JP2014013844A - 半導体受光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体受光素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コストの上昇を招くことなく容易に実装できる状態で、反射ミラーを用いて効率の低下を招くことなく高効率に高感度化が図れるようにする。
【解決手段】
この半導体受光素子は、基板101の表面上に形成されたエッチング停止層102と、エッチング停止層102の上に形成されたバッファ層103と、バッファ層103の上に形成された光吸収層104と、光吸収層104の上に形成されたコンタクト層105とを備える。光吸収層104およびコンタクト層105は、いわゆるメサ形状に加工することで柱状部とされている。また、柱状部の形成領域に対応して基板101の裏面に形成された開口部107を備え、ここに、誘電体層108および金属層109を備え、反射ミラーを構成している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体受光素子に関し、特に、高速,高効率な動作を可能にする半導体受光素子に関する。
半導体受光素子は、効率良く光信号を電気信号に変換する素子として、光通信をはじめとした様々な分野で広く利用されている。昨今では、いずれの分野においても半導体受光素子に対して応答速度の高速化が要求されてきているが、一般的に応答速度と感度の間にはトレードオフの関係が存在する。半導体受光素子の応答速度を制限する要因である発生キャリアの走行時間を短くするためには、光吸収層を薄くする必要がある。一方、半導体受光素子の感度は、光吸収層の厚さに対して指数関数的に増加するため、高速応答のための薄膜化に伴い、感度が低下することになる。
薄い光吸収層で高い感度を得る構造として、光のエバネッセント結合を利用した導波路型フォトダイオードがあるが、半導体の層構造に対して平行に光を入射するため、ファイバ出射光などの外部光に対する結合が難しい。また、高速応答のために薄層化と素子のサイズを小さくすることで、エバネッセント結合の偏波依存の影響が見られることになり、最終的に感度に偏波依存が生じる。例えば、光通信への応用を考えた場合、受光素子で偏波依存が生じることは、システム設計への制約を大きくすることになるため、低偏波依存性に対する要求も厳しく、一般的には層構造に垂直に入射する面入射構造が採用されている。
垂直に入射する場合に高感度化を図るための手法として、基板裏面の電極を反射ミラーとして利用した半導体受光素子がある。この半導体受光素子について説明すると、図3に示すように、n型のInPからなる基板301と、InGaAsから構成された光吸収層302と、高濃度にp型とされたInGaAsからなるコンタクト層303とを備える。光吸収層302およびコンタクト層303は、柱状にパターニングされている。また、基板301の裏面にはn型電極304が形成され、コンタクト層303の上の周辺部には、p型電極305が形成されている。基板301の裏面に形成した金属からなるn型電極304が、反射ミラーとなる。
松本 啓資 他、「半導体多層反射膜付高効率・高速InGaAs pin フォトダイオード」、秋季応用物理学会、28p−ZA−8、1995年。
しかしながら、上述した構造では、高速応答を制限するもう1つの要因である素子のCR時定数を低減するため、柱状部の径を小さくした場合、光の反射面であるn型電極304が光吸収層302より遠い構造であるため、広がって戻ってくる反射光を光吸収層302の全域で受光することができなくなり効果が低下する。
この効率低下を抑制するため、光吸収層の直下にミラーを設けた構造としてエピウェハ構造でDBRミラーを形成した素子も報告されている(非特許文献1参照)。しかしこの場合、ミラーに波長依存性が発生してしまうため、高い反射率を得るためには使用する波長帯域に対してミラーの構造を最適化しておく必要が生じてしまう。
また、光を基板の裏面から入射し、素子頂上部に設けたミラーで反射させる構造がある。この場合、電極は素子表面に形成されるため、予め配線基板上にフリップチップなどの手法で実装する必要や、45°ミラーを用いて光を入射する必要があり、実装の困難さや組み立て時の高コスト化につながってしまう。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、コストの上昇を招くことなく容易に実装できる状態で、反射ミラーを用いて効率の低下を招くことなく高効率に高感度化が図れるようにすることを目的とする。
