JP2003171359A - (2−ニトロ−フェニル)アセトニトリル誘導体の製造方法及びその合成中間体 - Google Patents

(2−ニトロ−フェニル)アセトニトリル誘導体の製造方法及びその合成中間体

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JP2003171359A
JP2003171359A JP2002283705A JP2002283705A JP2003171359A JP 2003171359 A JP2003171359 A JP 2003171359A JP 2002283705 A JP2002283705 A JP 2002283705A JP 2002283705 A JP2002283705 A JP 2002283705A JP 2003171359 A JP2003171359 A JP 2003171359A
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JP2002283705A
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Tetsuya Abe
哲也 阿部
Toshihiro Nagata
俊浩 永田
Fumiaki Takabe
文明 高部
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Ihara Chemical Industry Co Ltd
Kumiai Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Ihara Chemical Industry Co Ltd
Kumiai Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】工業的生産に適する(2−ニトロフェニル)ア
セトニトリル誘導体の製造方法、及びその製造中間体を
提供する。 【解決手段】(A)〜(C)の各工程からなる、一般式
[IV] {式中、Xはアルコキシメチル基等を表す。}で表され
る(2−ニトロ−フェニル)アセトニトリル類の製造方
法、及び合成中間体。(A)一般式[I] で表される化合物を、N,N−ジアルキルホルムアミド
ジアルキルアセタ−ルと反応させ、酸加水分解すること
により、一般式[II] の化合物とする第1工程。(B)第1工程で得られた一
般式[II]で表される化合物を、ヒドロキシルアミン
と反応させて、一般式[III] のアルドキシム誘導体とする第2工程。(C)第2工程
で得られた一般式[III]で表されるアルドキシム誘
導体を、脱水することにより、一般式[IV] で表される(2−ニトロフェニル)アセトニトリル誘導
体とする第3工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(2−ニトロフェ
ニル)アセトニトリル類の新規な製造方法、及びその合
成中間体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、(2−ニトロフェニル)アセトニ
トリル類の合成法としては、2−ニトロベンジルブロミ
ド類をシアノ化物と反応させることにより、(2−ニト
ロフェニル)アセトニトリル類を合成する方法が知られ
ていた(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。
【特許文献1】国際公開(WO)第91/15478号
【非特許文献1】「シンセシス(Synthesi
s)」、(米国)、ゲオルグ チーメ フェルラク シ
ュツッツガルト(Georg Thieme Verl
ag Stuttugart)、1987年、第5巻、
p.514〜515
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術におい
て反応中間体として使用される、2−ニトロベンジルブ
ロミド類は、目的物である(2−ニトロフェニル)アセ
トニトリル誘導体をもベンジル化するため、目的物収率
も低く、精製も困難であった。従って、副生物が少なく
精製が容易で、高収率を与える製造方法が求められてい
る。本発明は、工業的生産に適する(2−ニトロフェニ
ル)アセトニトリル誘導体を製造する方法、及びその製
造中間体を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために検討を加えた結果、シアノ化合物をベ
ンジル化することなく(2−ニトロフェニル)アセトニ
トリル誘導体の製造方法を見出し、発明を完成するに至
った。
【0005】
【発明の実施の形態】即ち、本発明は、〔1〕乃至
〔2〕の発明を提供することにより、上記課題を解決し
たものである。
【0006】〔1〕(A)〜(C)の各工程からなる、
一般式[IV]
【0007】
【化7】
【0008】{式中、Xはアルコキシメチル基又はアル
コキシカルボニル基を表す。}
【0009】で表される(2−ニトロ−フェニル)アセ
トニトリル類の製造方法。
【0010】(A)一般式[I]
【0011】
【化8】
【0012】{式中、Xはアルコキシメチル基又はアル
コキシカルボニル基を表す。}
【0013】で表される2−メチルニトロベンゼン誘導
体を、N,N−ジアルキルホルムアミドジアルキルアセ
タ−ルと反応させ、2−(2−ジアルキルアミノエテニ
ル)ニトロベンゼン誘導体を得、これを酸性加水分解す
ることにより、一般式[II]
【0014】
【化9】
【0015】{式中、Xは前記と同じ意味を表す。}
【0016】で表されるフェニルアセトアルデヒド誘導
体とする第1工程。
【0017】(B)第1工程で得られた一般式[II]
で表されるフェニルアセトアルデヒド誘導体を、ヒドロ
キシルアミンと反応させて、一般式[III]
【0018】
【化10】 {式中、Xは前記と同じ意味を表す。}で表されるフェ
ニルアセトアルドキシム誘導体とする第2工程。 (C)第2工程で得られた一般式[III]で表される
フェニルアセトアルドキシム誘導体を、脱水することに
より、一般式[IV]
【化11】
【0019】{式中、Xは前記と同じ意味を表す。}
【0020】で表される(2−ニトロ−フェニル)アセ
トニトリル誘導体とする第3工程。
【0021】〔2〕一般式[V]
【0022】
