JP2005205783A - 成形物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 撥水性に優れ、かつ極めて高い透明性および表面硬度を兼ね備える硬化物層を有する成形物を得る。
【解決手段】 基材上に、分子内に下記一般式(I)で示される構造を有する化合物と、それ以外の不飽和基を有する化合物を含む活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物層を有し、かつその硬化物層のヘイズ値が1%以下で、その表面の水との接触角が120度以上である成形物。
【化1】
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアルコキシ基、および炭素数1〜4のポリアルキレン基から選ばれるいずれかであり、それぞれ互いに同じでも異なっていてもよく、nは2以上の整数である)
【選択図】なし
【解決手段】 基材上に、分子内に下記一般式(I)で示される構造を有する化合物と、それ以外の不飽和基を有する化合物を含む活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物層を有し、かつその硬化物層のヘイズ値が1%以下で、その表面の水との接触角が120度以上である成形物。
【化1】
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアルコキシ基、および炭素数1〜4のポリアルキレン基から選ばれるいずれかであり、それぞれ互いに同じでも異なっていてもよく、nは2以上の整数である)
【選択図】なし
Description
本発明は、水に対する接触角が120度以上の優れた撥水性を有し、しかもヘイズ値が1%以下である高硬度で透明性に優れる表面を有する成形物、およびその製造方法に関する。
従来、固体の表面を撥水化する方法としては、ポリシロキサン等のシリコーン系化合物や分子内にフッ素を部分的に含有する化合物または混合物を固体表面に直接塗布する方法や、前述したシリコーン系化合物やフッ素系界面活性剤等を含んだ樹脂を固体表面に塗布することによって表面を撥水化する技術が広く知られている。
また、近年においては、硬化塗膜の表面自由エネルギーを低下させる成分の他に、硬化塗膜中に無機微粒子を含有させ、硬化塗膜表面に微細な凹凸を形成する手法(例えば特許文献1を参照)、有機微粒子を含む塗料を用いる方法(例えば特許文献1を参照)、さらに、微細な凹凸を表面に付与する手法としてプラズマ等の処理によって固体の表面に微小な凹凸突起を形成した後、表面自由エネルギーが低い化合物を固体の表面に結合させることにより撥水化する方法等が知られている(例えば、特許文献3および特許文献4を参照)。
また、近年においては、硬化塗膜の表面自由エネルギーを低下させる成分の他に、硬化塗膜中に無機微粒子を含有させ、硬化塗膜表面に微細な凹凸を形成する手法(例えば特許文献1を参照)、有機微粒子を含む塗料を用いる方法(例えば特許文献1を参照)、さらに、微細な凹凸を表面に付与する手法としてプラズマ等の処理によって固体の表面に微小な凹凸突起を形成した後、表面自由エネルギーが低い化合物を固体の表面に結合させることにより撥水化する方法等が知られている(例えば、特許文献3および特許文献4を参照)。
しかしながら、単にシリコーン系化合物やフッ素系化合物を含有させた塗料の硬化塗膜は、水との接触角が110度以下であり、撥水性の向上が望まれている。また、上記に記載した無機微粒子や有機微粒子を含む塗料を用いる方法や撥水化プラズマ処理に用いる方法では、水との接触角と透明性が改善されたものの、ヘイズ値が高い硬化塗膜となる傾向にある。
一方で、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、または環状ポリオレフィン樹脂等は、透明性が高いことから、カバー、レンズ、樹脂ガラス等の成形物やそれらを保護するフィルム等の材料として広く用いられている。しかしながら、それら成形物やそれらを保護するフィルム等の表面に撥水性を付与する場合、透明性が低下する傾向にあった。
本発明者らは、撥水性に優れ、かつ極めて高い透明性および表面硬度を兼ね備える表面を有する成形物およびその製造方法を提供することにある。
一方で、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、または環状ポリオレフィン樹脂等は、透明性が高いことから、カバー、レンズ、樹脂ガラス等の成形物やそれらを保護するフィルム等の材料として広く用いられている。しかしながら、それら成形物やそれらを保護するフィルム等の表面に撥水性を付与する場合、透明性が低下する傾向にあった。
本発明者らは、撥水性に優れ、かつ極めて高い透明性および表面硬度を兼ね備える表面を有する成形物およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、基材上に、分子内に下記一般式(I)で示される構造を有する化合物(以下、化合物(1)という)と、それ以外の不飽和基を有する化合物(以下、化合物(2)という)を含む活性エネルギー線硬化性組成物(以下、被覆硬化物という)の硬化物層を有し、かつその硬化物層のヘイズ値が1%以下で、その表面の水との接触角が120度以上である成形物、
