JP5952105B2 - フォトダイオード - Google Patents

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本発明は、広帯域かつ高感度なフォトダイオードに関する。
フォトダイオードは、半導体光吸収層において吸収した光を電流に変換する素子である。フォトダイオードは、一般に、光吸収層を厚くするほど、入力光パワーに対する出力電流の比(以下、感度と呼ぶ)を大きくすることができる。一方、光吸収層を厚くし過ぎると周波数応答帯域が低下する。このように、感度と周波数応答帯域とは、トレードオフ関係にある。
感度と帯域のトレードオフ関係を改善する方法として、基板裏面から光を入射する裏面入射型(基板入射型)のフォトダイオードにおいて、光入射側とは反対側の受光部領域の表面上に反射膜を形成する方法がある(特許文献1参照)。この手法によると、光吸収層で吸収できなかった非吸収光が、再び光吸収層内に導入されて吸収されるため、広帯域かつ高感度なフォトダイオードを実現することが可能になる。
また、感度と帯域のトレードオフ関係を改善する別の技術として、第1の光吸収層と第2のp型光吸収層の比率を、実効的な全キャリア走行時間が最小となるように設定する方法がある(特許文献2参照)。この手法によると、帯域に寄与するキャリア走行時間が最小化されるために、広帯域かつ高感度なフォトダイオードを実現することが可能になる。
さらに、基板入射型のフォトダイオードの光入射側とは反対側の受光部領域の表面上に反射膜を形成しつつ、さらに第1の光吸収層と第2のp型光吸収層の比率を、実効的な全キャリア走行時間が最小となるように設定することにより、さらなる広帯域かつ高感度なフォトダイオードを実現する技術も提案されている(特許文献3参照)。
特開平5−218488号公報 特許第4061057号公報 特開2011−187607号公報
しかしながら、上述した技術では、特定の波長に対する帯域と感度のトレードオフ関係を改善することに主眼があり、要求される使用波長域全体に対してフォトダイオードの構造をどのように設計するかについての指針は示されていない。このため、要求される使用波長域全体で見ると、想定よりも感度が低い波長が存在してしまうことがあるなどの問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、要求される使用波長域全体において、感度が向上し、周波数応答帯域の低下が抑制できるようにすることを目的とする。
本発明に係るフォトダイオードは、光入射側となる基板の上に形成された第1導電型の半導体からなる第1半導体層と、第1半導体層の上に形成された半導体からなる光吸収層と、光吸収層の上に形成された第2導電型の半導体からなる第2半導体層と、第2半導体層の上の周辺部に接続して形成された第1電極と、第1半導体層に接続された第2電極と、第1電極の内側の第2半導体層の上に形成された反射層とを少なくとも備え、光吸収層は、対象とする光の波長に対応するバンドギャップエネルギーを有した半導体から構成され、第1半導体層,および第2半導体層は、光吸収層を構成する半導体より大きなバンドギャップエネルギーを有する半導体から構成され、基板の側より入射して反射層および第1半導体層と光吸収層との境界面で多重反射して往復する光のうち、基板の側より入射した第1の部分波に対する、第1の部分波が反射層および境界面で1回ずつ反射して1往復の光路差が生じた第2の部分波の位相差Δが、対象波長域の中心波長においてΔ=π/2+2Nπ(Nは整数)となる状態に、第1半導体層,光吸収層,第2半導体層,反射層の層厚および複素屈折率の少なくとも1つが設定されている。
上記フォトダイオードにおいて、光吸収層を、第1半導体層の側に形成されてアンドープとされた半導体からなる第1光吸収層と、第2半導体層の側に形成されて第2導電型の第1光吸収層と同じ半導体からなる第2光吸収層とから構成してもよい。この場合、第1導電型はn型であり第2導電型はp型である。
