高いアルミニウム、銀、または銅を含む金属薄膜を用いることが好ましく、安価であるためアルミニウムを用いることが有利である。
金属薄膜層の厚さは、太陽光スペクトルの可視光領域から赤外領域(380nm〜2500nmまたはそれ以上)のうち目的とする波長域の光を反射するような厚さであればよく、一般に約10nm〜約300nm(いくつかの実施形態では、約20nm〜約200nm)の範囲である。
必要に応じて、基材層は、所望のパターンを有する印刷層、着色層、金属薄膜層などの装飾層をさらに含んでもよい。装飾層はウィンドウフィルムに意匠性を付与することができる。
本開示のウィンドウフィルムの接合層として、本技術分野で既知の、ゴム系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、およびシリコーン系の接着剤または感圧接着剤を使用することができる。耐候性に優れており、廃棄時に窓から比較的剥がし易いことから、アクリル感圧接着剤およびシリコーン感圧接着剤が好ましい。接着剤および感圧接着剤を基材層に直接塗布または押出して接合層を形成してもよく、剥離ライナーなどに塗布して形成した接合層を基材層に積層および転写してもよい。
接着剤または感圧接着剤を含む接合層の厚さは、一般に約1μm〜約100μm(いくつかの実施形態では、約5μm〜約75μm、または約10μm〜約50μm)の範囲である。接着剤または感圧接着剤が上述の紫外線吸収剤を含んでもよい。
良好な濡れ性および非常に低い接着力を有するシリコーンゴムの層を接合層として使用することにより、貼り付けが容易でかつ再配置性(一旦剥がして再度貼り付けることが可能な性質)に優れたウィンドウフィルムを得ることができる。このようなシリコーンゴム層として、特開2011−183742号に記載されたものを使用できる。
シリコーンゴム層は、例えば、反応性ポリジメチルシロキサンなどを含むシリコーン主剤、架橋剤、および硬化触媒の混合物を基材層に塗布し、硬化させることにより形成することができる。シリコーン主剤、架橋剤、および硬化触媒の組み合わせとして、例えば、(i)シリコーン主剤として末端水酸基含有ポリジメチルシロキサンおよび/またはポリジメチルシロキサンとポリジフェニルシロキサンの共重合体、架橋剤として多官能性アルコキシシラン型架橋剤、硬化触媒としてジブチルスズジラウレートなどを用いる縮合型(湿気硬化型)、(ii)シリコーン主剤としてビニル基含有ポリジメチルシロキサンおよび/またはポリジメチルシロキサンとポリジフェニルシロキサンの共重合体など、架橋剤としてSi−H含有シロキサン型架橋剤など、硬化触媒として白金触媒などを用いる付加型、(iii)シリコーン主剤として末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンおよび/またはポリジメチルシロキサンとポリジフェニルシロキサンの共重合体など、架橋剤としてポリイソシアネート基含有架橋剤など、触媒としてジブチルスズジラウレートなどを用いるシリコーンポリウレア型が挙げられる。
シリコーン主剤の重量平均分子量は、一般に、約5万〜約200万(いくつかの実施形態では、約10万〜約100万、または約30万〜約50万)の範囲である。シリコーン主剤と架橋剤の配合量は、硬化後のシリコーンゴム層のゲル分率が、約90%以上、約95%以上、または約98%以上となるように決定することができる。硬化触媒の使用量は、一般に、縮合型またはシリコーンポリウレア型の場合、シリコーン主剤の質量に対して、約0.0001質量%〜約3.0質量%(いくつかの実施形態では、約0.00015質量%〜約2.0質量%、または約0.001質量%〜約1.0質量%以下)の範囲であり、付加型の場合、シリコーン主剤の質量に対して、約1.0ppm〜約100ppm(いくつかの実施形態では、約2.0ppm〜約90ppm、または約5.0ppm〜約80ppm)の範囲である。
シリコーンゴム層の厚さは、ウィンドウフィルムが自重で窓から剥離しない程度であればよく、約2.0μm〜約30μm(いくつかの実施形態では、約3.0μm〜約25μm以下、または約5.0μm〜約20μm)の範囲である。
