JP2013522213A - ラクトン中間体を経由するホモセリンからのメチオニンまたはセレノメチオニンの製造 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の様々な態様において、式(I)で示される化合物からの、式(III)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩の製造方法を提供する。該方法は、式(I)で示される化合物を第1プロトン供与体(HX)と接触させて、式(II)で示される化合物を形成することを含む。次いで、式(II)で示される化合物をRC(O)R’と接触させて、式(IIa)で示される化合物を形成する。該方法は、さらに、式(IIa)で示される化合物をMeZと接触させて、式(IIIa)で示される化合物を形成することを含む。該方法は、さらに、式(IIIa)で示される化合物を第2プロトン供与体と接触させて、式(III)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩を形成することを含む。
Meは、メチルである;
Rは、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである;
R’は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである;
Xは、アニオンである;および
Zは、イオウまたはセレンである]
MeZで示される化合物は、アルカリ金属メタンセレノアートおよびメチルセレノールから選ばれる;
Meは、メチルである;
Xは、アニオンである;および
Zは、イオウまたはセレンである]
Rは、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである;
R’は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである;および
Xは、アニオンである]
Meは、メチルである;
Rは、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである;
R’は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである;および
Zは、イオウまたはセレンである]
MeZで示される化合物は、アルカリ金属メタンセレノアートおよびメチルセレノールから選ばれる;
Meは、メチルである;および
Zは、セレンである]
MeZで示される化合物は、アルカリ金属メタンセレノアートまたはメチルセレノールである;
Meは、メチルである;および
Zは、セレンである]
本明細書では、ラクトン中間体を経由して進行する、ホモセリンからのメチオニンまたはセレノメチオニンの製造方法を提供する。ラクトン中間体は、非置換ホモセリンラクトン、ホモセリンラクトン シッフ塩基/イミン複合体またはN-アシル化ホモセリンラクトンを含む。これらの合成方法は、危険な化学薬品の使用を避けるばかりでなく、発酵過程を用いて製造することができるホモセリンを利用する。
本発明の1つの態様は、ラクトン中間体を経由して進行する、ホモセリンからのメチオニンまたはセレノメチオニン、すなわち、式(III)で示される化合物の製造方法を提供する。該方法は、式(I)で示される化合物をプロトン供与体(HX)と接触させて、式(II)で示される化合物を形成するステップAを含む。該方法は、さらに、式(II)で示される化合物をMeZで示される化合物と接触させて、式(III)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩を形成するステップBを含む。説明のために、反応工程式1により本発明のこの態様を示す。
Meは、メチルである;
Xは、アニオンである;および
Zは、イオウまたはセレンである]
該方法のステップAは、式(I)で示される化合物をプロトン供与体(HX)と接触させて、式(II)で示される化合物を形成することを含む。該方法は、式(I)で示される化合物およびプロトン供与体の反応混合物の形成から始まる。
該方法のステップAにおいて、様々なプロトン供与体を用いることができる。一般に、プロトン供与体、HXは、約0以下のpKを有する。適当なプロトン供与体として、HCl、HBr、HI、HClO3、HClO4、HBrO4、HIO3、HIO4、HNO3、H2SO4、MeSO3H、CF3SO3Hおよびp-トルエンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1つの実施態様において、プロトン供与体は、HClであってよい。
代表的には、反応混合物は、溶媒も含む。一般に、溶媒は、プロトン性溶媒または非プロトン性溶媒であってよい。適当なプロトン性溶媒として、水、C1-C4アルコールおよびその混合物が挙げられる。C1-C4アルコールの例として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、イソブタノール、n-ブタノール、s-ブタノール、t-ブタノールなどが挙げられる。好ましい実施態様において、プロトン性溶媒は、水であってよい。適当な非プロトン性溶媒として、アセトン、アセトニトリル、 ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ピラジン、テトラヒドロフラン、トルエンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。例示的な実施態様において、非プロトン性溶媒は、トルエンである。反応混合物に包含される溶媒の量は、様々であってよい。代表的には、溶媒:式(I)で示される化合物のモル比は、約1:1〜約50:1の範囲であってよい。いくつかの実施態様において、溶媒:式(I)で示される化合物のモル比は、約5:1〜約25:1の範囲であってよい。特定の実施態様において、溶媒:式(I)で示される化合物のモル比は、約6:1、8:1、10:1、12:1、14:1、16:1、18:1または20:1であってよい。1つの実施態様において、溶媒:式(I)で示される化合物のモル比は、約16:1であってよい。
ステップAの反応は、約50℃〜約150℃の範囲であってよい温度で進行することができる。特定の実施態様において、反応温度は、約60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、95℃、100℃、105℃、110℃、115℃または120℃であってよい。1つの実施態様において、ステップAは、約100℃の温度で行われる。
該方法は、さらに、式(II)で示される化合物をMeZで示される化合物と接触させて、式(III)で示される化合物またはその塩を形成するステップBを含む。本明細書で用いられる「MeZで示される化合物」は、もう1つの化合物にメチルイオウ部分またはメチルセレン部分を提供することができる能力がある化合物を意味する。適当なMeZで示される化合物の非限定的例として、が挙げられる。
アルカリ金属メタンチオラート、メチルメルカプタン、アルカリ金属メタンセレノアートおよびメチルセレノール。代表的には、アルカリ金属は、ナトリウム、カリウムまたはリチウムである。
いくつかの実施態様において、Zがイオウである式(III)で示される化合物の塩は、式(II)で示される化合物をアルカリ金属メタンチオラート(すなわち、アルカリ金属MeS)と接触させることによって製造することができる。適当なアルカリ金属メタンチオラートとして、ナトリウムメタンチオラート、カリウムメタンチオラートまたはリチウムメタンチオラートが挙げられる。アルカリ金属メタンチオラートは、化学薬品会社から購入することができる。別法として、アルカリ金属メタンチオラートは、使用前に合成してもよい。
アルカリ金属メタンチオラートは、メチルメルカプタン(メタンチオールとも称する)をアルカリ金属水酸化物と接触させることによって合成することができる。適当なアルカリ金属水酸化物として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(II)で示される化合物とアルカリ金属メタンチオラートとの接触により、Zがイオウである式(III)で示される化合物の塩が生成される。アルカリ金属は、ナトリウム、リチウムまたはカリウムなどのアルカリ金属あってよい。代表的には、式(II)で示される化合物:アルカリ金属メタンチオラートのモル比は、約1:0.5〜約1:10の範囲であってよい。いくつかの実施態様において、式(II)で示される化合物:アルカリ金属メタンチオラートのモル比は、約1:1〜約1:4の範囲であってよい。さらなる実施態様において、式(II)で示される化合物:アルカリ金属メタンチオラートのモル比は、約1:1.0、1:1.2、1:1.4、1:1.6、1:1.8、1:2.0、1:2.2、1:2.4、1:2.6、1:2.8、1:3.0、1:3.2、1:3.4、1:3.6、1:3.8または1:4.0であってよい。1つの実施態様において、式(II)で示される化合物:アルカリ金属メタンチオラートのモル比は、約1:2.2であってよい。