本発明に係る半導体受光素子は、基板の表面上に形成されたエッチング停止層と、エッチング停止層の上に形成された第1導電型の半導体からなる第1半導体層と、第1半導体層の上に形成された半導体からなる光吸収層と、光吸収層の上に形成された第2導電型の半導体からなる第2半導体層と、光吸収層および第2半導体層から構成された柱状部と、第1半導体層に接続する第1電極と、第2半導体層の上の周辺部に接して形成された第2電極と、柱状部の形成領域に対応して基板の裏面からエッチング停止層に到達して形成された開口部と、エッチング停止層の裏面側の開口部の領域に形成された誘電体層と、エッチング停止層の裏面側の開口部の領域に誘電体層を介して形成された金属層とを少なくとも備え、光吸収層は、対象とする光の波長に対応するバンドギャップエネルギーを有した半導体から構成され、第1半導体層,および第2半導体層は、光吸収層を構成する半導体より大きなバンドギャップエネルギーを有する半導体から構成され、第1半導体層および第2半導体層は、不純物を導入することで各々の導電型とされ、光吸収層は、第1半導体層および第2半導体層よりも不純物濃度が低い状態とされ、誘電体層および金属層により反射部が形成されている。
上記半導体受光素子において、基板およびエッチング停止層は、第1導電型とされ、金属層は、開口部以外の領域で基板の裏面に接触して形成されて第1電極として機能するようにすればよい。
また、上記半導体受光素子において、柱状部の側方の第1半導体層の上に第1電極が形成されているようにしてもよい。
また、本発明に係る半導体受光素子の製造方法は、第1半導体層を形成する工程と、基板の表面上にエッチング停止層を形成する工程と、エッチング停止層の上に第1導電型の半導体からなる第1半導体層を形成する工程と、第1半導体層の上に半導体からなる光吸収層を形成する工程と、光吸収層の上に第2導電型の半導体からなる第2半導体層を形成する工程と、光吸収層および第2半導体層から構成した柱状部を形成する工程と、第2半導体層の上の周辺部に接して第2電極を形成する工程と、第1半導体層に接続する第1電極を形成する工程と、柱状部の形成領域に対応して基板の裏面からエッチング停止層に到達する開口部を形成する工程と、エッチング停止層の裏面側の開口部の領域に誘電体層を形成する工程と、エッチング停止層の裏面側の開口部の領域に誘電体層を介して金属層を形成する工程とを少なくとも備え、光吸収層は、対象とする光の波長に対応するバンドギャップエネルギーを有した半導体から構成し、第1半導体層,および第2半導体層は、光吸収層を構成する半導体より大きなバンドギャップエネルギーを有する半導体から構成し、第1半導体層および第2半導体層は、不純物を導入することで各々の導電型とし、光吸収層は、第1半導体層および第2半導体層よりも不純物濃度が低い状態とし、誘電体層および金属層により反射部を形成する。
以上説明したことにより、本発明によれば、コストの上昇を招くことなく容易に実装できる状態で、反射ミラーを用いて効率の低下を招くことなく高効率に高感度化が図れるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態1における半導体受光素子の構成を示す断面図である。 図2は、本発明の実施の形態2における半導体受光素子の構成を示す断面図である。 図3は、基板の裏面側に反射ミラーを備える半導体受光素子の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における半導体受光素子の構成を示す構成図である。この半導体受光素子は、基板101の表面上に形成されたエッチング停止層102と、エッチング停止層102の上に形成された第1導電型の半導体からなるバッファ層(第1半導体層)103と、バッファ層103の上に形成された半導体からなる光吸収層104と、光吸収層104の上に形成された第2導電型の半導体からなるコンタクト層(第2半導体層)105とを備える。
光吸収層104およびコンタクト層105は、いわゆるメサ形状に加工することで柱状部とされている。この形状とすることで、本素子のCR時定数が低減できるようになる。
また、コンタクト層105の上の周辺部に接して形成されたp型電極(第2電極)106を備える。
加えて、実施の形態1では、柱状部の形成領域に対応して基板101の裏面からエッチング停止層102に到達して形成された開口部107を備える。また、エッチング停止層102の裏面側の開口部107の領域に形成された誘電体層108と、エッチング停止層102の裏面側の開口部107の領域に誘電体層108を介して形成された金属層109とを備える。この金属層109(金属層109と誘電体層108との界面)により反射ミラーが構成されており、実施の形態1によれば、反射ミラーと光吸収層104との間には、誘電体層108,エッチング停止層102,およびバッファ層103が存在するだけである。これらは、素子などを搭載して保持するなどの強度が必要な基板101に比較して非常に薄い層であり、反射ミラーが光吸収層104に対して非常に近くに配置されることになる。
