JP6176423B2 - 飛散防止フィルム、飛散防止フィルム付き3次元曲面ガラス - Google Patents
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Description
ために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されない。
・第1の発明は、光透過性を有する基材(11)及び粘着層(21)が積層され、厚み方向の最表層に配置された前記粘着層により透明部材に貼り付け可能な飛散防止フィルムであって、前記飛散防止フィルムは、層厚が100〜300μmであり、前記基材と前記粘着層との厚み比が100:10〜100:40であることを特徴とする飛散防止フィルムである。
・第2の発明は、光透過性を有する第1基材(11)及び第1粘着層(21)が積層された飛散防止フィルムであって、前記飛散防止フィルムは、総厚が100μm以上300μm以下であり、前記第1基材(11)と前記第1粘着層(21)との厚み比が100:10以上100:40以下であること、を特徴とする飛散防止フィルムである。
・第3の発明は、第2の発明の飛散防止フィルムであって、前記第1粘着層(21)は、JIS K6854−2に規定の180度剥離試験によるガラス板に対する剥離力が、20N/25mm幅以上30N/25mm幅以下であることを特徴とする飛散防止フィルムである。
・第4の発明は、第2の発明又は第3の発明の飛散防止フィルムであって、前記第1粘着層(21)の前記第1基材(11)とは反対側の面に、光透過性を有する第2基材(12)を有し、前記第2基材(12)の前記第1粘着層(21)とは反対側の面に、光透過性を有する第2粘着層(22)を有し、前記第1粘着層(21)は、JIS K6854−2に規定の180度剥離試験によるガラス板に対する剥離力が、前記第2粘着層(22)のJIS K6854−2に規定の180度剥離試験によるガラス板に対する剥離力以下であることを特徴とする飛散防止フィルム。
・第5の発明は、第2の発明から第4の発明までのいずれかの発明の飛散防止フィルムであって、前記第1基材(11)の前記第1粘着層(21)とは反対側の面側に、前記第1基材(11)よりも表面硬度の高いハードコート層(31)を有することを特徴とする飛散防止フィルムである。
・第6の発明は、第2の発明から第5の発明までのいずれかの発明の飛散防止フィルムであって、前記第1粘着層(21)の前記第1基材(11)とは反対側の面側に、セパレータフィルムを有することを特徴とする飛散防止フィルム。
・第7の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかの発明の飛散防止フィルムと、前記飛散防止フィルムの前記第1基材(11)とは反対側の面側の3次元曲面ガラスとを有することを特徴とする飛散防止フィルム付き3次元曲面ガラス。
以下、本発明に係る飛散防止フィルムを、自動車のサンルーフガラスに適用した実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
さらに、以下に説明する実施形態では、例えば、「飛散防止フィルム」を「フィルム」というように、部材の名称を適宜に簡略化して記載し、また符号を適宜に省略する。
さらにまた、本明細書では、飛散防止フィルムに用いられる基材および粘着層を、第1基材、第2基材、第1粘着層および第2粘着層と称して説明する場合がある。
図1は、第1実施形態におけるサンルーフガラス1の断面図である。図1及び図2〜図4では、粘着層にのみハッチングを付している。
図1に示すように、第1実施形態のサンルーフガラス1は、透明部材としてガラス本体2と、飛散防止フィルム10と、を備える。
第1基材11及び第1粘着層21は、光透過性を有する部材である。ここで、「光透過性を有する」とは、特段の断りがない限り、本発明の飛散防止フィルムを自動車のサンルーフ等の3次元曲面ガラスに用いた際に、車内からの視認を妨げない程度に光透過性を有することをいう。したがって、「光透過性を有する」とは、無色、および視認性を妨げない程度の有色を含み、また厳密な光透過率で定義されず、本発明の飛散防止フィルムを用いる自動車のサンルーフ等の3次元曲面ガラスの光透過性等に応じて適宜調整することができる。
第1基材11の厚みは、200μm以上であることが望ましいが、後述する実施例に示すように、第1粘着層21の剥離力を適宜に調整することにより、100μm程度とすることもできる。また、第1基材11の好ましい剛性は、ヤング率で700MPa以上3000MPa以下の範囲である。
具体的には、例えば、メタクリル酸エステルに由来する構造単位からなり、必要に応じてアクリル酸エステル及び/又は他の不飽和単量体に由来するアクリル系樹脂を適用することができる。ここで、メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル等のメタクリル酸のアルキルエステル類が挙げられる。また、アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル等が挙げられる。
したがって、本実施形態のように、飛散防止フィルム10の総厚を100μm以上300μm以下の範囲とし、第1基材11と第1粘着層21との厚み比を100:10以上100:40以下の範囲に設定することにより、衝突した小飛来物の耐貫通性を向上させることができる。