他の実施態様において、式(II)で示される化合物をメチルメルカプタン(MeSH)と接触させることによって、Zがイオウである式(III)で示される化合物を形成してもよい。式(II)で示される化合物:メチルメルカプタンのモル比は、約1:10〜約1:150の範囲であってよい。様々な実施態様において、式(II)で示される化合物:メチルメルカプタンのモル比は、約1:20、1:40、1:60、1:80、1:100、1:120または1:140であってよい。式(II)で示される化合物とメチルメルカプタンとの反応は、触媒の存在下で行われてもよい。いくつかの実施態様において、触媒は、0以下のpKaを有するプロトン供与体あってよい。この特性を有するプロトン供与体の非限定的例として、HCl、HBr、HI、HClO3、HClO4、HBrO4、HIO3、HIO4、HNO3、H2SO4、MeSO3H、CF3SO3H、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸などが挙げられる。一般に、式(II)で示される化合物:触媒のモル比は、約1:1〜約1:20の範囲であってよい。いくつかの実施態様において、式(II)で示される化合物:触媒のモル比は、約1:3、1:6または1:9であってよい。
さらに別の実施態様において、式(II)で示される化合物をアルカリ金属メタンセレノアート(すなわち、アルカリ金属MeSe)と接触させることによって、Zがセレンである式(III)で示される化合物の塩を製造することができる。適当なアルカリ金属メタンセレノアートとして、ナトリウムメタンセレノアート、カリウムメタンセレノアートまたはリチウムメタンセレノアートが挙げられる。当業者には知られているように、アルカリ金属メタンセレノアートは、様々な方法によって製造することができる。1つの実施態様において、たとえば、金属セレンをメチルリチウム、メチルナトリウムまたは類似化合物と接触させることによってアルカリ金属メタンセレノアートを製造することができる。もう1つの実施態様において、金属ナトリウム、水素化ナトリウムまたは水素化ホウ素ナトリウムをジメチルジセレニドと接触させることによって、ナトリウムメタンセレノアートを製造することができる。さらなる実施態様において、金属セレンをグリニャール試薬(すなわち、メチルマグネシウムブロミドまたはメチルマグネシウムヨージドなどのアルキル-またはアリールマグネシウムハライド)と接触させることによって、メタンセレノアート製造することができる。別の実施態様において、メチルセレノールを適当な塩基と接触させることによってメタンセレノアートを製造することができる。さらに別の実施態様において、金属セレンを水素化アルカリ金属、次いで、炭酸ジメチルまたは硫酸ジメチルなどのアルキル化試薬と接触させることによって、メタンセレノアートを製造してもよい。上述の反応のそれぞれのための条件は、当業者にはよく知られている。
別の実施態様において、式(II)で示される化合物をメチルセレノール(MeSeH)と接触させることによって、Zがセレンである式(III)で示される化合物を製造することができる。式(II)で示される化合物:メチルセレノールのモル比は、約1:10〜約1:150の範囲であってよい。様々な実施態様において、式(II)で示される化合物:メチルセレノールのモル比は、約1:20、1:40、1:60、1:80、1:100、1:120または1:140であってよい。
いくつかの実施態様において、触媒は、0以下のpKaを有するプロトン供与体であってよい。この特性を有するプロトン供与体の非限定的例として、HCl、HBr、HI、HClO3、HClO4、HBrO4、HIO3、HIO4、HNO3、H2SO4、MeSO3H、CF3SO3H、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸などが挙げられる。一般に、式(II)で示される化合物:触媒の範囲のモル比は、約1:1〜約1:20であってよい。いくつかの実施態様において、式(II)で示される化合物:触媒のモル比は、約1:3、1:6または1:9であってよい。
ステップBの反応は、約0℃〜約200℃の範囲であってよい温度で進行することができる。特定の実施態様において、反応温度は、約0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃または120℃であってよい。1つの実施態様において、ステップBの反応は、50℃の温度で行われる。もう1つの実施態様において、ステップBの反応は、80℃の温度で行われる。反応は、周囲圧および不活性雰囲気(たとえば、窒素またはアルゴン)下で行われてもよい。
本発明のさらなる態様は、ラクトンイミン複合体中間体を経由して進行する、式(I)で示される化合物からの式(III)で示される化合物の製造方法を含む。該方法は、式(I)で示される化合物を第1プロトン供与体(HX)と接触させて、ラクトン中間体、すなわち、式(II)で示される化合物を形成するステップAを含む。次いで、該方法のステップBにおいて、式(II)で示される化合物をRC(O)R’と接触させて、ラクトンイミン中間体、すなわち、式(IIa)で示される化合物を形成する。該方法は、さらに、式(IIa)で示される化合物をMeZで示される化合物と接触させて、式(IIIa)で示される化合物またはその塩を形成するステップCを含む。該方法の最終ステップであるステップDは、式(IIIa)で示される化合物またはその塩を第2プロトン供与体と接触させて、式(III)で示される化合物またはその塩を形成することを含む。例示を目的として、反応工程式2は、本発明のこの態様の式(III)で示される化合物の製造を示す:
Meは、メチルである;
Rは、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである;
R’は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである;
Xは、アニオンである;および
Zは、イオウまたはセレンである]
該方法のステップAは、式(I)で示される化合物を第1プロトン供与体と接触させて、式(II)で示される化合物を形成することを含む。前記セクション(I)(a)および(I)(b)は、該方法のこのステップのための適当なプロトン供与体、溶媒および反応条件を詳述する。
(b)ステップBの反応混合物
該方法のステップBは、式(II)で示される化合物をRC(O)R’と接触させて、式(IIa)で示される化合物を形成することを含む。
(i)RC(O)R’
該方法のステップBにおいて、式:RC(O)R’で示される様々な化合物を用いることができる。いくつかの実施態様において、Rは、アルキル、アルケン、アリール、置換アルキル、置換アルケンおよび置換アリールから選ばれ、R’は、水素、アルキル、アルケン、アリール、置換アルキル、置換アルケンおよび置換アリールから選ばれる。R’が水素である場合、適当なアルデヒド化合物として、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。R’が水素でない場合、適当なケトン化合物の非限定的例として、プロピオンアルデヒド、アセトフェノン、ベンゾフェノンなどが挙げられる。
ステップBは、代表的に、溶媒の存在下で行われるは、用いられる溶媒のタイプは、RC(O)R’の性質に応じて変わる。溶媒は、プロトン性溶媒、非プロトン性溶媒、有機溶媒またはその混合物であってよい。適当な溶媒の例は、上記セクション(I)(a)に記載の通りである。1つの実施態様において、溶媒は、ジクロロメタンであってよい。
ステップBの方法は、約20℃〜約170℃の範囲であってよい温度にて進行することができる。特定の実施態様において、反応温度は、約20℃ 、25℃ 、30℃ 、35℃ 、40℃ 、45℃ 、50℃ 、55℃ 、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、95℃、100℃、105℃、110℃、115℃、120℃、 125℃、130℃、135℃、140℃、145℃、150℃、155℃または120℃であってよい。1つの実施態様において、ステップBの方法は、100℃の温度にて行われてもよい。もう1つの実施態様において、該方法は、115℃の温度にて行われてもよい。さらにもう1つの実施態様において、該方法は、25℃の温度にて行われてもよい。