以上説明したことにより、本発明によれば、要求される使用波長域全体において、感度が向上し、周波数応答帯域の低下が抑制できるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態におけるフォトダイオードの構成を示す断面図である。 図2は、本発明の実施の形態におけるフォトダイオードにおいて、光吸収層に生じる多重反射光において1往復だけ光路差のある2つの部分波の位相差Δが、光吸収層厚に対してどのように変化するかを計算した結果を示す特性図である。 図3は、本発明の実施の形態におけるフォトダイオードにおいて、光吸収層厚に対する感度の変化を計算した結果を示す特性図である。 図4は、本発明の実施の形態におけるフォトダイオードにおいて、光吸収層に多重反射が生じる場合に、1.57±0.05μmの範囲の波長に対して位相差Δと感度がどのように変化するかを、図2の点Aの光吸収層厚について計算した結果を示す特性図である。 図5は、本発明の実施の形態におけるフォトダイオードにおいて、光吸収層に多重反射が生じる場合に、1.57±0.05μmの範囲の波長に対して位相差Δと感度がどのように変化するかを、図2の点Bの光吸収層厚について計算した結果を示す特性図である。 図6は、本発明の実施の形態におけるフォトダイオードにおいて、1.52〜1.62μmの波長範囲における感度の最大値と最小値を、各光吸収層厚に対して求めた計算結果を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるフォトダイオードの構成を示す断面図である。このフォトダイオードは、まず、光入射側となる基板101の上に形成された第1導電型の半導体からなる第1半導体層102を備える。また、第1半導体層102の上に形成されてアンドープとされた半導体からなる第1光吸収層103aと、第1光吸収層103aの上に形成されて第1光吸収層103aと同じ半導体からなり第2導電型とされた第2光吸収層103bとを備える。また、第2光吸収層103bの上に形成された第2導電型の半導体からなる第2半導体層104を備える。なお、第1導電型は、n型であり、第2導電型は、p型である。
また、第2半導体層104の上の周辺部には、第1電極105が接続して形成され、第1半導体層102には、第2電極106が接続して形成されている。例えば、第1光吸収層103a,第2光吸収層103b,第2半導体層104は、円柱形状にパターニングされ、この円柱部の周囲の第1半導体層102上に、第2電極106が形成されている。
また、第2半導体層104の上には、誘電体層107を介して反射層108が形成されている。反射層108は、第1電極105の内側の第2半導体層104の上に形成されていればよい。反射層108は、例えば金属から構成されている。また、基板101の光入射側の裏面には、反射防止層109が形成されている。
なお、第1光吸収層103a,第2光吸収層103bは、対象とする光の波長に対応するバンドギャップエネルギーを有した半導体から構成されていればよい。これら光吸収層は、対象とする光の波長(使用波長)におけるフォトンエネルギーよりもバンドギャップの小さい材料から構成されていればよい。また、第1半導体層102,および第2半導体層104は、第1光吸収層103a,第2光吸収層103bを構成する半導体より大きなバンドギャップエネルギーを有する半導体から構成されている。
例えば、基板101は、半絶縁性のInPからなる半導体基板であればよい。また、第1半導体層102は、n型不純物が高濃度に導入されたn+−InPから構成されていればよい。また、第1光吸収層103aは、アンドープのInGaAsから構成され、第2光吸収層103bは、p型不純物が導入されたp−InGaAsから構成されていればよい。第2半導体層104は、p型の不純物が高濃度に導入されたp+−InGaAsPから構成されていればよい。なお、誘電体層107は、TiO2およびSiO2の積層から構成されていればよい。
以下、本実施の形態におけるフォトダイオードの製造方法について簡単に説明する。まず、半絶縁性のInPからなる基板101の上に、n型のInP(第1半導体層102)、アンドープのInGaAs(第1光吸収層103a)、p型のInGaAs(第2光吸収層103b)、およびp型のInGaAsP(第2半導体層104)を順次堆積する。これらは、よく知られた有機金属気相成長法により形成すればよい。また、n型の層は、例えばSiを不純物として用いればよく、p型の層は、例えばZnを不純物として用いればよい。
次に、第2半導体層104となるInGaAsPの層の上に、第1電極105を形成する。例えば、第1電極105の形成領域が開放したレジストパターンを形成し、この上に、電子ビーム蒸着法により、Pt,Ti,Auを順次蒸着して,Pt/Ti/Au多層膜を形成する。この後、レジストパターンを除去すればPt/Ti/Au多層膜から構成された第1電極105できる(リフトオフ法)。第1電極105は、例えば、平面視で中央に開口を有するリング状に形成すればよい。
次に、公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチングにより、アンドープのInGaAsの層,p型のInGaAsの層,およびp型のInGaAsPの層をパターニングし、円柱状の第1光吸収層103a,第2光吸収層103b,および第2半導体層104を形成する。次に、このパターニングにより露出した第1半導体層102の所望の箇所に、上述した第1電極105と同様にすることで、Ti/Pt/Au/Pt/Ti多層膜から構成された第2電極106を形成する。