ここで、実施の形態1では、基板101,エッチング停止層102,バッファ層103は、第1導電型(n型)とされ、基板101の上に、第1導電型のエッチング停止層102を介してバッファ層103が形成され、バッファ層103の上に光吸収層104が形成されている。実施の形態1では、コンタクト層105,光吸収層104,バッファ層103により、pin構造とされている。また、金属層109は、開口部107以外の領域で基板101に接続(接触)し、n型電極として機能する。
なお、光吸収層104は、対象とする光の波長に対応するバンドギャップエネルギーを有した半導体から構成され、基板101,エッチング停止層102,バッファ層103,およびコンタクト層105は、光吸収層104を構成する半導体より大きなバンドギャップエネルギーを有する半導体から構成され、基板101,エッチング停止層102,バッファ層103,およびコンタクト層105は、不純物を導入することで各々の導電型とされ、光吸収層104は、基板101,エッチング停止層102,バッファ層103,およびコンタクト層105よりも不純物濃度が低い状態とされている。実施の形態1では、基板101,エッチング停止層102,バッファ層103がn型であり、コンタクト層105がp型である。
例えば、基板101は、n型のInPからなる半導体基板であればよい。また、エッチング停止層102は、n型不純物が高濃度に導入されたn+−InGaAsPから構成されていればよい。また、バッファ層103は、n型不純物が高濃度に導入されたn+−InPから構成されていればよい。また、光吸収層104は、アンドープのInGaAsから構成されていればよい。また、コンタクト層105は、p型の不純物が高濃度に導入されたp+−InGaAsから構成されていればよい。
以下、実施の形態1における半導体受光素子の製造方法について簡単に説明する。まず、n型のInPからなる基板101の上に、n+−InGaAsP(エッチング停止層102),n+−InP(バッファ層103),アンドープのInGaAs(光吸収層104),p+−InGaAs(コンタクト層105)を順次堆積する。これらは、よく知られた有機金属気相成長法により形成すればよい。また、n型の層は、例えばSiを不純物として用いればよく、p型の層は、例えばZnを不純物として用いればよい。
次に、コンタクト層105となるp+−InGaAsの層の上に、p型電極106を形成する。例えば、p型電極106の形成領域が開放したレジストパターンを形成し、この上に、電子ビーム蒸着法によりPt,Ti,Auを順次蒸着し、Pt/Ti/Au多層膜を形成する。この後、レジストパターンを除去すればPt/Ti/Au多層膜から構成されたp型電極106が得られる(リフトオフ法)。p型電極106は、例えば、平面視、内径18μm、外径22μm程度の円形のリング状に形成すればよい。
次に、公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチングにより、アンドープのInGaAsの層およびp+−InGaAsの層をパターニングし、円柱状の光吸収層104およびコンタクト層105からなる柱状部を形成する。
次に、柱状部の形成領域に対応し、基板101の裏面からエッチング停止層102に到達する開口部107を形成する。例えば、InPからなる基板101を高いエッチングレートでエッチング除去できる条件で、エッチング時間を制御することで、エッチング停止層102に到達する直前まで開口部を形成する。この後、InPとInGaAsPとの間で、大きな選択比がとれるエッチング条件の例えばウエットエッチングにより、エッチング停止層102までエッチングする。このエッチング条件によれば、エッチングがエッチング停止層102で自動的に停止される。この結果、エッチング停止層102に到達する開口部107が形成されるようになる。
次に、エッチング停止層102の裏面側の開口部107の領域に誘電体層108を形成する。例えば、TiO2の層およびSiO2の層を順次にスパッタ法で堆積し、TiO2およびSiO2の積層からなる誘電体層108を形成すればよい。ここで、誘電体層108の機能を発現させるためには、SiO2のみで十分であるが、基板101とSiO2との界面の密着性、濡れ性などを向上させることを目的として、TiO2の層を挿入する。
次に、開口部107以外の領域において、誘電体層108に基板101の裏面に到達する貫通孔を形成しておく。この後、エッチング停止層102の裏面側の開口部107の領域を含む基板101の裏面側に、誘電体層108を介して金属層109を形成する。このように形成した誘電体層108および金属層109より、エッチング停止層102の裏面側の開口部107の領域において反射部を形成する。また、金属層109は、上記貫通孔において、基板101の裏面に接触して接続した状態となり、n型電極として機能する。