基材上に、化合物(1)と、化合物(2)を含む活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物層を有する、ヘイズ値が1%以下で、かつその表面の水との接触角が120度以上である成形物、
基材上に、化合物(1)と、化合物(2)を含む活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物層を有する、ヘイズ値が1%以下で、かつその表面の水との接触角が120度以上である成形物、
本発明の成形物は、撥水性に優れ、かつ極めて高い透明性および表面硬度を兼ね備える表面を有する。そこで、防汚性、着水防止性、着雪防止性、または着氷防止性等を必要とされる建築・建材用、家電部品用、自動車部品用等の部材、その中でも特に屋外用途の物品として好適に実用化できるものである。また、本発明の製造方法は、活性エネルギー線硬化性組成物を用い簡便な工程からなるため、生産性よく、かつ省エネルギーで環境負荷の低減を可能とするものであり、産業上の利用度は大である。
以下、好ましい実施の形態も含めて、本発明を詳しく説明する。
本発明の成形物は、ヘイズ値が1%以下でかつ水との接触角が120度以上である特定の被覆組成物の硬化物層を有する成形物、および特定の被覆組成物の硬化物層を有するヘイズ値が1%以下でかつその表面の水との接触角が120度以上である成形物である。
そのため、本発明の成形物は、防汚性、着水防止性、着雪防止性、および着氷防止性に優れるものであり、例えば建築・建材用、家電部品用、自動車部品用等の部材、その中でも特に屋外用途の物品として好適に実用化できるものである。
なお、本発明でいう水との接触角とは、得られた硬化物層または成形物を20℃の恒温室に1時間放置した後、硬化塗膜表面の水に対する接触角を20℃にて接触角測定器(協和界面科学(株)製)を用いて測定して得られる値を意味する。
また、本発明でいうヘイズ値とは、得られた硬化物層または成形物ついて、ヘーズメーター((株)村上色彩技術研究所製、商品名:HM−150)を用い、JIS−K−7105に準じて測定して得られるヘイズ値を意味する。
また、本発明でいうヘイズ値とは、得られた硬化物層または成形物ついて、ヘーズメーター((株)村上色彩技術研究所製、商品名:HM−150)を用い、JIS−K−7105に準じて測定して得られるヘイズ値を意味する。
本発明の成形物は、特に透明性に優れることから、全光線透過率が90%以上であることがより好ましい。
ここでいう全光線透過率とは、前述したヘーズメーターで硬化塗膜の濁度を測定して得られる値を意味する。
ここでいう全光線透過率とは、前述したヘーズメーターで硬化塗膜の濁度を測定して得られる値を意味する。
本発明の成形物は、前述した化合物(1)と、化合物(2)を含む被覆組成物の硬化物層を基材表面に形成して得られる。
化合物(1)の具体例としては、例えば、ポリメチルポリシロキサンのポリアルキル変性型化合物、ポリアルキレンオキサイドの側鎖変性型化合物、末端変性型化合物、等の界面活性剤として用いられる化合物;
ポリシロキサン構造の片末端に直接またはアルキル基やポリアルキレン基等を介して間接的に(メタ)アクリロイル基を有する化合物と、それ以外のビニル基を有する単量体との共重合により得られるグラフト共重合体;
ポリシロキサン構造が、直接またはウレタン結合を介して間接的にアクリル樹脂および/またはフッ素樹脂等に結合した化合物;
ポリシロキサンの片末端に、直接または間接的にポリアルコキシシリル基またはポリクロロシリル基を有する化合物がグラフトした樹脂;
ポリシロキサンの片末端にポリアルコキシシリル基またはポリクロロシリル基を有する化合物と、無機微粒子表層の水酸基とを反応させて得られる化合物;
等が挙げられる。
ポリシロキサン構造の片末端に直接またはアルキル基やポリアルキレン基等を介して間接的に(メタ)アクリロイル基を有する化合物と、それ以外のビニル基を有する単量体との共重合により得られるグラフト共重合体;
ポリシロキサン構造が、直接またはウレタン結合を介して間接的にアクリル樹脂および/またはフッ素樹脂等に結合した化合物;
ポリシロキサンの片末端に、直接または間接的にポリアルコキシシリル基またはポリクロロシリル基を有する化合物がグラフトした樹脂;
ポリシロキサンの片末端にポリアルコキシシリル基またはポリクロロシリル基を有する化合物と、無機微粒子表層の水酸基とを反応させて得られる化合物;
等が挙げられる。
それらの中でも、ポリシロキサン構造が、直接またはウレタン結合を介して間接的にアクリル樹脂および/またはフッ素樹脂等に結合した化合物等のフッ素系化合物を含む化合物または樹脂は、得られる成形物表面に特に優れた撥水性を付与できることから好ましい。
本発明において用いる化合物(1)の含有量は、特に限定されない。その中でも得られる成形物表面の透明性の観点から、化合物(1)は、被覆組成物のエッチング処理前の硬化塗膜中に、0.05〜30質量部の範囲となるよう用いることが好ましい。