必要に応じて、ハードコート層および/または接合層の上に本技術分野で既知の剥離ライナーまたは保護ライナーを付与してもよい。剥離ライナーとして、紙またはポリマーフィルムにシリコーン処理などを行った本技術分野で既知のものが使用できる。ウィンドウフィルムがロールの形態で取り扱われる場合、ハードコート層の上に本技術分野で既知の剥離コーティングを設けてもよい。
JIS A5759(2008)によれば、2N/25mmを超える接着力を示すウィンドウフィルムは、太陽光コントロールフィルムとして使用でき、4N/25mmを超える接着力を示すウィンドウフィルムは、ガラス飛散防止フィルムとして使用でき、8N/25mmを超える接着力を示すウィンドウフィルムは、ガラス貫通防止フィルムとして使用できる。接着力は上記接着剤もしくは感圧接着剤またはシリコーンゴムの種類、厚さなどによって調節できる。接合層としてシリコーン層を含むウィンドウフィルムは接着力が比較的低いため、一般に太陽光コントロールフィルムとして使用することができる。
以下の実施例において、本開示の具体的な実施形態を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。部およびパーセントは全て、特に明記しない限り質量による。
<評価方法>
本開示のウィンドウフィルムの特性を以下の方法にしたがって評価した。
1.鉛筆硬度
JIS K5600−5−4(1999)に準拠して、750gのおもりを使用してウィンドウフィルムのハードコート層の鉛筆硬度を決定した。
2.接触角
接触角メーター(協和界面科学株式会社から製品名「DROPMASTER FACE」として入手)を使用し、Sessile Drop法により、ウィンドウフィルムのハードコート層表面の水接触角を測定した。静的測定について液滴の体積を4μLとした。5回測定した平均から水接触角の値を計算した。水接触角が100度を超える表面は、ほこりなどの付着を防止できる。
3.光学特性
各ウィンドウフィルムをフロートガラス(50mm×50mm×3.0mm、太佑機材株式会社より入手)に接着した。光学特性は、JIS A5759(2008)に準拠して、分光光度計U−4100(株式会社日立ハイテクノロジーズより入手)を使用して測定した。試料のガラス側から光を入射させた。可視光(380〜780nm)の透過率、太陽光(300〜2500nm)の透過率および反射率、ならびに紫外線(UV)(300〜380nm)の透過率を測定した。太陽光の透過率が87%未満であり、紫外光の透過率が3%未満であるウィンドウフィルムは、太陽光コントロールフィルムとして有用である。
4.スチールウール摩耗抵抗試験
ウィンドウフィルムの耐引っかき性の一つを、スチールウール摩耗抵抗試験後のヘーズおよび全光線透過率の変化によって評価した。スチールウール摩耗抵抗試験では、32mm角の#0000スチールウールを使用し、1kgの荷重、85mmのストローク、60サイクル/分の速さで、ウィンドウフィルムのハードコート層表面を200回(サイクル)研磨する。図4にスチールウール摩耗抵抗試験装置60(ラビングテスターIMC−157C、株式会社井元製作所より入手)の模式図を示す。ここでは、ステージ61の上に試料10を固定し、スタイラス62を介しておもり63の荷重をスチールウール64に与え、ステージ61を往復させることによって試料の表面を研磨する。スチールウール摩耗抵抗試験は、拭き取りおよび洗浄のときの引っかきを模擬している。試料のヘーズおよび全光線透過率は、JIS K 7136(2000)およびJIS K 7361−1(1997)にそれぞれ準拠して、ヘーズメーターNDH−5000W(日本電色工業株式会社より入手)を使用して測定した。
5.砂落とし摩耗抵抗試験