実施の形態1の半導体受光素子では、素子上部のコンタクト層105に形成されているリング状のp型電極106の開口領域より入射した光は、エッチング停止層102の直下の誘電体層108および金属層109で構成される反射ミラーによって反射されるようになる。実施の形態1では、反射ミラーが、光吸収層104に近い箇所にあるため、反射した光が、光吸収層104以外の領域に洩れていくことが抑制され、反射したより多くの光が、光吸収層104を通過することになる。この結果、光吸収層104の厚さが実効的に2倍になることになり、高感度化が実現されるようになる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態2における半導体受光素子の構成を示す構成図である。この半導体受光素子は、基板201の表面上に形成されたエッチング停止層202と、エッチング停止層202の上に形成された第1導電型の半導体からなるコンタクト層(第1半導体層)203と、コンタクト層203の上に形成された半導体からなる光吸収層204と、光吸収層204の上に形成された第2導電型の半導体からなるコンタクト層(第2半導体層)205とを備える。
光吸収層204およびコンタクト層205は、いわゆるメサ形状に加工することで柱状部とされている。この形状とすることで、本素子のCR時定数が低減できるようになる。
また、コンタクト層205の上の周辺部に接して形成されたp型電極(第2電極)206を備える。また、上記柱状部の側方のコンタクト層203の上にn型電極(第1電極)210が形成されている。
加えて、実施の形態2では、柱状部の形成領域に対応して基板201の裏面からエッチング停止層202に到達して形成された開口部207を備える。また、エッチング停止層202の裏面側の開口部207の領域に形成された誘電体層208と、エッチング停止層202の裏面側の開口部207の領域に誘電体層208を介して形成された金属層209とを備える。この金属層209(金属層209と誘電体層208との界面)により反射ミラーが構成されており、実施の形態2によれば、反射ミラーと光吸収層204との間には、誘電体層208,エッチング停止層202,およびコンタクト層203が存在するだけである。これらは、素子などを搭載して保持するなどの強度が必要な基板201に比較して非常に薄い層であり、反射ミラーが光吸収層204に対して非常に近くに配置されることになる。
ここで、実施の形態2では、コンタクト層205,光吸収層204,コンタクト層203により、pin構造とされている。
なお、光吸収層204は、対象とする光の波長に対応するバンドギャップエネルギーを有した半導体から構成され、基板201,エッチング停止層202,コンタクト層203,およびコンタクト層205は、光吸収層204を構成する半導体より大きなバンドギャップエネルギーを有する半導体から構成され、基板201,エッチング停止層202,コンタクト層203,およびコンタクト層205は、不純物を導入することで各々の導電型とされ、光吸収層204は、基板201,エッチング停止層202,コンタクト層203,およびコンタクト層205よりも不純物濃度が低い状態とされている。実施の形態2では、コンタクト層203がn型であり、コンタクト層205がp型である。
例えば、基板201は、半絶縁性のInPからなる半導体基板であればよい。また、エッチング停止層202は、アンドープのInGaAsPから構成されていればよい。また、コンタクト層203は、n型不純物が高濃度に導入されたn+−InPから構成されていればよい。また、光吸収層204は、アンドープのInGaAsから構成されていればよい。また、コンタクト層205は、p型の不純物が高濃度に導入されたp+−InGaAsから構成されていればよい。
以下、実施の形態2における半導体受光素子の製造方法について簡単に説明する。まず、半絶縁性のInPからなる基板201の上に、アンドープのInGaAsP(エッチング停止層202),n+−InP(コンタクト層203),アンドープのInGaAs(光吸収層204),p+−InGaAs(コンタクト層205)を順次堆積する。これらは、よく知られた有機金属気相成長法により形成すればよい。また、n型の層は、例えばSiを不純物として用いればよく、p型の層は、例えばZnを不純物として用いればよい。
次に、コンタクト層205となるp+−InGaAsの層の上に、p型電極206を形成する。例えば、p型電極206の形成領域が開放したレジストパターンを形成し、この上に、電子ビーム蒸着法によりPt,Ti,Auを順次蒸着し、Pt/Ti/Au多層膜を形成する。この後、レジストパターンを除去すればPt/Ti/Au多層膜から構成されたp型電極206が得られる(リフトオフ法)。p型電極206は、例えば、平面視、内径18μm、外径22μm程度の円形のリング状に形成すればよい。