【化12】
【0023】{式中、Xはアルコキシメチル基又はアル
コキシカルボニル基を表し、Yはメチル基、2−ジアル
キルアミノエテニル基(ジアルキルアミノ部のアルキル
基は、同一又は相異なってもよく、また窒素原子と共に
5〜6員環を形成することもできる。)、ホルミルメチ
ル基、2−ヒドロキシイミノエチル基を表す。但し、Y
がメチル基又は2−ジアルキルアミノエテニル基を表す
時は、Xはメトキシメチル基を表す。}
【0024】で表されるニトロベンゼン誘導体。
【0025】まず、〔1〕の本発明方法について説明す
る。
【0026】〔1〕の本発明方法は、前記(A)〜
(C)の各工程からなる、一般式[IV]
【化13】 {式中、Xはアルコキシメチル基又はアルコキシカルボ
ニル基を表す。}で表される(2−ニトロ−フェニル)
アセトニトリル類の製造方法であるが、(A)〜(C)
の各工程、或いは(A)〜(C)各工程中の各反応の生
成物は、必ずしも工程或いは反応ごとに単離、精製して
次工程或いは次反応に用いる必要はなく、必要に応じ、
同一容器内で(A)〜(C)の各工程、或いは(A)〜
(C)各工程中の各反応を連続して行うこともできる。
【0027】(A)第1工程は下記スキームで表され
る。
【0028】
【化14】
【0029】{式中、Xは前記と同じ意味を表し、
、Rは、同一又は相異なるアルキル基を示し、さ
らにこれらの結合した窒素原子と共に5〜6員環を形成
することもできる。R、Rは同一又は相異なるアル
キル基を示す。}
【0030】(A)第1工程で原料となる、一般式
[I]
【0031】
【化15】 {式中、Xはアルコキシメチル基又はアルコキシカルボ
ニル基を表す。}
【0032】で表される2−メチルニトロベンゼン誘導
体としては、Xが直鎖又は分岐鎖の炭素数1乃至6(以
下、炭素数については、この場合では「C1−C6」の
様に略記する。)アルコキシ−メチル基〔すなわち、
(C1−C6アルコキシ)メチル基〕又は、直鎖又は分
岐鎖(C1−C6アルコキシ)カルボニル基であれば良
く、ここで(C1−C6アルコキシ)メチル基として
は、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n
−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−
ブトキシメチル基、n−ペンチルオキシメチル基、n−
ヘキシルオキシメチル基等を例示することができ、また
(C1−C6アルコキシ)カルボニル基としては、例え
ばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−
プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル
基、n−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカ
ルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等を例示
することができる。従って、Xがアルコキシメチル基で
ある化合物としては、具体的には、例えば3−メトキシ
メチル−2−ニトロトルエン、3−エトキシメチル−2
−ニトロトルエン、3−n−プロポキシメチル−2−ニ
トロトルエン、3−イソプロポキシメチル−2−ニトロ
トルエン、3−n−ブトキシメチル−2−ニトロトルエ
ン、3−n−ペンチルオキシ−2−ニトロトルエン、3
−n−ヘキシルオキシ−2−ニトロトルエン等を例示で
き、また、Xがアルコキシカルボニル基である化合物と
しては、具体的には、例えば3−メチル−2−ニトロ安
息香酸メチル、3−メチル−2−ニトロ安息香酸エチ
ル、3−メチル−2−ニトロ安息香酸n−プロピル、3
−メチル−2−ニトロ安息香酸n−ブチル、3−メチル
−2−ニトロ安息香酸n−ペンチル、3−メチル−2−
ニトロ安息香酸n−ヘキシル等を例示することができ
る。
【0033】これらの一般式[I]で表される2−メチ
ルニトロベンゼン誘導体は公知の化合物であるか、或い
は、Xがアルコキシメチル基である化合物は、例えば3
−メチル−2−ニトロ安息香酸エステル(代表的にはメ
チルエステル)あるいは3−メチル−2−ニトロ安息香
酸ハライド(代表的にはクロライド)を還元して3−メ
チル−2−ニトロベンジルアルコールとし、さらに例え
ばテトラヘドロン レター(Tetrahedron
Letter)、第30巻、47−50頁(1989
年)に記載の方法に準じてアルキル化することによっ
て、また、Xがアルコキシカルボニル基である化合物
は、例えばブルチン オブ ザ ケミカルソサエティ
オブ ジャパン(Bull.Chem.Soc.Jp
n.)、第60巻、3659頁(1987年)記載の方
法に準じて、3−メチル安息香酸を2−ニトロ化した
後、常法に準じ塩化チオニル等で酸ハライドとし、更
に、ケミカルレビューズ(Chemical Revi
ews)、第52巻、237頁(1953年)記載の方
法等、公知の方法に準じて、例えば3−メチル−2−ニ
トロ安息香酸クロライド等の3−メチル−2−ニトロ安
息香酸ハライドと、対応するアルコールを反応させてエ
ステル化することによって、それぞれ、得ることができ
る化合物である。
【0034】Xがアルコキシカルボニル基である化合物
の製造において用いる、対応するアルコールとしては、
C1〜C6の直鎖又は分岐鎖アルコール、具体的には例
えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−
プロパノール(2−プロパノール)、n−ブタノール、
i−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタ
ノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール等を例示
できる。
【0035】第1工程で原料となる、一般式[VI]で
表されるN,N−ジアルキルホルムアミドジアルキルア
セタ−ルとしては、例えばN,N−ジ(C1〜C6アル
キル)ホルムアミドジ(C1〜C6アルキル)アセタ−
ル、具体的には例えばN,N−ジメチルホルムアミドジ
メチルアセタ−ル、N,N−ジメチルホルムアミドジエ
チルアセタ−ル、N,N−ジエチルホルムアミドジメチ
ルアセタ−ル、N,N−ジプロピルホルムアミドジメチ