本発明において用いる被覆組成物は、前述した化合物(1)の他に、化合物(2)を含む。化合物(2)は、活性エネルギー線によって硬化可能であれば特に限定されない。
そのような化合物(2)の具体例としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、コロイダルシリカと(メタ)アクリロイルアルコキシシランを縮合して得られる有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレート等の重合性不飽和結合を有する単官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレート等の分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が挙げられる。
それらは、所望する目的に応じて適宜選択して用いればよい。
そのような化合物(2)の具体例としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、コロイダルシリカと(メタ)アクリロイルアルコキシシランを縮合して得られる有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレート等の重合性不飽和結合を有する単官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレート等の分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が挙げられる。
それらは、所望する目的に応じて適宜選択して用いればよい。
ウレタン(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させたウレタントリ(メタ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジイソシアネートとポリ(n=6〜15)テトラメチレングリコールとのウレタン化反応物に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート等のウレタンポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えばビスフェノールA型ジエポキシと(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキシジ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリメチロ−ルエタンとコハク酸および(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパンとコハク酸、エチレングリコ−ル、および(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールとコハク酸および(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート等のポリエステルポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、コロイダルシリカ等の無機微粒子と、(メタ)アクリロイルアルコキシシラン等のシラン化合物とを脱水縮合反応させて得られる有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ここで用いる無機微粒子の平均粒子径は、得られる硬化塗膜の透明性が良好となることから、5〜100nmであることが好ましい。
またここで用いるシラン化合物としては特に限定されないが、無機微粒子と前述した化合物(II)との相溶性や、被覆組成物の塗膜強度の向上の観点から、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のシラン化合物が好ましい。
またここで用いるシラン化合物としては特に限定されないが、無機微粒子と前述した化合物(II)との相溶性や、被覆組成物の塗膜強度の向上の観点から、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のシラン化合物が好ましい。
またその他の単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
その他の2官能性(メタ)アクリレートの具体例としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ブテン−1,4−ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス−(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−(メタ)アクリロキシ(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、ビス−(2−メタアクリロイルオキシエチル)フタレート等が挙げられる。