次に、誘電体層107を形成する。例えば、TiO2の層およびSiO2の層を順次にスパッタ法で堆積し、TiO2およびSiO2の積層からなる誘電体層107を形成すればよい。ここで、誘電体層107の機能としては、SiO2のみで十分であるが、第2半導体層104とSiO2との界面の密着性および濡れ性などを向上させることを目的として、TiO2の層を挿入する。
次に、反射層108を形成する。例えば、電子ビーム法により選択的にAuを堆積することで、反射層108を形成すればよい。反射層108は、少なくとも、第1電極105の形成領域より内側の領域に形成されていればよい。また、基板101の裏面に、反射防止層109を形成する。
上述した構成とした本実施の形態におけるフォトダイオードは、第1半導体層102および第2半導体層104は、第1光吸収層103a,第2光吸収層103bを構成する半導体より大きなバンドギャップエネルギーを有する半導体から構成しているので、対象とする波長の入射光は、透過する。これに対し、第1光吸収層103a,第2光吸収層103bは、使用波長におけるフォトンエネルギーよりもバンドギャップの小さい材料から構成しているので、入射光を吸収し光電流に変換することができる。
なお、InPから構成した基板101および第1半導体層102と、InGaAsから構成した第1光吸収層103a,第2光吸収層103bとは、バンドギャップが異なると同時に、一般に屈折率も異なる。例えば、波長1.55μmにおいて、InPは屈折率が3.17であり、InGaAsは、屈折率が3.59である。従って、各々の材料の組み合わせによって、第1光吸収層103aと第1半導体層102,あるいは、第1半導体層102と基板101との界面には、屈折率差が形成されることになる。
ここで、上記構成とした本実施の形態のフォトダイオードでは、基板101の側より入射して第1光吸収層103a,第2光吸収層103bを透過した入射光は、第2半導体層104,誘電体層107を透過して反射層108で反射され、再び第1光吸収層103a,第2光吸収層103bに導かれて吸収される。さらに、反射層108で反射して第1光吸収層103a,第2光吸収層103bを透過した一部の反射光は、屈折率差が存在する上述した界面で反射され、再再度、第1光吸収層103a,第2光吸収層103bに導かれて吸収されることになる。このように、第1光吸収層103a,第2光吸収層103bを挟んで、多重反射が発生していることが分かる。
この多重反射の発生において、本実施の形態におけるフォトダイオードは、基板101の側より入射して反射層108と第1半導体層102との間を反射して往復する光の1往復の光路差のある2つの部分波E1および部分波E2の位相差Δが、対象波長域の中心波長においてπ/4+2Nπ≦Δ≦3π/4+2Nπ(Nは整数)となる状態に、第1半導体層102,光吸収層,第2半導体層104,反射層108の層厚および複素屈折率の少なくとも1つが設定されているようにした。例えば、第1光吸収層103aおよび第2光吸収層103bからなる光吸収層の厚さを、上記式が成立する状態に設定すればよい。
このように、第1光吸収層103aおよび第2光吸収層103bからなる光吸収層において生じる多重反射光において、1往復だけ光路差のある2つの部分波E1と部分波E2の位相差Δ、言い換えると、部分波E1に対する部分波E2の位相差Δを利用すると、波長に対する感度変化の形状を制御することが可能になる。以下、具体例とともに本発明の原理を説明する。なお、以下では、第1光吸収層103aおよび第2光吸収層103bをあわせて光吸収層とする。
図2は、本発明の実施の形態におけるフォトダイオードにおいて、光吸収層に生じる多重反射光において1往復だけ光路差のある2つの部分波の位相差、すなわち、図1に示す部分波E1に対する部分波E2の位相差Δが、光吸収層厚(第1光吸収層103aと第2光吸収層103bの厚さの和)に対してどのように変化するかを計算したものである。また図3は、光吸収層厚に対する感度の変化を計算したものである。
ここで、光の波長は1.57μmとし、基板101、および第1半導体層102はInPの屈折率を用いた。また、光吸収層はInGaAsの複素屈折率を用いており、波長が長波長になるほど吸収係数が単調に減少するよう屈折率の虚部を設定した。また第2半導体層104,誘電体層107,反射層108は、Auの複素屈折率で代表させた。また、光吸収層における第1光吸収層103aと第2光吸収層103bとの比は一定にした。また位相差Δは±πラジアンの間の値で表した。