ルアセタ−ル、N−メチル−N−エチルホルムアミドジ
メチルアセタ−ル等や、R、Rが、これらの結合し
た窒素原子と共に5〜6員環を形成している化合物、具
体的には例えばピロリジン等を例示することができる。
【0036】また、N,N−ジアルキルホルムアミドジ
アルキルアセタ−ルを用いる代わりに、一般式[VI
I]で示されるN,N−ジメチルホルムアミドジメチル
アセタ−ル及び一般式[VIII]で表されるジアルキ
ルアミンを用いることもでき、その場合の一般式[VI
II]で表されるジアルキルアミンとしては、ジ(C1
〜C6アルキル)アミン、具体的にはジメチルアミン、
ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、
メチルエチルアミンや、窒素原子と共に5〜6員環を形
成している化合物、具体的には例えばピロリジン等を例
示することができる。
【0037】第1工程の反応に供される試剤の量は、一
般式[I]で表される2−メチルニトロベンゼン誘導体
1当量に対して、一般式[VI]〜[VIII]で表さ
れる化合物はそれぞれ、1〜10当量、好ましくは1〜
3当量である。
【0038】第1工程で用いることができる溶媒として
は、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)
等のエ−テル類;ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロ
ベンゼン又はジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
類;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)又はN−メチル−2−ピロリジ
ノン等のアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)
又はスルホラン等の硫黄化合物;ベンゼン、トルエン又
はキシレン等の芳香族炭化水素類;或いはこれらの混合
物が挙げられる。その該溶媒の使用量は一般式[I]で
表される2−ニトロトルエン誘導体(即ち、2−メチル
ニトロベンゼン誘導体)1モルに対して、10000m
l以下、好ましくは1000ml以下の範囲を例示でき
る。
【0039】第1工程で加水分解に用いる酸としては、
塩酸、硫酸等の鉱酸、酢酸、メタンスルホン酸、パラ−
トルエンスルホン酸等の有機酸を挙げることができる。
また、反応に供される酸の量は一般式[I]で表される
2−ニトロトルエン誘導体1当量に対して、1〜20当
量、好ましくは1〜3当量である。
【0040】第1工程の反応温度は、いずれの反応も−
10℃〜反応系における還流温度までの任意の温度で行
い、好ましくは0℃〜130℃の温度範囲を例示でき、
反応は化合物により異なるが0.5時間〜24時間で終
了する。
【0041】続いて、(B)第2工程について説明す
る。
【0042】(B)第2工程は下記スキームで表され
る。
【0043】
【化16】
【0044】{式中、Xは前記と同じ意味を表す。}
【0045】第2工程の目的物たる一般式[III]で
表されるフェニルアセトアルドキシム誘導体は、前記
(A)第1工程で得られる一般式[II]で表されるフ
ェニルアセトアルデヒド誘導体と、一般式[X]で表さ
れるヒドロキシルアミン又はその鉱酸塩とを、溶媒中又
は溶媒の非存在下で(好ましくは適当な溶媒中)、塩基
の存在下又は非存在下において、反応させることにより
製造することができる。
【0046】第2工程の反応に供される一般式[X]で
表されるヒドロキシルアミン又はその鉱酸塩(例えば塩
酸塩、硝酸塩、硫酸塩等)の量は、一般式[II]で表
される化合物1当量に対して、一般式[X]で表される
化合物は1〜2当量、好ましくは1〜1.2当量であ
る。
【0047】第2工程において用い得る塩基としては、
例えば水素化ナトリウム等の金属水素化物;ナトリウム
アミド又はリチウムジイソプロピルアミド等のアルカリ
金属アミド類;ピリジン、トリエチルアミン又は1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の
有機塩基類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のア
ルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム又は水酸化マ
グネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナト
リウム又は炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩類;
炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等のアルカリ
金属の重炭酸塩類;酢酸ナトリウムやギ酸カリウム等の
アルカリ金属のカルボン酸塩類;或いはナトリウムメト
キシド又はカリウム tert−ブトキシド等のアルコ
−ルの金属塩類が挙げられる。該塩基の使用量は一般式
[II]で表されるフェニルアセトアルデヒド誘導体1
モルに対して1〜2モル、好ましくは1〜1.2モルの
範囲を例示できる。
【0048】第2工程において用い得る溶媒としては、
例えばジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等の
エ−テル類;ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベン
ゼン又はジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド(DMF)又はN−メチル−2−ピロリジノン
等のアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)又は
スルホラン等の硫黄化合物;ベンゼン、トルエン又はキ
シレン等の芳香族炭化水素類;メタノ−ル、エタノ−
ル、プロパノ−ル、イソプロパノ−ル(2−プロパノー
ル)、ブタノ−ル又はtert−ブタノ−ル等のアルコ
−ル類;アセトニトリル等のニトリル類;水或いはこれ
らの混合物が挙げられる。該溶媒の使用量は一般式[I
I]で表されるフェニルアセトアルデヒド誘導体1モル