ウィンドウフィルムの耐引っかき性の一つを、JIS T 8147(2003)に準拠した砂落とし摩耗抵抗試験後のヘーズおよび全光線透過率の変化によって評価した。図5にJIS T 8147(2003)に準拠した砂落とし摩耗抵抗試験装置70の模式図を示す。ホッパー71にJIS R 6111に規定する黒色炭化ケイ素研削材C#80を入れ、635mmの高さからガイドパイプ72を通して研削材受け73の中の試料保持台75に固定した試料の表面に研削材を落下させる。研削材を落下させている間、遮蔽板74で保護された電気モーター76およびベルト77によって試料保持台75を回転させることにより、試料を回転させる。図5の数値はミリメートルで表した装置各部の寸法である。研削材の落下量は80g/分、合計で400gとした。試料のヘーズおよび全光線透過率は、JIS K 7136(2000)およびJIS K 7361−1(1997)にそれぞれ準拠して、ヘーズメーターNDH−5000W(日本電色工業株式会社より入手)を使用して測定した。
6.接着力試験
25mm幅のウィンドウフィルムを2.0kgのローラーを用いて各基材に接着して、25℃、剥離角度180度、剥離速度300mm/分で接着力を測定した。再配置性ウィンドウフィルムとして評価する場合(例7〜10および比較例4)、100mm幅のウィンドウフィルムを2.0kgのローラーを用いて各基材に貼り付けて、25℃、剥離角度90度、剥離速度300mm/分で接着力を測定した。
本実施例で使用した試薬、原料などを以下の表1に示す。
Figure 2014030910
Figure 2014030910
<表面改質シリカゾル(ゾル1)の調製>
表面改質されたシリカゾル(「ゾル1」)を以下のように調製した。5.95gのSILQUEST A174および0.5gのPROSTABを、400gのNALCO 2329および450gの1−メトキシ−2−プロパノールの混合物にガラス瓶の中で加え、10分間室温で撹拌した。ガラス瓶を密封し、80℃のオーブン内に16時間置いた。得られた溶液から、60℃で溶液の固形分が45質量%近くになるまでロータリーエバポレーターで水を除去した。得られた溶液に200gの1−メトキシ−2−プロパノールを入れ、次に、ロータリーエバポレーターを60℃で使用して残りの水を除去した。後半のステップを2回繰り返して溶液からさらに水を取り除いた。最後に、1−メトキシ−2−プロパノールを加えることで全SiOナノ粒子の濃度を45質量%に調整して、75nmの平均粒径を有する表面改質SiOナノ粒子を含有するSiOゾル(以下、ゾル1という。)を得た。
<表面改質シリカゾル(ゾル2)の調製>
表面改質されたシリカゾル(「ゾル2」)を以下のように調製した。400gのNALCO 2327、25.25gのSILQUEST A174および0.5gのPROSTABを使用した以外は、ゾル1と同様の方法で改質して、20nmの平均粒径を有する表面改質SiOナノ粒子を45質量%含有するSiOゾル(以下、ゾル2という。)を得た。
<ハードコート前駆体(HC−1およびHC−2)の調製>
108.33gのゾル1、58.33gのゾル2、23.75gのKayarad UX−5000、および1.25gのSR340を混合した。光重合開始剤として1.00gのIrgacure 2959、およびレベリング剤として0.01gのBYK−UV3500を混合物に添加した。次に、1−メトキシ−2−プロパノールを加えて固形分が48質量%になるように調整してハードコート前駆体HC−1を用意した。
ウレタンアクリレートオリゴマーとして、Kayarad UX−5000の代わりにEbecryl 4858を用いて、HC−1と同様にハードコート前駆体HC−2を用意した。
<紫外線吸収性ハードコート前駆体(HC−3)の調製>
108.33gのゾル1、58.33gのゾル2、および23.75gのKayarad UX−5000を混合した。光重合開始剤として1.50gのIrgacure 127、紫外線吸収剤(UVA)として4.00gのUvinul 3050および2.00gのTinuvin 292、およびレベリング剤として0.01gのBYK−UV3500を混合物に添加した。次に、1−メトキシ−2−プロパノールを加えて固形分が48質量%になるように調整して紫外線吸収性ハードコート前駆体HC−3を用意した。