セパレータフィルムの厚みは、例えば、20μm以上100μm以下の範囲内とすることができる。セパレータフィルムの厚みが上記範囲内であることにより、ガラス本体へ貼り付ける側の露出した第1粘着層21にセパレータフィルムを貼り合せた後、容易に剥離することができる。
図2は、第2実施形態におけるサンルーフガラス1Aの断面図である。
なお、第2実施形態において、第1実施形態で説明した部材と機能的に同等の部材には、第1実施形態と同一の符号を付して、重複する説明を適宜に省略する。また、他の実施形態についても同様とする。
本実施形態の飛散防止フィルム10Aは、第1粘着層21とガラス本体2との間に、第2基材12及び第2粘着層22を備える。すなわち、本実施形態の飛散防止フィルム10Aは、厚み方向の最表層から順に、第1基材11、第1粘着層21、第2基材12、第2粘着層22が配置されている。ここで、第2基材12及び第2粘着層22としては、第1実施形態の第1基材11及び第1粘着層21と同じ材料を適用することができる。なお、第2基材12の好ましい剛性は、ヤング率で1400MPa以上6000MPa以下の範囲である。
また、本実施形態の飛散防止フィルム10Aにおいて、第1基材11と第2基材12との間に配置される第1粘着層21は、JIS K6854−2に規定の180度剥離試験によるガラス板に対する剥離力が、ガラス本体2と接する側に配置される第2粘着層22のJIS K6854−2に規定の180度剥離試験によるガラス板に対する剥離力以下となるように設定される。
なお、本実施形態のように、第1基材11及び第2基材12の複数の基材を備えた層構成の場合、第1粘着層21及び第2粘着層22の剥離力は、20N/25mm幅以下であってもよい。後述する実施例1、実施例3では、第1粘着層及び第2粘着層の剥離力を20N/25mm幅以下としているが、いずれも良好な結果が得られている。
図3は、第3実施形態におけるサンルーフガラス1Bの断面図である。
図3に示すように、本実施形態のサンルーフガラス1Bは、飛散防止フィルム10Bの厚み方向の最表層、すなわち、第1基材11の第1粘着層21とは反対側の面側にハードコート層31を有する点において、第1実施形態のサンルーフガラス1と相違する。その他の層構成は、第1実施形態のサンルーフガラス1と同じである。
図4は、第4実施形態におけるサンルーフガラス1Cの断面図である。
図4に示すように、本実施形態のサンルーフガラス1Cは、飛散防止フィルム10Cの厚み方向の最表層、すなわち、第1基材11の第1粘着層21とは反対側の面側にハードコート層31を備える点において、第2実施形態のサンルーフガラス1Aと相違する。その他の層構成は、第2実施形態のサンルーフガラス1Aと同じである。本実施形態においても、第3実施形態と同様の理由により、飛散防止フィルム10Cにおけるガラス破片の耐貫通性をより向上させることができる。
以下、本発明の飛散防止フィルム付き3次元曲面ガラスについて説明する。
3次元曲面ガラスの材料は、用途に応じて適宜選択することができ、例えば、3次元曲面ガラスが自動車のサンルーフ等である場合には、一般的な自動車の窓材に用いられる材料を用いることができる。したがって、3次元曲面ガラスの具体的な材料についての記載は省略する。
3次元曲面ガラスの厚みは、本発明の3次元曲面ガラスの用途等に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。例えば、3次元曲面ガラスが自動車のサンルーフ等である場合には、一般的な自動車のサンルーフ等と同様の厚みとすることができるため、ここでの記載は省略する。
本実施例では、上記実施形態による飛散防止フィルムに小飛来物が衝突した際の耐貫通性について試験を行った。
図5は、耐貫通性試験に使用した落球試験機100の模式図である。図5に示すように、落球試験機100は、試験体支持部110と、鋼球落下部120と、を備える。試験体支持部110は、後述する試験体101を水平に保持する部分である。鋼球落下部120は、鋼球102を所定の高さで保持すると共に、鋼球102を保持した位置から試験体101に向けて落下させる部分である。
本試験では、JIS R3212:1998の試験項目(4)に規定された耐貫通性試験に準じた条件、手順に基づいて試験を行った。ただし、本試験では、図5に示すように、試験体101から鋼球102の下面までの高さhを3.5mとした。なお、本試験では、参考例として、重さ400gの鋼球102を同じ条件で落下させた場合についても耐貫通性を試験した。
図6の層構成の項目について説明する。「基材A」は、飛散防止フィルムの最表層に配置された第1基材11である。「粘着a」は、第1基材11とガラス本体2との間に配置された第1粘着層21又は第1基材11と第2基材12との間に配置された第1粘着層21である。「基材B」は、第1基材11とガラス本体2との間に配置された第2基材12である。「粘着b」は、ガラス本体2と接する側に配置された第2粘着層22である。「HC」は、ハードコート層31である。また、図6では、粘着a、粘着bの「剥離力」を「剥離強度」として記載している。
比較例1は、第1実施形態と同じ層構成を備えているが、基材Aと粘着aの厚み比が100:10以上100:40以下の範囲から外れている点が実施例2及び実施例4と相違する。
比較例2は、第2実施形態と同じ層構成を備えているが、基材A及び基材Bの厚みと粘着a及び粘着bの厚みとの厚み比が、100:10以上100:40以下の範囲から外れている点が実施例1、実施例3及び実施例5と相違する。