に対して、10000ml以下、好ましくは1000m
l以下の範囲を例示できる。
【0049】第2工程の反応温度は0℃〜反応系におけ
る還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは20℃
〜70℃の温度範囲を例示でき、反応は化合物により異
なるが1時間〜72時間で終了する。
【0050】続いて(C)第3工程について説明する。
【0051】(C)第3工程は下記スキームで表され
る。
【0052】
【化17】
【0053】{式中、Xは前記と同じ意味を表す。}
【0054】第3工程の目的物たる一般式[IV]で表
されるフェニルアセトニトリル誘導体は、前記(B)第
2工程で得られる一般式[III]で表されるフェニル
アセトアルドキシム誘導体を、溶媒中又は溶媒の非存在
下で(好ましくは適当な溶媒中)、脱水剤と反応するこ
とにより製造することができる。
【0055】第3工程で用いる脱水剤としては、アセチ
ルクロリド、ホスゲン、チオニルクロリド、オキシ塩化
リン等の酸ハライド類;無水トリフルオロ酢酸、無水酢
酸等の酸無水物;カルボニルジイミダゾ−ル、ジシクロ
ヘキサンジイミド等の縮合剤が挙げられる。
【0056】第3工程おいて反応に供される試剤の量
は、一般式[III]で表されるフェニルアセトアルド
キシム誘導体1当量に対して、脱水剤は1〜3当量であ
る。
【0057】第3工程において用い得る溶媒としては、
例えばジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等の
エ−テル類;ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベン
ゼン又はジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド(DMF)又はN−メチル−2−ピロリジノン
等のアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)又は
スルホラン等の硫黄化合物;ベンゼン、トルエン又はキ
シレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸イソプ
ロピル等のエステル類;アセトン又は2−ブタノン等の
ケトン類;アセトニトリル等のニトリル類;或いはこれ
らの混合物が挙げられる。該溶媒の使用量は、一般式
[III]で表されるフェニルアセトアルドキシム誘導
体1モルに対して、10000ml以下、好ましくは1
000ml以下の範囲を例示できる。
【0058】第3工程の反応温度は0℃〜反応系におけ
る還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは70℃
〜150℃の温度範囲であり、反応は化合物により異な
るが1時間〜72時間で終了する。
【0059】続いて、参考として、第3工程で得られた
一般式[IV]で表されるフェニルアセトニトリル誘導
体の内、Xがアルコキシカルボニル基である化合物を、
還元して、2−ニトロ−3−シアノメチル−ベンジルア
ルコ−ルとした後、(2−ニトロ−3−アルコキシメチ
ル−フェニル)アセトニトリル誘導体を製造する工程に
ついて説明する。
【0060】参考の本工程は下記スキームで表される。
【0061】
【化18】
【0062】{式中、Xはアルコキシカルボニル基を
表し、Halはハロゲン原子を表し、Rはアルキル基
を表す。}
【0063】本工程は、上記スキームのごとく、一般式
[IV’]で表される(3−アルコキシカルボニル−2
−ニトロフェニル)アセトニトリル誘導体(即ち、第3
工程で得られた一般式[IV]で表される(2−ニトロ
フェニル)アセトニトリル誘導体の内、Xがアルコキシ
カルボニル基である化合物)を還元して、2−ニトロ−
3−シアノメチル−ベンジルアルコ−ルとした後、下記
a:又はb:の何れかの方法で、(2−ニトロ−3−ア
ルコキシメチル−フェニル)アセトニトリル誘導体を製
造する工程である。 a:2−ニトロ−3−シアノメチル−ベンジルアルコ−
ルをアルキル化剤と反応させる。
【0064】b:2−ニトロ−3−シアノメチル−ベン
ジルアルコ−ルをハロゲン化することにより得られる、
一般式[XIII]
【0065】
【化19】
【0066】{式中、Halはハロゲン原子を表す。}
【0067】で表される2−ニトロ−3−シアノメチル
−ベンジルハライド誘導体を、アルコールと反応させ
る。
【0068】まず、本工程の還元について説明する。
【0069】本工程における、一般式[IV’]で表さ
れる(3−アルコキシカルボニル−2−ニトロフェニ
ル)アセトニトリル誘導体の還元は、還元剤を用いて行
い、この還元剤としては、ニトロ基、ニトリル基を還元
することなくアルコキシカルボニル基をヒドロキシメチ
ル基に還元できるものであれば何れでも構わないが、例
えば、水素化ホウ素ナトリウムとメタノールの組合わせ
等を例示することができる。還元剤として水素化ホウ素
ナトリウムとメタノールの組合わせを用いるときは、一
般式[IV’]で表される(3−アルコキシカルボニル
−2−ニトロフェニル)アセトニトリル誘導体1モルに
対して水素化ホウ素ナトリウム1.0〜3.0モル、好
ましくは1.0〜1.5モル、メタノール1.0〜20
モル、好ましくは2〜10モルの範囲を例示できる。
【0070】本工程の還元は、溶媒中で行うのが一般的
であり、使用しうる溶媒としては、例えばジオキサン、
テトラヒドロフラン(THF)等のエ−テル類;ジクロ
ロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン又はジクロロベ
ンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
又はN−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類;ジメ
チルスルホキシド(DMSO)又はスルホラン等の硫黄
化合物;ベンゼン、トルエン又はキシレン等の芳香族炭
化水素類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル
類;アセトン又は2−ブタノン等のケトン類;アセトニ
トリル等のニトリル類、或いはこれらの混合物が挙げら