該方法は、さらに、式(IIa)で示される化合物をMeZで示される化合物と接触させて、式(IIIa)で示される化合物またはその塩を形成するステップCを含む。適当なMeZ源の非限定的例として、アルカリ金属メタンチオラート、メチルメルカプタン、アルカリ金属メタンセレノアートおよびメチルセレノールが挙げられる。
ステップCの方法は、約20℃〜約200℃の範囲であってよい温度で進行することができる。特定の実施態様において、反応温度は、約30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃または120℃であってよい。1つの実施態様において、ステップCの方法は、50℃の温度で行われる。もう1つの実施態様において、ステップCの方法は、80℃の温度で行われる。反応は、周囲圧および不活性雰囲気(たとえば、窒素またはアルゴン)下で行われてもよい。
該方法は、さらに、式(IIIa)で示される化合物またはその塩を第2プロトン供与体と接触させて、式(III)で示される化合物を形成するステップDを含む。適当なプロトン供与体として、HCl、HBr、HI、HClO3、HClO4、HBrO4、HIO3、HIO4、HNO3、H2SO4、MeSO3H、CF3SO3Hおよびp-トルエンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1つの実施態様において、プロトン供与体は、HClであってよい。式(IIIa)で示される化合物またはその塩:プロトン供与体のモル比は、約1:0.1〜約1:10の範囲であってよい。いくつかの実施態様において、式(IIIa)で示される化合物またはその塩:プロトン供与体のモル比は、約1:0.5〜約1:5の範囲であってよい。特定の実施態様において、式(IIIa)で示される化合物またはその塩:プロトン供与体のモル比は、約1:0.8、1:0.9、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9または1:2.0であってよい。1つの実施態様において、式(IIIa)で示される化合物またはその塩:プロトン供与体のモル比は、約1:1.2であってよい。
ステップDの反応は、約20℃〜約100℃の範囲であってよい温度で進行することができる。特定の実施態様において、反応温度は、約30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃または65℃であってよい。1つの実施態様において、ステップDの方法は、約40℃の温度で行われる。もう1つの実施態様において、ステップDの方法は、約90℃の温度で行われる。代表的には、反応は、周囲圧および雰囲気下で行われてもよい。
本発明のさらにもう1つの態様は、N-アシルラクトン複合体中間体を経由して進行する、式(I)で示される化合物からの式(III)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩の製造方法を含む。該方法は、式(I)で示される化合物をプロトン供与体およびRで示されるアシル供与体と接触させて、式(IIb)で示される化合物を形成するステップAを含む。該方法は、さらに、式(IIb)で示される化合物をMeZで示される化合物と接触させて、式(IIIb)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩を形成するステップBを含む。方法の最終ステップであるステップCは、式(IIIb)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩を脱アシル化剤と接触させて、式(III)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩を形成することを含む。説明のために、反応工程式3は、本発明のこの態様の式(III)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩の製造を示す:
Meは、メチルである;
Rは、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選ばれる;および
Zは、イオウまたはセレンである]
(a)ステップA
該方法のステップAは、式(I)で示される化合物をRで示されるアシル供与体およびプロトン供与体と接触させて、式(IIb)で示される化合物を形成することを含む。前記セクション(I)(a)および(I)(b)は、該方法のステップAのための適当なプロトン供与体およびプロトン供与体の適当な量は、前記セクション(I)(a)(i)に記載の通りである。
該方法のステップAにおいて、様々なRで示されるアシル供与体を用いることができる。本明細書で用いる「アシル供与体」は、アシル基を他の化合物に供与する能力がある化合物を意味する。アシル供与体Rは、一般に、水素、アルキル、アルケン、アリール、置換アルキル、置換アルケンまたは置換アリールであってよい。いくつかの実施態様において、Rは、メチル、エチルまたはフェニルであってよい。
式(I)で示される化合物とアシル供与体との間の接触は、触媒の存在下で行われてもよい。触媒は、反応物に応じて様々であってよい。
反応混合物は、溶媒も含んでもよい。セクション(II)(a)(ii)には、この反応に用いるのに適当な溶媒ならびに適切な量が詳述されている。適当な反応条件は、前記セクション(II)(b)に詳述されている。反応工程式2のステップAと同様に、アシル供与体と接触させる前に、式(I)で示される化合物をプロトン供与体と接触させてもよく、プロトン供与体と接触させる前にアシル供与体と接触させてもよく、あるいは両方と同時に接触させてもよい。
方法のステップBにおいて、式(IIb)で示される化合物をMeZで示される化合物と接触させて、式(IIIb)で示される化合物またはその塩を形成する。適当なMeZで示される化合物、溶媒、反応物の比および反応条件は、前記セクション(II)(d)および(II)(e)に記載の通りである。
該方法は、さらに、式(IIIb)で示される化合物またはその塩を脱アシル化剤と接触させて、式(III)で示される化合物またはその塩を形成するステップCを含む。いくつかの実施態様において、脱アシル化剤は、プロトン供与体であってよい。方法のステップCにおける適当なプロトン供与体、溶媒および反応物の比は、 、前記セクション(II)(f)に詳述する通りである。方法のステップCのための適当な反応条件は、前記セクション(II)(g)に記載の通りである。
本発明のさらなる態様は、式(IIa)で示される化合物の製造方法を含む。該方法は、式(I)で示される化合物をプロトン供与体と接触させて、式(II)で示される化合物を形成することを含む。該方法の第2ステップは、式(II)で示される化合物をRC(O)R’と接触させて、式(IIa)で示される化合物を形成することを含む。反応工程式4は、本発明のこの態様を説明する:
Rは、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである;
R’は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである;および
Xは、アニオンである]
さらにもう1つの態様は、式(IIa)で示される化合物をMeZで示される化合物と接触させて、式(IIIa)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩を形成する方法を提供する。該方法は、さらに、式(IIIa)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩をプロトン供与体と接触させて、式(III)で示される化合物またはその塩を形成することを含む。本発明のこの態様を、反応工程式5に示す:
Meは、メチルである;
Rは、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである;
R’は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである;および
Zは、イオウまたはセレンである]
さらなる態様は、式(II)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩をMeZで示される化合物と接触させて、反応工程式7に示すとおり、式(III)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩を形成する方法を提供する:
Meは、メチルである;および
Zは、イオウまたはセレンである]