<防汚性ハードコート前駆体(HC−4およびHC−5)の調製>
108.33gのゾル1、58.33gのゾル2、23.75gのKayarad UX−5000、1.25gのSR340を混合した。光重合開始剤として1.50gのIrgacure 127、紫外線吸収剤として4.00gのUvinul 3050および2.00gのTinuvin 292、レベリング剤として0.01gのBYK−UV3500、および防汚剤として2.50gのKY−1203を混合物に添加した。次に、1−メトキシ−2−プロパノールを加えて固形分が48質量%になるように調整して防汚性ハードコート前駆体HC−4を用意した。
ウレタンアクリレートオリゴマーとして、Kayarad UX−5000の代わりにEbecryl 4858を用いて、HC−4と同様に防汚性ハードコート前駆体HC−5を用意した。
HC−1からHC−5の組成を表2に示す。
Figure 2014030910
<アクリル感圧接着剤(PSA)層(AD−1)の調製>
90.00gのイソアミルアクリレート(ライトアクリレート IAA)、10.00gのアクリル酸、溶媒として150.00gの酢酸エチル、および重合開始剤として0.20gのV−65を混合し、50℃で24時間反応させて、アクリル感圧接着剤の酢酸エチル溶液(PSA溶液)を得た。架橋剤として0.80gのエポキシ化合物E−5XMを100.00gの上記PSA溶液に添加した。得られた溶液を38μm厚の剥離処理ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社から商品名「Purex A71」として入手)に塗布し、100℃で10分間乾燥して、25μm厚のアクリルPSA層(AD−1)を得た。
<アクリル感圧接着剤(PSA)層(AD−2)の調製>
85.00gのn−ブチルアクリレート、15.00gのN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、1.00gのアクリル酸、および溶媒として233.33gの酢酸エチル、および重合開始剤として0.20gのV−65を混合し、50℃で24時間反応させて、アクリル共重合体の酢酸エチル溶液(アクリル共重合体溶液A)を得た。40.00gのメチルメタクリレート(アクリエステル M)、54.00gのn−ブチルメタクリレート(アクリエステル B)、6.00gのメタクリル酸、溶媒として150.00gの酢酸エチル、および重合開始剤として0.60gのV−601を混合し、65℃で24時間反応させてアクリル共重合体の酢酸エチル溶液(アクリル共重合体溶液B)を得た。
100.00gのアクリル共重合体溶液A、14.34gのアクリル共重合体溶液B、38.60gの酢酸エチル、および架橋剤として1.53gのエポキシ化合物E−5XMを混合し、得られた溶液を38μm厚の剥離処理ポリエステルフィルムPurex A71に塗布し、100℃で10分間乾燥して、15μm厚のアクリルPSA層(AD−2)を得た。
<例1および2、ならびに比較例1>
アクリルPSA層AD−1を、50μm厚のMOF(ポリエステル/ポリメチルメタクリレート(PET/PMMA)の多層光学フィルム、3M Companyより入手)に積層した。ハードコート前駆体HC−1を、メイヤーロッド#16を用いてアクリルPSA層とは反対側のMOF表面に塗布し、60℃で5分間乾燥した。次に、Fusion UV System Inc.のH−バルブ(DRSモデル)を用いて、照射量900mJ/cmで紫外線(UV−A)を塗布面に照射した。ハードコート層の厚さは9μmであった。このようにして、例1のハードコート処理ウィンドウフィルムを作製した。
例1と同様に、AD−1を積層したMOFにハードコート前駆体HC−4を塗布し、紫外線照射によってハードコート前駆体HC−4を硬化した。このようにして、例2のハードコート処理ウィンドウフィルムを作製した。