れる。該溶媒の使用量は、一般式[IV’]で表される
(3−アルコキシカルボニル−2−ニトロフェニル)ア
セトニトリル誘導体1モルに対して、100〜5000
ml、好ましくは300〜1000mlの範囲を例示で
きる。
【0071】本工程の還元の反応温度は40℃〜反応系
における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは
50℃〜反応系における還流温度の温度範囲であり、還
元剤として水素化ホウ素ナトリウムとメタノールの組合
わせを用いるときは、還流下にメタノールを滴下するよ
うにする。反応は化合物により異なるが1時間〜72時
間で終了する。
【0072】次に、本工程のa:の方法について説明す
る。
【0073】本工程のa:の方法は、2−ニトロ−3−
シアノメチル−ベンジルアルコールをアルキル化剤と反
応させる。
【0074】本工程のa:の方法における、2−ニトロ
−3−シアノメチル−ベンジルアルコールのアルキル化
は、アルキル化剤を用いて行い、このアルキル化剤とし
ては、ベンジルアルコール部位をアルコキシメチル基に
アルキル化できるものであれば何れでも構わないが、例
えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のジ(C1〜C6
アルキル硫酸:ヨウ化メチル、臭化エチル等のハロゲン
化(C1〜C6)アルキル等を例示することができる。
アルキル化剤の使用量としては、2−ニトロ−3−シア
ノメチル−ベンジルアルコール1モルに対して、1.0
〜2.0モル、好ましくは1.0〜1.5モルの範囲を
例示できる。
【0075】本工程のa:の方法におけるアルキル化
は、溶媒中で行うのが一般的であり、使用しうる溶媒と
しては、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン(TH
F)等のエ−テル類;ジクロロエタン、四塩化炭素、ク
ロロベンゼン又はジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化
水素類;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド(DMF)又はN−メチル−2−ピロ
リジノン等のアミド類;ジメチルスルホキシド(DMS
O)又はスルホラン等の硫黄化合物;ベンゼン、トルエ
ン又はキシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢
酸イソプロピル等のエステル類;アセトン又は2−ブタ
ノン等のケトン類;アセトニトリル等のニトリル類;或
いはこれらの混合物が挙げられる。該溶媒の使用量は、
2−ニトロ−3−シアノメチル−ベンジルアルコール1
モルに対して、500〜5000ml、好ましくは10
00〜3000mlの範囲を例示できる。
【0076】本工程のa:の方法におけるアルキル化の
反応温度は10℃〜反応系における還流温度までの任意
の温度で行い、好ましくは20℃〜40℃の温度範囲で
あり、反応は化合物により異なるが1時間〜72時間で
終了する。
【0077】続いて、本工程のb:の方法について説明
する。
【0078】本工程のb:の方法は、2−ニトロ−3−
シアノメチル−ベンジルアルコールをハロゲン化するこ
とにより得られる、一般式[XIII]
【0079】
【化20】
【0080】{式中、Halはハロゲン原子を表す。}
【0081】で表される2−ニトロ−3−シアノメチル
−ベンジルハライド誘導体を、アルコールと反応させる
方法である。
【0082】本工程のb:の方法にける、2−ニトロ−
3−シアノメチル−ベンジルアルコールのハロゲン化
は、ハロゲン化剤を用いて行い、このハロゲン化剤とし
ては、ヒドロキシメチル基をハロゲノメチル基にハロゲ
ン化できるものであれば何れでも構わないが、例えば、
三塩化リンや三臭化リン等の三ハロゲン化リン;塩化チ
オニル等のハロゲン化チオニル;五塩化リン、五臭化リ
ン等の五ハロゲン化リン等を例示することができる。ハ
ロゲン化剤の使用量としては、2−ニトロ−3−シアノ
メチル−ベンジルアルコール1モルに対して、1.0〜
3.0モル、好ましくは1.0〜1.5モルの範囲を例
示できる。
【0083】本工程のb:の方法におけるハロゲン化
は、溶媒中で行うのが一般的であり、使用しうる溶媒と
しては、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン(TH
F)等のエ−テル類;ジクロロエタン、四塩化炭素、ク
ロロベンゼン又はジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化
水素類;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド(DMF)又はN−メチル−2−ピロ
リジノン等のアミド類;ジメチルスルホキシド(DMS
O)又はスルホラン等の硫黄化合物;ベンゼン、トルエ
ン又はキシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢
酸イソプロピル等のエステル類;アセトン又は2−ブタ
ノン等のケトン類;アセトニトリル等のニトリル類、或
いはこれらの混合物が挙げられる。該溶媒の使用量は、
2−ニトロ−3−シアノメチル−ベンジルアルコール1
モルに対して、500〜5000ml、好ましくは10
00〜3000mlの範囲を例示できる。
【0084】本工程のb:の方法におけるハロゲン化の
反応温度は10℃〜反応系における還流温度までの任意
の温度で行い、好ましくは20℃〜40℃の温度範囲で
あり、反応は化合物により異なるが1時間〜72時間で
終了する。
【0085】本工程のb:の方法における、一般式[X
III]で表される2−ニトロ−3−シアノメチル−ベ
ンジルハライド誘導体とアルコールとの反応において用
いられるアルコールは直鎖又は分岐鎖のC1〜C6アル
コール、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロ
パノール、i−プロパノール(2−プロパノール)、n
−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、
tert−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサ
ノール等であれば良く、反応に供されるアルコールの量
は、一般式[XIII]で表される2−ニトロ−3−シ
アノメチル−ベンジルハライド誘導体1当量に対して、
C1〜C6アルコールが1.0〜20当量、好ましくは
1.0〜10当量である。
【0086】本工程のb:の方法における、一般式[X
III]で表される2−ニトロ−3−シアノメチル−ベ
ンジルハライド誘導体とアルコールとの反応は、溶媒中
で行うことも可能であり、使用しうる溶媒としては、例
えばジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエ
−テル類;ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼ
ン又はジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド(DMF)又はN−メチル−2−ピロリジノン
等のアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)又は
スルホラン等の硫黄化合物;ベンゼン、トルエン又はキ
シレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸イソプ
ロピル等のエステル類;アセトン又は2−ブタノン等の
ケトン類;アセトニトリル等のニトリル類、或いはこれ
らの混合物が挙げられる。該溶媒の使用量は、一般式
[XIII]で表される2−ニトロ−3−シアノメチル
−ベンジルハライド誘導体1モルに対して、5000m
l以下、好ましくは1000ml以下の範囲を例示でき
る。
【0087】本工程のb:の方法のアルコールとの反応
の反応温度は50℃〜100℃までの任意の温度で行
い、好ましくは60℃〜90℃の温度範囲であり、反応
は化合物により異なるが1時間〜72時間で終了する。
【0088】本発明方法により得られる、(3−メトキ
シメチル−2−ニトロ−フェニル)アセトニトリルに代
表される一般式[IV]で表される(2−ニトロ−フェ
ニル)アセトニトリル類は、例えば下記スキームのよう
に、2−メタンスルホニル−4,6−ジメトキシピリミ
ジンと反応させた後、例えばm−クロロ過安息香酸や過
酸化水素を用いて酸化的に脱シアノ化することにより、
WO00/06553に記載の農薬の原料にまで誘導す
ることができる。
【化21】
【0089】
【発明の効果】
【0090】本発明方法によれば、例えばWO00/0
6553記載の農薬の有用な中間体となる、一般式[I
V]で表される(2−ニトロ−フェニル)アセトニトリ
ル類を工業的に簡便に製造できる。また、本発明によ
り、WO00/06553に記載の農薬の有用な合成中
間体が提供される。
【0091】
【実施例】次に、実施例をあげて、本発明方法及び本発
明化合物の製造法を具体的に説明する。
【0092】<参考例1>3−メトキシメチル−2−ニ
トロトルエンの合成 3−メチル−2−ニトロ安息香酸メチル(100g,
0.51mol)のテトラヒドロフラン溶液(250m
l)に水素化ホウ素ナトリウム(19.4g,0.51
mol)を加えた。還流させながらメタノ−ル(49.
2g,1.54mol)を30分間かけてゆっくり滴下
した。滴下後、発泡が消失するまで1時間還流し、冷却
後水にあけジイソプロピルエ−テルで抽出した。有機層
を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、3−
ヒドロキシメチル−2−ニトロトルエンの淡褐色結晶を
得た(収量80.3g,収率94%、融点41〜42
℃)。このもののテトラヒドロフラン溶液(350m
l)に室温下、粉末の水酸化ナトリウム(26.9g,
0.67mol)を入れ1時間攪拌した。白色固体析出
後、30℃以下30分間でジメチル硫酸(90.9g,
0.72mol)を滴下した。滴下中一度均一になり、
その後、寒天状になった。そのまま2日間攪拌し、水に
あけアンモニア水(100g)を加えた。1時間攪拌後
酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後濃縮し、3−メトキシメチル−2−ニ
トロトルエンの液体を得た(87.0g,100%,純
度96%)。
【0093】H−NMR(CDCl)δ:7.41
−7.23(3H,m),4.49(2H,s),3.
37(3H,d),2.35(3H,s)ppm
【0094】<実施例1> (A)3−メトキシメチル−2−ニトロフェニルアセト
アルデヒドの合成 3−メトキシメチル−2−ニトロトルエン(15.0
g,82.8mmol)とピロリジン(13.0g,
0.18mol)、N,N−ジメチルホルムアミドジメ
チルアセタ−ル(19.7g,0.17mol)、N,
N−ジメチルホルムアミド(6.05g,82.8mm
ol)の混合溶液を、ディーン・スタ−ク管を用いて低
沸点物を除きながら、内温125℃まで1時間加熱し
た。反応溶液を濃縮し、3−メトキシメチル−2−{2
−(ピロリジン−1−イル)エテニル}ニトロベンゼン
を得た(22.7g,収率100%、)。
【0095】m/Z:262(M),145,13
2,112(基準ピ−ク),105,70
【0096】得られた3−メトキシメチル−2−{2−
(ピロリジン−1−イル)エテニル}ニトロベンゼン
(22.7g、82.8mmol)を、氷冷下10%塩
酸水溶液(300ml)に加えた。次いでジイソプロピ
ルエ−テル(300ml)を加え室温下一晩攪拌し、ジ
イソプロピルエ−テルにて抽出した。有機層を希塩酸、
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮
後、3−メトキシメチル−2−ニトロフェニルアセトア
ルデヒドの液体を得た(収量10.6g,収率61%,
純度94%)。
【0097】H−NMR(CDCl)δ:9.76
(1H,tri),7.57−7.25(3H,m),
4.57(2H,s), 3.80(2H,s),3.
40(3H,s)ppm
【0098】(B)3−メトキシメチル−2−ニトロフ
ェニルアセトアルドキシムの合成 3−メトキシメチル−2−ニトロフェニルアセトアルデ
ヒド(5.60g,26.8mmol)のメタノ−ル溶
液(13ml)に酢酸ナトリウム(2.05g,29.