もう1つの実施態様において、式(III)で示される化合物の製造方法は、反応工程式8に示す通り、ラクトンおよびラクタム中間体の両方を経由して進行することができる。該方法は、前述の通り、式(I)で示される化合物を式(II)で示される化合物に変換するステップAを含む(セクション(I)(a)および(I)(b)を参照)。該方法は、さらに、式(II)で示される化合物をプロトン受容体と接触させて、式(IVa)で示される化合物(ラクタム)を形成するステップBを含む。
Lは、脱離基である;および
Zは、イオウまたはセレンである]
式(I)で示される化合物の式(II)で示される化合物への変換は、セクション(I)(a)および(I)(b)に記載されている。
該方法のステップBは、式(II)で示される化合物をプロトン受容体と接触させて、式(IVa)で示される化合物を形成することを含む。この反応のための適当なプロトン受容体として、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、トリエチルアミン酢酸塩、ジイソプロピルエチルアミン酢酸塩、ジメチルアミノピリジンおよびその混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい実施態様において、プロトン受容体は、酢酸ナトリウムである。
ステップBの反応は、約20℃〜約80℃の範囲であってよい温度で進行することができる。特定の実施態様において、反応温度は、約20℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃または65℃であってよい。1つの実施態様において、ステップBの方法は、約50℃の温度で行われる。もう1つの実施態様において、ステップBの方法は、約20℃の温度で行われる。代表的には、反応は、周囲圧および雰囲気下で行われる。
反応のステップCは、式(IVa)で示される化合物をLで示される化合物と接触させて、式(IVb)で示される化合物を形成することを含む。
Lで示される化合物は、いずれのLで示される化合物であってもよい。Lで示される基は、一般に、イオウまたはセレン含有基などのLが求核試薬によって置換される、後続の反応において、脱離基として働く。したがって、したがって、Lで示される基は、SまたはSeとの反応において脱離基として働くのに適したいずれの基であってもよい。非限定的例として、Lは、硫酸エステル、ブロモ、クロロまたはヨードを含む化合物から選ばれてよい。1つの実施態様において、Lは、硫酸塩、硫酸エステルである。もう1つの実施態様において、Lは、酢酸塩である。好ましい実施態様において、Lは、O-アセテート、O-トシレート、O-メシレートまたはハロであってよい。
ステップCの反応は、約20℃〜約80℃の範囲であってよい温度で進行することができる。特定の実施態様において、反応温度は、約30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃または80℃であってよい。1つの実施態様において、ステップCの方法は、約60℃の温度で行われる。代表的には、反応は、周囲圧および雰囲気で行われる。
該方法は、さらに、式(IVb)で示される化合物をMeZで示される化合物と接触させて、式(IVc)で示される化合物またはその塩を形成するステップDを含む。適当なMeZ源の非限定的例として、アルカリ金属メタンチオラート、メチルメルカプタン、アルカリ金属メタンセレノアートおよびメチルセレノールが挙げられる。
ステップDの方法は、約20℃〜約150℃の範囲であってよい温度で進行することができる。特定の実施態様において、反応温度は、約30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃または120℃であってよい。1つの実施態様において、ステップDの方法は、80℃の温度で行われる。もう1つの実施態様において、ステップDの方法は、120℃の温度で行われる。反応は、周囲圧および不活性雰囲気(たとえば、窒素またはアルゴン)下で行われてもよい。
ステップEの方法は、式(IVc)で示される化合物を加水分解条件に付して、式(IV)で示される化合物を放出することを含む。ステップEは、酸または塩基のいずれかとの加水分解を含む。適当な酸の非限定的例として、塩酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸などが挙げられる。適当な塩基の非限定的例として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水およびそれらの組合せが挙げられる。式(IVc)で示される化合物と接触させる酸または塩基の量は、様々であってよい。一般に、式(IVc)で示される化合物:酸または塩基のモル比は、約1:0.1〜約1:10の範囲であってよい。いくつかの実施態様において、式(IVc)で示される化合物:酸または塩基のモル比は、約1:0.5〜約1:5の範囲であってよい。特定の実施態様において、式(IVc)で示される化合物:酸または塩基のモル比は、約1:0.8、1:0.9、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.8、1:2、1:3、1:5、1:5、1:6または1:7であってよい。1つの実施態様において、式(IVc)で示される化合物:酸または塩基のモル比は、約1:1.1であってよい。
ステップEの方法は、約35℃〜約100℃の範囲であってよい温度で進行することができる。特定の実施態様において、反応温度は、約40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃または100℃であってよい。1つの実施態様において、ステップEの方法は、40℃の温度で行われる。もう1つの実施態様において、ステップEの方法は、70℃の温度で行われる。反応は、周囲圧下で行われてもよい。
発明の理解を促進するために、幾つかの用語を以下のように定義する。
単独または他の基の一部として本明細書で用いる用語「アシル」は、たとえば、RC(O)(ここで、Rは、R1、R1O-、R1R2N-またはR1S-(ここで、R1は、ヒドロカルビル、ヘテロ置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであり、R2は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)である)などの有機カルボン酸のCOOH基からヒドロキシ基を除去することによって形成される部分を意味する。
実施例
以下の実施例において、本発明の様々な実施態様を詳述する。
オーバーヘッドスターラー、冷却器および熱電対を具備した1000 mLのジャケット付き反応器に、L-ホモセリン(250.1 g、2.099 mol)を加えた。塩酸(738.2 mL、6M)を乾燥ホモセリンに加えた。ジャケット付き反応器中の外部加熱油を115℃に設定することによって、溶液を加熱還流した。溶液を還流しながら4時間混合した。次いで、混合物を50℃に冷却した。大部分の酸性水を蒸留によって除去して、白色/黄色固体を得た。この固体を高真空によって一夜乾燥した。固体にエタノール(90%、400mL)を加え、よく混合した。溶液を濾過し、白色固体を単離し、真空乾燥した(280.89 g、93.5% 収率)。ホモセリンラクトンヒドロクロリドが、1H NMRおよび元素分析によって確認された。計算値:C4H8ClNO2: C、34.92、H、5.86、N、10.18、Cl、25.77。実測値:C、33.4、H、5.9、N、9.82、Cl、24.72: 96.2% Pure。
反応器にイソプロパノール(50 mL)を入れた。イソプロパノールにアセチルクロリド(6 mL;84 mmol)を3分間にわたって加えた。溶液の温度を22℃〜56℃に上昇させた。混合物を30分間撹拌した。ホモセリン(5 g、42 mmol)を溶液に加えた。温度を26℃〜28℃に上昇させた。反応物を50℃に加熱し、1時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、1時間保持した。混合物を濾過し、固体を冷イソプロパノールで洗浄した。白色固体(5.51 g、95% 収率)を得、NMRによって構造を確認した。