次に、公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチングにより、アンドープのInGaAsの層およびp+−InGaAsの層をパターニングし、円柱状の光吸収層204およびコンタクト層205からなる柱状部を形成する。次いで、このパターニングにより露出したコンタクト層203の所望の箇所に、上述したp型電極206と同様にすることで、Ti/Pt/Au/Pt/Ti多層膜から構成されたn型電極210を形成する。
次に、柱状部の形成領域に対応し、基板201の裏面からエッチング停止層202に到達する開口部207を形成する。例えば、InPからなる基板201を高いエッチングレートでエッチング除去できる条件で、エッチング時間を制御することで、エッチング停止層202に到達する直前まで開口部を形成する。この後、InPとInGaAsPとの間で、大きな選択比がとれるエッチング条件の例えばウエットエッチングにより、エッチング停止層202までエッチングする。このエッチング条件によれば、エッチングがエッチング停止層202で自動的に停止される。この結果、エッチング停止層202に到達する開口部207が形成されるようになる。
次に、エッチング停止層202の裏面側の開口部207の領域に誘電体層208を形成する。例えば、TiO2の層およびSiO2の層を順次にスパッタ法で堆積し、TiO2およびSiO2の積層からなる誘電体層208を形成すればよい。ここで、誘電体層208の機能を発現させるためには、SiO2のみで十分であるが、基板201とSiO2との界面の密着性、濡れ性などを向上させることを目的として、TiO2の層を挿入する。
次に、エッチング停止層202の裏面側の開口部207の領域を含む基板201の裏面側に、誘電体層208を介して金属層209を形成する。このように形成した誘電体層208および金属層209より、エッチング停止層202の裏面側の開口部207の領域において反射部を形成する。
実施の形態2の半導体受光素子では、素子上部のコンタクト層205に形成されているリング状のp型電極206の開口領域より入射した光は、エッチング停止層202の直下の誘電体層208および金属層209で構成される反射ミラーによって反射されるようになる。実施の形態2では、反射ミラーが、光吸収層204に近い箇所にあるため、反射した光が、光吸収層204以外の領域に洩れていくことが抑制され、反射したより多くの光は、光吸収層204を通過することになる。この結果、光吸収層204の厚さが実効的に2倍になることになり、高感度化が実現されるようになる。
以上に説明したように、本発明によれば、素子部となる柱状部に対応して基板の裏面に開口部を形成し、形成した開口部の底部に反射ミラーが配置されているようにしたので、素子直下に反射ミラーが設けられた状態となる。このため、素子容量低減による高速化のために素子サイズ(柱状部の径)を小さくしても、反射光はスポットサイズが広がることなく全て素子に結合する。また、反射ミラーも誘電体膜とメタルで形成するため、波長依存性も少なく高反射率のミラーを実現することができる。
また、電極を形成する素子表面で実装することにならず、基板の裏面で実装することができるため、実装に何ら困難がなく、組み立て時のコスト上昇を招かない。このように、本発明によれば、コストの上昇を招くことなく容易に実装できる状態で、反射ミラーを用いて効率の低下を招くことなく高効率に高感度化が図れるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、上述では、光吸収層をInGaAsから構成し、基板をInPから構成してエピタキシャル成長させた半導体受光素子の例を述べたが、これに限るものではない。例えば、P系、As系、N系、Sb系、などの化合物半導体を用いるようにしてもよく、またGe系、Si系などの単元素半導体材料でもよい。
また例えば、上述では、pinダイオード形式の半導体受光素子を例に説明したが、これに限るものではない。本発明は、アバランシェフォトダイオードおよび単一キャリア走行フォトダイオードを含め、層の積層方向に光を入射する半導体受光素子であれば同様に適用可能である。
また、誘電体層は、TiO2/SiO2の積層構造として説明したが、入射光の波長帯で大きな吸収係数を持たない限り、Al23およびTa25などの他の酸化物、また、Si34,TiN,およびAlNなどの窒化物から構成してもよい。また、誘電体層を形成する基板表面との密着性および濡れ性が十分にある場合は、TiO2/SiO2のように多層構造にする必要はない。材料を変更しても、誘電体層の層厚はTiO2/SiO2の場合と同様に、プロセスに支障をきたさないために必要最低限度以上の層厚で、かつ反射率が最大となる層厚にすればよい。