その他の3官能性以上の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロキシエチル)−ヒドロキシエチル−イソシアヌレ−ト、トリス(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレ−ト、等が挙げられる。
これらは、1種単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
これらは、1種単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
それらの中でも、得られる硬化塗膜の表面硬度が向上し、硬化塗膜表面のプラズマエッチング処理時にその表面に凹凸が形成されやすいことから、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロキシエチル)−ヒドロキシエチル−イソシアヌレ−ト、トリス(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレ−ト、コロイダルシリカを用いた有機無機ハイブリッドビニル化合物および有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレート化合物の中から、所望する特性が発現するようこれらの中から1種単独でまたは2種以上を併用して用いることが特に好ましい。
本発明に用いる被覆組成物には、活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には光重合開始剤を含有させることが好ましい。
光重合開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−エチルアントラキノン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、1種単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
光重合開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−エチルアントラキノン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、1種単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
これらの中でも、硬化促進性に優れることから、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アシルフォスフィンオキサイドがより好ましい。
本発明に用いる被覆組成物は、化合物(I)とそれと共重合可能な化合物とを塗膜成分の合計量を100とした場合、化合物(I)/それと共重合可能な化合物=0.05〜30/99.5〜70の比率で含有されていることが好ましい。
本発明に用いる被覆組成物において、光重合開始剤の含有量は特に限定されないが、被覆組成物(塗膜成分)の合計量100質量部中に0.1〜15質量部の範囲が好ましく、1〜10質量部の範囲がより好ましい。
この光重合開始剤の含有量の下限値が1質量部未満では、被覆組成物の硬化性が不十分となる傾向にあり、またその上限値が15質量部を超えると硬化塗膜の成形物に対する付着性が低下する傾向にある。
この光重合開始剤の含有量の下限値が1質量部未満では、被覆組成物の硬化性が不十分となる傾向にあり、またその上限値が15質量部を超えると硬化塗膜の成形物に対する付着性が低下する傾向にある。
また、本発明に用いる被覆組成物には、本発明が目的とする透明性を損なわない範囲で、ビニル系単量体またはそれら混合物をラジカル重合開始剤の存在下に溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法等の公知の方法で得られる共重合ポリマーや、消泡剤、沈降防止剤、潤滑剤、研磨剤、防錆剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜添加してもよい。
また、本発明に用いる被覆組成物には、塗布方法に応じた粘度に適宜調整するため、必要に応じて有機溶剤を添加してもよい。
有機溶剤の具体例としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチル等のエステル系化合物;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系化合物;トルエン、キシレン等の芳香族化合物;ペンタン、ヘキサン等の脂肪族化合物;イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系化合物等が挙げられる。
有機溶剤の具体例としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチル等のエステル系化合物;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系化合物;トルエン、キシレン等の芳香族化合物;ペンタン、ヘキサン等の脂肪族化合物;イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系化合物等が挙げられる。