2 Lのジャケット付き反応器にエタノール(5% IPAで変性、1200 mL)を加えた。ジャケットの温度を-5℃に設定した。ガス流量調節噐を具備した風袋計測したレクチャータンク(lecture tank)から、10 psiにて塩化水素(無水、60g、1.64 mol、1.3モル当量)を加えた。溶液の温度を12.6℃に上昇させた。溶液を-2℃に冷却した。溶液にL-ホモセリン(150 g、1.259 mol)を固体で加えた。ホモセリンの添加後、酸性溶液の温度は5℃に上昇した。5℃にて1時間後、溶液は均質であった。次いで、溶液の温度を50℃に加熱した。50℃にて45分後、白色固体が析出し始めた。溶液を50℃で1時間撹拌した。不均一溶液を二つの1Lビーカーに移し、それぞれ氷冷した。溶液を濾過して固体を冷却した変性エタノールで洗浄した。単離した固体を50℃で2日間真空乾燥して71.23 g(含量100%)のホモセリンラクトンヒドロクロリドを得た。元素分析:計算値:C4H8NO2Cl:C、34.92;H、5.9;N、10.18;Cl、25.7. 実測値:C、34.91;H、6.12;N、9.98;Cl、25.61;KF、<0.10%。
濾液を室温で保存した。2日後、濾液中に白色の針状結晶が現れ、これを吸引濾過して31.29 g(含量99%)の追加生成物を得た。元素分析:計算値:C4H8NO2Cl:C、34.92;H、5.9;N、10.18;Cl、25.7. 実測値:C、34.85;H、6.00;N、9.94;Cl、25.32;KF、<0.10%。
濾液を乾固すると黄色状ペーストを得た。この残渣に無水エタノール(800 mL)を加え、不均一溶液を30分間加熱還流した。不均一溶液を4℃に冷却した。吸引濾過して固体を単離し、50.30 g(含量>98%)の追加生成物を得た。元素分析:計算値:C4H8NO2Cl:C、34.92;H、5.9;N、10.18;Cl、25.7. 実測値:C、34.78;H、5.75;N、9.83;Cl、25.84;KF、0.17%。Total isolated 収率:88.2%。
100 mLの丸底フラスコ、Dean-Starkトラップおよび還流冷却器を含む共沸蒸留装置を組んだ。反応フラスコ内にホモセリンを(6.62 g、55.59 mmol)を入れ、容器とDean-Starkトラップ内にトルエン(37ml)を加えた。反応混合物を85℃に加熱し、同温度で濃硫酸(18M、3.1 mL、1.0 eq)を加えた。定常的還流が維持されるまで温度を上げ(約105℃)た。Dean-Starkトラップ内における当量の水の発生で示される反応の完了後(4 h)、反応混合物を放冷すると油状物質が固化した。反応混合物を105℃に再加熱し該物質をスパーテルで分散させてから60分間かけて40℃にまで徐々に冷却した。該物質は自由流動性のままであった。固体を吸引濾過し、終夜高真空下においた。淡褐色固体を単離した(10.11 g、91.4% 収率)。計算値:C4H9NO6S: C、24.12、H、4.55、N、7.03、S、16.10、SO4、48.00。実測値:C、23.45、H、4.22、N、6.72、S、15.99、SO4、46.77. KF(%H2O)1.27%。純度:96.4%。
オーバーヘッドスターラー、IRセンサー、温度センサー、窒素導入口および圧滴下漏斗(500 mL)を備えたジャケット付き反応器にDMSO(200 mL、モレキュラーシーブス乾燥済み)とホモセリンラクトンヒドロクロリド(22.0 g、純度97.4%、15.6 mmol)を加えた。別に、ナトリウムメタンチオラート(24.019 g、34.3 mmol)を250 mLの容量フラスコに秤量してDMSOで希釈し、1.37 M 溶液を調製した。該チオラート溶液を22℃で2-3分間にわたって反応器内のラクトン溶液に加えた。さらに150 mLのDMSOで滴下漏斗をすすいで、残ったチオラート溶液を反応器内に洗い込んだ。その後反応混合物を30分間にわたって100℃に加熱し、それから1時間かけて45℃に冷却した。濃塩酸(12 M、16 mL)を反応混合物に加えると、白色沈殿が析出した。20℃で終夜撹拌した後、沈殿物を濾取してアセトン50 mLで洗浄した。単離した固体を50℃の真空オーブンで終夜乾燥し、白色粉体(30.47 g、含量57%、75% 収率)を得た。濾液は4.05 gのメチオニン(追加的収率17.5%)を含んでいた。
オーバーヘッドスターラー、還流冷却器、IRセンサー、窒素導入口、温度センサーおよび投薬口を備えたガラス反応器中で反応を行った。窒素ガスを流しながらジメチルスルホキシド(25 mL)を反応容器中に加え、80℃、100℃または120℃に加熱した。参照用のIRスペクトルを測定し、以降のスペクトルから差し引いた。ラクトンヒドロクロリド(2.03 g、純度98.5%、14.5 mmol)を固体として熱DMSOに加え、速やかに溶解させた。次に1当量のナトリウムメタンチオラート(11.5 mL、1.26 M DMSO溶液、14.5 mmol)を5分間かけて反応混合物中に加えると、白色沈殿が生成した。約5分後、1.2当量のナトリウムメタンチオラート(13.9 mL、1.26 M DMSO溶液、17.5 mmoL)を15、30または60分間かけて追加した。反応はIRで追跡した。試薬投入の完了後およそ20分で反応混合物を室温まで冷却し100 mLの水で希釈した。結果を以下のTable 1に示す。
乾燥させた100 mLの三口フラスコ内の乾燥テトラヒドロフラン(THF、20 mL)中に元素セレン(1.263 g、16.0 mmol)をアルゴン雰囲気下で懸濁させた。溶液を氷冷し、シリンジを用いてメチルリチウム(10 mL、1.6 M エーテル溶液、16.0 mmol)を約2-3分間かけて加えた。氷浴槽を除去し、溶液を室温にまで40分間かけて戻した。減圧下で溶媒を除去し淡黄色残渣を得た。ラクトンヒドロクロリド(1.016 g、7.27 mmol、純度98.5%)を、反応フラスコに備わった口の一つに取り付けた滴下漏斗内のDMSO(15 mL)に溶解させた。フラスコを氷冷して先のセレノラート残渣にDMSO(5 mL)を加えた。ラクトン溶液を1-2分間かけてセレノラート溶液に加えた。滴下漏斗をDMSO(5 mL)ですすぎ、反応混合物に加えた。氷浴槽を除去して溶液を室温にまで戻し、それから80℃に加熱した。1時間加熱後、溶液を室温まで冷却し、水100 mLで希釈した。溶液をHPLCで分析すると、セレノメチオニン1.07 g(収率76%)とホモセリン0.067 g(収率7.75%)を含むことが示された。
攪拌棒と窒素覆いを備えた反応管に0.5 gのラクトンHCl (3.4 mmol、1 eq)、1.5 gのMgSO4および5 mLのジクロロメタンを入れた。反応管を窒素雰囲気下においてトリエチルアミン1.0 mL(6.8 mmol、2 eq)をシリンジで加えた。固体がより粘稠になった。室温下でスラリーを5分間攪拌し、アセトン0.5 mL(6.8 mmol、2 eq)をシリンジで加えた。還流冷却しながらスラリーを20-23℃で終夜撹拌した。翌日、TLC(10% 水/ACN)によれば、出発物質のラクトンが消滅したことを示した。スラリーを濾過してMgSO4を除去すると、揮散により湿った粒状固体となった。MTBEに抽出してTEA・HClを除いた。MTBE濾液を揮散させ無色の流動性液体(120 mg;25% 収率)を得た。直接インフュージョンMSおよびFTIRスペクトルは望まれるイミンと一致した。
室温でホモセリンラクトンヒドロクロリド(19.72 g、0.143 mmol)をジクロロメタン(CH2Cl2)(100 mL)に懸濁し、ベンズアルデヒド(15.2433 g、0.144 mmol)を加えた。それから、トリエチルアミン(20.070 g、0.287 mmol)を加えた。反応混合物は非常に粘稠になったが、数分後に粘度が少し低くなった。最後に硫酸マグネシウムをフラスコ内に加え、溶液を室温下で終夜撹拌した。20時間後、溶液を回転式エバポレータで濃縮し、粘性な白色固体(115.3 g)を得た。固体をエーテル(250 mL)中で再度懸濁し、濾過した。濾取した白色のケーキをさらに100 mLのエーテルで洗浄した。濾液を飽和食塩水溶液75 mLで洗浄し、水層をエーテル(2 x 50 mL)で抽出した。有機抽出液を合一して回転エバポレータで濃縮し、黄色のオイル(27.8 g)を得た。アルゴン下で終夜放置するとオイル中に針状結晶が生成した。オイルを傾斜させて除き、別のフラスコ内で保管した。結晶にエーテル(10 mL)を加え、結晶が溶解するまで溶液を加熱還流した。室温にまで冷却し、終夜静置したが沈殿は生成しなかった。エーテルを回転エバポレータで除去し、得られたオイルにヘキサン(50 mL)を加えた。ヘキサンで滴定を試みたが沈殿は生成しなかった。溶液を加熱還流しオイルを溶解させるためにエーテルをゆっくり加えた。150 mLのエーテルを加えたがオイルは依然溶解しなかった。溶液を室温にまで冷却し溶媒を除去した。オイルをエーテルに溶解し生成物を沈殿させるためにヘキサンを加えたがオイルが遊離した。溶媒を除去した。オイルをジクロロメタンに溶解しヘキサンを加えたが、再びオイルが遊離しただけであった。溶媒を除去し黄色のオイルを得た。NMR分析によれば、最初の結晶を傾斜で除いたオイルと同様にこの生成物も目的のイミンを含んでいた。