また、反射層を構成する金属層は、入射光の広い範囲の波長に対する反射率が十分に確保できる金属材料で、かつ組み合わせて用いる誘電体層に拡散および誘電体層と合金化しないものであればよい。例えば、金属層を構成する材料としては、Au,Ag,Pt,Al,Ni,Co,W,Cu,およびTiなどが挙げられる。また、上述では、素子情部に設ける電極を円形のリング状に形成したが、これに限るものではない。例えば、四角形および六角形などの外形の枠状に形成してもよく、光が入射することができる領域が備えられているようにすればよい。
101…基板、102…エッチング停止層、103…バッファ層(第1半導体層)、104…光吸収層、105…コンタクト層(第2半導体層)、106…p型電極(第2電極)、107…開口部、108…誘電体層、109…金属層。

Claims (4)

  1. 基板の表面上に形成されたエッチング停止層と、
    前記エッチング停止層の上に形成された第1導電型の半導体からなる第1半導体層と、
    前記第1半導体層の上に形成された半導体からなる光吸収層と、
    前記光吸収層の上に形成された第2導電型の半導体からなる第2半導体層と、
    前記光吸収層および前記第2半導体層から構成された柱状部と、
    前記第1半導体層に接続する第1電極と、
    前記第2半導体層の上の周辺部に接して形成された第2電極と、
    前記柱状部の形成領域に対応して前記基板の裏面から前記エッチング停止層に到達して形成された開口部と、
    前記エッチング停止層の裏面側の前記開口部の領域に形成された誘電体層と、
    前記エッチング停止層の裏面側の前記開口部の領域に前記誘電体層を介して形成された金属層と
    を少なくとも備え、
    前記光吸収層は、対象とする光の波長に対応するバンドギャップエネルギーを有した半導体から構成され、
    前記第1半導体層,および前記第2半導体層は、前記光吸収層を構成する半導体より大きなバンドギャップエネルギーを有する半導体から構成され、
    前記第1半導体層および前記第2半導体層は、不純物を導入することで各々の前記導電型とされ、
    前記光吸収層は、前記第1半導体層および前記第2半導体層よりも不純物濃度が低い状態とされ、
    前記誘電体層および前記金属層により反射部が形成されている
    ことを特徴とする半導体受光素子。
  2. 請求項1記載の半導体受光素子において、
    前記基板および前記エッチング停止層は、第1導電型とされ、
    前記金属層は、前記開口部以外の領域で前記基板の裏面に接触して形成されて前記第1電極として機能することを特徴とする半導体受光素子。
  3. 請求項1記載の半導体受光素子において、
    前記柱状部の側方の前記第1半導体層の上に前記第1電極が形成されていることを特徴とする半導体受光素子。
  4. 第1半導体層を形成する工程と、
    基板の表面上にエッチング停止層を形成する工程と、
    前記エッチング停止層の上に第1導電型の半導体からなる第1半導体層を形成する工程と、
    前記第1半導体層の上に半導体からなる光吸収層を形成する工程と、
    前記光吸収層の上に第2導電型の半導体からなる第2半導体層を形成する工程と、
    前記光吸収層および前記第2半導体層から構成した柱状部を形成する工程と、
    前記第2半導体層の上の周辺部に接して第2電極を形成する工程と、
    前記第1半導体層に接続する第1電極を形成する工程と、
    前記柱状部の形成領域に対応して前記基板の裏面から前記エッチング停止層に到達する開口部を形成する工程と、
    前記エッチング停止層の裏面側の前記開口部の領域に誘電体層を形成する工程と、
    前記エッチング停止層の裏面側の前記開口部の領域に前記誘電体層を介して金属層を形成する工程と
    を少なくとも備え、
    前記光吸収層は、対象とする光の波長に対応するバンドギャップエネルギーを有した半導体から構成し、
    前記第1半導体層,および前記第2半導体層は、前記光吸収層を構成する半導体より大きなバンドギャップエネルギーを有する半導体から構成し、
    前記第1半導体層および前記第2半導体層は、不純物を導入することで各々の前記導電型とし、
    前記光吸収層は、前記第1半導体層および前記第2半導体層よりも不純物濃度が低い状態とし、
    前記誘電体層および前記金属層により反射部を形成することを特徴とする半導体受光素子の製造方法。
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