各ウィンドウフィルムをフロートガラス(53mm×100mm×3.0mm、太佑機材株式会社より入手)に、2.0kgのローラーを用いて接着し、上記試験方法によって評価した。また、比較例1として、ハードコート処理を行わずに、MOFにAD−1を積層することで得られたウィンドウフィルムを、フロートガラスに2.0kgのローラーを用いて接着して同様に評価した。結果を表3に示す。
Figure 2014030910
ハードコート層をもたないウィンドウフィルム(比較例1)を貼り付けたガラスの初期のヘーズおよび全光線透過率はそれぞれ2.2%および90.8%であった。スチールウール摩耗抵抗試験後、ヘーズは5.5%に増加したが全光線透過率は約90%を維持した。ヘーズが15%未満の試料は目視検査で変化を確認することが難しかった。砂落とし摩耗抵抗試験では、ヘーズは68.5%と大幅に増加し、全光線透過率は85%未満に減少した。引っかき傷は目視検査で顕著に観察された。
ハードコート処理ウィンドウフィルム(例1および2)については、初期のヘーズおよび全光線透過率はそれぞれ約0.5%および約90%であり比較例1と同等であった。しかしながら、スチールウール摩耗抵抗試験後のヘーズおよび全光線透過率のいずれも変化がなかった。砂落とし摩耗抵抗試験でもヘーズはわずかに増加(15%未満)したのみで、全光線透過率も約90%を維持した。引っかき傷は目視検査で確認することが難しかった。
ウィンドウフィルムをガラスに貼り付けたときに、ハードコート層をもたないウィンドウフィルムの鉛筆硬度は「5B」と非常に低かったのに対し、ハードコート処理ウィンドウフィルムの鉛筆硬度は「B」であり、本開示によれば耐引っかき性が大幅に改良された。
ハードコート層に防汚剤を含むウィンドウフィルム(例2)は、ハードコート層表面において耐引っかき性を損なうことなく100度を超える水接触角を示した。そのため、ハードコート層表面へのほこりなどの付着を防止することができる。
なお、全てのウィンドウフィルムはガラスに対して十分な接着力(25N/25mm以上)を示した。
<例3および4、ならびに比較例2>
アクリルPSA層AD−2を、75μm厚のポリエステルフィルム(PET75)(東レ株式会社より商品名「ルミラー 75U48」として入手)に積層した。ハードコート前駆体HC−3を、メイヤーロッド#16を用いてアクリルPSA層とは反対側のポリエステルフィルム表面に塗布し、60℃で5分間乾燥した。次に、Fusion UV System Inc.のH−バルブ(DRSモデル)を用いて、照射量900mJ/cmで紫外線(UV−A)を塗布面に照射した。ハードコート層の厚さは9μmであった。このようにして、例3のハードコート処理ウィンドウフィルムを作製した。
例3と同様に、AD−2を積層したPET75にハードコート前駆体HC−4を塗布し、紫外線照射によってハードコート前駆体HC−4を硬化した。このようにして、例4のハードコート処理ウィンドウフィルムを作製した。
各ウィンドウフィルムをフロートガラス(53mm×100mm×3.0mm、太佑機材株式会社より入手)に、2.0kgのローラーを用いて接着し、上記試験方法によって評価した。例4については、ポリカーボネート(PC)板(53mm×100mm×1.0mm、NF2000、太佑機材株式会社より入手)に2.0kgのローラーを用いて接着した試料も評価した。また、比較例2として、ハードコート処理を行わずに、PET75にAD−2を積層することで得られたウィンドウフィルムを、フロートガラスおよびPC板に2.0kgのローラーを用いて接着して同様に評価した。結果を表4に示す。
Figure 2014030910
ハードコート層をもたないウィンドウフィルム(比較例2)を貼り付けたガラスおよびPC板の初期のヘーズおよび全光線透過率はそれぞれ約1.0%および約90%であった。スチールウール摩耗抵抗試験後、ヘーズは約13%に増加したが全光線透過率は約90%を維持した。砂落とし摩耗抵抗試験では、ヘーズは約65%以上と大幅に増加し、全光線透過率は約86%以下に減少した。引っかき傷は目視検査で顕著に観察された。