攪拌棒と窒素覆いを備えた反応管にNaSMe(2.2 equiv)を秤量し、酸素を除去するため該反応管を1時間窒素パージ下においた。別の管に1.0当量のベンジルラクトンイミンとDMSO(モレキュラーシーブ上で貯蔵)を加えた。イミンが完全に溶解後、シリンジを用いてDMSO溶液をNaSMeを含む反応管に25℃で一度に加えた。固体はすべて溶解し、反応混合物は明るいオレンジ色に変色した。混合物を80℃で1時間加熱すると、反応混合物は暗赤色に変色した。反応混合物を20℃以下に冷却し、水を少量加えた。濾液を50.0 mLに希釈し、誘導体化分析によるメチオニン試験に提供した。分析により59.4%収率の結果を得た。
ホモセリン1当量に対して、無水酢酸2当量とN,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP) 0.05当量を溶媒(無水酢酸)3当量とともに加えることができる。混合物を60℃で約2時間加熱してよい。過剰の無水酢酸は蒸留で除去できる。N-アセチルホモセリンラクトンを沈殿させるため、混合物にMIBKを加えて冷却してよい。固体を濾取し冷MIBKで洗浄して単離してもよい。
窒素ガスを流しながらジメチルスルホキシド(25 mL)を反応容器中に加え、80℃、100℃または120℃に加熱した。参照用のIRスペクトルを測定し、以降のスペクトルから差し引いた。ラクトンヒドロクロリド(2.03 g、純度98.5%、14.5 mmol)を固体として熱DMSOに加え、速やかに溶解させた。
次に1当量のナトリウムメタンチオラート(11.5 mL、1.26 M DMSO溶液、14.5 mmol)を5分間かけて反応混合物中に加えると、白色沈殿が生成した。約10分後、1.2当量のナトリウムメタンチオラート(13.9 mL、1.26 M DMSO溶液、17.5 mmoL)を15、30または60分間かけて追加した。反応はIRで追跡した。2回目のチオラート追加の間に、遊離塩基のラクトン(1776 cm-1)が減少し、一方メチオニンナトリウム(1592 cm-1)が増加して最終的に横ばいになった。試薬投入の完了後およそ20分で反応混合物を室温まで冷却し100 mLの水で希釈した。混合物の一定量(1.8 mL)を水で10 mLに希釈し、LC/MS分析に供した。
ホモセリン(1 g、8.39 mmol)、酢酸(20 mL)、および水(0.5 mL)を混合して電子レンジ中で1時間150℃に加熱した。溶媒を回転エバポレータで除去した。オレンジ色の油状残渣をメチルt-ブチルエーテル(MTBE)中で攪拌し固化させた。混合物を濾過し、固体を冷MTBEで洗浄した。固体を60℃の真空オーブン中で乾燥した。生成物を白色固体として得た(1.03 g、86.1%)。
N-アセチルホモセリンラクトンを10当量のDMFと1.2当量のNaSMe-DMF溶液(実施例2と同様にして調製)と合一してよい。反応混合物を約50℃で約5時間加熱してよい。DMFを蒸留して除き、水を加えて得られる水溶液をメチルイソブチルケトン(MIBK)で洗浄して不純物を除去できる。
メチオニンのナトリウム塩を下記反応スキームで示すように調製した。
磁気撹拌子、熱電対、窒素パージ/覆い、および250 mLの側管付き等圧滴下漏斗が備わった500 mLの三口フラスコ内にホモセリンラクトンヒドロクロリド5.0 g (含量93.4%、0.034 moles、1当量)を入れた。これにNaSMe 5.6 g(0.080 mol、2.2当量)を加えた。反応器を窒素で10分間パージしてから窒素覆いに切り替え、窒素圧を与えカニューレを介してDMSO 135.0 g(125 mL、25 mL/g基質)を滴下漏斗に入れた。DMSOを一度に固体に加えると少し発熱した(約1.5℃)。スラリーを80℃に加熱した。80℃で2時間加熱の後、反応器を室温に戻し(最終正味重量145.4 g)、LCMS用にサンプリングした。LCMSは希釈試料中メチオニン80-94 ppm(理論74 ppm)とホモセリン1 ppmを示した。
テフロン(登録商標)撹拌子、IRセンサー、冷却器、熱電対および窒素パージを備えた100 mLの三口フラスコにDMSO(21 mL)を加えた。ホモセリン(3.010g、25.26 mmol)をフラスコに加えた。溶液は均一となり、H2SO4(1.54mL、18 M、1.1 モル当量)を溶液に加えた。溶液温度が40℃に上昇し、その後100℃まで上昇した。追加のDMSO(62 mL)を反応フラスコに加えた。NaSMe(3.88 g、55.36 mmol、2.2モル当量)をフラスコに入れた。2モル当量のメチルメルカプタンが発生して、溶液は約30秒間激しく沸騰した。NaSMe(1.94g、28.11 mmol、1.1モル当量)をフラスコ内に入れた。反応混合物を100℃で8分間撹拌し、その後室温まで冷却した(30分間)。溶液をHPLCで分析し、メチオニンを全収率53%、未反応のホモセリンを収率22%で得た。
元素セレン(0.650 g、8.23 mmol)をテトラヒドロフラン(20 mL)中0℃にて懸濁し、シリンジでメチルリチウムを加えた。セレンが消費されるにつれ、溶液の色が黄色からオレンジ色、赤色そしてほとんど無色へと変化した。その後溶液を室温にまで加温した。真空下で溶媒を除去すると黄色残渣が残り、これを室温でDMF(10 mL)に溶解した。この溶液に、N-アセチルホモセリンラクトン(0.980 g、6.85 mmol)をDMFに溶解して滴下漏斗で加えた。反応混合物は暗いオレンジ色でわずかに曇っていた。室温で3時間後、TLCによれば出発物質は溶液中に残っていなかった。DMFを蒸留し、残った暗いオレンジ色のオイルをエーテル中で撹拌した。真空下でエーテルを除去し残渣を30 mLの3M HClに溶解して3時間加熱還流した。少量の暗赤色不溶物質があり濾過して反応混合物から除いた。その後酸を回転エバポレータで除去した。オレンジ色のオイルを最小量の水(2 mL)に再び溶解し、2 M NaOHで中和すると黄色の析出物を得た。この析出物を冷水で洗浄し高真空下で乾燥した。濾液から溶媒を留去し、オレンジ色の残渣を得た。元素分析:計算値:C5H11NO2Se:C、30.62;H、5.65;N、7.14。実測値:C、30.36;H、5.55;N、6.98。1H NMR(500 MHz)(D2O):3.87(t、1 H);2.66(t、2 H);2.32-2.18(m、2 H);2.06(s、3 H)。
ホモセリンジケトピペラジン
10分間かけてアセチルクロリド(113 mL、1586 mmol)をイソプロパノール(1800 mL)に加えた。温度が27℃から50℃に上昇した。混合物を30分間撹拌した。ホモセリン(180 g、1511 mmol)を加えて、混合物を80℃に加熱した。混合物を90分間撹拌した。酢酸(99 mL、1737 mmol)を加え、続いてジイソプロピルエチルアミン(290 mL、1662 mmol)を加えた。ジイソプロピルエチルアミンを加えると混合物は均一となった。混合物を80℃で4時間撹拌した。約2時間後には固体の析出が始まった。混合物を25℃に冷却した。混合物を濾過して固体をイソプロパノールで洗浄した。固体を真空下60℃で乾燥した。白色固体(104 g、収率68%)を得た。
ホモセリンジケトピペラジン(120 g、593 mmol)をアセトニトリル(1800 mL)中で懸濁した。温度を24℃〜26℃に維持しながら、塩化チオニル(88 mL、1216 mmol)をゆっくりと加えた。添加は10分間で完了したが、発熱は添加が完了後およそ30分間でおさまった。基質はゆっくりと溶解しはじめ、添加が完了後約15分後に生成物の析出が始まった。混合物を5時間撹拌した。混合物を濾過して固体をアセトニトリルで洗浄した。固体を真空下60℃で乾燥した。白色固体(114 g、収率80%)を得た。
テトラメチルグアニジン(214 mL、1706 mmol)をメタノール(3200 mL)中に溶解した。溶液中にメタンチオール(80 g、1673 mmol)をバブルさせた。ジクロロジケトピペラジン(160 g、669 mmol)を加えて混合物を60℃に加熱し4時間維持した。基質は30分間かけてゆっくりと溶解した。1時間後固体の析出が始まった。混合物を25℃に冷却した。混合物を濾過し、固体をメタノールで洗浄した。白色固体(111 g、63%)を得た。
メチオニンジケトピペラジンと6M 塩酸をDMSO中で20時間還流した。溶媒を回転エバポレータで除去しメチオニンを高収率で得た。
