JP2953694B2 - 半導体受光素子 - Google Patents

半導体受光素子

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JP2953694B2 JP63092823A JP9282388A JP2953694B2 JP 2953694 B2 JP2953694 B2 JP 2953694B2 JP 63092823 A JP63092823 A JP 63092823A JP 9282388 A JP9282388 A JP 9282388A JP 2953694 B2 JP2953694 B2 JP 2953694B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は量子効率を向上させた半導体受光素子に関す
る。
(従来の技術) 10Gb/s以上の大容量光通信システムを構成する上では
超高速かつ高感度な光検出器が不可欠であり、近年、こ
の目的に合致する半導体受光素子として、光ファイバの
低伝送損失波長領域1〜1.6μmに適応可能なピンフォ
トダイオード(pinPD)の超高速化が研究されている。
その典型的素子例の断面図を第3図に示す。第3図にお
いて、1は半導体n+型基板、2はn型バッファー層、3
は光吸収層、4はn型キャップ層、5はp+型拡散領域、
6はp側オーミック金属、7は誘電体膜、8は金属電
極、9はn側電極、10は受光部(光吸収領域)である。
ピンフォトダイオードの応答速度を制限する要因には、
受光部の接合容量によるCR時定数と、光吸収により発生
したキャリアの空乏層走行時間による2つの制限があ
る。接合容量制限については、受光部10の面積を縮小す
ることで接合容量を小さくして、高速化を図ることが可
能である。一方、キャリアの走行時間制限については、
光吸収領域10で発生したキャリアの走行距離、すなわ
ち、光吸収層3の厚さが薄いことが必要である。光吸収
層3を薄くすることは接合容量を増大させる方向に影響
するので、応答速度を最大にする光吸収層厚さの最適値
が存在する。
一例としてGa0.47In0.53As/InPピンフォトダイオード
についての理論的計算によると、遮断周波数20GHzの高
速応答を得るには、接合径30μmΦとするとGa0.47In
0.53As光吸収層厚1μmが得られる。
(発明が解決しようとする課題) ところが従来構造では、光吸収層を1μmに薄膜化す
ると量子効率が50%以下に低下してはまう。これを防ぐ
ために従来構造では光吸収層厚を2〜3μmと厚くせざ
るを得ず高速化が不十分であった。
そこで本発明は、上述の欠点を解決し、高速かつ高感
度な特性を有する半導体受光素子の実現を目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、光の入射する側の反対側の半導体表面に形
成する金属電極と半導体との界面の一部に、屈折率がそ
の半導体のそれよりも小さく、膜厚が入射光の波長λに
対してλ/4n(nは屈折率)である少なくとも一種類の
誘電体膜を挿入した、金属−誘電体−半導体構造の反射
膜を有することを特徴とする半導体受光素子である。
(作用) 光を基板の裏面より入射すると、光は光吸収層で吸収
されるが、前述の理由により高速応答実現のために光吸
収層が薄膜化されているので、この層で吸収される光は
一部であり、透過光は半導体表面まで達する。本発明で
は半導体と金属膜の界面の一部に誘電体膜が形成され、
金属−誘電体−半導体構造の反射鏡が構成されているの
で、光はこの反射鏡により反射されて再び光吸収層まで
到達し吸収される。このため、反射鏡を持たない従来構
造の受光素子よりも光の吸収量は多く、量子効率は向上
する。従来の金属−半導体構造の電極では、アロイ化に
より界面の平坦性、鏡面性は失われ反射率は小さいのに
対して、本発明の金属−誘電体−半導体構造では誘電体
を挿入してあることから、電極のアロイ化に際しても界
面の平坦性は失われず、しかも、誘電体膜の厚みを入射
光の波長λに対してλ/4n(nは屈折率)に設定するこ
とでブラッグ反射(多重反射)を利用でき、高反射率が
得られる。
(実施例) 以下、本発明の実施例として、GaInAs/InPピンフォト
ダイオードを用いて説明するが、他の系、例えばSi系、
AlGaAs/GaAs系、GaInAs/InAlAs系等についても全く同じ
である。第1図に示す、本発明であるところの半導体受
光素子構造を形成するため以下の材料の組合せを示す。
n+−InP基板1上にn−InPバッファ層2を1μm厚に、
キャリア濃度〜2×1015cm-3のn-−Ga0.47In0.53As層3
を1μm厚に、キャリア濃度〜1×1016cm-3のn-−InP
層4を〜1μm厚に順次ハイドライド気相成長法を用い
て成長した後、p+型拡散領域5としてZn選択拡散を行い
pn接合を形成する。予めp側オーミック金属6として、
Au/Znを外径30μmΦ、内径20μmΦのリング状に形成
した後、金属電極8としてAu、誘電体膜7としてSiO2
用いた金属−誘電体−半導体構造の反射鏡を形成する。
反射鏡の各材料としてはAu、SiO2をそれぞれ用いる。Si
O2膜の厚さは、入射光波長λ=1.55μmに対して、λ/4
n(nは屈折率)に対応する値である。第2図にAu/SiO2
/InP反射鏡の反射率のSiO2膜厚依存性を示す。
SiO2膜の厚さがλ/4nに相当する2672Åの時、平面波
垂直入射で最大反射率98.5%となることが示されてい
る。
この構成例において、基板裏面より入射した光の一部
(〜50%)は、光吸収層3で吸収され、残りは透過光と
してAu/SiO2/InP反射鏡に達し、その大部分(98.5%)
が反射されて、再び光吸収層に到達し吸収される。反射
鏡のない従来構造では量子効率は50%程度であるのに対
して、本発明である上記構造では、カットオフ周波数を
劣化させることなく、量子効率を75%程度にまで向上で
きる。
なお上記実施例では誘電体膜としてSiO2を用いたが、
SiN等でもよいし、2種類あるいはそれ以上の膜を積層
してもよい。
(発明の効果) 本発明の半導体受光素子により、高速かつ高感度の応
答特性を有する光検出器が容易に得ることができ、その
実用的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明である半導体受光素子の一例の構造断
面図であり、第2図は、本発明の構成要素である金属−
誘電体−半導体構造の構成例Au/SiO2/InP反射鏡の反射
率のSiO2膜厚依存性を示す図であり、第3図は、従来構
造の半導体受光素子の構造断面図である。第1図及び第
3図において、1は半導体n+型基板、2はn型バッファ
ー層、3は光吸収層、4はn型キャップ層、5はp+型拡
散領域、6はオーミック金属、7は誘電体膜、8は金属
電極、9はn側電極、10は受光部(光吸収領域)であ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光の入射する側の反対側の半導体表面に形
    成する金属電極と半導体との界面の一部に、屈折率がそ
    の半導体のそれよりも小さく、膜厚が入射光の波長λに
    対してλ/4n(nは屈折率)である少なくとも一種類の
    誘電体膜を挿入した、金属−誘電体−半導体構造の反射
    膜を有することを特徴とする半導体受光素子。
JP63092823A 1988-04-14 1988-04-14 半導体受光素子 Expired - Lifetime JP2953694B2 (ja)

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