図6に示すように、実施例1〜実施例6の試験体においては、いずれも鋼球102が貫通せず、且つフィルム切れも起きない良好な結果が得られた。
このうち、実施例2は、第1実施形態の構成において、基材Aの厚みを188μmとした試験体である。基材Aを厚くした場合、粘着aを、剥離強度が11N/25mm幅である弱粘着層としても、良好な結果が得られることが確認された。
また、実施例4は、同じ第1実施形態の構成において、基材Aの厚みを100μmとした試験体である。基材Aを薄くした場合、粘着aを、剥離強度が24N/25mm幅である強粘着層とすることにより、良好な結果が得られることが確認された。したがって、曲面への追従性を高めるためにフィルムの厚みを薄くした場合には、第1粘着層21に相当する粘着aを強粘着層とすることにより、十分な耐貫通性を確保できることが明らかとなった。
実施例5では、強粘着層である第2粘着層22において、破損したガラス破片をより多く包み込むことができたことに加えて、ガラス破片が基材11に達した際に、より柔軟性が高められた弱粘着層である第1粘着層21により第1基材11が撓み、ガラス破片の慣性力による衝撃が吸収されたため、第1基材11におけるガラス破片の耐貫通性がより向上したためと考えられる。
また、実施例6では、厚み方向の最表層に配置された第1基材11に相当する基材Aの表面にハードコート層31を配置したため、ガラス破片の耐貫通性がより向上したためと考えられる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、以下に説明する変形形態のように、種々の変形、変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、実施形態に記載した効果に限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態の構成は、適宜に組み合わせることもできるが、詳細な説明は省略する。
(1)前述した第2実施形態及び第4実施形態では、第1基材11および第2基材12の2枚の基材を配置した飛散防止フィルムについて説明したが、これに限定されない。例えば、基材は、3枚以上配置してもよく、基材が3枚配置している場合には、第1基材11、第2基材12および第3基材を順に積層することができる。なお、本発明の飛散防止フィルムにおける基材は、ガラス本体に貼り合わさる面とは反対側の面が第1基材11となる。また、本発明の飛散防止フィルムは、セパレータフィルムを有する場合を除いて、通常は、ガラス本体に貼り合わさる側の最外層が粘着層となる。
(2)前述した実施形態では、本発明に係る飛散防止フィルムを自動車のサンルーフガラスに適用した例について説明した。自動車のサンルーフは、フロントガラスのような高い耐衝撃性は要求されないが、フロントガラスと同様に小飛来物が衝突する可能性があるため、小飛来物の貫通を抑制する必要がある。そのため、本発明に係る飛散防止フィルムを自動車のサンルーフガラスに適用することにより、フロントガラスのように高価な合わせガラスを使用することなしに、小飛来物に対する十分な耐貫通性を確保することができる。
一方、本発明に係る飛散防止フィルムは、自動車のサンルーフガラスに限らず、自動車のサイドウィンドウ、リアウィンドウ等に適用することもできる。また、本発明に係る飛散防止フィルムは、一般住宅、オフィスビル等の窓ガラス、ショーウィンドウに適用することもできる。
2 ガラス本体
10、10A、10B、10C 飛散防止フィルム
11 基材、第1基材
12 第2基材
21 粘着層、第1粘着層
22 第2粘着層
Claims (4)
- 光透過性を有する第1基材及び第1粘着層が積層された飛散防止フィルムであって、
前記飛散防止フィルムは、総厚が100μm以上300μm以下であり、
前記第1粘着層の前記第1基材とは反対側の面に、光透過性を有する第2基材を有し、
前記第2基材の前記第1粘着層とは反対側の面に、光透過性を有する第2粘着層を有し、
前記第1基材および前記第2基材の合計の厚みと、前記第1粘着層および前記第2粘着層の合計の厚みとの厚み比が100:10以上100:40以下であり、
前記第1粘着層は、JIS K6854−2に規定の180度剥離試験によるガラス板に対する剥離力が、前記第2粘着層のJIS K6854−2に規定の180度剥離試験によるガラス板に対する剥離力よりも相対的に小さく、
前記第1基材の前記第1粘着層とは反対側の面側に、前記第1基材よりも表面硬度の高いハードコート層を有すること、を特徴とする飛散防止フィルム。 - 請求項1に記載の飛散防止フィルムであって、
前記第1粘着層は、JIS K6854−2に規定の180度剥離試験によるガラス板に対する剥離力が、20N/25mm幅以上30N/25mm幅以下であること、を特徴とする飛散防止フィルム。 - 請求項1または請求項2に記載の飛散防止フィルムであって、
前記飛散防止フィルムの前記第1基材とは反対側の面側に、セパレータフィルムを有すること、を特徴とする飛散防止フィルム。 - 請求項1または請求項2に記載の飛散防止フィルムと、
前記飛散防止フィルムの前記第1基材とは反対側の面側の3次元曲面ガラスとを有すること、を特徴とする飛散防止フィルム付き3次元曲面ガラス。
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