本発明に用いる基材は、成形物に所望される性能に応じて適宜選択すればよい。
具体的には、本発明の成形物のうち、硬化物層のヘイズ値が1%以下でその硬化物層表面の水との接触角が120度以上である成形物の場合には、基材は透明であっても、着色または有色であってもよい。
基材が着色または有色である場合には、透明性に優れる硬化塗膜を形成できるため、基材の色を損なうことなく、撥水性および表面硬度に優れる表面の成形物が得られる。
また、本発明の成形物のうち、ヘイズ値が1%以下でかつ硬化物層表面の水との接触角が120度以上である成形物の場合には、その透明性が極めて優れることから、成形物の基材は、硬化物層と同等の全光線透過率と同じまたはほぼ同等であることが好ましい。
そのような基材を用いれば、成形物の透明性を維持しつつ、撥水性および表面硬度に優れる表面の成形物が得られる。
具体的には、本発明の成形物のうち、硬化物層のヘイズ値が1%以下でその硬化物層表面の水との接触角が120度以上である成形物の場合には、基材は透明であっても、着色または有色であってもよい。
基材が着色または有色である場合には、透明性に優れる硬化塗膜を形成できるため、基材の色を損なうことなく、撥水性および表面硬度に優れる表面の成形物が得られる。
また、本発明の成形物のうち、ヘイズ値が1%以下でかつ硬化物層表面の水との接触角が120度以上である成形物の場合には、その透明性が極めて優れることから、成形物の基材は、硬化物層と同等の全光線透過率と同じまたはほぼ同等であることが好ましい。
そのような基材を用いれば、成形物の透明性を維持しつつ、撥水性および表面硬度に優れる表面の成形物が得られる。
本発明において基材の材質は、例えばポリメチルメタクリル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(ポリエステル)カ−ボネ−ト樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレ−ト樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ポリアリルジグリコ−ルカ−ボネ−ト樹脂等の各種熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等、公知の合成樹脂が挙げられる。
また、本発明の成形物の形態は、シートでもフィルムでもよく、特に限定されない。
また、本発明の成形物の形態は、シートでもフィルムでもよく、特に限定されない。
次に、本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、工程1と工程2を有するものである。
工程1では、公知の方法で、基材に被覆組成物の硬化物層を形成する。具体的には、例えば、基材表面に被覆組成物を公知の方法で塗布して塗膜を形成し、必要に応じてその塗膜を乾燥させた後、その塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化物層を形成する。
本発明の製造方法は、工程1と工程2を有するものである。
工程1では、公知の方法で、基材に被覆組成物の硬化物層を形成する。具体的には、例えば、基材表面に被覆組成物を公知の方法で塗布して塗膜を形成し、必要に応じてその塗膜を乾燥させた後、その塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化物層を形成する。
ここで、被覆組成物の成形物への塗布方法としては、例えばハケ塗り法、スプレーコート法、ディップコート法、スピンコート法、フローコート法等が挙げられる。この塗布方法は、成形物の形状に応じて適宜選択すればよい。
また、塗布時の塗工性の向上、レベリング性などの外観向上のために塗装被覆組成物中に有機溶剤を含有させた場合、基材表面に形成した塗膜を乾燥させ、塗膜中の有機溶剤を揮発させることが望ましい。その中でも生産性の観点から、その塗膜を、例えばIRヒーターおよび/または温風で加温し、60〜130℃、3〜20分の条件下で有機溶剤を揮発させることが好ましい。
また、工程1における活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等公知の活性エネルギー線が挙げられる。
その中でも、汎用されている高圧水銀灯を用いる場合には、照射される紫外線エネルギー量が波長340〜380nmの範囲において積算光量500〜4000mJ/cm2程度の条件が好ましい。
また、塗布時の塗工性の向上、レベリング性などの外観向上のために塗装被覆組成物中に有機溶剤を含有させた場合、基材表面に形成した塗膜を乾燥させ、塗膜中の有機溶剤を揮発させることが望ましい。その中でも生産性の観点から、その塗膜を、例えばIRヒーターおよび/または温風で加温し、60〜130℃、3〜20分の条件下で有機溶剤を揮発させることが好ましい。