ハードコート処理ウィンドウフィルム(例3および4)については、初期のヘーズおよび全光線透過率はそれぞれ約0.5%および約90%であり比較例2と同等であった。しかしながら、スチールウール摩耗抵抗試験後のヘーズおよび全光線透過率のいずれも変化はなかった。砂落とし摩耗抵抗試験でもヘーズはわずかに増加(15%未満)したのみで、全光線透過率も約90%を維持した。引っかき傷は目視検査で確認することが難しかった。
ウィンドウフィルムをガラスに貼り付けたときに、ハードコート層をもたないウィンドウフィルムの鉛筆硬度は「F」であったのに対し、ハードコート処理ウィンドウフィルムの鉛筆硬度は「H」以上であった。また、ウィンドウフィルムをPC板に貼り付けたときに、ハードコート層をもたないウィンドウフィルムの鉛筆硬度は「5B」と非常に低かったのに対し、ハードコート処理ウィンドウフィルムの鉛筆硬度は「2B」以上であった。このように、本開示によれば耐引っかき性が大幅に改良された。
ハードコート層に防汚剤を含むウィンドウフィルム(例4)は、ハードコート層表面において耐引っかき性を損なうことなく100度を超える水接触角を示した。そのため、ハードコート層表面へのほこりなどの付着を防止することができる。
なお、全てのウィンドウフィルムは、ガラスおよびPC板の両方に対して、ガラス飛散防止フィルムとして使用するのに十分な接着力(10N/25mm以上)を示した。
<例5および6、ならびに比較例3>
アクリルPSA層AD−1を、50μm厚のシクロオレフィンポリマーフィルム(ZF14−050)(日本ゼオン株式会社より商品名「ゼオノアフィルム ZF14−050」として入手)に積層した。ハードコート前駆体HC−4を、メイヤーロッド#16を用いてアクリルPSA層とは反対側のシクロオレフィンポリマーフィルム表面に塗布し、60℃で5分間乾燥した。次に、Fusion UV System Inc.のH−バルブ(DRSモデル)を用いて、照射量900mJ/cmで紫外線(UV−A)を塗布面に照射した。ハードコート層の厚さは9μmであった。このようにして、例5のハードコート処理ウィンドウフィルムを作製した。
例5と同様に、AD−1を積層したZF14−050にハードコート前駆体HC−5を塗布し、紫外線照射によってハードコート前駆体HC−4を硬化した。このようにして、例6のハードコート処理ウィンドウフィルムを作製した。
各ウィンドウフィルムをポリカーボネート(PC)板(53mm×100mm×1.0mm、NF2000、太佑機材株式会社より入手)に、2.0kgのローラーを用いて接着し、上記試験方法によって評価した。また、比較例3として、ハードコート処理を行わずに、ZF14−050にAD−1を積層することで得られたウィンドウフィルムを、PC板に2.0kgのローラーを用いて接着して、同様に評価した。結果を表5に示す。
Figure 2014030910
ハードコート層をもたないウィンドウフィルム(比較例3)を貼り付けたPC板の初期のヘーズおよび全光線透過率はそれぞれ0.3%および86.9%であった。スチールウール摩耗抵抗試験後、ヘーズは26.0%と大幅に増加したが全光線透過率は約90%を維持した。砂落とし摩耗抵抗試験では、ヘーズは60%以上と大幅に増加し、全光線透過率は85%未満に減少した。引っかき傷は目視検査で顕著に観察された。
ハードコート処理ウィンドウフィルム(例5および6)については、初期のヘーズおよび全光線透過率はそれぞれ約0.6%および約90%であり比較例3と同等であった。しかしながら、スチールウール摩耗抵抗試験後および砂落とし摩耗抵抗試験後のヘーズは15%未満を維持し全光線透過率も約90%を維持した。引っかき傷は目視検査で確認することが難しかった。
ウィンドウフィルムをPC板に貼り付けたときに、ハードコート層をもたないウィンドウフィルムの鉛筆硬度は「6B」と非常に低かったのに対し、ハードコート処理ウィンドウフィルムの鉛筆硬度は「3B」であり、本開示によれば耐引っかき性が大幅に改良された。
ハードコート層に防汚剤を含むウィンドウフィルム(例5および6)は、ハードコート層表面において耐引っかき性を損なうことなく100度を超える水接触角を示した。そのため、ハードコート層表面へのほこりなどの付着を防止することができる。