また図3において、多重反射を考慮した場合の計算結果を実線で示している。一方、屈折率差に伴う多重反射が発生しない場合、すなわち基板101および第1半導体層102層の屈折率が光吸収層と等しく、行きと帰りの1往復のみを考慮すれば良い場合の計算結果を点線で示した。また、感度は、単位A/Wで表した。また入射光は光吸収層の面に対し垂直に入射するものとした。
図2に示すように、光吸収層厚が増加すると部分波E1から部分波E2に至る伝播距離が増加するために位相差Δが増加する。また位相差Δは、光吸収層厚に比例する位相成分だけでなく、各層の境界面における反射に伴う位相シフトも含まれている。ここで、光吸収層厚1μm近傍に注目し、位相差Δが+π/2ラジアンおよび−π/2ラジアンとなる点を、各々点Aおよび点Bと呼ぶことにする。また、図2において、グレーで示した領域は、当該波長において、位相差Δがπ/4+2Nπ≦Δ≦3π/4+2Nπ(Nは整数)であることを示しており、点Aもこの領域に含まれる。
図3に示すように、屈折率差に伴う多重反射が発生しない場合(点線)は、光吸収層厚が増加すると感度が単調増加する。ところが、多重反射を考慮した場合(実線)は、点線に対して感度が増加する場合や減少する場合がある。図2の位相差Δと照らし合わせると、位相差が、+π/2ラジアンとなる点Aおよび−π/2ラジアンとなる点Bでは、感度はほとんど変わらないが、位相差が0ラジアン,πラジアンでは、多重反射の影響により、各々感度がおおむね極大値,極小値を示すことが分かる。
次に、図4および図5は、本発明の実施の形態におけるフォトダイオードにおいて、光吸収層に多重反射が生じる場合に、1.57±0.05μmの範囲の波長に対して位相差Δと感度がどのように変化するかを、図2の点Aおよび点Bの光吸収層厚について各々計算した結果である。
点Aの計算結果を表す線Aは、多重反射光の中心波長における位相差が+π/2ラジアンであり、中心波長よりも長波長側においては同位相になる方向に位相差Δが変化するため、量子効率が向上する。これにより、長波長側における光吸収層材料の吸収係数の減少に伴う感度低下を補うことが可能になる。
これに対し、点Bの計算結果を表す線Bは、多重反射光の中心波長における位相差が−π/2ラジアンであり、中心波長よりも長波長側においては逆位相になる方向に位相差Δが変化するため、量子効率が低下する。これにより、長波長側における光吸収層材料の吸収係数の減少とあいまって感度が低下する。
また、図5において、線Aに対する感度の最大値と最小値を、各々AmaxとAminとし、線Bに対して各々BmaxとBminとすると、Amax/Amin=1.03、Bmax/Bmin=1.17となる。このように、明らかに線Aの方が感度の平坦性が良く、1.52〜1.62μmの波長に対する感度変動を3%程度に抑制できる。
図6は、1.52〜1.62μmの波長範囲における感度の最大値と最小値を、各光吸収層厚に対して求めた計算結果である。Amax,Amin,Bmax,Bminの各点は、図5における定義と同じである。図6において、点A付近において最大値と最小値が近接しているのはグレーで示した領域である。さらに、中心波長1.57μmに対する位相差Δ(図2)と照らし合わせると、グレーで示した領域、すなわち中心波長の位相差Δが、「π/4+2Nπ≦Δ≦3π/4+2Nπ(Nは整数)」である場合に最大値と最小値が近接していることが分かる。
以上に説明したように、本発明によれば、基板の側より入射して反射層と第1半導体層との間を反射して往復する光の1往復の光路差のある2つの部分波E1および部分波E2の位相差Δが、対象波長域の中心波長においてπ/4+2Nπ≦Δ≦3π/4+2Nπ(Nは整数)となる状態にしたので、要求される使用波長域全体において、感度が向上し、周波数応答帯域の低下が抑制できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、上述では、長波長側において光吸収層材料の吸収係数の減少により感度が長波長側で低下する場合について説明したが、使用する波長帯における吸収係数の波長依存性、および量子効率と感度の波長に対する関係に応じて位相差Δを設定することにより感度の平坦化を実現してもよい。また、感度を平坦化する効果に注目して説明したが、特定波長の感度が向上するよう位相差Δを設定しても良い。