撹拌子、滴下漏斗、還流冷却器および隔壁を備えた25 mLの丸底三口フラスコをアルゴン下においた。ガラス器具は真空下で加熱乾燥した。元素セレン(0.117 g、1.48 mmol)をフラスコ内に秤量し、THFまたはMe-THF(5 mL、無水)中で懸濁した。溶液を氷冷し、シリンジを用い数分かけてMeLi(1.6M エーテル溶液、1 mL、1.60 mmol)を懸濁液に加えた。氷浴を除いて溶液を室温まで加温した。それから10分後減圧下に溶媒を除去し、灰白色の残渣を得たがこれを所望の溶媒6 mLに溶解した。N-イソブチルホモセリンラクトン(0.211 g、1.23 mmol)を固体として横の口からセレン溶液中に加えた。得られた溶液を加熱し(温度と時間はTable 4参照)その後室温まで冷却した。反応混合物に3M 蟻酸(0.5 mL、1.2当量)を加えてクエンチしてから水で希釈し、4000 ppm以下の濃度にした。一定量をLC/MS分析用に供した。
Claims (79)
- 式(III)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩の製造方法であって、
[式中、
Meは、メチルであり;
Rは、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;
R’は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;
Xは、アニオンであり;および
Zは、イオウまたはセレンである]
a.式(I)で示される化合物を第1プロトン供与体(HX)と接触させて、式(II)で示される化合物を形成し;
b.式(II)で示される化合物をRC(O)R’と接触させて、式(IIa)で示される化合物を形成し;
c.式(IIa)で示される化合物をMeZと接触させて、式(IIIa)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩を形成し;そして
d.式(IIIa)で示される化合物をまたはその医薬的に許容しうる塩を第2プロトン供与体と接触させて、式(III)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩を形成する工程を含む製造方法。 - Rが、アルキル、アルケン、アリール、置換アルキル、置換アルケンおよび置換アリールから選択される、請求項1の方法。
- R’が、水素、アルキル、アルケン、アリール、置換アルキル、置換アルケンおよび置換アリールから選択される、請求項1の方法。
- RC(O)R’がアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、プロピオンアルデヒド、アセトフェノンおよびベンゾフェノンから選択される、請求項1の方法。
- 式(I)で示される化合物とRC(O)R’とのモル比が約1:0.1から約1:10である、請求項1の方法。
- 第1プロトン供与体が約0より小さなpKaを有し、HCl、HBr、HI、HClO3、HClO4、HBrO4、HIO3、HIO4、HNO3、H2SO4、MeSO3H、CF3SO3Hおよびp-トルエンスルホン酸から選択される、請求項1の方法。
- 式(I)で示される化合物とRC(O)R’とのモル比が約1:0.5から約1:5である、請求項1の方法。
- 工程(a)および(b)が非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒、有機溶媒およびその混合物から選択される溶媒の存在下で行われる、請求項1の方法。
- 工程(a)および(b)が約50℃から約150℃の温度で行われる、請求項1の方法。
- MeZで示される化合物がアルカリ金属メタンチオラート、アルカリ金属メタンセレノアート、メチルメルカプタンおよびメチルセレノールから選択される、請求項1の方法。
- 式(IIa)で示される化合物とアルカリ金属メタンチオラートまたはアルカリ金属メタンセレノアートとのモル比が約1:0.25から1:5である、請求項10の方法。
- 非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒およびその混合物から選択される溶媒の存在下で行われ、その溶媒と式(IIa)で示される化合物とのモル比が約1:1から50:1である、請求項10の方法。
- 非プロトン性溶媒が、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、ホルムアミド、イオン溶液、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフランおよびその混合物から選択され、プロトン性溶媒が水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、プロピレングリコールおよびその混合物から選択される、請求項12の方法。
- 式(IIa)で示される化合物とメチルメルカプタンまたはメチルセレノールとのモル比が約1:10から1:150である、請求項10の方法。
- 非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒、有機溶媒およびその混合物から選択される溶媒の存在下で行われ、その溶媒と式(IIa)で示される化合物とのモル比が約1:1から50:1である、請求項14の方法。
- 工程(c)が約20℃から約200℃の温度で、周辺圧下、そして窒素およびアルゴンから選択される不活性ガスの下で行われる、請求項1の方法。
- 第2プロトン供与体がHCl、HBr、HI、HClO3、HClO4、HBrO4、HIO3、HIO4、HNO3、H3PO4、ポリH3PO4、H2SO4、MeSO3H、CF3SO3Hおよびp-トルエンスルホン酸から選択される、請求項1の方法。
- 式(IIIa)で示される化合物と第2プロトン供与体とのモル比が1:0.5から1:10である、請求項1の方法。
- 工程(d)がプロトン性溶媒の存在下で行われ、その溶媒と式(IIIa)で示される化合物とのモル比が1:1から約50:1である、請求項1の方法。
- 工程(d)が約20℃から約100℃の温度で行われる、請求項1の方法。
- 式(III)で示される化合物が、L立体配置、D立体配置またはその混合物である、請求項1の方法。
- 第1プロトン供与体がHCl;式(I)で示される化合物と第1プロトン供与体とのモル比が約1:1.2;工程(a)がジクロロメタン存在下、約100℃の温度で行われ;RC(O)R’がベンズアルデヒドまたはベンゾフェノン;式(I)で示される化合物とRC(O)R’とのモル比が約1:1.1;工程(b)がジクロロメタン存在下、約100℃の温度で行われ;MeZで示される化合物がナトリウムメタンチオラート;式(IIa)で示される化合物とナトリウムメタンチオラートとのモル比が約1:1.1;工程(c)がジメチルスルホキシド存在下、約80℃の温度で行われ;第2プロトン供与体がHCl;式(IIIa)で示される化合物と第2プロトン供与体とのモル比が約1:1.2;工程(d)が約40℃の温度で行われ;そして式(III)で示される化合物の収率が少なくとも約60%w/wである、請求項1の方法。
- プロトン供与体が約0より小さなpKaを有し、HCl、HBr、HI、HClO3、HClO4、HBrO4、HIO3、HIO4、HNO3、H2SO4、MeSO3H、CF3SO3Hおよびp-トルエンスルホン酸から選択される、請求項23の方法。
- 式(I)で示される化合物とプロトン供与体とのモル比が約1:0.1から約1:10である、請求項23の方法。
- 工程(a)が、水、C1-C4アルコールおよびその混合物から選択されるプロトン性溶媒の存在下、その溶媒と式(I)で示される化合物とのモル比が約1:1から約50:1で行われる、請求項23の方法。
- 工程(a)が約50℃から約150℃の温度で行われる、請求項23の方法。
- 式(II)で示される化合物とアルカリ金属メタンセレノアートとのモル比が約1:0.5から約1:10である、請求項23の方法。
- 反応が非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒およびその混合物から選択される溶媒の存在下、その溶媒と式(II)で示される化合物とのモル比が約1:1から約50:1で行われる、請求項28の方法。
- 非プロトン性溶媒が、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、ホルムアミド、イオン溶液、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフランおよびその混合物から選択され、プロトン性溶媒が水、C1-C4アルコール、プロピレングリコールおよびその混合物から選択される、請求項29の方法。
- 式(II)で示される化合物とメチルセレノールとのモル比が約1:10から約1:150である、請求項23の方法。