なお、例5および6のウィンドウフィルムはPC板に対して十分な接着力(10N/25mm以上)を示した。
<例7−10および比較例4>
ハードコート前駆体HC−1を、50μm厚のアルミニウム蒸着被覆ポリエステルフィルム(尾池工業株式会社より商品名「テトライト」として入手)に、メイヤーロッド#16を用いて塗布し、60℃で5分間乾燥した。次に、Fusion UV System Inc.のH−バルブ(DRSモデル)を用いて、照射量900mJ/cmで紫外線(UV−A)を塗布面に照射した。ハードコート層の厚さは9μmであった。
100gのKS−847Tシリコーンゴム溶液に、100gの酢酸エチルおよびシリコーン硬化触媒として0.3gのCAT−PT−50Lを混合した。シリコーンゴム溶液をテトライトのハードコート処理面とは反対側の表面に塗布し、100℃で10分乾燥した。シリコーンゴム層の厚さは7μmであった。このようにして、優れた再配置性を有する例7のハードコート処理ウィンドウフィルムを作製した。
例7と同様に、テトライトにハードコート前駆体HC−2、HC−4またはHC−5のいずれかを塗布し、紫外線照射によってこれらのハードコート前駆体を硬化し、7μm厚のシリコーンゴム層をテトライトのハードコート処理面とは反対側の表面に形成して、優れた再配置性を有する例8−10のハードコート処理ウィンドウフィルムを作製した。
各ウィンドウフィルムをフロートガラス(53mm×100mm×3.0mm、太佑機材株式会社より入手)に、2.0kgのローラーを用いて接着し、上記試験方法によって評価した。また、比較例4として、ハードコート処理を行わずに、テトライトに7μm厚のシリコーンゴム層を形成することで得られたウィンドウフィルムを、フロートガラスに2.0kgのローラーを用いて接着して、同様に評価した。結果を表6に示す。
Figure 2014030910
ハードコート層をもたないウィンドウフィルム(比較例4)を貼り付けたガラスの初期のヘーズおよび全光線透過率はそれぞれ1.2%および59.6%であった。スチールウール摩耗抵抗試験後、ヘーズは12.8%に増加したが全光線透過率は変化しなかった。しかし、砂落とし摩耗抵抗試験では、ヘーズは73.7%と大幅に増加した。引っかき傷は目視検査で顕著に観察された。
ハードコート処理ウィンドウフィルム(例7−10)については、初期のヘーズおよび全光線透過率はそれぞれ約1.0%および約60%であった。スチールウール摩耗抵抗試験後のヘーズおよび全光線透過率のいずれも変化がなかった。砂落とし摩耗抵抗試験でもヘーズはわずかに増加(15%未満)したのみで、全光線透過率も約60%を維持した。引っかき傷は目視検査で確認することが難しかった。このように、本開示によれば耐引っかき性が大幅に改良された。
ハードコート層に防汚剤を含むウィンドウフィルム(例9および10)は、ハードコート層表面において耐引っかき性を損なうことなく100度を超える水接触角を示した。そのため、ハードコート層表面へのほこりなどの付着を防止することができる。
全てのウィンドウフィルムはガラスに対して非常に低い接着力(0.1N/25mm未満)を示したが、ウィンドウフィルムのシリコーンゴム層はガラス表面に対して濡れ性が良好であるため、シリコーンゴム層とガラス表面の間に気泡を残さずにウィンドウフィルムをガラスに貼り付けることができる。このような特性は貼り付けが容易でかつ再配置性にも優れた太陽光コントロールフィルムに有用であり、このような太陽光コントロールフィルムは新たな用途を提供する。
例1−10および比較例1−4のウィンドウフィルムの光学特性を表7に示す。
Figure 2014030910
太陽光の透過率はウィンドウフィルムの基材層によって異なるが、基材層として、MOF(例1および2)を含むものは70%未満、PETまたはシクロオレフィンポリマーを含むもの(例3−6)は80%前後、アルミニウム蒸着被覆フィルムを含むもの(例7−10)は50%未満であった。ハードコート層に紫外線吸収剤を添加したもの(例2−6、9および10)では紫外線の透過率が3%未満であった。