また、位相差Δを設定するためのパラメータとして光吸収層厚を用いたが、各層の境界面における反射に伴う位相シフトが位相差Δに関わることを用いて、光吸収層以外の層の複素屈折率や厚さをパラメータとして位相差Δを設定してもよい。また、光吸収層厚1μm近傍に注目して説明したが、他の光吸収層厚であっても良い。また、基板の裏面(素子と反対側)から光が入射する構造について説明したが、基板の上面(素子側)から光を入射し、光吸収層を透過した光を反射層で反射させることにより光吸収層に多重反射を発生させる構造であってもよい。
また、上述では、光吸収層を、第1半導体層の側に形成されてアンドープとされた半導体からなる第1光吸収層と、第2半導体層の側に形成されて第2導電型の第1光吸収層と同じ半導体からなる第2光吸収層とから構成したが、これに限るものではない。光吸収層は、アンドープの半導体から一体に構成してもよい。また、光吸収層は、第1半導体層および第2半導体層よりも低い濃度範囲で不純物が導入された半導体から一体に構成してもよい。
また、誘電体層は、TiO2/SiO2の積層構造として説明したが、入射光の波長帯で大きな吸収係数を持たない限り、Al23およびTa25などの他の酸化物、また、Si34,TiN,およびAlNなどの窒化物から構成してもよい。また、誘電体層を形成する半導体表面との密着性および濡れ性が十分にある場合は、TiO2/SiO2のように多層構造にする必要はない。材料を変更しても、誘電体層の層厚はTiO2/SiO2の場合と同様に、プロセスに支障をきたさないために必要最低限度以上の層厚で、かつ反射率が最大となる層厚にすればよい。
また、反射層を構成する金属はAuとして説明したが、入射光の波長に対する反射率が十分に確保できる金属材料で、かつ組み合わせて用いる誘電体層に拡散および誘電体層と合金化しないものであればよい。例えば、反射層を構成する材料としては、Ag,Pt,Al,Ni,Co,W,Cu,およびTiなどが挙げられる。
また上述では、InGaAs/InP系化合物半導体を用いるようにしたが、これに限るものではない。例えば、P系、As系、N系、Sb系、などの化合物半導体を用いるようにしてもよく、またGe系、Si系などの単元素半導体材料でもよい。
また、導電型を入れ替えてもよいことはいうまでもない。例えば、基板の側より、p型とした半導体層,p型光吸収層,ノンドープの光吸収層,n型とした半導体層の順に積層し、n型とした半導体層の上に、誘電体層を介して反射層を形成してもよい。
また、上述では、反射層を設ける側の電極を円形のリング状に形成したが、これに限るものではない。例えば、四角形および六角形などの外形の枠状に形成してもよく、基板の側より入射してきた光を反射することができる領域が、電極を形成する反射層に備えられるようにされていればよい。
101…基板、102…第1半導体層、103a…第1光吸収層、103b…第2光吸収層、104…第2半導体層、105…第1電極、106…第2電極、107…誘電体層、108…反射層、109…反射防止層。

Claims (2)

  1. 光入射側となる基板の上に形成された第1導電型の半導体からなる第1半導体層と、
    前記第1半導体層の上に形成された半導体からなる光吸収層と、
    前記光吸収層の上に形成された第2導電型の半導体からなる第2半導体層と、
    前記第2半導体層の上の周辺部に接続して形成された第1電極と、
    前記第1半導体層に接続された第2電極と、
    前記第1電極の内側の前記第2半導体層の上に形成された反射層と
    を少なくとも備え、
    前記光吸収層は、対象とする光の波長に対応するバンドギャップエネルギーを有した半導体から構成され、
    前記第1半導体層,および前記第2半導体層は、前記光吸収層を構成する半導体より大きなバンドギャップエネルギーを有する半導体から構成され、
    前記基板の側より入射して前記反射層および前記第1半導体層と前記光吸収層との境界面で多重反射して往復する光のうち、前記基板の側より入射した第1の部分波に対する、前記第1の部分波が前記反射層および前記境界面で1回ずつ反射して1往復の光路差が生じた第2の部分波の位相差Δが、対象波長域の中心波長においてΔ=π/2+2Nπ(Nは整数)となる状態に、前記第1半導体層,前記光吸収層,前記第2半導体層,前記反射層の層厚および複素屈折率の少なくとも1つが設定されている
    ことを特徴とするフォトダイオード。
  2. 請求項1記載のフォトダイオードにおいて、
    前記光吸収層は、前記第1半導体層の側に形成されてアンドープとされた半導体からなる第1光吸収層と、前記第2半導体層の側に形成されて第2導電型の前記第1光吸収層と同じ半導体からなる第2光吸収層とから構成され、
    第1導電型はn型であり第2導電型はp型であることを特徴とするフォトダイオード。
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