- 反応が非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒、有機溶媒およびその混合物から選択される溶媒の存在下で行われ、その溶媒と式(IIa)で示される化合物とのモル比が約1:1から約50:1である、請求項31の方法。
- 工程(b)が約20℃から約200℃の温度で、周辺圧の下、窒素およびアルゴンから選択される不活性ガスのもとで行われる、請求項23の方法。
- 式(III)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩が、L立体配置、D立体配置またはその混合物である、請求項23の方法。
- Rが、アルキル、アルケン、アリール、置換アルキル、置換アルケンおよび置換アリールから選択される、請求項35の方法。
- R’が、水素、アルキル、アルケン、アリール、置換アルキル、置換アルケンおよび置換アリールから選択される、請求項35の方法。
- RC(O)R’がアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、プロピオンアルデヒド、アセトフェノンおよびベンゾフェノンから選択される、請求項35の方法。
- 式(I)で示される化合物とRC(O)R’とのモル比が約1:0.1から約1:10である、請求項35の方法。
- プロトン供与体が約0より小さなpKaを有し、HCl、HBr、HI、HClO3、HClO4、HBrO4、HIO3、HIO4、HNO3、H2SO4、MeSO3H、CF3SO3Hおよびp-トルエンスルホン酸から選択される、請求項35の方法。
- 式(I)で示される化合物とプリロン供与体とのモル比が約1:0.5から約1:5である、請求項35の方法。
- 反応が非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒、有機溶媒およびその混合物から選択される溶媒の存在下で行われ、その溶媒と式(I)で示される化合物とのモル比が約1:1から約50:1である、請求項35の方法。
- 反応が約50℃から約150℃の温度で行われる、請求項35の方法。
- Rが、アルキル、アルケン、アリール、置換アルキル、置換アルケンおよび置換アリールから選択される、請求項44の方法。
- R’が、水素、アルキル、アルケン、アリール、置換アルキル、置換アルケンおよび置換アリールから選択される、請求項44の方法。
- MeZで示される化合物がアルカリ金属メタンチオラート、アルカリ金属メタンセレノアート、メチルメルカプタンおよびメチルセレノールから選択される、請求項44の方法。
- 式(IIa)で示される化合物とアルカリ金属メタンチオラートまたはアルカリ金属メタンセレノアートとのモル比が約1:0.25から約1:5である、請求項47の方法。
- 反応が非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒およびその混合物から選択される溶媒の存在下で行われ、その溶媒と式(IIa)で示される化合物とのモル比が約1:1から50:1である、請求項48の方法。
- 非プロトン性溶媒が、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、ホルムアミド、イオン溶液、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフランおよびその混合物から選択され、プロトン性溶媒が水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、プロピレングリコールおよびその混合物から選択される、請求項49の方法。
- 式(IIa)で示される化合物とメチルメルカプタンまたはメチルセレノールとのモル比が約1:10から約1:150である、請求項47の方法。
- 反応が非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒、有機溶媒およびその混合物から選択される溶媒の存在下で行われ、その溶媒と式(IIa)で示される化合物とのモル比が約1:1から約50:1である、請求項51の方法。
- 工程(a)が約20℃から約200℃の温度で、周辺圧の下、窒素およびアルゴンから選択される不活性ガスのもとで行われる、請求項44の方法。
- プロトン供与体がHCl、HBr、HI、HClO3、HClO4、HBrO4、HIO3、HIO4、HNO3、H3PO4、ポリH3PO4、H2SO4、MeSO3H、CF3SO3Hおよびp-トルエンスルホン酸から選択される、請求項44の方法。
- 式(IIIa)で示される化合物とプロトン供与体とのモル比が約1:0.5から約1:10である、請求項44の方法。
- 工程(b)がプロトン性溶媒の存在下で行われ、その溶媒と式(IIIa)で示される化合物とのモル比が約1:1から約50:1である、請求項44の方法。
- 工程(b)が約20℃から約100℃の温度で行われる、請求項44の方法。
- 式(III)で示される化合物が、L立体配置、D立体配置またはその混合物である、請求項44の方法。
- 式(III)で示される化合物とアルカリ金属メタンセレノアートとのモル比が約1:0.5から約1:10である、請求項59の方法。
- 反応が非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒およびその混合物から選択される溶媒の存在下で行われ、その溶媒と式(II)で示される化合物とのモル比が約1:1から約50:1である、請求項60の方法。
- 非プロトン性溶媒が、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、ホルムアミド、イオン溶液、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフランおよびその混合物から選択され、プロトン性溶媒が水、C1-C4アルコール、プロピレングリコールおよびその混合物から選択される、請求項61の方法。
- 式(II)で示される化合物とメチルセレノールとのモル比が約1:10から約1:150である、請求項59の方法。
- 反応が非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒、有機溶媒およびその混合物から選択される溶媒の存在下で行われ、その溶媒と式(II)で示される化合物とのモル比が約1:1から約50:1である、請求項63の方法。
- 反応が約20℃から約200℃の温度で、周辺圧の下、窒素およびアルゴンから選択される不活性ガスのもとで行われる、請求項59の方法。
- 式(III)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩が、L立体配置、D立体配置またはその混合物である、請求項59の方法。
- Rが、水素、アルキル、アルケン、アリール、置換アルキル、置換アルケンおよび置換アリールから選択される、請求項67の方法。
- MeZで示される化合物がアルカリ金属メタンセレノアートおよびメチルセレノールから選択される、請求項67の方法。
- アシル供与体がハロゲン化アシルまたは酸無水物である、請求項67の方法。
- 反応工程がさらにプロトン供与体を含む、請求項67の方法。
- 工程(a)のプロトン供与体がHCl、HBr、HI、HClO3、HClO4、HBrO4、HIO3、HIO4、HNO3、H3PO4、ポリH3PO4、H2SO4、MeSO3H、CF3SO3Hおよびp-トルエンスルホン酸から選択される、請求項71の方法。
- 反応がさらに触媒を含む、請求項71の方法。
- 式(IIb)で示される化合物とアルカリ金属メタンセレノアートまたはメチルセレノールとのモル比が約1:0.5から約1:5である、請求項67の方法。
- 反応が非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒およびその混合物から選択される溶媒の存在下で行われ、その溶媒と式(I)で示される化合物とのモル比が約1:1から約50:1である、請求項67の方法。
- 工程(a)-(c)が約20℃から約100℃の温度で、周辺圧の下で行われる、請求項67の方法。
- 工程(c)の脱アシル化剤がHCl、HBr、HI、HClO3、HClO4、HBrO4、HIO3、HIO4、HNO3、H2SO4、MeSO3H、CF3SO3Hおよびp-トルエンスルホン酸から選択される、請求項67の方法。
- 工程(c)の脱アシル化剤がデアシラーゼである、請求項67の方法。
- 式(III)で示される化合物が、L立体配置、D立体配置またはその混合物である、請求項67の方法。
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