また、工程1における活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等公知の活性エネルギー線が挙げられる。
その中でも、汎用されている高圧水銀灯を用いる場合には、照射される紫外線エネルギー量が波長340〜380nmの範囲において積算光量500〜4000mJ/cm2程度の条件が好ましい。
次に、工程2では、得られた硬化塗膜にプラズマエッチング処理を行う。
この処理により、成形物表面に有する硬化塗膜表面の水に対する接触角を向上させることができる。このプラズマエッチング処理条件は、通常行われる表面の疎面化処理条件で行えばよく、所望に応じて決定すればよい。
この処理により、成形物表面に有する硬化塗膜表面の水に対する接触角を向上させることができる。このプラズマエッチング処理条件は、通常行われる表面の疎面化処理条件で行えばよく、所望に応じて決定すればよい。
なお、工程2におけるプラズマエッチング処理の雰囲気下は、不活性ガスであるアルゴンや、その他、酸素、4フッ化メタン等の反応性ガス等、特に限定されるものではなく、適宜選択すればよい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。なお、実施例中の「部」は全て「質量部」を意味する。また、実施例中の測定や評価方法は下記の通りである。
[評価条件]
・塗膜外観
下記方法で得られた全光線透過率(%)とヘイズ値を下記基準で評価し、その結果を表1に示す。
○:全光線透過率が90%以上で、かつヘイズ値が1%以下の場合
×:全光線透過率が90%未満および/またはヘイズ値が1%を超える場合
<全光線透過率/ヘイズ値>
得られた成形物ついて、ヘーズメーター((株)村上色彩技術研究所製、商品名:HM−150)を用い、JIS−K−7105に準じて測定し、得られた全光線透過率(%)とヘイズ値を表1に示す。
・塗膜外観
下記方法で得られた全光線透過率(%)とヘイズ値を下記基準で評価し、その結果を表1に示す。
○:全光線透過率が90%以上で、かつヘイズ値が1%以下の場合
×:全光線透過率が90%未満および/またはヘイズ値が1%を超える場合
<全光線透過率/ヘイズ値>
得られた成形物ついて、ヘーズメーター((株)村上色彩技術研究所製、商品名:HM−150)を用い、JIS−K−7105に準じて測定し、得られた全光線透過率(%)とヘイズ値を表1に示す。
・水に対する接触角
得られた成形物を20℃の恒温室に1時間放置した後、硬化塗膜表面の水に対する接触角を20℃にて接触角測定器(協和界面科学(株)製)を用いて測定し、得られた値表1に示す。
ここで得られた水に対する接触角は、120度以上の場合に○とし、120度未満の場合に×とする。
得られた成形物を20℃の恒温室に1時間放置した後、硬化塗膜表面の水に対する接触角を20℃にて接触角測定器(協和界面科学(株)製)を用いて測定し、得られた値表1に示す。
ここで得られた水に対する接触角は、120度以上の場合に○とし、120度未満の場合に×とする。
・鉛筆硬度
JIS−K−5400に準じて硬化塗膜の鉛筆硬度を測定し、その結果を表1に示す。
JIS−K−5400に準じて硬化塗膜の鉛筆硬度を測定し、その結果を表1に示す。
<実施例1>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30部、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレ−ト40部、ジシクロヘキシルメタンジオール2mol、ノナブチレングリコール1molおよび2−ヒドロキシエチルアクリレート2molから合成した分子量約2500のウレタンアクリレート20部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート4部、および片末端変性シリコーン(チッソ(株)製、製品名:サイラプレーンXP1087)5部、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.5部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド1.5部を容器に計量して入れ、よく混合攪拌を行った。
その後、スプレー塗布法に好適な粘度に混合物を調整するため、n−ブタノールと酢酸ブチルを1:1で混合した混合溶剤で希釈し、固形分が30質量%の塗料を調製した。
得られた塗料を、スプレー塗布法で透明ポリカーボネート板(厚さ3mm)に塗膜を形成し、硬化後の膜厚が10μm、約60度に調節した温風乾燥器中に5分間静置させ、塗膜中の溶剤を揮発除去した。
次いで溶剤除去した塗膜表面に、空気雰囲気下でランプ強度80W/cmの高圧水銀ランプを用い、波長340〜380nmの積算光量が1500mJ/cm2となる紫外線を照射し、硬化塗膜を得た。