5mmol)とヒドロキシルアミン塩酸塩(2.44
g,34.8mmol)を順に加え、室温下30分間攪
拌した。濃縮後水にあけ酢酸エチルで抽出した。有機層
を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、3−
メトキシメチル−2−ニトロフェニルアセトアルドキシ
ム(GC−MS:m/z=224(M)、206(M
−HO))の淡黄色結晶を得た(収量6.06g,
収率100%,純度92%、融点92〜95℃)。
【0099】H−NMR(CDCl)δ:7.47
−7.34(3H,m),6.87(1H,tri),
4.52(2H,s),3.73(2H,d),3.3
9(3H,s)ppm
【0100】(C)3−メトキシメチル−2−ニトロフ
ェニルアセトニトリルの合成 3−メトキシメチル−2−ニトロフェニルアセトアルド
キシム(2.24g,10.0mmol)を無水酢酸
(1.53g,15.0mmol)に溶かし120℃で
30分間攪拌した。冷却後水にあけ、酢酸エチルで抽出
した。有機層を重曹水、水で洗浄し無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後濃縮し、3−メトキシメチル−2−ニトロフ
ェニルアセトニトリルの茶褐色結晶を得た(収量2.1
4g,収率100%,純度91%、融点34〜36
℃)。
【0101】H−NMR(CDCl)δ:7.61
−7.59(3H,m),4.55(2H,s),3.
86(2H,d),3.40(3H,s)ppm
【0102】<実施例2> (A)3−ホルミルメチル−2−ニトロ安息香酸メチル
の合成 3−メチル−2−ニトロ安息香酸メチル(19.5g,
0.10mol)及びN,N−ジメチルホルムアミドジ
メチルアセタ−ル(23.8g,0.20mol)の
N,N−ジメチルホルムアミド溶液(50ml)を5時
間還流した。ディーン・スタ−ク管を付し低沸点物を留
去することなく更に5時間還流させた。N,N−ジメチ
ルホルムアミドジメチルアセタ−ル(11.9g,0.
10mol)を追加し、5時間還流した。3−メチル−
2−ニトロ安息香酸メチルの消失を確認し、冷却後10
%HCl水溶液(300ml)にあけ室温で1時間攪拌
した。酢酸エチルで抽出した後、水層を重曹水でアルカ
リ性にし酢酸エチルで抽出した。得られた有機層をあわ
せて水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、3
−ホルミルメチル−2−ニトロ安息香酸メチルの液体を
得た(収量21.0g,収率90%)。
【0103】屈折率(▲nαD▼):測定不可 H−NMR(CDCl)δ:9.75(1H,
d),7.95(1H,d−d),7.60(1H,t
ri),7.51(1H,d−d),3.91(3H,
s),3.78(2H,s)ppm
【0104】(B)3−(2−ヒドロキシイミノ)エチ
ル−2−ニトロ安息香酸メチルの合成 3−ホルミルメチル−2−ニトロ安息香酸メチル(2
1.0g,90mmol)のメタノ−ル溶液(50m
l)に室温下、酢酸ナトリウム(9.10g,0.13
mol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(7.64g,
0.11mol)を順に加えた。室温下30分間攪拌
後、濃縮し水にあけ酢酸エチルで抽出した。有機層を水
洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、3−(2
−ヒドロキシイミノ)エチル−2−ニトロ安息香酸メチ
ルの茶褐色結晶を得た(収量21.0g,収率98%、
融点103〜106℃)。
【0105】H−NMR(CDCl)δ:7.99
(1H,br),7.93(1H,d−d),7.61
(1H,d−d),7.54(1H,tri),6.8
5(1H,tri),3.91(3H,s),3.72
(2H,d)ppm
【0106】(C)3−シアノメチル−2−ニトロ安息
香酸メチルの合成 3−(2−ヒドロキシイミノ)エチル−2−ニトロ安息
香酸メチル(21.0g,88mmol)を無水酢酸
(15.3g,0.15mol)に溶かし120℃で3
0分間攪拌した。冷却後水にあけ、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を重曹水、水で洗浄し無水硫酸マグネシウム
で乾燥後濃縮し粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲル
カラム(酢酸エチル:ヘキサン=1:2〜1:1)にて
精製し、ジイソプロピルエ−テル洗浄し、3−シアノメ
チル−2−ニトロ安息香酸メチルの淡褐色結晶を得た
(収量15.4g、収率80%、融点77〜80℃)。
【0107】H−NMR(CDCl)δ:8.01
(1H,d−d),7.88(1H,d−d),7.6
8(1H,tri),3.92(3H,s),3.83
(2H,s)ppm
【0108】<参考例2>3−ヒドロキシメチルー2−
ニトロフェニルアセトニトリルの合成 3−シアノメチル−2−ニトロフェニル安息香酸メチル
(4.40g、20.0mmol)のテトラヒドロフラ
ン溶液(20ml)に、室温下、水素化ホウ素ナトリウ
ム(1.51g、40.0mmol)を加えた。反応溶
液を還流しながらメタノール(3.84g、0.12m
ol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後発泡の消失が
なくなるまで1時間還流した。冷却後水にあけ酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥後濃縮し粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲル
カラム(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)にて精製し、
融点60〜62℃の、3−ヒドロキシメチルー2−ニト
ロフェニルアセトニトリル(2.90g、収率76%)
の深緑色結晶を得た。
【0109】<参考例3>(3−ブロモメチル−2−ニ
トロフェニル)アセトニトリルの合成 五臭化リン(3.0g、9.7mmol)を、トルエン
(9ml)及びテトラヒドロフラン(3ml)の混合溶
媒に分散させた中に、(3−ヒドロキシメチルー2−ニ
トロフェニル)アセトニトリル(1.7g、8.8mm
ol)を加え、室温下、1時間攪拌した。反応混合物を
氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し粗生成物を得た。
粗生成物をシリカゲルカラム(酢酸エチル:ヘキサン=
1:5〜1:2)にて精製し、融点71〜73℃の、
(3−ブロモメチル−2−ニトロフェニル)アセトニト
リル(1.75g、収率78%)の淡褐色結晶を得た。
【0110】(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニ
ル)アセトニトリルの合成 (3−ブロモメチル−2−ニトロフェニル)アセトニト
リル(1.3g、5.1mmol)のメタノール溶液
(20ml)を5時間還流した。冷却後メタノールを減
圧下留去し、残査を水にあけ酢酸エチルで抽出した。有
機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し粗
生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラム(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:5〜1:2)にて精製し、融点34
〜36℃の、(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニ
ル)アセトニトリル(0.2g、収率19%)の茶褐色
結晶を得た。
【0111】<参考例4>2−(4,6−ジメトキシピ
リミジン−2−イル)−2−(3−メトキシメチル−2
−ニトロフェニル)アセトニトリル 60%水素化ナトリウム(11.2g,0.28mo
l)をN,N−ジメチルホルムアミド100mlに懸濁
させて氷水浴で10℃以下に冷却し、攪拌しながら(3
−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)アセトニトリ
ル(29g、0.14mol)をN,N−ジメチルホル
ムアミド100mlに懸濁させた溶液を滴下した。滴下
終了後、室温下で水素の発生が無くなるまで攪拌した。
再び氷水浴中で10℃以下に冷却し、攪拌しながら4,
6−ジメトキシピリミジン−2−メチルスルホニルピリ
ミジン(30g、0.14mol)を加え、室温下で1
2時間攪拌後、反応液を氷水に注加し、10%塩酸で酸
性にした後、析出した粗結晶を濾別し、水及びエタノー
ル−イソプロピルエーテル混合溶液で洗浄することによ
り、2−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)
−2−(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)ア
セトニトリル42g(収率87%)を、赤褐色粉末(融
点112〜113℃)として得た。
【0112】確認データ H−NMR 300MHz CDCl TMS 7.83(m,1H)、7.58(m,2H)、5.9
1(s,1H)、5.72(s,1H)、4.53
(s,2H)、3.90(s,6H)、3.39(s,
3H)
【0113】<参考例5>(3−メトキシメチル−2−
ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2
−イル)ケトンの合成 1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1
−(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)アセト
ニトリル(7.6g,22.1mmol)を酢酸(22
ml)に溶かし、過酸化水素(4.3g,44.2mm
ol)、タングステン酸ナトリウム(0.73g,2.
2mmol)を加え70℃で2時間加熱した。反応終了
をTLC(薄層クロマトグラフィー)で確認し、エバポ
レ−タ−で酢酸を留去し、痕跡の酢酸を除くためにメタ
ノ−ルを加えてさらに濃縮した。
【0114】残査をメタノ−ル22ml,テトラヒドロ
フラン22mlで溶解し、25%水酸化ナトリウム
(5.3g,33.2mmol)を加えて室温で1時間
撹拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、水、重曹
水、水の順に洗浄し、乾燥、濃縮、乾固した。得られた
固体をジイソプロピルエ−テルで洗浄し、(3−メトキ
シメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシ
ピリミジン−2−イル)ケトンの白色粉末を得た(収量
5.8g,収率79%、融点111〜113℃)。
【0115】H−NMR(CDCl)δ:7.90
(1H,d−d),7.72(1H,tri),7.6
0(1H,d−d),6.13(1H,s),4.78
(2H,s),3.90(6H,s),3.47(3
H,s)ppm
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高部 文明 静岡県磐田郡福田町塩新田408−1 株式 会社ケイ・アイ研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB84 BU26 QN20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)〜(C)の各工程からなる、一般式
    [IV] 【化1】 {式中、Xはアルコキシメチル基又はアルコキシカルボ
    ニル基を表す。}で表される(2−ニトロ−フェニル)
    アセトニトリル類の製造方法。 (A)一般式[I] 【化2】 {式中、Xはアルコキシメチル基又はアルコキシカルボ
    ニル基を表す。}で表される2−メチルニトロベンゼン
    誘導体を、N,N−ジアルキルホルムアミドジアルキル
    アセタ−ルと反応させ、2−(2−ジアルキルアミノエ
    テニル)ニトロベンゼン誘導体を得、これを酸加水分解
    することにより、一般式[II] 【化3】 {式中、Xは前記と同じ意味を表す。}で表されるフェ
    ニルアセトアルデヒド誘導体とする第1工程。 (B)第1工程で得られた一般式[II]で表されるフ
    ェニルアセトアルデヒド誘導体を、ヒドロキシルアミン
    と反応させて、一般式[III] 【化4】 {式中、Xは前記と同じ意味を表す。}で表されるフェ
    ニルアセトアルドキシム誘導体とする第2工程。 (C)第2工程で得られた一般式[III]で表される
    フェニルアセトアルドキシム誘導体を、脱水することに
    より、一般式[IV] 【化5】 {式中、Xは前記と同じ意味を表す。}で表される(2
    −ニトロフェニル)アセトニトリル誘導体とする第3工
    程。
  2. 【請求項2】一般式[V] 【化6】 {式中、Xはアルコキシメチル基又はアルコキシカルボ
    ニル基を表し、Yはメチル基、2−ジアルキルアミノエ
    テニル基(ジアルキルアミノ部のアルキル基は、同一又
    は相異なってもよく、また窒素原子と共に5〜6員環を
    形成することもできる。)、ホルミルメチル基、2−ヒ
    ドロキシイミノエチル基を表す。但し、Yがメチル基又
    は2−ジアルキルアミノエテニル基を表す時は、Xはメ
    トキシメチル基を表す。}で表されるニトロベンゼン誘
    導体。
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