10 ウィンドウフィルム
12 基材層
14 ハードコート層
16 接合層
22 窓
24 太陽
60 スチールウール摩耗抵抗試験装置
61 ステージ
62 スタイラス
63 おもり
64 スチールウール
70 砂落とし摩耗抵抗試験装置
71 ホッパー
72 ガイドパイプ
73 研削材受け
74 遮蔽板
75 試料保持台
76 電気モーター
77 ベルト
100 ウィンドウフィルム
102 基材層
106 接着層

Claims (13)

  1. 第1の表面および前記第1の表面と反対側の第2の表面を有する基材層、
    前記基材層の第1の表面の上に配置されたハードコート層、および
    前記基材層の第2の表面の上に配置された接合層
    を含むウィンドウフィルムであって、前記ハードコート層がナノ粒子の混合物およびバインダーを含み、
    前記ナノ粒子は前記ハードコート層の全質量の40質量%〜95質量%を構成し、
    前記ナノ粒子の10質量%〜50質量%は2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有し、前記ナノ粒子の50質量%〜90質量%は60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有し、60nm〜400nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径と2nm〜200nmの範囲の平均粒径を有するナノ粒子の平均粒径の比が、2:1〜200:1の範囲である、ウィンドウフィルム。
  2. 前記ナノ粒子が表面改質ナノ粒子である、請求項1に記載のウィンドウフィルム。
  3. 前記バインダーが紫外線吸収剤をさらに含む、請求項1または2のいずれかに記載のウィンドウフィルム。
  4. 前記バインダーがフッ素化(メタ)アクリル化合物、その反応生成物、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のウィンドウフィルム。
  5. 前記フッ素化(メタ)アクリル化合物が、2以上の(メタ)アクリル基を有するペルフルオロエーテル化合物である、請求項4に記載のウィンドウフィルム。
  6. 前記バインダーが防曇剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のウィンドウフィルム。
  7. 前記基材層が、交互に積層された2種類の異なる材料層を含む多層光学フィルムである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のウィンドウフィルム。
  8. 前記基材層が金属薄膜積層フィルムである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のウィンドウフィルム。
  9. 前記ウィンドウフィルムが太陽光コントロールフィルムである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のウィンドウフィルム。
  10. 前記ウィンドウフィルムがガラス飛散防止フィルムである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のウィンドウフィルム。
  11. 前記ウィンドウフィルムがガラス貫通防止フィルムである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のウィンドウフィルム。
  12. 前記接合層がアクリル感圧接着剤またはシリコーン感圧接着剤を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のウィンドウフィルム。
  13. 前記接合層がシリコーンゴム層である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のウィンドウフィルム。
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