その後プラズマエッチング処理の工程として、CF4ガスを使用し450Wの出力で硬化塗膜表面を10分間プラズマエッチング処理した成形物を得た。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30部、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレ−ト40部、ジシクロヘキシルメタンジオール2mol、ノナブチレングリコール1molおよび2−ヒドロキシエチルアクリレート2molから合成した分子量約2500のウレタンアクリレート20部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート4部、および片末端変性シリコーン(チッソ(株)製、製品名:サイラプレーンXP1087)5部、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.5部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド1.5部を容器に計量して入れ、よく混合攪拌を行った。
その後、スプレー塗布法に好適な粘度に混合物を調整するため、n−ブタノールと酢酸ブチルを1:1で混合した混合溶剤で希釈し、固形分が30質量%の塗料を調製した。
得られた塗料を、スプレー塗布法で透明ポリカーボネート板(厚さ3mm)に塗膜を形成し、硬化後の膜厚が10μm、約60度に調節した温風乾燥器中に5分間静置させ、塗膜中の溶剤を揮発除去した。
次いで溶剤除去した塗膜表面に、空気雰囲気下でランプ強度80W/cmの高圧水銀ランプを用い、波長340〜380nmの積算光量が1500mJ/cm2となる紫外線を照射し、硬化塗膜を得た。
その後プラズマエッチング処理の工程として、CF4ガスを使用し450Wの出力で硬化塗膜表面を10分間プラズマエッチング処理した成形物を得た。
<実施例2>
四ツ口フラスコに、シリカゾル(分散媒:イソ−プロパノール、SiO2 濃度:30質量%、一次粒子径:10〜15nm、商品名:IPA−ST、日産化学工業(株)製)2000gと、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:A−174、日本ユニカー(株)製)382gを入れ、攪拌しながら昇温させ、揮発成分の還流が始まると同時に0.001規定の塩酸水溶液139gを徐々に滴下させ、滴下終了後、還流下で加水分解を行った。
その後アルコールおよび水等の揮発成分を留出させ、トルエンを追加し共沸留出させた後、更にトルエンで完全に溶媒置換を行い、トルエンの分散系の表面被覆処理されたコロイダルシリカを得た(反応後の固形分濃度は約60質量%)。
次に、ガラスビーカーに、得られた表面被覆処理されたコロイダルシリカを固形分換算にて21部(固形分濃度60%のトルエン溶液として35部)、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレ−ト50部、ポリジメチルシロキサン鎖がグラフトしたフッ素樹脂(商品名:ZX−007C(富士化成工業(株)製)57.1部(固形分濃度35%、つまり固形分換算で20部)、1,9−ノナンジオールジアクリレート6部、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド2部を容器に計量し、よく混合攪拌を行った。その後、塗装する基材をポリメチルメタクリレート板(厚さ3mm)とする以外は実施例1と同様の操作を行い、硬化塗膜を有する成形物を得た。
四ツ口フラスコに、シリカゾル(分散媒:イソ−プロパノール、SiO2 濃度:30質量%、一次粒子径:10〜15nm、商品名:IPA−ST、日産化学工業(株)製)2000gと、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:A−174、日本ユニカー(株)製)382gを入れ、攪拌しながら昇温させ、揮発成分の還流が始まると同時に0.001規定の塩酸水溶液139gを徐々に滴下させ、滴下終了後、還流下で加水分解を行った。
その後アルコールおよび水等の揮発成分を留出させ、トルエンを追加し共沸留出させた後、更にトルエンで完全に溶媒置換を行い、トルエンの分散系の表面被覆処理されたコロイダルシリカを得た(反応後の固形分濃度は約60質量%)。
次に、ガラスビーカーに、得られた表面被覆処理されたコロイダルシリカを固形分換算にて21部(固形分濃度60%のトルエン溶液として35部)、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレ−ト50部、ポリジメチルシロキサン鎖がグラフトしたフッ素樹脂(商品名:ZX−007C(富士化成工業(株)製)57.1部(固形分濃度35%、つまり固形分換算で20部)、1,9−ノナンジオールジアクリレート6部、更に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド2部を容器に計量し、よく混合攪拌を行った。その後、塗装する基材をポリメチルメタクリレート板(厚さ3mm)とする以外は実施例1と同様の操作を行い、硬化塗膜を有する成形物を得た。
<実施例3〜5、比較例1、3、および4>
表1に示した組成、その配合比および基材を用いる以外は、実施例1と同様な操作を行い、硬化塗膜を有する成形物を得た。
表1に示した組成、その配合比および基材を用いる以外は、実施例1と同様な操作を行い、硬化塗膜を有する成形物を得た。
<比較例2>
表1に示した組成、その配合比および基材を用いかつプラズマエッチング処理を施さない以外は、実施例1と同様にして硬化塗膜を有する成形物を得た。
表1に示した組成、その配合比および基材を用いかつプラズマエッチング処理を施さない以外は、実施例1と同様にして硬化塗膜を有する成形物を得た。
なお、表中の略号は次の通りである。
Si−A:片末端メタクリルおよびポリエチレングリコール変性ポリジメチルシロキサンSi−B:ポリジメチルシロキサン鎖がグラフトしたフッ素樹脂(固形分換算)
CS :平均粒子径20nmであるコロイダルシリカと3−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランの縮合物(固形分換算)
GF :平均粒子径が7.2μmであるガラス粒子
UA :ジシクロヘキシルメタンジオール2mol、ノナブチレングリコール1molおよび2−ヒドロキシエチルアクリレート2molから合成した分子量2500のウレタンアクリレート
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
TAIC:トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
NDDA:1,9−ノナンジオールジアクリレート
FA :パーフルオロオクチルエチルアクリレート
HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
APO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド
PC:ポリカーボネート板(厚さ3mm)
PMMA:ポリメチルメタクリレート板(厚さ3mm)
Si−A:片末端メタクリルおよびポリエチレングリコール変性ポリジメチルシロキサンSi−B:ポリジメチルシロキサン鎖がグラフトしたフッ素樹脂(固形分換算)
CS :平均粒子径20nmであるコロイダルシリカと3−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランの縮合物(固形分換算)
GF :平均粒子径が7.2μmであるガラス粒子
UA :ジシクロヘキシルメタンジオール2mol、ノナブチレングリコール1molおよび2−ヒドロキシエチルアクリレート2molから合成した分子量2500のウレタンアクリレート
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
TAIC:トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
NDDA:1,9−ノナンジオールジアクリレート
FA :パーフルオロオクチルエチルアクリレート
HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
APO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド
PC:ポリカーボネート板(厚さ3mm)
PMMA:ポリメチルメタクリレート板(厚さ3mm)
[考察]
表1から明らかなように、実施例1〜5で得られた塗膜は120度を超える撥水性を発現しつつ、かつ優れた透明性を有し低いヘイズ値の成形物が得られた。一方、比較例では、硬化塗膜中にシリコーン構造を有しない、またはプラズマ処理が施されない等の理由によって、硬化塗膜の透明性や撥水性のいずれかの物性が劣る結果が得られた。
表1から明らかなように、実施例1〜5で得られた塗膜は120度を超える撥水性を発現しつつ、かつ優れた透明性を有し低いヘイズ値の成形物が得られた。一方、比較例では、硬化塗膜中にシリコーン構造を有しない、またはプラズマ処理が施されない等の理由によって、硬化塗膜の透明性や撥水性のいずれかの物性が劣る結果が得られた。
Claims (7)
- 一般式(I)で示される構造を有する化合物がフッ素系化合物である、請求項1または2記載の成形物。
- さらに、化学修飾してなる平均粒子径が5〜100nmである無機微粒子を含む活性エネルギー線硬化性組成物である、請求項1または2記載の成形物。
- 基材が透明である、請求項1または2記載の成形物。
- 基材がフイルムである、請求項1または2記載の成形物。
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JP2013226839A (ja) * | 2013-06-24 | 2013-11-07 | Dh Material Kk | 成形品の製造方法 |
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2004
- 2004-01-23 JP JP2004015690A patent/JP2005205783A/ja active Pending
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